JP4309562B2 - アルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
アルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体、特に、シクロヘプタトリエン環と、芳香族環とが縮合している化合物は、医薬、農薬、導電性材料、高分子材料の添加剤等の中間体として、重要である。アルキリデン基が多様な反応性を示すことから、このような化合物から様々なファインケミカルを誘導することができる。
【0003】
特に医薬、農薬では化合物の置換基によってその薬理作用は大きく左右され、より活性な有用な医薬、農薬を合成するためには、様々な任意の置換基を導入できるかどうかに依存している。従来、ベンゾシクロヘプテン誘導体ではベンゼン環に任意の置換基を導入することができず、また7員環に任意の置換基を導入することが困難であったため、より有用な化合物を探索することができなかった。機能性材料においても、置換基の性質によって、水溶性の機能材料、有機溶媒に容易に溶解する材料、結晶性のよい材料など様々な用途に応じて化合物の性質をチューニングしていく必要があったが、任意の置換基を導入することが困難であった。
【0004】
そこで、本発明は、有機金属化合物を用いた、新規な環化反応により、画期的な多置換アルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面では、下記式(I)で示されることを特徴とするアルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体が提供される。
【0006】
【化5】
【0007】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;アミノ基;水酸基又はシリル基であり、
ただし、R1及びR2、R2及びR3、R3及びR4は、互いに架橋してC4〜C10飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、又は式−N(R5)−で示される基(式中、R5は水素原子又はC1〜C40炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよく、
A1、A2、A3、A4及びA5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;アルコキシカルボニル基;アミノ基;水酸基;シリル基;エステル基;ニトロ基;ニトリル基;アシル基;カルボキシル基;カルバモイル基;ホルミル基;イソシアノ基;イソシアナト基;チオシアナト基又はイソチオシアナト基であり、
ただし、A1及びA2、A2及びA3、又は、A3及びA4は、互いに架橋してC4〜C10飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、又は式−N(R5)−で示される基(式中、R5は水素原子又はC1〜C40炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよく、
Bは、水素原子;C1〜C40炭化水素基又はアシル基である。)
また、本発明の他の側面では、下記式(I)で示されるアルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体の製造方法であって、
【0008】
【化6】
【0009】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;アミノ基;水酸基又はシリル基であり、
ただし、R1及びR2、R2及びR3、R3及びR4は、互いに架橋してC4〜C10飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、又は式−N(R5)−で示される基(式中、R5は水素原子又はC1〜C40炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよく、
A1、A2、A3、A4及びA5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;アルコキシカルボニル基;アミノ基;水酸基;シリル基;エステル基;ニトロ基;ニトリル基;アシル基;カルボキシル基;カルバモイル基;ホルミル基;イソシアノ基;イソシアナト基;チオシアナト基又はイソチオシアナト基であり、
ただし、A1及びA2、A2及びA3、又は、A3及びA4は、互いに架橋してC4〜C10飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、又は式−N(R5)−で示される基(式中、R5は水素原子又はC1〜C40炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよく、
Bは、水素原子;C1〜C40炭化水素基又はアシル基である。)
周期表第4〜15族の金属を含む金属化合物の存在下、下記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンと、
【0010】
【化7】
【0011】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、上記の意味を有する。
【0012】
Mは、周期表の第3族〜第5族またはランタニド系列の金属を示し;
L1及びL2は、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示し、ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよい。)
下記式(III)で示されるアリールアセチレン誘導体とを反応させ、反応混合物を得る工程と、
【0013】
【化8】
【0014】
(式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、上記の意味を有する。Xは脱離基である。)
次いで、前記反応混合物に下記式(IV)で示される求電子試薬を反応させる工程と
B―Y (IV)
(式中、Bは、上記の意味を有する。Yは、脱離基である。)
を含むことを特徴とするアルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体の製造方法が提供される。
【0015】
本発明において、Mが、周期表第4族もしくは第5族またはランタニド系列の金属であり、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子であることが好ましい。また、前記非局在化環状η5−配位系配位子が、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基であることが更に好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の一側面では、下記式(I)で示されることを特徴とするアルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体が提供される。
【0017】
【化9】
【0018】
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;アミノ基;水酸基又はシリル基である。
【0019】
本明細書では、C1-C40炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1-C40炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。C1-C40炭化水素基には、C1-C40アルキル基、C2-C40アルケニル基、C2-C40アルキニル基、C3-C40アリル基、C4-C40アルキルジエニル基、C4-C40ポリエニル基、C6-C40アリール基、C6-C40アルキルアリール基、C6-C40アリールアルキル基、C4-C40シクロアルキル基、C4-C40シクロアルケニル基、(C3-C20シクロアルキル)C1-C20アルキル基などが含まれる。
【0020】
C1-C40アルキル基、C2-C40アルケニル基、C2-C40アルキニル基、C3-C40アリル基、C4-C40アルキルジエニル基、及び、C4-C40ポリエニル基は、それぞれ、C1-C20アルキル基、C2-C20アルケニル基、C2-C20アルキニル基、C3-C20アリル基、C4-C20アルキルジエニル基、及び、C4-C20ポリエニル基であることが好ましく、それぞれ、C1-C10アルキル基、C2-C10アルケニル基、C2-C10アルキニル基、C3-C10アリル基、C4-C10アルキルジエニル基、及び、C4-C10ポリエニル基であることが更に好ましい。
【0021】
C6-C40アリール基、C6-C40アルキルアリール基、C6-C40アリールアルキル基、C4-C40シクロアルキル基、C4-C40シクロアルケニル基、及び、(C3-C20シクロアルキル)C1-C20アルキル基は、それぞれ、C6-C20アリール基、C6-C20アルキルアリール基、C6-C20アリールアルキル基、C4-C20シクロアルキル基、C4-C20シクロアルケニル基、及び、(C3-C10シクロアルキル)C1-C10アルキル基が好ましく、それぞれ、C6-C10アリール基、C6-C12アルキルアリール基、C6-C12アリールアルキル基、C4-C10シクロアルキル基、及び、C4-C10シクロアルケニル基が更に好ましい。
【0022】
本発明の実施において有用なアルキル基の例には、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ドデカニル、トリフルオロメチル、ペルフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジル、2−フェノキシエチル等がある。
【0023】
本発明の実施において有用なアリール基の例には、制限するわけではないが、フェニル、2−トリル、3−トリル、4−トリル、ナフチル、ビフェニル、4−フェノキシフェニル、4−フルオロフェニル、3−カルボメトキシフェニル、4−カルボメトキシフェニル等がある。
【0024】
本発明の実施において有用なアルコキシ基の例には、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、t−ブトキシ等がある。
【0025】
本発明の実施において有用なアリールオキシ基の例には、制限するわけではないが、フェノキシ、ナフトキシ、フェニルフェノキシ、4−メチルフェノキシ、2−トリルオキシ、3−トリルオキシ、4−トリルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ、4−フェノキシフェニルオキシ、4−フルオロフェニルオキシ、3−カルボメトキシフェニルオキシ、4−カルボメトキシフェニルオキシ等がある。
【0026】
本発明の実施において有用なアミノ基の例には、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
【0027】
本発明の実施において有用なシリル基の例には、制限するわけではないが、トリメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルエチルシリル、メチルメトキシフェニルシリル、メチルエチルフェノキシシリル等が挙げられる。
【0028】
C1-C40炭化水素基、C1-C40アルコキシ基、C6-C40アリールオキシ基には、置換基が導入されていてもよく、この置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、シリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基などが挙げられる。
【0029】
ただし、R1及びR2、R2及びR3、又は、R3及びR4は、互いに架橋してC4-C10飽和又は不飽和環を形成してもよい。即ち、アルキリデンベンゾヘプテン誘導体には、二環式化合物のみならず、三環式化合物、又は、それ以上の多環式化合物も含まれる。
【0030】
これらの置換基が形成する環は、4員環-10員環であることが好ましく、4員環-6員環であることが更に好ましい。この環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよいし、脂肪族環であってもよい。
【0031】
前記飽和または不飽和環は、酸素原子、硫黄原子または式―N(R5)―で示される基(式中、R5は、水素原子、C1-C40炭化水素基又はハロゲン原子である。)で中断されていてもよい。即ち、前記飽和または不飽和環はヘテロ環であってもよい。
【0032】
R5は、水素原子またはC1-C20炭化水素基であることが好ましく、水素原子またはC1-C14炭化水素基であることが更に好ましく、R5は、水素原子、C1-C6アルキル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、ナフチルメチル基であることが更になお好ましい。
【0033】
この飽和又は不飽和環は、置換基を有していてもよく、C1-C40炭化水素基、C1-C40アルコキシ基、C6-C40アリールオキシ基、アミン基、水酸基又はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。
【0034】
A1、A2、A3、A4及びA5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;アルコキシカルボニル基;アミノ基;水酸基;シリル基;エステル基;ニトロ基;ニトリル基;アシル基;カルボキシル基;カルバモイル基;ホルミル基;イソシアノ基;イソシアナト基;チオシアナト基又はイソチオシアナト基である。
【0035】
本発明の実施において有用なアルコキシカルボニル基の例には、制限するわけではないが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−メトキシエトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等がある。
【0036】
ただし、A1及びA2、A2及びA3、又は、A3及びA4は、互いに架橋してC4〜C10飽和又は不飽和環を形成してもよい。これらの置換基が形成する環は、4員環-10員環であることが好ましく、4員環-6員環であることが更に好ましい。この環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよいし、脂肪族環であってもよい。
【0037】
前記飽和または不飽和環は、酸素原子、硫黄原子または式―N(R5)―で示される基(式中、R5は、上記の意味を有する)で中断されていてもよい。即ち、前記飽和または不飽和環はヘテロ環であってもよい。
【0038】
この飽和又は不飽和環は、置換基を有していてもよく、C1-C40炭化水素基、C1-C40アルコキシ基、C6-C40アリールオキシ基、アミン基、水酸基又はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。
【0039】
Bは、水素原子;C1〜C40炭化水素基又はアシル基である。
【0040】
本発明の実施において有用なアシル基の例には、制限するわけではないが、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘキサノイル基、ベンゾイル基等がある。
【0041】
本発明の他の側面では、周期表第4〜15族の金属を含む金属化合物の存在下、下記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンと、下記式(III)で示されるアリールアセチレン誘導体とを反応させ、反応混合物を得る工程と、次いで、前記反応混合物に下記式(IV)で示される求電子試薬を反応させる工程とを含む、下記式(I)で示されるアルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体の製造方法が提供される。
【0042】
【化10】
【0043】
(式中、A1、A2、A3、A4、A5及びBは、上記の意味を有する。)
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;アミノ基;水酸基又はシリル基である。
【0044】
ただし、R1及びR2、R2及びR3、R3及びR4は、互いに架橋してC4〜C10飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、又は式−N(R5)−で示される基(式中、R5は水素原子又はC1〜C40炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。
【0045】
Mは、周期表の第3族-第5族又はランタニド系列の金属を示す。Mとしては、周期表第4族又はランタニド系列の金属が好ましく、周期表第4族の金属、即ち、チタン、ジルコニウム及びハフニウムが更に好ましく、ジルコニウムが更になお好ましい。
【0046】
L1及びL2は、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよい。前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子、C1-C20アルコキシ基、C6-C20アリールオキシ基又はジアルキルアミド基であることが好ましい。
【0047】
L1及びL2は、非局在化環状η5−配位系配位子であることが好ましい。非局在化環状η5−配位系配位子の例は、無置換のシクロペンタジエニル基、及び置換シクロペンタジエニル基である。この置換シクロペンタジエニル基は例えば、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、t−ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基及びオクタヒドロフルオレニル基である。
【0048】
非局在化環状η5−配位系配位子は、非局在化環状π系の1個以上の原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。水素の他に、周期表第14族の元素及び/又は周期表第15、16及び17族の元素のような1個以上のヘテロ原子を含むことができる。
【0049】
非局在化環状η5−配位系配位子、例えば、シクロペンタジエニル基は、中心金属と、環状であってもよい、一つの又は複数の架橋配位子により架橋されていてもよい。架橋配位子としては、例えば、CH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH(C4H9)C(CH3)2、C(CH3)2、(CH3)2Si、(CH3)2Ge、(CH3)2Sn、(C6H5)2Si、(C6H5)(CH3)Si、(C6H5)2Ge、(C6H5)2Sn、(CH2)4Si、CH2Si(CH3)2、o−C6H4又は2、2’−(C6H4)2が挙げられる。
【0050】
2以上の非局在化環状η5−配位系配位子、例えば、シクロペンタジエニル基は、互いに、環状であってもよい、一つの又は複数の架橋基により架橋されていてもよい。架橋基としては、例えば、CH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH(C4H9)C(CH3)2、C(CH3)2、(CH3)2Si、(CH3)2Ge、(CH3)2Sn、(C6H5)2Si、(C6H5)(CH3)Si、(C6H5)2Ge、(C6H5)2Sn、(CH2)4Si、CH2Si(CH3)2、o−C6H4又は2、2’−(C6H4)2が挙げられる。
【0051】
上記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンは、二つ以上のメタラシクロペンタジエン部分 (moiety)を有する化合物も含む。このような化合物は多核メタロセンとして知られている。前記多核メタロセンは、いかなる置換様式及びいかなる架橋形態を有していてもよい。前記多核メタロセンの独立したメタロセン部分は、各々が同一種でも、異種でもよい。前記多核メタロセンの例は、例えばEP−A−632063、特開平4−80214号、特開平4−85310、EP−A−654476に記載されている。
【0052】
本発明の他の側面では、下記式(III)で示されるアリールアセチレン誘導体を用いる。
【0053】
【化11】
【0054】
(式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、上記の意味を有する。)
Xは脱離基である。脱離基としては、例えば、F、Cl、Br、Iのようなハロゲン原子、トシラート基(―O−S(=O)2−C6H4−CH3)、トリフルオロメタンスルホン酸エステル(トリフラート)等が挙げられる。脱離基としては、Cl、Br、I、トシラート基が好ましい。
【0055】
本発明の他の側面では、下記式(IV)で示される求電子試薬を用いる。
【0056】
B―Y (IV)
(式中、Bは、上記の意味を有する。)
Yは脱離基である。脱離基としては、例えば、F、Cl、Br、Iのようなハロゲン原子、トシラート基(―O−S(=O)2−C6H4−CH3)、トリフルオロメタンスルホン酸エステル(トリフラート)、C1〜C20アルコキシ基(好ましくは、C1〜C10アルコキシ基であり、更に好ましくは、C1〜C6アルコキシ基)、C6〜C20アリールオキシ基、トリ低級アルキルシリルオキシ基、水等が挙げられる。脱離基としては、Cl、Br、トシラート基、C1〜C20アルコキシ基、及びトリ低級アルキルシリルオキシ基が好ましい。
【0057】
本発明の他の側面では、周期表第4〜15族の金属を含む金属化合物の存在下、下記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンと、下記式(III)で示されるアリールアセチレン誘導体とを反応させ、反応混合物を得、次いで、その反応混合物に、下記式(IV)で示される求電子試薬を反応させる。
【0058】
典型的には、上記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンの溶液に、金属化合物、上記式(III)で示されるアリールアセチレン誘導体を添加し、次いで、上記式(IV)で示される求電子試薬を添加する。
【0059】
金属化合物は、金属塩でもよいし、金属錯体でもよい。金属塩の場合には、ニッケル、パラジウム、銅、ルテニウム又はロジウムと、塩酸、硫酸等の無機酸又はカルボン酸のような有機酸の塩であってもよい。たとえば、ハロゲン化ニッケル(II)、ハロゲン化パラジウム(II)、ハロゲン化銅(I)、ハロゲン化ルテニウム(III)、ハロゲン化ロジウム(III)のような金属塩であってもよく、特に、CuClのようなハロゲン化銅(I)が好ましく、用いられる。
【0060】
金属化合物が金属錯体の場合には、4配位又は6配位であることが好ましい。配位子としては、ホスフィン、ホスファイト、アミン、ニトリル、又は、ハロゲン原子等が好ましい。配位子は、一座(unidentate)であってもよいし、2座(bidentate)、3座(terdentate)、又は、4座(tetradentate)であってもよい。
【0061】
ホスフィンは、ジフェニルホスフィンのようなジアリールホスフィン、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィン、トリエチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンのようなα,ω−ビス(ジアリールホスフィノ)アルカン、P,P,P‘,P’,P“,P”−ヘキサフェニル−トリスエチレンテトラホスフィンのようなP,P,P‘,P’,P“,P”−六置換−トリスアルキレンテトラホスフィン等であってもよい。ホスファイトは、ホスフィンと同様である。
【0062】
アミンは、配位子としては、ピリジン、ビピリジン、キノリン等の芳香族アミンであってもよいし、エチレンジアミンのようなアルキレンジアミン、N,N,N‘,N’−テトラアルキルエチレンジアミンのようなN,N,N‘,N’−四置換アルキレンジアミン、トリスエチレンジアミンのようなトリスアルキレンジアミン等の脂肪族アミンであってもよい。
【0063】
金属化合物は、ニッケル又はパラジウムを含むことが好ましい。
【0064】
ニッケル錯体又はパラジウム錯体は、4配位であることが好ましい。ニッケル錯体は、たとえば、NiX2P1P2(式中、Xは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を示し、P1及びP2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ホスフィン、ホスファイト又はアミンを示し、好ましくは、ホスフィン又はアミンを示し、更に好ましくはホスフィンを示す。ただし、P1及びP2は、互いに架橋していてもよい。)であってもよい。ホスフィン、ホスファイト又はアミンについては、上述の通りである。ニッケル錯体としては、たとえば、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロニッケル、ジクロロ(2,2‘−ビピリジン)ニッケルが挙げられる。NiX2P1P2で示されるニッケル錯体は、NiX2で示されるニッケル塩と比べて、有機溶媒中での溶解度が向上するので、用途によっては、好ましい。たとえば、NiX2で示されるニッケル塩を反応系が含まれている溶媒に添加し、所望により、更にホスフィンを溶媒に添加して in situで、ニッケルホスフィン錯体を形成してもよい。
【0065】
ニッケルホスフィン錯体の存在下でカップリング反応を行うことは、たとえば、T.Takahashi et.al. J.Am.Chem.Soc.,Vol.121.,No.48,1999,11095に記載されており、これと同一又は類似の反応によりカップリング反応を進行させることができる。
【0066】
パラジウム錯体は、Pd(Q1)(Q2)(Q3)(Q4)(式中、Q1、Q2、Q3及びQ4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ホスフィン、ホスファイト、アミン、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C40アリールカルボニルオキシ基、ニトリル、又は、ハロゲン原子を示し、好ましくは、ホスフィン、アミン、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20アルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20アリールカルボニルオキシ基、又は、ハロゲン原子を示し、ただし、Q1、Q2、Q3及びQ4の任意の2つ、3つ及び4つが、互いに架橋していてもよい。)であってもよい。ホスフィン、ホスファイト又はアミンについては、上述の通りである。パラジウム錯体としては、たとえば、Pd(O−C(=O)R)4(式中、Rはアルキル基又はアリール基であり、互いに架橋していてもよい。)、[PdX4]2-(Xはハロゲン原子である。)、テトラキス(トリアリールホスフィン)、PdCl2(2,2'-ビピリジン)等が挙げられる。
【0067】
金属化合物は、触媒として反応に関わるのではなく、化学量論的に反応に関わり、例えば、上記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンと反応して中間体を生成していると思われる。中間体としては、たとえば、トランスメタル化反応により、メタラシクロペンタジエン(II)中の一つの金属が金属化合物中の金属2つに置換され、1,4−ジメタラ−1,3−ブタジエン誘導体が生成する。次いで、この1,4−ジメタラ−1,3−ブタジエン誘導体に上記式(III)で示されるアリールアセチレン誘導体が作用して、一方の金属をアリールアセチレン誘導体に置換し、次いで、閉環反応が進行している可能性がある。もっともこのような反応経路は推論に過ぎず、本発明はこのような反応経路に限定されるものではない。
【0068】
金属化合物の量は、メタラシクロペンタジエン(II)1モルに対し、0.01モル〜20モルであってもよく、好ましくは0.1モル〜10モルであり、更に好ましくは、0.9モル〜3モルである。
【0069】
また、上記式(III)で示されるアリールアセチレン誘導体の量、及び、上記式(IV)で示される求電子試薬の量は、メタラシクロペンタジエン(II)1モルに対し、0.1モル〜10モルであることが好ましく、0.8モル〜5モルであることが更に好ましく、0.9モル〜3モルであることが更に好ましく、0.9モル〜2モルであることが更になお好ましい。
【0070】
反応は、好ましくは−100℃乃至300℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは−80℃乃至100℃の温度範囲、更に好ましくはー50℃乃至50℃の温度範囲で行われる。圧力は、例えば、0.1バール乃至2500バールの範囲内で、好ましくは0.5バール乃至10バールの範囲内である。
【0071】
溶媒としては、上記式(II)で示される反応物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o−ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0072】
反応は、金属化合物を溶媒中で安定化させるための安定化剤の存在下で行われることが好ましい。特に、金属化合物が金属塩であり、かつ、溶媒が有機溶媒のときに、安定化剤が、金属塩を有機溶媒中で安定化させる。安定化剤としては、ジメチルプロピレンウレア、ヘキサメチルホスホアミド等が挙げられる。
【0073】
本発明で用いるメタラシクロペンタジエン(II)は、例えば、下記のメタロセンを用いて合成することができる。
【0074】
なお、ビス(インデニル)ジクロロジルコニウム;ビス(フルオレニル)ジクロロジルコニウム;(インデニル)(フルオレニル)ジクロロジルコニウム;ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロチタン;(ジメチルシランジイル)ビス(インデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(テトラヒドロインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)(インデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジクロロジルコニウムなどのジクロロ体については、ナトリウム等のアルカリ金属、マグネシウム等のアルカリ土類金属のような強塩基で還元するか、又は、ジアルキル体に変換してから、メタラシクロペンタジエンを生成させる。
ビス(シクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
(インデニル)(フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
(3−メチル−5−ナフチルインデニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジブチルジルコニウム;
(3−メチル−5−ナフチルインデニル)(3,4,7−トリメトキシフルオレニル)ジブチルジルコニウム;
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(テトラヒドロインデニル)ジブチルジルコニウム;
(シクロペンタジエニル)(1−オクテン−8−イルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
(インデニル)(1−ブテン−4−イルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
[1,3−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル](3,4−ベンゾフルオレニル)ジブチルジルコニウム;。
【0075】
ビス(シクロペンタジエニル)ジブチルチタン;
ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(4,5−ジヒドロ−8−メチル−7H−シクロペント〔e〕アセナフチレン−7−イリデン)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(2−エチルインデニル)(2−エチル−4−フェニルナフチル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(2−メチルインデニル)(4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;。
【0076】
メチルフェニルシランジイルビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(4,5−ジヒドロ−8−メチル−7H−シクロペント〔e〕アセナフチレン−7−イリデン)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(2−エチルインデニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−エチル−インデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(2−メチルインデニル)(4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;。
【0077】
メチルフェニルシランジイルビス(2−メチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビスジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−メチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−メチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−エチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−エチル−4ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(2−メチルインデニル)(4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−エチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;。
【0078】
ジフェニルシランジイルビ;ス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム
ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1、1−ビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1、1−ビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1、1−ビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1、1−ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1、1−ビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−1−(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1−(2−メチルインデニル)−1−(4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(シクロペンタジエニル)ジブチルチタン;
エチレン−1,2−ビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(テトラヒドロインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(シクロペンタジエニル)−2−(1−インデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(シクロペンタジエニル)−2−(2−インデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(シクロペンタジエニル)−2−(2−メチル−1−インデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;。
【0079】
エチレン−1,2−ビス(4,5−ジヒドロ−8−メチル−7H−シクロペント〔e〕アセナフチレン−7−イリデン)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(2−メチルインデニル)−2−(4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(1−インデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(4−フェニル−1−インデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(2,7−ジメトキシ−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(2,7−ジブロモ−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(2,7−ジフェニル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(3−メチルシクロペンタジエニル)−2−(2,7−ジブチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)−2−(2,7−ジブチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)−2−(3,6−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−[2,7−ビス(3−ブテン−1−イル)−9−フルオレニル]ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(3−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(テトラヒドロインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(4,5−ジヒドロ−8−メチル−7H−シクロペント〔e〕アセナフチレン−7−イリデン)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(2−メチルインデニル)−2−(4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム。
【0080】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
【0081】
すべての反応は、窒素雰囲気下のもとで行われた。溶媒として用いたTHF、ジエチルエーテル、ヘキサン、ベンゼンは窒素気流下、ナトリウム金属、ベンゾフェノンで蒸留して無水とした。ジルコノセンジクロリドは日亜化学工業から購入したものを用いた。アルキンは、東京化成工業から購入したものを用い、ブチルリチウム(1.6 M ヘキサン溶液)及びフェニルリチウム( 0.88 Mシクロヘキサン ジエチルエーテル溶液) は、関東化学から購入したものを用いた。その他の試薬は、Aldrich Chemical Company, Inc.から購入したものを用いた。1H-NMR(400 MHz)および13C-NMR (100 MHz)スペクトルは、Bruker ARX-400を用いて25℃にて測定した。この時、重水素化クロロホルム(TMSを1%含有)を用いて、TMSを内部標準とした。
【0082】
ガスクロマトグラフィーはSHIMADZU CBP1-M25-025 fused silica capillary columnを備えたSHIMADZU GC-14A gas chromatographで測定し、記録はSHIMADZU CR6A-Chromatopac integratorを用いた。GCにより収率を求めたときはメシチレン、n-ドデカンを内部標準として用いた。カラムクロマトグラフィーのカラム充填剤として、関東化学シリカゲル60N(球状、中性)40-100マイクロメートルを使用した。
参考例1
ビス(η5−シクロペンタジエニル)−2,3,4,5−テトラプロピル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエン
ビス(η5−シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム(1.0mmol)及びTHF(10ml)をシュレンク管に投入した。この溶液を−78℃に冷却し、次いで、n−ブチルリチウム(2.0mmol)を添加した。この溶液を−78℃にて1時間、攪拌し、ビス(η5−シクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウムを得た。
【0083】
−78℃にて、この反応混合物に4−オクチン(2.0mmol)を添加し、次いで、室温にまで暖め、1時間、放置し、標題化合物を得た。標題化合物を単離することなく、そのまま用いた。
参考例2
ビス(η5−シクロペンタジエニル)−1,3−ジエチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2−ジルコナインデン
ビス(η5−シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム(1.0mmol)及びTHF(10ml)をシュレンク管に投入した。この溶液を−78℃に冷却し、次いで、n−ブチルリチウム(2.0mmol)を添加した。この溶液を−78℃にて1時間、攪拌し、ビス(η5−シクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウムを得た。
【0084】
−78℃にて、この反応混合物にドデカ−3,9−ジイン(1.0mmol)を添加し、次いで、室温にまで暖め、1時間、放置し、標題化合物を得た。標題化合物を単離することなく、そのまま用いた。
参考例3
ビス(η5−シクロペンタジエニル)−2,3,4,5−テトラエチル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエン
参考例1と同様の手順を行った。ただし、4−オクチンの代わりに、3−ヘキシンを用いた。
参考例4
ビス(η5−シクロペンタジエニル)−1,3−ジフェニル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2−ジルコナインデン
参考例1と同様の手順を行った。ただし、ドデカ−3,9−ジインの代わりに、1,8−ジフェニルオクタ−1,7−ジインを用いた。
【0085】
実施例1
5H−5−(3−フェニルプロピリデン)−6,7,8,9−テトラプロピルベンゾシクロヘプテン
【0086】
【化12】
【0087】
参考例1で得られたビス(η5−シクロペンタジエニル)−2,3,4,5−テトラプロピル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエンのTHF溶液に、2当量のCuCl、4当量のジメチルプロピレンウレア(DMPU)及び1当量のo-ヨードアルキニルベンゼンとして、1−ヨード−2−(4−フェニル−1−ブチニル)ベンゼンを加えた。反応混合物を50℃に暖め、次いで、50度にて攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物に3N HClを添加して反応を終了させた。エーテルで抽出した後、有機抽出物を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水で洗浄し、そして、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で濃縮した後、残渣について、シリカゲルを充填剤として、溶離剤としてヘキサンを用いてカラムクロマトグラフィーを行い、標題化合物を無色液体として328 mg (77%)得られた。GC収率は90%であった。
【0088】
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.59(t, J=7.51Hz, 3H), 0.79(t, J=7.20Hz, 3H),.0.81(t, J=7.20Hz, 3H), 0.97(t, J=7.51Hz, 3H), 0.99-1.50(m, 8H), 2.06-2.64(m, 12H), 5.31(t, J=7.20Hz, 1H), 6.70-7.34(m, 9H). 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 13.78, 14.19, 14.29, 14.33, 22.20, 22.32, 23.04, 23.30, 30.68, 31.20, 32.60, 35.69, 36.27, 36.45, 124.26, 125.63, 125.70(2C), 25.93,126.44,128.20(2C), 128.58(2C), 132.1, 135.93, 138.70, 138.84, 140.26, 142.12, 143.33, 143.55. HRMS 計算値 C32H42: 426.3284 、実験値 426.3296。
【0089】
実施例2
【0090】
【化13】
【0091】
実施例1と同様の手順を行った。ただし、参考例1で得られたビス(η5−シクロペンタジエニル)−2,3,4,5−テトラプロピル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエンのTHF溶液の代わりに、参考例2で得られたビス(η5−シクロペンタジエニル)−1,3−ジエチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−2−ジルコナインデンのTHF溶液を用いた。
【0092】
表題化合物のGC収率が65%であり、カラムクロマトグラフィーにより、無色液体として、192 mg (52%)得られた。
【0093】
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.93(t, J=7.21Hz, 3H), 0.95(t, J=7.21Hz, 3H),.1.55-2.84(m, 16H), 5.38(t, J=7.21Hz, 1H), 6.79-6.81(m, 1H), 7.08-7.26(m, 7H), 7.41-7.43(m,1H). 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 13.90,14.72,26.06,26.27,26.58,27.09,28.87,30.35(2C), 36.45, 124.93, 125.69, 125.81, 126.00, 126.06, 126.41, 128.18(2C), 128.55(2C), 130.28, 134.96, 137.02, 138.56, 139.29, 142.07, 142.62, 143.14.HRMS 計算値 C28H32: 368.2502、実験値 368.2521。
【0094】
実施例3
5H−5−(1−(2−フェニルエチル)−3−ブテン−1-イリデン)−6,7,8,9−テトラエチルベンゾシクロヘプテン
【0095】
【化14】
【0096】
参考例3で得られたビス(η5−シクロペンタジエニル)−2,3,4,5−テトラエチル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエンのTHF溶液に、2当量のCuCl、4当量のジメチルプロピレンウレア(DMPU)及び1当量のo-ヨードアルキニルベンゼンとして、1−ヨード−2−(4−フェニル−1−ブチニル)ベンゼンを加えた。反応混合物を50℃に暖め、次いで、50度にて攪拌した。次いで、反応混合物にアリルクロライドを添加し、更に攪拌した。室温に冷却して3N HClを添加して反応を終了させた。エーテルで抽出した後、有機抽出物を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水で洗浄し、そして、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で濃縮した後、残渣について、シリカゲルを充填剤として、溶離剤としてヘキサンを用いてカラムクロマトグラフィーを行い、標題化合物を無色液体として279 mg (68%) 単離した。
【0097】
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.77(t, J=7.21Hz, 3H),0.87-1.01(m, 9H), 2.06-2.97(m, 14H), 5.04-5.16(m, 2H), 5.74-5.83(m,1H),6.90-7.42(m, 9H). 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 13.91,14.36,14.88,15.26,22.15,23.18,26.74(2C), 32.63,34.69,35.09,115.93,125.36,125.60,125.86,125.88,126.25,128.19(2C),128.31(2C),130.28,133.37,137.02,137.09,138.25,138.95,139.85,140.17,142.58,144.79.HRMS 計算値 C31H38: 410.2972 、実験値 410.2963。
【0098】
実施例4
5H−5−(1,2−ジフェニル−2−オンエチリデン)−6,7,8,9−テトラエチルベンゾシクロヘプテン
【0099】
【化15】
【0100】
実施例3と同様の手順を行った。ただし、アリルクロライドの代わりに、ベンゾイルクロライドを添加した。表題化合物を、無色結晶として、227 mg (51%) 単離した。
【0101】
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.60(t, J=7.51Hz, 3H), 0.95(t, J=7.51Hz, 3H),.1.04(t, J=7.51Hz, 3H), 1.18(t, J=7.51Hz, 3H), 1.90-2.12(m, 3H), 2.35-2.43(m, 3H), 2.81-2.97(m, 2H), 6.83-7.91 (m, 14H). 13CNMR (CDCl3, Me4Si) δ 1 3.84, 14.27, 15.17(2C), 22.23, 24.70, 25.87, 27.45, 125.93, 126.34, 126.39, 126.78, 126.93, 127.80(2C), 128.20(2C),1 29.23(2C), 129.67 (2C), 132.93, 135.11, 135.61, 136.71, 136.98, 137.04, 137.79, 139.05, 139.29, 142.94, 143.09, 198.06。
【0102】
【発明の効果】
本発明の方法は、簡易に多置換アルキリデンベンゾシクロヘプテンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】5H−5−(1,2−ジフェニル−2−オンエチリデン)−6,7,8,9−テトラエチルベンゾシクロヘプテンのX線結晶構造解析である。
Claims (4)
- 下記式(I)で示されることを特徴とするアルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体。
ただし、R1及びR2、R2及びR3、R3及びR4は、互いに架橋してC4〜C10 飽和環を形成してもよく、
A1、A2、A3 及びA 4 は、水素原子であり、A 5 は、フェニル基を有するC 1 〜C 40 アルキル基又はフェニル基であり、
Bは、水素原子;C 1 〜C 40 アルキル基;C 2 〜C 40 アルケニル基;C 2 〜C 40 アルキニル基又はアシル基である。) - 下記式(I)で示されるアルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体の製造方法であって、
ただし、R1及びR2、R2及びR3、R3及びR4は、互いに架橋してC4〜C10 飽和環を形成してもよく、
A1、A2、A3 及びA 4 は、水素原子であり、A 5 は、フェニル基を有するC 1 〜C 40 アルキル基又はフェニル基であり、
Bは、水素原子;C 1 〜C 40 アルキル基;C 2 〜C 40 アルケニル基;C 2 〜C 40 アルキニル基又はアシル基である。)
ハロゲン化銅(I)の存在下、下記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンと、
下記式(III)で示されるアリールアセチレン誘導体とを反応させ、反応混合物を得る工程と、
次いで、前記反応混合物に下記式(IV)で示される求電子試薬を反応させる工程と
B―Y (IV)
(式中、Bは、上記の意味を有する。Yは、脱離基である。)を含むことを特徴とするアルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体の製造方法。 - Mが、ジルコニウムである、請求項2に記載のアルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体の製造方法。
- 前記非局在化環状η5−配位系配位子が、シクロペンタジメチル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、t−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ジエチルシクロペンタジエニル基、ジイソプロピルシクロペンタジエニル基、ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基又はオクタヒドロフルオレニル基である、請求項3に記載のアルキリデンベンゾシクロヘプテン誘導体の製造方法。
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