JP2001342262A - ゴム系組成物の製法 - Google Patents

ゴム系組成物の製法

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JP2001342262A
JP2001342262A JP2000164430A JP2000164430A JP2001342262A JP 2001342262 A JP2001342262 A JP 2001342262A JP 2000164430 A JP2000164430 A JP 2000164430A JP 2000164430 A JP2000164430 A JP 2000164430A JP 2001342262 A JP2001342262 A JP 2001342262A
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rubber
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rubber composition
olefin
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Hajime Nishihara
一 西原
Ikuji Otani
郁二 大谷
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い生産性と品質安定性を有し、かつ外観及
び機械的強度に優れたゴム系組成物の生産を可能にした
製法の提供。 【解決手段】 (A)架橋性ゴムと(B)熱可塑性樹脂
とを混合し、架橋されたゴム系組成物の製法において、
(C)不活性ガスを溶解させることにより、溶融粘度を
低下せしめることを特徴とするゴム系組成物の製法、と
りわけ(C)が二酸化炭素であるゴム系組成物の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム系組成物の製
法に関するものである。更に詳しくは、高い生産性と品
質安定性を有し、かつ外観及び機械的強度に優れたゴム
系組成物を可能にした製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ラジカル架橋性ゴムとラジカル架橋性の
ない樹脂とをラジカル開始剤の存在下、押出機中で溶融
混練させながら架橋する、いわゆる動的架橋による熱可
塑性エラストマー組成物は、既に公知の技術であり、自
動車部品等の用途に広く使用されている。
【0003】このようなゴム系組成物として、エチレン
−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)またはメタロセ
ン触媒により製造されたオレフィン系エラストマー(特
開平8−120127号公報、特開平9−137001
号公報)を用いる技術が知られている。しかしながら、
上記組成物は架橋性の高粘度エラストマーと分解性のオ
レフィン系樹脂とを溶融状態で架橋反応を行って製造さ
れたものであり、そのために、高粘度による発熱が著し
く、特に量産時の上記組成物の機械的強度が必ずしも充
分でない。そのために外観、機械的強度に優れた、実用
的使用に耐えるゴム系組成物の製法が求められている。
【0004】一方、熱可塑性樹脂の粘度低下の従来技術
として、二酸化炭素を熱可塑性樹脂の射出成形時に吹き
込み、低温で溶融成形可能な射出成形法が開示されてい
る。(PCT/JP98/02220) また米国特許4990595号
明細書には、超臨界ガス存在下で二種以上の樹脂を溶融
し、少なくとも10%粘度が低減するまで十分に混合
後、ガスを含まない樹脂の粘度以上になるまで冷却し、
圧力を開放することにより高度に分散した樹脂混合物の
製造方法が開示されている。しかしながら、上記公報の
組成物の製法では、混合時の粘度低下を目的としている
のに対して、本願では架橋反応の発熱を抑制することを
目的としている点で異なる。動的架橋反応ではゴム成分
と樹脂成分の粘度比を近接することが重要であり、不活
性ガスが高粘度のゴム成分に選択的に溶解されるため
に、発熱を抑制しつつ架橋反応が促進される。この事実
は上記公報には開示されていないし、暗示さえされてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち高い生産
性と品質安定性を有し、かつ外観及び機械的強度に優れ
たゴム系組成物を可能にした製法を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はゴム系組成
物の改良を鋭意検討した結果、不活性ガスを溶解し、溶
融粘度を低下せしめて、発熱を抑制しつつ架橋すること
により、驚くべきことに外観及び機械的強度が飛躍的に
向上する事を見出し、本発明を完成した。即ち本発明
は、(A)架橋性ゴムと(B)熱可塑性樹脂とを混合
し、架橋されたゴム系組成物の製法において、(C)不
活性ガスを溶解させることにより、溶融粘度を低下せし
めることを特徴とするゴム系組成物の製法、とりわけ
(C)が二酸化炭素であるゴム系組成物の製法を提供す
るものである。
【0007】以下、本発明に関して詳しく述べる。本発
明は、(A)架橋性ゴムと(B)熱可塑性樹脂とを混合
し、(C)不活性ガスを溶解し、溶融粘度を低下せしめ
て架橋してなるゴム系組成物の製法である。一般に動的
架橋反応を行う際に、ゴム成分と樹脂成分との粘度を近
接することがゴム粒子形成において重要であり、本発明
者らは不活性ガスが高粘度のゴム成分に選択的に溶解さ
れるために、上記粘度が近接し、ゴム粒子形成に有利で
あることを見出した。そして、(C)不活性ガスにより
溶融粘度が低下し、発熱が抑制されるために、架橋剤の
消費が抑制され、架橋効率が向上し、更に架橋速度が抑
制されるために均一で小粒子架橋ゴムの形成が可能にな
ることを見出し、本発明を完成した。
【0008】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。本発明において(A)架橋性ゴムは、ガラス転移
温度(Tg)が−30℃以下であることが好ましく、こ
のようなゴム状重合体は、例えば、ポリブタジエン、ポ
リ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル
−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上記ジエンゴムを
水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレン
ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及びエ
チレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレ
ン−ジエンモノマー三元共重合体ゴム(EPDM)、エ
チレンーオクテン共重合体ゴム等の架橋ゴムまたは非架
橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有する熱可塑性エラス
トマー等を挙げることができる。
【0009】本発明において(A)架橋性ゴム状重合体
の中でも、特にエチレン・αーオレフィン共重合体が好
ましく、エチレンおよび炭素数が3〜20のα−オレフ
ィンが更に好ましい。上記炭素数3〜20のα−オレフ
ィンとしては、例えば、プロピレン、ブテンー1、ペン
テンー1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘ
プテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、
ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。中でも
ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1
が好ましく、特に好ましくは炭素数6〜12のα−オレ
フィンであり、とりわけオクテン−1が最も好ましい。
オクテン−1は少量でも柔軟化する効果に優れ、得られ
た共重合体は機械的強度に優れている。
【0010】本発明において好適に用いられる(A)エ
チレン・αーオレフィン共重合体は、公知のメタロセン
系触媒を用いて製造することが好ましい。一般にはメタ
ロセン系触媒は、チタン、ジルコニウム等のIV族金属
のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒からなり、重合
触媒として高活性であるだけでなく、チーグラー系触媒
と比較して、得られる重合体の分子量分布が狭く、共重
合体中のコモノマーである炭素数3〜20のα−オレフ
ィンの分布が均一である。本発明において用いられる
(A)エチレン・αーオレフィン共重合体は、α−オレ
フィンの共重合比率が1〜60重量%であることが好ま
しく、更に好ましくは10〜50重量%、最も好ましく
は20〜45重量%である。α−オレフィンの共重合比
率が60重量%を越えると、組成物の硬度、引張強度等
の低下が大きく、一方、1重量%未満では柔軟性、機械
的強度が低下する。
【0011】(A)エチレン・αーオレフィン共重合体
の密度は、0.8〜0.9g/cm 3 の範囲にあること
が好ましい。この範囲の密度を有するオレフィン系エラ
ストマーを用いることにより、柔軟性に優れ、硬度の低
いエラストマー組成物を得ることができる。
【0012】本発明にて用いられる(A)エチレン・α
ーオレフィン共重合体は、長鎖分岐を有していることが
望ましい。長鎖分岐が存在することで、機械的強度を落
とさずに、共重合されているα−オレフィンの比率(重
量%)に比して、密度をより小さくすることが可能とな
り、低密度、低硬度、高強度のエラストマーを得ること
ができる。長鎖分岐を有するオレフィン系エラストマー
としては、米国特許第5278272号明細書等に記載
されている。また、(A)エチレン・αーオレフィン共
重合体は、室温以上にDSCの融点ピークを有すること
が望ましい。融点ピークを有するとき、融点以下の温度
範囲では形態が安定しており、取扱い性に優れ、ベタツ
キも少ない。また、本発明にて用いられる(A)のメル
トインデックスは、0.01〜100g/10分(19
0℃、2.16kg荷重)の範囲のものが好ましく用い
られ、更に好ましくは0.2〜10g/10分である。
100g/10分を越えると、組成物の架橋性が不十分
であり、また0.01g/10分より小さいと流動性が
悪く、加工性が低下して望ましくない。本発明にて用い
られる(A)は、複数の種類のものを混合して用いても
良い。そのような場合には、加工性のさらなる向上を図
ることが可能となる。
【0013】本発明において(A)の中でも好ましい架
橋性ゴムの一つとして、熱可塑性エラストマーがある
が、その中でも特にポリスチレン系熱可塑性エラストマ
−が好ましく、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位から
なるブロック共重合体、または上記共役ジエン単位部分
が部分的に水素添加またはエポキシ変性されたブロック
共重合体等が挙げられる。上記ブロック共重合体を構成
する芳香族ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メ
チルスチレン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレ
ン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチ
レン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチレンを
主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよ
い。また、上記ブロック共重合体を構成する共役ジエン
単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等を挙げる
ことができる。そして、ブロック共重合体のブロック構
造は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで
表示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加
された単位からなる重合体ブロックをBで表示する場
合、SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の整
数)、S(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)の
リニア−ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、n
は3〜6の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリ
エポキシ化合物等のカップリング剤残基。)で示され、
B部分を結合中心とする星状(スタ−)ブロック共重合
体であることが好ましい。なかでもSBの2型、SBS
の3型、SBSBの4型のリニア−ブロック共重合体が
好ましい。
【0014】本発明において、(A)のもう一つの好ま
しい上記水素添加共重合体は、主鎖および側鎖に二重結
合を有する重合体及び/またはランダム共重合体からな
る不飽和ゴムの全二重結合の50%以上が水素添加され
た水素添加ゴムである。上記水素添加ゴム中の全二重結
合は、50%以上であり、好ましくは90%以上、更に
好ましくは95%以上が水素添加され、そして主鎖の残
存二重結合が5%以下、側鎖の残存二重結合が5%以下
であることが好ましい。このようなゴムの具体例として
は、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、
ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)、ポリイソプレ
ン、ポリクロロプレン等のジエン系ゴムを部分的または
完全に水素添加したゴム状重合体を挙げることができ、
特に水素添加ブタジエン系または水素添加イソプレン系
ゴムが好ましい。
【0015】このような水素添加ゴムは、上述のゴムを
公知の水素添加方法で部分水素添加することにより得ら
れる。例えば、F.L.Ramp,etal,J.Amer.Chem.Soc.,83,46
72(1961)記載のトリイソブチルボラン触媒を用いて水素
添加する方法、Hung Yu Chen,J.Polym.Sci.Polym.Lette
r Ed.,15,271(1977)記載のトルエンスルフォニルヒドラ
ジドを用いて水素添加する方法、あるいは特公昭42ー
8704号公報に記載の有機コバルトー有機アルミニュ
ウム系触媒あるいは有機ニッケルー有機アルミニュウム
系触媒を用いて水素添加する方法等を挙げることができ
る。ここで、特に好ましい水素添加の方法は、低温、低
圧の温和な条件下で水素添加が可能な触媒を用いる特開
昭59ー133203号、特開昭60ー220147号
公報あるいは不活性有機溶媒中にて、ビス(シクロペン
タジエニル)チタニウム化合物と、ナトリウム原子、カ
リウム原子、ルビジウム原子またはセシウム原子を有す
る炭化水素化合物とからなる触媒の存在下に水素と接触
させる特開昭62ー207303号公報に示される方法
である。また、水素添加ゴムの100℃で測定したムー
ニー粘度(ML)は20〜90、25℃における5重量
%スチレン溶液粘度(5%SV)は、20〜300セン
チポイズ(cps)の範囲にあることが好ましい。特に
好ましい範囲は25〜150cpsである。そして、水
素添加ゴムの結晶性の指標である吸熱ピーク熱量の制御
は、テトラヒドロフラン等の極性化合物の添加または重
合温度の制御により行う。吸熱ピーク熱量の低下は、極
性化合物を増量するか、または重合温度を低下させて、
1,2ービニル結合を増大させることにより達成され
る。
【0016】本発明にて用いられる(A)は、複数の種
類のものを混合して用いても良い。そのような場合に
は、加工性のさらなる向上を図ることが可能となる。本
発明にて用いられる(A)は、複数の種類のものを混合
して用いても良い。そのような場合には、加工性のさら
なる向上を図ることが可能となる。
【0017】本発明において(B)熱可塑性樹脂は、
(A)と分散し得るものであればとくに制限はない。た
とえば、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、
ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、
ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリカ
ーボネート系、ポリメタクリレート系等の単独もしくは
二種以上を混合したものを使用することができる。特に
熱可塑性樹脂としてプロピレン系樹脂等のオレフィン系
樹脂が好ましい。
【0018】本発明で最も好適に使用されるプロピレン
系樹脂を具体的に示すと、ホモのアイソタクチックポリ
プロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとのア
イソタクチック共重合樹脂(ブロック、ランダムを含
む)等が挙げられる。これらの樹脂から選ばれる少なく
とも1種以上の(B)熱可塑性樹脂が、(A)と(B)
の合計100重量部中、1〜99重量部の組成比で用い
られる。好ましくは5〜90重量部、更に好ましくは2
0〜80重量部、最も好ましくは20〜70重量部であ
る。1重量部未満では組成物の流動性、加工性が低下
し、99重量部を越えると組成物の柔軟性が不十分であ
り、望ましくない。また、本発明にて用いられるプロピ
レン系樹脂のメルトインデックスは、0.1〜100g
/10分(230℃、2.16kg荷重)の範囲のもの
が好ましく用いられる。100g/10分を越えると、
熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性、機械的強度が不
十分であり、また0.1g/10分より小さいと流動性
が悪く、成形加工性が低下して望ましくない。
【0019】本発明において使用する(C)不活性ガス
は、二酸化炭素、亜酸化窒素、またはメタン、エタン、
プロパン、ブタン等の低分子量アルカンやその混合物等
が挙げられ、とりわけ二酸化炭素が好ましい。また
(C)として、臨界点(臨界温度及び臨界圧力)を越え
た流体である超臨界流体も含まれる。超臨界流体は、臨
界温度を越えた温度に保持される高密度のガスであり、
この温度を越えると圧力をいくら加えても液化しない流
体である。例えば、二酸化炭素の臨界温度は31℃であ
り、臨界圧力は73atm (気圧)であり、上記温度、圧
力以上の条件で超臨界流体が得られる。
【0020】本発明において用いられる(D)架橋剤
は、(Dー1)架橋開始剤を必須成分とし、必要に応じ
て(Dー2)多官能単量体、(Dー3)単官能単量体か
ら選ばれる一種以上の架橋助剤からなる。上記(D)
は、(A)と(B)からなる組成物100重量部に対し
0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量
部、更に好ましくは0.05〜3重量部の量で用いられ
る。0.01重量部未満では架橋が不十分であり、20
重量部を越えると組成物の外観、機械的強度が低下す
る。
【0021】ここで、好ましく使用される(Dー1)架
橋開始剤は、有機過酸化物、有機アゾ化合物等のラジカ
ル開始剤またはフェノール系架橋開始剤等が挙げられ、
特にラジカル開始剤が好ましい。具体的な例として、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシ
ルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘ
キサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロ
ドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オ
クタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチル
パーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;ジ
−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス
(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼ
ン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプ
ロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル
−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3
等のジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオキサ
イド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパー
オキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジ
クロロベンゾイルパーオキサイドおよびm−トリオイル
パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブ
チルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソ
ブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブ
チルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキ
シイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベ
ンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ
マレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート、およびクミルパーオキシオクテート等のパーオ
キシエステル類;ならびに、t−ブチルハイドロパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロ
ピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチ
ルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび
1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等
のハイドロパーオキサイド類を挙げることができる。
【0022】これらの化合物の中では、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。上記(Dー1)は、(D)成分中で好
ましくは1〜80重量%、更に好ましくは10〜50重
量%の量が用いられる。1重量%未満では架橋が不十分
であり、80重量%を越えると機械的強度が低下する。
【0023】本発明において、(D)架橋剤の一つの
(Dー2)多官能単量体は、官能基としてラジカル重合
性の官能基が好ましく、とりわけビニル基がこのまし
い。官能基の数は2以上であるが、(Dー3)との組み
合わせで特に3個以上の官能基を有する場合には有効で
ある。具体例としては、ジビニルベンゼン、トリアリル
イソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ダイアセ
トンジアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイ
ソプロペニルベンゼン、P−キノンジオキシム、P,P
' −ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニルマレイミ
ド、アリルメタクリレート、N,N' −m−フェニレン
ビスマレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリルオ
キシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好ましく用い
られる。特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
これらの多官能単量体は複数のものを併用して用いても
よい。上記(Dー2)は、(D)成分中で好ましくは1
〜80重量%、更に好ましくは10〜50重量%の量が
用いられる。1重量%未満では架橋が不十分であり、8
0重量%を越えると機械的強度が低下する。
【0024】本発明において用いられる前記(Dー3)
は、架橋反応速度を制御することができ、またはゴムに
グラフトして接着性等の機能を付与することができるビ
ニル系単量体であり、ラジカル重合性のビニル系単量体
が好ましく、芳香族ビニル単量体、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体、アクリ
ル酸エステル単量体、メタクリル酸エステル単量体、ア
クリル酸単量体、メタクリル酸単量体、マレイン酸単量
体、無水マレイン酸単量体、N−置換マレイミド単量体
等を挙げることができる。上記(Dー3)は、(D)成
分中で好ましくは1〜80重量%、更に好ましくは10
〜50重量%の量が用いられる。1重量%未満では架橋
速度制御または機能付与が不十分であり、80重量%を
越えると機械的強度が低下する。
【0025】本発明において、必要に応じて用いられる
(E)軟化剤は、(A)及び(B)からなる組成物に加
工性、柔軟性(表面硬度)を制御するための成分であ
り、25℃での粘度が10万センチストークス以下であ
ることが好ましい。(E)の量は、(A)と(B)から
なる重合体100重量部に対して、1〜500重量部で
あり、好ましくは1〜350重量部、より好ましくは1
0〜250重量部、更に好ましくは20〜200重量
部、最も好ましくは30〜150重量部である。上記軟
化剤の例としては、パラフィン系、ナフテン系などのプ
ロセスオイル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、
フタル酸ジイソブチル等のフタル酸エステル、フタル酸
ブチルベンジルエステル等のフタル酸混基エステル、コ
ハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル等の脂肪族
2塩基酸エステル、ジエチレングリコ−ルジベンゾエ−
ト等のグリコ−ルエステル、オレイン酸ブチル、アセチ
ルリシノ−ル酸メチル等の脂肪族酸エステル、エポキシ
化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ可塑剤であ
り、その他、トリメリット酸トリオクチル、エチルフタ
リルエチルグリコレ−ト、ブチルフタリルブチルグリコ
レ−ト、アセチルクエン酸トリブチル、塩素化パラフィ
ン、ポリプロピレンアジペ−ト、ポリエチレンセバケ−
ト、トリアセチン、トリブチリン、トルエンスルホンア
ミド、アルキルベンゼン、ビフェニル、部分水添タ−フ
ェニル、ショウノウ等を挙げることができる。上記軟化
剤の中でも、パラフィン系、ナフテン系などのプロセス
オイルが最も好ましい。
【0026】本発明において、必要に応じて用いられる
(F)保持剤は、(D)または(E)を保持する成分で
あれば特に制限されない。例えば、平均粒子径0. 00
1〜10μmであり、250℃で溶融しない無機または
有機粉体、またはヒドロキシ、ジ(2ーエチルヘキサン
酸)アルミニウム塩等の有機酸多価金属塩を必須成分と
し、必要に応じて更にステアリン酸等の有機酸を配合し
た化合物等である。(F)の量は、(A)と(B)から
なる重合体100重量部に対して、0. 001〜200
重量部であることが好ましく、より好ましくは0. 01
〜150重量部、更に好ましくは0. 1〜100重量
部、最も好ましくは1〜100重量部、極めて好ましく
は1〜50重量部である。また、本発明において、その
特徴を損ねない程度に他の樹脂、エラストマー、無機フ
ィラーおよび可塑剤を含有することが可能である。ここ
で用いる無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、シリカ、カーボンブラック、ガ
ラス繊維、酸化チタン、クレー、マイカ、タルク、水酸
化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
また、可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコー
ル、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタル酸エス
テル等が挙げられる。また、その他の添加剤、例えば、
有機・無機顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッ
キング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤等も好適に使用
される。
【0027】本発明の製法は、通常の樹脂組成物、ゴム
組成物の製造に用いられるバンバリーミキサー、ニーダ
ー、単軸押出機、2軸押出機、等の一般的な方法を採用
することが可能である。とりわけ効率的に動的架橋を達
成するためには2軸押出機が好ましく用いられる。2軸
押出機は、(A)と(B)とを均一かつ微細に分散さ
せ、さらに他の成分を添加させて、架橋反応を生じせし
め、連続的に製造するのに、より適している。
【0028】本発明の組成物の製法は、好適な具体例と
して、次のような加工工程を経由して製造することがで
きる。すなわち、(A)と(B)とをよく混合し、押出
機のホッパーに投入する。(C)を、(A)と(B)と
ともに当初から添加してもよいし、押出機の途中から添
加してもよい。また(C)を当初と途中とに分割しても
良い。そして、(D)(E)についても同様に押出機の
当初または途中から添加してもよいし、当初と途中とに
分けて添加してもよい。
【0029】本発明において、(A)及び/または
(B)に不活性ガスを溶解させる方法として、次の二つ
の方法が好ましい。一つは、あらかじめ粒状や粉状の
(A)及び/または(B)を不活性ガス中に置き不活性
ガスを吸収させて、押出機または成形機に供給する方法
で、不活性ガスの圧力や雰囲気温度、吸収させる時間に
より吸収量が決まる。この方法では、可塑化時に加熱さ
れるに従って(A)及び/または(B)中の不活性ガス
の一部が揮散するため、溶融中の不活性ガス量はあらか
じめ吸収させた量よりも少なくなる。このため、押出機
または成形機のホッパなど(A)及び/または(B)の
供給経路も不活性ガス雰囲気にすることが望ましい。そ
して、他の方法は、押出機または成形機のシリンダ内で
(A)及び/または(B)を可塑化するとき、または可
塑化した(A)及び/または(B)に不活性ガスを溶解
させる方法であり、押出機または成形機のホッパ付近を
不活性ガス雰囲気にしたり、スクリュの中間部や先端、
シリンダから可塑化した(A)及び/または(B)に不
活性ガスを注入する。スクリューやシリンダの中間部か
ら不活性ガスを注入する場合には、注入部付近のスクリ
ュー溝深さを深くして、溶融圧力を低くすることが好ま
しい。また、不活性ガスを注入後、均一に溶解、分散さ
せるため、スクリューにダルメージや混練ピンなどのミ
キシング機構を付けたり、流路にスタティックミキサを
設けることが好ましい。
【0030】本発明において、不活性ガス未添加に比較
して、不活性ガス添加により、後述の測定法で、溶融粘
度が5%以上低下することが好ましく、更に好ましくは
10%、そして20%以上低下することが最も好まし
い。また特に好ましい溶融押出法としては、原料添加部
を基点としてダイ方向に長さLを有し、かつL/Dが5
から100(但しDはバレル直径)である二軸押出機を
用いる場合である。二軸押出機は、その先端部からの距
離を異にするメインフィ−ド部とサイドフィ−ド部の複
数箇所の供給用部を有し、複数の上記供給用部の間及び
上記先端部と上記先端部から近い距離の供給用部との間
にニ−ディング部分を有し、上記ニ−ディング部分の長
さが、それぞれ3D〜10Dであることが好ましい。ま
た本発明において用いられる製造装置の一つの二軸押出
機は、二軸同方向回転押出機でも、二軸異方向回転押出
機でもよい。また、スクリュ−の噛み合わせについて
は、非噛み合わせ型、部分噛み合わせ型、完全噛み合わ
せ型があり、いづれの型でもよい。低いせん断力をかけ
て低温で均一な樹脂を得る場合には、異方向回転・部分
噛み合わせ型スクリュ−が好ましい。やや大きい混練を
要する場合には、同方向回転・完全噛み合わせ型スクリ
ュ−が好ましい。さらに大きい混練を要する場合には、
同方向回転・完全噛み合わせ型スクリュ−が好ましい。
【0031】本発明の製法において、以下の混練度
(M)を満足することがより好ましい。 M=(π2 /2)(L/D)D3 (N/Q) 10×106 ≦M≦1000×106 但し、L:原料添加部を基点としてダイ方向の押出機長
(mm)、D:押出機バレル内径(mm)、Q:吐出量
(kg/h)、N:スクリュー回転数(rpm) 混練度M=(π2 /2)(L/D)D3 (N/Q)が1
0×106 ≦M≦1000×106 であることが重要で
ある。Mが10×106 未満では動的架橋が進まないた
めに架橋度が50%未満となり機械的強度が低く、一方
Mが1000×106 を越えると過度のせん断力のため
に、同様に架橋度が50%未満となり機械的強度が低下
する。そして、更に良好な外観と機械的強を達成するた
めには、以下の関係式の溶融温度を満足することが好ま
しい。即ち、溶融温度T2 (℃)で、まず溶融混練し、
次いで溶融温度T3 (℃)で溶融混練し、とりわけ原料
添加口を基点としてダイ方向に長さLを有する溶融押出
機において、原料添加口から0. 1L〜0. 5Lの長さ
の押出機ゾーンを溶融温度T2 (℃)で、まず溶融混練
し、次いでその後の押出機ゾーンを溶融温度T3 (℃)
で溶融混練する。
【0032】ここで、特にT1 が150〜250℃であ
ることが好ましく、溶融押出機の各ゾーンのT1 または
2 は均一温度であっても良いし、または温度勾配を有
していても良い。 T1 :(D−1)パーオキサイドの1分間半減期温度
(℃) T1 ー100<T2 <T1 +40 T2 +1<T3 <T2 +200 こうして得られゴム系組成物は任意の成形方法で各種成
型品の製造が可能である。射出成形、押出成形、圧縮成
形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡成形等が好まし
く用いられる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、これら実施例および比較例において、各種
物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。 (1)溶融粘度 バレル中央部に注入口を有した11ブロックからなる二
軸押出機(25mmφ、L/D=47、)を用いて、任
意の押出条件で溶融押出する際に、不活性ガスを添加し
ない時の溶融トルク(T0 )を、溶融粘度の指標とし、
押出機のアンペア計から測定する。一方、不活性ガスを
添加したときの溶融トルク(T)を同様に求め、下記式
に従って溶融粘度の低下率を算出する。
【0034】溶融粘度の低下率(%)=〔(T0 ーT)
/T0 〕×100 (2)引張破断強度[MPa] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。 (3)押出安定性(品質の安定性) 溶融押出機を用い、樹脂組成物を10時間連続溶融押出
しを行い、1時間毎に得られた組成物の引張破断強度
(Tb)を測定し、その平均(Tb)0 に対する最大
(Tb)1 の変化率(%)から連続生産性(品質の安定
性)を評価した。 Tbの変化率(%)=100 × 〔(Tb)1 ー(T
b)0 〕/(Tb)0
【0035】(4)外観 シート肌から以下の基準で外観評価を行った。 ◎ 極めて良好 ○ 良好 △ 良好であるが、ややざらつく × 全体的にざらつく。光沢無し (5)共役ジエン系ゴムの分析 1)水素添加率(%)
【0036】NMRで以下の手順で測定した。まず、水
素添加前のポリブタジエンゴムを重クロロホルムに溶解
し、FTーNMR(270メガ、日本電子製)にて化学
シフト4. 7〜5.2ppm(シグナルC0とする)の
1,2ービニルによるプロトン(=CH2 )と、化学シ
フト5. 2〜5.8ppm(シグナルD0とする)のビ
ニルプロトン(=CH2 )の積分強度より、次式で計算
した。 (V)=〔0. 5C0/{0. 5C0+0. 5(D0ー
0. 5C0)}〕×100
【0037】次に、部分水素添加後のポリブタジエンゴ
ムを重クロロホルムに溶解し、同様にFT−NMRに
て、化学シフト0. 6〜1.0ppm(シグナルA1と
する)の水素添加された1, 2結合によるメチル基プロ
トン(ーCH3)、化学シフト4. 7〜5. 2ppm
(シグナルC1とする)の水素添加されていない1,2
ービニルによるプロトン(=CH2)、化学シフト5.
2〜5.8ppm(シグナルD1とする)の水素添加さ
れていないビニルプロトン(=CHー)の積分強度から
次式により計算した。 まず、p=0. 5C0/(0.5C1+A1/3) A11=pA1, C11=pC1, D11=pD1と
し、1,2ービニル結合部分の水素添加率(B) (B)=〔(A11/3)/{A11/3+C11/
2}〕×100 1, 4ー二重結合部分の水素添加率(C) (C)=[{0. 5(D0ー0. 5C0)ー0. 5(D
11ー0. 5C11)}/0. 5(D0ー0. 5C
0)]×100 ブタジエン部全体の水素添加率(A) (A)=(V)×(B)/100+〔100ー(V)〕
×(C)×100
【0038】2)ミクロ構造 上記で定義した記号で以下に記載した。 水素添加前の1,2ービニル結合=(V)×(B)/1
00 (%) 水素添加前の1, 4結合={100ー(V)}×(C)
/100 (%) 水素添加後の1,2ービニル結合=(V)×{100ー
(B)}/100(%) 水素添加後の1, 4ー結合={100ー(V)}×{1
00ー(B)}/100(%) (6)光安定性 光安定性試験機として米国ATLAS Electric Devices Co.
製 ATLAS CI35W Weatherometerを用い、JIS K71
02に基づいた方法で行なった。照射条件としては、試
験機内部温度、55℃、湿度55%、雨無し、キセノン
光(波長340nm エネルギー0.30W/m2 )3
00時間照射とした。照射後、シートの外観を目視で以
下の基準で外観評価を行った。 ◎ 極めて良好 ○ 良好 △ 良好であるが、ややざらつく × 全体的にざらつく。光沢無し
【0039】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。 (イ)ゴム状重合体 1)エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−
1) 特開平3ー163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オ
クテンー1の組成比は、72/28(重量比)である。
(TPEー1と称する) 2)エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−
2) 通常のチーグラー触媒を用いた方法により製造した。共
重合体のエチレン/オクテンー1の組成比は、72/2
8(重量比)である。(TPEー2と称する) 3)エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重
合体(TPE−3) 特開平3ー163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/プ
ロピレン/ジシクロペンタジエンの組成比は、72/2
4/4(重量比)である。(TPEー3と称する)
(ロ)オレフィン系樹脂 ポリプロピレン(PP) 日本ポリオレフィン(株)製、アイソタクチックホモポ
リプロピレン [MFR(30g/分)(ASTM D 1238 に準じ、230
℃、2. 16kg荷重)](PPー1と称する) (ハ)不活性ガス 市販の二酸化炭素(CO2 ) (ニ)架橋剤 1)架橋開始剤(Dー1) 日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ25
B)(POXと称する) 2)多官能単量体(Dー2) 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る) 3)多官能単量体(Dー2) 日本化成(株)製、トリアリルイソシアヌレート(TA
ICと称する) 4)単官能単量体(Dー3) 旭化成工業(株)製、メタクリル酸メチル(MMAと称
する) 5)単官能単量体(Dー3) 旭化成工業(株)製、スチレン(STと称する) (ホ)パラフィン系オイル 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル PW−9
0(MOと称する)
【0040】
【実施例1〜4、比較例1】バレル中央部に注入口を有
した11ブロックからなる二軸押出機(25mmφ、L
/D=47)を用いて、(A)TPE-1/(B) PP/(D-1)P
OX/(D-2) DVB/(E) MO=70/30/0.5 /1.0 /
40(重量比)からなる組成物を以下の溶融条件で溶融混
練を行った。スクリューとしては注入口の前後に混練部
を有した2条スクリューを用いた。尚、(C)CO2の添加方
法は、前段シリンダーの第二バレルに圧力注入した。ま
た溶融粘度の低下率の制御はCO2 の注入量により行っ
た。 (溶融条件) 1)溶融押出温度 220℃一定 2)吐出量Q=12kg/h 3)押出機 バレル内径D=25mm 4)押出機長さをL(mm)とした時のL/D=47 5)スクリュー回転数N=280rpm このようにして得られた組成物から200℃にて圧縮成
形により2mm厚のシートを作成し、各特性を評価し
た。その結果を表1に示した。
【0041】
【表1】 表1によると、二酸化炭素注入により、溶融粘度が低下
し、引張破断強度、外観、及び押出安定性が向上するこ
とが分かる。特に溶融粘度の低下率が5%以上では上記
特性の向上が著しいことが分かる。
【0042】
【実施例5〜14】実施例1において、(A)として、
各種水添率の水素添加ゴム、TPE-1,TPE-2,TPE-3 を用い
て、同様の実験を繰り返した。その結果を表2に記載し
た。
【0043】
【表2】 表2によると、(A)として、メタロセン触媒を用いて
製造されたエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィン
からなるエチレン・αーオレフィン共重合体、又は主鎖
および側鎖に二重結合を有する単独重合体及び/または
ランダム共重合体からなる不飽和ゴムの全二重結合の5
0%以上が水素添加された水素添加ゴムを用いた場合
は、引張破断強度、外観、光安定性及び押出安定性に優
れていることが分かる。
【0044】
【発明の効果】高い生産性と品質安定性を有し、かつ外
観及び機械的強度に優れたゴム系組成物を可能にした製
法に関するものである。本発明の製法により得られた組
成物は、優れた外観、流動性、及び機械的強度を有して
いるために、自動車用部品、自動車用内装材、エアバッ
グカバー、機械部品、電気部品、ケーブル、ホース、ベ
ルト、玩具、雑貨、日用品、建材、シート、フィルム等
を始めとする用途に幅広く使用可能であり、産業界に果
たす役割は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/00 C08L 23/00 23/08 23/08 23/16 23/16 53/02 53/02 101/00 101/00 Fターム(参考) 4F070 AA06 AA08 AA09 AA13 AA15 AA16 AB01 AB08 AB09 AB11 AC02 AC16 AC35 AC43 AC94 AE02 AE08 FA03 FA08 FA17 FB06 FC01 FC05 FC06 GA05 GA07 GB02 GB07 4J002 AC11W AE05Y BB00X BB05W BB12X BB14X BB15W BB15X BB20Y BC02X BD03X BG05X BP01W BP02X CD16Y CF00X CG00X CH07X CL00X CN01X EA057 EH037 EH137 EH147 EH157 EK006 EV287 FD02Y FD027 FD146 4J100 AA02P AA03Q AA04Q AA07Q AA17Q AA18Q AA19Q AA21Q CA04 FA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)架橋性ゴムと(B)熱可塑性樹脂
    とを混合し、架橋されたゴム系組成物の製法において、
    (C)不活性ガスを溶解させることにより、溶融粘度を
    低下せしめることを特徴とするゴム系組成物の製法。
  2. 【請求項2】 (C)による溶融粘度の低下率が5%以
    上である請求項1に記載のゴム系組成物の製法。
  3. 【請求項3】 (C)が二酸化炭素である請求項1又は
    請求項2に記載のゴム系組成物の製法。
  4. 【請求項4】 (A)がメタロセン触媒を用いて製造さ
    れたエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンからな
    るエチレン・αーオレフィン共重合体、または主鎖およ
    び側鎖に二重結合を有する単独重合体及び/またはラン
    ダム共重合体からなる不飽和ゴムの全二重結合の50%
    以上が水素添加された水素添加ゴムから選ばれる一種以
    上の架橋性ゴムであり、(B)がオレフィン系樹脂であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のゴム系組成物の製
    法。
  5. 【請求項5】 (D)架橋剤で架橋され、更に(E)軟
    化剤を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載のゴム系組成物の製法。
  6. 【請求項6】 溶融押出機、バンバリーミキサー、ニー
    ダーから選ばれる加工機を用いることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載のゴム系組成物の製法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006273984A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP2007523251A (ja) * 2004-02-18 2007-08-16 イバー,ジャン−ピエール 制御可能な様式で物質を高分子材料に包含させるための方法
JP2009173839A (ja) * 2008-01-28 2009-08-06 Bando Chem Ind Ltd ゴム製品の製造方法

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