JP4447803B2 - プレキャストボックスカルバートの敷設工法およびコンクリート構造物の移動方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、共同溝や下水道工事等に使用するプレキャストボックスカルバートを敷設位置まで移動し、据え付けるプレキャストボックスカルバートの敷設工法、およびコンクリート構造物の移動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プレキャストボックスカルバートは、下水道、共同溝、地下道などの暗渠を形成するために複数個を連ねて敷設している。このようなプレキャストボックスカルバートの敷設工事では、道路幅員が狭い、施工両側に家が密集している、あるいは橋梁の下であるなどの現場の工事条件により、プレキャストボックスカルバートの移動にクレーン等の大型機械が使用できない場合は、ボックスベアリング工法、BCCS工法あるいはエアーキャスター工法等が用いられている。
【0003】
ボックスベアリング工法は、基礎コンクリートにレール(H形鋼)を設置し、このレール内にベアリング(鋼球)を配設して、搬入口からプレキャストボックスカルバートをクレーンにてレール上に搬入し、プレキャストボックスカルバートの下面に設けたガイドとベアリングとの転がり接触を利用して、ウインチによりプレキャストボックスカルバートをけん引して横引きするものである。
【0004】
また、BCCS工法(特公平2―35095号公報、実公平1―11825号公報参照)は、プレキャストボックスカルバート台車敷設工法であって、レールを敷設し、このレール上を走行する自走式の台車によってプレキャストボックスカルバートを敷設位置まで搬送し、上下方向の調整を油圧ジャッキのストロークで、横方向の調整をスライド機構で行い、プレキャストボックスカルバートを据え付けるものである。
【0005】
また、エアーキャスター工法は、円滑面(スキッド面)としての軌道面をトタン板により形成し、この軌道面とプレキャストボックスカルバートとの間に、エアーキャスターのドーナッツ状の中空バックを介在させ、この中に空気を送り込んでプレキャストボックスカルバートを浮上させて、軌道面上を移動させるものである。このとき、ドーナッツ状の中空バックの下面と軌道面との間から空気が外部に逃げて、薄い空気の膜が形成され、エアーキャスターと軌道面との間の摩擦係数が著しく小さいものとなっており(摩擦係数μ=0.003程度)、これにより僅かの力でプレキャストボックスカルバートを移動させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の何れの工法も、基礎コンクリートに設けるレール(H形鋼)や、自走式の台車や、あるいはエアーキャスターといった大掛かりな設備を必要とするため、工費が高くなるという問題がある。
また、上記何れの方法も、プレキャストボックスカルバートを移動させるために、基礎コンクリート面に凹凸を設けて、プレキャストボックスカルバートと基礎コンクリートとの間を離間させる必要があるので、プレキャストボックスカルバートを据え付けた後に、この隙間をモルタルやセメントミルク等の充填材によって充填する作業が必要となるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、簡単な設備で容易にプレキャストボックスカルバートを敷設位置まで移動することができるプレキャストボックスカルバートの敷設工法を提供することを目的とする。
また、本発明は、プレキャストボックスカルバートを据え付けた後に、プレキャストボックスカルバートの下面の下側にモルタル等の充填材を充填する作業を省略することができるプレキャストボックスカルバートの敷設工法を提供することを目的とする。
また、本発明は、簡単な設備で容易にコンクリート構造物を所定位置まで移動することができるコンクリート構造物の移動方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のプレキャストボックスカルバートの敷設工法は、
プレキャストボックスカルバートの敷設位置まで滑走面を形成する工程と、
前記プレキャストボックスカルバートの下面に、水分を吸収するとゲル化するポリマーを含む摩擦低減材を設ける工程と、
前記摩擦低減材に水分を与えて水分を吸収させる工程と、
水分を吸収した前記摩擦低減材が設けられた前記プレキャストボックスカルバートを、前記滑走面上で移動させる工程と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載のプレキャストボックスカルバートの敷設工法は、
基礎コンクリートを施工する工程と、
この基礎コンクリートの両側にガイドを設置する工程と、
これらのガイドの間に敷モルタルを施工する工程と、
この敷モルタル上に、プレキャストボックスカルバートの敷設位置まで滑走面を形成する工程と、
前記プレキャストボックスカルバートの下面に、水分を吸収するとゲル化するポリマーを含む摩擦低減材を設ける工程と、
前記摩擦低減材に水分を与えて水分を吸収させる工程と、
水分を吸収した前記摩擦低減材が設けられた前記プレキャストボックスカルバートを、前記滑走面上で移動させる工程と、
移動してきた前記プレキャストボックスカルバートを、既に据え付け済みのプレキャストボックスカルバートに連結して据え付ける工程と、
据え付けられた前記プレキャストボックスカルバートの側面と前記ガイドとの間に、充填材を充填する工程と、
を備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載のコンクリート構造物の移動方法は、
コンクリート構造物の移動位置まで滑走面を形成する工程と、
前記コンクリート構造物の下面に、水分を吸収するとゲル化するポリマーを含む摩擦低減材を設ける工程と、
前記摩擦低減材に水分を与えて水分を吸収させる工程と、
水分を吸収した前記摩擦低減材が設けられた前記コンクリート構造物を、前記滑走面上で移動させる工程と、
を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載のプレキャストボックスカルバートの敷設工法またはコンクリート構造物の移動方法は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の発明において、前記摩擦低減材に作用する設置圧が0.5Kgf/cm2以上に設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項1および請求項2に記載の発明においては、滑走面を設ける一方、プレキャストボックスカルバートの下面に、水分を吸収するとゲル化するポリマーを含む摩擦低減材を設けて、これに水分を与えることにより、ポリマーをゲル化して摩擦低減材の摩擦力を低減するので、プレキャストボックスカルバートを滑走面上で容易に移動させることができる。したがって、大掛かりな設備を用いることなく、簡単にプレキャストボックスカルバートを敷設することができるので、工費を低減することができる。
特に、プレキャストボックスカルバートの移動距離が短い区間における簡便な敷設方法として有効である。
また、通常のトラッククレーン等を用いた吊り下げ施工を行っている場合でも、支障物がある個所などに部分的に利用することができる。
さらに、プレキャストボックスカルバートに対して、この工法を実施するために加工や細工を特に施す必要がないという利点がある。
【0013】
さらに、請求項2に記載の発明においては、ガイドの間の基礎コンクリート上の敷モルタル上に形成された滑走面上で、プレキャストボックスカルバートを移動させるので、プレキャストボックスカルバートの下面の下側に隙間が必要でないため、プレキャストボックスカルバートを据え付けた後に、プレキャストボックスカルバートの下面の下側にモルタル等の充填材を充填する作業を省略することができる。したがって、工費を低減することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明においては、滑走面を設ける一方、コンクリート構造物の下面に、水分を吸収するとゲル化するポリマーを含む摩擦低減材を設けて、これに水分を与えることにより、ポリマーをゲル化して摩擦低減材の摩擦力を低減するので、コンクリート構造物を滑走面上で容易に移動させることができる。したがって、大掛かりな設備を用いることなく、簡単にコンクリート構造物を移動させることができるので、工費を低減することができる。
本発明は、特に大型のコンクリート構造物を移動させるのに有効である。
また、特に、コンクリート構造物の移動距離が短い区間における簡便な移動方法として有効である。
また、通常のトラッククレーン等を用いた移動を行っている場合でも、支障物がある個所などに部分的に利用することができる。
さらに、コンクリート構造物に対して、この移動方法を実施するために加工や細工を特に施す必要がないという利点がある。
【0015】
請求項4に記載の発明においては、摩擦低減材に作用する設置圧(面圧)が0.5Kgf/cm2以上になると、摩擦低減材と滑走面との間の摩擦係数が十分低くなり、僅かな力でプレキャストボックスカルバートまたはコンクリート構造物を容易に動かすことができる。
【0016】
ここで、上記各請求項において、「水分を吸水するとゲル化するポリマー」とは、水分を吸収するとゲル化する高分子化合物などをいい、例えば、架橋ポリアクリル酸塩の高分子化合物などを含む。「摩擦低減材」は、この水分を吸収するとゲル化するポリマーが、不織布、ゴム、紙あるいは発泡ウレタンなどに混ぜられて形成されているものである。
また、請求項1、請求項2および請求項4において、「プレキャストボックスカルバート」とは、その外形形状に拘わらず所定長さの中空枠体(枠体内でさらに複数に分割されたものを含む)をいうものとする。
また、請求項3および請求項4において、「コンクリート構造物」とは、プレキャストボックスカルバート等のプレキャストコンクリート二次製品のほか、U型水路、コンクリートケーソンなどを含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図7は、本発明の実施の形態に係るプレキャストボックスカルバートの敷設工法を説明するための図であって、図1は、フローチャートである。図2は、プレキャストボックスカルバートと他の部材との関係を示す断面図である。図3は、図2の円部Aの拡大図である。図4は、ガイドレールの平面図である。図5は、摩擦低減材を貼付したプレキャストボックスカルバートの側面図である。図6は、図5の円部Bの拡大図である。図7は、後埋めモルタルを充填した状態の部分断面図である。
【0018】
本実施の形態に係るプレキャストボックスカルバートの敷設工法では、図1に示すように、先ず、施工区間を掘削する(ステップS1)。
次いで、基礎砕石を施工した(ステップS2)後、基礎コンクリートを施工する(ステップS3)。このとき、図2および図3に示すように、基礎コンクリート10の両サイドには、ガイドレール(ガイド)20,20を平行に配置して、後打ちアンカーにて取り付ける。図4に示すように、各ガイドレール20は、例えば高さ(一辺の長さ)が50mm程度の鋼製のアングル(等辺山形鋼)21がその一辺を内側に向けて配置され、このアングル21の内側端に、平鋼(フラットバー)を溶接して山形に形成した押え部22が複数個当接され、溶接により固定されて形成されている。2本のガイドレール20,20は、プレキャストボックスカルバート(コンクリート構造物)Kの幅の寸法より40〜60mm程度広くなるように離間させて設置する。
【0019】
次に、図2および図3に示すように、ガイドレール20,20の間の基礎コンクリート10上に、ガイドレール20の高さの40〜60%程度の高さに、空練りモルタルからなる敷モルタル30を敷き均して、入念に締固める(ステップS4)。このとき、ガイドレース20,20が、敷モルタル30により基礎コンクリート10上に固定される。
【0020】
次に、例えば厚さ0.3〜0.4mm程度で幅300mm程度の薄いトタン板(亜鉛鉄板)からなる滑走シート(滑走面)40,40を、敷モルタル30の両端部にガイドレール20に沿って敷並べる。滑走シート40の延長方向(ガイドレール20に沿う方向)の接続部は、プレキャストボックスカルバートKの移動時に引っ掛からないように、滑走シート40の端部を重ねて、アルミテープ等のテープで養生する(ステップS5)。
なお、滑走シート40は、表面が円滑な面を備えたものであればよく、トタン板以外のものも使用することができる。
【0021】
次に、下面に帯板状の摩擦低減材50,50を貼り付けたプレキャストボックスカルバートKを、クレーン等により抗内の所定位置に荷卸しする(ステップS6)。
ここで、摩擦低減材50は、水分を吸収するとゲル化する吸水性のポリマーを含む不織布からなるものである。この摩擦低減材50,50は、プレキャストボックスカルバートKの下面の両端部に、プレキャストボックスカルバートKの進行方向(滑走シート40の延長方向)に沿って後端まで、接着剤などによって固定する。各摩擦低減材50,50は、プレキャストボックスカルバートKのガイドレール10,10側の側端から例えば50mm程度離して貼り付ける。各摩擦低減材50,50は、例えば幅が140mm程度のものが用いられ、荷卸ししたときに、左右の各摩擦低減材50,50が左右の各滑走シート40,40上に置かれる。また、図6に示すように、各摩擦低減材50,50は、プレキャストボックスカルバートKの進行方向前側端面の下端部まで設ける。
【0022】
この摩擦低減材50は、プレキャストボックスカルバートKに貼り付けた(ステップS21)後、出荷して(ステップS22)、現場に仮置きし(ステップS23)、プレキャストボックスカルバートKを抗内に荷卸しする(ステップS6)前に、摩擦低減材50に噴霧機等によって散水して、摩擦低減材50に水分を与えゲル化しておく。なお、摩擦低減材50を現場においては貼り付けるようにすることもできる。
【0023】
次に、プレキャストボックスカルバートKを、人力またはウインチ等により、据付位置まで移動させる(ステップS7)。
この移動のときに、摩擦低減材50の吸水性ポリマーが水分を吸収してゲル化し、摩擦低減材50の摩擦力が低減しているので、この摩擦低減材50と滑走シート40との間の摩擦係数が低くなり、小さな力で容易にプレキャストボックスカルバートKは移動する。
【0024】
摩擦低減材50に作用する設置圧(面圧)は、0.5Kgf/cm2以上になるように設定するのが好ましい。このようにすると、摩擦低減材50と滑走シート40との間の摩擦係数μを0.006程度以下にすることができる。摩擦低減材50に作用する設置圧(面圧)は、プレキャストボックスカルバートKに貼り付ける摩擦低減材50の大きさや、枚数を変えることにより変えることができる。
【0025】
なお、滑走シート40にも散水し、荷卸後にも、摩擦低減材50に水分を与えるようにしてもよい。また、荷卸前に摩擦低減材に水分を与える代わりに、滑走シート40に散水しておき、プレキャストボックスカルバートKの荷卸後に、この滑走シート40の水分によって摩擦低減材50の水溶性ポリマーをゲル化して、摩擦低減材50の摩擦力を低減するようにしてもよい。
【0026】
据付位置では、プレキャストボックスカルバートKを左右に動かして、左右の微調整を行い、既に据え付けられているプレキャストボックスカルバートと連結して据え付ける(ステップS8)。その後、順次、プレキャストボックスカルバートKの荷卸(ステップS6)、移動(ステップS7)、据付(ステップS8)を繰り返して所定個数を連結する。
次に、図7に示すように、各プレキャストボックスカルバートKの側面と両ガイドレール20,20との両隙間に、後埋めモルタル(充填材)60を充填し(ステップS9)、各プレキャストボックスカルバートKを固定する。
最後に、土を埋め戻して(ステップS10)、作業を完了する。
【0027】
このようなプレキャストボックスカルバートの敷設工法にあっては、敷モルタル30上に滑走シート40,40を設ける一方、プレキャストボックスカルバートKの下面に、水分を吸収するとゲル化する吸水性のポリマーを含む不織布からなる摩擦低減材50,50を設けて、これに水分を与えることにより、プレキャストボックスカルバートKを滑走シート上で容易に移動させることができる。したがって、大掛かりな設備を用いることなく、簡単にプレキャストボックスカルバートKを敷設することができるので、工費を低減することができる。
特に、プレキャストボックスカルバートKの移動距離が短い区間における簡便な敷設方法として有効である。
また、通常のトラッククレーン等を用いた吊り下げ施工を行っている場合でも、支障物がある個所などに部分的に利用することができる。
さらに、プレキャストボックスカルバートKに対して、この工法を実施するために加工や細工を特に施す必要がない。
【0028】
また、ガイドレール20,20間の基礎コンクリート10上に敷き均された敷モルタル30上に設けられた滑走シート40,40上で、プレキャストボックスカルバートKを移動させるので、プレキャストボックスカルバートKの下面の下側に隙間が必要でない。そのため、プレキャストボックスカルバートKを据え付けた後に、プレキャストボックスカルバートKの下面の下側にモルタル等の充填材を充填する作業を省略することができる。したがって、工費を低減することができる。
【0029】
なお、上記実施の形態では、摩擦低減材50として、水分を吸収するとゲル化する吸水性のポリマーを含む不織布からなるものを用いたが、摩擦低減材としては、水分を吸収するとゲル化する吸水性のポリマー(高分子化合物など)を含むものであればよく、例えば、水分を吸収するとゲル化する吸水性のポリマーを含むゴムや、水分を吸収するとゲル化する吸水性のポリマーを含む紙、あるいは水分を吸収するとゲル化する吸水性のポリマーを含む発泡ウレタンなどを用いることができる。
【0030】
さらには、上記実施の形態では、プレキャストボックスカルバートの敷設方法について説明したが、これに限らず、水分を吸収するとゲル化する吸水性のポリマーを含む不織布等からなる摩擦低減材をコンクリート構造物の下面に設け、この摩擦低減材に水分を与えて吸収させるとともに、トタン板等の滑走シート等により滑走面を形成し、この滑走面上でコンクリート構造物を移動させるようにすれば、コンクリート構造物、特に大型の、したがって重量の大きなコンクリート構造物の移動を簡単な設備で容易に行うことができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載のプレキャストボックスカルバートの敷設工法によれば、大掛かりな設備を用いることなく、簡単にプレキャストボックスカルバートを敷設することができるので、工費を低減することができる。特に、プレキャストボックスカルバートの移動距離が短い区間における簡便な敷設方法として有効である。また、支障物がある個所などに部分的に利用することができる。さらに、プレキャストボックスカルバートに対して、この工法を実施するために加工や細工を特に施す必要がない
【0032】
請求項2に記載のプレキャストボックスカルバートの敷設工法によれば、請求項1の作用効果を奏することができるのは勿論、プレキャストボックスカルバートを据え付けた後に、プレキャストボックスカルバートの下面の下側にモルタル等の充填材を充填する作業を省略することができ、さらに工費を低減することができる。
【0033】
請求項3に記載のコンクリート構造物の移動方法によれば、大掛かりな設備を用いることなく、簡単にコンクリート構造物を移動させることができるので、工費を低減することができる。本発明は、特に大型のコンクリート構造物を移動させる場合に有効である。また、特に、コンクリート構造物の移動距離が短い区間における簡便な移動方法として有効である。また、通常のトラッククレーン等を用いた移動を行っている場合でも、支障物がある個所などに部分的に利用することができる。さらに、コンクリート構造物に対して、この移動方法を実施するために加工や細工を特に施す必要がない。
【0034】
請求項4に記載のプレキャストボックスカルバートの敷設工法およびコンクリート構造物の移動方法によれば、摩擦低減材と滑走面との間の摩擦係数を十分低くすることができるので、僅かな力でプレキャストボックスカルバートまたはコンクリート構造物を動かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプレキャストボックスカルバートの敷設工法を説明するためのフローチャートである。
【図2】プレキャストボックスカルバートと他の部材との関係を示す断面図である。
【図3】図2の円部Aの拡大図である。
【図4】ガイドレールの平面図である。
【図5】摩擦低減材を貼付したプレキャストボックスカルバートの側面図である。
【図6】図5の円部Bの拡大図である。
【図7】後埋めモルタルを充填した状態の部分断面図である。
【符号の説明】
10 基礎コンクリート
20 ガイドレール(ガイド)
30 敷モルタル
40 滑走シート(滑走面)
50 摩擦低減材
60 モルタル(充填材)
K プレキャストボックスカルバート(コンクリート構造物)
Claims (4)
- プレキャストボックスカルバートの敷設位置まで滑走面を形成する工程と、
前記プレキャストボックスカルバートの下面に、水分を吸収するとゲル化するポリマーを含む摩擦低減材を設ける工程と、
前記摩擦低減材に水分を与えて水分を吸収させる工程と、
水分を吸収した前記摩擦低減材が設けられた前記プレキャストボックスカルバートを、前記滑走面上で移動させる工程と、
を備えていることを特徴とするプレキャストボックスカルバートの敷設工法。 - 基礎コンクリートを施工する工程と、
この基礎コンクリートの両側にガイドを設置する工程と、
これらのガイドの間に敷モルタルを施工する工程と、
この敷モルタル上に、プレキャストボックスカルバートの敷設位置まで滑走面を形成する工程と、
前記プレキャストボックスカルバートの下面に、水分を吸収するとゲル化するポリマーを含む摩擦低減材を設ける工程と、
前記摩擦低減材に水分を与えて水分を吸収させる工程と、
水分を吸収した前記摩擦低減材が設けられた前記プレキャストボックスカルバートを、前記滑走面上で移動させる工程と、
移動してきた前記プレキャストボックスカルバートを、既に据え付け済みのプレキャストボックスカルバートに連結して据え付ける工程と、
据え付けられた前記プレキャストボックスカルバートの側面と前記ガイドとの間に、充填材を充填する工程と、
を備えていることを特徴とするプレキャストボックスカルバートの敷設工法。 - コンクリート構造物の移動位置まで滑走面を形成する工程と、
前記コンクリート構造物の下面に、水分を吸収するとゲル化するポリマーを含む摩擦低減材を設ける工程と、
前記摩擦低減材に水分を与えて水分を吸収させる工程と、
水分を吸収した前記摩擦低減材が設けられた前記コンクリート構造物を、前記滑走面上で移動させる工程と、
を備えていることを特徴とするコンクリート構造物の移動方法。 - 前記摩擦低減材に作用する設置圧が0.5Kgf/cm2以上に設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のプレキャストボックスカルバートの敷設工法またはコンクリート構造物の移動方法。
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