JP2000290432A - 高強度ゴム系組成物 - Google Patents

高強度ゴム系組成物

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JP2000290432A
JP2000290432A JP11104723A JP10472399A JP2000290432A JP 2000290432 A JP2000290432 A JP 2000290432A JP 11104723 A JP11104723 A JP 11104723A JP 10472399 A JP10472399 A JP 10472399A JP 2000290432 A JP2000290432 A JP 2000290432A
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JP
Japan
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weight
olefin
rubber composition
parts
ethylene
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JP11104723A
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English (en)
Inventor
Hajime Nishihara
一 西原
Shinichi Shibayama
伸一 柴山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた柔軟性(触感)、機械的強度、耐熱性
を有するゴム系組成物の提供。 【解決手段】 (A)ゴム状重合体1〜99重量部と
(B)オレフィン系樹脂1〜99重量部[(A)と
(B)の合計量が100重量部]とからなる組成物であ
って、該(B)オレフィン系樹脂のJIS・K6758
規定の曲げ弾性率が100〜10000kgf/cm2
であり、示差走査熱量測定法(DSC法)において、1
00〜150℃の温度範囲に吸熱ピークが存在し、上記
吸熱ピーク熱量が10〜600J/gの範囲にあること
を特徴とするゴム系組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム系組成物に関
するものである。更に詳しくは、柔軟性(触感)、機械
的強度、耐熱性に優れたゴム系組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ラジカル架橋性オレフィン系エラストマ
ー等のゴム状重合体とPP等のラジカル架橋性のないオ
レフィン系樹脂とをラジカル開始剤の存在下、押出機中
で溶融混練させながら架橋する、いわゆる動的架橋によ
る熱可塑性エラストマー組成物は、既に公知の技術であ
り、自動車部品等の用途に広く使用されている。
【0003】このようなオレフィン系エラストマーとし
て、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)ま
たはメタロセン触媒により製造されたオレフィン系エラ
ストマー(特開平8−120127号公報、特開平9−
137001号公報)が知られている。
【0004】しかしながら、上記組成物は機械的強度が
必ずしも充分でなく、実用的使用に耐える高強度ゴム系
組成物が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち柔軟性、
機械的特性に優れたゴム系組成物を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は機械的強度
に優れたゴム系組成物を鋭意検討した結果、ゴム状重合
体に、特定の構造を有するオレフィン系樹脂を用いるこ
とにより、驚くべきことに柔軟性を保持しつつ、機械的
強度と耐熱性が飛躍的に向上する事を見出し、本発明を
完成した。
【0007】即ち本発明は、(A)ゴム状重合体1〜9
9重量部と(B)オレフィン系樹脂1〜99重量部
[(A)と(B)の合計量が100重量部]とからなる
組成物であって、該(B)のJIS・K6758規定の
曲げ弾性率が100〜10000kgf/cm2であ
り、示差走査熱量測定法(DSC法)において、100
〜150℃の温度範囲に吸熱ピークが存在し、上記吸熱
ピーク熱量が10〜600J/gの範囲にあることを特
徴とする高強度ゴム系組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳しく述べ
る。
【0009】本発明のゴム系組成物は、(A)ゴム状重
合体と(B)特定のオレフィン系樹脂からなる。
【0010】ここで、(B)オレフィン系樹脂はJIS
・K6758規定の曲げ弾性率が100〜10000k
gf/cm2であり、示差走査熱量測定法(DSC法)
において、100〜150℃の温度範囲に吸熱ピークが
存在し、上記吸熱ピーク熱量が10〜600J/gの範
囲にあることが重要である。上記要件を満足することに
より柔軟性を保持しつつ、卓越した機械的強度、耐熱性
が発現することができる。
【0011】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。
【0012】(A)ゴム状重合体は、ガラス転移温度
(Tg)が−30℃以下であることが好ましく、このよ
うな(A)ゴム状重合体は、例えば、ポリブタジエン、
ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリ
ル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上記ジエンゴム
を水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレ
ンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及び
エチレン−プロピレ共重合体ゴム、エチレン−プロピレ
ンン−ジエンモノマー三元共重合体ゴム(EPDM)、
エチレン−オクテン共重合体ゴム等の架橋ゴムまたは非
架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有する熱可塑性エラ
ストマー等を挙げることができる。
【0013】(A)ゴム状重合体の中でも、特にエチレ
ン・α−オレフィン共重合体が好ましく、エチレンおよ
び炭素数が3〜20のα−オレフィンが更に好ましい。
【0014】炭素数3〜20のα−オレフィンとして
は、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、
ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセ
ン−1、ドデセン−1等が挙げられる。中でもヘキセン
−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1が好まし
く、特に好ましくは炭素数6〜12のα−オレフィンで
あり、とりわけオクテン−1が最も好ましい。オクテン
−1は少量でも柔軟化する効果に優れ、得られた共重合
体は機械的強度に優れている。
【0015】本発明において好適に用いられるエチレン
・α−オレフィン共重合体は、公知のメタロセン系触媒
を用いて製造することが好ましい。一般にはメタロセン
系触媒は、チタン、ジルコニウム等のIV族金属のシク
ロペンタジエニル誘導体と助触媒からなり、重合触媒と
して高活性であるだけでなく、チーグラー系触媒と比較
して、得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合体中
のコモノマーである炭素数3〜20のα−オレフィンの
分布が均一である。
【0016】本発明において好適に用いられるエチレン
・α−オレフィン共重合体は、α−オレフィンの共重合
比率が1〜60重量%であることが好ましく、更に好ま
しくは10〜50重量%、最も好ましくは20〜45重
量%である。α−オレフィンの共重合比率が60重量%
を越えると、ゴム系組成物の硬度、引張強度等の低下が
大きい傾向にあり、一方、1重量%未満では柔軟性、機
械的強度が低下する傾向にある。
【0017】エチレン・α−オレフィン共重合体の密度
は、0.8〜0.9g/cm3の範囲にあることが好ま
しい。この範囲の密度を有する共重合体を用いることに
より、柔軟性に優れ、硬度の低いゴム系組成物を得るこ
とができる。
【0018】本発明にて好適に用いられるエチレン・α
−オレフィン共重合体は、長鎖分岐を有していることが
望ましい。長鎖分岐が存在することで、機械的強度を落
とさずに、共重合されているα−オレフィンの比率(重
量%)に比して、密度をより小さくすることが可能とな
り、低密度、低硬度、高強度のエラストマーを得ること
ができる。長鎖分岐を有するオレフィン系エラストマー
としては、米国特許第5278272号明細書等に記載
されている。
【0019】また、エチレン・α−オレフィン共重合体
は、室温以上にDSCの融点ピークを有することが望ま
しい。融点ピークを有するとき、融点以下の温度範囲で
は形態が安定しており、取扱い性に優れ、ベタツキも少
ない。
【0020】また、本発明にて好適に用いられるエチレ
ン・α−オレフィン共重合体のメルトインデックスは、
0.01〜100g/10分(190℃、2.16kg
荷重)の範囲のものが好ましく用いられ、更に好ましく
は0.2〜10g/10分である。100g/10分を
越えると、ゴム系組成物の架橋性が不十分な傾向にあ
り、また0.01g/10分より小さいと流動性が悪
く、加工性が低下する傾向にある。
【0021】本発明において(A)ゴム状重合体の中で
も好ましいものの一つとして、熱可塑性エラストマーが
あるが、その中でも特にポリスチレン系熱可塑性エラス
トマーが好ましく、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位
からなるブロック共重合体、または上記共役ジエン単位
部分が部分的に水素添加またはエポキシ変性されたブロ
ック共重合体等が挙げられる。
【0022】上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビ
ニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であ
り、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記
他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
【0023】また、上記ブロック共重合体を構成する共
役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等
を挙げることができる。
【0024】そして、ブロック共重合体のブロック構造
は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表
示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加さ
れた単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、
SB、S(BS)n(但し、nは1〜3の整数)、S
(BSB)n(但し、nは1〜2の整数)のリニアーブ
ロック共重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6の
整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ化
合物等のカップリング剤残基。)で示され、B部分を結
合中心とする星状(スター)ブロック共重合体であるこ
とが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3型、S
BSBの4型のリニアーブロック共重合体が好ましい。
【0025】本発明にて用いられる(A)ゴム状重合体
は、複数の種類のものを混合して用いても良い。そのよ
うな場合には、加工性のさらなる向上を図ることが可能
となる。
【0026】(B)オレフィン系樹脂はJIS・K67
58規定の曲げ弾性率が100〜10000kgf/c
2であり、示差走査熱量測定法(DSC法)におい
て、100〜150℃の温度範囲に吸熱ピークが存在
し、上記吸熱ピーク熱量が10〜600J/gの範囲に
あることが必要である。この要件を満足することにより
柔軟性を保持しつつ、卓越した機械的強度、耐熱性が発
現することができる。
【0027】(B)オレフィン系樹脂は、上記要件を満
足すれば特に制限されない。例えば、高密度、低密度、
直鎖低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピ
レン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチッ
クポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィ
ンとのアイソタクチック共重合樹脂(ブロック、ランダ
ムを含む)等が挙げられるが、特にオレフィン系のラン
ダム共重合樹脂が好ましい。例えばエチレンとプロピレ
ンのランダム共重合樹脂を挙げることができる。また、
これらの内、複数の種類のものを混合して用いてもよ
い。
【0028】また、(B)オレフィン系樹脂のメルトイ
ンデックスは、0.1〜100g/10分(230℃、
2.16kg荷重)の範囲のものが好ましく用いられ
る。100g/10分を越えると、ゴム系組成物の耐熱
性、機械的強度が不十分である傾向があり、また0.1
g/10分より小さいと流動性が悪く、成形加工性が低
下しする傾向がある。
【0029】本発明のゴム系組成物は、(A)ゴム状重
合体1〜99重量部と(B)オレフィン系樹脂1〜99
重量部[(A)と(B)の合計量が100重量部]とか
らなる。好ましくは(A)ゴム状重合体10〜95重量
部と(B)オレフィン系樹脂5〜90重量部、更に好ま
しくは(A)ゴム状重合体20〜80重量部と(B)オ
レフィン系樹脂20〜80重量部である。(B)オレフ
ィン系樹脂が1重量部未満ではゴム系組成物の流動性、
加工性が低下し、99重量部を越えるとゴム系組成物の
柔軟性が不十分であり、望ましくない。
【0030】本発明において最も好ましいゴム系組成物
は、(A)ゴム状重合体としてのエチレンと炭素数3〜
20のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィ
ン共重合体と(B)オレフィン系樹脂としてのオレフィ
ン系ランダム共重合樹脂からなる組成物を、(C)架橋
剤あるいは(C)架橋剤および(D)架橋助剤により架
橋してなる部分的または完全に架橋されたゴム系組成物
であり、その結果、更に耐摩耗性や機械的強度、耐熱性
等が向上する。
【0031】好ましく使用される(C)架橋剤は、有機
過酸化物、有機アゾ化合物等のラジカル開始剤が挙げら
れる。
【0032】具体的な例として、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t
−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブ
チル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレー
ト等のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパ
ーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ
−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−
ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサ
イド類を挙げることができる。
【0033】また、アセチルパーオキサイド、イソブチ
リルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デ
カノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイドおよびm−トリオイルパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシ
アセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−
ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、および
クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類
を挙げることができる。
【0034】また、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび1,
1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハ
イドロパーオキサイド類を挙げることができる。
【0035】これらの化合物の中では、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。
【0036】これらの(C)架橋剤は、(A)ゴム状重
合体と(B)オレフィン系樹脂からなるゴム系組成物1
00重量部に対し0.02〜3重量部、好ましくは0.
05〜1重量部の量で用いられる。0.02重量部未満
では架橋が不十分である傾向があり、3重量部を越えて
もゴム系組成物の物性は向上しない傾向がある。
【0037】更に、(D)架橋助剤としては、ジビニル
ベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシ
アヌレート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレ
ングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、ジイソプロペニルベンゼン、P−キ
ノンジオキシム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキ
シム、フェニルマレイミド、アリルメタクリレート、
N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフ
タレート、テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブ
タジエン等が好ましく用いられる。これらの(D)架橋
助剤は複数のものを併用して用いてもよい。
【0038】これらの(D)架橋助剤は、(A)ゴム状
重合体と(B)オレフィン系樹脂からなるゴム系組成物
100重量部に対し0.1〜5重量部、好ましくは0.
5〜2重量部の量で用いられる。0.1重量部未満では
架橋が不十分である傾向があり、5重量部を越えてもゴ
ム系組成物の物性は向上せず過剰の架橋助剤が残存する
傾向がある。
【0039】本発明において、加工性の向上のために必
要に応じて、(E)軟化剤を配合することができる。
【0040】(E)軟化剤は、パラフィン系、ナフテン
系などのプロセスオイルが好ましい。これらはゴム系組
成物の硬度、柔軟性の調整用に5〜500重量部、好ま
しくは10〜150重量部用いる。5重量部未満では柔
軟性、加工性が不足する傾向があり、500重量部を越
えるとオイルのブリードが顕著となる傾向がある。
【0041】本発明のゴム系組成物は、(A)ゴム状重
合体、(B)オレフィン系樹脂、(E)軟化剤を特定の
組成比で組み合わせることにより、機械的強度と柔軟
性、加工性のバランスが改善され、好ましく用いること
ができる。
【0042】また、本発明のゴム系組成物には、その特
徴を損ねない程度に無機フィラーおよび可塑剤を含有す
ることが可能である。ここで用いる無機フィラーとして
は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリ
カ、カーボンブラック、ガラス繊維、酸化チタン、クレ
ー、マイカ、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム等が挙げられる。また、可塑剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート
(DOP)等のフタル酸エステル等が挙げられる。
【0043】また、その他の添加剤、例えば、有機・無
機顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッキング剤、
発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤等も好適に使用される。
【0044】本発明のゴム系組成物の製造には、通常の
樹脂組成物、エラストマー組成物の製造に用いられるバ
ンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出
機、等の一般的な方法を採用することが可能である。と
りわけ効率的に動的架橋を達成するためには2軸押出機
が好ましく用いられる。2軸押出機は、(A)ゴム状重
合体と(B)オレフィン系樹脂とを均一かつ微細に分散
させ、さらに他の成分を添加させて、架橋反応を生じせ
しめ、本発明のゴム系組成物を連続的に製造するのに、
より適している。
【0045】本発明のゴム系組成物は、好適な具体例と
して、次のような加工工程を経由して製造することがで
きる。
【0046】すなわち、(A)ゴム状重合体と(B)オ
レフィン系樹脂とをよく混合し、押出機のホッパーに投
入する。(C)架橋剤、(D)架橋助剤を、(A)ゴム
状重合体と(B)オレフィン系樹脂とともに当初から添
加してもよいし、押出機の途中から添加してもよい。ま
た(E)軟化剤を押出機の途中から添加してもよいし、
当初と途中とに分けて添加してもよい。(A)ゴム状重
合体と(B)オレフィン系樹脂の一部を押出機の途中か
ら添加してもよい。押出機内で加熱溶融し混練される際
に、前記(A)ゴム状重合体と(C)架橋剤および
(D)架橋助剤とが架橋反応し、さらにオイル等の
(E)軟化剤を添加して溶融混練することにより架橋反
応と混練分散とを充分させたのち押出機から取り出すこ
とにより、本発明のゴム系組成物のペレットを得ること
ができる。
【0047】こうして得られたゴム系組成物は任意の成
形方法で各種成型品の製造が可能である。射出成形、押
出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡
成形等が好ましく用いられる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、これら実施例および比較例において、各種
物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。
【0049】(1)引張破断強度[kgf/cm2] Tダイ押出シートから、JIS・K6251に準じ、2
3℃にて評価した。
【0050】(2)引張破断伸度[%] Tダイ押出シートから、JIS・K6251に準じ、2
3℃にて評価した。
【0051】(3)外観 Tダイ押出シート肌から以下の基準で外観評価を行っ
た。
【0052】 ◎ 極めて良好 ○ 良好 △ 良好であるが、ややざらつく × 全体的にざらつく、光沢無し。
【0053】(4)柔軟性(触感) Tダイ押出シート肌から以下の基準で柔軟性評価を行っ
た。
【0054】 ◎ 極めて柔軟性、触感が良好 ○ 良好 △ 良好であるが、やや硬さが感じられる × 全体的に硬く、触感が悪い。
【0055】(5)示差走査熱量測定法(DSC法)に
よる吸熱ピーク温度(Tm)、吸熱ピーク熱量(ΔH) 島津製作所製、熱分析装置DT−40を用いて、5mg
試料を窒素気流下、10℃/分で昇温する。吸熱ピーク
は、ベースラインに対して変化した熱量変化を示す曲線
であり、ブロードな曲線または鋭利な曲線のいずれをも
含むものである。
【0056】そして、吸熱ピーク温度(Tm)とは吸熱
ピークトップであり、熱量変化を示す曲線にベースライ
ンと平行な接線を引いたときの接点と定義する。
【0057】吸熱ピーク熱量(ΔH)は、既知物質で得
られた吸熱量とピーク面積から前もって作成された検量
栓を用いて、ベースラインと吸熱ピークで囲まれた面積
から求める。
【0058】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。
【0059】(イ)ゴム状重合体 a)エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−
1) 特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オ
クテン−1の組成比は、72/28(重量比)である
(TPE−1と称する)。
【0060】b)エチレンとオクテン−1との共重合体
(TPE−2) 通常のチーグラー触媒を用いた方法により製造した。共
重合体のエチレン/オクテン−1の組成比は、72/2
8(重量比)である(TPE−2と称する)。
【0061】c)エチレン・プロピレン・ジシクロペン
タジエン共重合体(TPE−3) 特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/プ
ロピレン/ジシクロペンタジエンの組成比は、72/2
4/4(重量比)である(TPE−3と称する)。
【0062】d)スチレン−エチレン−ブチレン−スチ
レン共重合体(SEBS) 旭化成工業(株)製〔商品名、タフテック〕(SEBS
と称する)。
【0063】e)スチレン−ブタジエン共重合体(S
B) 旭化成工業(株)製〔商品名タフプレン〕(SBと称す
る)。
【0064】(ロ)オレフィン系樹脂 日本ポリケム(株)製、アイソタクチックポリプロピレ
ン(PPと称する)。
【0065】a)ポリプロピレン 日本ポリオレフィン(株)製、アイソタクチックホモポ
リプロピレン〔商品名PM900A〕(PPと称す
る)。 曲げ弾性率:18000kgf/cm2;DSC法の吸
熱ピーク:166℃;吸熱ピーク熱量:860J/g。
【0066】b)エチレン(ET)−プロピレン(P
P)共重合樹脂 日本ポリオレフィン(株)製、ランダムET−PP樹脂
[ET/PP=7/93(重量比)(商品名PM940
M)](EP−1と称する)。 曲げ弾性率:6500kgf/cm2;DSC法の吸熱
ピーク:131℃;吸熱ピーク熱量:390J/g。
【0067】また、通常のチーグラー触媒を用いた方法
により、ET/PP量比を変更し、曲げ弾性率、DSC
法の吸熱ピーク、吸熱ピーク熱量の異なったランダムE
T−PP樹脂を製造した。
【0068】c)低密度ポリエチレン 旭化成工業(株)製、サンテックLD(LDPEと称す
る)。 曲げ弾性率:5500kgf/cm2;DSC法の吸熱
ピーク:128℃;吸熱ピーク熱量:230J/g (ハ)パラフィン系オイル 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルPW−90
(MOと称する)。
【0069】(ニ)ラジカル開始剤 日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ25
B)(POXと称する)。
【0070】(ホ)架橋助剤 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る)。
【0071】(実施例1〜11、比較例1〜6)押出機
として、バレル中央部に注入口を有した2軸押出機(4
0mmφ、L/D=47)を用いた。スクリューとして
は注入口の前後に混練部を有した2条スクリューを用い
た。
【0072】表1記載の組成物において、シリンダー温
度200℃で溶融押出を行った。MOを用いる場合は、
押出機の中央部にある注入口からポンプにより注入し、
溶融押出を行った。
【0073】このようにして得られた組成物からTダイ
押出機を用いて、200℃で2mm厚のシートを作製
し、各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】表1によると、本発明の要件を満足するオ
レフィン系樹脂を用いることにより、柔軟性があり、か
つ高強度のゴム系組成物を得ることができることが分か
る。
【0076】
【発明の効果】本発明のゴム系組成物は、優れた柔軟性
(触感)、機械的強度、耐熱性を有している。
【0077】本発明の組成物は、自動車用部品、自動車
用内装材、エアバッグカバー、機械部品、電気部品、ケ
ーブル、ホース、ベルト、玩具、雑貨、日用品、建材、
シート、フィルム等を始めとする用途に幅広く使用可能
であり、産業界に果たす役割は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/16 C08L 23/16 53/02 53/02 Fターム(参考) 4F070 AA06 AA07 AA08 AA09 AA12 AA16 AA32 AB08 AB11 AB21 GA05 GB02 GB07 GC02 4J002 AC03W AC06W AC07W AC08W AC09W AC11W BB03X BB05W BB05X BB13X BB14X BB15W BB15X BG04W BP01W BP03X EK016 EK026 EK036 EK046 EK076 EK086 FD146 FD150 GN00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ゴム状重合体1〜99重量部と
    (B)オレフィン系樹脂1〜99重量部[(A)と
    (B)の合計量が100重量部]とからなる組成物であ
    って、該(B)オレフィン系樹脂のJIS・K6758
    規定の曲げ弾性率が100〜10000kgf/cm2
    であり、示差走査熱量測定法(DSC法)において、1
    00〜150℃の温度範囲に吸熱ピークが存在し、上記
    吸熱ピーク熱量が10〜600J/gの範囲にあること
    を特徴とするゴム系組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ゴム状重合体がスチレン系飽和型
    熱可塑性エラストマーである請求項1記載のゴム系組成
    物。
  3. 【請求項3】 (A)ゴム状重合体がエチレンと炭素数
    3〜20のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレ
    フィン共重合体であり、(B)オレフィン系樹脂がオレ
    フィン系ランダム共重合樹脂であり、部分的または完全
    に架橋された請求項1記載のゴム系組成物。
  4. 【請求項4】 架橋剤あるいは架橋剤および架橋助剤に
    より架橋してなる請求項3記載のゴム系組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002159093A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Kyowa Leather Cloth Co Ltd 発泡スピーカー振動板エッジ材およびその製造方法
JP2002212360A (ja) * 2001-01-12 2002-07-31 Sumitomo Chem Co Ltd 自動車用ホース被覆材及びエアーダクトホース
JP2003012870A (ja) * 2001-06-26 2003-01-15 Central Glass Co Ltd 車輌用の窓枠体
JP2004352869A (ja) * 2003-05-29 2004-12-16 Asahi Kasei Chemicals Corp 良外観熱可塑性重合体組成物

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