JP4435569B2 - 常温に近い温度で製造され及び動作する、化学的検出材料としての半導体材料の用途 - Google Patents

常温に近い温度で製造され及び動作する、化学的検出材料としての半導体材料の用途 Download PDF

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Description

本発明は、化学センサ装置、化学センサ装置の製造方法及び化学センサ装置を用いた分析物の検出方法に関する。
近年、嗅覚や味覚を模倣した装置の開発が進んでいる。これらの装置は、通常それぞれ電子の鼻及び電子の舌と呼ばれ、例えば娯楽用ロボット、識別システム、品質管理システム、環境モニタリング、医療診断等の広範囲に亘る用途に適している。しかしながら、実際に製品化されている電子の鼻は非常に少ない。これらの装置では、「匂い(odour)」の試料を識別及び分類することができるが、上述した多くの高度な用途における要求を満たすためには、更なる改良が必要である。これらの用途では、多くの場合、より高い感度、より高い識別能力、より速い応答、より高い安定性、及びより低い消費電力が要求される。これらの機能は、装置で用いられている化学センサの特性に強く依存するので、このような電子の鼻及び電子の舌の高度な用途における要求を満たす改良されたセンサの実現が強く望まれている。現在開発中のセンサの原理の概要については、「ジェイ・ダブリュー・ガードナー(J. W. Gardner)及びピー・エヌ・バートレット(P. N. Bartlett)著、電子の鼻−原理及び用途(Electronic noses-Principles and applications)、1999年、67〜116頁、オックスフォード大学出版部(Oxford University Press)、オックスフォード」に記載されている。
現在、幾つかのガスセンサが製品化されており、このようなセンサとしては、例えばタグチセンサ(Taguchi sensor)とも呼ばれる金属酸化物センサがある。これらの金属酸化物センサは、多孔性の金属酸化物からなり、通常金属がドープされている。これらのセンサは、分析物を金属酸化物の表面上で燃焼できるように、100〜600℃に加熱されて動作し、酸素濃度の変化、したがって導電率の変化を起こさせる。金属酸化物センサは、多くの場合、毒性又は可燃性のガスを検出するための単一の装置として採用されている。金属酸化物センサは、電子の鼻のアレーとして用いることもできるが、選択性の無いことから、匂いを認識する用途は、現在のところ限られている。
ジェイ・コン(J. Kong)、エヌ・アール・フランクリン(N. R. Franklin)、シー・チョウ(C. Zhou)、エム・ジー・チャプリン(M. G. Chapline)、エス・パン(S. Peng)、ケー・チョー(K. Cho)、ケー・ダイ(K. Dai)著、サイエンス,2000,287(Science, 2000, 287)、622〜625頁には、個別の単層カーボンナノチューブ(individual single-walled carbon nanotube:以下、SWNTという。)を用いた化学センサが開示されている。半導体のSWNTが、常温において、例えばNOやNH等の気体の分子である分析物の分子に数秒間晒されると、SWNTの電気抵抗は、最大3桁で変化することが見出されている。化学センサは、SiO/Si基板上にパターン化された触媒アイランドからの個々の単体のSWNTの化学蒸着による成長を制御することによって得られる。センサの可逆性は、周囲条件による緩やかな回復又は高温に加熱することによって実現される。例えば、SWNTのサンプルの導電率は、NOの流れを純粋なArの流れに代えた後、常温において、約12時間の代表的な回復時間をかけて、緩やかに回復する。
ゼット・ダブリュー・パン(Z. W. Pan)、ゼット・アール・ダイ(Z. R. Dai)、ゼット・エル・ワング(Z. L. Wang)著、サイエンス,2001,291(Science, 2001, 291)、1974〜1949頁には、市販されている所望の金属酸化物を高温で蒸発させることにより、亜鉛、スズ、インジウム、カドミウム、ガリウムの酸化物半導体を極めて長いベルト状のナノ構造(ultralong beltlike nanostructures)、いわゆるナノベルト(nanobelt)に合成する手法が開示されている。合成酸化物ナノベルト(as-synthesized oxide nanobelts)は、純粋で、構造的に均一で、単結晶であり、これらの多くは、結晶欠陥及び転位がない。これらの酸化物ナノベルトの断面の幅は、一般的に、30〜300nmであり、幅対厚さの比は、5〜10であり、長さは、最大数mmである。この文献では、ドープされたナノベルトをナノサイズセンサとして用いる用途が提案されている。
ブイ・ボンダレンカ(V. Bondarenka)、エス・グレビンスキー(S. Grebinskij)、エス・ミケビシウス(S. Mickevicius)、エイチ・ツァルダウスカ(H. Tsardauskas)、ゼット・マルツナス(Z. Martunas)、ブイ・ボルコフ(V. Volkov)、ジー・ザクハロワ(G. Zakharova)著、Phys.Stat.SOL.,1998,A169,289〜294頁には、ポリバナジウム酸キセロゲル(poly-vanadium acid xerogel)又は、バナジウムを部分的にモリブデン又はチタンで置換したポリバナジウム酸を基体とするキセロゲルの電気的特性に、湿気が与える影響が説明されている。薄膜サンプルの導電率は、湿度が上昇するにつれて指数関数的に増加し、したがってこれらの薄膜は、湿度センサとして適している。バナジウム−金属−酸素材料の薄膜は、ゾルゲル法によって作製される。五酸化バナジウム粉末及び他の成分は、273Kの温度で、過酸化水素水に溶解された。この溶液をオープンビーカに入れ、353Kの温度で1/2時間加熱した。これにより得られたゲルを、スクリーン印刷法により基板に塗布させ、空気中で333Kの温度で焼き固めさせた。これにより得られた全ての化合物は、層間距離が11.1〜11.5Åの層構造を有する。化合物に含まれる水の量は、相対湿度RHに依存し、RHが高くなると増加する。
エス・カポネ(S. Capone)、アール・レラ(R. Rella)、ピー・シシリアーノ(P. Siciliano)、エル・バサネリ(L. Vasanelli)著、固体薄膜、1999,350(Thin Solid Films, 1999,350)、264〜268頁には、V及びWOのバルク(bulk)からなる薄膜の物理特性及びガス検出特性の研究成果が開示されている。ここでは、スパッタリングによって、酸化バナジウムと酸化タングステンからなる厚さ約200nmの感ガス膜を形成している。ガス検査用のサンプルは、加熱された試料ホルダ上に載置され、異なるガス濃度に晒された。両方の物質とも、高温においては、導電率が温度に対して強い指数関数的な依存性が観察された。また、NOガスに晒すことにより、薄膜の電気抵抗が高まることが観察された。WOベースのセンサは、Vベースのセンサよりも高い感度を示した。更に、酸化タングステン薄膜は、サブppmのオーダの非常に低い濃度のNOを検出することができた。Vベースのセンサは、最大50〜500ppmの範囲の高濃度のNOの検出に用いることができた。
ゼット・エー・アンサー(Z. A. Ansari)、アール・エヌ・カレカ(R. N. Kareka)、アール・シー・アイヤ(R. C. Aiyer)、固体薄膜、1997,305(Thin Solid Films 1997,305)、330〜335頁には、様々な酸化物材料、特にバルクの(bulk-)Vのクラッド(cladding)を有する平面光導波路(planar optical waveguide)を用いた湿度センサが開示されている。平面光導波路は、イオン交換プロセスを用いて、ソーダ石灰ガラス基板上に形成されている。導波路表面には、多孔性の酸化物半導体の膜がスクリーン印刷される。ここで、相対湿度(RH)を3%から98%に変化させた。クラッドの長を3mmとし、クラッドの厚を25μmとした場合、Vは、5秒の反応時間と、30分の回復時間を示した。Vクラッドには、8%のヒステリシスが観察された。
アール・レラ(R. Rella)、ピー・シシリアーノ(P. Siciliano)、エー・クリセンチ(A. Cricenti)、アール・ゲネロシ(R. Generosi)、エル・バンゼッティ(L. Vanzetti)、エム・アンダール(M. Anderle)、シー・コルッツァ(C. Coluzza)著、固体薄膜、1999,349(Thin Solid Films 1999,349)、254〜259頁には、バルク酸化バナジウム薄膜(bulk vanadium oxide thin film)の物理的性質及び気体−表面相互作用の研究成果が開示されている。酸化バナジウムの薄膜は、高周波反応性スパッタリング(r. f. reactive sputtering)によって作製される。感度特性を評価するために、この薄膜は、様々なガス中で電気的に試験された。15%の酸素を含むAr−O混合気で成長された薄膜は、最も良好な感度特性を示し、280〜300℃の動作温度で、最高の応答を示した。
多くの場合、五酸化バナジウムは、例えばWO等のより感度が高い物質と組み合わされて形成された感応性被膜(sensitive coating)において、二次的な成分として用いられているに過ぎない。エックス・ワング(X. Wang)、エヌ・ミウラ(N. Miura)、エヌ・ヤマゾネ(N. Yamazone)著、センサ及びアクチュエータ,2000,B66(Sensors and ACTUATORS, 2000, B66)、74〜76頁には、NH及びNOを検出するWOベースの検出物質が報告されている。ここでは、1wt%の金属酸化物にロードされたガス検出材料が作製されている。これらの材料によるNH及びNOに関する検出特性は、純粋なWOの検出膜より良好であった。
ゼット・エス・イーエル・マンドー(Z. S. El Mandouh)及びエム・エス・セリム(M. S. Selim)著、固体薄膜、2000,371(Thin Solid Films, 2000, 371)、259〜263頁には、五酸化バナジウム膜を温度センサとして用いる用途が開示されている。ここでは、五酸化バナジウム膜を無機ゾルゲル法により作製している。抵抗の温度係数βは2%K−1であり、これは、Vが温度抵抗器(thermoresistor)として使用できることを示している。
国際特許公開番号WO98/26871号は、遷移金属酸化物、好ましくは、様々な原子価数の酸化バナジウムから作製されたナノチューブを開示している。このナノチューブは、酸化−還元活性を示し、特に触媒反応に対する活性物質として適している。実施例では、酸化バナジウムのナノチューブの合成及びこれにより得られたナノチューブの構造が開示されている。
国際特許公開番号WO01/44796号には、その端部に第1及び第2の導電素子が電気的に接続された少なくとも1つのナノチューブ、好ましくはカーボンナノチューブを備えるナノチューブ装置が開示されている。このナノチューブ装置は、化学センサ又は生物センサとして用いることができる。この装置の感度を様々な分子種に対応するよう調整するために、1つ以上の感応剤をナノチューブに被覆(coating)又は蒸着(decorating)させることによってナノチューブを修飾し、これにより環境内の特定の分子に対する感度を高めている。ナノチューブは、カーボン以外の物質、例えばシリコンから形成してもよい。実験では、様々な種類の分析物の検出が開示されている。実験では、NO及びNHガス、チオール、H、CO及びアビジン(タンパク質の一種)に対して行われている。更に、例えば金、ニッケルプラチナ等の金属粒子、TiO等の金属酸化物、又は生物学的種(biological species)を堆積させることにより、感応性を変化させることも開示されている。
幾つかの種類のセンサは、常温で使用することができ、有機物に対して良好な選択性を示している。最も広く用いられているセンサは、導電性ポリマ化学抵抗器(conducting polymer chemiresistors)、ポリマベースの弾性表面波(Surface Acoustic Wave:以下、SAWという。)素子及びバルク弾性波(Bulk Acoustic Wave:以下、BAWという。)素子である。しかしながら、これらのセンサの一部、例えば導電性ポリマ化学抵抗器は、気体に対する感度が低いという問題がある。また、カンチレバー及びBAW素子のようなメカニカルトランスデューサベースの素子は、電気的トランスデューサベースの素子に比べて、集積回路に組み込むことが難しいという難点もある。光検出ベースのセンサは、特に、小型化が望まれる場合に、トランスデューサの複雑さが制約の要因となる。電気化学セルについては、ガスセンサの領域における用途は制限されているが、電子の舌の分野で重要性が増している。
センサの使用における一般的な問題として、湿度の問題がある。大多数のサンプルにおいて、湿度により検出能力が低下することが知られている。この第1の理由として、水は、センサ媒質における分析物の分離(analyte partitioning)に影響を与え、又は分析物とセンサ媒質との相互反応を弱めることが考えられる。この例として、ワインの香りの検出がある。この場合、大量の水とアルコールを含むマトリックスにおいて、微量な芳香族化合物を検出できる必要がある。第2の理由として、湿度の変化が誤検出の原因となるという問題がある。例えば、CO検出の場合、20%の相対湿度の変化を50ppmのCOとして検出してはならない。
湿度の問題を最小限にする方法は、分析物を乾燥させることである。例えば、官能検査の前にチーズを乾燥する等、分析の前に試料を乾燥することができる。しかしながら、乾燥処理の間に、揮発性物質が除去又は分解されるため、匂いが変質することがあるという問題がある。また、検出器が試料に到着する前に、ヘッドスペース(headspace)により試料が乾燥させることができる。これは、例えばナフィオン(nafion:商標)フィルタを用いて行うことができる。これにより、水を濾過して取り除くことができるが、例えばアルコール等の分析物中の幾つかの成分も部分的に又は完全に取り除かれてしまう。また、水は、ガスクロマトグラフィ又は類似した技術等の技術を用いる試料の異なる化学物質を分離することによって、除去することができる。
湿気が利点を有する、すなわち湿度が高くなるにつれてセンサの感度が高まるという報告は、非常に限られた数であるが存在する。例えば、カプラー・ジェイ(Kappler, J.)、トメスク・エー(Tomescu, A.)、バルサン・エヌ(Barsan, N.)、ワイマール・ユー(Weimar, U.)著、固体薄膜、2001,391(Thin Solid Films 2001, 391)、186〜191頁には、高温で動作するSnOガスセンサによるCOに対する感度が湿度の上昇に伴って高まることが報告されている。このセンサの応答(Rair/RCO)は、相対湿度を0%から50%に上昇させると、5から30に高まった。サダオカ・ワイ(Sadaoka, Y.)、サカイ・ワイ(Sakai, Y.)、ムラタ・ワイ・ユー(Murata, Y. U.)著、センサ及びアクチュエータ、1993、B13−14(Sensors and Actuators 1993, B 13-14)、420〜423頁には、カルセイン−ポリ(アクリロニトリル)ベースの光センサが、アンモニア検出において、同様の振る舞いを示したことを報告している。乾燥空気及び50%の湿度の条件下で、I/I(光強度比)を0.95から0.83に低下させると、感度が上昇した。他の具体例として、感量素子(mass-sensitive device)に蒸着されたホスト分子(テクトン(tecton) DM 189)を用いたセンサがある(ボーカー・ピー(Boeker, P.)、ホーナー・ジー(Horner, G.)、ロスラー・エス(Rosler, S.)著、センサ及びアクチュエータ、2000,B70(Sensors and Actuators 2000, B 70)、37〜42頁)。100ppmのアンモニアに対する応答(ヘルツ)は、乾燥空気における応答に比べて、20,000ppmの水(飽和湿度)において、2倍になっている。
アミンは、例えばワイン、魚、チーズ、肉等の多くの食物に含まれている。アミンは、例えば魚の鮮度の指標となる。また、アミンから、人間の健康状態に関する何らかの情報を得ることもできる。したがって、食品業界及び医療用途の分野で、アミンセンサが必要とされている。これらのセンサは、好ましくは、目的の分析物に対して感度が高く、湿気が存在しても、感度が著しく低下しないことが望まれる。したがって、このようなセンサを備える電子の鼻の開発に大きな関心が寄せられている。
現在、幾つかのアミンガスセンサが市販されている。例えば、所定のアミンに特化した及び広範囲に亘るアミンに対応する電気化学セルが市販されている。これらの検出精度の限界は、アミンの種類に応じて、2.5〜5ppmの範囲にある。これらのセンサの最大の問題は、そのサイズであり、これらはセンチメートル単位のサイズを有する。金属酸化物センサ、約25ppmの限界でアンモニアを検出することができるが、これらのセンサは、電力消費量が大きく、アミンに対する感度が低い。
本発明の目的は、分析物に対する選択性が高く、感度が高く、性能の安定性が高く、常温に近い温度で動作し、電力消費量が小さく、大気条件における湿度に対して敏感でない化学センサ装置を提供することである。
上述の課題を解決するために、本発明に係る化学センサ装置は、基板と、基板上に形成され、実質的に、II−VI族半導体、III−V族半導体、金属酸化物半導体(B=O)、金属硫化物半導体(B=S)、金属リン化物半導体(B=P)、金属窒化物(B=N)、金属セレン化物半導体(B=Se)、金属テルル化物半導体(B=Te)からなるグループから選択される半導性A化合物からなる1次元ナノ粒子(one-dimensional nanoparticles)を有するセンサ媒質と、センサ媒質の物理的及び/又は化学的特性の変化を検出する検出手段とを備える。
半導性金属化合物は、ターゲットとなる分析物について、異なる選択性を有する。したがって、センサ装置を構成する1次元ナノ粒子の材料は、検出すべき分析物に応じて選択される。半導性A化合物は、A及びBがそれぞれ単一の元素である二成分化合物であってもよい。例えば、この化合物は、SnOやMgOであってもよい。更に、例えば、GaAs/P等の三成分化合物や四成分化合物を用いてもよい。好ましくは、x>0であり、Y≧0である。
また、元素Aは、V,Fe,In,Sb,Pb,Mn,Cd,Mo,W,Cr,Ag,Ru,Reからなるグループから選択された少なくとも1つの元素とする。また、元素Bは、O,S,Seからなるグループから選択される少なくとも1つの元素とする。
半導性A化合物内の金属(元素A)は、単一の酸化状態で存在してもよい。好ましくは、半導性A化合物は、異なる酸化状態で存在する少なくとも1つの元素(A又はB)を含む。最も好ましくは、元素Aが異なる酸化状態で存在するとよい。2つの酸化状態間の比は、0.001から0.1までの範囲内にあることが好ましい。例えばVを1次元ナノ粒子の材料として用いた場合、バナジウムは、V4+の状態でもV5+の状態でも存在できる。Vの場合、この原子価の違いは、構造における欠陥に起因する。したがって、異なる原子価の共存は、構造式からは明らかにはならない。異なる原子が共存する化合物の他の例として、Feがあり、この場合、化学量的なインデクスは、物質内にFeIIとFeIIIが存在することを示し、酸化状態II/IIIにおけるFeイオンの比は、0.5である。更に、元素が異なる酸化状態をとる酸化物及び硫化物を形成する元素として、コバルト、クロム、鉛、チタン、レニウム、モリブデン等がある。酸化物において酸化状態が異なる元素の更なる例として、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、イリジウム等がある。1つの所定の材料において、2つの異なる酸化状態が共存する(混合原子価)ことができる。Snは、SnOにおいては、SnIIであり、SnOにおいて、SnIVであり、Snにおいては、SnII及びSnIVである。同様に、Sbは、酸化物では、SbIII及びSbIVであり、Sb・xHOでは、(III及びV)である。クロムは、酸化物では、酸化状態II、III、IV、VIで存在でき、Crでは、(II及びIII)で存在できる。同様の振る舞いは、マンガン(MnにおけるII、III、IV、VII及び(II及びIII))や銀(AgにおけるI及びIII)でも知られている。
原子価の混合は、例えばドーパント又は不純物による欠陥によっても生じる。酸化状態が異なる元素を用いることにより、電荷キャリア濃度を制御でき、したがって、常温における半導性A化合物の導電性を向上させることができる。例えば欠陥を導入することによって、可能な反応部位を形成することにより、センサの感度が向上する場合がある。
本発明に基づくセンサ装置において、センサ媒質として用いられる1次元ナノ粒子は、長手方向に直交する方向に比べて、長手方向に著しく長い形状を有している。多くの場合、ナノ粒子は、長手方向にマイクロメータ単位の長さを有し、この長手方向に直交する両方向の幅は、ナノメータ単位である。好ましくは、1次元ナノ粒子の長さは、100μm以下とし、より好ましくは15μm以下とし、最も好ましくは100nmから15μmの間とする。1次元ナノ粒子の断面積は、好ましくは100000nm以下とし、より好ましくは5000nm以下とし、最も好ましくは50nm以下とする。1次元ナノ粒子の長さは、この1次元ナノ粒子の合成時の反応時間を調整することによって制御することができる。1次元ナノ粒子は、ファイバ状の形状を有するため、例えば球形の形状を有するナノ粒子のように、自己組織化により容易に密集してしまうことがない。したがって、センサ媒質内の空隙が増え、分析物が1次元検出材料に到達しやすくなる。すなわち、本発明に基づくセンサ装置のセンサ媒質は、分析物と接触する表面積が広く、したがってセンサ媒質の感度が高く、センサ装置の応答速度が速くなる。
1次元ナノ粒子は、センサ媒質内に単体の(individual)粒子として存在する。したがって、物理的相互作用によってセンサ媒質を安定させ、基板表面に1次元ナノ粒子を堆積させる処理のみで十分である。センサ媒質の機械的安定性を高めるために、1次元ナノ粒子を例えば二官能配位子によって相互結合してもよく、或いはマトリックス内に組み込んでもよい。
本発明に基づくセンサ装置において用いられる1次元ナノ粒子は、実質的に半導性A化合物からなる半導体材料から作製される。半導性A化合物の成分A,Bの性質に応じて、1次元ナノ粒子は、上述したジェイ・コング(J. Kong)他による文献に開示されているカーボンSWNTとは異なり、所定の分析物に対して異なる選択性を有することができる。本発明に基づく1次元ナノ粒子は、既に確立されている技術に基づいて得ることができる。1次元ナノ粒子は、例えば、ドーパントの添加等により、その構成を容易に変更することができ、したがって、センサ装置は、目的の分析物に応じて特性を調整することができる。
本発明に基づく化学センサ装置は、常温に近い温度で動作でき、したがって、通常はセンサ媒質を加熱する必要がないため、電力消費量も少ない。また、これにより本発明に基づく化学センサ装置は、容易に作動させることができる。この化学センサ装置は、多くの場合100℃以下で動作し、好ましくは、50℃以下で動作し、特に好ましくは、常温で動作する。この化学センサ装置は、低コストで製造でき、小型化して集積回路の一部として組み込むことができる。
1次元ナノ粒子は、中空であっても非中空(filled)であってもよく、例えばナノチューブ又はナノワイヤの形状を有していてもよい。1次元ナノ粒子は、非中空である方が望ましい。更に、1次元ナノ粒子の断面は、様々な形状とすることができ、例えば、丸い(円形)又は矩形の断面であってもよい。1次元ナノ粒子は、ナノワイヤ又はナノベルトの形状を有していてもよい。感応材料としては、ナノベルトの形状が好ましい。センサ媒質は、1次元ナノ粒子の束(bundle)を備えていてもよい。
II−VI族半導体又はIII−V族半導体から1次元ナノ粒子を合成する手法は、例えば、エックス・デュアン(X. Duan)、シー・エム・リーバー(C. M. Lieber)著、Adv.Mat.,2000,12、298〜301頁に開示されている。本発明に基づくセンサとして使用できる2元グループIII−V属材料(Binary Group III-V materials)には、例えば、GaAs、GaP、InAs、InP等がある。3元III−V属材料(Ternary III-V materials)としては、GaAs/P、InAs/P等があり、2元II−VI化合物としては、ZnS、ZnSe、CdS、SdSe等がある。1次元ナノ粒子は、上述した半導体材料から、高純度で大量に作製される。例えば、ナノワイヤは、レーザにより補助された触媒成長(laser assisted catalytic growth:LCG)法を用いて作製することができる。
金属酸化物半導体の1次元ナノ粒子は、上述したゼット・ダブリュー・パン(Z. W. Pan)他による文献に開示されている手法によって準備できる。本発明に基づくセンサ装置において用いる1次元ナノ粒子の材料となる金属酸化物半導体には、例えば、Ga、SnO、In、PbO、MgO、Fe、W1849、GeO等がある。金属硫化物半導体を材料とする1次元ナノ粒子は、例えば、MoS、NbS、TaS、TiS、WS、W0.7Mo0.20.1から構成することができる。MoS及びWS、並びにBNナノチューブを準備する手法は、例えば、エム・エム・ナス(M. M. Nath)、エー・ゴビンダラ(A. Govindaraj)、シー・エヌ・ラオ(C. N. R. Rao)著、Adv.Mat.,2001,13、283〜286頁に開示されている。
パツケ・ジー・アール(Patzke, G. R.)、クルメイッヒ・エフ(Krumeich, F.)、ナスパー・アール(Nesper, R.)著、Angew.Chem.Internat.Edit. 2002,41,2446〜2461頁には、酸化物(例えば、Fe、Fe、In、Sb、SnO、TiO、SiO)を材料とするナノチューブ及びナノロッドの形成法が開示されている。Si−ナノ粒子の合成については、ハン・ダブリュー(Han, W.)、ファン・エス(Fan, S.)、リー・オー(Li, O.)、フー・ワイ(Hu, Y.)著、サイエンス,1997,277(Science 1997,277)、1289〜1289頁に開示されている。ラムスカー・エム(Remskar, M.)、ムツェル・エー(Mrzel, A.)、スクラバ・ゼット(Skraba, Z.)、ジェシー・エー(Jesih, A.)、チェ・エム(Ceh, M.)、デムサー・ジェイ(Demsar, J.)、スタドルマン・ピー(Stadelmann, P.)、レビー・エフ(Levy, F.)、ミハイロビック・ディー(Mihailovic, D.)著、サイエンス,2001,292(Science 2001,292)、479〜481頁には、GaSeから1次元ナノ粒子を合成する手法が開示されている。
1次元ナノ粒子は、例えば多孔質のポリカーボネート薄膜等の多孔質テンプレート (コブチュコホワ・エヌ・アイ(Kovtyukhova, N. I.)、マロウク・ティー・イー(Mallouk, T. E.)著、Chem.Eur.J.2002,8,4355〜4363頁、ムビンデョ・ジェイ・ケー・エヌ(Mbindyo, J. K. N.)、マロウク・ティー・イー(Mallouk, T. E.)、マッツェラ・ジェイ・ビー(Mattzela, J. B.)、クラトクビロワ・アイ(Kratochvilova, I.)、ラバジ・ビー(Ravazi, B.)、ジャクソン・ティー・エヌ(Jackson, T. N.)、メイヤー・ティー・エス(Mayer, T. S.)著、J.Am.Chem.Soc. 2002,124,4020〜4026頁)又は1次元テンプレートを用いて広範囲に亘る化合物から準備できる。1次元テンプレートの具体例としては、カーボンナノチューブ又は有機ファイバがある。テンプレートは、例えば、熱分解又はエッチング等の適切な技術を用いて取り除くことができ、これにより必要な1次元ナノ粒子を残すことができる。1次元ナノ粒子の成長法に関する詳細は、例えば、カルーソ・アール・エー(Caruso, R. A.)、シャットカ・ジェイ・エイチ(Schattka, J. H.)、グレイナー・エー(Greiner, A.)著、Adv.Mat.2001,13、1577〜1579頁に開示されている。
上述した材料は、純粋な形式で用いてもよく、互いに組み合わせて用いてもよい。例えば、1次元ナノ粒子は、純粋なVから形成してもよい。1次元Vの物理的性質は、1次元V材料に例えばWO等の他の材料を加えることによって変更することもできる。更に、本発明に基づく化学センサの単一のセンサ媒質内で、複数の異なる半導体材料からなる複数の異なる1次元ナノ粒子を用いてもよい。この場合、センサ媒質は、例えば、第1の半導性A化合物からなる第1の1次元ナノ粒子と、第2の半導性A化合物からなる第2の1次元ナノ粒子とを含む。
半導性1次元ナノ粒子は、好ましくは、酸化バナジウムから形成する。五酸化バナジウム1次元ナノ粒子は、wet-chemistry法によって、容易に、純粋な材料として大量に用意することができる。これらは、ナノチューブとして、ナノファイバ又はナノベルトとしても得ることができる。五酸化バナジウムナノファイバは、適切な導電性を有し、化学抵抗素子(chemiresistor device)のコーティングとして用いることもできる。
五酸化バナジウムナノチューブは、アミンをテンプレート化することによって合成することができる。この手法については、例えば、エイチ・ジェイ・ムフル(H. J. Muhr)、エフ・クルメイッヒ(F. Krumeich)、ユー・ピー・チョンホルザー(U. P. Chonholzer)、エフ・ビエリ(F. Bieri)、エム・ニーダーバーガー(M. Niederberger)、エル・ジェイ・ガウクラー(L. J. Gaukler)、アール・ニスパー(R. Nesper)著、ADV.MAT.,2000,12,231〜234頁に開示されている。アミンは、層の形成に貢献し、この層を丸めることにより、多壁管(multiwalled tube)が形成される。アミンは、後に、陽子交換によって中性アミン又はカチオンに容易に交換することができる。合成においてテンプレートを用いない場合、五酸化バナジウムは、矩形の断面を有するベルトを形成する。五酸化バナジウムナノベルトは、良好に組織化された固体であり、安定した寸法が得られる。五酸化バナジウムナノベルトは、厚さが1〜5nmで、幅が10nmで、長さが500nm以上のリボンを形成する。これらは、アンモニウム(メタ)バナジウム酸塩を酸性イオン交換樹脂に重合することによって生成されるn型半導体である。五酸化バナジウムナノベルトの合成については、例えば、オー・ペレチエ(O. Pelletier)、ピー・ダビッドソン(P. Davidson)、シー・バーゴー(C. Burgaux)、シー・クーロン(C. Coulon)、エス・レグノルト(S. Regnault)、ジェイ・リバージ(J. Livage)著、Langmuir,2000,16,5295〜5303頁に開示されている。
1次元ナノ粒子は、ドープされていない形式で合成してもよい。目的の分析物に応じて、本発明に基づくセンサの選択性及び感度を変更及び調整するために、1次元ナノ粒子にドーパントをドープしてもよい。適切なドーパントがドープされたセンサは、感度が高く、1ppm以下の濃度レベルで分析物を検出することができる。
ドーパントとして、イオンを用いてもよく、イオンは、構造体内に組み込まれ、又は1次元ナノ粒子の表面に固定化される。これは、1次元ナノ粒子の表面における陽子交換によっても可能である。酸化バナジウムの場合、本発明に基づくセンサ媒質に含まれる1次元酸化バナジウム材料内の殆どのバナジウム原子は、原子価(V)を有するが、最大10%までのバナジウム原子は、原子価(IV)の状態であってもよい。電荷欠陥を補償するために、ファイバの表面をプロトン化してもよい。これらの陽子は、容易に交換され、膜内にドーパントを導入することができる。ドープにより、これらの陽子の一部のみが交換される。ティー・コラディン(T. Coradin)、ディー・イスラエル(D. Israel)、ジェイ・シー・バドット(J. C. Badot)、エヌ・バフィエ(N. Baffier)著、Mat.Res.Bull.,2000,35,1907〜1913頁には、最大15%までの陽子を大カチオン(large cation)に交換できることが示されている。+V酸化状態のバナジウムのみからなる酸化バナジウムを用いる場合、酸化バナジウムを水によって部分的に加水分解することにより、1次元ナノ粒子の表面に、ヒドロキシル基を形成することができる。このようなヒドロキシル基は、酸性であり、陽子は、例えばAg等のカチオンによって交換することができる。金属を溶液内で酸化させることにより、より高いドーピングレベルを実現することもできる。エフ・クスチエ(F. Coustier)、エス・パセリニ(S. Passerini)、ダブリュー・エイチ・スミル(W. H. Smyrl)著、固体状態イオニクス(Solid State Ionics)、1997,100,247〜258頁には、銀がドープされた五酸化バナジウムが開示されている。大イオンの挿入は、小イオンによる触媒作用によって実現することができる。
1次元ナノ粒子は、1次元ナノ粒子の層間に中性分子を挿入することによってもドープすることができる。これにより、構造体が膨張し、1次元ナノ粒子の異なる層間の相互作用力が弱まる。このような五酸化バナジウムキセロゲルの層間への中性分子の挿入は、例えば、上述したティー・コラディン(T. Coradin)他による文献、及びエイチ・ピー・オリベイラ(H. P. Oliveira)、シー・エフ・オー・グラエフ(C. F. O. Graeff)、ジェイ・エム・ロソレン(J. M. Rosolen)著、Mat.Res.Bull.,1999,34,1891〜1903頁に開示されている。また、1次元ナノ粒子の表面に分子又は粒子を固定化することもできる。
センサ媒質のドープに用いることができるドーパントとしては、例えば、塩化金又は酢酸金から得られるAu(III)、酢酸塩又は硝酸塩から得られるAu(I)又はAg(I)等がある。また、固体の形式で用いられる金属を含む溶液に1次元ナノ粒子を浸してもよい。これにより、金属が酸化され、1次元ナノ粒子に組み込まれる。このような五酸化バナジウムキセロゲルへの金属の組込みは、エフ・クスチエ(F. Coustier)、ジー・ジャレロ(G. Jarero)、ピー・パセリニ(P. Passerini)・ダブリュー・エイチ・スミル(W. H. Smyrl)著、パワーソースジャーナル(Journal of Power Sources),1999,83,9〜14頁に開示されており、ここでは、コインセルアセンブリ内のカソード材料の原料として、銅がドープされたVキセロゲルを用いている。
更に、1次元ナノ粒子は、有機分子によってドープしてもよい。ドーパントとしては、広範囲に亘る有機分子を用いることができる。有機分子は、極性を有する官能基を形成する1以上のヘテロ原子を備えるハイドロカーボンであってもよい。好ましいヘテロ原子としては、例えば、酸素、窒素、リン、硫黄等がある。適切な有機化合物としては、例えば、芳香族チオール、脂肪族チオール、カルボキシル酸、アミン、ホスフィン、ホスフィン酸化物、ピリジン及びピリジン誘導体、チオフェン及びチオフェン誘導体、ピロール及びピロール誘導体等がある。有機分子は、1次元ナノ粒子の表面に吸収され、又は1次元ナノ粒子層間に挿入され、これにより、1次元ナノ粒子の物理的性質及び化学的特性が変化する。例えば、ティー・クワハラ(T. Kuwahara)、エイチ・タガヤ(H. Tagaya)、ジェイ・カドカワ(J. Kadokawa)著、無機化学通信(Inorganic Chemistry Communications),2001,4,63〜65には、層状ホスト格子V内への有機染料の挿入法が開示されている。また、ワイ・シャン(Y. Shan)、アール・エイチ・フアング(R. H. Huang)、エス・ディー・フアング(S. D. Huang)著、Angewandte Chemie International Edition,1999,38,1751〜1754頁には、ピリジン誘導体のVキセロゲルへの挿入法が開示されている。更に、1次元ナノ粒子は、導電性ポリマによってドープしてもよい。このような無機−有機ハイブリッドマイクロ構造は、例えば、ジェイ・エイチ・ハレルド(J. H. Harreld)、ビー・ダン(B. Dunn)、エル・エフ・ナザー(L. F. Nazar)著、無機材料の国際ジャーナル(International Journal of Inorganic Materials)、1999,1,135〜146頁に開示されており、ここでは、五酸化バナジウム−ポリピロールハイブリッドエーロゲルが提供されている。更に、1次元ナノ粒子の構造に、有機大カチオン(large organic cations)を組み込んでもよい。このような材料は、例えば、エム・イナガキ(M. Inagaki)、ティー・ナカムラ(T. Nakamura)、エー・シミズ(A. SHIMIZU)著、J.Mater.RES.,1998,13,896〜900頁に開示されており、ここでは、アンモニウムカチオン及び酸化バナジウムキセロゲルから得られる層間化合物が提供されている。本発明の一部として、有機分子を組み込むことにより、有機蒸気(organic vapours)への感度が高められる。これは、有機分子が蒸気との相互作用及び蒸気の取り込みを促進するためであると考えられる。
1次元ナノ粒子にドープするドーパントとしては、イオン錯体を用いることもできる。本発明においてドーパントとして用いることができるイオン錯体としては、例えば、金チオグルコース(auriothioglucose)若しくは例えばフタロシアニン又はポルフィリン等の有機大分子(large organic molecule)を有する金属錯体等がある。上述したエイチ・ピー・オリベイラ(H. P. Oliveira)他の文献には、ポルフィリン−銅錯体のVキセロゲルへの挿入が開示されている。
本発明の好ましい実施例においては、化学センサ装置のセンサ媒質は、好ましくは略球形の形状を有する第2のナノ粒子材料を含む。センサ媒質に、1次元ナノ粒子とは異なる第2のナノ粒子を組み込むことにより、センサの選択性及び感度を変更することができる。例えば、先に基板に固定化されている1次元ナノ粒子上に、金属を蒸着させて金属ナノ粒子を形成することができる。更に、wet chemical法を用いて、有機シェルによって安定化された金属ナノ粒子を用意することもできる。このようなナノ粒子を形成する手法は、例えば、エム・ブルスト(M. Brust)、ジェイ・フィンク(J. Fink)、ディー・ベセル(D. Bethell)、ディー・ジェイ・シフィリン(D. J. Schiffrin)、シー・キーリー(C. Kiely)著、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1995,1655〜1656頁に開示されている。この手法は、広範囲に亘る金属ナノ粒子に適用することができる。金属ナノ粒子の具体例としては、例えば、Fe、Au、Ag、Pt、Pdや、例えばFe/Pt等の幾つかの2元ナノ粒子等がある。このように安定化されたナノ粒子は、一般的に、有機溶剤に対する可溶性を有する。これらのナノ粒子は、単に、1次元ナノ粒子が予めコーティングされた基板を対応する第2のナノ粒子の溶液に浸すことによって、1次元ナノ粒子に固定化することができる。1次元ナノ粒子と第2のナノ粒子の化学的結合は、2官能性又は多官能性有機結合化合物によって実現できる。また、ある種の金属イオン錯体は、溶液中で、上述した浸せき工程によって固定化することができる金属粒子を生成する。このような金属イオン錯体としては、例えば、酢酸銀又はAuS(CHClがある。
五酸化バナジウムナノベルトを基体とする化学センサは、水素ガスにも感応する。この感度は、五酸化バナジウムナノベルトに例えば金等の金属をドープすることによって向上させることができる。金属は、有機シェルによって安定化されたナノ粒子によって、又は金属薄膜層の蒸着によって、若しくは浸せき工程においてナノ粒子に変換される金属塩によってドープすることができる。
好ましい実施の形態では、第2のナノ粒子は、半導体材料から形成される。ここで用いることができる半導体材料としては、例えば、II−VI属半導体、III−V属半導体、Cd又はP等がある。
所定の分析物に対するセンサの感度は、ドーパントによって影響を受ける。COを検出する場合、五酸化バナジウムナノベルトにドープするドーパントとして好ましい物質としては、例えば以下のような物質がある。
・薄膜層の蒸着により得られるプラチナ
・鉄(III)フタロシアニン
・薄膜層の蒸着又は高ドープ濃度のAuS(CH)2Clのドープによって得られる金
本発明に基づく化学センサ装置は、様々な物理的性質又は化学的特性を利用して分析物を検出する。第1のグループでは、電気的特性の変化を検出する。この場合、例えば、センサ媒質の導電率又は容量を測定してもよい。したがって、センサ素子は、化学抵抗器(chemiresistor)又は化学コンデンサ(chemicapacitor)として動作する。化学センサ媒質は、化学ダイオード(chemidiode)又は化学トランジスタ(chemitransistor:例えば、化学FET)等の多端子素子(multiterminal device)を形成する構成において利用することもできる。例えば、ポリチオフェンを基体とする半導性オリゴマからなる化学感応トランジスタ(chemical sensitive transistor)が近年の文献に開示されている(ビー・コーン(B. Crone)、エー・ドダパラプー(A. Dodabalapur)、エー・ゲルペリン(A. Gelperin)、エル・トーシ(L. Torsi)、エイチ・イー・ケイツ(H. E. Katz)、エー・ジェイ・ロビンジャー(A. J. Lovinger)、ゼット・バオ(Z. Bao)著、Appl.Phys.Lett.2001,78,2229〜2231頁)。化学センサ装置は、感量センサ(mass sensitive sensor)としても用いることができる。1次元ナノ粒子を備える感応膜を圧電材料のコーティングとして用いて、弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)素子、水晶振動子マイクロバランス(quartz crystal microbalance:QCM)、カンチレバー又はこれらの種類のセンサの任意の組合せを形成することができる。
本発明の他の実施例では、化学センサ装置を光センサとして用いる。この実施例では、センサ信号は、反射率、蛍光性、吸収率、散乱率の変化として測定される。この場合、分析物分子がセンサ材料に結合することにより、光特性(UV/vis及び/又はIR)の変化が生じる。例えば、分析物分子が半導性1次元ナノ粒子に吸収されると、ルミネッセンス特性が変化することがある。この変化は、1次元ナノ粒子の電気的状態の変化及び/又は1次元ナノ粒子に近接する環境の変化に起因する。更に、1次元ナノ粒子と、例えば染料等の化学物質とを結合させることにより、分析物との相互作用による光特定の変化を誘発することもできる。
更に、センサ媒質を光ファイバ素子(例えば、オプトード(optode)、干渉素子)用の化学感応性コーティングとして利用することもできる。化学センサ装置は、熱又は温度の変化を利用することもでき、したがって、サーミスタ又はこの他の熱電素子として用いることもできる。
化学センサ装置は、好ましくは、化学抵抗器として形成し、ここで、センサ媒質は、一対の接触電極に接続される。
センサ媒質は、例えば、Auからなるすだれ状電極上に膜として蒸着させてもよい。Auは、例えばリソグラフィック法によって不活性基板上に堆積させてもよく、又は両方の電極を膜の上に堆積させてもよい。これ以外の構成も可能である。例えば、一方の電極をセンサ膜の下に配置し、他方の電極をセンサ膜の上に堆積させてもよい。1次元ナノ粒子に分析物が吸着されると、分析物がセンサの電気的特性に影響を与え、センサ膜の導電率が変化する。
センサ媒質にヒータを設け、温度を制御し、必要に応じて、センサ媒質を加熱して再生してもよい。また、ヒータは、所望の範囲内の温度調整を目的として設けてもよい。信号をウェーブレット分析することによって、分析物を識別し、定量化することができる。また、実温度を監視するために、温度センサを設けてもよい。
化学センサを集積回路に統合する場合、不活性基板は、例えば、Si/SiOから形成してもよい。この他の好ましい基板の材料としては、ガラス及び/又はセラミクス等がある。
好ましくは異なるセンサ媒質の組成を有し及び/又は異なる温度で動作する複数の化学センサを配列してセンサアレーを形成してもよい。異なる分析物に対するセンサの選択性及び感度に関しては、ドーパントの性質のみではなく、ドープ濃度も重要となる。したがって、各センサにおけるドーパントの濃度を段階的に変更したセンサのアレーを用いて電子の鼻を実現することができる。
1次元ナノ粒子のサイズは小さいため、素子の小型化は容易である。したがって、本発明に基づく化学センサは、小型化でき、例えば、集積回路素子内のセンサアレーとして用いることもできる。
本発明に基づく1次元ナノ粒子は、非常に高い導電率を有する。これは、特に1次元ナノ粒子として五酸化バナジウムを用いた場合に顕著である。酸化バナジウムは、+IV及び+Vの原子価を有するバナジウムを含み、したがって、常温において既に良好な導電性を示す。
本発明に基づくセンサ装置の感応動作は、分析物と感応材料との間の異なる種類の相互作用に基づいて実現することもできる。例えば、分析物を1次元ナノ粒子の表面に吸収させてもよく、又は、分析物をセンサ材料の構造内に挿入(intercalate)してもよい。1次元ナノ粒子の長さに応じて、単一の1次元ナノ粒子を備えるセンサ装置を用意してもよい。この場合、単一の1次元ナノ粒子は、好ましくは、2つの電極の間をブリッジする。センサ媒質を得るためには、単一の1次元ナノ粒子のみで十分であるが、複数のナノ粒子を略平行に配列した構成としてもよい。電極対の間隔のサイズより小さい1次元ナノ粒子をネットワーク上に配列してもよい。この場合、1次元ナノ粒子が交差し、隣り合うナノ粒子の表面領域が互いに接触し、電極間の導電パスが形成される。単体の五酸化バナジウムナノワイヤを介した電子の伝達については、例えば、ジェイ・ムスタ(J. Muster)、ジー・ティー・キム(G. T Kim)、ブイ・クルスチック(V. Krstic)、ジェイ・ジー・パーク(J. G. Park)、ワイ・ダブリュー・パーク(Y. W. Park)、エス・ロス(S. Roth)、エム・バーグハード(M. Burghard)著、Adv.Mater.,2000,12,420〜424頁に開示されている。
注目すべき点として、本発明に基づくセンサ装置の分析物に対する感度は、相対湿度が高まるにつれて上昇する。したがって、このセンサ装置は、湿度調整装置又は湿度測定ユニットと共に用いることが好ましい。湿度調整装置を用いる場合、湿度を制御することにより、センサの再現可能な応答が実現される。また、湿度測定ユニットを用いることにより、例えば、較正データを用いて、測定された湿度を考慮に入れて、分析物の濃度を判定することができる。
上述した化学センサ装置は、容易に製造することができる。本発明に係る化学センサ装置の製造方法は、上述した化学センサ装置を製造するための方法であって、a)基板表面を有する基板を準備する工程と、b)実質的に上述した半導性A化合物からなる1次元ナノ粒子を準備する工程と、c)1次元ナノ粒子によって基板表面を被覆してセンサ媒質を形成する工程と、d)センサ媒質の物理的性質の変化を検出する検出器を配設する工程とを有する。
1次元ナノ粒子は、周知の手法によって準備することができる。1次元五酸化バナジウム材料を準備する手法の概観については、例えば、ジェイ・リバージ(J. Livage)著、Coordination Chemistry Reviews,1998,178〜180,999〜1018頁に開示されている。本発明に基づく化学センサ装置の特性は、合成条件によって影響される。1次元ナノ粒子を準備する際に、界面活性剤を添加することにより、高い多孔率を実現でき、エス・メゲ(S. Mege)、エム・ベレルスト(M. Verelst)、ピー・レカンテ(P. Lecante)、イー・ペレズ(E. Perez)、エフ・アンサート(F. Ansart)、ジェイ・エム・サバリオルト(J. M. Savariault)、非結晶固体ジャーナル(Journal of Non-Crystalline Solids)、1998,238,37〜44頁には、このような高い多孔率を有するバナジウムアルコキシド誘導体ゲルが開示されている。界面活性剤を用いた場合、多孔率は最大75%まで高めることができ、界面活性剤を用いない場合は、多孔率は約5%程度である。比較的多数のファイバを備えるセンサ装置では、多孔率を高め、センサ媒質における分析物分子の拡散速度を速めることが好ましく、これにより、応答時間及び感度が向上する。
1次元ナノ粒子は、例えば、回転塗布(spin-coating)法、滴下塗布(drop-coating)法、浸せき塗布(dip-coating)法、ブラシ法(brush techniques)、インクジェット印刷法又は他の手法により、基板に堆積させることができる。1次元ナノ粒子は、堆積工程において、例えば、2つの化学抵抗器電極をブリッジするように、配列することができる。このような1次元ナノ粒子の配列(alignment)は、少数のナノ粒子のみを用いてセンサ媒質を構成する場合に好ましく、これにより、製造プロセスの再現性が高くなる。1次元ナノ粒子の配列は、上述したエイチ・ジェイ・ムフル(H. J. Muhr)他の文献に開示されているキャピラリーマイクロ成形(Micro Moulding in Capillaries:MIMIC)法又は磁界の印加によって実現できる。磁界による五酸化バナジウムリボンの液晶懸濁液の配向については、例えば、エックス・コメインヘス(X. Commeinhes)、ピー・ダビッドソン(P. Davidson)、シー・バーゴー(C. Burgaux)、ジェイ・リバージ(J. Livage)著、Adv.Mat.,1997,9,900〜903頁に開示されている。
このセンサ装置では、高い湿度レベルにおいて、アミンの検出に関する感度が高まる。更に、センサ装置は、他の分析物に対する応答に関しては、殆ど湿度の影響を受けない。再現性が高い結果を得るために及び/又は例えば非常に低い濃度のアミンを検出するために、好ましくは、センサ媒質に近接させて、湿度調整装置及び/又は湿度測定ユニットを配設するとよい。
上述した化学センサ装置は、分析物に対する高い感度と高い選択性を有するとともに、応答速度が速く、回復時間が短いという利点を有している。本発明の更なる形態として、本発明に係る検出方法は、試料内の分析物を検出する検出方法において、センサ媒質及び検出手段を備える上述した化学センサ装置を準備する工程と、センサ媒質に分析物を接触させ、検出手段によって、センサ媒質の物理的性質の変化を検出する工程とを有する。
上述した化学センサ装置は、様々なガス及び有機蒸気に感応する。また、化学センサ装置を溶液内の分析物の検出にも用いてもよい。本発明に基づく化学センサ装置の主な利点として、この化学センサ装置は、常温又はこれに近い温度で動作し、感度が高い。
1次元ナノ粒子として五酸化バナジウムナノファイバを用いた場合、化学センサ装置は、例えば、CO、H、NHのみならずSO、O、NO等のガスに感応する。このセンサは、アミン又はチオール等のアンモニア及び極性有機分子に対して高い感応性を有し、0.5ppm以下での検出が可能である。ドーパントを変更することにより、同じ開始材料で、所定のガスの全ての濃度範囲に対応するセンサを製造することもできる。アミンに対する感応性により、本発明に基づくセンサ装置は、例えば、食品産業における食品加工の監視等に応用することができる。
多くの場合、Vベースのセンサのガスへの反応は速い。反応時間は、調べるべきガス/蒸気やドーパントによって変化する。応答が遅い場合であっても、1分後には既に強い信号が得られており、これは、電子の鼻の用途には十分である。
また、信号の可逆性も良好である。殆どの場合、90%の信号は、常温における動作で、2〜3分以内に回復した。
アミンを分析物とする場合、分析物の相対湿度が高くなると、本発明に基づくセンサ装置の感度も高くなる。検出は、広範囲に亘る湿度条件下で行われる。十分な信号を得るために好ましい相対湿度は、5%以上であり、より好ましくは、20%以上である。
センサ装置から再現可能な結果(reproducible results)を得るために、センサ媒質の物理的性質の変化を判定する間は、分析物の湿度レベルを一定レベルに保つとよい。
湿度は、異なる分析物への感度に対して異なる影響を有するため、これを分析物の識別に利用することができる。セットアップ段階では、分析物を湿らせ及び分析物を乾燥させ、分析物に対する応答を比較する。例えば、湿度は、Vのプロパノール(プロピルアルコール)に対する感度には殆ど影響を与えない。したがって、このような環境では、いずれの応答を同様なものとなるはずである。一方、試料とセンサとの間に乾燥剤を設け、試料を乾燥させた場合に比べ、Vのアミンに対する応答は、分析物が湿っている場合に強くなる。したがって、このような設定により、プロパノールとアミンを区別することは容易である。
本発明に基づくセンサ装置は、アミンの検出について、非常に高い感度を示す。本発明では、高い湿度において、30ppb程度の低濃度のアミンを検出することも可能であることが確認されている。発酵した食品は、多くの場合、生体アミンを含む。例えば、魚の腐敗時には、トリメチルアミン又はアンモニアが発生する。したがって、揮発性アミンを魚の鮮度を示す指標として用いることができる。ワインも揮発性アミンを含んでいる。揮発性アミンは、ワインの味を損ねる原因となるばかりか、消費者の健康に悪影響を与える可能性すらある。本発明により、このような揮発性アミンの検出を容易に実行することができる。更に、汗、尿、血液等の体液や息から揮発性アミンを検出することもでき、したがって、本発明に基づく分析物、好ましくはアミンの検出方法は、医療診断にも応用できる。例えば、患者の息に含まれるジメチルアミン又はトリメチルアミンは、尿毒症(腎臓疾患)の指標となる。また、尿における揮発性アミンの特定のパターンにより、乳癌を診断することもできる。更に、化学工場では、アンモニアが用いられる場合が多く、本発明に基づく検出方法は、アンモニア等の漏洩の検出にも用いることができる。
五酸化バナジウムセンサによる実験では、湿度は、一酸化炭素、酢酸、1−プロパノールに対する応答には殆ど影響を与えない。乾燥した条件に比べて、高湿度の条件では、アミン以外の分析物に対する感度は、殆ど損なわれなかった。これは、幾つかの五酸化バナジウムセンサを含むセンサのアレーを複雑な匂いの分析に用いる際の主要な利点である。
以下では、添付の図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、感応材料として、1次元ナノ粒子(ナノベルト)を備えるセンサ媒質(sensor medium)を有する化学センサを示している。基板1上には、すだれ状電極(以下、単に電極という。)2が配設されている。電極2は、センサ膜によって覆われており、センサ膜は、ナノベルト、すなわち1次元ナノ粒子3によって形成されている。電極2のリード線には、定電流が印加され、電極間における電圧の変化が、検出器(図示せず)によって検出される。
図2は、一対の電極2間に配設された1次元ナノ粒子4の異なる構成を示している。図2aでは、単一の1次元ナノ粒子4が一対の電極2間をブリッジしている。図では、構造を明瞭にするため、1次元ナノ粒子の1本のファイバのみを示しているが、複数の1次元ナノ粒子を設けてもよい。この構成では、分析物が1次元ナノ粒子4の表面に吸収され、及び/又は挿入(intercalation)されることにより、1次元ナノ粒子4に沿った導電率が変化する。更に、分析物は、1次元ナノ粒子4と電極2間の導電パスに影響を与えることにより、素子の導電率を変化させることもできる。図2aに示す構成は、主に、1次元ナノ粒子4との相互作用により、1次元ナノ粒子4の固有の導電率を変化させる分析物の検出に適している。1次元ナノ粒子4の長さは、一対の電極2間の距離より短くてもよい。この場合、1次元ナノ粒子4は、図2bに示すように、一対の電極2間にランダムに配列され、1次元ナノ粒子4のネットワークを形成するよう構成される。図2aに示す実施例と同様、分析物は、1次元ナノ粒子4の固有の導電率に影響を与えてもよく、1次元ナノ粒子4と電極2との間の接触抵抗に影響を与えてもよい。更に、分析物により1次元ナノ粒子4間の接触抵抗が変化してもよい。この構成では、分析物により、1次元ナノ粒子4間の導電率は増加又は減少する。図2bに示す構成は、分析物が、1次元ナノ粒子4間の接触に相互作用する場合に適している。個々の1次元ナノ粒子4間には、空隙が形成され、これらの空隙により、より厚いセンサ媒質を用いた場合であっても、分析物は、1次元ナノ粒子4の表面に容易に到達することができる。
図3は、異なる分析物に対するセンサの感度に湿度が与える影響を利用したセンサ装置の構成を示している。試料貯槽5には、例えばアミンやプロパノール等の様々な化合物を含む分析物が収容されている。分析物は、試料貯槽5から、例えば窒素流等のキャリアガス流により、導管6を介して、三方弁7に送られる。第1の工程では、三方弁7は、導管6a側に開かれ、導管6b側は閉じられている。分析物を含むガス流が湿度調整装置8を通過する際に、湿度調整装置8は、ガス流を所定の湿度に調整する。ガス流の湿度は、湿度調整ユニット9によって監視される。湿度を制御されたガス流は、後続の三方弁10を通過し、センサチャンバ11に供給され、このセンサチャンバ11において、センサ12が第1の信号を検出する。センサ12は、コンピュータ(図示せず)に接続されており、このコンピュータは、検出された信号を保存及び比較する検出装置として機能する。三方弁10は、導管6b側を閉ざしており、したがって、導管6bには、ガスは導入されない。第2の工程では、三方弁7、10は、それぞれ、導管6a側を閉じ、導管6b側を開くように切り換えられる。これにより、分析物を含むガス流は、乾燥ユニット13に供給され、例えば乾燥剤によって乾燥される。乾燥されたガス流は、センサチャンバ11に供給され、ここで、センサ12が第2の信号を検出する。センサ12のプロパノールに対する感度には、湿度が殆ど影響を与えず、センサ12のアミンに対する感度には、湿度が大きく影響する場合、第1及び第2の信号を比較することにより、これらの化合物を弁別することができる。プロパノールの場合、2つの信号に殆ど変化がないのに対し、アミンの場合には、2つの信号間に強度の明らかな相違が認められる。
a)ドープされていない五酸化バナジウムナノベルトの準備
上述したジェイ・ムスタ(J. Muster)他による文献に開示されている湿式化学法(wet-chemical)を用いて、ドープされていないVナノファイバのストックを準備した。40mlの水中の0.2gのアンモニウム(メタ)バナジウム酸塩(アルドリッチ社(Aldrich))及び2gの酸性イオン交換樹脂(Dowex 50WX8−100(アルドリッチ社))からVゾルを準備した。数時間後、時間とともに黒ずむオレンジゾル(orange sol)が観察された。約3日後には、数μmの長さのVファイバが観察された。実験に用いたファイバは、製造から数ヶ月経過したファイバである。
b)銀がドープされた五酸化バナジウムナノベルトの準備
銀がドープされた五酸化バナジウムナノベルトは、上述した(a)と同様の処理において、Vゾルを準備する際、溶液に銀塩(硝酸銀)を加えることによって得られた。
銀がドープされた五酸化バナジウムナノベルトは、センサ7を作製するために用いた。
c)センサの製造
リソグラフ法によって作製されたすだれ状電極構造を支持したBK7ガラス基板上に1次元ナノ粒子を堆積させた。電極構造は、5nmのチタン接着層上に95nmの金層を堆積させたものである。電極構造は、50対の電極指を有し、各電極指の幅を10μmとし、電極指間の間隔を10μmとし、交差幅を1800μmとした。電極構造の外形寸法を2mm×2mmとした。センサ膜を堆積させる前に、アセトン、ヘキサン、イソプロパノールが入った超音波槽に入れ、酸素プラズマを(30W及び0.24mbarで4分間)印加することによって、基板を洗浄した。次に、洗浄された基板を0.1%のDAS(N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−エチレンジアイミン:アルドリッチ社(N- [3- (trimethoxysilyl) propyl]-ethylenediamine, Aldrich))を含む水溶液に2分間浸し、純水ですすぎ、空気流によって乾燥させた。この処理により、ガラス基板は、アミノ基によって官能基化され、アミノ基は、後に堆積されるナノファイバに結合する官能基として機能する。HOにファイバを懸濁させた懸濁液に基板を20秒間浸すことにより、(a)の工程によって得られたファイバを基板に浸せき塗布した。次に、基板を純水ですすぎ、空気流によって乾燥させた。これにより、ドープされていないVナノファイバセンサ(センサ8)を製造した。
d)銀がドープされたセンサ(センサ7)の製造
1次元ナノ粒子として、(b)の工程で得られた、銀がドープされた五酸化バナジウムナノファイバを用いた点を除いて(c)と同様の工程を行った。これにより、センサ7として、銀がドープされたVナノファイバセンサが得られた。
e)浸せきによるセンサのドープ
(c)の工程で得られたセンサを表1に詳細を示すように、ドーパントの溶液に浸した。浸せきの後、センサを純水で完全にすすぎ、空気流で乾燥させた。
Figure 0004435569
f)金層の蒸着(evaporation)によるセンサのドーピング
(c)の工程で得られたドープされていないセンサ上に金層を2nmの厚みで蒸着させることにより、センサ3を得た。原子間力顕微鏡により、略球形の粒子が形成されていることが確認された。
g)様々なガスに対するセンサの感度
ガス試験の実験のため、上述した(c)〜(f)の工程によって作製された各センサを容量が約1.23cmの自作(home made)のテフロン製のチャンバに設置した。試験用のガスは、ドイツのオバーモーレン(Ober-Morlen)のMCZ Umwelttechnik GmbH社のマスフローシステムを用いて、適切な量のキャリアガス(乾燥したN)によって分析物のストックを希釈(乾燥したNに10%の分析物(H、CO、NH)を希釈)することによって、所望の分析物濃度を実現した。試験用のチャンバにおける質量流量を、400ml毎秒に調整し、全ての実験において一定に維持した。全ての実験は、常温で行った。
SMU236(ケースレー社(Keithley))を用いてDC電流を印加し、マルチメータ2002(multimeter 2002:ケースレー社)を用いて電圧を記録することによって、抵抗を監視した。センサを目的のガスに晒した後、120分間、抵抗の相対的変化を測定した。
Figure 0004435569
センサ1〜3の応答は、図4にも示している。センサ1及びセンサ2は、アンモニアに対して(絶対値において)略同じ感度を示しているが、センサ2は、COに対しては、センサ1の約5倍の高い感度を示している。したがって、これら2つのセンサを組み合わせることにより、NHとCOを弁別することができる。センサ3は、センサ1、2と比べてアンモニアに対する感度に劣るが、Hについては、より高い感度を示している。したがって、このセンサ3は、水素の検出が必要とされる用途により適している。
h)ドーピングレベルの影響
銀がドープされた五酸化バナジウムセンサ1、5、6を100ppmのCOに晒した。なお、センサ5は低レベルにドープされ、センサ1は、中レベルにドープされ、センサ6は、高レベルにドープされている。これらのセンサの応答を図5に示す。センサ5は、速い応答を示し、相対抵抗率ΔR/Riniを−1.3%変化させたが、それぞれ中レベル及び高レベルのドーピングレベルを有するセンサ1及びセンサ6は、それぞれ相対抵抗率ΔR/Riniを+1.0%及び1.3%変化させた。これにより、ドーピングレベルを変化させることによってセンサの応答を変更できることがわかる。
i)銀がドープされた五酸化バナジウムセンサのNHに対する感度
センサ7を360ppbのアンモニアに晒した。センサ7の応答を図6に示す。このセンサ7は、120秒以内に相対抵抗率ΔR/Riniを−1.6%変化させる速い応答を示した。これにより、センサ7は、非常に低い濃度のアンモニアに対して速い応答を示し、回復時間が短いことがわかる。図7に示す感度等温線(isotherm)は、より高濃度のアンモニアに対して、センサ7の応答が強くなることを示している。
k)一酸化炭素に対する感度
常温において、金がドープされたセンサ2を1ppmのCOに晒した。このセンサ2の応答を図8に示す。低い濃度においても、120秒以内に−1.7%の相対抵抗率ΔR/Riniの変化による応答が得られた。
l)水素ガスに対する感度
常温において、金がドープされたセンサ3を20ppmのHに晒した。このセンサ3の応答を図9に示す。120秒以内に−0.4%の相対抵抗率ΔR/Riniの変化による応答が得られた。
五酸化バナジウムベースのセンサは、NH、CO、Hに対する単一のセンサとして用いることができる。異なるガスに対する交差した感度(cross-sensitivity)及び個々のセンサの異なる選択性のために、様々なドーパントがドープされた複数のセンサからなるアレーを電子の鼻用のアレーとして用いることができる。
m)高湿度におけるブチルアミンに対する感度
銀がドープされたセンサ7を、40%の相対湿度において、30ppbのブチルアミンに晒した。センサ7の応答を図10に示す。上向きの矢印は、ブチルアミンが供給された時刻を表し、下向きの矢印は、ブチルアミンが気相から除去された時刻を表す。500秒以内に、+1.9%の相対抵抗率ΔR/Riniの変化が得られた。
n)生物アミンの検出
2匹の新鮮な魚(鱈)の試料を準備し、それぞれガラス容器に収容した。容器の頭隙のガスをマイクロポンプによって採取し、これを10秒間、銀がドープされたセンサ7に晒すことによって分析した。第1の試料を分析した後、第2の試料を分析した。図11に示す破線は、試料が新鮮である1日目の実験結果を表している。いずれの試料からも同様な信号が得られている。次に、24時間、試料1を冷蔵庫に貯蔵し、試料2を大気条件で保管した。翌日に両方のサンプルを再び分析した。図11に示す実線は、この2日目の実験結果を表している。大気条件で保管された試料2に関する信号は、冷蔵庫に貯蔵した試料1の信号より大きな応答を示している。殆どの海魚は腐敗時にアミンを発生することが知られている。試料2の信号の応答の強さは、より高い温度のために魚の腐敗が進み、したがってより高いレベルのアミンが発生していることを示していると考えられる。
o)センサ感度に対する湿度の影響
様々な湿度条件で、銀がドープされたセンサ7を237ppmのブチルアミンに晒した。この実験では、5%、20%、30%、40%、50%、60%の相対湿度において、センサの応答を測定した。この実験によるセンサの応答を図12に示す。矢印は、湿度の上昇を示している。最も高い感度は、相対湿度が60%の条件において得られた。
化学抵抗器の構成を示す図である。 一対の電極間をブリッジする1次元ナノ粒子の異なる種類の構成を示す図である。 分析物ガスの湿度を変更することによって、異なる分析物に対してセンサ装置を応答させる装置の構成を示す図である。 100ppmのNH、CO、H分析物に対する個々のセンサの応答を示すグラフ図である。 常温における、異なるドーピングレベルで銀がドープされた複数の五酸化バナジウムセンサの100ppmのCOに対する応答を示すグラフ図である。 常温における、銀がドープされた五酸化バナジウムセンサ(センサ7)の360ppbのNHに対する応答を示すグラフ図である。 常温における、銀がドープされた五酸化バナジウムセンサ(センサ7)のNHに対する感度等温線を示すグラフ図である。 常温における、金がドープされた五酸化バナジウムセンサ(センサ2)の1ppmのCOに対する応答を示す示すグラフ図である。 常温における、金がドープされた他の五酸化バナジウムセンサ(センサ3)の20ppmのHに対する応答を示すグラフ図である。 40%の相対湿度における、銀がドープされた五酸化バナジウム化学抵抗器の30ppbのブチルアミンに対する応答を示すグラフ図である。 銀がドープされた五酸化バナジウム化学抵抗器の魚のサンプル(鱈)に対する応答を示すグラフ図である。 異なる相対湿度における、銀がドープされた五酸化バナジウムの237ppmのブチルアミンに対する応答を示すグラフ図である。

Claims (33)

  1. 基板と、
    上記基板上に形成され、実質的に、酸化バナジウム(V)からなる半導性AxBy化合物からなる1次元ナノ粒子を有するセンサ媒質と、
    上記センサ媒質の物理的及び/又は化学的特性の変化を検出する検出装置と、
    分析物を加湿して所定の湿度に調整して上記分析物に対する検出の感度を高める湿度調整装置と
    を備える化学センサ装置。
  2. 前記1次元ナノ粒子は、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノファイバ又はナノベルトの形状である
    請求項1に記載の学センサ装置。
  3. 上記1次元ナノ粒子は、非中空である請求項1または2に記載の化学センサ装置。
  4. 上記1次元ナノ粒子は、矩形の断面を有する請求項1または2に記載の化学センサ装置。
  5. 上記1次元ナノ粒子は、束の形で提供されている請求項1または2に記載の化学センサ装置。
  6. 上記1次元ナノ粒子は、更にドーパントを含む請求項1または2に記載の化学センサ装置。
  7. 上記ドーパントは、有機化合物である請求項6に記載の化学センサ装置。
  8. 上記有機化合物は、チオール、カルボキシル酸、アミン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ピリジン及びピリジン誘導体、チオフェン及びチオフェン誘導体、ピロール及びピロール誘導体からなるグループから選択される請求項7に記載の化学センサ装置。
  9. 上記ドーパントは、イオン又はイオン錯体である請求項6に記載の化学センサ装置。
  10. 上記ドーパントは、上記1次元ナノ粒子内に挿入され、及び/又は該1次元ナノ粒子の表面に吸収されている請求項6に項記載の化学センサ装置。
  11. 上記センサ媒質は、上記1次元ナノ粒子とは異なる第2のナノ粒子を更に含む請求項1または2に記載の化学センサ装置。
  12. 上記第2のナノ粒子は、略球形の形状を有している請求項11に記載の化学センサ装置。
  13. 上記第2のナノ粒子は、実質的に、金属からなる請求項11に記載の化学センサ装置。
  14. 当該化学センサ装置は、化学抵抗器、化学感応ダイオード、多端子素子、化学感応トランジスタ、感量素子又は光素子として構成されている請求項1または2に記載の化学センサ装置。
  15. 上記センサ媒質に設けられた前記センサ媒質を加熱するヒータを更に備える請求項1または2に記載の化学センサ装置。
  16. 上記センサ媒質は、上記基板に配設された2つの電極間をブリッジする少なくとも1種類の上記1次元ナノ粒子を備える請求項1または2に項記載の化学センサ装置。
  17. 上記センサに設けられた前記センサの湿度を調整する湿度調整装置を更に備える請求項1または2に載の化学センサ装置。
  18. 上記センサ媒質に設けられた前記センサ媒質の湿度を監視する湿度監視ユニットを更に備える請求項1または2に記載の化学センサ装置。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の化学センサ装置を製造する化学センサ装置の製造方法において、
    a)基板表面を有する基板を準備する工程と、
    b)実質的に請求項1記載の半導性AxBy化合物からなる1次元ナノ粒子を準備する工程と、
    c)上記1次元ナノ粒子によって上記基板表面を被覆してセンサ媒質を形成する工程と、
    d)上記センサ媒質の物理的性質の変化を検出する検出装置を配設する工程とを有し、
    分析物に対する検出の感度を高めるために上記分析物が加湿される
    化学センサ装置の製造方法。
  20. 上記1次元ナノ粒子は、上記基板の表面に配列される請求項19に記載の化学センサ装置の製造方法。
  21. 上記1次元ナノ粒子は、第1の官能基によって上記基板表面に結合し、第2の官能基によって上記1次元ナノ粒子の表面に結合する二官能配位子によって、該基板の表面に固定される請求項19または20に記載の化学センサ装置の製造方法。
  22. 上記センサ媒質に近接させて、湿度調整装置及び/又は湿度測定ユニットを配設する工程を更に有する請求項19または20に記載の化学センサ装置の製造方法。
  23. 試料内の分析物を検出する検出方法において、
    センサ媒質及び検出装置を備える請求項1〜18のいずれか1項に記載の化学センサ装置を準備する工程と、
    上記センサ媒質に分析物を接触させ、上記検出装置によって、該センサ媒質の物理的性質の変化を検出する工程とを有する検出方法。
  24. 上記分析物は、気相で提供される請求項23に記載の検出方法。
  25. 上記分析物は、アミンである請求項23または24に記載の検出方法。
  26. 上記センサ媒質の物理的性質の変化は、100℃以下において判定される請求項23または24に記載の検出方法。
  27. 上記センサ媒質の物理的性質の変化は、相対湿度が5%より高い上記センサ媒質上の雰囲気において判定される請求項23または24に記載の検出方法。
  28. 上記センサ媒質の物理的性質の変化を検出する間、上記相対湿度は、一定の値に維持される請求項27に記載の検出方法。
  29. 上記センサ媒質は、水蒸気によって飽和されている請求項23または24に記載の検出方法。
  30. 上記分析物における相対湿度を第1のレベルに調整し、該分析物を上記センサ媒質に接触させて、該センサ媒質の物理的性質の変化を示す第1の値を判定する第1の検出を行う工程と、
    上記分析物における相対湿度を第2のレベルに調整し、該分析物を上記センサ媒質に接触させて、該センサ媒質の物理的性質の変化を示す第2の値を判定する第2の検出を行う工程と、
    上記第1の値及び第2の値を比較して、上記分析物を識別する工程とを有する請求項23または24に記載の検出方法。
  31. 上記相対湿度の第1及び第2のレベル間の差は、少なくとも10%である請求項30に記載の検出方法。
  32. 上記センサ媒質の物理的性質の変化は、50℃以下において判定される請求項23または24に記載の検出方法。
  33. 上記センサ媒質の物理的性質の変化は、常温において判定される請求項23または24に記載の検出方法。
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