JP3486005B2 - 加硫可能なゴム組成物 - Google Patents

加硫可能なゴム組成物

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JP3486005B2
JP3486005B2 JP14657295A JP14657295A JP3486005B2 JP 3486005 B2 JP3486005 B2 JP 3486005B2 JP 14657295 A JP14657295 A JP 14657295A JP 14657295 A JP14657295 A JP 14657295A JP 3486005 B2 JP3486005 B2 JP 3486005B2
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田 圭 司 岡
條 哲 夫 東
井 俊 之 筒
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、加硫可能なゴム組成物に
関し、さらに詳しくは、天然ゴム(NR)、スチレン・
ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、
ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)など
のジエン系ゴムが有する優れた機械的特性、耐磨耗性、
低温特性などを損なうことなく、耐動的疲労性、耐熱老
化性、耐候性および耐オゾン性に優れた加硫ゴムを提供
しうるような加硫可能なゴム組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】エチレン・プロピレン共重合体ゴ
ム(EPR)およびエチレン・プロピレン・ジエン共重
合体ゴム(EPDM)などのエチレン・α- オレフィン
系ゴムは、その分子構造の主鎖に不飽和結合を有しない
ため、汎用されている共役ジエン系ゴムに比べ、耐熱老
化性、耐候性、耐オゾン性に優れ、自動車用部品、電線
用材料、電気・電子部品、建築土木資材、工業材部品等
の用途に広く用いられている。
【0003】自動車用部品については、EPDMは、た
とえばウェザーストリップ、ドアグラスランチャンネ
ル、ラジエーターホースなど、静的な力が加わる自動車
部品に多く用いられている。
【0004】一方、タイヤ、防振ゴム、ワイパーブレー
ドといった動的な疲労に対して機械的強度を必要とする
部品の殆どは、機械的特性に優れているNR、SBR、
IR、BRなどのジエン系ゴム、あるいはこれらのブレ
ンド物が用いられている。
【0005】ところで、昨今の自動車の高性能化、長寿
命化にに伴い、自動車部品の耐熱老化性、耐候性、耐オ
ゾン性の向上が望まれている。しかしながら、これらの
ジエン系ゴムは、動的な機械的特性、耐摩耗性、低温特
性に優れているものの、その分子構造の主鎖中に二重結
合を有するため、耐熱老化性、耐候性、耐オゾン性に劣
る。
【0006】そこで、ジエン系ゴムの耐熱老化性、耐候
性、耐オゾン性の向上を目的として、ジエン系ゴムにE
PDMをブレンドする試みがなされている。しかしなが
ら、これらのブレンド物は、ジエン系ゴムが有する本来
の特徴である低温特性、耐磨耗性が低下するといった問
題がある。
【0007】EPR、EPDMなどのエチレン・α- オ
レフィン系ゴムは、通常加硫して用いられるが、その加
硫ゴム物性は、エチレン成分含量、分子量、ヨウ素価な
どによって変化し、それぞれの用途に応じてこれらの値
の異なるエチレン・α- オレフィン系ゴムが用いられて
いる。
【0008】たとえば、エチレン成分含量の高いEPR
またはEPDMを用いると、耐熱老化性、耐候性、耐オ
ゾン性に優れた加硫物が得られ、エチレン成分含量の低
いEPRまたはEPDMを用いると、低温柔軟性に優れ
た加硫物が得られることが知られている。
【0009】一方、ジエン系ゴムとブレンドして用いる
EPDMとしては、耐熱老化性、耐候性および耐オゾン
性に優れるだけでなく、低温柔軟性にも優れていること
が要求されている。
【0010】しかしながら、従来公知のEPRあるいは
EPDMでは、エチレン成分含量、分子量、ヨウ素価な
どを変化させても、耐熱老化性、耐候性および耐オゾン
性に優れ、しかも低温柔軟性にも優れる加硫ゴムを得る
ことは困難であった。
【0011】本発明者らは、ジエン系ゴムが有する優れ
た機械的特性、耐磨耗性、低温柔軟性を損なうことな
く、耐動的疲労性、耐熱老化性、耐候性および耐オゾン
性に優れた加硫ゴムを提供することができる加硫可能な
ゴム組成物を得るべく鋭意研究し、ジエン系ゴムに特定
のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
ゴムを配合してゴム組成物を調製したところ、このゴム
組成物から上記特性に優れた加硫ゴムが得られることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、ジエン系ゴムが
有する優れた機械的特性、耐磨耗性、低温柔軟性を損な
うことなく、耐動的疲労性、耐熱老化性、耐候性および
耐オゾン性に優れた加硫ゴムを供給しうる加硫可能なゴ
ム組成物を提供することを目的としている。
【0013】
【発明の概要】本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、
エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび
非共役ポリエンからなるエチレン・α- オレフィン・非
共役ポリエン共重合体ゴム(A)と、ジエン系ゴム
(B)とを5/95〜95/5の重量比[(A)/
(B)]で含む加硫可能なゴム組成物であっ て、該エ
チレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(A)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンと、非共役ポリエンとをランダム共重合させるこ
とにより得られ、 (1) (a)エチレンから導かれる単位と (b)炭素原子数3〜20のα- オレフィンから導かれる
単位とを、40/60〜95/5[(a)/(b)]のモル比
で含有し、 (2) ヨウ素価が1〜50であり、 (3) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
が、0.1〜10dl/gであり、(4) 上記 (3) で測定
される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量
(光散乱法による)であるエチレン含量が70モル%の
直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η] bl
ank との比[gη * (=[η]/[η] blank )]が
0.95を超える値であることを特徴としている。
【0014】 この共重合体ゴム(A)は、メタロセン
系触媒を用いて製造されるが、メタロセン系触媒として
は、下記式[I]または[II]で示されるメタロセン化
合物を含むメタロセン系触媒が好ましい。
【0015】
【化4】
【0016】[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金
属であり、R11およびR12は、水素原子、ハロゲン原
子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数1〜2
0の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含
有基、窒素含有基またはリン含有基であり、R13および
14は、それぞれ炭素原子数1〜20のアルキル基であ
り、X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素
原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハ
ロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基で
あり、Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、
炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2
価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O
−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR
7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR
7 −または−AlR7 −である。(ただし、R7は水素
原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素
基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基であ
る。)]
【0017】
【化5】
【0018】[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金
属であり、R21は、互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていても
よい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜
10のアリール基または−NR2、−SR、−OSi
3、−SiR3 または−PR2基(Rは、ハロゲン原
子、炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数
6〜10のアリール基)であり、R22〜R28は、上記の
21と同様であるか、あるいは隣接するR22〜R28がそ
れらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環
を形成していてもよく、X3 およびX4 は、互いに同じ
でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、O
H基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1
〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリール
基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子
数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリ
ールアルキル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリー
ル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基であ
り、
【0019】
【化6】
【0020】−Sn−、−O−、−S−、=SO、=S
2、=NR29、=CO、=PR29 または=P(O)R
29である。(ただし、R29およびR30は、互いに同じで
も異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素
原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフ
ルオロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、
炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、炭素原子数
1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケ
ニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭
素原子数8〜40のアリールアルケニル基または炭素原
子数7〜40のアルキルアリール基であるか、またはR
29とR30とは、それぞれそれらの結合する原子とともに
環を形成してもよく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまた
はスズの原子である。)]上記のエチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、前記特性
(1) 〜(3) に加えて、さらに、 (4) 13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するT
αβの強度比D(Tαβ/Tαα)が0.5以下であ
り、 (5) 13C−NMRスペクトルおよび下記の式から求めら
れるB値が、1.00〜1.50であり; B値=[POE]/(2・[PE ]・[PO ]) (式中、[PE ]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エ
チレンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[PO ]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α- オレフ
ィンから導かれる単位の含有モル分率であり、[POE
は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)
連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖数の割合
である)、 (6) DSCで求められるガラス転移温度(Tg)が−5
0℃以下であることが好ましい。
【0021】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る加硫可能なゴ
ム組成物について具体的に説明する。本発明に係る加硫
可能なゴム組成物は、エチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエン共重合体ゴム(A)と、ジエン系ゴム(B)
とを含有している。
【0022】エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(A) 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(A)は、後述するような特定の
メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数
3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとをラン
ダム共重合させることにより得られる。
【0023】上記炭素原子数3〜20のα- オレフィン
としては、たとえばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテ
ン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、
1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、
1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-
ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイ
コセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、
3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、4-メチ
ル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘキセン、4,4-ジメ
チル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキセン、3-エチル-1
- ヘキセン、9-メチル-1- デセン、11- メチル-1- ドデ
セン、12- エチル-1- テトラデセン、およびこれらの組
合わせが挙げられる。
【0024】これらのうち、炭素原子数4〜10のα-
オレフィンが好ましく、特に1-ブテン、1-ヘキセン、1-
オクテン、1-デセンなどが好ましく用いられる。また、
上記非共役ポリエンとしては、脂肪族ポリエン、脂環族
ポリエンなどが挙げられる。
【0025】脂肪族ポリエンとしては、具体的には、1,
4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエ
ン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジ
エン、1,9-デカジエン、1,13- テトラデカジエン、1,5,
9-デカトリエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチ
ル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、4
-エチル-1,4- ヘキサジエン、3-メチル-1,5- ヘキサジ
エン、3,3-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、3,4-ジメチル
-1,5- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘプタジエン、5-
エチル-1,4- ヘプタジエン、5-メチル-1,5-ヘプタジエ
ン、6-メチル-1,5- ヘプタジエン、5-エチル-1,5- ヘプ
タジエン、3-メチル-1,6- ヘプタジエン、4-メチル-1,6
- ヘプタジエン、4,4-ジメチル-1,6-ヘプタジエン、4-
エチル-1,6- ヘプタジエン、4-メチル-1,4- オクタジエ
ン、5-メチル-1,4- オクタジエン、4-エチル-1,4-オク
タジエン、5-エチル-1,4- オクタジエン、5-メチル-1,5
- オクタジエン、6-メチル-1,5- オクタジエン、5-エチ
ル-1,5- オクタジエン、6-エチル-1,5- オクタジエン、
6-メチル-1,6- オクタジエン、7-メチル-1,6- オクタジ
エン、6-エチル-1,6- オクタジエン、6-プロピル-1,6-
オクタジエン、6-ブチル-1,6- オクタジエン、4-メチル
-1,4- ノナジエン、5-メチル-1,4- ノナジエン、4-エチ
ル-1,4- ノナジエン、5-エチル-1,4- ノナジエン、5-メ
チル-1,5- ノナジエン、6-メチル-1,5- ノナジエン、5-
エチル-1,5- ノナジエン、6-エチル-1,5- ノナジエン、
6-メチル-1,6- ノナジエン、7-メチル-1,6- ノナジエ
ン、6-エチル-1,6- ノナジエン、7-エチル-1,6- ノナジ
エン、7-メチル-1,7- ノナジエン、8-メチル-1,7- ノナ
ジエン、7-エチル-1,7- ノナジエン、5-メチル-1,4- デ
カジエン、5-エチル-1,4- デカジエン、5-メチル-1,5-
デカジエン、6-メチル-1,5- デカジエン、5-エチル-1,5
- デカジエン、6-エチル-1,5- デカジエン、6-メチル-
1,6- デカジエン、6-エチル-1,6- デカジエン、7-メチ
ル-1,6- デカジエン、7-エチル-1,6- デカジエン、7-メ
チル-1,7- デカジエン、8-メチル-1,7- デカジエン、7-
エチル-1,7- デカジエン、8-エチル-1,7- デカジエン、
8-メチル-1,8- デカジエン、9-メチル-1,8- デカジエ
ン、8-エチル-1,8-デカジエン、6-メチル-1,6- ウンデ
カジエン、9-メチル-1,8- ウンデカジエンなどの脂肪族
ポリエン、ビニルシクロヘキセン、ビニルノルボルネ
ン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、
シクロオクタジエン、2,5-ノルボルナジエン、1,4-ジビ
ニルシクロヘキサン、1,3-ジビニルシクロヘキサン、1,
3-ジビニルシクロペンタン、1,5-ジビニルシクロオクタ
ン、1-アリル-4- ビニルシクロヘキサン、1,4-ジアリル
シクロヘキサン、1-アリル-5- ビニルシクロオクタン、
1,5-ジアリルシクロオクタン、1-アリル-4- イソプロペ
ニルシクロヘキサン、1-イソプロペニル-4- ビニルシク
ロヘキサン、1-イソプロペニル-3- ビニルシクロペンタ
ンなどが挙げられる。
【0026】また、芳香族ポリエンとしては、具体的に
は、ジビニルベンゼン、ビニルイソプロペニルベンゼン
などが挙げられる。本発明では、これらのうちでも炭素
原子数が7以上である非共役ポリエンが好ましく、たと
えば7-メチル-1,6- オクタジエン等のメチルオクタジエ
ン(MOD)、5-エチリデン-2- ノルボルネン等のエチ
リデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン
(DCPD)などが好ましく用いられる。
【0027】これらの非共役ポリエンは、単独で、ある
いは2種以上組合わせて用いることができる。本発明で
用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン
共重合体ゴム(A)は、下記のような特性を有してい
る。 (1) エチレン/α- オレフィン成分比 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(A)は、(a) エチレンから導か
れる単位と、(b) 炭素原子数3〜20のα- オレフィン
(以下、単にα- オレフィンということもある)から導
かれる単位とを、40/60〜95/5、好ましくは4
0/60〜90/10、特に好ましくは50/50〜8
5/15[(a)/(b)〕のモル比で含有している。
【0028】このようなエチレン成分/α- オレフィン
成分比のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共
重合体ゴムは、低温柔軟性および耐熱性のいずれにも優
れている。なお、エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体ゴムは、このエチレン/α- オレフィン
成分比が95/5を超えると、樹脂物性を示すようにな
って低温柔軟性が低下し、一方、40/60未満である
と、耐熱性が低下する傾向にある。 (2) ヨウ素価 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)の非共役ポリエン成分量の一指標であるヨウ素
価は、1〜50、好ましくは5〜40である。 (3) 極限粘度[η] エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)の135℃デカリン中で測定される極限粘度
[η]は、0.1〜10dl/g、好ましくは0.5〜
7dl/g、さらに好ましくは0.9〜5dl/gであ
る。
【0029】さらに、本発明で用いられるエチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、
下記の特性(4) 〜(6) を満たしていることが好ましい。 (4) D値 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)の13C−NMRスペクトルにおける、Tααに
対するTαβの強度(面積)比D(Tαβ/Tαα)
は、0.5以下、特に0.3以下であることが望まし
い。
【0030】なお、このランダム共重合体ゴムの強度比
D値は、ランダム共重合体ゴムを構成するα- オレフィ
ンの種類によって異なる。ここで、13C−NMRスペク
トルにおけるTαβおよびTααは、それぞれα- オレ
フィンから導かれる単位中のCH2 のピーク強度であ
り、下記に示すように第3級炭素に対する位置が異なる
2種類のCH2を意味している。
【0031】
【化7】
【0032】ランダム共重合体ゴムの強度比Dは、下記
のようにして求めることができる。ランダム共重合体ゴ
ムの13C−NMRスペクトルを、たとえば日本電子
(株)製 JEOL−GX270 NMR測定装置を用
いて、試料濃度5重量%のヘキサクロロブタジエン/d
6-ベンゼン=2/1(体積比)の混合溶液を、67.8
MHz、25℃にてd6-ベンゼン(128ppm )基準で
測定する。
【0033】13C−NMRスペクトルの解析は、基本的
にリンデマンアダムスの提案(Analysis Chemistry43,
p1245(1971))、J.C.Randall(Review Macromolecular
Chemistry Physics,C29, 201(1989))に従って行なっ
た。
【0034】ここで上記の強度比Dについて、エチレン
・1-ブテン・7-メチル-1,6- オクタジエン共重合体ゴム
を例にとってより具体的に説明する。このエチレン・1-
ブテン・7-メチル-1,6- オクタジエン共重合体ゴムの13
C−NMRスペクトルでは、39〜40ppm に現われる
ピークがTααに、また31〜32ppm に現われるピー
クがTαβに帰属される。
【0035】強度比Dは、それぞれのピーク部分の積分
値(面積)比で算出される。このようにして求められた
強度比Dは、一般に1-ブテンの1,2付加反応に続いて
2,1付加反応が起こる割合、または1-ブテンの2,1
付加反応に続いて1,2付加反応が起こる割合を示す尺
度と考えられている。したがって、この強度比D値が大
きいほど、α- オレフィン(1-ブテン)の結合方向が不
規則であること示している。逆にD値が小さいほど、α
- オレフィンの結合方向が規則的であることを示してお
り、規則性が高いと分子鎖は集合しやすく、ランダム共
重合体ゴムは強度などが優れる傾向にあって好ましい。
【0036】なお、本発明では、後述するように特定の
第IVB族メタロセン系触媒を用いてエチレンとα- オレ
フィンと非共役ポリエンとを共重合させることにより、
上記強度比Dが0.5以下であるランダム共重合体ゴム
を得ているが、たとえばバナジウムなどの第VB族メタ
ロセン系触媒の存在下に、エチレンと1-ブテンと7-メチ
ル-1,6- オクタジエンとを共重合させても、上記強度比
Dが0.5以下であるエチレン・1-ブテン・7-メチル-
1,6- オクタジエン共重合体ゴムを得ることはできな
い。このことは、1-ブテン以外のα- オレフィンについ
ても同様である。 (5) B値 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)は、13C−NMRスペクトルおよび下記の式か
ら求められるB値が1.00〜1.50であることが望
ましい。
【0037】 B値=[POE]/(2・[PE ]・[PO ]) (式中、[PE ]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エ
チレンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[PO ]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α- オレフ
ィンから導かれる単位の含有モル分率であり、[POE
は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)
連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖数の割合
である。) このB値は、共重合体ゴム中におけるエチレンとα- オ
レフィンとの分布状態を表わす指標であり、J.C.Randal
l (Macromolecules, 15, 353(1982))、J.Ray(Macrom
olecules, 10,773 (1977)) らの報告に基づいて求める
ことができる。
【0038】上記のB値が大きいほど、エチレンあるい
はα- オレフィンのブロック的連鎖が短くなり、エチレ
ンおよびα- オレフィンの分布が一様であり、共重合体
ゴムの組成分布が狭いことを示している。なおB値が
1.00よりも小さくなるほど共重合体ゴムの組成分布
は広くなり、このような共重合体ゴムは、組成分布の狭
い共重合体ゴムと比べて、たとえば加硫した場合には強
度などの物性を充分に発現しないことがある。
【0039】なお本発明では、後述するように特定の第
IVB族メタロセン系触媒を用いてエチレンとα- オレフ
ィンと非共役ポリエンとを共重合させることにより、上
記B値が1.00〜1.50であるランダム共重合体ゴ
ムを得ているが、たとえばチタン系非メタロセン系触媒
の存在下に、エチレンとα- オレフィンと非共役ポリエ
ンとを共重合させても、上記範囲のB値を有するエチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを得
ることはできない。 (6) ガラス転移温度 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)のDSC(示差走査熱量計)で測定されるガラ
ス転移温度(Tg)は、−50℃以下であることが望ま
しい。
【0040】ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下で
あるランダム共重合体ゴムからは、低温柔軟性に優れた
加硫可能なゴム組成物を得ることができる。なお、本発
明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エン共重合体ゴム、たとえばエチレンと1-ブテンとエチ
リデンノルボルネン(ENB)とのランダム共重合体ゴ
ムは、このランダム共重合体ゴムとエチレン、α- オレ
フィン、非共役ポリエンの組成比が同じであるエチレン
とプロピレンとENBとの共重合体ゴム(EPDM)に
比べてガラス転移温度(Tg)が約5〜10℃低く、低
温特性に優れる特徴を有する。
【0041】 上記のようなエチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)の極限粘度[η]
から求められるgη* 値は、0.95を超えている。
【0042】このgη* 値は、次式により定義される。 gη* =[η]/[η]blank (ここで、[η]は、上記(3) で測定される極限粘度で
あり、[η]blank は、その極限粘度[η]のエチレン
・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムと同一
重量平均分子量(光散乱法による)を有し、かつエチレ
ン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合
体の極限粘度である。)上記のような特性を有するエチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムか
らは、機械強度、耐候性、耐オゾン性に優れ、しかも耐
寒性(低温柔軟性)および耐熱性のいずれにも優れた加
硫可能ゴム組成物およびその加硫物を得ることができ
る。
【0043】上記のような特定のエチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、特定のメ
タロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3
〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとをランダ
ム共重合させることにより製造される。
【0044】本発明で用いられるメタロセン系触媒は、
メタロセン化合物[A]を含有すること以外は特に限定
されず、たとえばメタロセン化合物[A]と、有機アル
ミニウムオキシ化合物[B]および/またはメタロセン
化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物
[C]とから形成されてもよい。また、メタロセン化合
物[A]と、有機アルミニウムオキシ化合物[B]およ
び/またはイオン対を形成する化合物[C]とともに有
機アルミニウム化合物[D]とから形成されてもよい。
【0045】以下に本発明において、メタロセン系触媒
を形成する際に用いられる各成分について説明する。メタロセン化合物[A] 本発明では、メタロセン化合物[A]として、下記の一
般式[I]または[II]で示される化合物が好ましく用
いられる。
【0046】
【化8】
【0047】式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。11およびR12 11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン
で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素
基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
有基またはリン含有基であり、炭素原子数1〜20のア
ルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、
tert- ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデ
シル基、アイコシル基、ノルボルニル基、アダマンチル
基等のアルキル基、ビニル基、プロペニル基、シクロヘ
キセニル基等のアルケニル基、ベンジル基、フェニルエ
チル基、フェニルプロピル基等のアリールアルキル基、
フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチ
ルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル
基、ビフェニル基、α- またはβ- ナフチル基、メチル
ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ベ
ンジルフェニル基、ピレニル基、アセナフチル基、フェ
ナレニル基、アセアントリレニル基、テトラヒドロナフ
チル基、インダニル基、ビフェニリル基等のアリール基
などが挙げられる。
【0048】これらの炭化水素基は、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリメチルシリル基、
トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基などの有機
シリル基で置換されていてもよい。
【0049】酸素含有基としては、具体的には、ヒドロ
オキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、メチルフェ
ノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基等のア
リロキシ基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基
等のアリールアルコキシ基などが挙げられる。
【0050】イオウ含有基としては、具体的には、前記
酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、メチルス
ルホネート基、トリフルオロメタンスルフォネート基、
フェニルスルフォネート基、ベンジルスルフォネート
基、p-トルエンスルフォネート基、トリメチルベンゼン
スルフォネート基、トリイソブチルベンゼンスルフォネ
ート基、p-クロルベンゼンスルフォネート基、ペンタフ
ルオロベンゼンスルフォネート等のスルフォネート基、
メチルスルフィネート基、フェニルスルフィネート基、
ベンゼンスルフィネート基、p-トルエンスルフィネート
基、トリメチルベンゼンスルフィネート基、ペンタフル
オロベンゼンスルフィネート等のスルフィネート基など
が挙げられる。
【0051】窒素含有基としては、具体的には、アミノ
基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジシク
ロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、フェニルア
ミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナ
フチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基等のアリール
アミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げら
れる。
【0052】リン含有基としては、具体的には、ジメチ
ルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基などが挙
げられる。R11は、これらのうちでも炭化水素基である
ことが好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基
の炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好まし
い。
【0053】またR12は、水素原子、炭化水素基である
ことが好ましく、特に水素原子あるいは、メチル基、エ
チル基、プロピル基の炭素原子数1〜3の炭化水素基で
あることが好ましい。
【0054】13およびR14 13およびR14は、上記に例示したような炭素原子数1
〜20のアルキル基である。
【0055】R13は、2級または3級アルキル基である
ことが好ましい。R14は、2重結合、3重結合を含んで
いてもよい。1 およびX2 1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、上記に例
示したような炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原
子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基また
はイオウ含有基であり、ハロゲン原子、炭素原子数1〜
20の炭化水素基であることが好ましい。
【0056】 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−C
O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR15−、−
P(R15)−、−P(O)(R15)−、−BR15−また
は−AlR15−[ただし、R15は、水素原子、ハロゲン
原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1
〜20のハロゲン化炭化水素基]であり、具体的には、
メチレン基、ジメチルメチレン基、1,2-エチレン基、ジ
メチル-1,2- エチレン基、1,3-トリメチレン基、1,4-テ
トラメチレン基、1,2-シクロヘキシレン基、1,4-シクロ
ヘキシレン基等のアルキレン基、ジフェニルメチレン
基、ジフェニル-1,2-エチレン基等のアリールアルキレ
ン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基;ク
ロロメチレン等の上記炭素原子数1〜20の2価の炭化
水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;メチル
シリレン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン
基、ジ(n-プロピル)シリレン基、ジ(i-プロピル)シ
リレン基、ジ(シクロヘキシル)シリレン基、メチルフ
ェニルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジ(p-トリ
ル)シリレン基、ジ(p-クロロフェニル)シリレン等の
アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、ア
リールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリル基、テ
トラフェニル-1,2- ジシリル基等のアルキルジシリル
基、アルキルアリールジシリル基、アリールジシリル基
などの2価のケイ素含有基;上記2価のケイ素含有基の
ケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含
有基などが挙げられる。
【0057】R15は、前記と同様のハロゲン原子、炭素
原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハ
ロゲン化炭化水素基である。これらのうち、Yは、2価
のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基であること
が好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ま
しく、アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン
基、アリールシリレン基であることが特に好ましい。
【0058】以下に上記一般式[I]で表わされるメタ
ロセン化合物の具体的な例を示す。rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2,7-ジメチル-4-n- プロピル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-
ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチ
ル-4-n- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-sec
- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ペンチル-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,7-ジメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,7-ジメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルエチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルジクロルメチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2,7-ジメチル-4- クロロメチル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシリルメチル-1
-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシロキシ
メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジエチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(i-
プロピル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(n-ブチル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロ
ピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(シクロヘキシル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i
- プロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i-
プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t-
ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフ
ェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニ
ルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シ
リレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロロフェ
ニル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- エチル-1
- インデニル)ジルコニウムジブロミド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- プロピル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ブチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2,3,7-トリメチル-4-sec- ブチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,
3,7-トリメチル-4-n- ペンチル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,
7-トリメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-
トリメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,
7-トリメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシリルメチル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシロ
キシメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- フ
ェニルエチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4
- フェニルジクロルメチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-ト
リメチル-4- クロルメチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジエチルシリレン- ビス(2,3,7-ト
リメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジ(i-プロピル)シリレン- ビス(2,
3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジ(n-ブチル)シリレン- ビス
(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジ(シクロヘキシル)シリ
レン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニル
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェ
ニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニ
ルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニル
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニル
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロ
ロフェニル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i-
プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、rac-
ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7-
メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル
-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(メタ
ンスルホナト)、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチ
ル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニ
ウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2-メチル-3- メチル-4-i- プロピル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-エチル-4-i- プロピル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4-i- プロピル
-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル
-7- メチル-1- インデニル)チタニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7
- メチル-1- インデニル)ハフニウムジクロリドなど。
【0059】これらの中で、4位にi-プロピル基、sec-
ブチル基、tert- ブチル基などの分岐アルキル基を有す
る化合物が、特に好ましい。本発明では、通常、前記遷
移金属化合物のラセミ体がオレフィン重合用触媒成分と
して用いられるが、R型またはS型を用いることもでき
る。
【0060】上記のような遷移金属化合物は、インデン
誘導体から既知の方法たとえば特開平4−268307
号公報に記載されている方法により合成することができ
る。本発明では、メタロセン化合物[A]として、EP
−549900号およびカナダ−2084017号の明
細書に記載された下記式[II]で示される化合物を用い
ることもできる。
【0061】
【化9】
【0062】式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素
原子、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子または塩素
原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜1
0、好ましくは1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜1
0、好ましくは6〜8のアリール基、−NR2、−S
R、−OSiR3、−SiR3 または−PR2 基(ただ
し、Rはハロゲン原子、好ましくは塩素原子、炭素原子
数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基または炭素
原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基)であ
る。
【0063】R22〜R28は、同一でも異なっていてもよ
く、R21と同様の原子または基であり、これらR22〜R
28のうち隣接する少なくとも2個の基は、それらの結合
する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成して
いてもよい。
【0064】X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素
原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、炭素
原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコキシ基、炭
素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、炭
素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリールオキシ
基、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニ
ル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリ
ールアルキル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜
12のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40、好ま
しくは8〜12のアリールアルケニル基である。
【0065】
【化10】
【0066】−Sn−、−O−、−S−、=SO、=S
2、=NR29、=CO、=PR29 または=P(O)R
29である。ただし、R29およびR30は、互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、特に好
ましくはメチル基、炭素原子数1〜10のフルオロアル
キル基、好ましくはCF3 基、炭素原子数6〜10、好
ましくは6〜8のアリール基、炭素原子数6〜10のフ
ルオロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル
基、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキ
シ基、特に好ましくはメトキシ基、炭素原子数2〜1
0、好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜
40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、炭素
原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケ
ニル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のア
リールアルキル基である。
【0067】またR29とR30とは、それぞれ、それらの
結合する原子とともに環を形成してもよい。M2 は、珪
素、ゲルマニウムまたはスズである。
【0068】上述のアルキル基は、直鎖状のまたは枝分
かれしたアルキル基であり、ハロゲン(ハロゲン化)は
フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であ
り、特に好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
【0069】このような式[II]で示される化合物のう
ちでも、Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
21は、互いに同じであり、炭素原子数1〜4のアルキ
ル基であり、R22〜R28は、互いに同一でも異なってい
てもよく、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル
基であり、X3 およびX4 は、互いに同一でも異なって
いてもよく、炭素原子数1〜3のアルキル基またはハロ
ゲン原子であり、
【0070】
【化11】
【0071】(M2 はケイ素であり、R29およびR
30は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数
1〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリー
ル基である。)である化合物が好ましく、置換基R22
よびR28は、水素原子であり、R23〜R27は、炭素原子
数1〜4のアルキル基または水素原子である化合物がよ
り好ましい。
【0072】さらには、Mは、ジルコニウムであり、R
21は、互いに同一で炭素原子数1〜4のアルキル基であ
り、R22およびR28は、水素原子であり、R23〜R
27は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4
のアルキル基または水素原子であり、X3 およびX
4 は、いずれも塩素原子であり、
【0073】
【化12】
【0074】(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30
は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1
〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール
基である。)である化合物が好ましく、特に、Mは、ジ
ルコニウムであり、R21は、メチル基であり、R22〜R
28は、水素原子であり、X3 およびX4 は、塩素原子で
あり、
【0075】
【化13】
【0076】(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30
は、互いに同一でも異なっていてもよく、メチル基また
はフェニル基である)である化合物が好ましい。以下に
このような式[II]で示されるメタロセン化合物を数例
示す。
【0077】rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチ
ル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5-
アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリ
メチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチ
ル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル
-4,5- アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-
(4,5-ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,6-ジメチル
-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリメ
チル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ドなど。
【0078】また、上記のような化合物中のジルコニウ
ムを、チタニウムまたはハフニウムに代えた化合物を挙
げることもできる。本発明では、通常式[I]または
[II]で示されるメタロセン化合物のラセミ体が触媒成
分として用いられるが、R型またはS型を用いることも
できる。
【0079】上記のようなメタロセン化合物は、2種以
上組合わせて用いることもできる。有機アルミニウムオキシ化合物[B] 本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物
[B]は、従来公知のアルミノオキサンであってもよ
く、また特開平2−78687号公報に例示されている
ようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
であってもよい。
【0080】従来公知のアルミノオキサンは、たとえば
下記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方
法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接、水、氷または水
蒸気を作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0081】なお、このアルミノオキサンは、少量の有
機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のア
ルミノオキサン溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミ
ニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解して
もよい。
【0082】アルミノオキサンの製造の際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロ
ピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ト
リn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルア
ルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシル
アルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;トリシク
ロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニ
ウム等のトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアル
コキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジア
ルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0083】これらの中では、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが特に好ましい。
また、アルミノオキサンの製造の際に用いられる有機ア
ルミニウム化合物としては、式(i-C49xAly(C
510z (式中、x、y、zは正の数であり、z ≧
2x である。)で示されるイソプレニルアルミニウム
を用いることもできる。
【0084】上記の有機アルミニウム化合物は、2種以
上組合せて用いることもできる。アルミノオキサンの製
造の際に用いられる溶媒としては、たとえばベンゼン、
トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水
素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族
炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオ
クタン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ガ
ソリン、灯油、軽油などの石油留分、および上記芳香族
炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン
化物、とりわけ塩素化物、臭素化物等の炭化水素溶媒が
挙げられる。
【0085】さらに、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類を用いることもできる。これらの溶
媒のうち、特に芳香族炭化水素が好ましい。メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する
化合物[C] 本発明で用いられるメタロセン化合物[A]と反応して
イオン対を形成する化合物[C]としては、特表平1−
501950号公報、特表平1−502036号公報、
特開平3−179005号公報、特開平3−17900
6号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−
207704号公報、US−547718号公報などに
記載されたルイス酸、イオン性化合物およびボラン化合
物、カルボラン化合物を挙げることができる。
【0086】ルイス酸としては、Mg含有ルイス酸、A
l含有ルイス酸、B含有ルイス酸などが挙げられ、これ
らのうちB含有ルイス酸が好ましい。ホウ素原子を含有
するルイス酸としては、具体的には、下記一般式で表わ
される化合物を例示することができる。
【0087】BR1 2 3 (式中、R1 2 およびR3 は、それぞれ独立して、フ
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基、またはフッ素原子を
示す。) 上記一般式で表わされる化合物としては、具体的には、
トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-
フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフ
ェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)
ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、ト
リス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、
トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられ
る。これらのうちでは、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボロンが特に好ましい。
【0088】本発明で用いられるイオン性化合物は、カ
チオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩であ
る。アニオンは前記メタロセン化合物[A]と反応する
ことによりメタロセン化合物[A]をカチオン化し、イ
オン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定
化させる働きがある。そのようなアニオンとしては、有
機ホウ素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有
機アルミニウム化合物アニオンなどがあり、比較的嵩高
で遷移金属カチオン種を安定化させるアニオンが好まし
い。カチオンとしては、金属カチオン、有機金属カチオ
ン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキ
ソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウ
ムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。
具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリ
ブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアンモニウ
ムカチオン、フェロセニウムカチオンなどを例示するこ
とができる。
【0089】本発明においては、有機ホウ素化合物アニ
オンを有するイオン性化合物が好ましい。具体的には、
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ
素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,
p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウム
テトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルア
ンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホ
ウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリ
ル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(4-
フルオロフェニル)ホウ素等のトリアルキル置換アンモ
ニウム塩、N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテト
ラ(フェニル)ホウ素等のN,N-ジアルキルアニリニウム
塩、ジ(n-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウム
テトラ(フェニル)ホウ素等のジアルキルアンモニウム
塩、トリフェニルホスフォニウムテトラ(フェニル)ホ
ウ素、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリ(ジメチルフェニル)ホスフ
ォニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のトリアリールホ
スフォニウム塩などが挙げられる。
【0090】本発明では、ホウ素原子を含有するイオン
性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートも挙げることができる。
【0091】また、以下のようなホウ素原子を含有する
イオン性化合物も例示できる。(なお、以下に列挙する
イオン性化合物における対向イオンは、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムであるが、これに限定されない。) アニオンの塩、たとえばビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ノナボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]デカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ウンデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)ア
ンモニウム]ドデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)
アンモニウム]デカクロロデカボレート、ビス[トリ
(n-ブチル)アンモニウム]ドデカクロロドデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバデカボレ
ート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバウンデ
カボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバ
ドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- ト
リメチルシリル-1- カルバデカボレート、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムブロモ-1- カルバドデカボレートな
ど、さらには下記のようなボラン化合物、カルボラン化
合物などを挙げることができる。これらの化合物は、ル
イス酸、イオン性化合物として用いられる。
【0092】ボラン化合物、カルボラン錯化合物、およ
びカルボランアニオンの塩としては、たとえばデカボラ
ン(14)、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,
7-ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドラ
イド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボラン、ド
デカハイドライド-11-メチル-2,7- ジカルバウンデカボ
ラン、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレ
ート(14)、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバ
デカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
7-カルバウンデカボレート(13)、トリ(n-ブチル)
アンモニウム7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボ
レート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカ
ハイドライド-8- メチル7,9-ジカルバウンデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライ
ド8-エチル-7,9- ジカルバウンデカボレート、トリ(n-
ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- ブチル
-7,9- ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)ア
ンモニウムウンデカハイドライド-8- アリル-7,9- ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-9- トリメチルシリル-7,8- ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-4,6- ジブロモ-7- カルバウンデ
カボレートなどが挙げられる。
【0093】カルボラン化合物、およびカルボランの塩
としては、たとえば4-カルバノナボラン(14)、1,3-
ジカルバノナボラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン
(14)、ドデカハイドライド-1- フェニル-1,3- ジカ
ルバノナボラン、ドデカハイドライド-1- メチル-1,3-
ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド-1,3- ジメ
チル-1,3- ジカルバノナボランなどが挙げられる。
【0094】さらに、以下のような化合物も例示でき
る。(なお、以下に列挙するイオン性化合物における対
向イオンは、トリ(n-ブチル)アンモニウムであるが、
これに限定されない。)金属カルボランの塩および金属
ボランアニオン、たとえばトリ(n-ブチル)アンモニウ
ムビス(ノナハイドライド-1,3- ジカルバノナボレー
ト)コバルテート(III)、トリ(n-ブチル)アンモニ
ウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデ
カボレート)フェレート(鉄酸塩)(III)、トリ(n-
ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8
- ジカルバウンデカボレート)コバルテート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドラ
イド-7,8- ジカルバウンデカボレート)ニッケレート
(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデ
カハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)キュ
ブレート(銅酸塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモ
ニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウン
デカボレート)アウレート(金属塩)(III)、トリ(n
-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8-
ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボレート)フェレート
(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハ
イドライド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボレ
ート)クロメート(クロム酸塩)(III)、トリ(n-ブ
チル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライ
ド-7,8- ジカルバウンデカボレート)コバルテート(II
I)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイ
ドライドジカルバドデカボレート)コバルテート(II
I)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ド
デカハイドライドドデカボレート)ニッケレート(II
I)、トリス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス
(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)
クロメート(III)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニ
ウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカ
ボレート)マンガネート(IV)、ビス[トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カ
ルバウンデカボレート)コバルテート(III)、ビス
[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイ
ドライド-7- カルバウンデカボレート)ニッケレート
(IV)などが挙げられる。
【0095】上記のような化合物[C]は、2種以上組
合わせて用いることもできる。有機アルミニウム化合物[D] 本発明で用いられる有機アルミニウム化合物[D]は、
たとえば下記一般式(a) で示すことができる。
【0096】 R5 nAlX3-n ・・・(a) (式中、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。) 上記式(a) において、R5 は炭素原子数1〜12の炭化
水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基または
アリール基であり、具体的には、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0097】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リ2-エチルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアル
ミニム、イソプレニルアルミニウム等のアルケニルアル
ミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロ
リド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルア
ルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライ
ド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウ
ムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エ
チルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウ
ムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド等のアル
キルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムハ
イドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等
のアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられ
る。
【0098】また、有機アルミニウム化合物[D]とし
て、下記の式(b) で表わされる化合物を用いることもで
きる。 R5 nAlY3-n ・・・(b) (式中、R5 は、上記式(a) におけるR5 と同様であ
り、Yは、−OR6 基、−OSiR7 3 基、−OAlR8 2
基、−NR9 2 基、−SiR10 3 基 または−N(R11
AlR12 2 基であり、nは1〜2であり、R6 、R7
8 およびR12は、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基など
であり、R9 は、水素原子、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであ
り、R10およびR11は、メチル基、エチル基などであ
る。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。
【0099】(i) R5 n Al(OR63-n で表わされる
化合物、たとえばジメチルアルミニウムメトキシド、ジ
エチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニ
ウムメトキシドなど。
【0100】(ii)R5 n Al(OSiR7 33-n で表わさ
れる化合物、たとえば(C252 Al(OSi(C
33 )、(iso-C492 Al(OSi(C
33)、(iso-C492 Al(OSi(C253
など。
【0101】(iii) R5 nAl(OAlR8 23-n で表わ
される化合物、たとえば(C252Al(OAl(C2
52)、(iso-C492Al(OAl(iso-C
492)など。
【0102】(iv)R5 nAl(NR9 23-n で表わされる
化合物、たとえば(CH32Al(N(C252)、
(C252Al(NH(CH3))、(CH32Al
(NH(C25))、(C252Al[N(Si(CH
332]、(iso-C492Al[N(Si(C
332] など。
【0103】(v) R5 nAl(SiR10 33-n で表わされ
る化合物、たとえば(iso-C492Al(Si(C
33)など。 本発明では、これらのうちでもR5 3Al、R5 nAl(O
63-n 、R5 nAl(OAlR8 23-n で表わされる
有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げることが
でき、R5 がイソアルキル基であり、n=2である化合
物が特に好ましい。これらの有機アルミニウム化合物
は、2種以上組合わせて用いることもできる。
【0104】本発明で用いられる特定のメタロセン系触
媒は、上記のようなメタロセン化合物[A]を含んでお
り、たとえば上記したようにメタロセン化合物[A]
と、有機アルミニウムオキシ化合物[B]とから形成す
ることができる。また、メタロセン化合物[A]と、メ
タロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化
合物[C]とから形成されてもよく、さらにメタロセン
化合物[A]とともに、有機アルミニウムオキシ化合物
[B]とメタロセン化合物[A]とが反応してイオン対
を形成する化合物[C]とを併用することもできる。ま
た、これらの態様において、さらに有機アルミニウム化
合物[D]を併用することが特に好ましい。
【0105】本発明では、上記メタロセン化合物[A]
は、重合容積1リットル当り、遷移金属原子に換算し
て、通常、約0.00005〜0.1ミリモル、好まし
くは約0.0001〜0.05ミリモルの量で用いられ
る。
【0106】また有機アルミニウムオキシ化合物[B]
は、遷移金属原子1モルに対して、アルミニウム原子
が、通常、約1〜10,000モル、好ましくは10〜
5,000モルとなるような量で用いることができる。
【0107】メタロセン化合物[A]と反応してイオン
対を形成する化合物[C]は、遷移金属原子1モルに対
して、ボロン原子が、通常、約0.5〜20モル、好ま
しくは1〜10モルとなるような量で用いられる。
【0108】さらに有機アルミニウム化合物[D]は、
有機アルミニウムオキシ化合物[B]中のアルミニウム
原子またはイオン対を形成する化合物[C]中のボロン
原子1モルに対して、通常、約0〜1,000モル、好
ましくは約0〜500モルとなるような量で必要に応じ
て用いられる。
【0109】上記のようなメタロセン系触媒を用いて、
エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、
非共役ポリエンとを共重合させると、優れた重合活性で
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)を得ることができる。
【0110】なお、バナジウム系触媒などの第VB族遷
移金属化合物系触媒を用いて、エチレンと、炭素原子数
3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとを共重
合させても十分な重合活性で共重合体ゴムを得ることが
できない。
【0111】また、第VB族遷移金属化合物系触媒を用
いて、たとえばEPDMなどを製造する際には、非共役
ポリエンの種類もENBなどのノルボルネン環含有ポリ
エン類に限定される場合が多い。
【0112】一方、本発明のようにメタロセン系触媒を
用いると、非共役ポリエンは、ノルボルネン環含有ポリ
エン類に限定されることがなく、前述したような各種ポ
リエン、たとえば7-メチル-1,6- オクタジエン等のメチ
ルオクタジエン(MOD)などの鎖状非共役ポリエン類
も共重合させることができる。
【0113】本発明では、エチレンと、炭素原子数3〜
20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとを共重合さ
せる際に、メタロセン系触媒を構成する上記メタロセン
化合物[A]、有機アルミニウムオキシ化合物[B]、
イオン対を形成する化合物[C]、さらには有機アルミ
ニウム化合物[D]をそれぞれ別々に重合反応器に供給
してもよいし、また予めメタロセン化合物[A]を含有
するメタロセン系触媒を調製してから共重合反応に供し
てもよい。
【0114】またメタロセン系触媒を調製する際には、
触媒成分と反応不活性な炭化水素溶媒を用いることがで
き、不活性炭化水素溶媒としては、具体的には、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等
の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、
ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を用いることが
できる。これらの炭化水素溶媒は、単独で、あるいは組
合わせて用いることができる。
【0115】上記メタロセン化合物[A]、有機アルミ
ニウムオキシ化合物[B]、イオン対を形成する化合物
[C]および有機アルミニウム化合物[D]は、通常−
100〜200℃、好ましくは−70〜100℃で混合
接触させることができる。
【0116】本発明では、エチレンと、炭素原子数3〜
20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとの共重合
は、通常40〜200℃、好ましくは50〜150℃、
特に好ましくは60〜120℃で、大気圧〜100kg/
cm2 、好ましくは大気圧〜50kg/cm2 、特に好ましく
は大気圧〜30kg/cm2 の条件下で行なうことができ
る。
【0117】この共重合反応は、種々の重合方法で実施
することができるが、溶液重合により行なうことが好ま
しい。この際重合溶媒としては、上記のような炭化水素
溶媒を用いることができる。
【0118】共重合は、バッチ式、半連続式、連続式の
いずれの方法においても行なうことができるが、連続式
で行なうことが好ましい。さらに重合を反応条件を変え
て2段以上に分けて行なうこともできる。
【0119】また、本発明で用いられるエチレン・α-
オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、上
述したような方法により得られるが、この共重合体ゴム
(A)の分子量は、重合温度などの重合条件を変更する
ことにより調節することができ、また水素(分子量調節
剤)の使用量を制御することにより調節することもでき
る。
【0120】ジエン系ゴム(B) 本発明で用いられるジエン系ゴム(B)としては、具体
的には、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、
ブタジエンゴム(BR)、スチレン- ブタジエンゴム
(SBR)、アクリロニトリル- ブタジエンゴム(NB
R)、クロロプレンゴム(CR)などを用いることがで
きる。中でも、機械的強度のバランスがとれているイソ
プレン系ゴム、すなわち天然ゴム(NR)、イソプレン
ゴム(IR)が好ましく用いられる。
【0121】これらのジエン系ゴムは、単独で、または
組合わせて用いることができる。加硫可能なゴム組成物 本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、上述したエチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(A)とジエン系ゴム(B)とを含有している。
【0122】本発明においては、エチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とジエン系ゴ
ム(B)との配合割合は、重量比[(A)/(B)]で
5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/1
0、さらに好ましくは20/80〜80/20である。
【0123】本発明に係るゴム組成物には、SRF、G
PF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT
などのカーボンブラック、微粉ケイ酸などのゴム補強
剤、および軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、
タルク、クレー、シリカなどの充填剤を配合してもよ
い。これらのゴム補強剤と充填剤との種類、および配合
量は、その用途により適宜選択できるが、配合量は、通
常、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合
体ゴム(A)とジエン系ゴム(B)との総量100重量
部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200
重量部である。
【0124】本発明に係るゴム組成物は、未加硫のまま
でも用いることもできるが、加硫物(加硫ゴム)として
用いた場合に最もその特性を発揮することができる。本
発明に係るゴム組成物から加硫物を得る場合、意図する
加硫物の用途、性能に応じて、エチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)およびジエン系
ゴム(B)の他に、ゴム補強剤、充填剤、軟化剤の種類
およびその配合量、また加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤
などの加硫系を構成する化合物の種類およびその配合
量、発泡剤、発泡助剤などの発泡系を構成する化合物の
種類およびその配合量、難燃剤の種類およびその配合
量、老化防止剤、加工助剤の種類およびその配合量、さ
らに加硫物を製造する工程を適宜選択できる。
【0125】加硫物中に占めるエチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とジエン系ゴム
(B)との総量は、意図する加硫物の性能、用途に応じ
て適宜選択できるが、通常20重量%以上、好ましくは
25重量%以上である。
【0126】軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟
化剤を用いることができる。具体的には、プロセスオイ
ル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスフ
ァルト、ワセリンなどの石油系軟化剤;コールタール、
コールタールピッチなどのコールタール系軟化剤;ヒマ
シ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化
剤;トール油;サブ;蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリ
ンなどのロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステア
リン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸
亜鉛などの脂肪酸および脂肪酸塩;石油樹脂、アタクチ
ックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などの合成
高分子物質を挙げることができる。なかでも石油系軟化
剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく
用いられる。
【0127】これらの軟化剤の配合量は、加硫物の用途
により適宜選択できるが、その配合量は、通常、エチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(A)とジエン系ゴム(B)との総量100重量部に対
して、最大150重量部、好ましくは最大100重量部
である。
【0128】本発明に係るゴム組成物から加硫物を製造
するには、通常一般のゴムを加硫するときと同様に、未
加硫の配合ゴムを一度調製し、次にこの配合ゴムを意図
する形状に成形した後に加硫を行なえばよい。
【0129】加硫方法としては、加硫剤を使用して加熱
する方法、および電子線を照射する方法のどちらを採用
してもよい。加硫の際に使用される加硫剤としては、イ
オウ系化合物および有機過酸化物を挙げることができ
る。特にイオウ系化合物を使用した場合に本発明に係る
ゴム組成物の性能を最もよく発揮できる。
【0130】イオウ系化合物としては、具体的には、イ
オウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルホリンジスルフ
ィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチル
チウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セ
レンなどが挙げられる。なかでもイオウが好ましく用い
られる。
【0131】イオウ系化合物は、エチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とジエン系ゴ
ム(B)との総量100重量部に対して、0.1〜10
重量部、好ましくは0.5〜5重量部の量で用いられ
る。
【0132】また加硫剤としてイオウ系化合物を使用す
るときは、加硫促進剤を併用することが好ましい。加硫
促進剤としては、具体的には、N-シクロヘキシル-2- ベ
ンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレン
-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N-ジイソプ
ロピル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスル
フェンアミド系化合物;2-メルカプトベンゾチアゾー
ル、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチア
ゾール、2-(2,6-ジエチル-4- モルホリノチオ)ベンゾ
チアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾ
ール系化合物;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグ
アニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリ
ルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等
のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応
物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレ
ンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデ
ヒドアミンまたはアルデヒドーアンモニア系化合物;2-
メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チ
オカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユ
リア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリ
ア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノ
スルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テト
ラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラム
ジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィ
ド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸
亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチル
ジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバ
ミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、
ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチ
オカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テ
ルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸
亜鉛等のザンテート系化合物;亜鉛華等の化合物などを
挙げることができる。
【0133】これらの加硫促進剤は、エチレン・α- オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とジエン
系ゴム(B)との総量100重量部に対して、0.1〜
20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の量で用い
られる。
【0134】有機過酸化物としては、通常ゴムの過酸化
物加硫に使用される化合物であればよい。たとえば、ジ
クミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、
ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキ
サン、t-ブチルヒドロパーオキサイド、t-ブチルクミル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5-ジメ
チル-2,5- ジ(t-ブチルパーオキシン)ヘキシン-3、2,
5-ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5-ジメチル-2,5- モノ(t-ブチルパーオキシ)-
ヘキサン、α,α'- ビス(t-ブチルパーオキシ-m- イソ
プロピル)ベンゼンなどが挙げられる。なかでも、ジク
ミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ
-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサ
ンが好ましく用いられる。これらの有機過酸化物は、単
独で、または2種以上組合わせて用いることができる。
【0135】有機過酸化物は、エチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)とジエン系ゴム
(B)との総量100gに対して、0.0003〜0.
05モル、好ましくは0.001〜0.03モルの範囲
で使用されるが、要求される物性値に応じて適宜最適量
を決定することが望ましい。
【0136】加硫剤として有機過酸化物を使用するとき
は、加硫助剤を併用することが好ましい。加硫助剤とし
ては、具体的には、硫黄;p-キノンジオキシムなどのキ
ノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメ
タクリレートなどのメタクリレート系化合物;ジアリル
フタレート、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化
合物;その他マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンな
どが挙げられる。
【0137】このような加硫助剤は、使用する有機過酸
化物1モルに対して、0.5〜2モル、好ましくは約等
モルの量で用いられる。加硫方法として加硫剤を使用せ
ず、電子線を使用する場合は、後述する成形された未加
硫配合ゴムに0.1〜10MeV、好ましくは0.3〜
2MeVのエネルギーを有する電子線を吸収線量が0.
5〜35Mrad、好ましくは0.5〜10Mradに
なるように照射すればよい。
【0138】未加硫の配合ゴムは、たとえば次のような
方法で調製される。すなわちバンバリーミキサー、ニー
ダー、インターミックスのようなインターナルミキサー
類によりエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共
重合体ゴム(A)、ジエン系ゴム(B)、充填剤、軟化
剤を80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、
オープンロールのようなロール類を使用して、加硫剤、
必要に応じて加硫促進剤または加硫助剤を追加混合し、
ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分
出し、リボン状またはシート状の配合ゴムを調製する。
【0139】このようにして調製された配合ゴムは、押
出成形機、カレンダーロール、またはプレスにより意図
する形状に成形され、成形と同時にまたは成形物を加硫
槽内に導入し、150〜270℃の温度で1〜30分間
加熱するか、あるいは前記した方法により電子線を照射
することにより加硫物が得られる。この加硫の段階は金
型を用いてもよいし、また金型を用いないで加硫を実施
してもよい。金型を用いない場合は成形、加硫の工程は
通常連続的に実施される。加硫槽における加熱方法とし
ては熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電
磁波)、スチームなどの加熱槽を用いることができる。
もちろん、電子線照射により加硫を行なう場合は、加硫
剤の配合されていない配合ゴムを用いる。
【0140】
【発明の効果】本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、
メタロセン系触媒を用いて調製された、エチレンと、炭
素原子数3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエン
とのランダム共重合体であり、かつ、エチレンから導か
れる単位と炭素原子数3〜20のα- オレフィンから導
かれる単位とのモル比、ヨウ素価および極限粘度[η]
が特定の範囲にあるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(A)、およびジエン系ゴム
(B)を特定の割合で含んでいるので、ジエン系ゴムが
有する優れた機械的特性、耐磨耗性、低温柔軟性を損な
うことなく、耐動的疲労性、耐熱老化性、耐候性および
耐オゾン性に優れた加硫ゴムを提供することができる。
【0141】本発明に係る加硫可能なゴム組成物から得
られる加硫ゴムは、上記のような効果を有するので、タ
イヤ、自動車部品、一般工業用部品、土木建材用品など
の用途に広く用いられる。とりわけ、耐動的疲労性の要
求される用途、たとえばタイヤトレッド、タイヤサイド
ウォール、ワイパーブレードなどに好適に用いることが
できる。
【0142】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例および比較例におけるエチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム組成物およ
び加硫ゴムの評価試験方法は、以下のとおりである。 [1]引張試験 加硫ゴムシートを打ち抜いてJIS K 6301に記載
されている3号型ダンベル試験片を作製し、この試験片
を用いて同JIS K 6301第3項に規定されている
方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分
の条件で引張試験を行ない、引張破断点応力(TB )お
よび引張破断点伸び(EB )を測定した。 [2]硬さ試験 硬さ試験は、JIS K 6301に準拠してスプリング
硬さ(HS ;JISA硬度)を測定した。 [3]圧縮永久歪試験 圧縮永久歪試験は、JIS K 6301に準拠して、−
25℃で72時間後の低温圧縮永久歪(CS)を求め
た。低温圧縮永久歪が小さいほど低温柔軟性が良好であ
る。 [4]耐オゾン試験 JIS K 6301に準じて、オゾン濃度50ppm 、測
定温度40℃、伸長率(静的伸長)20%の条件でクラ
ック発生時間を測定し、クラック発生時間をもって耐オ
ゾン性ないし耐候性の指標とした。なお試験期間は10
日である。 [5]屈曲疲労試験 屈曲疲労試験は、ASTM D 813に準じて、デマッ
チャー屈曲試験機を用いて回転数300rpm、測定温
度40℃の条件下で行ない、亀裂成長速度(mm/回)
を求め、耐動的疲労性の指標とした。
【0143】[6]老化試験 JIS K 6301に規定されている空気加熱老化試験
に従って、加熱処理前後の試験片について引張り試験を
行なって、引張破断点応力(TB )および引張破断点伸
び(EB )を測定し、老化前の物性に対する保持率、す
なわち引張破断点応力保持率[AR(TB)]、および引
張破断点伸び保持率[AR(EB)]を求めた。なお、こ
の試験条件は、以下の通りである。 試験温度:135℃ 試験時間(熱処理時間):72時間 [7]低温ねじり試験(ゲーマンねじり試験) 低温ねじり試験は、JIS K 6301に準じて行な
い、T10[℃]を求めた。T10の温度は、加硫ゴムの低
温柔軟性の指標となる。T10が低いほど低温柔軟性は良
好である。
【0144】
【参考例1】ジルコニウム化合物とメチルアルモキサンとの予備接
触、触媒溶液の調製
【0145】
【化14】
【0146】所定量の上記式で表わされるジルコニウム
化合物と、メチルアルモキサンのトルエン溶液(アルミ
ニウム原子に換算して1.2ミルグラム原子/ml)と
を、暗所において室温下、30分間攪拌することにより
混合して、ジルコニウム化合物とメチルアルモキサンと
が溶解されたトルエン溶液を調製した。このトルエン溶
液のZr濃度は0.004ミリモル/mlであり、メチ
ルアルモキサン濃度はアルミニウム原子に換算して1.
2ミリグラム原子/mlである。
【0147】次いで、このトルエン溶液に、トルエンに
対して5倍の溶液のヘキサンを攪拌下に添加して、下記
のようなZr濃度およびメチルアルモキサン濃度の触媒
溶液を調製して、これを重合反応用触媒として用いた。
【0148】Zr濃度:0.00067ミリモル/ml
(=0.67ミリモル/リットル) メチルアルモキサン濃度(Al原子に換算して):0.
20ミリモル/ml(=200ミリモル/リットル)重 合 攪拌翼を備えた15リットル容量のステンレス製重合器
を用いて、連続的にエチレンと、1-ブテンと、5-エチリ
デン-2- ノルボルネン(以下ENBともいう)との共重
合を、上記の重合反応用触媒の存在下に行なった。
【0149】すなわち、まず重合器上部から重合器内
に、脱水精製したヘキサンを毎時3.17リットル、上
記の触媒溶液を毎時0.03リットル、トリイソブチル
アルミニウムのヘキサン溶液(濃度17ミリモル/リッ
トル)を毎時0.3リットル、ENBのヘキサン溶液
(濃度0.04リットル/リットル)を毎時1.5リッ
トルそれぞれ連続的に供給した。
【0150】また、重合器上部から重合器内に、エチレ
ンを毎時180リットル、1-ブテンを毎時140リット
ル、それぞれ連続的に供給した。この共重合反応は、7
0℃で、かつ平均滞留時間が1時間(すなわち重合スケ
ール5リットル)となるように行なった。
【0151】次いで、重合器下部から抜き出した重合溶
液にメタノールを少量添加して、重合反応を停止させ、
スチームストリッピング処理にて共重合体を溶媒から分
離した後、100℃、減圧(100mmHg)の条件下に、
24時間乾燥した。
【0152】上記のようにして、エチレン・1-ブテン・
ENB共重合体ゴム[共重合体ゴム(A)]が毎時80
gの量で得られた。得られた共重合体ゴムは、エチレン
から導かれる単位と1-ブテンから導かれる単位とのモル
比(エチレン/1-ブテン)が78/22であり、ENB
に基づくヨウ素価が24であった。
【0153】また、この共重合体ゴムは、135℃デカ
リン中で測定した極限粘度[η]が2.3dl/gであ
り、13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するT
αβの強度比Dが0.01未満であり、B値が1.1で
あり、ガラス転移温度(Tg)が−54℃であり、gη
* 値が0.98であった。
【0154】結果を第1表に示す。
【0155】
【参考例2〜5】参考例1において、重合条件を変えて
共重合反応を行なった以外は、参考例1と同様にしてエ
チレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
[共重合体ゴム(B)〜(E)]を製造した。
【0156】これらの共重合体ゴムの、エチレンから導
かれる単位とα- オレフィンから導かれる単位とのモル
比、ヨウ素価、極限粘度[η]、D値、B値、Tg、お
よびgη* 値を第1表に示す。
【0157】
【参考例6】攪拌翼を備えた2リットル容量の重合器を
用いて、連続的にエチレンと、プロピレンと、5-エチリ
デン-2- ノルボルネン(ENB)との共重合反応を行な
った。
【0158】すなわち重合器上部から重合器内に、EN
Bのヘキサン溶液(濃度12g/リットル)を毎時0.
5リットル、触媒としてVO(OC25)Cl2 のヘキ
サン溶液(濃度0.8ミリモル/リットル)を毎時0.
5リットル、エチルアルミニウムセスキクロリド[Al
(C251.5Cl1.5]のヘキサン溶液(濃度8ミリモ
ル/リットル)を毎時0.5リットル、さらにヘキサン
を毎時0.5リットルの量でそれぞれ供給し、一方、重
合器下部から、重合器内の重合液が常に1リットルにな
るように連続的に抜き出した。
【0159】また、この重合器内に、バブリング管を用
いてエチレンを毎時120リットル、プロピレンを毎時
180リットル、水素を毎時4リットルの量で供給し
た。共重合反応は、重合器外部に取り付けられたジャケ
ットに冷媒を循環させることにより20℃の温度に保っ
て行なった。
【0160】上記条件で共重合反応を行なったところ、
エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン
共重合体ゴムを含む重合溶液が得られた。次いで、得ら
れた重合溶液は、塩酸水で脱灰した後、大量のメタノー
ルを投入してポリマーを析出させて100℃で24時間
減圧乾燥を行なった。
【0161】エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-
ノルボルネン共重合体ゴム[EPDM(A)]が毎時5
8gの量で得られた。得られた共重合体ゴムは、エチレ
ンから導かれる単位とプロピレンから導かれる単位との
モル比(エチレン/プロピレン)が68/32であり、
ENBに基づくヨウ素価が23であった。
【0162】また、この共重合体ゴムは、135℃デカ
リン中で測定した極限粘度[η]が2.2dl/gであ
り、13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するT
αβの強度比Dが1.45であり、B値が1.05であ
り、ガラス転移温度(Tg)が−49℃であり、gη*
値が0.98であった。
【0163】
【参考例7および8】参考例6において、重合条件を変
えて共重合反応を行なった以外は、参考例6と同様にし
てエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネ
ン共重合体ゴム[EPDM(B)、(C)]を製造し
た。
【0164】これらの共重合体ゴムの、エチレンから導
かれる単位とプロピレンから導かれる単位とのモル比、
ヨウ素価、極限粘度[η]、D値、B値、Tgおよびg
η*値を第1表に示す。
【0165】
【表1】
【0166】
【実施例1】予めロール温度65℃の8インチロールを
用いて素練りを行なった天然ゴム[RSS1号]80重
量部、参考例1のエチレン・1-ブテン・ENB共重合体
[共重合体ゴム(A)]20重量部、FEFカーボンブ
ラック[商品名 旭60HG、(株)旭カーボン製]4
0重量部、ナフテン系オイル[商品名 サンセン312
5、(株)日本サン石油製]20重量部、ステアリン酸
1重量部、および亜鉛華 5重量部を、容量4.3リ
ットルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼所製]を
用いて5分間混練した。
【0167】次いで、上記のようにして得られた混練物
を、8インチオープンロール(前ロール温度/後ロール
温度=50℃/50℃)に供給し、この混練物に、さら
にイオウ(加硫剤)1.5重量部およびn-シクロヘキシ
ル-2- ベンゾチアゾリルスルフェンアミド 1.0重量
部を添加して混練し、シート状に分出しして配合ゴム
(ゴム組成物)を得た。
【0168】得られた配合ゴムを、150℃で20分の
条件でプレスし、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製し
た。得られた加硫ゴムシートについて、上述した各種物
性試験を行なった。
【0169】結果を第2表に示す。
【0170】
【実施例2】実施例1において、共重合体ゴム(A)お
よび天然ゴムの配合量を、それぞれ25重量部、75重
量部とした以外は、実施例1と同様に行なった。
【0171】結果を第2表に示す。
【0172】
【実施例3】実施例1において、共重合体ゴム(A)お
よび天然ゴムの配合量を、それぞれ30重量部、70重
量部とした以外は、実施例1と同様に行なった。
【0173】結果を第2表に示す。
【0174】
【実施例4】実施例1において、共重合体ゴム(A)の
代わりに参考例2のエチレン・1-オクテン・ENB共重
合体ゴム[共重合体ゴム(B)]を用い、共重合体ゴム
(B)および天然ゴムの配合量を、それぞれ30重量
部、70重量部とした以外は、実施例1と同様に行なっ
た。
【0175】結果を第2表に示す。
【0176】
【比較例1】実施例1において、共重合体ゴム(A)の
代わりに参考例6のエチレン・プロピレン・ENB共重
合体ゴム[EPDM(A)]を用い、EPDM(A)お
よび天然ゴムの配合量を、それぞれ20重量部、80重
量部とした以外は、実施例1と同様に行なった。
【0177】結果を第2表に示す。
【0178】
【比較例2】実施例1において、共重合体ゴム(A)の
代わりに参考例6のエチレン・プロピレン・ENB共重
合体ゴム[EPDM(A)]を用い、EPDM(A)お
よび天然ゴムの配合量を、それぞれ25重量部、75重
量部とした以外は、実施例1と同様に行なった。
【0179】結果を第2表に示す。
【0180】
【比較例3】実施例1において、共重合体ゴム(A)の
代わりに参考例6のエチレン・プロピレン・ENB共重
合体ゴム[EPDM(A)]を用い、EPDM(A)お
よび天然ゴムの配合量を、それぞれ30重量部、70重
量部とした以外は、実施例1と同様に行なった。
【0181】結果を第2表に示す。
【0182】
【表2】
【0183】
【実施例5】ポリブタジエンゴム(シス含量:98%、
ムーニー粘度[ML1+4 (100℃)]:43)30重
量部、参考例3のエチレン・1-ブテン・ENB共重合体
[共重合体ゴム(C)]70重量部、FEFカーボンブ
ラック[商品名 シーストSO、東海カーボン(株)
製]60重量部、パラフィン系オイル[商品名 P−2
00、ジャパンエナジー(株)製]45重量部、および
亜鉛華1号 1重量部を、容量4.3リットルのバンバ
リーミキサー[(株)神戸製鋼所製]を用いて5分間混
練した。
【0184】次いで、上記のようにして得られた混練物
を、8インチオープンロール(前ロール温度/後ロール
温度=50℃/50℃)に供給し、この混練物に、さら
に1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5- トリメチル
シクロヘキサン(加硫剤、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,
3,5- トリメチルシクロヘキサン)2.4重量部および
ポリエチレングリコールジメタクリレート(加硫助剤)
2重量部を添加して混練し、シート状に分出しして配合
ゴム(ゴム組成物)を得た。
【0185】得られた配合ゴムを、170℃で7分の条
件でプレスし、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製し
た。得られた加硫ゴムシートについて、上述した各種物
性試験を行なった。
【0186】結果を第3表に示す。
【0187】
【実施例6】実施例5において、共重合体ゴム(C)お
よびポリブタジエンゴムの配合量を、それぞれ40重量
部、60重量部とした以外は、実施例5と同様に行なっ
た。
【0188】結果を第3表に示す。
【0189】
【実施例7】実施例5において、共重合体ゴム(C)の
代わりに参考例2のエチレン・1-オクテン・ENB共重
合体ゴム[共重合体ゴム(B)]を用い、共重合体ゴム
(B)およびポリブタジエンゴムの配合量を、それぞれ
80重量部、20重量部とした以外は、実施例5と同様
に行なった。
【0190】結果を第3表に示す。
【0191】
【比較例4】実施例5において、共重合体ゴム(C)の
代わりに参考例7のエチレン・プロピレン・ENB共重
合体ゴム[EPDM(B)]を用い、EPDM(B)お
よびポリブタジエンゴムの配合量を、それぞれ70重量
部、30重量部とした以外は、実施例5と同様に行なっ
た。
【0192】結果を第3表に示す。
【0193】
【比較例5】実施例5において、共重合体ゴム(C)の
代わりに参考例7のエチレン・プロピレン・ENB共重
合体ゴム[EPDM(B)]を用い、EPDM(B)お
よびポリブタジエンゴムの配合量を、それぞれ40重量
部、60重量部とした以外は、実施例5と同様に行なっ
た。
【0194】結果を第3表に示す。
【0195】
【表3】
【0196】
【実施例8】ニトリルゴム(日本ゼオン(株)製、アク
リロニトリル含量:30%、ムーニー粘度[ML1+4
(100℃)]:80)70重量部、参考例4のエチレ
ン・1-ブテン・ENB共重合体[共重合体ゴム(D)]
30重量部、FEFカーボンブラック[商品名 ニテロ
ン#10、新日鐵化学(株)製]50重量部、ナフテン
系オイル[商品名 サンセン4240、(株)日本サン
石油製]25重量部、ステアリン酸 1重量部、および
亜鉛華 5重量部を、容量1.7リットルのバンバリー
ミキサー[(株)神戸製鋼所製]を用いて5分間混練し
た。
【0197】次いで、上記のようにして得られた混練物
を、8インチオープンロール(前ロール温度/後ロール
温度=65℃/65℃)に供給し、この混練物に、さら
にイオウ(加硫剤)1.5重量部およびn-シクロヘキシ
ル-2- ベンゾチアゾリルスルフェンアミド 1.2重量
部を添加して混練し、シート状に分出しして配合ゴム
(ゴム組成物)を得た。
【0198】得られた配合ゴムを、150℃で20分の
条件でプレスし、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製し
た。得られた加硫ゴムシートについて、上述した各種物
性試験を行なった。
【0199】結果を第4表に示す。
【0200】
【実施例9】実施例8において、共重合体ゴム(D)お
よびニトリルゴムの配合量を、それぞれ40重量部、6
0重量部とした以外は、実施例8と同様に行なった。
【0201】結果を第4表に示す。
【0202】
【実施例10】実施例8において、共重合体ゴム(D)
の代わりに参考例5のエチレン・1-オクテン・ENB共
重合体ゴム[共重合体ゴム(E)]を用い、共重合体ゴ
ム(E)およびニトリルゴムの配合量を、それぞれ80
重量部、20重量部とした以外は、実施例8と同様に行
なった。
【0203】結果を第4表に示す。
【0204】
【比較例6】実施例8において、共重合体ゴム(D)の
代わりに参考例8のエチレン・プロピレン・ENB共重
合体ゴム[EPDM(C)]を用い、EPDM(C)お
よびニトリルゴムの配合量を、それぞれ70重量部、3
0重量部とした以外は、実施例8と同様に行なった。
【0205】結果を第4表に示す。
【0206】
【比較例7】実施例8において、共重合体ゴム(D)の
代わりに参考例8のエチレン・プロピレン・ENB共重
合体ゴム[EPDM(C)]を用い、EPDM(C)お
よびニトリルゴムの配合量を、それぞれ40重量部、6
0重量部とした以外は、実施例8と同様に行なった。
【0207】結果を第4表に示す。
【0208】
【表4】
フロントページの続き (72)発明者 筒 井 俊 之 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 相 根 敏 裕 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−311264(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08F 4/64 - 4/69 C08F 210/00 - 210/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレ
    フィンおよび非共役ポリエンからなるエチレン・α- オ
    レフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)と、 ジエン系ゴム(B)と を5/95〜95/5の重量比[(A)/(B)]で含
    む加硫可能なゴム組成物であっ て、 該エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
    ゴム(A)は、 エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、
    非共役ポリエンとをランダム共重合させることにより得
    られ、 (1) (a)エチレンから導かれる単位と (b)炭素原子数3〜20のα- オレフィンから導かれる
    単位とを、 40/60〜95/5[(a)/(b)]のモル比で含有し、 (2) ヨウ素価が1〜50であり、 (3) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
    が、0.1〜10dl/gであり、(4) 上記 (3) で測定
    される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量
    (光散乱法によ る)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・
    プロピレン共重合体の極限粘 度[η] blank との比[gη * (=[η]/[η] blank
    )]が0.95を超える値 である ことを特徴とする加硫可能なゴム組成物。
  2. 【請求項2】前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
    リエン共重合体ゴム(A)が、エチレンと、炭素原子数
    4〜10のα- オレフィンと、非共役ポリエンとからな
    ることを特徴とする請求項1に記載の加硫可能なゴム組
    成物。
  3. 【請求項3】 前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
    リエン共重合体ゴム(A)がメタロセン系触媒の存在下
    に得られたものであることを特徴とする請求項1または
    2に記載の加硫可能なゴム組成物。
  4. 【請求項4】 前記メタロセン系触媒が、下記式[I]ま
    たは[II]で示されるメタロセン化合物を含んでいるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加硫可
    能なゴム組成物; 【化1】 [式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、 R11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン
    で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素
    基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
    有基またはリン含有基であり、 R13およびR14は、それぞれ炭素原子数1〜20のアル
    キル基であり、 X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
    数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
    ン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であ
    り、 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
    子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
    イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−C
    O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−
    P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −また
    は−AlR7 −である。(ただし、R7は水素原子、ハ
    ロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原
    子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。)]、 【化2】 [式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、 R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原
    子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリ
    ール基または−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR
    3 または−PR2基(Rは、ハロゲン原子、炭素原子数
    1〜10のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリ
    ール基)であり、 R22〜R28は、上記のR21と同様であるか、あるいは隣
    接するR22〜R28がそれらの結合する原子とともに、芳
    香族環または脂肪族環を形成していてもよく、X3 およ
    びX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、OH基、炭素原子数1〜10のアル
    キル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子
    数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリー
    ルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素
    原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数7〜
    40のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40のアリ
    ールアルケニル基であり、 【化3】 −Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR
    29、=CO、=PR29 または=P(O)R29である。
    (ただし、R29およびR30は、互いに同じでも異なって
    いてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜
    10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフルオロアル
    キル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数
    6〜10のフルオロアリール基、炭素原子数1〜10の
    アルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭
    素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8
    〜40のアリールアルケニル基または炭素原子数7〜4
    0のアルキルアリール基であるか、またはR29とR30
    は、それぞれそれらの結合する原子とともに環を形成し
    てもよく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズの原
    子である。)]。
  5. 【請求項5】 前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
    リエン共重合体ゴム(A)は、 (4) 13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するT
    αβの強度比D(Tαβ/Tαα)が0.5以下であ
    り、 (5) 13C−NMRスペクトルおよび下記の式から求めら
    れるB値が、1.00〜1.50であり; B値=[POE]/(2・[PE ]・[PO ]) (式中、[PE ]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エ
    チレンから導かれる単位の含有モル分率であり、 [PO ]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α- オレフ
    ィンから導かれる単位の含有モル分率であり、 [POE]は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド
    (dyad)連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖
    数の割合である)、 (6) DSCで求められるガラス転移温度(Tg)が−5
    0℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の加硫可能なゴム組成物。
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