JP2001040230A - 熱可塑性ゴム系組成物 - Google Patents

熱可塑性ゴム系組成物

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JP2001040230A
JP2001040230A JP22004199A JP22004199A JP2001040230A JP 2001040230 A JP2001040230 A JP 2001040230A JP 22004199 A JP22004199 A JP 22004199A JP 22004199 A JP22004199 A JP 22004199A JP 2001040230 A JP2001040230 A JP 2001040230A
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Japan
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composition
weight
present
olefin
rubber
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JP22004199A
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English (en)
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Hajime Nishihara
一 西原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 柔軟性(触感)、機械的強度に優れてお
り、かつ生産性が向上するために品質の安定化を可能に
する熱可塑性ゴム系組成物の提供。 【構成】 (A)架橋性ゴム状重合体と(B)熱可
塑性樹脂とからなる組成物を架橋してなる熱可塑性ゴム
系組成物であって、架橋の際に、(C)架橋剤と(D)
連鎖移動剤を用いて得られたことを特徴とする部分的ま
たは完全に架橋された熱可塑性ゴム系組成物、とりわけ
(C)が有機過酸化物であり、(D)がα−メチルスチ
レンダイマーである熱可塑性ゴム系組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ゴム系組
成物に関するものである。更に詳しくは、外観、機械的
強度に優れており、かつ生産性が向上するために品質の
安定化を可能にする熱可塑性ゴム系組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ラジカル架橋性オレフィン系エラストマ
ー等のゴム状重合体とPP等のラジカル架橋性のないオ
レフィン系樹脂とをラジカル開始剤の存在下、押出機中
で溶融混練させながら架橋する、いわゆる動的架橋によ
る熱可塑性エラストマー組成物は、既に公知の技術であ
り、自動車部品等の用途に広く使用されている。
【0003】このようなオレフィン系エラストマーとし
て、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)ま
たはメタロセン触媒により製造されたオレフィン系エラ
ストマー(特開平8−120127号公報、特開平9−
137001号公報)が知られている。しかしながら、
上記組成物は外観と機械的強度が必ずしも充分でなく、
実用的使用に耐えるゴム系熱可塑性組成物が求められて
いる。
【0004】一方では、ポリエチレンを有機過酸化物で
架橋する際に、α−メチルスチレンダイマーが存在する
場合には、スコーチの生成を抑制しつつ、ポリエチレン
を高度に架橋することが可能であることが開示されてい
る。〔S.Suyama,Polymer Journal,Vol.27,No.4,pp371−
375(1995);S.Suyama,Polymer Journal,Vol.27,No.5,pp5
03−507(1995)〕しかしながら、上記公報には、架橋性
エラストマーと熱可塑性樹脂とからなる部分的または完
全に架橋された熱可塑性ゴム系組成物において、架橋反
応時にα−メチルスチレンダイマーが存在することによ
り、卓越した外観、機械的強度が発現することは開示も
示唆もされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち外観、機
械的強度に優れており、かつ生産性が向上するために品
質の安定化を可能にする熱可塑性ゴム系組成物を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は機械的強度
に優れた熱可塑性ゴム系組成物を鋭意検討した結果、ゴ
ム系組成物の製造の際に、架橋剤と連鎖移動剤を用いる
ことにより、驚くべきことに外観を保持しつつ、機械的
強度を飛躍的に向上せしめることを見出し、本発明を完
成した。
【0007】即ち本発明は、(A)架橋性ゴム状重合体
と(B)熱可塑性樹脂とからなる組成物を架橋してなる
熱可塑性ゴム系組成物であって、架橋の際に、(C)架
橋剤と(D)連鎖移動剤を用いて得られたことを特徴と
する部分的または完全に架橋された熱可塑性ゴム系組成
物、とりわけ(C)が有機過酸化物であり、(D)がα
−メチルスチレンダイマーである熱可塑性ゴム系組成物
を提供するものである。
【0008】以下、本発明に関して詳しく述べる。
【0009】本発明の組成物は、(C)架橋剤と(D)
連鎖移動剤を用いて得られた、(A)架橋性ゴム状重合
体と(B)熱可塑性樹脂とからなる部分的または完全に
架橋された熱可塑性ゴム系組成物である。
【0010】ここで、(C)と(D)を同時に用いるこ
とが必須である。(A)と(B)からなる組成物を動的
架橋する際に、有機過酸化物等の(C)が存在すること
により効率的に架橋反応が進行する。しかしながら、高
度の架橋度を達成するためには、(C)の添加量を増や
す必要があり、その結果(A)の架橋反応が急激に起こ
り、ゴム粒子の凝集または肥大化が起こり、外観を著し
く低下させたり、(B)の分子鎖が切断されて機械的強
度が低下する。この時に(D)が存在することにより、
急激な(A)の架橋反応を抑制し、かつ(B)の分子鎖
切断を抑制する結果として、優れた外観、機械的強度が
発現するだけでなく、生産性が向上するために品質の安
定化が可能となることを見出し、本発明を完成した。
【0011】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。
【0012】本発明において(A)架橋性ゴム状重合体
は、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下であること
が好ましく、このようなゴム状重合体は、例えば、ポリ
ブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ア
クリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上
記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴ
ム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアク
リル系ゴム及びエチレン−プロピレ共重合体ゴム、エチ
レン−プロピレンン−ジエンモノマー三元共重合体ゴム
(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体ゴム等の架
橋ゴムまたは非架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有す
る熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
【0013】本発明において(A)架橋性ゴム状重合体
の中でも、特にエチレン・α−オレフィン共重合体が好
ましく、エチレンおよび炭素数が3〜20のα−オレフ
ィンが更に好ましい。
【0014】上記炭素数3〜20のα−オレフィンとし
ては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン
−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデ
セン−1、ドデセン−1等が挙げられる。中でもヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1が好ま
しく、特に好ましくは炭素数6〜12のα−オレフィン
であり、とりわけオクテン−1が最も好ましい。オクテ
ン−1は少量でも柔軟化する効果に優れ、得られた共重
合体は機械的強度に優れている。
【0015】本発明において好適に用いられる(A)エ
チレン・α−オレフィン共重合体は、公知のメタロセン
系触媒を用いて製造することが好ましい。
【0016】一般にはメタロセン系触媒は、チタン、ジ
ルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体
と助触媒からなり、重合触媒として高活性であるだけで
なく、チーグラー系触媒と比較して、得られる重合体の
分子量分布が狭く、共重合体中のコモノマーである炭素
数3〜20のα−オレフィンの分布が均一である。
【0017】本発明において用いられる(A)エチレン
・α−オレフィン共重合体は、α−オレフィンの共重合
比率が1〜60重量%であることが好ましく、更に好ま
しくは10〜50重量%、最も好ましくは20〜45重
量%である。α−オレフィンの共重合比率が60重量%
を越えると、組成物の硬度、引張強度等の低下が大き
く、一方、1重量%未満では柔軟性、機械的強度が低下
する。
【0018】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
の密度は、0.8〜0.9g/cm3の範囲にあること
が好ましい。この範囲の密度を有するオレフィン系エラ
ストマーを用いることにより、柔軟性に優れ、硬度の低
いエラストマー組成物を得ることができる。
【0019】本発明にて用いられる(A)エチレン・α
−オレフィン共重合体は、長鎖分岐を有していることが
望ましい。長鎖分岐が存在することで、機械的強度を落
とさずに、共重合されているα−オレフィンの比率(重
量%)に比して、密度をより小さくすることが可能とな
り、低密度、低硬度、高強度のエラストマーを得ること
ができる。長鎖分岐を有するオレフィン系エラストマー
としては、USP5278272等に記載されている。
【0020】また、(A)エチレン・α−オレフィン共
重合体は、室温以上にDSCの融点ピークを有すること
が望ましい。融点ピークを有するとき、融点以下の温度
範囲では形態が安定しており、取扱い性に優れ、ベタツ
キも少ない。
【0021】また、本発明にて用いられる(A)のメル
トインデックスは、0.01〜100g/10分(19
0℃、2.16kg荷重)の範囲のものが好ましく用い
られ、更に好ましくは0.2〜10g/10分である。
100g/10分を越えると、組成物の架橋性が不十分
であり、また0.01g/10分より小さいと流動性が
悪く、加工性が低下して望ましくない。
【0022】本発明にて用いられる(A)は、複数の種
類のものを混合して用いても良い。そのような場合に
は、加工性のさらなる向上を図ることが可能となる。
【0023】本発明において(A)の中でも好ましい架
橋性ゴム状重合体の一つとして、熱可塑性エラストマー
があるが、その中でも特にポリスチレン系熱可塑性エラ
ストマーが好ましく、芳香族ビニル単位と共役ジエン単
位からなるブロック共重合体、または上記共役ジエン単
位部分が部分的に水素添加またはエポキシ変性されたブ
ロック共重合体等が挙げられる。
【0024】上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビ
ニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であ
り、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記
他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
【0025】また、上記ブロック共重合体を構成する共
役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等
を挙げることができる。
【0026】そして、ブロック共重合体のブロック構造
は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表
示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加さ
れた単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、
SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の整数)、S
(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)のリニア−
ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6
の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ
化合物等のカップリング剤残基。)で示され、B部分を
結合中心とする星状(スター)ブロック共重合体である
ことが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3型、
SBSBの4型のリニア−ブロック共重合体が好まし
い。
【0027】本発明において(B)熱可塑性樹脂は、
(A)と相溶もしくは均一分散し得るものであればとく
に制限はない。たとえば、ポリスチレン系、ポリフェニ
レンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル
系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンス
ルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレート
系等の単独もしくは二種以上を混合したものを使用する
ことができる。特に熱可塑性樹脂としてプロピレン系樹
脂等のオレフィン系樹脂が好ましい。
【0028】本発明で最も好適に使用されるプロピレン
系樹脂を具体的に示すと、ホモのアイソタクチックポリ
プロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとのア
イソタクチック共重合樹脂(ブロック、ランダムを含
む)等が挙げられる。
【0029】これらの樹脂から選ばれる少なくとも1種
以上の(B)熱可塑性樹脂が、(A)と(B)の合計1
00重量部中、1〜99重量部の組成比で用いられる。
好ましくは5〜90重量部、更に好ましくは20〜80
重量部、最も好ましくは20〜70重量部である。1重
量部未満では組成物の流動性、加工性が低下し、99重
量部を越えると組成物の柔軟性が不十分であり、望まし
くない。
【0030】また、本発明にて用いられるプロピレン系
樹脂のメルトインデックスは、0.1〜100g/10
分(230℃、2.16kg荷重)の範囲のものが好ま
しく用いられる。100g/10分を越えると、熱可塑
性エラストマー組成物の耐熱性、機械的強度が不十分で
あり、また0.1g/10分より小さいと流動性が悪
く、成形加工性が低下して望ましくない。
【0031】本発明において、(B)の中でも、エチレ
ンとプロピレンとのランダム共重合樹脂等のオレフィン
系ランダム共重合樹脂またはポリエチレン系樹脂と、オ
レフィン系ブロック共重合樹脂またはポリプロピレン系
樹脂との組み合わせが最も好ましい。このような二種の
オレフィン系樹脂を組み合わせることにより更に機械的
強度が向上する。
【0032】(A)と(B)からなる組成物100重量
部において、(B)は、1〜99重量部の組成比で用い
られる。好ましくは5〜90重量部、更に好ましくは2
0〜80重量部である。1重量部未満では組成物の流動
性、加工性が低下し、99重量部を越えると組成物の柔
軟性が不十分であり、望ましくない。
【0033】本発明において用いられる(C)架橋剤
は、(C−1)架橋開始剤あるいは(C−1)架橋開始
剤および(C−2)架橋助剤等からなる。
【0034】ここで、好ましく使用される(C−1)架
橋開始剤は、有機過酸化物、有機アゾ化合物等のラジカ
ル開始剤等が挙げられ、の具体的な例として、1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,
1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカ
ン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキ
サン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタ
ン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;ジ−
t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t
−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、
α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピ
ルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−
2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等
のジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオキサイ
ド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキサイドおよびm−トリオイルパ
ーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチ
ルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブ
チレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシ
イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマ
レイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート、およびクミルパーオキシオクテート等のパーオキ
シエステル類;ならびに、t−ブチルハイドロパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル
ヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび
1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等
のハイドロパーオキサイド類を挙げることができる。
【0035】これらの化合物の中では、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。
【0036】これらのラジカル開始剤は、(A)と
(B)からなる組成物100重量部に対し、好ましくは
0.02〜3重量部、更に好ましくは0.05〜1重量
部の量で用いられる。0.02重量部未満では架橋が不
十分であり、3重量部を越えても組成物の物性は向上せ
ず、好ましくない。
【0037】本発明において、(C)架橋剤の一つの
(C−2)架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、トリ
アリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ダ
イアセトンジアクリルアミド、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオキシ
ム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニ
ルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N’−m−
フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テト
ラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好
ましく用いられる。これらの架橋助剤は複数のものを併
用して用いてもよい。
【0038】これらの(C−2)架橋助剤は、(A)と
(B)からなる組成物100重量部に対し、好ましくは
0.1〜5重量部、更に好ましくは0.5〜2重量部の
量で用いられる。0.1重量部未満では架橋が不十分で
あり、5重量部を越えても組成物の物性は向上せず過剰
の架橋助剤が残存し、好ましくない。
【0039】本発明において用いられる(D)連鎖移動
剤は、架橋反応速度を制御するために加える連鎖移動し
やすい化合物であり、特にラジカル連鎖移動しやすい化
合物が好ましい。このような特性を有する化合物であれ
ば、低分子、高分子、触媒、溶媒、その他の添加剤等に
制限されない。
【0040】本発明における(D)については、"Polym
er Handbook" Edited by J.Brandrup,A Wiley−Intersc
ience Publication JOHN WILEY & SONS II/81に詳細に
連鎖移動の定義及び連鎖移動剤の例示がなされている。
中でもラジカル連鎖移動剤として、ブチルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン、tert−ドデシルメルカ
プタン等のアルキルメルカプタン、α−メチルスチレン
ダイマー、トリエチルアミン、ジメチルアセトアミド、
ジメチルフォルムアミド等の化合物が好ましく、特にα
−メチルスチレンダイマーが最も好ましい。これら連鎖
移動剤は、(A)と(B)から組成物100重量部に対
し、好ましくは0.01〜5重量部、更に好ましくは
0.1〜3重量部で用いられる。
【0041】本発明において、加工性の向上のために必
要に応じて、(E)軟化剤を配合することができる。
【0042】上記(E)は、パラフィン系、ナフテン系
などのプロセスオイルが好ましい。これらは組成物の硬
度、柔軟性の調整用に(A)と(B)からなる組成物1
00重量部に対して、5〜500重量部、好ましくは1
0〜150重量部用いる。5重量部未満では柔軟性、加
工性が不足し、500重量部を越えるとオイルのブリー
ドが顕著となり望ましくない。
【0043】本発明の組成物は、先に説明した(A)架
橋性ゴム状重合体、(B)オレフィン系樹脂、(E)軟
化剤を特定の組成比で組み合わせることにより、機械的
強度と柔軟性、加工性のバランスが改善され、好ましく
用いることができる。
【0044】また、本発明の組成物には、その特徴を損
ねない程度に無機フィラーおよび可塑剤を含有すること
が可能である。ここで用いる無機フィラーとしては、例
えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カ
ーボンブラック、ガラス繊維、酸化チタン、クレー、マ
イカ、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム等が挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、ポ
リエチレングリコール、ジオクチルフタレート(DO
P)等のフタル酸エステル等が挙げられる。また、その
他の添加剤、例えば、有機・無機顔料、熱安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオ
イル、アンチブロッキング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗
菌剤等も好適に使用される。
【0045】本発明の組成物の製造には、通常の樹脂組
成物、エラストマー組成物の製造に用いられるバンバリ
ーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、等の
一般的な方法を採用することが可能である。とりわけ効
率的に動的架橋を達成するためには2軸押出機が好まし
く用いられる。2軸押出機は、オレフィン系エラストマ
ーとプロピレン系樹脂とを均一かつ微細に分散させ、さ
らに他の成分を添加させて、架橋反応を生じせしめ、本
発明の組成物を連続的に製造するのに、より適してい
る。
【0046】本発明の組成物は、好適な具体例として、
次のような加工工程を経由して製造することができる。
すなわち、オレフィン系エラストマーとプロピレン系樹
脂とをよく混合し、押出機のホッパーに投入する。架橋
剤、架橋助剤を、オレフィン系エラストマーとプロピレ
ン系樹脂とともに当初から添加してもよいし、押出機の
途中から添加してもよい。またオイルを押出機の途中か
ら添加してもよいし、当初と途中とに分けて添加しても
よい。オレフィン系エラストマーとプロピレン系樹脂の
一部を押出機の途中から添加してもよい。押出機内で加
熱溶融し混練される際に、前記エラストマーと架橋剤お
よび架橋助剤とが架橋反応し、さらにオイル等を添加し
て溶融混練することにより架橋反応と混練分散とを充分
させたのち押出機から取り出すことにより、本発明の組
成物のペレットを得ることができる。
【0047】こうして得られたゴム系組成物は任意の成
形方法で各種成型品の製造が可能である。射出成形、押
出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡
成形等が好ましく用いられる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、これら実施例および比較例において、各種
物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。
【0049】(1)引張破断強度[kgf/cm2] Tダイ押出シートから、JIS K6251に準じ、2
3℃にて評価した。
【0050】(2)引張破断伸度[%] Tダイ押出シートから、JIS K6251に準じ、2
3℃にて評価した。
【0051】(3)外観 シート肌から以下の基準で外観評価を行った。
【0052】 ◎ 極めて良好 ○ 良好 △ 良好であるが、ややざらつく × 全体的にざらつく。光沢無し (4)柔軟性(触感) シート肌から以下の基準で柔軟性評価を行った。
【0053】 ◎ 極めて柔軟性、触感が良好 ○ 良好 △ 良好であるが、やや硬さが感じられる × 全体的に硬く、触感が悪い (5)押出安定性(品質の安定性) 溶融押出機を用い、樹脂組成物を10時間連続溶融押出
しを行い、1時間毎に得られた組成物から引張破断強度
を測定し、その強度変化から連続生産性(品質の安定
性)を評価した。10時間の最大と最小の引張破断強度
の差を押出安定性の指標とした。
【0054】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。
【0055】(イ)ゴム状重合体 エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−1) 特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オ
クテン−1の組成比は、72/28(重量比)である。
(TPE−1と称する) エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−2) 通常のチーグラー触媒を用いた方法により製造した。共
重合体のエチレン/オクテン−1の組成比は、72/2
8(重量比)である。(TPE−2と称する) エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合
体(TPE−3) 特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/プ
ロピレン/ジシクロペンタジエンの組成比は、72/2
4/4(重量比)である。(TPE−3と称する) スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体
(SEBS) 旭化成工業(株)製〔商品名 タフテック(SEBSと
称する)〕 スチレン−ブタジエン共重合体(SB) 旭化成工業(株)製〔商品名 タフプレン(SBと称す
る)〕 (ロ)オレフィン系樹脂 ポリプロピレン(PP−1) 日本ポリオレフィン(株)製、アイソタクチックホモポ
リプロピレン[MFR(30g/分)(ASTM D 1238に
準じ、230℃、2.16kg荷重)](PP−1と称
する) エチレン(ET)−プロピレン(PP)共重合樹脂
(PP−2) 日本ポリオレフィン(株)製、ランダムET−PP樹脂
[ET/PP=7/93(重量比)(商品名 PM940M)](PP−
2と称する) (ハ)架橋剤:架橋開始剤(C−1) 日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ25
B)(POXと称する) (ホ)架橋剤:架橋助剤(C−2) 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る) (へ)連鎖移動剤 三井化学(株)製、α−メチルスチレンダイマー(M
SDと称する) 和光純薬(株)製、tert−ドデシルメルカプタン(D
MCと称する) (ト)パラフィン系オイル 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル PW−9
0(MOと称する) 実施例1、比較例1 東洋精機製作所製ラボプラストミルを用いて、表1記載
の組成物を、設定温度160℃で回転数100rpmの
条件で、20分間溶融混練した。但し、MO以外の成分
をまず10分間溶融混練した後に、MOを添加し更に1
0分間上記の条件で溶融混練を行った。その結果は表1
及び図1に示されている。
【0056】
【表1】
【0057】表1及び図1によると、(D)連鎖移動剤
を用いることにより、架橋速度が制御される結果、架橋
ゴム粒子の凝集が抑制され、外観が向上するだけでな
く、引張破断強度に優れていることが分かる。引張破断
強度が優れている理由については、(D)成分が、架橋
開始剤によって起こる(B)成分の分解を抑制している
ためであると示唆される。(D)を添加しない組成物で
は、架橋反応のトルクピーク後、トルクの低下が著しい
ことからも上記事実が理解される。
【0058】実施例2〜12、比較例2〜4 押出機として、バレル中央部に注入口を有した2軸押出
機(40mmφ、L/D=47)を用い、スクリューと
しては注入口の前後に混練部を有した2条スクリューを
用いた。
【0059】表2記載の組成物において、シリンダー温
度200℃で溶融押出を行った。MOを用いる場合は、
押出機の中央部にある注入口からポンプにより注入し、
溶融押出を行った。
【0060】このようにして得られた組成物からTダイ
押出機を用いて、200℃で2mm厚のシートを作製
し、各種評価を行った。
【0061】その結果は表2に示されている。
【0062】
【表2】
【0063】本発明の要件を満足する組成物は、外観、
機械的強度に優れており、かつ生産性が向上するために
品質の安定化を可能にする熱可塑性ゴム系組成物である
ことが分かる。また特に(A)として、メタロセン系触
媒を用いて製造された、エチレンとオクテン−1との共
重合体は卓越した機械的強度を付与する事が分かる。
【0064】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ゴム系組成物は、柔軟
性(触感)、機械的強度に優れており、かつ生産性が向
上するために品質の安定化を可能にする。
【0065】本発明の組成物は、自動車用部品、自動車
用内装材、エアバッグカバー、機械部品、電気部品、ケ
ーブル、ホース、ベルト、玩具、雑貨、日用品、建材、
シート、フィルム等を始めとする用途に幅広く使用可能
であり、産業界に果たす役割は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、比較例1のラボプラストミルによ
る、トルク(kgm)、温度(℃)変化を示した図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 91/00 C08L 91/00 Fターム(参考) 4J002 AC03W AC06W AC07W AC08W AC09W AE05Y BB00X BB05W BB12X BB14X BB15W BB15X BB17W BC02X BC05W BD05X BG04W BG05X BG10W BP01W BP02X CF00X CG00X CH07X CL00X CN01X EA047 EK036 EK046 EK056 EK076 EQ016 FD02Y FD146 FD147

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)架橋性ゴム状重合体と(B)熱可
    塑性樹脂とからなる組成物を架橋してなる熱可塑性ゴム
    系組成物であって、架橋の際に、(C)架橋剤と(D)
    連鎖移動剤を用いて得られたことを特徴とする部分的ま
    たは完全に架橋された熱可塑性ゴム系組成物。
  2. 【請求項2】 (C)が有機過酸化物であり、(D)が
    α−メチルスチレンダイマーである請求項1記載の熱可
    塑性ゴム系組成物。
  3. 【請求項3】 更に(E)軟化剤を配合することを特徴
    とする請求項1または2記載の熱可塑性ゴム系組成物。
  4. 【請求項4】 (A)がエチレンと炭素数3〜20のα
    −オレフィンを含有するエチレン・α−オレフィン共重
    合体であり、(B)がオレフィン系樹脂である請求項1
    〜3のいずれか記載の熱可塑性ゴム系組成物。
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