JP2003171504A - 熱可塑性架橋ゴム組成物 - Google Patents

熱可塑性架橋ゴム組成物

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JP2003171504A
JP2003171504A JP2001370458A JP2001370458A JP2003171504A JP 2003171504 A JP2003171504 A JP 2003171504A JP 2001370458 A JP2001370458 A JP 2001370458A JP 2001370458 A JP2001370458 A JP 2001370458A JP 2003171504 A JP2003171504 A JP 2003171504A
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rubber
thermoplastic
polymer
rubber composition
crosslinkable
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Hajime Nishihara
一 西原
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観、感触、耐傷つき性、真空成形性、及び
押出安定性(品質安定性)に優れた熱可塑性架橋ゴム組
成物の提供。 【解決手段】 (A)架橋性ゴム状重合体と(B)非架
橋性熱可塑性重合体とからなる、架橋されたゴム組成物
であって、該(B)非架橋性熱可塑性重合体のJIS
K6758で規定の曲げ弾性率が0.01〜500MP
aであることを特徴とする熱可塑性架橋ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性架橋ゴム
組成物に関するものである。更に詳しくは、外観、感
触、耐傷つき性、真空成形性、及び押出安定性(品質安
定性)に優れた熱可塑性架橋ゴム組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ラジカル架橋性ゴムとPP等のラジカル
架橋性のない樹脂とをラジカル開始剤の存在下、押出機
中で溶融混練させながら架橋する、いわゆる動的架橋に
よる熱可塑性ゴム組成物は、既に公知の技術であり、自
動車部品等の用途に広く使用されている。このようなゴ
ム系組成物として、エチレン−プロピレン−ジエンゴム
(EPDM)により製造されたオレフィン系ゴム(特開
平8−120127号公報、特開平9−137001号
公報)を用いる動的架橋技術が知られているが、耐傷つ
き性に劣り、必ずしも市場では満足されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち外観、感
触、耐傷つき性、真空成形性、及び押出安定性(品質安
定性)に優れた熱可塑性架橋ゴム組成物を提供すること
を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等はゴム組成物
の改良を鋭意検討した結果、特定の架橋性ゴム状重合体
と特定の熱可塑性重合体を用いることにより、驚くべき
ことに外観、感触、耐傷つき性、真空成形性、及び押出
安定性(品質安定性)が飛躍的に向上する事を見出し
た。即ち本発明は、(A)架橋性ゴム状重合体と(B)
非架橋性熱可塑性重合体とからなる、架橋されたゴム組
成物であって、該(B)非架橋性熱可塑性重合体のJI
S K6758で規定の曲げ弾性率が0.01〜500
MPaであることを特徴とする熱可塑性架橋ゴム組成物
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳しく述べ
る。本発明の組成物は、(A)特定の架橋性ゴム状重合
体と(B)特定の非架橋性熱可塑性重合体とからなる、
架橋された熱可塑性架橋ゴム組成物である。ここで、
(B)は、非架橋性であることが重要である。非架橋性
であることにより、優れた外観と熱可塑性を示す。また
(B)非架橋性熱可塑性重合体のJIS K6758で
規定の曲げ弾性率が1〜500MPaであることによ
り、感触に優れ、かつ外観、耐傷つき性が著しく向上す
ることを見出し、本発明を完成した。
【0006】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。本発明において(A)架橋性ゴム状重合体は、ガ
ラス転移温度(Tg)が−10℃以下であることが好ま
しく、このようなゴム状重合体は、例えば、ポリブタジ
エン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロ
ニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム、及び上記ジ
エンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、ク
ロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系
ゴム、及びエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレ
ン−プロピレンン−ジエンモノマー三元共重合体ゴム
(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体ゴム等の架
橋ゴムまたは非架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有す
る熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
【0007】本発明において(A)架橋性ゴム状重合体
の中でも、好ましい共重合体の一つは、エチレン・α−
オレフィン共重合体であり、エチレンおよび炭素数が3
〜20のα−オレフィンとの共重合体が更に好ましい。
α−オレフィンとして、例えばプロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン
−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセ
ン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられ
る。中でもヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オ
クテン−1が好ましく、特に好ましくは炭素数3〜12
のα−オレフィンであり、とりわけプロピレン、ブテン
−1、オクテン−1が最も好ましい。また(A)は必要
に応じて、不飽和結合を有する単量体を含有することが
でき、例えば、ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレ
フィン、1,4−ヘキサジエン等の非共役ジオレフィ
ン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン誘導体等の環
状ジエン化合物、及びアセチレン類が好ましく、とりわ
けエチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタ
ジエン(DCP)が最も好ましい。
【0008】本発明において(A)のエチレン・α−オ
レフィン共重合体は、公知のメタロセン系触媒を用いて
製造することが好ましい。一般にはメタロセン系触媒
は、チタン、ジルコニウム等のIV族金属のシクロペン
タジエニル誘導体と助触媒からなり、重合触媒として高
活性であるだけでなく、チーグラー系触媒と比較して、
得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合体中のコモ
ノマーである炭素数3〜20のα−オレフィンの分布が
均一である。
【0009】本発明において用いられる(A)の一つの
エチレン・α−オレフィン共重合体は、α−オレフィン
の共重合比率が1〜60重量%であることが好ましく、
更に好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは20
〜45重量%である。α−オレフィンの共重合比率が6
0重量%を越えると、組成物の硬度、引張強度等の低下
が大きく、一方、1重量%未満では柔軟性、機械的強度
が低下する。(A)の一つのエチレン・α−オレフィン
共重合体の密度は、0.8〜0.9g/cm3 の範囲に
あることが好ましい。この範囲の密度を有するオレフィ
ン系エラストマーを用いることにより、柔軟性に優れ、
硬度の低いエラストマー組成物を得ることができる。
【0010】本発明にて用いられる(A)の一つのエチ
レン・α−オレフィン共重合体は、長鎖分岐を有してい
ることが望ましい。長鎖分岐が存在することで、機械的
強度を落とさずに、共重合されているα−オレフィンの
比率(重量%)に比して、密度をより小さくすることが
可能となり、低密度、低硬度、高強度のエラストマーを
得ることができる。長鎖分岐を有するオレフィン系エラ
ストマーは、USP5278272等に記載されてい
る。
【0011】また、(A)の一つのエチレン・α−オレ
フィン共重合体は、室温以上にDSCの融点ピークを有
することが望ましい。融点ピークを有するとき、融点以
下の温度範囲では形態が安定しており、取扱い性に優
れ、ベタツキも少ない。また、本発明にて用いられる
(A)のメルトインデックスは、0.01〜100g/
10分(190℃、2.16kg荷重)の範囲のものが
好ましく用いられ、更に好ましくは0.2〜10g/1
0分である。100g/10分を越えると、組成物の架
橋性が不十分であり、また0.01g/10分より小さ
いと流動性が悪く、加工性が低下して望ましくない。
【0012】本発明において、(A)のもう一つの好ま
しい上記水素添加共重合体は、少なくとも一種の共役ジ
エン系単量体の単独重合体ゴム、または共役ジエン系単
量体と芳香族ビニル単量体とからなる共重合体ゴムの、
芳香族基を除く全二重結合の水素添加率が50%以上で
ある水素添加ゴムであり、とりわけ主鎖および側鎖に二
重結合を有する重合体、特にランダム共重合体からなる
不飽和ゴムの、芳香族基を除く全二重結合の50%以上
が水素添加された水素添加ゴムであることが好ましい。
【0013】上記水素添加ゴムにおいて、必要に応じ
て、例えば、オレフィン系、メタクリル酸エステル系、
アクリル酸エステル系、不飽和ニトリル系、塩化ビニル
系単量体等の共役ジエンと共重合可能な単量体を共重合
することができる。上記共役ジエン系単量体としては、
1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチ
ル−1、3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、
4,5−ジエチル−1、3−オクタジエン、3−ブチル
−1,3−オクタジエン、クロロプレン等を挙げること
ができ、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペ
ンタジエンが好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレ
ンが最も好ましい。
【0014】また前記芳香族ビニル単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t
−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチ
ル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等を挙
げることができ、スチレン、α−メチルスチレンが好ま
しい。上記芳香族単量体は一種または二種以上併用する
ことができる。芳香族ビニル単量体含有量は、0〜80
重量%が好ましく、更に好ましくは0〜50重量%、最
も好ましくは0〜30重量%である。
【0015】(A)架橋性ゴム状重合体としての水素添
加共重合体において、水素添加前の共役ジエン単量体部
分のビニル結合は、分子内に均一に存在していても、分
子鎖に沿って増減あるいは減少してもよいし、またはビ
ニル結合含有量の異なった、複数個のブロックを含んで
いてもよい。そして、芳香族ビニル単量体または前記共
役ジエン単量体と共重合可能な単量体を含む場合は、上
記共役ジエン単量体部分の中でランダムに結合するが、
本発明のDSCによる結晶性に関する要件を満足する範
囲内で、ブロック状の芳香族ビニル単量体またはその他
の単量体を含んでもよい。ブロック状に芳香族ビニル重
合体の含有率は、全芳香族ビニル単量体中の20重量%
以下が好ましく、更に好ましくは10重量%以下であ
る。
【0016】上記水素添加ゴム中の、芳香族基を除く全
二重結合は、50%以上であり、好ましくは90%以
上、更に好ましくは95%以上が水素添加され、そして
主鎖の残存二重結合が5%以下、側鎖の残存二重結合が
5%以下であることが好ましい。このようなゴムの具体
例としては、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジ
エン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)、ポリ
イソプレン、ポリクロロプレン等のジエン系ゴムを部分
的または完全に水素添加したゴム状重合体を挙げること
ができ、特に水素添加ブタジエン系または水素添加イソ
プレン系ゴムが好ましい。
【0017】本発明における(A)架橋性ゴム状重合体
は、示差走査熱量測定法(DSC法)において、(A)
の結晶化温度が−100〜100℃の範囲にあることが
好ましく、さらに好ましくは−70〜70℃の範囲にあ
り、最も好ましくは−50〜50℃の範囲にある。そし
て、(A)の結晶化ピーク熱量が3〜100J/gの範
囲にあることが好ましく、さらに好ましくは3〜50J
/gの範囲にあり、最も好ましくは5〜40J/gの範
囲にある。上記範囲の結晶化温度と結晶化ピーク熱量を
有するゴム状重合体の場合は、感触に優れ、かつ外観、
耐傷つき性及び機械的強度が向上する。
【0018】本発明における(A)の一つの水素添加ゴ
ムは、上述のゴムを公知の水素添加方法で部分水素添加
することにより得られる。例えば、F.L.Ramp,etal,J.Am
er.Chem.Soc.,83,4672(1961)記載のトリイソブチルボラ
ン触媒を用いて水素添加する方法、Hung Yu Chen,J.Pol
ym.Sci.Polym.Letter Ed.,15,271(1977)記載のトルエン
スルフォニルヒドラジドを用いて水素添加する方法、あ
るいは特公昭42−8704号公報に記載の有機コバル
ト−有機アルミニュウム系触媒あるいは有機ニッケル−
有機アルミニュウム系触媒を用いて水素添加する方法等
を挙げることができる。ここで、特に好ましい水素添加
の方法は、低温、低圧の温和な条件下で水素添加が可能
な触媒を用いる特開昭59−133203号、特開昭6
0−220147号公報あるいは不活性有機溶媒中に
て、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合物
と、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子ま
たはセシウム原子を有する炭化水素化合物とからなる触
媒の存在下に水素と接触させる特開昭62−20730
3号公報に示される方法である。
【0019】また、水素添加ゴムの100℃で測定した
ムーニー粘度(ML)は20〜90、25℃における5
重量%スチレン溶液粘度(5%SV)は、0.02〜
0.30(Pa・sec)の範囲にあることが好まし
い。特に好ましい範囲は0.025〜0.15(Pa・
sec)である。そして、水素添加ゴムの結晶性の指標
である吸熱ピーク熱量の制御は、テトラヒドロフラン等
の極性化合物の添加または重合温度の制御により行う。
吸熱ピーク熱量の低下は、極性化合物を増量するか、ま
たは重合温度を低下させて、1,2−ビニル結合を増大
させることにより達成される。
【0020】本発明において(A)の架橋性ゴム状重合
体の一つとして、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位か
らなるブロック共重合体、または上記共役ジエン単位部
分が部分的に水素添加またはエポキシ変性されたブロッ
ク共重合体等が挙げられる。上記ブロック共重合体を構
成する芳香族ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、パラメチルスチレン、p−クロロスチ
レン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモス
チレン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチレン
を主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよ
い。
【0021】また、上記ブロック共重合体を構成する共
役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等
を挙げることができる。そして、ブロック共重合体のブ
ロック構造は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロッ
クをSで表示し、共役ジエン及び/またはその部分的に
水素添加された単位からなる重合体ブロックをBで表示
する場合、SB、S(BS)n 、(但し、nは1〜3
の整数)、S(BSB)n 、(但し、nは1〜2の整
数)のリニア−ブロック共重合体や、(SB)n X
(但し、nは3〜6の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化
スズ、ポリエポキシ化合物等のカップリング剤残基。)
で示され、B部分を結合中心とする星状(スタ−)ブロ
ック共重合体であることが好ましい。なかでもSBの2
型、SBSの3型、SBSBの4型のリニア−ブロック
共重合体が好ましい。
【0022】本発明にて用いられる(A)は、複数の種
類のものを混合して用いても良い。そのような場合に
は、加工性のさらなる向上を図ることが可能となる。本
発明において(B)非架橋性熱可塑性重合体は、非架橋
性であり、JISK6758で規定の曲げ弾性率が0.
01〜500MPaであれば特に制限されない。例え
ば、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリフェニレ
ンエーテル系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリ
エステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリカーボ
ネート系、ポリメタクリレート系等の熱可塑性重合体で
あり、特にポリオレフィン系重合体が好ましい。
【0023】本発明において、好ましいポリオレフィン
系重合体として、リアクターTPOと称されているエチ
レン−αオレフィン共重合体等が挙げられ、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の炭素
数3〜20のα−オレフィンとエチレンとの共重合体を
挙げることができる。このような共重合体の中でもプロ
ピレンを主体としたエチレン−αオレフィン共重合体が
好ましく、液状プロピレン等のα−オレインを攪拌機付
き反応器に導入した後に、触媒をノズルから気相または
液相に添加する。次いで、エチレンガスまたはα−オレ
フィンを反応器の気相または液相に導入し、反応温度、
反応圧力をプロピレンが還流する条件に制御する。重合
速度は触媒濃度、反応温度で制御し、共重合組成はエチ
レンまたはα−オレフィンの添加量により制御する。
【0024】本発明において、(B)のもう一つの好ま
しい非架橋性重合体は、共役ジエン系単量体と芳香族ビ
ニル単量体とからなる共重合体ゴムの、芳香族基を除く
全二重結合の水素添加率が50%以上である水素添加ゴ
ムであり、とりわけ主鎖および側鎖に二重結合を有する
重合体及び/またはランダム共重合体からなる不飽和ゴ
ムの全二重結合の50%以上が水素添加された水素添加
ゴムであることが好ましい。また芳香族ビニル単量体が
(B)中で、好ましくは30〜90重量%、更に好まし
くは40〜90重量%、最も好ましくは50〜80重量
%の範囲にある場合には、非架橋性となる。
【0025】上記水素添加ゴムにおいて、必要に応じ
て、(A)において記載したと同様の、オレフィン系、
メタクリル酸エステル系、アクリル酸エステル系、不飽
和ニトリル系、塩化ビニル系単量体等の共役ジエンと共
重合可能な単量体を共重合することができる。上記水素
添加ゴム中の、芳香族基を除く全二重結合は、50%以
上であり、好ましくは90%以上、更に好ましくは95
%以上が水素添加され、そして主鎖の残存二重結合が5
%以下、側鎖の残存二重結合が5%以下であることが好
ましい。このようなゴムの具体例としては、ポリ(スチ
レン−ブタジエン)、ポリ(スチレン−アクリロニトリ
ル−ブタジエン)、ポリ(スチレン−イソプレン)等の
ジエン系ゴムを部分的または完全に水素添加したゴム状
重合体を挙げることができる。
【0026】本発明における(B)は、示差走査熱量測
定法(DSC法)において、結晶性を有さないことが好
ましい。このような水素添加ゴムは、上述のゴムを公知
の水素添加方法で部分水素添加することにより得られ
る。本発明において、(A)と(B)の合計量100重
量部の中で、(B)は、1〜99重量部であり、好まし
くは10〜90重量部、更に好ましくは20〜80重量
部であり、最も好ましくは30〜70重量部である。1
重量部未満では組成物の流動性、加工性が低下傾向にあ
り、一方、99重量部を越えると組成物の柔軟性が低下
傾向にある。
【0027】本発明の架橋ゴム組成物は、(C)架橋剤
で架橋されることが好ましい。(C)成分は、(C−
1)架橋開始剤を必須成分とし、必要に応じて(C−
2)多官能単量体、(C−3)単官能単量体を含有す
る。 上記(C)は、(A)と(B)の合計量100
重量部に対し0.01〜10重量部、好ましくは0.0
5〜3重量部の量で用いられる。0.01重量部未満で
は架橋が不十分であり、10重量部を越えると組成物の
外観、機械的強度が低下する傾向にある。
【0028】ここで、(C−1)架橋開始剤は、有機過
酸化物、有機アゾ化合物等のラジカル開始剤等が挙げら
れる。その具体的な例として、1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t
−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブ
チル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレー
ト等のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパ
ーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ
−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−
ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサ
イド類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオ
キサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5
−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキ
サイドおよびm−トリオイルパーオキサイド等のジアシ
ルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパ
ーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘ
キサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート、およびクミルパ
ーオキシオクテート等のパーオキシエステル類;ならび
に、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ハイドロパーオキサイドおよび1,1,3,3−テトラ
メチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイ
ド類を挙げることができる。
【0029】これらの化合物の中では、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。上記(C−1)は、(C)成分中で好
ましくは1〜80重量%、更に好ましくは10〜50重
量%の量が用いられる。1重量%未満では架橋が不十分
であり、80重量%を越えると機械的強度が低下する。
【0030】本発明において、(C)架橋剤の一つの
(C−2)多官能単量体は、官能基としてラジカル重合
性の官能基が好ましく、とりわけビニル基がこのまし
い。官能基の数は2以上であるが、(C−3)との組み
合わせで特に3個以上の官能基を有する場合には有効で
ある。具体例としては、ジビニルベンゼン、トリアリル
イソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ダイアセ
トンジアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイ
ソプロペニルベンゼン、P−キノンジオキシム、P,
P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニルマレイ
ミド、アリルメタクリレート、N,N’−m−フェニレ
ンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリル
オキシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好ましく用
いられる。特にトリアリルイソシアヌレートが好まし
い。これらの多官能単量体は複数のものを併用して用い
てもよい。
【0031】上記(C−2)は、(C)成分中で好まし
くは1〜80重量%、更に好ましくは10〜50重量%
の量が用いられる。1重量%未満では架橋が不十分であ
り、80重量%を越えると機械的強度が低下する。本発
明において用いられる前記(C−3)は、架橋反応速度
を制御するために加えるビニル系単量体であり、ラジカ
ル重合性のビニル系単量体が好ましく、芳香族ビニル単
量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽
和ニトリル単量体、アクリル酸エステル単量体、メタク
リル酸エステル単量体、アクリル酸単量体、メタクリル
酸単量体、無水マレイン酸単量体、N−置換マレイミド
単量体等を挙げることができる。
【0032】上記(C−3)は、(C)成分中で好まし
くは1〜80重量%、更に好ましくは10〜50重量%
の量が用いられる。1重量%未満では架橋が不十分であ
り、80重量%を越えると機械的強度が低下する。上記
(D)軟化剤は、パラフィン系、ナフテン系などのプロ
セスオイルが好ましい。これらは組成物の硬度、柔軟性
の調整用に、(A)と(B)の合計量100重量部に対
して、5〜500重量部、好ましくは10〜150重量
部用いる。5重量部未満では柔軟性、加工性が不足し、
500重量部を越えるとオイルのブリードが顕著となり
望ましくない。
【0033】また、本発明の組成物には、その特徴を損
ねない程度に無機フィラーおよび可塑剤を含有すること
が可能である。ここで用いる無機フィラーとしては、例
えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カ
ーボンブラック、ガラス繊維、酸化チタン、クレー、マ
イカ、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム等が挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、ポ
リエチレングリコール、ジオクチルフタレート(DO
P)等のフタル酸エステル等が挙げられる。また、その
他の添加剤、例えば、有機・無機顔料、熱安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオ
イル、アンチブロッキング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗
菌剤等も好適に使用される。
【0034】本発明の組成物の製造には、通常の樹脂組
成物、エラストマー組成物の製造に用いられるバンバリ
ーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、等の
一般的な方法を採用することが可能である。とりわけ効
率的に動的架橋を達成するためには2軸押出機が好まし
く用いられる。2軸押出機は、(A)と(B)とを均一
かつ微細に分散させ、さらに他の成分を添加させて、架
橋反応を生じせしめ、本発明の組成物を連続的に製造す
るのに、より適している。
【0035】本発明の組成物は、好適な具体例として、
次のような加工工程を経由して製造することができる。
すなわち、(A)と(B)とをよく混合し、押出機のホ
ッパーに投入する。(C)架橋剤を、(A)と(B)と
ともに当初から添加してもよいし、押出機の途中から添
加してもよい。また(D)軟化剤を押出機の途中から添
加してもよいし、当初と途中とに分けて添加してもよ
い。(A)と(B)の一部を押出機の途中から添加して
もよい。押出機内で加熱溶融し混練される際に、前記
(A)と(C)架橋剤とが架橋反応し、さらに(D)軟
化剤等を添加して溶融混練することにより架橋反応と混
練分散とを充分させたのち押出機から取り出すことによ
り、本発明の組成物のペレットを得ることができる。
【0036】また特に好ましい溶融押出法としては、原
料添加部を基点としてダイ方向に長さLを有し、かつL
/Dが5から100(但しDはバレル直径)である二軸
押出機を用いる場合である。二軸押出機は、その先端部
からの距離を異にするメインフィ−ド部とサイドフィ−
ド部の複数箇所の供給用部を有し、複数の上記供給用部
の間及び上記先端部と上記先端部から近い距離の供給用
部との間にニ−ディング部分を有し、上記ニ−ディング
部分の長さが、それぞれ3D〜10Dであることが好ま
しい。
【0037】以下、本発明を実施例、比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、これら実施例および比較例において、各
種物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。 1.(B)成分の非架橋性の判定 東洋精機製作所製ラボプラストミルを用いて、重量比が
(B)/POX(架橋開始剤)/DVB(ジビニルベン
ゼン)=100/0.67/1.33の組成物を、設定温
度200℃で回転数100rpmの条件で、10分間溶
融混練する。ペレット状態の樹脂をラボプラストミルに
投入すると、ペレット状態から半溶融状態、そして最終
的には形状を留めずに溶融状態にになるが、溶融状態に
なる直後のトルクM0に対して、溶融直後以降にM0より
高いトルクが存在する特性を有する場合を架橋性と定義
し、一方、溶融直後以降にM0以下のトルク状態にある
特性を有する場合を非架橋型と定義する。
【0038】2.共役ジエン系ゴムの分析 1)水素添加率(%) NMRで以下の手順で測定した。まず、水素添加前のポ
リブタジエンゴムを重クロロホルムに溶解し、FT−N
MR(270メガ、日本電子製)にて化学シフト4.7
〜5.2ppm(シグナルC0とする)の1,2−ビニ
ルによるプロトン(=CH−)と、化学シフト5.2〜
5.8ppm(シグナルD0とする)のビニルプロトン
(=CH2)の積分強度より、1,2−ビニル含量
(V)を次式で計算した。 (V)=〔0.5C0/{0.5C0+0.5(D0−0.5
0)}〕×100
【0039】次に、部分水素添加後のポリブタジエンゴ
ムを重クロロホルムに溶解し、同様にFT−NMRに
て、化学シフト0.6〜1.0ppm(シグナルA1とす
る)の水素添加された1,2結合によるメチル基プロト
ン(−CH3)、化学シフト4.7〜5.2ppm(シグ
ナルC1とする)の水素添加されていない1,2−ビニ
ルによるプロトン(=CH−)、化学シフト5.2〜
5.8ppm(シグナルD1とする)の水素添加されて
いないビニルプロトン(=CH2)の積分強度から次式
により計算した。
【0040】まず、p=0.5C0/(0.5C1+A1
3) A11=pA1,C11=pC1,D11=pD1とし、1,2−
ビニル結合部分の水素添加率(B) (B)=〔(A11/3)/{A11/3+C11/2}〕×
100 1,4−二重結合部分の水素添加率(C) (C)=[{0.5(D0−0.5C0)−0.5(D11
0.5C11)}/0.5(D0−0.5C0)]×100 ブタジエン部全体の水素添加率(A) (A)=(V)×(B)/100+〔100−(V)〕
×(C)/100
【0041】2)ミクロ構造 上記で定義した記号で以下に記載した。 水素添加前の1,2−ビニル結合=(V)×(B)/100 (%) 水素添加前の1,4結合={100−(V)}×(C)/100 (%) 水素添加後の1,2−ビニル結合=(V)×{100−(B)}/100 (% ) 水素添加後の1,4−結合={100−(V)}×{100−(B)}/100 (%)
【0042】3.外観 押出シート肌または射出成形体表面から以下の基準で外
観評価を行った。 ◎ 極めて良好 ○ 良好 △ 良好であるが、ややざらつく。 × 全体的にざらつく。 光沢無し。
【0043】4.耐傷つき性 先端が長さ10mm、幅1mmの長方形で、重さが300gの
くさびを高さ5cmからシートに落下させてできた、シ
ートの傷をレーザー光で走査して傷深さを測定した。
【0044】5.感触 23℃雰囲気下にて、実際に手で触ってそのさらっと感
(べたつきの無いこと)と指紋跡が成形品表面に残るか
否かを評価した。 ◎:極めて手触り感が良好かつさらっとしており、指紋
跡も残らない。 ○:成形品表面に指紋の跡が残るが、べたつきは感じら
れない。 △:ややベタツキが感じられる。 ×:指紋跡が残り、べたつき感や、ぬめり感がある。
【0045】6.真空成形性 底面が15cmの正方形で深さが5cmの直方体の金型
に1mm厚さのシートを接触させて、赤外線ヒーターに
てシート表面が140℃になるまで加熱した後に、真空
下で成形体を作製した。得られた成形体の型再現性、転
写性を目視で以下の基準で評価した。 ◎ 極めて型再現性、転写性が良好 ○ 良好 △ 良好であるが、ややコーナー部の型再現性、転写性
が悪い。 × 不良
【0046】7.押出安定性(品質安定性) 溶融押出機を用い、樹脂組成物を10時間連続溶融押出
しを行い、1時間毎に得られた組成物の耐傷つき性(傷
深さ)を測定し、その傷深さに対する変化率(%)から
連続生産性(品質の安定性)を評価した。実施例、比較
例で用いる各成分は以下のものを用いた。
【0047】(イ)架橋性ゴム状重合体 1)エチレン・α−オレフィン共重合体 エチレンとオクテン−1との共重合体とエチレン・プロ
ピレン・エチリデンノルボルネン(ENB)共重合体を
製造する際に、通常のチーグラー触媒を用いた方法で低
結晶性の共重合体を製造し、特開平3−163088号
公報に記載のメタロセン触媒を用いた方法により結晶性
の共重合体を製造した。
【0048】2)水素添加共役ジエン系ゴムの製造 内容積10リッターの攪拌機付、ジャケット付きオート
クレーブを反応器として用いて、ブタジエン/n−ヘキ
サン溶液(ブタジエン濃度20重量%)を20リッター
/hrの速度で、n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶
液(濃度5重量%)を70ミリッター/hrで導入し、
重合温度110℃でブタジエンの連続重合を実施した。
得られた活性重合体をメタノールで失活させ、別の内容
積10リッターの攪拌機付、ジャッケット付きの反応器
に重合体溶液8リッターを移し、温度60℃にて水素添
加触媒としてジ−p−トリルビス(1−シクロペンタジ
エニル)チタニウム/シクロヘキサン溶液(濃度1ミリ
リッター/リッター)250ミリリッターと、n−ブチ
ルリチウム溶液(濃度5ミリリッター/リッター)50
ミリリッターとを、0℃、2kg/cm2の水素圧下で
混合したものを添加し、水素分圧3kg/cm2にて3
0分間反応させた。得られた水素添加重合体溶液は、酸
化防止剤として2,6−ジタ−シャルブチルヒドロキシ
トルエンを重合体当たり、0.5部添加して、溶剤を除
去した。この際にブタジエン重合体を水素添加反応条件
(水素添加圧力、水素添加温度、時間及び触媒量)を変
えて水素添加して水素添加重合体を得た。その結果を表
1、および2に記載した。また結晶化ピーク熱量の制御
は、極性化合物テトラヒドロフラン(THF)の添加ま
たは重合温度の制御により行う。結晶化ピーク熱量の低
下は、極性化合物を増量するか、または重合温度を低下
させることにより達成される。そして、水素添加スチレ
ン−ブタジエン共重合体は、前記製造法において、スチ
レンを更に添加し、同様に重合を行うことにより得られ
る。
【0049】(ロ)非架橋性熱可塑性重合体 (イ)水素添加共役ジエン系ゴムの製造において、スチ
レン量を増量することにより、非架橋性水素添加スチレ
ン/ブタジエン共重合ゴムを製造した。 (ハ)パラフィン系オイル 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル PW−3
80(MOと称する)
【0050】(ニ)架橋剤 1)架橋開始剤(C−1) 日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ25
B)(POX−1と称する) 2)架橋開始剤(C−1) 日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(商品名パーヘキシン
25B)(POX−2と称する) 3)多官能単量体(C−2) 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る) 4)多官能単量体(C−2) 日本化成(株)製、トリアリルイソシアヌレート(TA
ICと称する) 5)多官能単量体(C−2) 大内新興化学(株)製、N,N,−mフェニレンビスマ
レイミド(PMIと称する) 6)単官能単量体(C−3) 旭化成工業(株)製、メタクリル酸メチル(MMAと称
する)
【0051】
【実施例1〜24、および比較例1】表1〜3に記載
の、(A)成分と(B)成分を用いて、(A)成分と
(B)成分の合計100重量部に対して、POX−1/
TAIC/MO(=0.6/1.2/30 重量部)を添
加した組成物を、バレル中央部に注入口を有した2軸押
出機(40mmφ、L/D=47)を用いて以下の条件
で製造した。スクリューとしては注入口の前後に混練部
を有した2条スクリューを用いた。
【0052】このようにして得られた組成物からTダイ
押出機を用いて、200℃で2mm厚のシートを作製
し、各種評価を行った。その結果を表1〜3に示した。 (押出条件) 1)溶融押出温度 220℃一定 2)吐出量Q=12kg/h 3)押出機 バレル内径D=25mm 4)押出機長さをL(mm)とした時のL/D=47 5)スクリュー回転数N=280rpm 表1〜3によると、本発明の(B)の要件を満足するこ
とにより、外観、感触、耐傷つき性、及び押出安定性
(品質安定性)が向上することが分かる。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【実施例25〜34】実施例4において、POX,TA
IC、などを表4の(C−1)〜(C−3)に変更し、
更に以下の定義に従って、溶融温度T2(℃)で、まず
溶融混練し、次いで溶融温度T3(℃)で溶融混練する
こと以外、同様の実験を繰り返した。その結果を表4に
示した。尚、(C−2)、(C−3)を併用する場合は、両
者を等量使用した。表4によると、以下の溶融条件で製
造することにより、感触、外観、真空成形性、耐傷つき
性、及び押出安定性(品質安定性)が向上することが分
かる。 T1:(C−1)の1分間半減期温度(℃) T1−100<T2<T1+40 T2+1<T3<T2+200
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】本発明の熱可塑性架橋ゴム組成物は、優
れた外観、感触、耐傷つき性、真空成形性、及び押出安
定性(品質安定性)を有している。本発明の組成物は、
自動車用部品、自動車用内装材、エアバッグカバー、機
械部品、電気部品、ケーブル、ホース、ベルト、玩具、
雑貨、日用品、建材、シート、フィルム等を始めとする
用途に幅広く使用可能であり、産業界に果たす役割は大
きい。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)架橋性ゴム状重合体と(B)非架
    橋性熱可塑性重合体とからなる、架橋されたゴム組成物
    であって、該(B)非架橋性熱可塑性重合体のJIS
    K6758で規定の曲げ弾性率が0.01〜500MP
    aであることを特徴とする熱可塑性架橋ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 (A)架橋性ゴム状重合体は、示差走査
    熱量測定法(DSC法)での結晶化温度が、−100〜
    100℃の範囲にあり、かつ結晶化ピーク熱量が3〜1
    00J/gの範囲にあることを特徴とする請求項1に記
    載の熱可塑性架橋性ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 (A)架橋性ゴム状重合体が、エチレン
    と炭素数3〜20のα−オレフィンを含有するエチレン
    ・α−オレフィン共重合体、またはエチレン・α−オレ
    フィン・非共役ジオレフィン共重合体、あるいは少なく
    とも一種の共役ジエン系単量体の単独重合体ゴム、また
    は共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体とからなる
    共重合体ゴムの、芳香族基を除く全二重結合の水素添加
    率が50%以上である水素添加ゴムである請求項1また
    は2に記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 (A)架橋性ゴム状重合体のエチレン・
    α−オレフィン共重合体が、メタロセン触媒を用いて製
    造されていることを特徴とする請求項3に記載の熱可塑
    性架橋ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 (B)非架橋性熱可塑性重合体が、共役
    ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体とからなる共重合
    体ゴムの、芳香族基を除く全二重結合の水素添加率が5
    0%以上である水素添加ゴムである請求項1〜4のいず
    れかに記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  6. 【請求項6】 さらに(C)架橋剤で架橋され、(D)
    軟化剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の熱可
    塑性架橋ゴム組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7863378B2 (en) 2006-08-31 2011-01-04 Asahi Kasei Chemicals Corporation Thermoplastic elastomer composition and modifier composition using the same

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