JP4420370B2 - 安息香酸エステル誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安息香酸エステル誘導体に関し、特に、オルト位に官能基がついた安息香酸エステル誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
多置換安息香酸エステル誘導体、特に、オルト位が官能化された安息香酸エステル誘導体は、ポリマー、医薬、農薬、ファインケミカルなどの分野において、中間体、添加剤等に極めて有用な化合物である。しかしながら、選択的に官能基を有する安息香酸エステルを得るのは困難であった。
【0003】
従って、安息香酸エステルのオルト位に様々な置換基を簡易な方法で高収率で導入することが所望された。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面では、下記式(I)で示されることを特徴とする安息香酸エステル誘導体が提供される。
【0005】
【化6】
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;水酸基又は置換基を有していてもよいシリル基であり、ただし、R2及びR3は、互いに架橋してC4〜C10飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、又は式−N(R6)−で示される基(式中、R6は水素原子、C1〜C40炭化水素基又はハロゲン原子である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよく、Mは、周期表の第3族〜第5族又はランタニド系列の金属を示し、L1及びL2は、互いに独立し、同一又は異なって、アニオン性配位子を示し、ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよく、Xは、脱離基である。)
【0006】
本発明において、前記R1、R2、R3、R4及びR5が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、又は置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基であり、前記Xが、ハロゲン原子であることが好ましい。
【0007】
また、前記Mが、周期表第4族又はランタニド系列の金属であり、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子であることが好ましい。前記非局在化環状η5−配位系配位子が、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基であることが更に好ましい。
【0008】
本発明の他の側面では、下記式(I)で示される安息香酸エステル誘導体の製造方法であって、
【0009】
【化7】
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;水酸基又は置換基を有していてもよいシリル基であり、ただし、R2及びR3は、互いに架橋してC4〜C10飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、又は式−N(R6)−で示される基(式中、R6は水素原子、C1〜C40炭化水素基又はハロゲン原子である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよく、Mは、周期表の第3族〜第5族又はランタニド系列の金属を示し、L1及びL2は、互いに独立し、同一又は異なって、アニオン性配位子を示し、ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよく、Xは、脱離基である。)、下記式(II)で示されるベンザイン錯体と、
【0010】
【化8】
(式中、R1、R2、R3、R4、M、L1及びL2は、上記意味を有する。)、下記式(III)で示されるエステルと
X−C(=O)OR5 (III)
(式中、R5及びXは、上記意味を有する。)を反応させることを特徴とする安息香酸エステル誘導体の製造方法が提供される。
【0011】
本発明において、前記R1、R2、R3、R4及びR5が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、又は置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基であり、前記Xが、ハロゲン原子であることが好ましい。
【0012】
また、本発明において、前記Mが、周期表第4族又はランタニド系列の金属であり、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子であることが好ましい。また、前記非局在化環状η5−配位系配位子が、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基であることが更に好ましい。
【0013】
本発明の他の側面では、下記式(IV)で示される安息香酸エステル誘導体の製造方法であって、
【0014】
【化9】
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;水酸基又は置換基を有していてもよいシリル基であり、ただし、R2及びR3は、互いに架橋してC4〜C10飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、又は式−N(R6)−で示される基(式中、R6は水素原子、C1〜C40炭化水素基又はハロゲン原子である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよく、Eは、求電子基である。)、下記式(II)で示されるベンザイン錯体と、
【0015】
【化10】
(式中、R1、R2、R3、R4は、上記意味を有する。Mは、周期表の第3族〜第5族又はランタニド系列の金属を示し、L1及びL2は、互いに独立し、同一又は異なって、アニオン性配位子を示す。ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよい。)、下記式(III)で示されるエステルと
X−C(=O)OR5 (III)
(式中、R5は、上記意味を有する。Xは、脱離基である。)を反応させ、反応混合物を得る工程と、次いで、前記反応混合物と、下記式(V)で示される求電子試薬とを反応させる工程と
E−Y (V)
(式中、Eは、上記意味を有する。Yは、脱離基である。)を含むことを特徴とするエステル誘導体の製造方法が提供される。
【0016】
本発明において、前記R1、R2、R3、R4及びR5が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、又は置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基であり、前記Xが、ハロゲン原子であることが好ましい。
【0017】
また、本発明において、上記反応が、周期表第4〜15族の金属化合物の存在下で行われることが好ましい。
【0018】
また、本発明において、前記Mが、周期表第4族又はランタニド系列の金属であり、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子であることが好ましい。また、前記非局在化環状η5−配位系配位子が、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基であることが更に好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一側面では、下記式(I)で示されることを特徴とする安息香酸エステル誘導体が提供される。
【0020】
【化11】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、M、L1、L2及びXは、前記の意味を有する。)
【0021】
R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;水酸基又は置換基を有していてもよいシリル基である。
【0022】
本明細書では、C1〜C40炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1〜C40炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。C1〜C40炭化水素基には、C1〜C40アルキル基、C2〜C40アルケニル基、C2〜C40アルキニル基、C3〜C40アリル基、C4〜C40アルキルジエニル基、C4〜C40ポリエニル基、C6〜C40アリール基、C6〜C40アルキルアリール基、C6〜C40アリールアルキル基、C4〜C40シクロアルキル基、C4〜C40シクロアルケニル基、(C3〜C20シクロアルキル)C1〜C20アルキル基などが含まれる。
【0023】
C1〜C40アルキル基、C2〜C40アルケニル基、C2〜C40アルキニル基、C3〜C40アリル基、C4〜C40アルキルジエニル基、及び、C4〜C40ポリエニル基は、それぞれ、C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C3〜C20アリル基、C4〜C20アルキルジエニル基、及び、C4〜C20ポリエニル基であることが好ましく、それぞれ、C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C10アリル基、C4〜C10アルキルジエニル基、及び、C4〜C10ポリエニル基であることが更に好ましい。
【0024】
C6〜C40アリール基、C6〜C40アルキルアリール基、C6〜C40アリールアルキル基、C4〜C40シクロアルキル基、C4〜C40シクロアルケニル基、及び、(C3〜C20シクロアルキル)C1〜C20アルキル基は、それぞれ、C6〜C20アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20シクロアルケニル基、及び、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C10アルキル基が好ましく、それぞれ、C6〜C10アリール基、C6〜C12アルキルアリール基、C6〜C12アリールアルキル基、C4〜C10シクロアルキル基、及び、C4〜C10シクロアルケニル基が更に好ましい。
【0025】
本発明の実施において有用な、置換基を有していてもよいアルキル基の例には、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ドデカニル、トリフルオロメチル、ペルフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジル、2−フェノキシエチル等がある。
【0026】
本発明の実施において有用な、置換基を有していてもよいアリール基の例には、制限するわけではないが、フェニル、2−トリル、3−トリル、4−トリル、ナフチル、ビフェニル、4−フェノキシフェニル、4−フルオロフェニル、3−カルボメトキシフェニル、4−カルボメトキシフェニル等がある。
【0027】
本発明の実施において有用な、置換基を有していてもよいアルコキシ基の例には、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、t−ブトキシ等がある。
【0028】
本発明の実施において有用な、置換基を有していてもよいアリールオキシ基の例には、制限するわけではないが、フェノキシ、ナフトキシ、フェニルフェノキシ、4−メチルフェノキシ、2−トリルオキシ、3−トリルオキシ、4−トリルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ、4−フェノキシフェニルオキシ、4−フルオロフェニルオキシ、3−カルボメトキシフェニルオキシ、4−カルボメトキシフェニルオキシ等がある。
【0029】
本発明の実施において有用な、置換基を有していてもよいアミノ基の例には、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
【0030】
本発明の実施において有用な、置換基を有していてもよいシリル基の例には、制限するわけではないが、トリメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルエチルシリル、メチルメトキシフェニルシリル、メチルエチルフェノキシシリル等が挙げられる。
【0031】
C1〜C40炭化水素基、C1〜C40アルコキシ基、C6〜C40アリールオキシ基、アミノ基、シリル基には、置換基が導入されていてもよく、この置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、シリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基などが挙げられる。
【0032】
R2及びR3は、互いに架橋してC4〜C10飽和又は不飽和環を形成してもよい。これらの置換基が形成する環は、4員環〜10員環であることが好ましく、4員環〜6員環であることが更に好ましい。この環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよいし、脂肪族環であってもよい。
【0033】
前記飽和または不飽和環は、酸素原子、硫黄原子または式―N(R6)―で示される基(式中、R6は、水素原子、C1〜C40炭化水素基又はハロゲン原子である。)で中断されていてもよい。即ち、前記飽和または不飽和環はヘテロ環であってもよい。
【0034】
R6は、水素原子またはC1〜C20炭化水素基であることが好ましく、水素原子またはC1〜C14炭化水素基であることが更に好ましく、R6は、水素原子、C1〜C6アルキル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、ナフチルメチル基であることが更になお好ましい。
【0035】
この飽和又は不飽和環は、置換基を有していてもよく、C1〜C40炭化水素基、C1〜C40アルコキシ基、C6〜C40アリールオキシ基、アミン基、水酸基又はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。
【0036】
Mは、周期表の第3族〜第5族又はランタニド系列の金属を示す。Mとしては、周期表第4族又はランタニド系列の金属が好ましく、周期表第4族の金属、即ち、チタン、ジルコニウム及びハフニウムが更に好ましい。
【0037】
L1及びL2は、互いに独立し、同一又は異なって、アニオン性配位子を示す。ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよい。前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子、C1〜C20アルコキシ基、C6〜C20アリールオキシ基又はジアルキルアミド基であることが好ましい。
【0038】
非局在化環状η5−配位系配位子の例は、無置換のシクロペンタジエニル基、及び置換シクロペンタジエニル基である。この置換シクロペンタジエニル基は例えば、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、t−ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、及びオクタヒドロフルオレニル基である。
【0039】
非局在化環状η5−配位系配位子は、非局在化環状π系の1個以上の原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。水素の他に、周期表第14族の元素及び/又は周期表第15、16及び17族の元素のような1個以上のヘテロ原子を含むことができる。
【0040】
非局在化環状η5−配位系配位子、例えば、シクロペンタジエニル基は、中心金属と、環状であってもよい、一つの又は複数の架橋配位子により架橋されていてもよい。架橋配位子としては、例えば、CH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH(C4H9)C(CH3)2、C(CH3)2、(CH3)2Si、(CH3)2Ge、(CH3)2Sn、(C6H5)2Si、(C6H5)(CH3)Si、(C6H5)2Ge、(C6H5)2Sn、(CH2)4Si、CH2Si(CH3)2、o−C6H4又は2、2'−(C6H4)2が挙げられる。
【0041】
2以上の非局在化環状η5−配位系配位子、例えば、シクロペンタジエニル基は、互いに、環状であってもよい、一つの又は複数の架橋基により架橋されていてもよい。架橋基としては、例えば、CH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH(C4H9)C(CH3)2、C(CH3)2、(CH3)2Si、(CH3)2Ge、(CH3)2Sn、(C6H5)2Si、(C6H5)(CH3)Si、(C6H5)2Ge、(C6H5)2Sn、(CH2)4Si、CH2Si(CH3)2、o−C6H4又は2、2'−(C6H4)2が挙げられる。
【0042】
上記式(I)で示される安息香酸エステル誘導体は、二つ以上のメタラシクロペンテン部分 (moiety)を有する化合物も含む。このような化合物は多核メタロセンとして知られている。前記多核メタロセンは、いかなる置換様式及びいかなる架橋形態を有していてもよい。前記多核メタロセンの独立したメタロセン部分は、各々が同一種でも、異種でもよい。前記多核メタロセンの例は、例えばEP−A−632063、特開平4−80214号、特開平4−85310、EP−A−654476に記載されている。
【0043】
Xは、脱離基である。脱離基としては、例えば、F、Cl、Br、Iのようなハロゲン原子、p−トルエンスルホニル基、トシラート基(―O−S(=O)2−C6H4−CH3)、トリフルオロメタンスルホン酸エステル(トリフラート)、C1〜C20アルコキシ基(好ましくは、C1〜C10アルコキシ基であり、更に好ましくは、C1〜C6アルコキシ基)、C6〜C20アリールオキシ基、トリ低級アルキルシリルオキシ基等が挙げられる。脱離基としては、Cl、Br、トシラート基、C1〜C20アルコキシ基、及びトリ低級アルキルシリルオキシ基が好ましい。
【0044】
本発明の他の側面では、下記式(II)で示されるベンザイン錯体と、下記式(III)で示されるエステルとを反応させることを特徴とする、下記式(I)で示される安息香酸エステル誘導体の製造方法が提供される。この反応式を下記に示す。
【0045】
【化12】
(式中、R1、R2、R3、R4、M、L1、L2、R5及びXは、上記意味を有する。)
【0046】
本発明の安息香酸エステル誘導体の製造方法において、下記式(II)で示されるベンザイン錯体が用いられる。
【0047】
【化13】
(式中、R1、R2、R3、R4、M、L1及びL2は、上記意味を有する。)
【0048】
上記式(II)で示されるベンザイン錯体は、例えば、メタロセンジクロリドにフェニルリチウムを2当量反応させて加熱するか、又は、メタロセンモノアルキルモノクロリドにフェニルリチウムを1当量反応させて加熱することによって得られる。
【0049】
なお、ベンザインとは、ベンゼンの隣り合った炭素から水素原子2個を除去され、炭素原子環が三重結合となったものをいう。
【0050】
また、本発明の安息香酸エステル誘導体の製造方法において、下記式(III)で示されるエステルが用いられる。
X−C(=O)OR5 (III)
(式中、R5及びXは、上記意味を有する。)
【0051】
上記式(III)で示されるエステルの量は、ベンザイン錯体(II)1モルに対し、0.01モル〜20モルであり、好ましくは0.1モル〜8モルであり、更に好ましくは、0.9モル〜3モルである。
【0052】
例えば、反応機構としては、以下のスキームが提案される。まず、ベンザイン錯体と、エステルのカルボニル基とがカップリング反応をおこし、5員環のオキサメタラサイクルを形成する。続いて、M−O結合が開裂し、同時にXが脱離して、o-メタラベンゾエートが生成される。なお、この反応機構は仮説に過ぎず、本発明はこの反応機構に限定されるものではない。
【0053】
本発明の安息香酸エステル誘導体の製造方法において、典型的には、上記式(II)で示されるベンザイン錯体の溶液に、上記式(III)で示されるエステルを添加し、攪拌する。
【0054】
反応は、好ましくは−100℃〜300℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは−80℃〜100℃の温度範囲、更に好ましくは0℃〜80℃の温度範囲で行われる。圧力は、例えば、0.1バール〜2500バールの範囲内で、好ましくは0.5バール〜10バールの範囲内である。
【0055】
溶媒としては、上記式(II)で示されるベンザイン錯体を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o−ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0056】
本発明の他の側面においては、下記式(II)で示されるベンザイン錯体と、下記式(III)で示されるエステルとを反応させ、反応混合物を得る工程と、次いで、前記反応混合物と、下記式(V)で示される求電子試薬とを反応させる工程とを含むことを特徴とする、下記式(IV)で示される安息香酸エステル誘導体の製造方法が提供される。この反応式を下記に示す。
【0057】
【化14】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、M、L1、L2、E、X及びYは、上記意味を有する。)
【0058】
本発明の安息香酸エステル誘導体において、下記式(V)で示される求電子試薬を用いる。
E−Y (V)
(式中、Eは、求電子基であり、Yは、脱離基である。)
【0059】
Eは、求電子基である。求電子基としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいC1〜C20アリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいC1〜C20アリールカルボニル基、シアノ基等を挙げることができる。
【0060】
Yは、脱離基である。脱離基としては、例えば、F、Cl、Br、Iのようなハロゲン原子、p−トルエンスルホニル基、トシラート基(―O−S(=O)2−C6H4−CH3)、トリフルオロメタンスルホン酸エステル(トリフラート)、C1〜C20アルコキシ基、置換基を有していてもよいシリルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、下記式に示される基等を挙げることができる。
【0061】
【化15】
【0062】
上記式(III)で示されるエステルの量は、ベンザイン錯体(II)1モルに対し、0.01モル〜20モルであり、好ましくは0.1モル〜8モルであり、更に好ましくは、0.9モル〜3モルである。
【0063】
上記式(V)で示される求電子試薬の量は、ベンザイン錯体(II)1モルに対し、0.01モル〜20モルであり、好ましくは0.1モル〜8モルであり、更に好ましくは、0.9モル〜3モルである。
【0064】
本発明の安息香酸エステル誘導体の製造方法において、典型的には、上記式(II)で示されるベンザイン錯体の溶液に、上記式(III)で示されるエステルを添加し、攪拌する。次いで、上記式(V)で示される求電子試薬を添加して攪拌する。
【0065】
反応は、周期表第4〜15族の金属化合物の存在下で行ってもよい。
【0066】
金属化合物は、塩であっても、錯体であってもよく、銅イオン、ニッケルイオン、ビスマスイオン、パラジウムイオン、亜鉛イオン、クロムイオン、コバルトイオンを含む塩、又は、ニッケル錯体若しくはパラジウム錯体であることが好ましい。
【0067】
塩の場合には、銅、ニッケル、ビスマス、パラジウム、亜鉛、クロム、コバルトと、塩酸、硫酸等の無機酸又はカルボン酸のような有機酸との塩であってもよい。金属化合物は、CuX、NiX2、PdX2、ZnX2、CrX2、CrX3、CoX2、若しくは、BiX3(式中、Xは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、シアノ基(−CN)又は水酸基を示す。)であることが好ましく、更に、ハロゲン化銅(I)、ハロゲン化パラジウム(II)、ハロゲン化ビスマス(III)、ハロゲン化亜鉛(II)、ハロゲン化クロム(II)、ハロゲン化クロム(III)、ハロゲン化コバルト(II)のような金属塩が好ましく、特に、CuClのようなハロゲン化銅(I)が好ましく用いられる。
【0068】
ニッケル錯体及びパラジウム錯体である場合は、4配位又は6配位であることが好ましく、4配位子が更に好ましい。これらの錯体には、低級アルキルカルボニルオキシ基、ホスフィン、ホスファイト若しくはハロゲン原子の少なくとも一つが配位子として、それぞれ、ニッケル金属及びパラジウム金属に結合していることが好ましい。
【0069】
ニッケル錯体は、たとえば、NiX2P1P2(式中、Xは、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を示し、P1及びP2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ホスフィン、ホスファイト又はアミンを示し、好ましくは、ホスフィン又はアミンを示し、更に好ましくはホスフィンを示す。ただし、P1及びP2は、互いに架橋していてもよい。)であってもよい。
【0070】
ホスフィンは、ジフェニルホスフィンのようなジアリールホスフィン、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィン、トリエチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンのようなα,ω−ビス(ジアリールホスフィノ)アルカン、P,P,P',P',P",P"−ヘキサフェニル−トリスエチレンテトラホスフィンのようなP,P,P',P',P",P"−六置換−トリスアルキレンテトラホスフィン等であってもよい。ホスファイトは、ホスフィンと同様である。
【0071】
アミンは、配位子としては、ピリジン、ビピリジン、キノリン等の芳香族アミンであってもよいし、エチレンジアミンのようなアルキレンジアミン、N,N,N',N'−テトラアルキルエチレンジアミンのようなN,N,N',N'−四置換アルキレンジアミン、トリスエチレンジアミンのようなトリスアルキレンジアミン等の脂肪族アミンであってもよい。
【0072】
ニッケル錯体としては、たとえば、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロニッケル、ジクロロ(2,2'−ビピリジン)ニッケルが挙げられる。NiX2P1P2で示されるニッケル錯体は、NiX2で示されるニッケル塩と比べて、有機溶媒中での溶解度が向上するので、用途によっては、好ましい。たとえば、NiX2で示されるニッケル塩を反応系が含まれている溶媒に添加し、所望により、更にホスフィンを溶媒に添加して in situで、ニッケルホスフィン錯体を形成してもよい。
【0073】
パラジウム錯体は、Pd(Q1)(Q2)(Q3)(Q4)(式中、Q1、Q2、Q3及びQ4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ホスフィン、ホスファイト、C1−C20アシル基、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20アルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20アリールカルボニルオキシ基、ニトリル、又は、ハロゲン原子を示し、好ましくは、ホスフィン、ホスファイト、C1−C20アシル基、アミン、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子を示し、ただし、Q1、Q2、Q3及びQ4の任意の2つ、3つ及び4つが、互いに架橋していてもよい。)であってもよい。ホスフィン、ホスファイト又はアミンについては、上述の通りである。パラジウム錯体としては、たとえば、Pd(O−C(=O)R)4(式中、Rはアルキル基又はアリール基であり、互いに架橋していてもよい。)、[PdX4]2-(Xはハロゲン原子である。)、テトラキス(トリアリールホスフィン)、PdCl2(2,2'-ビピリジン)等が挙げられる。
【0074】
反応は、好ましくは−100℃〜300℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは−80℃〜100℃の温度範囲、更に好ましくは−80℃〜80℃の温度範囲で行われる。圧力は、例えば、0.1バール〜2500バールの範囲内で、好ましくは0.5バール〜10バールの範囲内である。
【0075】
溶媒としては、上記式(II)で示されるベンザイン錯体を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o−ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0076】
本発明の一側面で用いるベンザイン錯体の原料として、例えば、メタロセンジクロリド、β位の水素を持たないメタロセンモノアルキルモノクロリドを用いることができる。
【0077】
メタロセンジクロリドとしては、例えば、ビス(インデニル)ジクロロジルコニウム;ビス(フルオレニル)ジクロロジルコニウム;(インデニル)(フルオレニル)ジクロロジルコニウム;ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロチタン;(ジメチルシランジイル)ビス(インデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(テトラヒドロインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)(インデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジクロロジルコニウム等を挙げることができる。
【0078】
また、β位の水素を持たないメタロセンモノアルキルモノクロリドとしては、例えば、ビス(インデニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;ビス(フルオレニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;(インデニル)(フルオレニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;ビス(シクロペンタジエニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;ビス(シクロペンタジエニル)モノメチルモノクロロチタン;(ジメチルシランジイル)ビス(インデニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(テトラヒドロインデニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)(インデニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチルインデニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチルインデニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)モノメチルモノクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)モノメチルモノクロロジルコニウム等を挙げることができる。
【0079】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
【0080】
すべての反応は、窒素雰囲気下のもとで行われた。溶媒として用いたTHF、ベンゼンは窒素気流下、ナトリウム金属、ベンゾフェノンで蒸留して無水とした。ジルコノセンジクロリドは日亜化学工業から購入したものを用いた。ブチルリチウム及びフェニルリチウムは、関東化学から購入したものを用いた。その他の試薬は、アルドリッチ(Aldrich Chemical Company, Inc)から購入したものを用いた。
【0081】
1H-NMRおよび13C-NMRスペクトルは、25℃にて重水素化クロロホルム溶液(TMS1%含有)を内部標準として、Bruker ARX-400を用いて測定した。ガスクロマトグラフ分析は、シリカガラスキャピラリカラムSHIMADZU CBP1-M25-O25 及び SHIMADZU C-R6A-Chromatopac integrator を備えたSHIMADZU GC-14A ガスクロマトグラフで測定した。
【0082】
参考例1
【0083】
ジルコノセン(イソブチル)クロライドの形成
365 mg(1.25 mmol) のCp2ZrCl2 5 mL THF溶液に、1.25当量のt-BuLi (1.25 mmol, 1.51 M, 0.83 mL)を-78℃にて加え、15分攪拌し、室温まで昇温させた。室温にて1時間攪拌した後、溶液を再度-78℃まで冷却し、直ちに使用した。
【0084】
実施例1
【0085】
【化16】
【0086】
Cp2ZrCl2 292 mg (1 mmol)の5 mLベンゼン溶液に、2当量のPhLi (2 mmol, 0.88 M, 2.27 mL)を0℃にて加え、1時間攪拌した。室温まで昇温させ、3時間攪拌した。これに、2当量のクロロギ酸エチル (190 μL, 2.0 mmol)を加え、18時間、75℃にて攪拌した。
【0087】
1H-NMR (CDCl3, Me4Si): 1.05 (t, J = 7.1Hz, 3H), 4.23 (q, J = 7.1Hz, 2H), 5.97(s, 10H), 7.03-7.78(m, 4H). 13C-NMR (CDCl3, Me4Si): 14.47, 65.26, 112.33, 124.27, 127.66, 132.53, 133.24, 140.99, 179.68, 200.74。
【0088】
o-ジルコナベンゾエートがNMRスペクトロスコピーによって確認された。1H-NMRスペクトルにて、Cpシグナルが5.97 ppmで、CH3及びCH2基及びベンゼン環の4つの水素が、それぞれ、1.05 ppm, 4.23 ppm及び 7.03-7.78 ppmで見られた。13C-NMRにて、Cp、CH3、CH2及びカルボニル炭素が、それぞれ、112.33、14.47、65.26及び179.68 ppmで見られた。
【0089】
実施例2
【0090】
【化17】
【0091】
実施例1で得られた混合物に2.0mmol I2を加えて、室温にて1時間かけて反応を終了させた。無色液体、GC収率 50%、単離収率37%。
【0092】
1H-NMR (CDCl3, Me4Si): 1.41 (t, J = 7.1Hz, 3H), 4.39 (q, J = 5.3Hz, 2H), 7.13-7.98(m, 4H). 13C-NMR (CDCl3, Me4Si): 14.11, 61.57, 93.87, 127.76, 130.69, 132.37, 135.33, 141.08, 166.45. 高分解能質量分析計 計算値 C9H9O2I: 275.9647, 実測値: 275.9656。
【0093】
実施例3
【0094】
【化18】
【0095】
実施例1で得られた混合物に、2.0mmolのNBS(N-ブロモスクシンイミド)を加えて室温にて反応を終了させ、3時間保持した。混合物は、3N HClを加えて反応を終了させた。通常の処理を行い、カラムクロマトグラフィで精製した。無色液体、GC収率68%、単離収率49%。
【0096】
1H-NMR ( CDCl3, Me4Si ): 1.40 (t, J = 7.1Hz, 3H), 4.4 (q, J = 5.3Hz, 2H), 7.30-7.78 (m, 4H). 13C-NMR (CDCl3, Me4Si): 14.06, 61.48, 121.36, 127.00, 130.01, 132.26, 132.39, 134.10, 166.08. 元素分析 計算値 C9H9O2Br: C, 47.19; H, 3.96; Br, 34.88 . 実測値: C,47.40; H, 4.04; Br, 34.86。
【0097】
実施例4
【0098】
【化19】
【0099】
実施例1で得た混合物に、1.2 mmolヨードベンゼン、1.2 mmol CuCl及び0.05mol Pd(PPh3)4.を加え、混合物を6時間50℃にて攪拌し、3N HClを加えて反応を終了させた。淡黄色液体、GC収率47%、単離収率41%。
【0100】
1H-NMR ( CDCl3, Me4Si ):0.97 (t, J = 7.1Hz, 3H), 4.07 (q, J = 5.3Hz, 2H), 7.29-7.83 (m, 4H). 13C-NMR ( CDCl3, Me4Si): 133.53, 60.79, 127.03, 127.05, 127.88, 128.27, 129.60, 130.48, 131.00, 131.22, 141.40, 142.28, 168.73. 元素分析 計算値 C15H14O2: C, 79.62; H, 6.24 . 実測値: C,79.59; H, 6.20。
【0101】
実施例5
【0102】
【化20】
【0103】
実施例1で得られた混合物に、1.2 mmol塩化ベンゾイル、1.2 mmol CuClを加え、室温にて6時間攪拌し、3N HClを加えて反応を終了させた。白色固体、GC収率60%、単離収率52%。
【0104】
1H-NMR ( CDCl3, Me4Si ):1.05 ( t, J = 7.1Hz, 3H), 4.07 (q, J = 5.3Hz, 2H), 7.38-8.07 (m, 4H). 13C-NMR (CDCl3, Me4Si ): 13.47, 61.35, 115.20, 127.51, 128.35, 129.22, 129.43, 129.97, 132.23, 132.98, 137.02, 141.41, 165.76, 196.87. 元素分析 計算値 C16H14O3: C, 75.57; H, 5.55 . 実測値: C,75.36; H, 5.70。
【0105】
実施例6
【0106】
【化21】
【0107】
実施例1で得られた混合物に、2.0 mmolの3-クロロ-1-プロペン及び2.0 mmolのCuClを室温にて加え、混合物を3時間50℃にて攪拌し、3N HClを加えて反応を終了させた。無色液体、GC収率63%、単離収率54%。
【0108】
1H-NMR (CDCl3, Me4Si): 1.37 (t, J = 7.1Hz, 3H), 3.74-3.76 (m, 2H), 4.34 (q, J = 7.2Hz, 2H), 4.97-5.05 (m, 2H), 5.96-6.05 (m, H), 7.24-7.88 (m, 4H). 13C-NMR (CDCl3, Me4Si): 14.29, 38.40, 60.82, 115.53, 126.16, 130.17, 130.52, 130.90, 131.89, 137.48, 141.39, 167.65. 高分解能質量分析計 計算値 C12H14O2: 190.0994, 実測値: 190.0999。
【0109】
実施例1〜6の反応機構を以下に示す。
【0110】
【化22】
【0111】
実施例7
【0112】
【化23】
【0113】
窒素下で、25 mLシュレンクフラスコに、THF(5 mL)及び2-ブロモアニソール (124.5 mL, 1.0 mmol)を加えた。-78℃まで冷却した後、得られた溶液をn-ブチルリチウム (0.63 mL, 1.0 mmol)で処理し、1時間攪拌した。次いで、得られた溶液を、カニューラーを用いて、参考例1で合成されたジルコノセン(イソブチル)クロライドに、-78℃で加えた。温度を、-50℃まで昇温させ、クロロギ酸エチル (190 μL, 2.0 mmol) を添加する前に、溶液を、1時間攪拌した。溶液混合物は、室温まで昇温させ、70℃で18時間加熱した。混合物は、3N HClで反応を終了させ、酢酸エチルによって、有機相を抽出した。GC収率 76%。無色液体、単離収率62%。
【0114】
1H-NMR (CDCl3, Me4Si): 1.38 (t, J = 7.2Hz, 3H), 3.83 (s, 3H), 4.47(q, J = 7.2Hz, 2H), 7.06-7.64 (m, 4H). 13C-NMR( CDCl3, Me4Si): 14.20, 55.27, 60.90, 113.96, 119.15, 121.82, 129.21, 131.74, 159.46, 166.35. 元素分析計算値 C10H12O3: C, 66.65; H, 6.71 . 実測値: C, 66.45; H, 6.84。
【0115】
実施例8
【0116】
【化24】
【0117】
実施例7で得られた混合物に、2.0 mmolのI2を室温にて加え、3時間で反応を終了させた。無色液体、GC収率60%、単離収率51%。
【0118】
1H-NMR (CDCl3, Me4Si): 1.40 (t, J = 7.1Hz, 3H), 3.86 (s, 3H), 4.38 (q, J = 7.2Hz, 2H), 6.86-7.32 (m, 3H). 13C-NMR ( CDCl3, Me4Si): 14.3, 56.62, 61.61, 86.20, 112.70, 121.94, 129.15, 139.07, 158.36, 167.46. 高分解能質量分析計 計算値 C10H11O3I: 305.9753, 実測値: 305.9762。
【0119】
実施例9
【0120】
【化25】
【0121】
実施例7で得られた反応混合物に、2.0 mmol 3-クロロ-1-プロペン及び2.0 mmol CuClを、室温にて加え、混合物は、3時間、50℃にて攪拌し、3N HClを加えて反応を終了させた。無色液体、GC収率 70%、単離収率52%。
【0122】
1H-NMR (CDCl3, Me4Si): 1.36(t, J = 7.1Hz, 3H), 3.72-3.75 (m, 2H), 3.81 (s, 3H), 4.33 (q, J = 7.1Hz, 2H), 4.94-5.0 (m, 2H), 5.94-5.99 (m, 1H), 6.96-7.40 (m, 3H). 13C-NMR(CDCl3, Me4Si): 14.14, 30.33, 55.76, 60.79, 113.56, 114.50, 121.94, 126.70, 129.41, 131.98, 136.85, 157,75, 167.85. 高分解能質量分析計 計算値 C13H16O3: 220.1099, 実測値: 220.1092。
【0123】
実施例10
【0124】
【化26】
【0125】
実施例7と同様の手順で行った。但し、クロロギ酸エチルの代わりに、クロロギ酸ブチルを用いた。無色液体、GC収率75%、単離収率68%。
【0126】
1H-NMR (CDCl3, Me4Si): 0.98 (t, J = 7.2Hz, 3H), 1.43-1.51 (m, 2H), 1.72-1.77 (m, 2H), 3.83 (s, 3H), 4.32 (t, J = 6.6Hz, 2H), 7.06-7.64 (m, 4H). 13C-NMR( CDCl3, Me4Si): 13.64, 19.17, 30.67, 55.26, 64.79, 114.01, 119.06, 121.80, 129.22, 131.76, 159.45, 166.41. 高分解能質量分析計 計算値 C12H16O3: 208.1099, 実測値: 208.1097。
【0127】
実施例11
【0128】
【化27】
【0129】
実施例8と同様の手順で行った。但し、実施例7で得られた混合物の代わりに、実施例10で得られた混合物を用いた。無色液体、GC収率64%、単離収率52%。
【0130】
1H-NMR (CDCl3, Me4Si): 0.97 (t, J = 7.2Hz, 3H), 1.46-1.49 (m, 2H), 1.73-1.78 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 4.34 (t, J = 6.6Hz, 2H), 6.88-7.32 (m, 3H). 13C-NMR(CDCl3, Me4Si): 13.61, 19.15, 30.48, 56.68, 65.51, 86.28, 112.74, 122.02, 129.18, 139.28, 158.48, 167.62. 高分解能質量分析計 計算値 C12H15O3I: 334.0066, 実測値: 334.0073。
【0131】
実施例12
【0132】
【化28】
【0133】
実施例9と同様の手順で行った。但し、実施例7で得られた反応混合物の代わりに実施例10で得られた混合物を用いた。無色液体、GC収率74%、単離収率70%。
【0134】
1H-NMR (CDCl3, Me4Si): 0.96(t, J = 7.4Hz, 3H), 1.43-1.50 (m, 2H), 1.69-1.76 (m, 2H), 3.73-3.75 (m,2H), 3.82 (s, 3H), 4.28 (t, J = 5.0Hz, 2H), 4.94-5.0 (m, 2H), 5.95-6.02 (m, H), 6.98-7.41 (m, 3H). 13C-NMR(CDCl3, Me4Si): 13.65, 19.21, 30.35, 30.63, 55.80, 64.77, 113.58, 114.52, 121.99, 126.72, 129.48, 132.02, 136.88, 157.78, 167.96. 高分解能質量分析計 計算値 C15H20O3: 248.1412, 実測値: 248.1406。
【0135】
実施例7〜12の反応機構を以下に示す。
【0136】
【化29】
【0137】
【発明の効果】
本発明により、様々な安息香酸エステル誘導体を選択的に得ることができる。
Claims (13)
- 下記式(I)で示されることを特徴とする安息香酸エステル誘導体。
- 前記R1、R2、R3、R4及びR5が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、又は置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基であり、前記Xが、ハロゲン原子である請求項1に記載の安息香酸エステル誘導体。
- 前記Mが、周期表第4族又はランタニド系列の金属であり、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子である請求項1又は2に記載の安息香酸エステル誘導体。
- 前記非局在化環状η5−配位系配位子が、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、t−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ジエチルシクロペンタジエニル基、ジイソプロピルシクロペンタジエニル基、ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基及びオクタヒドロフルオレニル基からなる群から選ばれる請求項3に記載の安息香酸エステル誘導体。
- 下記式(I)で示される安息香酸エステル誘導体の製造方法であって、
下記式(II)で示されるベンザイン錯体と、
下記式(III)で示されるエステルと
X−C(=O)OR5 (III)
(式中、R5及びXは、上記意味を有する。)
を反応させることを特徴とする安息香酸エステル誘導体の製造方法。 - 前記R1、R2、R3、R4及びR5が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、又は置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基であり、前記Xが、ハロゲン原子である請求項5に記載の安息香酸エステル誘導体の製造方法。
- 前記Mが、周期表第4族又はランタニド系列の金属であり、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子である請求項5又は6に記載の安息香酸エステル誘導体の製造方法。
- 前記非局在化環状η5−配位系配位子が、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、t−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ジエチルシクロペンタジエニル基、ジイソプロピルシクロペンタジエニル基、ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基及びオクタヒドロフルオレニル基からなる群から選ばれる請求項7に記載の安息香酸エステル誘導体の製造方法。
- 下記式(IV)で示される安息香酸エステル誘導体の製造方法であって、
Eは、ハロゲン原子;C 1 〜C20炭化水素基;C1〜C20アルコキシカルボニル基;C6〜C20アリールオキシカルボニル基;C1〜C20アルキルカルボニル基;C6〜C20アリールカルボニル基又はシアノ基である。)
下記式(II)で示されるベンザイン錯体と、
下記式(III)で示されるエステルと
X−C(=O)OR5 (III)
(式中、R5は、上記意味を有する。Xは、脱離基である。)
を反応させ、反応混合物を得る工程と、次いで、前記反応混合物と、下記式(V)で示される求電子試薬とを反応させる工程と
E−Y (V)
(式中、Eは、上記意味を有する。Yは、脱離基である。)
を含むことを特徴とするエステル誘導体の製造方法。 - 前記R1、R2、R3、R4及びR5が、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、又は置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基であり、前記Xが、ハロゲン原子である請求項9に記載の安息香酸エステル誘導体の製造方法。
- 上記反応が、周期表第4〜15族の金属化合物の存在下で行われる請求項9又は10に記載の安息香酸エステル誘導体の製造方法。
- 前記Mが、周期表第4族又はランタニド系列の金属であり、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子である請求項9〜11の何れかに記載の安息香酸エステル誘導体の製造方法。
- 前記非局在化環状η5−配位系配位子が、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、t−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ジエチルシクロペンタジエニル基、ジイソプロピルシクロペンタジエニル基、ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基及びオクタヒドロフルオレニル基からなる群から選ばれる請求項12に記載の安息香酸エステル誘導体の製造方法。
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