JP2003138076A - 止水シート用ゴム組成物 - Google Patents

止水シート用ゴム組成物

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JP2003138076A
JP2003138076A JP2002265771A JP2002265771A JP2003138076A JP 2003138076 A JP2003138076 A JP 2003138076A JP 2002265771 A JP2002265771 A JP 2002265771A JP 2002265771 A JP2002265771 A JP 2002265771A JP 2003138076 A JP2003138076 A JP 2003138076A
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olefin
copolymer rubber
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JP2002265771A
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Takashi Shirata
田 孝 白
Kiyoshi Honma
間 精 本
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の止水シート用ゴム組成物は、特定
のジルコニウム等の第IVB族遷移金属触媒成分を含有す
る第IVB族遷移金属触媒系触媒を用いて製造されたエチ
レンとα- オレフィンと7- メチル-1,6-オクタジエ
ンとからなるランダム共重合体ゴムと、加硫剤と、充填
剤とからなり、該共重合体ゴムは、エチレンとα- オレ
フィンとのモル比、ヨウ素価、極限粘度[η]、13C−
NMRスペクトルにおけるTαβのTααに対する強度
比D、各モノマーの分布状態を表わす指標であるB値お
よびガラス転移温度が特定の範囲にある。 【効果】上記止水シート用ゴム組成物は、耐外傷性、低
温柔軟性に優れた止水シートを高速成形することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、止水シート用ゴム組成物
に関し、さらに詳しくは、耐外傷性、低温柔軟性に優れ
た止水シートを提供することができる、高速成形が可能
な止水シート用ゴム組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】建築や土木に用いられるルーフィ
ングシートなどの止水シートに適したブチルゴムの加硫
シートが、昭和30年代に出現したが、この加硫シート
は、耐候性、耐熱性、耐熱老化性等が必ずしも十分でな
い。その後、耐候性、耐熱老化性等の改良された加硫シ
ートとしてブチルゴムとEPDMとのブレンド物からな
る加硫シートが用いられるようになっている。当初、こ
のブレンド物におけるEPDMの使用割合は、少なかっ
たがやがて多くなり、ルーフィングシートなどの止水シ
ートとしての性能アップのため、最近では、EPDMの
方がブチルゴムよりも使用割合が多くなり、EPDM単
味からなる止水シートの生産も行なわれるようになって
いる。
【0003】加硫ゴムからなるルーフィングシートなど
の止水シートを生産するに際して、表面肌の良好な加硫
ゴムシートを如何に連続的に高速押出しするか、また止
水シートとして要求される耐候性、耐熱老化性、耐外傷
性、低温柔軟性等の物性を保持しながら如何に加硫を短
時間で終了させて生産性を上げるかということが問題に
なる。
【0004】止水シートの生産性を考えた場合、従来の
EPDMは、EPDMのヨウ素価を上げることにより加
硫速度を多少アップさせることはできる。しかしなが
ら、この方法では目的とする加硫速度は得ることができ
ないので、止水シートの生産性向上には限りがある。ま
た、止水シートの物性面を考えた場合、従来のEPDM
は、EPDMのヨウ素価を上げることにより、止水シー
トに強く要求される耐外傷性を多少向上させることがで
きる。しかしながら、EPDMの非共役ジエン含量が多
くなると、EPDMは、低温下での柔軟性が悪化し、冬
場や寒冷地のような低温雰囲気下では、止水シートとし
て必要不可欠なゴム弾性が乏しくなるため、耐外傷性の
改良が非常に困難になるという問題がある。
【0005】したがって、耐外傷性、低温柔軟性等に優
れた止水シートを高速成形することができる止水シート
用ゴム組成物の出現が従来より望まれている。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、耐外傷性、低
温柔軟性に優れた止水シートを高速成形することができ
る止水シート用ゴム組成物を提供することを目的として
いる。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る第1の止水シート用ゴム組
成物は、エチレンと、α- オレフィンと、7- メチル-
1,6-オクタジエンとからなるランダム共重合体ゴム
(A)、加硫剤(B)、および充填剤(C)を含有して
なるゴム組成物であって、該ランダム共重合体ゴム
(A)は、(i)エチレンとα- オレフィンとのモル比
(エチレン/α- オレフィン)が60/40〜80/2
0の範囲にあり、(ii)ヨウ素価が5〜30の範囲にあ
り、(iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度
[η]が1dl/g<[η]<5dl/gで表わされる
範囲にあり、(iv)13C−NMRスペクトルにおけるT
αβのTααに対する強度比D(=Tαβ/Tαα)が
0.5以下であり、(v)13C−NMRスペクトルおよ
び上記の式から算出して求めたB値が1.00〜1.5
0であり、(vi)DSCで求めたガラス転移温度Tgが
−53℃以下であることを特徴としている。
【0008】B=POE/(2PE・PO) 上記の式において、PEは、ランダム共重合体ゴム中の
7- メチル-1,6-オクタジエン成分に由来するエチレ
ン単位を除いたエチレン成分の含有モル分率であり、P
Oは、ランダム共重合体ゴム中のα- オレフィン成分の
含有モル分率であり、POEは、ランダム共重合体ゴムに
おける全ダイアド(dyad)連鎖数に対するα- オレ
フィン・エチレン連鎖数の割合である。
【0009】また、本発明に係る第2の止水シート用ゴ
ム組成物は、エチレンと、α- オレフィンと、7- メチ
ル-1,6-オクタジエンとからなるランダム共重合体ゴ
ム(A)、加硫剤(B)、および充填剤(C)を含有し
てなるゴム組成物であって、該ランダム共重合体ゴム
(A)が、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を
含む第IVB族遷移金属化合物(a)および有機アルミニ
ウムオキシ化合物(b)からなる第IVB族遷移金属触媒
系触媒の存在下に、エチレンと、α- オレフィンと、7
- メチル-1,6-オクタジエンとを共重合させてなり、
かつ、(i)エチレンとα- オレフィンとのモル比(エ
チレン/α- オレフィン)が60/40〜80/20の
範囲にあり、(ii)ヨウ素価が5〜30の範囲にあり、
(iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]
が1dl/g<[η]<5dl/gで表わされる範囲に
あり、(iv)13C−NMRスペクトルにおけるTαβの
Tααに対する強度比D(=Tαβ/Tαα)が0.5
以下であり、(v)13C−NMRスペクトルおよび上記
の式から算出して求めたB値が1.00〜1.50であ
り、(vi)DSCで求めたガラス転移温度Tgが−53
℃以下であることを特徴としている。
【0010】上記の止水シート用ゴム組成物を構成する
ランダム共重合体ゴム(A)の製造に際して用いられる
上記第IVB族遷移金属化合物(a)としては、シクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子を含むジルコニウム化
合物が好ましい。また、上記ランダム共重合体ゴム
(A)としては、シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子を含むジルコニウム化合物、有機アルミニウムオキ
シ化合物(b)および有機アルミニウム化合物(c)か
らなる第IVB族遷移金属触媒系触媒を用いて得られるエ
チレン・α- オレフィン・7- メチル -1,6- オクタ
ジエン共重合体ゴムが特に好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る止水シート用
ゴム組成物について具体的に説明する。本発明に係る止
水シート用ゴム組成物は、特定のランダム共重合体ゴム
(A)と加硫剤(B)と充填剤(C)とを含有してな
る。ランダム共重合体ゴム(A) 本発明で用いられるランダム共重合体ゴム(A)は、エ
チレンと、α- オレフィンと、7- メチル-1,6-オク
タジエン(以下、MODと称する場合がある)とからな
る。
【0012】ランダム共重合体ゴム(A)を構成するα
- オレフィンは、炭素原子数が3〜20のα- オレフィ
ンであり、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペン
テン、1-ヘキセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチル-1-
ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテ
ン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘキセ
ン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキセ
ン、3-エチル-1- ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらのα-
オレフィンは、単独で、または組み合わせて用いられ
る。
【0013】本発明では、炭素原子数が3〜6のα- オ
レフィンが好ましく用いられ、特に炭素原子数が3のα
- オレフィン、すなわちプロピレンが好ましく用いられ
る。上記ランダム共重合体ゴム(A)は、特定の第IVB
族遷移金属触媒系触媒の存在下に、エチレンと、α- オ
レフィンと、MODとを共重合させてなり、特定の組成
および特性を有する。特に、特定のジルコニウム触媒成
分を含有する第IVB族遷移金属触媒系触媒の存在下に、
エチレンと、α- オレフィンと、MODとを共重合させ
てなるランダム共重合体ゴム(A)が好ましい。このラ
ンダム共重合体ゴム(A)の製法の詳細は後述する。
【0014】本発明で用いられるランダム共重合体ゴム
(A)は、以下のような組成および特性を有する。 (i)このランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと
α- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィ
ン)が60/40〜80/20、好ましくは65/35
〜78/22の範囲にある。エチレンとα- オレフィン
とのモル比(エチレン/α- オレフィン)が上記のよう
な範囲にあるランダム共重合体ゴム(A)を用いると、
機械的強度に優れるとともに、低温下におけるゴム弾性
に優れた止水シートを提供することができるゴム組成物
が得られる。
【0015】(ii)また、このランダム共重合体ゴム
(A)は、ヨウ素価が5〜30、好ましくは10〜25
の範囲にある。ヨウ素価が上記のような範囲にあるラン
ダム共重合体ゴム(A)を用いると、耐外傷性に優れる
とともに、EPDMが本来有している優れた耐熱老化性
を保持した止水シートを提供することができるゴム組成
物が得られる。
【0016】ジエン成分がMODであるEPDM(以
下、MOD−EPDMと略する場合がある)と、ジエン
成分が5- エチリデン-2-ノルボルネン(以下、ENB
と略する場合がある)であるEPDM(以下、ENB−
EPDMと略する場合がある)とを同じヨウ素価で比較
すると、MOD−EPDMの方が、加硫速度が2倍以上
速い。
【0017】なお、バナジウム触媒成分を含有する第V
B族遷移金属触媒系触媒を用いて製造されるENB−E
PDMは、そのジエン含量を高くしても、ジエン含量が
4モル%を超えると、加硫速度の改善効果がなくなる。
一方、特定のジルコニウム触媒成分を含有する第IVB族
遷移金属触媒系触媒を用いて製造されるMOD−EPD
Mは、そのジエン含量が7モル%になるまでジエン含量
に比例して加硫速度を速めることができる。
【0018】また、バナジウム触媒成分を含有する第V
B族遷移金属触媒系触媒を用いて製造されるENB−E
PDMは、加硫速度を速めるためにそのヨウ素価を増加
させると、それに比例して低温柔軟性が悪化する。一
方、特定のジルコニウム触媒成分を含有する第IVB族遷
移金属触媒系触媒を用いて製造されるMOD−EPDM
は、そのヨウ素価に関係なく優れた低温柔軟性を有す
る。
【0019】(iii) さらに、このランダム共重合体ゴ
ム(A)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度
[η]が1dl/g<[η]<5dl/gで表わされる
範囲にある。止水シート用ゴム組成物としては、2dl
/g<[η]<4dl/gで表わされる範囲にあるラン
ダム共重合体ゴム(A)が好ましい。極限粘度[η]が
上記のような範囲にあるランダム共重合体ゴム(A)を
用いると、耐外傷性に優れた止水シートを提供すること
ができる、押出加工性に優れたゴム組成物が得られる。
【0020】(iv)また、このランダム共重合体ゴム
(A)は、13C−NMRスペクトルにおけるTαβのT
ααに対する強度比D(=Tαβ/Tαα)が0.5以
下であり、好ましい強度比Dは、ランダム共重合体ゴム
(A)を構成するα- オレフィンの種類によって異な
る。本発明で用いられるランダム共重合体ゴム(A)の
上記強度比Dは、次のような方法に従った13C−NMR
スペクトルの測定結果に基づき算出する。
【0021】すなわち、上記の13C−NMRは、日本電
子(株)製JEOL−GX270NMR測定装置で、ポ
リマー濃度5重量%のヘキサクロロブタジエン/d6-ベ
ンゼン=2/1体積比の混合溶液を用い、67.8MH
z、25℃にてd6-ベンゼン(128ppm)を基準と
して行なう。NMRスペクトルの解析は、リンデマンア
ダムスの提案(Analysis Chemistry43, p1245(197
1))、J.C.Randall(Review Macromolecular Chemistry
Physics,C29, 201(1989))に基本的に従い、帰属し
た。
【0022】ここで、上記強度比Dに関し、エチレン・
プロピレン・7- メチル-1,6-オクタジエン共重合体
ゴムを例にとって説明する。この場合、13C−NMRス
ペクトルおいて、45〜46ppmに現われるピークが
Tααに、また、32〜33ppmに現われるピークが
Tαβにそれぞれ帰属し、それぞれのピーク部分の積分
値を求め、上記強度比Dを算出する。
【0023】このようにして求められた強度比Dは、一
般に、プロピレンの1,2付加反応に続き、2,1付加
反応が起こる割合、またはプロピレンの2,1付加反応
に続き、1,2付加反応が起こる割合を示す尺度と考え
られている。したがって、この強度比D値が大きいほ
ど、エチレンと共重合しうるモノマーの結合方向が不規
則であること示している。逆に、D値が小さいほど、結
合方向が規則的であることを示しており、規則性が高い
方が分子鎖が集合し易く、強度などの物性が良くなる可
能性がある。したがって、本発明では、D値が小さいほ
ど好ましい。
【0024】本発明においては、TαβのTααに対す
る強度比D(=Tαβ/Tαα)が0.5以下、好まし
くは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下であ
る。特定のジルコニウム等の第IVB族遷移金属触媒成分
を含有する第IVB族遷移金属触媒系触媒の存在下に、エ
チレンとプロピレンと7- メチル-1,6-オクタジエン
とを共重合させることにより、上記強度比Dが0.5以
下であるエチレン・プロピレン・7- メチル-1,6-オ
クタジエン共重合体ゴムを得ることができる。
【0025】しかしながら、バナジウム触媒成分を含有
する第V B族遷移金属触媒系触媒の存在下に、エチレン
とプロピレンと7- メチル-1,6-オクタジエンとを共
重合させても、上記強度比Dが0.5以下であるエチレ
ン・プロピレン・7- メチル-1,6-オクタジエン共重
合体ゴムを得ることはできない。このことは、プロピレ
ン以外のα- オレフィンについても同様である。 (v)また、このランダム共重合体ゴム(A)は、13
−NMRスペクトルおよび下記の式から算出して求めた
B値が1.00〜1.50、好ましくは1.02〜1.
50、さらに好ましくは1.02〜1.45、特に好ま
しくは1.02〜1.40である。
【0026】B=POE/(2PE・PO) 上記式において、PEは、ランダム共重合体ゴム中の7-
メチル-1,6- オクタジエン成分に由来するエチレン
単位を除いたエチレン成分の含有モル分率であり、PO
は、ランダム共重合体ゴム中のα- オレフィン成分の含
有モル分率であり、 POEは、ランダム共重合体ゴムに
おける全ダイアド(dyad)連鎖数に対するα- オレ
フィン・エチレン連鎖数の割合である。
【0027】このB値は、共重合体鎖中における各モノ
マーの分布状態を表わす指標であり、J.C.Randall(Mac
romolecules, 15, 353(1982))、J.Ray(Macromolecule
s, 10,773 (1977))らの報告に基づいて、上記のように
定義したPE、POおよびPOEを求めることによって、上
記式よりB値が算出される。上記B値が大きいほど、エ
チレンあるいはα- オレフィンのブロック的連鎖が短く
なり、エチレンおよびα- オレフィンの分布が一様であ
り、共重合体の組成分布が狭いことを示している。ま
た、B値が小さくなるほど、共重合体の組成分布が広く
なり、このような共重合体を、たとえば加硫して用いよ
うとした場合には、組成分布の狭い共重合体と比べ、強
度など充分な物性が発現しないため好ましくない。
【0028】特定の第IVB族遷移金属触媒成分を含有す
る第IVB族遷移金属触媒系触媒の存在下に、エチレン
と、α- オレフィンと、7- メチル-1,6-オクタジエ
ンとを共重合させることにより、上記B値が1.00〜
1.50であるエチレン・α-オレフィン・7- メチル-
1,6-オクタジエン共重合体ゴムを得ることができ
る。
【0029】しかしながら、チタン触媒成分を含有する
第IVB族遷移金属触媒系触媒の存在下に、エチレンとα
- オレフィンと7- メチル-1,6-オクタジエンとを共
重合させても、上記範囲のB値を有するエチレン・α-
オレフィン・7- メチル-1,6- オクタジエン共重合
体ゴムを得ることはできない。ただし、この第IVB族遷
移金属触媒系触媒には、シクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を含む第IVB族遷移金属触媒成分は含まれて
いないものとする。 (vi)さらにまた、このランダム共重合体ゴム(A)
は、DSC(示差走査熱量計)で求めたガラス転移温度
Tgが−53℃以下である。
【0030】ガラス転移温度Tgが−53℃以下である
ランダム共重合体ゴム(A)を用いると、低温柔軟性に
優れた止水シートを提供することができるゴム組成物が
得られる。上記のようなランダム共重合体ゴム(A)
は、たとえば、上述したように、特定のジルコニウム、
チタン等の第IVB族遷移金属触媒成分を含有する第IVB
族遷移金属触媒系触媒の存在下に、エチレンと、α- オ
レフィンと、MODとを共重合させて製造される。
【0031】上記第IVB族遷移金属触媒系触媒の好まし
い例としては、シクロペンタジエニル骨格を有する配位
子を含むジルコニウム化合物および有機アルミニウムオ
キシ化合物(b)からなる第IVB族遷移金属触媒系触媒
と、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含むジ
ルコニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物
(b)および有機アルミニウム化合物(c)からなる第
IVB族遷移金属触媒系触媒とが挙げられる。本発明で
は、後者の第IVB族遷移金属触媒系触媒が特に好ましく
用いられる。
【0032】本発明で用いられるシクロペンタジエニル
骨格を有する配位子を含む第IVB族遷移金属化合物
(a)としては、下記の一般式[I]で表わされる第IV
B族遷移金属化合物を例示することができる。 MLx ・・・・・・[I] 上記一般式[I]において、Mは第IVB族遷移金属で、
好ましくはジルコニウムであり、Lは第IVB族遷移金属
に配位する配位子であって、少なくとも1個のLは、シ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、シクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLは、炭素原
子数が1〜12の炭化水素基、アルコシキ基、アリーロ
キシ基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基、SO3
R(ただし、Rはハロゲンなどの置換基を有していても
よい炭素原子数1〜8の炭化水素基である。)または水
素原子であり、xはジルコニウムの原子価である。
【0033】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、具体的には、シクロペンタジエニル基;メチ
ルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエ
ニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメ
チルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペン
タジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチル
エチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタ
ジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、
ブチルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペ
ンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基等の
アルキル置換シクロペンタジエニル基;インデニル基;
4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基;フルオレニル基な
どが挙げられる。
【0034】これらの基はハロゲン原子、トリアルキル
シリル基などで置換されていてもよい。これらのジルコ
ニウムに配位する配位子の中では、アルキル置換シクロ
ペンタジエニル基が特に好ましい。上記一般式[I]で
表わされるジルコニウム化合物が、シクロペンタジエニ
ル骨格を有する基を2個以上含む場合、そのうち2個の
シクロペンタジエニル骨格を有する基は、エチレン、プ
ロピレン等のアルキレン基、イソプロピリデン、ジフェ
ニルメチレン等の置換アルキレン基、シリレン基、また
はジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチル
フェニルシリレン基等の置換シリレン基などを介して結
合されていてもよい。
【0035】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子としては、上述したように、炭素原子数が
1〜12の炭化水素基、アルコシキ基、アリーロキシ
基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基、SO3
(ただし、Rはハロゲンなどの置換基を有していてもよ
い炭素原子数1〜8の炭化水素基である。)または水素
原子などが挙げられ、具体的には、以下のような基また
は原子が挙げられる。
【0036】上記の炭素原子数が1〜12の炭化水素基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基;シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;
フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネ
オフィル基等のアラルキル基などが挙げられる。
【0037】上記アルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。上記アリー
ロキシ基としては、フェノキシ基などが挙げられる。上
記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
などの原子が挙げられる。
【0038】上記のSO3 Rで表わされる配位子として
は、p-トルエンスルホナト基、メタンスルホナト基、ト
リフルオロメタンスルホナト基などが挙げられる。上記
一般式[I]で表わされる第IVB族遷移金属化合物は、
たとえばジルコニウム化合物でジルコニウムの原子価が
4である場合、より具体的には下記の一般式[II]で
表わされる。
【0039】 R1 a2 b3 c4 dM ・・・・・・[II] (式[II]中、Mはジルコニウムであり、R1はシク
ロペンタジエニル骨格を有する基であり、R2、R3およ
びR4は、シクロペンタジエニル骨格を有する基、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、ト
リアルキルシリル基、SO3Rまたは水素原子であり、
aは1以上の整数であり、a+b+c+d=4であ
る。)本発明では、上記一般式[II]において、
2、R3およびR4のうち1個がシクロペンタジエニル
骨格を有する基であるジルコニウム化合物、たとえば、
1およびR2がシクロペンタジエニル骨格を有する基で
あるジルコニウム化合物が好ましく用いられる。これら
のシクロペンタジエニル骨格を有する基は、エチレン、
プロピレン等のアルキレン基、ジフェニルメチレン等の
置換アルキレン基、イソプロピリデン等のアルキリデン
基、シリレン基、またはジメチルシリレン、ジフェニル
シリレン、メチルフェニルシリレン等の置換シリレン基
などを介して結合されていてもよい。また、R3および
4は、シクロペンタジエニル骨格を有する基、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、
アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、トリア
ルキルシリル基、SO3 Rまたは水素原子である。
【0040】以下に、上記一般式[II]で表わされる
ジルコニウム化合物を具体的に例示する。ビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジ
ルコニウムジブロミド、ビス(インデニル)ジルコニウ
ムビス(p-トルエンスルホナト)ビス(4,5,6,7-テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビス
(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスル
ホナト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビ
ス(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル- フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル- メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチルシリ
レンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエ
ニル- フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェ
ニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)
メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シ
クロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウムモノ
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジル
コニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)
ベンジルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウム
モノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメ
チルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフ
ェニルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ベンジルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(p-トルエンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホナト)、ビス(エチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルエチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビ
ス(メタンスルホナト)、ビス(トリメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド。
【0041】なお、上記例示において、シクロペンタジ
エニル環の二置換体は、1,2-および1,3-置換体を含み、
三置換体は、1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプ
ロピル、ブチルなどのアルキル基は、n-、i-、sec-、te
rt- などの異性体を含む。本発明では、上記したような
ジルコニウム化合物は、単独で、または2種以上組み合
わせて用いることができる。
【0042】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物(b)は、従来公知のアルミノオキサンであっ
てもよく、また特開平2−78687号公報に例示され
ているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ
化合物であってもよい。従来公知のアルミノオキサン
は、たとえば下記のような方法によって製造することが
できる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物等の炭化水素媒体懸濁液に、トリ
アルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物を添
加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等の媒体中で、トリアルキルアルミニウム等
の有機アルミニウム化合物に直接、水や氷や水蒸気を作
用させて炭化水素の溶液として回収する方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエン等の媒体中でトリア
ルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物に、ジ
メチルスズオキシド、ジブチルスズオキシド等の有機ス
ズ酸化物を反応させる方法。
【0043】なお、このアルミノオキサンは、少量の有
機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のア
ルミノオキサン溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミ
ニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解して
もよい。アルミノオキサンの製造の際に用いられる有機
アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-
ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルアルミニ
ウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウム等のトリアルキルアルミニウム;トリシクロヘキ
シルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム等
のトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチ
ルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムク
ロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;ジエチル
アルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウム
ハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライ
ド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキ
シド;ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキ
ルアルミニウムアリーロキシド等が挙げられる。
【0044】これらの中では、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが特に好ましい。
また、アルミノオキサンの製造の際に用いられる有機ア
ルミニウム化合物として、下記一般式[III]で表わ
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。
【0045】 (i-C49x Aly (C510z ・・・・・・[III] (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xであ
る。) 上記の有機アルミニウム化合物は、単独で、あるいは組
み合せて用いられる。上記のようなアルミノオキサンの
製造の際に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデ
カン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水
素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ガソリ
ン、灯油、軽油等の石油留分、あるいは上記芳香族炭化
水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化
物、とりわけ、塩素化物、臭素化物等の炭化水素溶媒が
挙げられる。
【0046】その他、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類を用いることもできる。これらの溶
媒のうち、特に芳香族炭化水素が好ましい。本発明で用
いられる有機アルミニウム化合物(c)としては、たと
えば下記一般式[IV]で表わされる有機アルミニウム
化合物を例示することができる。 R5 n AlX3-n ・・・・・・[IV] (式中、R5は炭素原子数1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。) 上記式[IV]において、R5は炭素原子数1〜12の
炭化水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基ま
たはアリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチ
ル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などであ
る。
【0047】このような有機アルミニウム化合物の具体
例としては、以下のような化合物が挙げられる。トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアル
ミニウム等のトリアルキルアルミニム;イソプレニルア
ルミニウム等のアルケニルアルミニウム;ジメチルアル
ミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
イソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアル
ミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド等の
ジアルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウム
セスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、
イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアル
ミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブ
ロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド;メチ
ルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロ
リド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルア
ルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハラ
イド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチ
ルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウム
ハイドライド。
【0048】また、有機アルミニウム化合物(c)とし
て、下記の式[V]で表わされる化合物を用いることも
できる。 R5 nAlY3-n ・・・・・・[V] (式中、R5は上記と同様であり、Yは−OR6基、−
OSiR7 3 基、−OAlR8 2基、−NR9 2基、−SiR
10 3基または−N(R11)AlR12 2 基であり、nは1
〜2であり、R6、R7、R8およびR12はメチル基、エ
チル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシ
ル基、フェニル基等であり、R9は水素、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリ
ル基等であり、R10およびR11はメチル基、エチル基等
である。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。
【0049】(i)R5 nAl(OR63-nで表わされる
化合物、たとえばジメチルアルミニウムメトキシド、ジ
エチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニ
ウムメトキシド等。 (ii)R5 nAl(OSiR7 33-nで表わされる化合物、
たとえば(C252Al(OSi(CH33)、(iso-
492Al(OSi(CH33)、(iso-C492
Al(OSi(C253 )等。
【0050】(iii) R5 nAl(OAlR8 23-n で表
わされる化合物、たとえば(C252Al(OAl
(C252)、(iso-C492Al(OAl(iso-C
492)等。 (iv)R5 nAl(NR9 23-n で表わされる化合物、た
とえば(CH32Al(N(C252)、(C252
Al(NH(CH3))、(CH32Al(NH(C2
5))、(C252Al[N(Si(CH332]、
(iso-C492Al[N(Si(CH332 ]等。
【0051】(v)R5 nAl(SiR10 33-n で表わさ
れる化合物、たとえば(iso-C492Al(Si(CH
33)等。
【0052】
【化1】
【0053】上記一般式[IV]、[V]で表わされる
有機アルミニウム化合物の中では、R5 3Al、R5 nAl
(OR63-n 、R5 nAl(OAlR8 23-n で表わさ
れる有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げるこ
とができ、R5がイソアルキル基であり、n=2である
化合物が特に好ましい。これらの有機アルミニウム化合
物は、単独で、または2種以上混合して用いることもで
きる。
【0054】本発明で用いられる特定の第IVB族遷移金
属触媒成分を含有する第IVB族遷移金属触媒系触媒は、
上記のようなシクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含むジルコニウム等の第IVB族遷移金属化合物
(a)、有機アルミニウムオキシ化合物(b)、および
必要に応じて有機アルミニウム化合物(c)とから形成
される。
【0055】本発明では、上記第IVB族遷移金属化合物
(a)としてのジルコニウム化合物は、重合容積1リッ
トル当り、ジルコニウム原子に換算して、通常、約0.
00005〜0.1ミリモル、好ましくは約0.000
1〜0.05ミリモルの量で用いられる。また、有機ア
ルミニウムオキシ化合物(b)は、ジルコニウム原子1
モルに対して、有機アルミニウムオキシ化合物(b)中
のアルミニウム原子が、通常、約1〜10,000モ
ル、好ましくは10〜5,000モルとなるような量で
用いられる。
【0056】さらに、有機アルミニウム化合物(c)
は、有機アルミニウムオキシ化合物(b)中のアルミニ
ウム原子1モルに対して、通常、約0〜200モル、好
ましくは約0〜100モルとなるような量で用いられ
る。本発明では、エチレンと、α- オレフィンと、7-
メチル-1,6-オクタジエンとを共重合させる際に、上
記第IVB族遷移金属触媒系触媒を構成する上記第IVB族
遷移金属化合物(a)、有機アルミニウムオキシ化合物
(b)、さらには有機アルミニウム化合物(c)をそれ
ぞれ別個に重合反応器に供給してもよいし、また、この
共重合反応を行なう前に、予め上記第IVB族遷移金属触
媒成分を含有する第IVB族遷移金属触媒系触媒を調製し
てもよい。
【0057】図1に、本発明で用いられるランダム共重
合体ゴム(A)の製造の際に用いられるジルコニウム触
媒成分を含有する第IVB族遷移金属触媒系触媒の調製工
程を示す。上記ジルコニウム等の第IVB族遷移金属触媒
成分を含有する第IVB族遷移金属触媒系触媒の調製に用
いられる不活性炭化水素媒体としては、具体的には、プ
ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シ
クロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン
等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼ
ン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素あるいはこ
れらの混合物等を挙げることができる。
【0058】上記第IVB族遷移金属化合物(a)、有機
アルミニウムオキシ化合物(b)および有機アルミニウ
ム化合物(c)を混合接触させる際の混合温度は、通
常、−100〜200℃、好ましくは−70〜100℃
の範囲であることが望ましい。上記共重合は、温度が通
常−20〜200℃、好ましくは0〜150℃、特に好
ましくは20〜120℃で、圧力が通常、大気圧〜10
0kg/cm2、好ましくは大気圧〜50kg/cm2
特に好ましくは大気圧〜30kg/cm2の条件下で行
なわれる。
【0059】上記ランダム共重合体ゴムの分子量は、重
合温度などの重合条件を変更することにより調節するこ
とができ、また、水素(分子量調節剤)の使用量を制御
することにより調節することもできる。重合は、バッチ
式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行なう
ことができるが、連続式で行なうことが好ましい。さら
に、重合を反応条件を変えて2段以上に分けて行なうこ
ともできる。
【0060】重合直後の生成ポリマーは、従来公知の分
離・回収方法により、重合溶液から回収し乾燥して、固
体状のランダム共重合体ゴム(A)を得る。加硫剤(B) 本発明で用いられる加硫剤(B)としては、イオウ、イ
オウ化合物、有機過酸化物が挙げられる。
【0061】イオウとしては、具体的には、粉末イオ
ウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不
溶性イオウなどが挙げられる。イオウ化合物としては、
具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化
物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放
出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルフォリンジ
スルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラ
メチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラ
ムテトラスルフィドなども使用することができる。
【0062】本発明においては、イオウないしイオウ化
合物は、ランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対
して、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量
部の割合で用いられる。また、加硫剤(B)としてイオ
ウないしイオウ化合物を使用するときは、加硫促進剤を
併用することが好ましい。加硫促進剤としては、具体的
には、N- シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミド、N- オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾー
ルスルフェンアミド、N,N- ジイソプロピル-2-ベン
ゾチアゾールスルフェンアミド、2- メルカプトベンゾ
チアゾール、2-(2,4- ジニトロフェニル)メルカ
プトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モル
ホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジス
ルフィドなどのチアゾール系化合物;ジフェニルグアニ
ジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグア
ニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグ
アニジンフタレートなどのグアニジン化合物;アセトア
ルデヒド- アニリン反応物、ブチルアルデヒド- アニリ
ン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒ
ドアンモニアなどのアルデヒドアミンまたはアルデヒド
- アンモニア系化合物;2- メルカプトイミダゾリンな
どのイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチ
ルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユ
リア、ジオルソトリルチオユリアなどのチオユリア系化
合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメ
チルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジス
ルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタ
メチレンチウラムテトラスルフィドなどのチウラム系化
合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチ
オカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸
亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチル
フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカル
バミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレ
ン、ジメチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオ酸
塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛などのザンテ
ート系化合物;亜鉛華などの化合物を挙げることができ
る。
【0063】本発明においては、加硫促進剤は、ランダ
ム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、0.1〜
20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合で用
いられる。有機過酸化物としては、通常ゴムの過酸化物
加硫に使用される化合物であればよい。たとえば、ジク
ミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ
-t- ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロ
ヘキサン、t- ブチルヒドロパーオキサイド、t- ブチ
ルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
2,5- ジメチル-2,5-ジ(t- ブチルパーオキシ
ン)ヘキシン- 3、2,5- ジメチル-2,5-ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5- ジメチル-2,
5-モノ(t- ブチルパーオキシ)- ヘキサン、α,
α’- ビス(t- ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)
ベンゼンなどが挙げられる。なかでも、ジクミルパーオ
キサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-ブチル
パーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンが
好ましく用いられる。これらの有機過酸化物は、1種ま
たは2種以上組合わせて用いられる。
【0064】本発明においては、有機過酸化物は、ラン
ダム共重合体ゴム(A)100gに対して、3×10-4
〜5×10-2モルの割合で使用されるが、要求される物
性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。加
硫剤(B)として有機過酸化物を使用するときは、加硫
助剤を併用することが好ましい。加硫助剤としては、具
体的には、イオウ;p- キノンジオキシムなどのキノン
ジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタク
リレートなどのメタクリレート系化合物;ジアリルフタ
レート、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合
物;その他マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなど
が挙げられる。
【0065】止水シート用ゴム組成物では、加硫剤
(B)としてイオウないしイオウ化合物を用いるのが好
ましい。充填剤(C) 本発明で用いられる充填剤(C)には、補強性のある充
填剤と補強性のない充填剤とがある。
【0066】補強性のある充填剤は、加硫ゴムの引張り
強さ、引裂き強さ、耐摩耗性などの機械的性質を高める
効果がある。このような充填剤としては、具体的には、
シランカップリング剤などによる表面処理が施されてい
てもよいカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシ
ウム、微粉タルクなどが挙げられる。本発明において
は、通常ゴムに使用されるカーボンブラックならば、そ
の種類は問わず、全て用いることができる。
【0067】また、補強性のない充填剤は、物性にあま
り影響を与えることなく、ゴム製品の硬さを高めたり、
コストを引き下げることを目的として使用される。この
ような充填剤としては、具体的には、タルク、クレー、
炭酸カルシウムなどが挙げられる。本発明においては、
充填剤(C)は、ランダム共重合体ゴム(A)100重
量部に対して、20〜200重量部、好ましくは50〜
150重量部の割合で用いられる。
【0068】本発明に係る止水シート用ゴム組成物中
に、上記のランダム共重合体ゴム(A)、加硫剤(B)
および充填剤(C)に加えて、上述したように加硫促進
剤、加硫助剤を配合することができるが、そのほかに軟
化剤、加工助剤、発泡剤およびその他のゴム用配合剤
を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することがで
きる。
【0069】軟化剤としては、通常ゴム用に使用される
軟化剤、すなわち各種の鉱物油類、合成油類、エステル
系可塑剤などが挙げられる。具体的には、通常ゴムのプ
ロセスオイルとして使用される各種鉱油、たとえばパラ
フィン系、ナフテン系、アロマ系の鉱油、ブテンオリゴ
マー、エチレン・α- オレフィンコオリゴマー等の合成
炭化水素油、ポリグリコール油、ポリフェニルエーテル
油、エステル油、リン酸エステル油、ポリクロロトリフ
ルオロエチレン油、フルオロエステル油、塩素化ビフェ
ニル油、シリコーン油などが挙げられる。
【0070】軟化剤は、ランダム共重合体ゴム(A)1
00重量部に対して、10〜120重量部、好ましくは
30〜80重量部の割合で用いられる。加工助剤として
は、通常ゴムに使用される加工助剤を、ランダム共重合
体ゴム(A)100重量部に対して、10重量部以下、
好ましくは1〜5重量部の割合で使用すればよい。
【0071】本発明に係る止水シート用ゴム組成物は、
たとえば次のような方法で調製することができる。すな
わち、本発明に係る止水シート用ゴム組成物は、バンバ
リ−ミキサーのようなミキサー類によりランダム共重合
体ゴム(A)、充填剤(C)、および軟化剤などの必要
な添加剤を、80〜170℃の温度で約3〜10分間混
練した後、オープンロールのようなロール類を使用し
て、加硫剤(B)、必要に応じて加硫促進剤または加硫
助剤を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30
分間混練した後、分出しすることにより調製することが
できる。このようにして得られるゴム組成物は、リボン
状またはシート状のゴム配合物である。
【0072】また、本発明に係る止水シート用ゴム組成
物は、ランダム共重合体ゴム(A)、加硫剤(B)、充
填剤(C)および上記の添加剤を約80〜100℃に加
熱された押出機に直接供給し、滞留時間を約0.5〜5
分間とって、造粒し、ペレット状に調製することもでき
る。
【0073】
【発明の効果】本発明で用いられるエチレンとα- オレ
フィンと7- メチル-1,6-オクタジエンとからなるラ
ンダム共重合体ゴム(A)は、エチレンとα- オレフィ
ンとのモル比、ヨウ素価、極限粘度[η]、13C−NM
RスペクトルにおけるTαβとTααとの強度比D、B
値およびガラス転移温度Tgが特定の範囲にあるので、
耐外傷性、耐潰れ性、低温柔軟性に優れた加硫ゴムを提
供することができ、しかも、加硫速度が速い。
【0074】また、このランダム共重合体ゴム(A)
は、耐候性、耐オゾン性および耐熱老化性等の特性に優
れている。本発明に係る止水シート用ゴム組成物は、上
記ランダム共重合体ゴム(A)と、加硫剤(B)と、充
填剤(C)とを含有してなるので、耐外傷性、低温柔軟
性に優れた止水シートを高速成形することができる。
【0075】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例におけるエチレン・α- オレ
フィン・ジエン共重合体ゴムおよび加硫ゴムの評価試験
方法は、以下のとおりである。
【0076】[1]未加硫ゴムの物性試験 未加硫ゴムの物性試験は、JIS K 6300に準拠し
て行ない、ムーニー粘度[ML1+4 (130℃)]、ム
ーニー・スコーチ時間(t5 [分])、tΔ30[分]を
求めた。tΔ30は、加硫速度の度合を表わすといわれて
いる。また、未加硫ゴムについて、日本合成ゴム(株)
製のキュラストメーター(CURELASTMETER)3型を用い
て160℃でトルク変化を測定し、t90[分]を求め加
硫速度とした。t90が短時間ほど加硫速度が速いことを
示す。
【0077】[2]Tg エチレン・α- オレフィン・ジエン共重合体ゴムのTg
は、示差走査熱量計(DSC)で測定した。このガラス
転移温度は、エチレン・α- オレフィン・ジエン共重合
体ゴムの低温柔軟性の指標となる。 ・DSCによるTgの測定における温度サイクル 試料を常温(25℃)から20℃/minの速度で18
0℃まで昇温して2分間、180℃に保った後、この試
料を−20℃/minの速度で−80℃まで冷却して2
分間、−80℃に保ち、その後再びこの試料を20℃/
minの速度で昇温して試料のTgを求めた。
【0078】[3]引張り試験 加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6301(198
9年)に記載されている3号形ダンベル試験片を作製
し、該試験片を用いて同JIS K 6301第3項に規
定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500
mm/分の条件で引張り試験を行ない、100%モジュ
ラス(M100 )、300%モジュラス(M 300 )、引張
破断点応力TB および引張破断点伸びEB を測定した。
【0079】[4]硬さ試験 硬さ試験は、JIS K 6301(1989年)に準拠
して、スプリング硬さHS(JIS A硬度)を測定し
た。 [5]圧縮永久歪試験 圧縮永久歪試験は、JIS K 6301(1989年)
に準拠して行ない、圧縮永久歪(CS)を求めた。
【0080】[6]加熱変形試験 加熱変形試験は、JIS C 3005に準じて行ない、
加熱変形後の厚さの減少率[%]を求めた。この減少率
は、加硫ゴムの耐潰れ性の指標となる。 (試験条件) 加熱温度:90℃、120℃、150℃ 荷重:10.5kg [7]染色摩耗試験 染色摩耗試験は、JIS L-0823に準拠して行な
い、試験前後の重量変化率[%]を求めた。この重量変
化率は、加硫ゴムの耐外傷性の指標となる。
【0081】(試験条件) 試験荷重:200g 摩擦面:20×20mm 試験片のサイズ:25×210mm 摩擦片:サイズ20×20mmの布(カナキン3号) 摩擦回数:500回 [8]低温ねじり試験(ゲーマンねじり試験) 低温ねじり試験は、JIS K 6301に準じて行な
い、T2[℃]、T5[℃]、T10[℃]、凍結温度
[℃]を求めた。これらの温度は、加硫ゴムの低温柔軟
性の指標となる。
【0082】(試験条件) ねじりワイヤーのねじれ定数:0.5gf・cm/度 浸漬時間:10分 ねじり時間:5秒
【0083】
【参考例1】攪拌翼を備えた15リットルのステンレス
製重合器を用いて、連続的にエチレンと、プロピレン
と、7- メチル-1,6-オクタジエンとの共重合を行な
った。すなわち、まず重合器上部から重合器内に、脱水
精製したヘキサン、ビス(1,3- ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリドのヘキサン溶液
(濃度0.05ミリモル/リットル)、トリイソブチル
アルミニウムのヘキサン溶液(濃度17ミリモル/リッ
トル)、メチルアルモキサンのヘキサンスラリー溶液
(アルミニウム原子に換算して3ミリグラム原子/リッ
トル)、7- メチル-1,6-オクタジエンのヘキサン溶
液(濃度0.25リットル/リットル)をそれぞれ連続
的に供給した。
【0084】また、重合器上部から重合器内に、エチレ
ン、プロピレンをそれぞれ連続的に供給した。この共重
合反応は、50℃で行なった。次いで、重合器下部から
抜き出した重合溶液にメタノールを少量添加して、重合
反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて共重
合体を溶媒から分離した後、100℃、減圧(100mm
Hg)の条件下に、24時間乾燥した。
【0085】以上の操作で、エチレン・プロピレン・7
- メチル-1,6-オクタジエン共重合体が得られた。得
られた共重合体[以下、MOD−EPDM(1)と称す
る場合がある]は、ゴムであって、エチレンとプロピレ
ンとのモル比(エチレン/プロピレン)が67/33で
あり、ヨウ素価が22であり、135℃デカリン中で測
定した極限粘度[η]が1.92dl/gであった。ま
た、13C−NMRスペクトルにおけるTαβのTααに
対する強度比Dは、0.01未満であり、B値は1.1
4であり、ガラス転移温度は−61℃であった。
【0086】
【参考例2】参考例1と同様の操作を行なって、第1表
に示すエチレン・プロピレン・7-メチル-1,6-オク
タジエン共重合体ゴム[以下、MOD−EPDM(2)
と称する場合がある]を得た。
【0087】
【表1】
【0088】また、比較例で用いたエチレン・プロピレ
ン・5- エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム[E
NB−EPDM(1)、(2)]の品質を第2表に示
す。
【0089】
【表2】
【0090】
【比較例1】第2表に示したENB−EPDM(1)1
00重量部と、亜鉛華5重量部と、ステアリン酸1重量
部と、HAFカーボンブラック75重量部と、重質炭酸
カルシウム40重量部と、パラフィン系オイル40重量
部とを容量4.3リットルのバンバリーミキサー
[(株)神戸製鋼所製]で混練した。
【0091】このようにして得られた混練物に、イオウ
1.0重量部、2- メルカプトベンゾチアゾール0.7
5重量部、ジベンゾチアジルジスルフィド0.75重量
部およびテトラメチルチウラムジスルフィド0.5重量
部を加えて8インチロール(前ロールおよび後ロールの
温度50℃)で混練した後、シート状に分出して、16
0℃で10分、20分プレス加硫して、加硫時間の異な
る厚み2mmの加硫シートをそれぞれ調製した。
【0092】得られた加硫シートについて上記物性試験
等を上記方法に従って行なった。また、上記加硫を行な
う前の未加硫ゴム組成物について、上記方法に従って、
ムーニー粘度[ML1+4 (130℃)]、ムーニー・ス
コーチ時間(t5 )、tΔ30、t90を求めた。結果を第
3表に示す。
【0093】
【比較例2】比較例1において、ENB−EPDM
(1)の代わりに第2表に示したENB−EPDM
(2)を用いた以外は、比較例1と同様に行なった。結
果を第3表に示す。
【0094】
【実施例1】比較例1において、ENB−EPDM
(1)の代わりに参考例2で得られたMOD−EPDM
(2)を用いた以外は、比較例1と同様に行なった。結
果を第3表に示す。
【0095】
【表3】
【0096】第3表より、以下のことが判った。ヨウ素
価の低いENB−EPDM(1)を用いた比較例1とヨ
ウ素価の高いENB−EPDM(2)を用いた比較例2
を比較すると、耐外傷性を向上させるためには、ENB
−EPDMのヨウ素価を高くする、すなわちENB含量
を多くすればよいが、低温柔軟性が損なわれる。
【0097】これに対し、実施例1と比較例2を比較す
ると、実施例1で用いたMOD−EPDM(2)は、比
較例2で用いたENB−EPDM(2)のヨウ素価とほ
ぼ同じヨウ素価を有するにもかかわらず、実施例1は、
比較例2よりも優れた低温柔軟性を示すとともに、耐外
傷性も非常に優れている。また、実施例1と比較例2
は、ほぼ同じヨウ素価を有するEPDMを用いているに
もかかわらず、実施例1の方が比較例2よりも加硫速度
が非常に速い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で用いられるエチレンと、α-
オレフィンと、7- メチル-1,6- オクタジエンとか
らなるランダム共重合体ゴム(A)を製造する際に用い
られるオレフィン重合用触媒の調製工程の一例を示す説
明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB151 DA037 DA046 DE237 DG026 DJ017 DJ047 EK026 EK036 EK046 EV046 FD017 FD146 GL00 4J128 AA01 AB00 AC28 AD05 AD06 AD11 BA00A BA02B BB00A BB02B BC15B BC16B BC24B BC25B BC27B BC28B BC29B EB02 EB04 EB15 EB16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと、α- オレフィンと、7- メチ
    ル-1,6-オクタジエンとからなるランダム共重合体ゴ
    ム(A)、 加硫剤(B)、および充填剤(C)を含有してなるゴム
    組成物であって、 該ランダム共重合体ゴム(A)は、 (i)エチレンとα- オレフィンとのモル比(エチレン
    /α- オレフィン)が60/40〜80/20の範囲に
    あり、 (ii)ヨウ素価が5〜30の範囲にあり、 (iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]
    が1dl/g<[η]<5dl/gで表わされる範囲に
    あり、 (iv)13C−NMRスペクトルにおけるTαβのTαα
    に対する強度比D(=Tαβ/Tαα)が0.5以下で
    あり、 (v)13C−NMRスペクトルおよび下記の式から算出
    して求めたB値が1.00〜1.50であり、 (vi)DSCで求めたガラス転移温度Tgが−53℃以
    下であることを特徴とする止水シート用ゴム組成物; B=POE/(2PE・PO) [式中、PEは、ランダム共重合体ゴム中の7- メチル-
    1,6-オクタジエン成分に由来するエチレン単位を除
    いたエチレン成分の含有モル分率であり、 POは、ランダム共重合体ゴム中のα- オレフィン成分
    の含有モル分率であり、 POEは、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(d
    yad)連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖
    数の割合である]。
  2. 【請求項2】エチレンと、α- オレフィンと、7- メチ
    ル-1,6-オクタジエンとからなるランダム共重合体ゴ
    ム(A)、 加硫剤(B)、および充填剤(C)を含有してなるゴム
    組成物であって、 該ランダム共重合体ゴム(A)が、 シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む第IVB
    族遷移金属化合物(a)および有機アルミニウムオキシ
    化合物(b)からなる第IVB族遷移金属触媒系触媒の存
    在下に、エチレンと、α- オレフィンと、7- メチル-
    1,6-オクタジエンとを共重合させてなり、かつ、 (i)エチレンとα- オレフィンとのモル比(エチレン
    /α- オレフィン)が60/40〜80/20の範囲に
    あり、 (ii)ヨウ素価が5〜30の範囲にあり、 (iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]
    が1dl/g<[η]<5dl/gで表わされる範囲に
    あり、 (iv)13C−NMRスペクトルにおけるTαβのTαα
    に対する強度比D(=Tαβ/Tαα)が0.5以下で
    あり、 (v)13C−NMRスペクトルおよび下記の式から算出
    して求めたB値が1.00〜1.50であり、 (vi)DSCで求めたガラス転移温度Tgが−53℃以
    下であることを特徴とする止水シート用ゴム組成物; B=POE/(2PE・PO) [式中、PEは、ランダム共重合体ゴム中の7- メチル-
    1,6-オクタジエン成分に由来するエチレン単位を除
    いたエチレン成分の含有モル分率であり、 POは、ランダム共重合体ゴム中のα- オレフィン成分
    の含有モル分率であり、 POEは、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(d
    yad)連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖
    数の割合である]。
  3. 【請求項3】前記第IVB族遷移金属化合物(a)が、シ
    クロペンタジエニル骨格を有する配位子を含むジルコニ
    ウム化合物であることを特徴とする請求項2に記載の止
    水シート用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】前記第IVB族遷移金属触媒系触媒が、シク
    ロペンタジエニル骨格を有する配位子を含むジルコニウ
    ム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物(b)および
    有機アルミニウム化合物(c)からなることを特徴とす
    る請求項2に記載の止水シート用ゴム組成物。
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