JP4418841B2 - 作業装置及びその校正方法 - Google Patents
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Description
(1)公知例の校正方法は校正治具の標識面の大部分が遮蔽されることを前提としていない。しかし多自由度のロボットアームの場合、位置姿勢によってはロボットアーム本体で校正治具プレートの多くが遮蔽されることがあり得る。上記例の校正治具プレートではそのような場所では校正を行うことができず、これを回避するためにはその都度校正治具プレートの角度を変えるか、遮蔽が起こらない場所に固定カメラを設置するか、校正治具プレートを大きくする必要がある。しかし大きな校正治具プレートはロボットアームや床に干渉しやすくロボットアームの動作の自由度を制限してしまうため、校正治具として適さない。
被作業物体に対して作業を行う作業部と、
マーカ中心点から放射状に複数のマーカが配置された校正治具とを備え、
前記校正治具は、前記作業部に対して設定された校正用の基準点と前記マーカ中心点とが一致するように前記作業部に装着され、
前記複数のマーカは、立体的に配置されている。
被作業物体に対して作業を行う作業部と、
マーカ中心点から放射状に複数のマーカが配置された校正治具とを備えた作業装置の校正方法であって、
前記校正治具は、前記作業部に対して設定された校正用の基準点と前記マーカ中心点とが一致するように前記作業部に装着され、
前記複数のマーカは、立体的に配置され、
前記作業部を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程で撮像された画像に存在するマーカの画像に基づいてマーカ中心点の画像上の座標を算出する算出工程と、
前記算出工程で算出されたマーカ中心点の座標と、前記作業部の前記基準点の装置上の座標とに基づいて、画像上の座標と装置上の座標を変換するための変換処理を校正する校正工程とを備える。
第1実施形態では被作業物体であるワークに対して作業部であるロボットアームが作業を行なう前に、作業の精度を高めるために3次元空間上の位置の校正を行う方法を述べる。本実施形態では、カメラパラメータを事前に求めずに、直接に画像上の座標である画像座標と装置上の座標であるロボット座標とを校正する。
本実施形態で用いることが可能な校正治具107の例を図3に示す。図3の(a)に示される校正治具107は、コーン状の円錐部分301と円筒形部分302とを有し、円錐部分301には放射状に線分形状のマーカ109aが付されている。なお、図示の便宜上マーカの1つにのみ参照番号を付している。円筒形部分302の内部にはハンドに取り付けるためのクリップ状の機構(不図示)が備えられている。上記クリップ状の機構はハンドが把持をするためのつまみや、ネジによる取り付け穴でもよい。校正治具107は、放射状のマーカ109aの中心点であるマーカ中心点305aとロボットアームの作業基準点105が正確に一致するようにロボットアームに固定される。
次に、校正部113が実行する校正作業の工程を説明する。図4に示すように、校正治具107を取り付けた作業部106(ロボットアーム)をロボット座標上の所定の校正を行なう点103に動かす。ここでi番目の校正点のロボット座標値をpi(xi,yi,zi)とする。またこのとき、レーザ距離計108でステージの床面までの高さを計測して記憶する。レーザ距離計108の高さと作業基準点105の高さは一致しないため、この差をあらかじめ計測しておき、補正した値を校正基準点の高さhiとする。次に上方のカメラ101からロボットアームを計測する。カメラ101で撮影した画像から校正治具107に配置されたマーカ109を抽出し、ハフ変換等の画像処理を行って線分の画像座標上のパラメータを求める。また、このとき図3の(b)で示したような、コントラストの大きい円形のマーカ109bの列を放射状に並べた校正治具107を用いる場合は、前処理によって所定の大きさのブロッブを抽出し、抽出したブロッブに対してハフ変換を行ってもよい。
次に、校正部113は、上述のステップS601〜S614で得られた各校正点の値から校正に必要となるパラメータを求める。
ここで校正を行なった点qi(ui,vi)に任意の高さhを与えた座標ri(ui,vi,h)について考える。相似の関係を用いれば、画像座標riをロボット座標に写す変換fi:Ri→Pを以下のような式で表すことができる。即ち、校正部113は、q0,p0及び2n個の座標の組を用いて、離散点iにおける画像座標とロボット座標の変換関数fi:Ri→Pを得る(ステップS616)。
次に実際にステージ上の被作業物体に対して作業を行う際の装置の動作を説明する。以下では被作業物体が立体形状であり、作業を行う際に基準となる被作業物体の被作業物体基準点111の高さhkがレーザ距離計108で計測する等して既知であることを前提とする。
次に第2実施形態として、レーザ距離計108を用いない校正の方法を述べる。この方法ではXYZ直交型ロボットアーム以外にスカラー型や垂直多間接型などの多自由度のロボットアームの校正が可能である。第2実施形態では、ロボットアームと、第1実施形態で用いたものと同じ校正治具と、2個以上のカメラを用いる。マーカが立体の形状を取ることによって、どのような角度からでもマーカを安定して観測することが可能となるため、様々な角度から同時に校正基準点を観測することが可能である。第2実施形態では、このようなマーカの特徴を利用して複数のカメラにより同時に校正基準点を観測する。なお、第2実施形態の構成は第1実施形態(図1)とほぼ同様であり、カメラ101が複数台接続された形態となる。
次に、第3実施形態として第2実施形態で説明した校正処理の派生的な手法として、校正作業中に図3又は図9に示したような校正治具を用いない方法を挙げる。本実施形態ではまず、ロボットアーム上の所定の位置に4つのマーカを配置する。次に、第2の実施形態と同様の校正治具を取り付けてカメラで計測し、校正基準点と4つのマーカを検出する。これらをワールド座標に変換して校正基準点と4つのマーカのワールド座標上の位置を得る。次に4つのマーカと校正基準点のワールド座標上での相対位置関係を記憶する。次に校正治具を外し、以降は4つのマーカの相対位置関係からワールド座標上の校正基準点の位置を決定する。
(1)ここで述べた4つのマーカの位置が作業中に常にカメラから観測できること、
(2)校正基準点とマーカの相対位置が変形やねじれ等によって変化しないこと、
(3)4つの点が同一平面上にないこと、
の3つの条件を満たす必要がある。
第4実施形態では、ロボットアームの位置の校正のみならず姿勢の校正も同時に行う方法をのべる。なお、本実施形態の装置構成や校正作業は基本的に第2実施形態と同じである。以下では、図9の(a)に示すように円錐の底面部分の円周上に姿勢検出用の周辺部マーカ901aを付した校正治具を用いて校正を行う場合を説明する。
・校正治具の底面の中心を求めて中心軸を求めること、または、
・互いに識別可能なマーカを付加的に設けてその位置を検出すること、
によってロボットアームの位置姿勢を求める。このように、第1〜3実施形態の校正手法では校正基準点の位置しか検出することができなかったが、第4実施形態によれば、円錐のような方向性を持った校正治具を用いることでロボットアームの位置姿勢を検出、校正することができる。
第5実施形態として本発明の校正治具を被作業物体の表面に貼付して被作業物体の基準位置を検出する方法を述べる。まず、図3で示したような校正治具107の作業基準点105を被作業物体110の被作業物体基準点111に合わせる。即ち、マーカ中心点から放射状に、且つ、立体的に複数のマーカが配置された校正治具が、被作業物体110の被作業物体基準点111とマーカ中心点とが一致するように、被作業物体110の外部に固定される。そして、校正治具107を複数のカメラで計測し、第2実施形態と同様の手法を用いることにより被作業物体基準点111の画像上の位置を検出することができる。
第6実施形態では、上記実施形態で説明した校正治具を用いた被作業物体110の位置決めの正常/異常の判定の方法を述べる。図11ではクレーン状のワーク搬送装置1102で搬送されてくる被作業物体110を空中の所定の位置に位置決めする実施形態を示している。被作業物体110にはあらかじめ所定の位置に複数の位置決めマーカ1101が付してある。また、位置決めを行うステージ201の周囲にはあらかじめ複数の校正治具107が設置されている。このときワークが正しい位置姿勢に置かれたときにのみ、各構成治具107のマーカ中心点が各位置決めマーカ1101と一致するような位置に校正治具107を設置しておく。カメラ101で校正治具107と位置決めマーカ1101とを観測し、画像から求めた校正治具107のマーカ中心点と位置決めマーカ1101が全て一致しているか否かで、被作業物体110の位置決めが正常に行われたかどうかの判定が行われる。
Claims (13)
- 被作業物体に対して作業を行う作業部と、
マーカ中心点から放射状に複数のマーカが配置された校正治具とを備え、
前記複数のマーカは、立体的に配置されており、
前記校正治具は、前記作業部に対して設定された校正用の基準点と前記マーカ中心点とが一致するように前記作業部に装着されていることを特徴とする作業装置。 - 前記作業部を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に存在するマーカの画像に基づいてマーカ中心点の画像上の座標を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出されたマーカ中心点の座標と、前記作業部の前記基準点の装置上の座標とに基づいて、画像上の座標と装置上の座標の間の変換処理を校正する校正手段とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の作業装置。 - 前記複数のマーカの各々は、前記マーカ中心点を中心に線分形状を有し、
前記算出手段は、前記線分形状のマーカの交点をマーカ中心点として算出することを特徴とする請求項2に記載の作業装置。 - 前記校正治具は、前記マーカ中心点を頂点とした錐体部分を有し、前記複数のマーカが前記錐体部分の側面に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の作業装置。
- 前記校正治具の前記複数のマーカが配置される部分は、光を透過する部材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の作業装置。
- 前記算出手段は、画像から算出されたマーカ中心点の、前記画像に対して垂直方向の座標を、距離測定を行うセンサにより計測された値から取得することを特徴とする請求項2に記載の作業装置。
- 前記作業部を撮像する複数の撮像手段と、
前記複数の撮像手段により撮像された複数の画像の各々について、マーカの画像に基づいてマーカ中心点の画像上の座標を算出する算出手段と、
前記複数の画像からマーカ中心点に関わる複数のエピポーラ線を取得し、前記複数のエピポーラ線の交点に基づいてマーカ中心点の3次元座標を取得する取得手段と、
前記取得手段により算出手段により算出されたマーカ中心点の3次元座標と、前記作業部の前記基準点の装置上の座標とに基づいて、前記複数の画像から取得される3次元座標と装置上の座標の間の変換処理を校正する校正手段とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の作業装置。 - 前記校正治具は、前記マーカ中心点を頂点とした錐体部分を有し、前記複数のマーカが前記錐体部分の側面に配置されるとともに、前記錐体部分の底面部分を検出させるための複数の周辺部マーカが配置され、
前記周辺部マーカにより底面部分を検出し、検出された底面部分の中心から、前記算出手段で算出されたマーカ中心点へ延びる方向に基づいて前記校正治具の姿勢を検出する姿勢検出手段を更に備えることを特徴とする請求項2または3に記載の作業装置。 - 前記校正治具は、互いに異なる色もしくは形状の複数のマーカを備え、
前記互いに異なる色もしくは形状の複数のマーカの位置関係から、前記校正治具の位置もしくは姿勢を検出する姿勢検出手段を更に備えることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の作業装置。 - 被作業物体に対して作業を行う作業部と、
マーカ中心点から放射状に複数のマーカが配置された校正治具とを備えた作業装置の校正方法であって、
前記複数のマーカは、立体的に配置され、
前記校正治具は、前記作業部に対して設定された校正用の基準点と前記マーカ中心点とが一致するように前記作業部に装着され、
前記作業部を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程で撮像された画像に存在するマーカの画像に基づいてマーカ中心点の画像上の座標を算出する算出工程と、
前記算出工程で算出されたマーカ中心点の座標と、前記作業部の前記基準点の装置上の座標とに基づいて、画像上の座標と装置上の座標を変換するための変換処理を校正する校正工程とを備えることを特徴とする作業装置の校正方法。 - 被作業物体に対して作業を行う作業部と、
マーカ中心点から放射状に複数のマーカが配置された校正治具とを備え、
前記複数のマーカは、立体的に配置されており、
前記校正治具は、前記被作業物体の基準点と前記マーカ中心点とが一致するように、前記被作業物体の外部に固定されることを特徴とする作業装置。 - 被作業物体に対して作業を行う作業部と、
マーカ中心点から放射状に複数のマーカが配置された校正治具とを備え、
前記複数のマーカは、立体的に配置されており、
前記マーカ中心点が存在する位置には校正治具が存在しない空間となっており、
前記被作業物体が所定の位置に移動された場合に、前記被作業物体に配置されたマーカの位置と、前記マーカ中心点の位置が一致するように、前記被作業物体の外部に固定されることを特徴とする作業装置。 - 請求項10に記載の作業装置の校正方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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