JP4388189B2 - ピリジン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピリジン誘導体及びその製造方法に関し、特に、ピリジンカルボニトリル誘導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ピリジン誘導体は、医薬、農薬、香料、ファインケミカル等で幅広く用いられいる中間体である。そして、これらの用途では、ピリジン環に様々な置換基を導入することが求められている。
【0003】
従来、ピリジン環に置換基を導入する際には、置換基による配向性の相違を利用して、目標化合物ごとに最適な合成スキームを検討していた。たとえば、オルト、パラ配向性、又は、メタ配向性という置換基に依存する配向性の相違を考慮し、二置換ピリジン、三置換ピリジン等を合成していた。
【0004】
しかし、このような伝統的な有機合成の手法では、ピリジン環に導入する置換基が多くなればなるほど、合成経路が長くなり、収率が低下した。
【0005】
従って、五置換ピリジンのような多置換ピリジンを選択的に、かつ、短いスキームで得ることが所望された。
【0006】
そこで、本発明は、有機金属化合物を用いた新規な反応により、ピリジン誘導体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、下記式(Ia)又は(1b)で示されるピリジン誘導体が提供される。
【0008】
【化5】
【0009】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;アミノ基;水酸基又シリル基であり、
ただし、R1及びR2、R2及びR3、又は、R3及びR4は、互いに架橋してC4〜C40飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、又は式−N(R5)−で示される基(式中、R5は水素原子又はC1〜C40炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよく、
Aは、ニトリル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、アルデヒド基、C1〜C20アルキルカルボニル基、C1〜C20シクロアルキルカルボニル基、C6〜C20アリールカルボニル基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、又は、C6〜C20アリールオキシカルボニル基である。)
本発明において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C3〜C20アリル基、C4〜C20アルキルジエニル基、C4〜C20ポリエニル基、C6〜C20アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20シクロアルケニル基、又は、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C10アルキル基であることが好ましい。ただし、R1及びR2、R2及びR3、又は、R3及びR4は、互いに架橋して、酸素原子で中断されていてもよいC4〜C20飽和又は不飽和環を形成してもよい。
【0010】
本発明において、R1及びR2が同一の基であるか、R3及びR4が同一の基であるか、あるいは、R1及びR4が同一の基であることが好ましい。
【0011】
本発明では、下記式(Ic)又は(1d)で示されるピリジン誘導体の製造方法であって、
【0012】
【化6】
【0013】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;アミノ基;水酸基又シリル基であり、
ただし、R1及びR2、R2及びR3、又は、R3及びR4は、互いに架橋してC4〜C40飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、又は式−N(R5)−で示される基(式中、R5は水素原子又はC1〜C40炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
下記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンと、
【0014】
【化7】
【0015】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、上記の意味を有する。
【0016】
Mは、周期表の第3族〜第5族またはランタニド系列の金属を示し;
L1及びL2は、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示し、ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよい。)
下記式(III)で示されるイミン誘導体とを、
【0017】
【化8】
【0018】
(式中、Yは、脱離基を意味する。)
反応させることを特徴とする、ピリジン誘導体の製造方法が提供される。
【0019】
本発明において、前記メタラシクロペンタジエンと前記イミン誘導体とを反応させることが好ましい。
【0020】
本発明において、Mが、周期表第4族もしくは第5族またはランタニド系列の金属であり、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子であることが好ましい。また、前記非局在化環状η5−配位系配位子が、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基であることが更に好ましい。
【0021】
本発明において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C3〜C20アリル基、C4〜C20アルキルジエニル基、C4〜C20ポリエニル基、C6〜C20アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20シクロアルケニル基、又は、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C10アルキル基であることが好ましい。ただし、R1及びR2、R2及びR3、又は、R3及びR4は、互いに架橋して、酸素原子で中断されていてもよいC4〜C20飽和又は不飽和環を形成してもよい。また、R1及びR2が同一の基であるか、R3及びR4が同一の基であるか、あるいは、R1及びR4が同一の基であることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の一側面では、下記式(Ia)又は(1b)で示されるピリジン誘導体が提供される。
【0023】
【化9】
【0024】
(式中、R1、R2、R3、R4及びAは、前記の意味を有する。)
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシ基;アミノ基;水酸基又シリル基である。
【0025】
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基;又はシリル基であることが好ましく、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基であることが更に好ましい。
【0026】
本発明が物の場合には、R1、R2、R3及びR4が水素原子の場合が除かれる。しかし、本発明が方法の場合には、R1、R2、R3及びR4が水素原子の場合も含まれる。
【0027】
本明細書では、C1〜C40炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1〜C40炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。C1〜C40炭化水素基には、C1〜C40アルキル基、C2〜C40アルケニル基、C2〜C40アルキニル基、C3〜C40アリル基、C4〜C40アルキルジエニル基、C4〜C40ポリエニル基、C6〜C40アリール基、C6〜C40アルキルアリール基、C6〜C40アリールアルキル基、C4〜C40シクロアルキル基、C4〜C40シクロアルケニル基、(C3〜C20シクロアルキル)C1〜C20アルキル基などが含まれる。
【0028】
C1〜C40アルキル基、C2〜C40アルケニル基、C2〜C40アルキニル基、C3〜C40アリル基、C4〜C40アルキルジエニル基、及び、C4〜C40ポリエニル基は、それぞれ、C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C3〜C20アリル基、C4〜C20アルキルジエニル基、及び、C4〜C20ポリエニル基であることが好ましく、それぞれ、C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C10アリル基、C4〜C10アルキルジエニル基、及び、C4〜C10ポリエニル基であることが更に好ましい。
【0029】
C6〜C40アリール基、C6〜C40アルキルアリール基、C6〜C40アリールアルキル基、C4〜C40シクロアルキル基、C4〜C40シクロアルケニル基、及び、(C3〜C20シクロアルキル)C1〜C20アルキル基は、それぞれ、C6〜C20アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20シクロアルケニル基、及び、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C10アルキル基が好ましく、それぞれ、C6〜C10アリール基、C6〜C12アルキルアリール基、C6〜C12アリールアルキル基、C4〜C10シクロアルキル基、及び、C4〜C10シクロアルケニル基が更に好ましい。
【0030】
本発明の実施において有用なアルキル基の例には、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ドデカニル、トリフルオロメチル、ペルフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジル、2−フェノキシエチル等がある。
【0031】
本発明の実施において有用なアリール基の例には、制限するわけではないが、フェニル、2−トリル、3−トリル、4−トリル、ナフチル、ビフェニル、4−フェノキシフェニル、4−フルオロフェニル、3−カルボメトキシフェニル、4−カルボメトキシフェニル等がある。
【0032】
本発明の実施において有用なアルコキシ基の例には、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、t−ブトキシ等がある。
【0033】
本発明の実施において有用なアリールオキシ基の例には、制限するわけではないが、フェノキシ、ナフトキシ、フェニルフェノキシ、4−メチルフェノキシ、2−トリルオキシ、3−トリルオキシ、4−トリルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ、4−フェノキシフェニルオキシ、4−フルオロフェニルオキシ、3−カルボメトキシフェニルオキシ、4−カルボメトキシフェニルオキシ等がある。
【0034】
本発明の実施において有用なアミノ基の例には、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
【0035】
本発明の実施において有用なシリル基の例には、制限するわけではないが、トリメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルエチルシリル、メチルメトキシフェニルシリル、メチルエチルフェノキシシリル等が挙げられる。
【0036】
C1〜C40炭化水素基、C1〜C40アルコキシ基、C6〜C40アリールオキシ基には、ハロゲン原子を含む置換基が導入されていてもよく、この置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、シリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基などが挙げられる。
【0037】
ただし、R1及びR2、R2及びR3、又は、R3及びR4は、互いに架橋してC4〜C40飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、又は式−N(R5)−で示される基(式中、R5は水素原子又はC1〜C40炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。不飽和環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよい。
【0038】
これらの置換基が形成する環は、4員環〜32員環であることが好ましく、4員環〜20員環であることが更に好ましい。この環は、芳香族環であってもよいし、脂肪族環であってもよい。
【0039】
前記飽和または不飽和環は、酸素原子、硫黄原子または式―N(R5)―で示される基(式中、R5は水素原子またはC1〜C40炭化水素基である。)で中断されていてもよい。即ち、前記飽和または不飽和環はヘテロ環であってもよい。かつ、置換基を有していてもよい。不飽和環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよい。
【0040】
R5は水素原子またはC1〜C20炭化水素基であることが好ましく、水素原子またはC1〜C14炭化水素基であることが更に好ましく、R5は水素原子、C1〜C6アルキル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、ナフチルメチル基であることが更になお好ましい。
【0041】
この飽和又は不飽和環は、置換基を有していてもよく、C1〜C40炭化水素基、C1〜C40アルコキシ基、C6〜C40アリールオキシ基、アミン基、水酸基又はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。
【0042】
本発明において、R1及びR2が同一の基であるか、R3及びR4が同一の基であるか、あるいは、R1及びR4が同一の基であることが好ましい。このような場合には、ピリジン誘導体の合成が容易になり、収率が向上するからである。
【0043】
Aは、ニトリル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、アルデヒド基、C1〜C20アルキルカルボニル基、C1〜C20シクロアルキルカルボニル基、C6〜C20アリールカルボニル基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、又は、C6〜C20アリールオキシカルボニル基を示し、ニトリル基、カルボキシル基、カルバモイル基、NH2基、アルデヒド基、C1〜C20アルキルカルボニル基、C1〜C20シクロアルキルカルボニル基、C6〜C20アリールカルボニル基を示すことが好ましく、ニトリル基を示すことが更に好ましい。
【0044】
本発明の他の側面では、下記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンと、下記式(III)で示されるイミン誘導体とから、下記式(Ic)又は(Id)で示されるピリジン誘導体の製造方法が提供される。
【0045】
【化10】
【0046】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、上記の意味を有し、Mは、周期表の第3族〜第5族またはランタニド系列の金属を示し;L1及びL2は、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示し、ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよい。Yは、脱離基を意味する。)
本発明では、上記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエン中のメタラシクロペンタジエン環が、上記式(III)で示されるイミン誘導体と特異的にカップリング反応をすることに特徴がある。上記式(III)で示されるイミン誘導体では、電子吸引性のニトリル基が二つもイミン炭素に結合することにより、イミン炭素とイミン窒素との間の二重結合が活性化していると考えられる。また、二つのニトリル基とイミンとの間では、共役系が拡がっている。このように、二つのニトリル基で活性化されたイミン誘導体(III)が反応に関与していると思われる。上記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエン中のR1、R2、R3及びR4は、イミン誘導体(III)及びメタラシクロペンタジエン中の金属中心のような反応場より離れており、R1、R2、R3及びR4の電子的性質及び立体配置が反応に影響はさほど及ぼさないと思われる。従って、R1、R2、R3及びR4としては、様々な基を用いることができる。イミン誘導体(III)中の脱離基も反応初期に脱離すると思われるので、トシラート、ハロゲン原子等の一般的な脱離基を用いることができる。
【0047】
たとえば、反応機構としては、下記のスキームが提案される。
【0048】
【化11】
【0049】
(式中、R1、R2、R3、R4、M、L1、L2、及びYは、上記の意味を有する。M1は、周期表第4〜15族の金属である。)
メタラシクロペンタジエン(II)が、イミン誘導体(III)と反応し、中間体(IVa)を生成する。この中間体(IVa)が中間体(IVb)に変換し、更に、ピリジン誘導体(Ic)が生成する。なお、この反応機構は仮説に過ぎず、本発明はこの反応機構に限定されるものではない。
【0050】
上記式(III)で示されるイミン誘導体の量は、メタラシクロペンタジエン(II)の0.1−10当量であることが好ましく、0.8ないし5当量であることが更に好ましく、0.9乃至3当量であることが更に好ましい。
【0051】
Mは、周期表の第3族〜第5族又はランタニド系列の金属を示す。Mとしては、周期表第4族又はランタニド系列の金属が好ましく、周期表第4族の金属、即ち、チタン、ジルコニウム及びハフニウムが更に好ましい。
【0052】
L1及びL2は、互いに独立し、同一又は異なって、アニオン性配位子を示す。前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子、C1〜C20アルコキシ基、C6〜C20アリールオキシ基又はジアルキルアミド基であることが好ましい。
【0053】
L1及びL2は、非局在化環状η5−配位系配位子であることが好ましい。非局在化環状η5−配位系配位子の例は、無置換のシクロペンタジエニル基、及び置換シクロペンタジエニル基である。この置換シクロペンタジエニル基は例えば、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、t−ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、及びオクタヒドロフルオレニル基である。
【0054】
非局在化環状η5−配位系配位子は、非局在化環状π系の1個以上の原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。水素の他に、周期表第14族の元素及び/又は周期表第15、16及び17族の元素のような1個以上のヘテロ原子を含むことができる。
【0055】
非局在化環状η5−配位系配位子、例えば、シクロペンタジエニル基は、中心金属と、環状であってもよい、一つの又は複数の架橋配位子により架橋されていてもよい。架橋配位子としては、例えば、CH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH(C4H9)C(CH3)2、C(CH3)2、(CH3)2Si、(CH3)2Ge、(CH3)2Sn、(C6H5)2Si、(C6H5)(CH3)Si、(C6H5)2Ge、(C6H5)2Sn、(CH2)4Si、CH2Si(CH3)2、o−C6H4又は2、2’−(C6H4)2が挙げられる。
【0056】
2以上の非局在化環状η5−配位系配位子、例えば、シクロペンタジエニル基は、互いに、環状であってもよい、一つの又は複数の架橋基により架橋されていてもよい。架橋基としては、例えば、CH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH(C4H9)C(CH3)2、C(CH3)2、(CH3)2Si、(CH3)2Ge、(CH3)2Sn、(C6H5)2Si、(C6H5)(CH3)Si、(C6H5)2Ge、(C6H5)2Sn、(CH2)4Si、CH2Si(CH3)2、o−C6H4又は2、2’−(C6H4)2が挙げられる。
【0057】
上記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンは、二つ以上のメタラシクロペンタジエン部分 (moiety)を有する化合物も含む。このような化合物は多核メタロセンとして知られている。前記多核メタロセンは、いかなる置換様式及びいかなる架橋形態を有していてもよい。前記多核メタロセンの独立したメタロセン部分は、各々が同一種でも、異種でもよい。前記多核メタロセンの例は、例えばEP−A−632063、特開平4−80214号、特開平4−85310、EP−A−654476に記載されている。
【0058】
Yは、脱離基である。脱離基としては、例えば、F、Cl、Br、Iのようなハロゲン原子、トシラート基(―O−S(=O)2−C6H4−CH3)、トリフルオロメタンスルホン酸エステル基(トリフラート)等が挙げられる。脱離基としては、Cl、Br、I、トシラート基、が好ましい。
【0059】
本発明では、上記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンと、上記式(III)で示されるイミン誘導体とを反応させる。典型的には、上記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンの溶液に、上記式(III)で示されるイミン誘導体を添加する。
【0060】
反応は、好ましくは−100℃乃至300℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは−80℃乃至100℃の温度範囲、更に好ましくはー50℃乃至50℃の温度範囲で行われる。圧力は、例えば、0.1バール乃至2500バールの範囲内で、好ましくは0.5バール乃至10バールの範囲内である。
【0061】
溶媒としては、上記式(II)で示される反応物を溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o−ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0062】
このようにして得られたピリジン誘導体のニトリル基を、下記のスキームに従って、他の置換基に変換し、下記式(Ie)又は(If)で示されるピリジン誘導体を製造することもできる。
【0063】
【化12】
【0064】
(式中、A1は、ニトリル基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、アルデヒド基、C1〜C20アルキルカルボニル基、C1〜C20シクロアルキルカルボニル基、C6〜C20アリールカルボニル基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、又は、C6〜C20アリールオキシカルボニル基である。)
例えば、ニトリル基は、酸性又は塩基性の条件下で、加水分解し、カルボキシル基(−COOH)に変換することができる。そして、カルボキシル基から更に酸性又は塩基性の条件下で、エステル交換反応により、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基に変換することができる。
【0065】
また、ニトリル基は、酸性又塩基性の条件下で、部分加水分解し、カルバモイル基(−CONH2)に変換することができる。あるいは、カルボキシル基からカルバモイル基に変換することができる。
【0066】
また、ニトリル基は、水素化アルミニウムリチウム等の還元剤により、還元し、第1級アミン(−NH2)に変換することができる。そして、第1級アミンから、通常の手法により、更に、2級、3級アミンに変換することができる。
【0067】
また、ニトリル基は、−78℃にて、トルエン等の有機溶媒中で、水素化ジイソブチルアルミニウムで還元することにより、アルデヒド基(−COH)に変換することができる。
【0068】
更に、ニトリル基は、グリニャール試薬を作用させ、還元することにより、アルキルカルボニル基(−C(=O)R)に変換することができる。
【0069】
上述したニトリル基の反応性については、たとえば、ジョン・マクマリー(John McMurry)著、「有機化学」、第3版、東京化学同人、伊東しょう、児玉三明、萩野敏夫、深澤義正、通元夫訳、1994年、中巻、847〜852頁に記載されている。また、カルボン酸及びカルボン酸誘導体の反応性については、たとえば、ジョン・マクマリー(John McMurry)著、「有機化学」、第3版、東京化学同人、伊東しょう、児玉三明、萩野敏夫、深澤義正、通元夫訳、1994年、中巻、786〜861頁に記載されている。
【0070】
上記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンは、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジアルキルのようなメタロセンに2当量のアルキン又は1当量のジインを作用させることにより得ることができる。メタラシクロペンタジエンの生成については、例えば、T. Takahashi et al. J. Org. Chem. 1995, 60, 4444 に記載されており、これと同一又は近似した条件で反応が進行する。
【0071】
溶媒は、脂肪族又は芳香族の溶媒が用いられ、好ましくは、極性溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o−ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシドが用いられる。あるいは、芳香族の溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を用いてもよい。
【0072】
反応は好ましくは−80℃乃至300℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは0℃乃至150℃の温度範囲で行われる。圧力は0.1バール乃至2500バールの範囲内で、好ましくは0.5バール乃至10バールの範囲内である。反応は継続的に又はバッチ式で、一段階又はそれより多段階で、溶液中、懸濁液中、気相中又は超臨界媒体中で行える。
【0073】
本発明で用いるメタラシクロペンタジエンは、例えば、下記のメタロセンを用いて合成することができる。
【0074】
なお、ビス(インデニル)ジクロロジルコニウム;ビス(フルオレニル)ジクロロジルコニウム;(インデニル)(フルオレニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロチタン;(ジメチルシランジイル)ビス(インデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(テトラヒドロインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)(インデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジクロロジルコニウム;(ジメチルシランジイル)ビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジクロロジルコニウムなどのジクロロ体については、ナトリウム等のアルカリ金属、マグネシウム等のアルカリ土類金属のような強塩基で還元するか、又は、ジアルキル体に変換してから、メタラシクロペンタジエンを生成させる。
ビス(シクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
(インデニル)(フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
(3−メチル−5−ナフチルインデニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジブチルジルコニウム;
(3−メチル−5−ナフチルインデニル)(3,4,7−トリメトキシフルオレニル)ジブチルジルコニウム;
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(テトラヒドロインデニル)ジブチルジルコニウム;
(シクロペンタジエニル)(1−オクテン−8−イルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
(インデニル)(1−ブテン−4−イルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
[1,3−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル](3,4−ベンゾフルオレニル)ジブチルジルコニウム;。
【0075】
ビス(シクロペンタジエニル)ジブチルチタン;
ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(4,5−ジヒドロ−8−メチル−7H−シクロペント〔e〕アセナフチレン−7−イリデン)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(2−エチルインデニル)(2−エチル−4−フェニルナフチル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイル(2−メチルインデニル)(4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;。
【0076】
メチルフェニルシランジイルビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(4,5−ジヒドロ−8−メチル−7H−シクロペント〔e〕アセナフチレン−7−イリデン)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(2−エチルインデニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−エチル−インデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイル(2−メチルインデニル)(4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;。
【0077】
メチルフェニルシランジイルビス(2−メチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビスジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
メチルフェニルシランジイルビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−メチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−メチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−エチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)(2−エチル−4ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイル(2−メチルインデニル)(4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−エチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;。
【0078】
ジフェニルシランジイルビ;ス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム
ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ジフェニルシランジイルビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1、1−ビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1、1−ビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1、1−ビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1、1−ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1、1−ビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−1−(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1−(2−メチルインデニル)−1−(4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
1−シラシクロペンタン−1,1−ビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(シクロペンタジエニル)ジブチルチタン;
エチレン−1,2−ビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(テトラヒドロインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(シクロペンタジエニル)−2−(1−インデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(シクロペンタジエニル)−2−(2−インデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(シクロペンタジエニル)−2−(2−メチル−1−インデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;。
【0079】
エチレン−1,2−ビス(4,5−ジヒドロ−8−メチル−7H−シクロペント〔e〕アセナフチレン−7−イリデン)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1−(2−メチルインデニル)−2−(4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
エチレン−1,2−ビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(インデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(1−インデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(4−フェニル−1−インデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(2,7−ジメトキシ−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(2,7−ジブロモ−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(2,7−ジフェニル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(3−メチルシクロペンタジエニル)−2−(2,7−ジブチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)−2−(2,7−ジブチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)−2−(3,6−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−[2,7−ビス(3−ブテン−1−イル)−9−フルオレニル]ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−シクロペンタジエニル−2−(3−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(テトラヒドロインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−メチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−エチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(4,5−ジヒドロ−8−メチル−7H−シクロペント〔e〕アセナフチレン−7−イリデン)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)−2−(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2−(2−メチルインデニル)−2−(4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−エチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−2,2−ビス(2−エチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム;。
【0080】
1,6−ビス[メチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム]ヘキサン;
1,6−ビス[メチルシリルビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム]ヘキサン;
1,6−ビス[メチルシリルビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム]ヘキサン;
1,6−ビス[メチルシリルビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジブチルジルコニウム]ヘキサン;
1,6−ビス[メチルシリルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジブチルジルコニウム]ヘキサン;
1,6−ビス[メチルシリル(2−メチル−4フェニルインデニル)(4,5−ベンゾインデニル)ジブチルジルコニウム]ヘキサン;
1−[メチルシリルビス(テトラヒドロインデニル)ジブチルジルコニウム]−6−[エチルスタニル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジブチルジルコニウム]ヘキサン;
1,6−ジシラ−1,1,6,6−テトラメチル−1,6−ビス[メチルシリルビス(2−メチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム]ヘキサン;
1,4−ジシラ1,4−ビス[メチルシリルビス(2−メチル−4フェニルインデニル)ジブチルジルコニウム]シクロヘキサン;
[1,4−ビス(1−インデニル)−1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ジシラブタン]ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニルジブチルジルコニウム);
[1,4−ビス(9−フルオレニル)−1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ジシラブタン]ビス(シクロペンタジエニルジブチルジルコニウム);
[1,4−ビス(1−インデニル)−1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ジシラブタン]ビス(シクロペンタジエニルジブチルジルコニウム);
[1−(1−インデニル)−6−(2−フェニル−1−インデニル)−1,1,6,6−テトラエチル−1,6−ジシラ−4−オキサヘキサン]ビス(tert−ブチルシクロペンタジエニルジブチルジルコニウム);
[1,10−ビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)−1,1,10,10−テトラメチル−1,10−ジゲルマデカン]ビス(2−メチル−4−フェニルインデニルジブチルジルコニウム);
(1−メチル−3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(1−フェニル−4−メトキシ−7−クロロフルオレニル)ジブチルジルコニウム;
(4,7−ジクロロインデニル)(3,6−ジメシチルフルオレニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(2,7−ジ−tert−ブチル−9−シクロへキシルフルオレニル)ジブチルジルコニウム;
(2,7−ジメシチルフルオレニル)[2,7−ビス(1−ナフチル)フルオレニル]ジブチルジルコニウム;
ジメチルシリルビス(フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
ジブチルスタニルビス(2−メチルフルオレニル)ジブチルジルコニウム;
1,1,2,2−テトラエチルジシランジイル(2−メチルインデニル)(4−フェニルフルオレニル)ジブチルジルコニウム;
プロピレン−1−(2−インデニル)−2−(9−フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
1,1−ジメチル−1−シラエチレンビス(フルオレニル)ジブチルジルコニウム;
[4−(シクロペンタジエニル)4,7,7−トリメチル(テトラヒドロインデニル]ジブチルジルコニウム;
[4−(シクロペンタジエニル)4,7−ジメチル−7−フェニル(5,6−ジメチルテトラヒドロインデニル]ジブチルジルコニウム;
[4−(シクロペンタジエニル)−4,7−ジメチル−7−(1−ナフチル)(7−フェニルテトラヒドロインデニル)]ジブチルジルコニウム;
[4−(シクロペンタジエニル)−4,7−ジメチル−7−ブチル(6,6−ジエチルテトラヒドロインデニル)]ジブチルジルコニウム;
[4−(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)−4,7,7−トリメチル(テトラヒドロインデニル)]ジブチルジルコニウム;
[4−(1−インデニル)−4,7,7−トリメチル(テトラヒドロインデニル)]ジブチルジルコニウム;
ビス(シクロペンタジエニル)ジブチルハフニウム;
ビス(インデニル)ジブチルバナジウム;
ビス(フルオレニル)ジブチルスカンジウム;
(インデニル)(フルオレニル)ジブチルニオブ;
(2−メチル−7−ナフチルインデニル)(2,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジブチルチタン;
臭化(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(テトラヒドロインデニル)ブチルハフニウム;
(シクロペンタジエニル)(1−オクテン−8−イルシクロペンタジエニル)ジブチルハフニウム;。
【0081】
(インデニル)(2−ブテン−4−イルシクロペンタジエニル)ジブチルチタン;
[1,3−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル](3,4−ベンゾフルオレニル)ジブチルニオブ;
ビス(シクロペンタジエニル)ジブチルチタン;
ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジブチルチタン;
ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジブチルハフニウム;
ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジブチルチタン;
ジメチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジブチルハフニウム;
ジメチルシランジイルビス(2−エチルインデニル)メチルスカンジウム;
ジメチルシランジイルビス(2−ブチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルニオブ;
ジメチルシランジイルビス(2−エチル−4,5−ベンゾインデニル)ジブチルチタン;
【0082】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
【0083】
すべての反応は、標準的なシュレンク技術を用いて、窒素雰囲気下で行われた。窒素雰囲気下で、溶媒として用いたTHF、エーテル、ヘキサン、ベンゼンは窒素気流下、ナトリウム金属、ベンゾフェノンで蒸留して無水とした。ジルコノセンジクロリドは、Aldrich Chemical Company, Inc.、日亜化学工業から購入したものを用い、その他の試薬は関東化学、東京化成工業、Aldrichから購入した。特に示さない限り、すべての出発物質は、市販のものを使用し、更に精製することなく使用した。 1H-NMRおよび13C-NMRスペクトルは、Bruker ARX-400またはJEOL JNM-LA300を用いて測定した。この時、25℃にて、重水素化クロロホルム(TMS1%含有)を内部標準とした。ガスクロマトグラフィーはSHIMADZU CBP1-M25-025 fused silica capillary columnを備えたSHIMADZU GC-14A gas chromatographで測定し、記録はSHIMADZU CR6A-Chromatopac integratorを用いた。GCにより収率を求めたときは適切な炭化水素を内部標準として用いた。EIを使用したJEOL JMS-AX 505HA機器を用いて質量スペクトルの測定を行った。カラムクロマトグラフィーのカラム充填剤として、関東化学シリカゲル60N(球状、中性)40-100マイクロメートルを使用した。
【0084】
実施例1
2−シアノ−3,4,5,6−テトラエチルピリジン
【0085】
【化13】
【0086】
Cp2ZrCl2 (0.32 g, 1.1 mmol)のTHF(5ml)溶液に、-78°Cにて、ブチルリチウム (1.6 M ヘキサン溶液, 2.2 mmol)を加えた。その温度で1時間攪拌した後、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)を加え、反応混合物を室温まで昇温させた。1時間攪拌した後、-78°Cにてオキシイミノマロノニトリル (0.49 g, 2 mmol)を反応混合物に加え、その温度で3時間攪拌した。反応混合物は、20%炭酸水素ナトリウム水溶液で、反応を終了させた。次いで、エーテル(3x30ml)で抽出した。抽出物を食塩水、水で洗浄し、そして、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で濃縮した後、残渣を、シリカゲルを充填剤として、クロマトグラフィーを行った。GC収率 95%. 単離収率 85%。
【0087】
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 1.21 (t, J = 7.6 Hz, 6H), 1.29 (t, J = 7.6 Hz, 6H), 2.70-2.90 (m, 8H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 13.18, 14.50, 14.74, 15.07, 21.38, 21.47, 22.83, 27.66, 117.24, 130.67, 139.05, 139.87, 149.47, 160.67; HRMS 計算値 C14H20N2 216.1625, 実験値 216.1626。
【0088】
実施例2
5,6,7,8−テトラヒドロ−1,4−ジエチル−3―シアノイソキノリン
【0089】
【化14】
【0090】
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、ドデカ−3,9−ジイン(1 mmol)を用いた。単離収率 93%。
【0091】
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 1.21 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.25 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.82-1.85 (m, 4H), 2.70-2.84 (m, 8H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 12.01, 13.79, 21.58, 21.74, 22.44, 25.86, 25.93, 27.52, 117.33, 129.31, 134.71, 140.01, 144.75, 160.62; HRMS 計算値 C14H18N2 214.1469, 実験値 214.1470。
【0092】
実施例3
2−シアノ−3,4−ジエチル−5,6−ジフェニルピリジン
【0093】
【化15】
【0094】
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、3−ヘキシン(1 mmol)及び1,2−ジフェニルアセチレン(1 mmol)を用いた。GC収率 63%. 単離収率 51%。
【0095】
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.97 (t, J = 7.6Hz, 3H), 1.38 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 2.58 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.99 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 7.05-7.29 (m, 10H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 14.64, 15.27, 22.87, 23.19, 116.93, 127.55 (2C), 127.60, 127.71, 128.17 (2C), 129.50 (2C), 129.82 (2C), 132.90, 137.10, 139.16, 139.49, 141.17, 151.39, 157.41; HRMS 計算値 C22H20N2 312.1626, 実験値 312.1578。
【0096】
実施例4
2−シアノ−3,4−ジブチル−5,6−ジエチルピリジン及び2−シアノ−3,4−ジエチル−5,6−ジブチルピリジン
【0097】
【化16】
【0098】
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、3−ヘキシン(1 mmol)及び5−デシン(1 mmol)を用いた。表題化合物は、1.5:1の比率で、2つの位置異性体の混合物として得られた。GC収率 80%. 単離収率 65%。
【0099】
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 主たる異性体0.94-1.01 (m, 6H), 1.19 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.26-1.30 (m, 3H), 1.40-1.71 (m, 8H), 2.62-2.89 (m, 8H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 13.53(2C), 13.56, 13.76, 21.66, 22.67, 23.11 (2C), 28.27, 31.46, 32.67, 34.55, 117.27, 130.66, 138.03, 139.77, 149.62, 160.06;副たる異性体 1H NMR:すべてのシグナルは、主たる異性体のピークと重なっていた、13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 13.22, 14.54, 14.77, 15.12, 21.53, 22.82, 22.89, 27.72, 28.32, 29.54, 32.75, 33.09, 117.41, 130.92, 138.75, 139.11, 148.43, 160.58; 元素分析計算値 C18H28N2: C, 79.36; H, 10.36; N, 10.28, 実験値: C, 78.91; H, 10.25; N, 10.12.
実施例1ないし4の結果を下記に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
実施例5
2−シアノ−3,4,5,6−テトラプロピルピリジン
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、4−オクチン(2 mmol)を用いた。
【0102】
実施例6
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、ペンタデカ−5,10−ジイン(1 mmol)を用いた。
【0103】
実施例7
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、ドデカ−3,9−ジイン(1 mmol)を用いた。
【0104】
実施例8
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、トリデカ−2,8−ジイン(1 mmol)を用いた。
【0105】
実施例9
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、ヘプタデカ−5,12−ジイン(1 mmol)を用いた。
【0106】
実施例5〜9の結果を下記表に示す。
【0107】
【表2】
【0108】
実施例10
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、1−フェニルドデカ−1,7−ジイン(1 mmol)を用いた。
【0109】
結果を下記表に示す。
【0110】
【表3】
【0111】
実施例11
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、3−ヘキシン(1 mmol)及び4−オクチン(1 mmol)を用いた。
【0112】
実施例12
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、3−ヘキシン(1 mmol)及び1−フェニル−1−ヘキシン(1 mmol)を用いた。
【0113】
実施例13
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、ペンタデカ−5,11−ジイン(1 mmol)を用いた。
【0114】
結果を下記表に示す。
【0115】
【表4】
【0116】
例1
ビス[(((2−シアノ−4−メチル−3,6−ジプロピルピリジン−5−イル)メチル)ジメチルシリルオキサ]ジメチルシリル]エーテル
【0117】
【化17】
【0118】
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、7,7,9,9−テトラメチル−7,9−ジシラ−8−オキサペンタデカ−4,11−ジイン(1 mmol)を用いた。単離収率 35%。
【0119】
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ -0.06 (s, 12H), 0.11 (s, 12H), 0.97 (t, J =7.4 Hz, 6H), 1.01 (t, J =7.3 Hz, 6H), 1.54-1.71 (m, 8H), 2.21 (s, 7H), 2.25 (s, 3H), 2.66-2.81 (m,8H). 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.98 (4C), 1.48 (4C), 14.01 (2C), 14.17 (2C), 16.19 (2C), 21.78 (2C), 22.23 (2C), 23.29 (2C), 32.53 (2C), 37.83 (2C), 117.83 (2C), 128.96 (2C), 137.28 (2C), 138.50 (2C), 142.95 (2C), 158.43 (2C); HRMS 計算値 C36H62N4O3Si4 710.3899, 実験値 710.3885。
【0120】
例2
ビス[((2−シアノ−4−メチル−3,6−ジプロピルピリジン−5−イル)メチル)ジメチルシリル]エーテル
【0121】
【化18】
【0122】
実施例1と同様の手順を行った。ただし、3-ヘキシン(0.16 g, 2 mmol)の代わりに、7,7−ジメチル−7−シラトリデカ−4,9−ジイン(1 mmol)を用いた。単離収率 20%。
【0123】
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.01 (s, 12H), 0.87-1.04 (m, 12H), 1.54-1.71(m, 8H), 2.15 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.00-2.35 (m, 4H), 2.64-2.81 (m, 8H). 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 1.64 (s, 4C), 14.04 (2C), 14.20 (2C), 16.20 (2C), 21.76 (2C), 22.15 (2C), 23.32 (2C), 32.55 (2C), 37.93 (2C), 117.72 (2C), 129.17 (2C), 136.92 (2C), 138.62 (2C, 142.85 (2C), 158.36 (2C). HRMS 計算値 C32H50N4OSi2 562.3523, 実験値。
【0124】
結果を下記表に示す。
【0125】
【表5】
【0126】
【発明の効果】
本発明の方法により、簡易に多置換ピリジン誘導体を得ることができる。また、多置換ピリジンを選択的に、かつ、短いスキームで得ることができる。
Claims (6)
- 下記式(Ic)又は(1d)で示されるピリジン誘導体の製造方法であって、
下記式(II)で示されるメタラシクロペンタジエンと、
- Mが、周期表第4族もしくは第5族またはランタニド系列の金属である、請求項1に記載のピリジン誘導体の製造方法。
- Mが、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムである、請求項1または2に記載のピリジン誘導体の製造方法。
- 前記アニオン性配位子が、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、t−ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基及びオクタヒドロフルオレニル基からなる群から選択される非局在化環状η 5 −配位系配位子である、請求項1〜3の何れかに記載のピリジン誘導体の製造方法。
- R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子、C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C3〜C20アリル基、C4〜C20アルキルジエニル基、C4〜C20ポリエニル基、C6〜C40アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20シクロアルケニル基、又は、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C10アルキル基であり、ただし、R1及びR2、R2及びR3、又は、R3及びR4は、互いに架橋して、酸素原子で中断されていてもよいC4〜C20飽和又は不飽和環を形成してもよい、請求項1〜4の何れかに記載のピリジン誘導体の製造方法。
- R1及びR2が同一の基であるか、R3及びR4が同一の基であるか、あるいは、R1及びR4が同一の基である請求項1〜5の何れかに記載のピリジン誘導体の製造方法。
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