JP4090252B2 - ベンゼン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベンゼン誘導体の製造方法に関し、より詳しくは遷移金属化合物を触媒量のみ必要とする多置換ベンゼン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、ベンゼン類の合成法として、ジルコニウム上でアセチレン類2分子を反応させジルコナシクロペンタジエンを得て、次いで、ニッケル錯体存在下、さらにアセチレン類1分子と反応させることによりベンゼンを得る方法が知られている(特開平11−263737)。しかしながら、この方法によれば、ニッケル錯体は化学量論的に反応に関与するため、高価なニッケル錯体をジルコナシクロペンタジエンに対して1当量以上必要とするものであった。
【0003】
従って、ニッケル錯体の消費量を最低限にしつつ、しかも、高収率で簡便に多置換ベンゼン誘導体を得ることが所望された。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者は、従来のベンゼン類の合成法によると、ニッケル錯体等の遷移金属化合物中の遷移金属が還元されて消費されていくことに注目し、反応系に酸化剤を投入することによって、遷移金属化合物を触媒的に使用することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0005】
即ち、本発明では、下記式(1)で示されるベンゼン誘導体の製造方法であって、
【化4】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基、又は水酸基であり、ただし、R1及びR2、R3及びR4、並びに、R5及びR6は、それぞれ、互いに架橋してC4〜C20飽和環又は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子又は式−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子又はC1〜C20炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。]酸化剤及び触媒量の遷移金属化合物存在下、下記式(2)で示されるメタラシクロペンタジエンと、
【化5】
[式中、R1、R2、R3及びR4は、上記の意味を有する。Mは、遷移金属を示し、L1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。但し、L1及びL2は、架橋されていてもよい。] 下記式(3)で示されるアルキンと
【化6】
[式中、R5及びR6は、上記の意味を有する。]を反応させることを特徴とするベンゼン誘導体の製造方法が提供される。
【0006】
本発明によれば、前記酸化剤が有機ハロゲン化物であることが好ましい。また、前記酸化剤がジハロゲノアルカン又はアリルハライドであることが更に好ましい。
【0007】
また、本発明によれば、前記遷移金属化合物がニッケル錯体であることが好ましい。
【0008】
また、本発明によれば、前記触媒量が、前記メタラシクロペンタジエン1モルに対し、0.0001モル〜0.5モルであることが好ましい。
【0009】
また、本発明によれば、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基又は置換基を有していてもよいシリル基であることが好ましい。
【0010】
また、本発明によれば、Mが周期表第4族から第6族の遷移金属であることが好ましい。また、Mがジルコニウムであることが更に好ましい。
【0011】
また、本発明によれば、前記アニオン性配位子が、非局在化環状η5−配位系配位子であって、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基であることが好ましい。
【0012】
また、本発明によれば、前記式(1)で示されるベンゼン誘導体が、1,2,3,4−テトラエチル−5,6−ジプロピルベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−プロピルベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−フェニルベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタエチル−6−(1−ブチン−1−イル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−ジメチルシリル−6−ブチルベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−メトキシメチルベンゼン、1,2−ジプロピル−3,4−ジメチル−5,6−ジエチルベンゼン、1,2−ジフェニル−3,4−ジメチル−5,6−ジプロピルベンゼン、又は1,2−ジブチル−3,4−ジメチル−5,6−ジエチルベンゼンであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明では、酸化剤及び触媒量の遷移金属化合物存在下、下記式(2)で示されるメタラシクロペンタジエンと、下記式(3)で示されるアルキンとを反応させることを特徴とする下記式(1)で示されるベンゼン誘導体の製造方法が提供される。
【0014】
【化7】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、M、L1およびL2は、上記の意味を有する。]
【0015】
上記式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;又は水酸基である。
【0016】
本明細書において、「C1〜C20炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1〜C20炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C1〜C20炭化水素基」には、C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C4〜C20アルキルジエニル基、C6〜C18アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20シクロアルケニル基、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C10アルキル基などが含まれる。
【0017】
本明細書において、「C1〜C20アルキル基」は、C1〜C10アルキル基であることが好ましく、C1〜C6アルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0018】
本明細書において、「C2〜C20アルケニル基」は、C2〜C10アルケニル基であることが好ましく、C2〜C6アルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、2−ブテニル等を挙げることができる。
【0019】
本明細書において、「C2〜C20アルキニル基」は、C2〜C10アルキニル基であることが好ましく、C2〜C6アルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル等を挙げることができる。
【0020】
本明細書において、「C4〜C20アルキルジエニル基」は、C4〜C10アルキルジエニル基であることが好ましく、C4〜C6アルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1,3−ブタジエニル等を挙げることができる。
【0021】
本明細書において、「C6〜C18アリール基」は、C6〜C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0022】
本明細書において、「C6〜C20アルキルアリール基」は、C6〜C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−キシリル、2,4−キシリル、2,5−キシリル、o−クメニル、m−クメニル、p−クメニル、メシチル等を挙げることができる。
【0023】
本明細書において、「C6〜C20アリールアルキル基」は、C6〜C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル等を挙げることができる。
【0024】
本明細書において、「C4〜C20シクロアルキル基」は、C4〜C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0025】
本明細書において、「C4〜C20シクロアルケニル基」は、C4〜C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル等を挙げることができる。
【0026】
本明細書において、「C1〜C20アルコキシ基」は、C1〜C10アルコキシ基であることが好ましく、C1〜C6アルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
【0027】
本明細書において、「C6〜C20アリールオキシ基」は、C6〜C10アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等を挙げることができる。
【0028】
R1、R2、R3、R4、R5及びR6で示される「C1〜C20炭化水素基」、「C1〜C20アルコキシ基」、「C6〜C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0029】
本明細書において、「置換基を有していてもよいアミノ基」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
【0030】
本明細書において、「置換基を有していてもよいシリル基」の例としては、制限するわけではないが、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等がある。
【0031】
本発明において、R1及びR2、R3及びR4、並びに、R5及びR6は、それぞれ、互いに架橋してC4〜C20飽和環又は不飽和環を形成してもよい。これらの置換基が形成する環は、4員環〜16員環であることが好ましく、4員環〜12員環であることが更に好ましい。この環は、ベンゼン環等の芳香族環あってもよいし、脂肪族環であってもよい。また、これらの置換基が形成する環に、更に単数又は複数の環が形成されていてもよい。
【0032】
前記飽和環または不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子または式―N(B)―で示される基(式中、Bは水素原子またはC1〜C20炭化水素基である。)で中断されていてもよい。即ち、前記飽和環または不飽和環はヘテロ環であってもよい。かつ、置換基を有していてもよい。不飽和環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよい。
【0033】
Bは,水素原子またはC1〜C10炭化水素基であることが好ましく、水素原子またはC1〜C7炭化水素基であることが更に好ましく、Bは水素原子、C1〜C3アルキル基、フェニル基またはベンジル基であることが更になお好ましい。
【0034】
この飽和環又は不飽和環は、置換基を有していてもよく、例えば、C1〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、C1〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。
【0035】
本発明において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基又は置換基を有していてもよいシリル基であることが好ましく、C1〜C10アルキル基;C6〜C10アリール基;又は置換基を有していてもよいシリル基であることが更に好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニル、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル又はトリエチルシリルであることがより好ましい。
【0036】
また、R1及びR2、R3及びR4、並びに、R5及びR6が、それぞれ、同一の基であることが更に好ましい。
【0037】
本発明において、上記式(1)で示されるベンゼン誘導体が、1,2,3,4−テトラエチル−5,6−ジプロピルベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−プロピルベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−フェニルベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタエチル−6−(1−ブチン−1−イル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−ジメチルシリル−6−ブチルベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−メトキシメチルベンゼン、1,2−ジプロピル−3,4−ジメチル−5,6−ジエチルベンゼン、1,2−ジフェニル−3,4−ジメチル−5,6−ジプロピルベンゼン、又は1,2−ジブチル−3,4−ジメチル−5,6−ジエチルベンゼンであることが好ましい。
【0038】
本発明のベンゼン誘導体の製造方法では、下記式(2)で示されるメタラシクロペンタジエンが用いられる。
【0039】
【化8】
[式中、R1、R2、R3及びR4は、上記の意味を有する。]
【0040】
Mは、遷移金属を示す。Mとしては、周期表第4族〜第6族の遷移金属であることが好ましく、周期表第4族の金属、即ち、チタン、ジルコニウム及びハフニウムであることが更に好ましく、ジルコニウムであることが特に好ましい。
【0041】
L1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよい。前記アニオン性配位子は、非局在化環状η5−配位系配位子、C1〜C20アルコキシ基、C6〜C20アリールオキシ基又はジアルキルアミド基であることが好ましく、非局在化環状η5−配位系配位子であることが更に好ましい。非局在化環状η5−配位系配位子としては、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基を挙げることができ、無置換のシクロペンタジエニル基、及び置換されたシクロペンタジエニル基であることが好ましい。
【0042】
この置換シクロペンタジエニル基は、例えば、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、t−ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基及びアズレニル基である。
【0043】
非局在化環状η5−配位系配位子は、非局在化環状π系の1個以上の原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。水素の他に、周期表第14族の元素及び/又は周期表第15、16及び17族の元素のような1個以上のヘテロ原子を含むことができる。
【0044】
非局在化環状η5−配位系配位子、例えば、シクロペンタジエニル基は、中心金属と、環状であってもよい、一つの又は複数の架橋配位子により架橋されていてもよい。架橋配位子としては、例えば、CH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH(C4H9)C(CH3)2、C(CH3)2、(CH3)2Si、(CH3)2Ge、(CH3)2Sn、(C6H5)2Si、(C6H5)(CH3)Si、(C6H5)2Ge、(C6H5)2Sn、(CH2)4Si、CH2Si(CH3)2、o−C6H4又は2、2'−(C6H4)2が挙げられる。
【0045】
上記式(2)で示されるメタラシクロペンタジエンは、二つ以上のメタロセン部分 (moiety)を有する化合物も含む。このような化合物は多核メタロセンとして知られている。前記多核メタロセンは、いかなる置換様式及びいかなる架橋形態を有していてもよい。前記多核メタロセンの独立したメタロセン部分は、各々が同一種でも、異種でもよい。前記多核メタロセンの例は、例えばEP−A−632063、特開平4−80214号、特開平4−85310、EP−A−654476に記載されている。
【0046】
本発明のベンゼン誘導体の製造方法では、下記式(3)で示されるアルキンが用いられる。
【0047】
【化9】
[式中、R5及びR6は、上記の意味を有する。]
【0048】
上記式(3)で示されるアルキンの量は、それぞれ、メタラシクロペンタジエン(2)1モルに対し、0.1モル〜100モルであり、好ましくは0.5モル〜3モルであり、更に好ましくは0.8モル〜1.5モルである。
【0049】
本発明のベンゼン誘導体の製造方法において、前記反応は触媒量の遷移金属化合物存在下で行う。
【0050】
本明細書において、遷移金属化合物は、金属塩でもよいし、金属錯体でもよい。金属塩の場合には、例えば、ニッケル、パラジウム、銅、ルテニウム又はロジウムと、塩酸、硫酸等の無機酸又はカルボン酸のような有機酸の塩であってもよい。例えば、ハロゲン化ニッケル(II)、ハロゲン化パラジウム(II)、ハロゲン化銅(I)、ハロゲン化ルテニウム(III)、ハロゲン化ロジウム(III)のような金属塩であってもよく、特に、ハロゲン化ニッケル(II)等が好ましく、用いられる。
【0051】
遷移金属化合物が金属錯体の場合には、4配位又は6配位であることが好ましい。配位子としては、ホスフィン、ホスファイト、アミン、ニトリル、又は、ハロゲン原子等が好ましい。配位子は、1座(unidentate)であってもよいし、2座(bidentate)、3座(terdentate)、又は、4座(tetradentate)であってもよい。
【0052】
ホスフィンは、ジフェニルホスフィンのようなジアリールホスフィン、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィン、トリエチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンのようなα,ω−ビス(ジアリールホスフィノ)アルカン、P,P,P',P',P",P"−ヘキサフェニル−トリスエチレンテトラホスフィンのようなP,P,P',P',P",P"−六置換−トリスアルキレンテトラホスフィン等であってもよい。ホスファイトは、ホスフィンと同様である。
【0053】
アミンは、配位子としては、ピリジン、ビピリジン、キノリン等の芳香族アミンであってもよいし、エチレンジアミンのようなアルキレンジアミン、N,N,N',N'−テトラアルキルエチレンジアミンのようなN,N,N',N'−四置換アルキレンジアミン、トリスエチレンジアミンのようなトリスアルキレンジアミン等の脂肪族アミンであってもよい。
【0054】
本発明において、遷移金属化合物はニッケル錯体であることが好ましい。
【0055】
ニッケル錯体は、4配位であることが好ましい。ニッケル錯体は、たとえば、NiX2P1P2(式中、Xは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を示し、P1及びP2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ホスフィン、ホスファイト又はアミンを示し、好ましくは、ホスフィン又はアミンを示し、更に好ましくはホスフィンを示す。ただし、P1及びP2は、互いに架橋していてもよい。)であってもよい。ホスフィン、ホスファイト又はアミンについては、上述の通りである。
【0056】
ニッケル錯体としては、たとえば、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロニッケル、ジクロロ(2,2'−ビピリジン)ニッケルが挙げられる。NiX2P1P2で示されるニッケル錯体は、NiX2で示されるニッケル塩と比べて、有機溶媒中での溶解度が向上するので、用途によっては、好ましい。たとえば、NiX2で示されるニッケル塩を反応系が含まれている溶媒に添加し、所望により、更にホスフィンを溶媒に添加して in situで、ニッケルホスフィン錯体を形成してもよい。
【0057】
本発明において、遷移金属化合物は、触媒として反応に関わる。本発明において、遷移金属化合物が上記式(2)で示されるメタラシクロペンタジエンと反応して中間体を生成していると思われる。中間体としては、たとえば、トランスメタル化反応により、メタラシクロペンタジエン(2)中の一つの金属が遷移金属化合物中の遷移金属1つ又は2つに置換され、1,4−ジメタラ−1,3−ブタジエン誘導体又は遷移金属を含んだメタラシクロペンタジエンが生成する。次いで、この1,4−ジメタラ−1,3−ブタジエン誘導体又は遷移金属を含んだメタラシクロペンタジエンが上記式(3)で示されるアルキンと反応して上記式(1)で示されるベンゼン誘導体が生成されると考えられる。この際、還元された遷移金属は後述する酸化剤によって酸化され、反応系に再度関わるようになると考えられる。
【0058】
もっともこのような反応経路は推論に過ぎず、本発明はこのような反応経路に限定されるものではない。
【0059】
本発明において、遷移金属化合物の量は、メタラシクロペンタジエン(2)1モルに対して、0.0001モル〜0.5モルであることが好ましく、0.001モル〜0.3モルであることが更に好ましく、0.01モル〜0.2モルであることがより好ましい。
【0060】
本発明のベンゼン誘導体の製造方法において、反応は酸化剤存在下で行う。
【0061】
本明細書において、酸化剤とは、還元された遷移金属を酸化することができる化合物を特に制限なく挙げることができる。本発明において、酸化剤としては、有機ハロゲン化物であることが好ましく、ジハロゲノアルカン又はアリルハライドであることが更に好ましい。
【0062】
本明細書において、「ジハロゲノアルカン」としては、ジハロゲノ−C1〜C20アルカンを挙げることができ、ジハロゲノ−C1〜C10アルカンであることが好ましく、ジハロゲノ−C1〜C6アルカンであることが更に好ましい。ジハロゲノアルカンの例としては、制限するわけではないが、ジクロロメタン、ジブロモメタン、ジヨードメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン、ジヨードエタン、ジクロロプロパン、ジブロモプロパン、ジヨードプロパン等を挙げることができる。
【0063】
本明細書において、「アリルハライド」としては、アリルクロライド、アリルブロマイド等を挙げることができる。
【0064】
本発明において、酸化剤としては、ジブロモメタン、アリルクロライドを用いることが好ましい。
【0065】
本発明において、酸化剤の量は、メタラシクロペンタジエン(2)1モルに対し、0.1モル〜100モルであり、好ましくは0.5モル〜10モルであり、更に好ましくは、1.0モル〜3.0モルである。
【0066】
本発明において、ベンゼン誘導体は、典型的には、上記式(2)で示されるメタラシクロペンタジエンの溶液に、アルキン(3)と酸化剤、遷移金属化合物を添加し、攪拌して製造する。メタラシクロペンタジエン(2)は単離されたものを用いる必要はなく、溶液中で調製されたメタラシクロペンタジエンをそのまま用いても良い。
【0067】
反応は、好ましくは−100℃〜300℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは−80℃〜200℃の温度範囲、更に好ましくは−80℃〜60℃の温度範囲で行われる。圧力は、例えば、0.1バール〜2500バールの範囲内で、好ましくは0.5バール〜10バールの範囲内である。
【0068】
溶媒としては、上記式(2)で示されるメタラシクロペンタジエンを溶解することができる溶媒が好ましい。溶媒は、脂肪族又は芳香族の有機溶媒が用いられる。エーテル系溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素;o−ジクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。
【0069】
上記式(2)で示されるメタラシクロペンタジエンは、ビスシクロペンタジエニル金属ジアルキルのようなメタロセン1モルに、約2モルのアルキン又は約1モルのジインを作用させることにより得ることができる。本発明において、上記式(2)で示されるメタラシクロペンタジエンとしてジルコナシクロペンタジエンを用いる場合には、例えば、下記のジルコノセンを用いて合成することができる。
【0070】
ビス(シクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウム。
【0071】
なお、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウムなどのジクロロ体については、ナトリウム等のアルカリ金属、マグネシウム等のアルカリ土類金属のような強塩基で還元するか、又は、ジアルキル体に変換してから、ジルコナシクロペンタジエンを生成させる。
【0072】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
【0073】
すべての反応は、特に言及しない限り、乾燥した窒素雰囲気下のもとで行われた。溶媒として用いたテトラヒドロフラン(THF)は窒素気流下、ナトリウム金属、ベンゾフェノンで蒸留して無水とした。ジルコノセンジクロライドは、アルドリッチ化学から購入したものを用いた。また、n−ブチルリチウム(1.59 Mヘキサン溶液)は関東化学から購入したものを用いた。アルキンは、東京化成工業から購入したものを用いた。ニッケル(II)錯体は、公知の方法で調製した。その他の試薬も、市販品を購入し、そのまま用いた。
【0074】
1H及び13C NMRスペクトルは、室温のCDCl3又はC6D6(1% TMS含有)溶液を用いて、JEOL NMRスペクトロメター上で測定した。ガスクロマトグラフ分析は、シリカガラスキャピラリカラムSHIMADZU CBP1-M25-O25 及び SHIMADZU C-R6A-Chromatopac integrator を備えたSHIMADZU GC-14A ガスクロマトグラフで測定した。
【0075】
参考例1
ビス(η5−シクロペンタジエニル)2,3,4,5−テトラエチル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエン
ビス(η5−シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム(1.2mmol)及びTHF(10ml)をシュレンク管に投入した。この溶液を−78℃に冷却し、次いで、n−ブチルリチウム(2.4mmol)を添加した。この溶液を−78℃にて1時間、攪拌し、ビス(η5−シクロペンタジエニル)ジブチルジルコニウムを得た。−78℃にて、この反応混合物に3−ヘキシン(2.0mmol)を添加し、次いで、室温にまで暖め、1時間、放置し、標題化合物を得た。標題化合物を単離することなく、そのまま用いた。
【0076】
参考例2
ビス(η5−シクロペンタジエニル)2,3−ジプロピル−4,5−ジメチル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエン
参考例1と同様の手順で行った。ただし、n−ブチルリチウムの代わりにエチルマグネシウムブロミドを用いた。また、3−ヘキシン(2.0mmol)の代わりに、4−オクチン(1.0mmol)および2−ブチン(1.0mmol)を用いた。
【0077】
参考例3
ビス(η5−シクロペンタジエニル)2,3−ジフェニル−4,5−ジメチル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエン
参考例1と同様の手順で行った。ただし、n−ブチルリチウムの代わりにエチルマグネシウムブロミドを用いた。また、3−ヘキシン(2.0mmol)の代わりに、1,2−ジフェニルアセチレン(1.0mmol)および2−ブチン(1.0mmol)を用いた。
【0078】
参考例4
ビス(η5−シクロペンタジエニル)2,3−ジブチル−4,5−ジメチル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエン
参考例1と同様の手順で行った。ただし、n−ブチルリチウムの代わりにエチルマグネシウムブロミドを用いた。また、3−ヘキシン(2.0mmol)の代わりに、5−デシン(1.0mmol)および2−ブチン(1.0mmol)を用いた。
【0079】
実施例1
1,2,3,4−テトラエチル−5,6−ジプロピルベンゼン
参考例1で得られたビス(η5−シクロペンタジエニル)2,3,4,5−テトラエチル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエン (1.0 mmol)の5 ml THF溶液に、4−オクチン (1.5 mmol)、ジブロモメタンおよびNiBr2(PPh3)2 (5 mol%)を室温にて加えた。混合物を6時間攪拌し、3 N HClを添加して反応を終了させ、ヘキサンで抽出した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、表題化合物を得た。GC収率85%、単離収率70%。
【0080】
実施例2
1,2,3,4−テトラエチル−5−プロピルベンゼン
実施例1と同様の手順で行った。ただし、4−オクチンの代わりに、1−ペンチンを用いた。GC収率71%、単離収率60%。
【0081】
実施例3
1,2,3,4−テトラエチル−5−フェニルベンゼン
実施例1と同様の手順で行った。ただし、4−オクチンの代わりに、フェニルアセチレンを用いた。GC収率66%、単離収率57%。
【0082】
実施例4
1,2,3,4,5−ペンタエチル−6−(1−ブチン−1−イル)ベンゼン実施例1と同様の手順で行った。ただし、4−オクチンの代わりに、オクタ−3,5−ジインを用いた。GC収率93%、単離収率80%。
【0083】
実施例5
1,2,3,4−テトラエチル−5−ジメチルシリル−6−ブチルベンゼン
実施例1と同様の手順で行った。ただし、4−オクチンの代わりに、1−ジメチルシリル−1−ヘキシンを用いた。GC収率90%、単離収率76%。
【0084】
実施例6
1,2,3,4−テトラエチル−5−メトキシメチルベンゼン
実施例1と同様の手順で行った。ただし、4−オクチンの代わりに、2−メトキシ−1−プロピンを用いた。GC収率60%、単離収率52%。
【0085】
実施例7
1,2−ジプロピル−3,4−ジメチル−5,6−ジエチルベンゼン
実施例1と同様の手順で行った。ただし、参考例1で得られた化合物の代わりに、参考例2で得られたビス(η5−シクロペンタジエニル)2,3−ジプロピル−4,5−ジメチル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエンを用いた。また、4−オクチンの代わりに、3−ヘキシンを用いた。GC収率61%、単離収率51%。
【0086】
実施例8
1,2−ジフェニル−3,4−ジメチル−5,6−ジプロピルベンゼン
実施例1と同様の手順で行った。ただし、参考例1で得られた化合物の代わりに、参考例3で得られたビス(η5−シクロペンタジエニル)2,3−ジフェニル−4,5−ジメチル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエンを用いた。GC収率91%、単離収率78%。
【0087】
実施例9
1,2−ジブチル−3,4−ジメチル−5,6−ジエチルベンゼン
実施例1と同様の手順で行った。ただし、参考例1で得られた化合物の代わりに、参考例4で得られたビス(η5−シクロペンタジエニル)2,3−ジブチル−4,5−ジメチル−1−ジルコナ−2,4−シクロペンタジエンを用いた。また、4−オクチンの代わりに、3−ヘキシンを用いた。GC収率87%、単離収率77%。
【0088】
実施例1〜9の出発物質および生成物、収率を表1に示す。表中、収率はGC収率を示し、括弧内は単離収率を示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【発明の効果】
本発明の方法により、ニッケル錯体を触媒量使用しつつ、しかも、高収率で簡便に多置換ベンゼン誘導体を得ることができる。
Claims (8)
- 下記式(1)で示されるベンゼン誘導体の製造方法であって、
ただし、R1及びR2、R3及びR4、並びに、R5及びR6は、それぞれ、互いに架橋してC4〜C20飽和環又は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子又は式−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子又はC1〜C20炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。]
有機ハロゲン化物及び触媒量のニッケル錯体存在下、下記式(2)で示されるメタラシクロペンタジエンと、
Mは、チタン、ジルコニウム又はハフニウムを示し、
L1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、非局在化環状η 5 −配位系配位子を示す。但し、L1及びL2は、架橋されていてもよい。]
下記式(3)で示されるアルキンと
を反応させることを特徴とするベンゼン誘導体の製造方法。 - 前記有機ハロゲン化物がジハロゲノアルカン又はアリルハライドである、請求項1に記載のベンゼン誘導体の製造方法。
- 前記ニッケル錯体がNiX 2 P 1 P 2 [式中、Xはハロゲン原子であり、P 1 及びP 2 は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ホスフィン、ホスファイト又はアミンである。]で示される化合物である、請求項1又は2に記載のベンゼン誘導体の製造方法。
- 前記触媒量が、前記メタラシクロペンタジエン1モルに対し、0.0001モル〜0.5モルである、請求項1〜3のいずれかに記載のベンゼン誘導体の製造方法。
- R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基又は置換基を有していてもよいシリル基である、請求項1〜4のいずれかに記載のベンゼン誘導体の製造方法。
- Mがジルコニウムである、請求項1〜5のいずれかに記載のベンゼン誘導体の製造方法。
- 前記非局在化環状η 5 −配位系配位子が、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基である、請求項1〜6のいずれかに記載のベンゼン誘導体の製造方法。
- 前記式(1)で示されるベンゼン誘導体が、1,2,3,4−テトラエチル−5,6−ジプロピルベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−プロピルベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−フェニルベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタエチル−6−(1−ブチン−1−イル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−ジメチルシリル−6−ブチルベンゼン、1,2,3,4−テトラエチル−5−メトキシメチルベンゼン、1,2−ジプロピル−3,4−ジメチル−5,6−ジエチルベンゼン、1,2−ジフェニル−3,4−ジメチル−5,6−ジプロピルベンゼン、又は1,2−ジブチル−3,4−ジメチル−5,6−ジエチルベンゼンである請求項1〜7のいずれかに記載のベンゼン誘導体の製造方法。
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