JP3725314B2 - ウェハ上の対象点座標の補正方法および対象点座標の決定方法 - Google Patents

ウェハ上の対象点座標の補正方法および対象点座標の決定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウェハ上の対象点座標の補正や決定を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハは、その製造工程において種々の測定装置によって測定が行われる。測定処理の際には、ウェハを測定装置のステージ上に載置した後に、ウェハ上の予め定められた測定点に測定プローブ(光学素子や電極等)を正確に位置決めする「位置合わせ処理(アライメント処理)」が行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、測定装置のステージが完全な平面では無く、ステージに歪みが存在する場合がある。ステージに歪みが存在すると、この歪みに起因する位置ズレが発生する可能性がある。従って、測定点の理想的な座標値が解っている場合にも、ステージの歪みに起因する位置ズレの影響によって、うまく位置合わせ処理を行えない場合があった。このような問題は、測定点に限らず、ウェハ上の任意の対象点の座標や位置の決定に共通する問題であった。
【0004】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、ステージの歪みによる位置ズレを考慮して、ウエハ上の対象点の座標を補正できる技術を提供することを第1の目的とする。また、ステージの歪みによる位置ズレを考慮して、ウエハ上の対象点の座標を決定できる技術を提供することを第2の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第1の方法は、ステージに載置されたウェハ上における対象点の座標を補正する方法であって、
(a)前記ステージに載置されたウェハ上の複数の座標補正基準点に関して、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値と、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値との関係を示す座標補正情報を求める工程と、
(b)前記ステージ上に載置された任意のウェハ上の対象点の座標値を前記座標補正情報に従って補正する工程と、
を備えることを特徴とする。
【0006】
上記第1の方法によれば、ウェハ上の複数の座標補正基準点に関して座標補正情報を求めておくので、この座標補正情報に基づいてステージの歪みによる位置ズレを考慮するように、任意のウェハ上の対象点の座標を補正することができる。
【0007】
前記工程(a)は、
(1)前記複数の座標補正基準点を特定するための複数の同一パターンが所定の配列で設定された座標補正用ウェハを前記ステージ上に載置する工程と、
(2)前記座標補正用ウェハ上において、前記複数の同一パターンの配列を検出するとともに、前記複数の同一パターンと所定の位置関係にある前記複数の座標基準点に関して前記実測ステージ座標値を測定する工程と、
(3)前記複数の同一パターンの前記所定の配列から、前記複数の座標補正基準点に関する前記理想ステージ座標値を決定する工程と、
(4)前記工程(2)で測定された前記実測ステージ座標値と前記工程(3)で決定された前記理想ステージ座標値との関係に基づいて、前記座標補正情報を作成する工程と、
を備えることが好ましい。
【0008】
こうすれば、ステージ上の複数の座標補正基準点について、実測ステージ座標値と理想ステージ座標値とを求めることができ、さらに、これらの座標値から座標補正情報を作成することができる。
【0009】
なお、上記第1の方法において、前記工程(b)は、前記対象点に関して、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値を、前記位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値に補正する工程を含むようにしてもよい。
【0010】
こうすれば、理想ステージ座標値から、ステージの歪みに起因する位置ずれ成分を含む実測ステージ座標値を求めることができる。
【0011】
あるいは、前記工程(b)は、前記対象点に関して、前記位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値を、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値に補正する工程を含むようにしてもよい。
【0012】
こうすれば、ステージの歪みに起因する位置ずれ成分を含む実測ステージ座標値から、理想ステージ座標値を求めることができる。
【0013】
本発明の第2の方法は、ステージに載置された対象ウェハ上における対象点の座標を決定する方法であって、
(a)前記ステージに載置された所定のウェハ上の複数の座標補正基準点に関して、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値と、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値との関係を示す座標補正情報を求める工程と、
(b)所定の対象点設定用基準ウェハを前記ステージ上に載置する工程と、
(c)前記対象点設定用基準ウェハ上において前記対象点を設定するとともに、前記対象点に関するステージ座標系の座標である実測ステージ座標値を測定する工程と、
(d)前記実測ステージ座標値を前記座標補正情報に従って補正することによって前記位置ズレ成分を含まない第1の理想ステージ座標値を求めるとともに、前記第1の理想ステージ座標値を座標変換することによってウェハ座標系の座標であるウェハ座標値を求める工程と、
(e)前記ステージ上に前記対象ウェハを載置する工程と、
(f)前記対象ウェハ上における前記対象点に関する前記ウェハ座標値を座標変換することによって前記対象点に関する第2の理想ステージ座標値を求めるとともに、前記第2の理想ステージ座標値を前記座標補正情報に従って補正することによって、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む補正ステージ座標値を前記対象点に関して求める工程と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
こうすれば、対象点設定用ウェハ上で設定された対象点に関しては、ステージの歪みに起因する位置ズレ成分を含まないウェハ座標値を得ることができる。また、対象ウェハ上に対象点のウェハ座標値から、ステージの歪みに起因する位置ズレ成分を含む補正ステージ座標値を得ることができる。すなわち、ステージの歪みによる位置ズレを考慮して、ウエハ上の対象点のステージ座標値を決定することができる。
【0015】
【発明の他の態様】
この発明は、以下のような他の態様も含んでいる。第1の態様は、ステージに載置されたウェハ上における対象点の座標を補正する装置であって、
前記ステージに載置されたウェハ上の複数の座標補正基準点に関して、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値と、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値との関係を示す座標補正情報を求める座標補正情報作成手段と、
前記ステージ上に載置された任意のウェハ上の対象点の座標値を前記座標補正情報に従って補正する座標補正手段と、
を備えることを特徴とする対象点座標の補正装置である。
【0016】
第2の態様は、ステージに載置された対象ウェハ上における対象点の座標を決定する装置であって、
前記ステージに載置された所定のウェハ上の複数の座標補正基準点に関して、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値と、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値との関係を示す座標補正情報を求める座標補正情報作成手段と、
前記ステージ上に載置された所定の対象点設定用基準ウェハ上において設定された前記対象点に関して、ステージ座標系の座標である実測ステージ座標値を測定する座標測定手段と、
前記実測ステージ座標値を前記座標補正情報に従って補正することによって前記位置ズレ成分を含まない第1の理想ステージ座標値を求めるとともに、前記第1の理想ステージ座標値を座標変換することによってウェハ座標系の座標であるウェハ座標値を求める第1の座標補正・変換手段と、
前記ステージ上に載置された前記対象ウェハ上における前記対象点に関する前記ウェハ座標値を座標変換することによって前記対象点に関する第2の理想ステージ座標値を求めるとともに、前記第2の理想ステージ座標値を前記座標補正情報に従って補正することによって、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む補正ステージ座標値を前記対象点に関して求める第2の座標補正・変換手段と、
を備えることを特徴とする対象点座標の決定装置である。
【0017】
第3の態様は、ステージに載置されたウェハ上における対象点の座標を補正するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記ステージに載置されたウェハ上の複数の座標補正基準点に関して、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値と、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値との関係を示す座標補正情報を求める機能と、前記ステージ上に載置された任意のウェハ上の対象点の座標値を前記座標補正情報に従って補正する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0018】
第4の態様は、ステージに載置された対象ウェハ上における対象点の座標を決定するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記ステージに載置された所定のウェハ上の複数の座標補正基準点に関して、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値と、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値との関係を示す座標補正情報を求める機能と、
前記ステージ上に載置された所定の対象点設定用基準ウェハ上において設定された前記対象点に関して、ステージ座標系の座標である実測ステージ座標値を測定する機能と、
前記実測ステージ座標値を前記座標補正情報に従って補正することによって前記位置ズレ成分を含まない第1の理想ステージ座標値を求めるとともに、前記第1の理想ステージ座標値を座標変換することによってウェハ座標系の座標であるウェハ座標値を求める機能と、
前記ステージ上に載置された前記対象ウェハ上における前記対象点に関する前記ウェハ座標値を座標変換することによって前記対象点に関する第2の理想ステージ座標値を求めるとともに、前記第2の理想ステージ座標値を前記座標補正情報に従って補正することによって、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む補正ステージ座標値を前記対象点に関して求める機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0019】
第5の態様は、コンピュータに上記の発明の各工程または各手段の機能を実現させるコンピュータプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様である。こうした態様では、プログラムをネットワーク上のサーバなどに置き、通信経路を介して、必要なプログラムをコンピュータにダウンロードし、これを実行することで、上記の処理方法や処理装置を実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
A.装置の構成:
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は、この発明の実施例を適用して半導体ウェハの位置合わせ処理(アラインメント処理)を行なう機能を有する測定装置の構成を示すブロック図である。この測定装置は、制御操作ユニット30と、光学ユニット40と、画像処理ユニット50とを備えている。
【0021】
制御操作ユニット30は、表示部31と、操作部32と、制御部33と、ステージ駆動部34と、ステージ座標読み込み部35と、XYステージ36とを備えている。表示部31としては、例えばモニタや液晶ディスプレイ等が使用される。また、操作部32としては、例えばキーボードやマウス等が用いられる。XYステージ36の上には、半導体ウェハWFが載置される。半導体ウェハWFの表面には、タイル状に配列された矩形の複数の半導体チップが形成されている。なお、この装置は、XYステージ36を回転させる機構は有していない。
【0022】
光学ユニット40は、カメラ41と、光源42と、ハーフミラー43と、対物レンズ44とを備えている。ハーフミラー43は、光源42から出射された光を対物レンズ44に向けて反射し、XYステージ36上の半導体ウェハWFに光を照射する。半導体ウェハWFの表面で反射されたは光は、対物レンズ44とハーフミラー43とを通過して、カメラ41に入射する。すなわち、カメラ41は、半導体ウェハWFの表面の画像を撮像する。画像としては、多階調画像(グレー画像)を読取ることが好ましい。なお、この実施例では、カメラ41の視野サイズは、半導体ウェハの表面に形成された半導体チップの1個分のサイズよりも小さい。後で詳述するように、半導体ウェハWFの多階調画像は、画像処理ユニット50によって処理され、これによって半導体ウェハWFの回転方向が検出される。画像処理ユニット50のモニタ136には、半導体ウェハWFの一部の撮像領域の多階調画像が表示される。
【0023】
ユーザが操作部32を操作してXYステージ36に対する移動指令を入力すると、その指令に応じて、制御部33がステージ駆動部34を制御してXYステージ36をX方向とY方向に移動させる。また、操作部32からステージの座標読み込み指令が入力されると、その時点のステージ座標情報がステージ座標読み込み部35によって読込まれて制御部33に供給される。ステージ座標情報は、必要に応じて表示部31に表示される。ステージ座標情報は、さらに、双方向の通信経路38を介して制御部33から画像処理ユニット50にも供給される。後述するように、画像処理ユニット50は、画像処理によって認識されたウェハの回転方向と、このステージ座標情報とを利用することによって、ウェハの正確な回転方向や測定位置を決定する。
【0024】
図2は、画像処理ユニット50の内部構成を示すブロック図である。この画像処理ユニット50は、CPU110と、ROM114と、RAM116と、入出力インタフェイス140とが、バスライン112に接続されたコンピュータシステムとして構成されている。入出力インタフェイス140には、モニタ136と、磁気ディスク138と、通信経路38とが接続されている。
【0025】
RAM116には、等価回転方向決定手段150と、撮像位置決定手段152と、パターンマッチング手段154と、角度選択手段156と、回転方向決定手段158と、基準位置決定手段160と、測定位置決定手段162と、座標補正テーブル作成手段164と、座標補正手段168と、座標変換手段170との機能を実現するアプリケーションプログラムが格納されており、また、座標補正テーブル作成手段164で作成された座標補正テーブル166が格納されている。なお、パターンマッチング手段154は、パターンマッチングによって決定されたマッチング画像内の特定位置の座標を測定する座標測定手段としての機能も有している。これらの各手段の機能については後述する。
【0026】
これらの各手段の機能を実現するコンピュータプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。コンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータが読み取って直接実行するようにしてもよい。
【0027】
この明細書において、コンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。また、オペレーションシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェア装置を動作させるような場合には、そのハードウェア装置自体がコンピュータに相当する。ハードウェア装置は、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とを少なくとも備えている。コンピュータプログラムは、このようなコンピュータに、上述の各手段の機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0028】
なお、この発明における「記録媒体」としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0029】
B.位置合わせ処理の概要:
図3は、実施例における位置合わせ処理の概要を示す説明図である。この実施例では、座標補正用ウェハWF0(図3(A))と、測定点設定用基準ウェハWF1(図3(B))と、被測定ウェハWF2(図3(C))と、の3種類のウェハが用いられる。座標補正用ウェハWF0は、n+1個の座標補正基準点P0〜Pnの位置が予め正確に設定されているウェハである。測定点設定用基準ウェハWF1と被測定ウェハWF2は同じ表面パターンを有しており、複数の測定点PM1〜PM15がそれぞれ設定される。一般的には、同一のロットで処理された複数のウェハの1枚が測定点設定用基準ウェハWF1として使用され、他の複数枚のウェハが被測定ウェハWF2として使用される。以下では、測定点設定用基準ウェハWF1を、単に「基準ウェハWF1」とも呼ぶ。
【0030】
なお、基準ウェハWF1は、本発明における対象点設定用ウェハに相当し、被測定ウェハWF2は、本発明における対象ウェハに相当する。
【0031】
図4は、実施例における位置合わせ処理の全体手順を示すフローチャートである。ステップT1では、座標補正用ウェハWF0を用いて、XYステージ36の歪みによるステージ座標値の位置ズレを補正するための座標補正テーブル166(図2)が作成される。このステップT1では、まず、座標補正用ウェハWF0をXYステージ36(図1)上に載置し、各座標補正基準点P0〜Pnのステージ座標系の座標値(「実測ステージ座標値」と呼ぶ)を測定する。各座標補正基準点P0〜Pnは、座標補正用ウェハWF0上において正確なピッチで配列されているので、各点P0〜Pnの位置の設定値から、XYステージ36の歪みによる位置ズレ成分を含まない理想的なステージ座標値(「理想ステージ座標値」と呼ぶ)を決定することができる。こうして得られた各座標補正基準点P0〜Pnの実測ステージ座標値と理想ステージ座標値との差分を取ることによって、座標補正値(ΔX,ΔY)が得られる。この座標補正値(ΔX,ΔY)は、XYステージ36の歪みに起因する位置ズレを表している。各座標補正基準点P0〜Pnにおける座標補正値(ΔX,ΔY)は、各座標補正基準点P0〜Pnの実測ステージ座標値と共に、座標補正テーブル166に登録される。この座標補正テーブル166は、ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値と、位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値との関係を示す座標補正情報に相当する。
【0032】
なお、この明細書において、ステージ座標系とはXYステージ36に対して固定された座標系を意味し、ウェハ座標系とは各ウェハに対して固定された座標系を意味する。また、ステージ座標系の座標値を単に「ステージ座標値」と呼び、また、ウェハ座標系の座標値を単に「ウェハ座標値」と呼んでいる。
【0033】
ステップT2におけるプリアライメント前処理では、基準ウェハWF1のウェハ座標系とステージ座標系との間の座標変換に用いられる座標変換係数が決定される。この座標変換係数は、基準ウェハWF1の回転角度θ1と、位置決め基準点RPの実測ステージ座標値とに基づいて決定される。ところで、図1に示す測定装置はXYステージ36上に載置されたウェハを回転するための回転機構を備えていないので、XYステージ36上に載置された基準ウェハWF1は任意の方向を取り得る。基準ウェハWF1の回転角度θ1は、パターンマッチングを含む画像処理によって決定される。なお、回転角度θ1は、XYステージ36の基準方向Ds とウェハの基準方向DL1との間の角度として定義されている。
【0034】
ステップT3では、基準ウェハWF1上において複数の測定点PM1〜PM15の位置が設定される。各測定点PM1〜PM15の実測ステージ座標値は、座標補正テーブル166を用いて補正され、さらに、ウェハ座標系の座標値に変換されて登録される。この結果、複数の測定点PM1〜PM15に関して、XYステージ36の歪みによる位置ズレ成分を含まないウェハ座標系の座標値がそれぞれ登録される。
【0035】
ステップT4におけるプリアライメント前処理では、被測定ウェハWF2のウェハ座標系とステージ座標系との間の座標変換に用いられる座標変換係数が決定される。この座標変換係数は、ステップT2と同様に、被測定ウェハWF2の回転角度θ2と、位置決め基準点RPの実測ステージ座標値とに基づいて決定される。
【0036】
ステップT5では、被測定ウェハWF2上において、各測定点PM1〜PM15のそれぞれに関する位置決め処理が実行される。ここでは、まず、基準ウェハWF1を用いて設定された各測定点PM1〜PM15のウェハ座標値が理想ステージ座標値に変換され、さらに、この理想ステージ座標値が座標補正テーブル166を用いて補正されてXYステージ36の歪みによる位置ズレ成分を含むステージ座標値(「補正ステージ座標値」と呼ぶ)が求められる。この補正ステージ座標値は、XYステージ36上における各測定点PM1〜PM15の実際の位置を示している。この補正ステージ座標値を用いることによって、所定の測定プローブ(図示せず)を各測定点PM1〜PM15に正確に位置決めすることができる。
【0037】
なお、ステップT1における座標補正テーブル作成処理は、図2に示す座標補正テーブル作成手段164と、パターンマッチング手段154とによって実行される。ステップT2,T4における処理は、基準位置決定手段160と、他のいくつかの手段150,152,154,156,158とが協力して実行する。ステップT3,T5における処理は、測定位置決定手段162と、撮像位置決定手段152と、パターンマッチング手段154と、座標補正手段168と、座標変換手段170とが協力して実行する。
【0038】
なお、ステップT2,T4は座標変換係数を求めるための処理なので、以下に説明する実施例以外の種々の処理を利用することができる。そこで、以下ではまず、ステップT1,T3,T5の処理内容を詳細に説明し、その後にステップT2,T4の処理内容の一例を説明する。
【0039】
C.座標補正テーブル作成処理(ステップT1)の詳細:
図5は、ステップT1の詳細手順を示すフローチャートである。ステップT11では、座標補正用ウェハWF0をXYステージ36の上に載置する。図6(A),(B)は、XYステージ36上に載置された座標補正用ウェハWF0を示している。X軸とY軸は、ステージ座標系の座標軸である。このウェハWF0の上には、n+1個の座標基準点P0〜Pnが所定のピッチで正方格子状に正確に配列されている。なお、座標基準点P0〜Pnは正方格子状に配列されている必要は無く、所定の配列で配置されていればよい。
【0040】
座標補正用ウェハWF0は、図6(A)のようにステージ座標系の座標軸とは多少回転した状態でXYステージ36上に載置されてもよい。但し、ノッチNTを所定の方向(図の例では−Y方向)にほぼ向けるようにして、ステージ座標系の座標軸からあまり大きく回転しないようにすることが好ましい。あるいは、図6(B)のように、ウェハWF0の上にX軸およびY軸と平行になる直線(図示せず)を描いておき、これらの直線がステージ座標系の座標軸と一致する状態になるようにXYステージ36上に載置してもよい。以下では、主として図6(A)のようにウェハWF0が角度βだけ傾いた状態で載置された場合について説明する。
【0041】
図5のステップT12では、座標補正用ウェハWF0の中央付近のパターンをカメラ41によって撮像し、その画像の中から座標補正基準点の位置を検出するためのテンプレート画像を抽出する。図7は、座標補正用ウェハWF0の中央付近のパターンを示す説明図である。ウェハWF0には、同一のパターンPTN0〜PTN5(図7の例では家の形のパターン)が、横方向と縦方向にそれぞれ所定のピッチΔd1,Δd2で規則正しく配列されている。これらのピッチΔd1,Δd2は、パターンPTN0〜PTN5を形成するときに予め設定された値である。なお、これらのパターンPTN0〜PTN5は回転対称性が無いので、以下に説明するように、これらのパターンPTN0〜PTN5を用いて座標補正基準点P0〜Pnの方向や位置を正しく決定することができる。
【0042】
ステップT12においては、まず、カメラ41の視野Wが図7の左下のパターンPTN0を含むようにXYステージ36を移動させて、その視野Wの画像を撮像する。そして、この画像の中において、ユーザがパターンPTN0を含む領域を指定し、その領域の画像をパターンマッチング用のテンプレート画像TM0として抽出する。そして、抽出されたテンプレート画像TM0の所定の基準位置(図7の例では左上点P0)の実測ステージ座標値(X0re,Y0re)を取得する。この基準位置P0(X0re,Y0re)は、1番目の座標補正基準点として使用される。なお、実測ステージ座標値(X0re,Y0re)は、ステージ座標読み込み部35で読取られたステージ座標値(これは例えば視野Wの中心位置を示す)と、視野W内における基準点P0の位置とから決定される。
【0043】
ステップT13では、XYステージ36を移動させることによって、2番目のパターンPTN1(図7)の位置にカメラ41の視野Wを移動させる。そして、パターンPTN1を含む画像を撮像し、テンプレート画像TM0を用いたテンプレートマッチング処理を行う。テンプレート画像TM0にマッチングする画像TM1を検出した後に、そのマッチング画像TM1の左上点(座標補正基準点)P1の実測ステージ座標値(X1re,Y1re)も取得する。
【0044】
2つの座標補正基準点P0,P1の実測ステージ座標値から、座標補正用ウェハWF0の回転角度が得られる。この回転角度β(図6(A))と、パターンPTN0〜PTNの既知の配列ピッチΔd1,Δd2とに基づいて、3番目以降の他のパターンの位置を予測することができる。そこで、ステップT13においては、3番目以降のパターンの位置の予測に従ってXYステージ36を移動させ、各位置で画像を撮像し、テンプレート画像TM0を用いたパターンマッチング処理を行うことによって、3番目以降の座標補正基準点P2〜Pnの実測ステージ座標値をそれぞれ求める。
【0045】
なお、上記のステップT12,T13の処理から解るように、座標補正基準点P0〜Pnの位置は、座標補正用ウェハWF0上に予め設定されている必要は無く、所定の配列で形成された複数の同一パターンと所定の位置関係にある複数の点を座標補正基準点P0〜Pnとして設定することができる。このようにして設定された座標補正基準点P0〜Pnも、横方向と縦方向にそれぞれ所定のピッチΔd1,Δd2で規則正しく配列されている。
【0046】
ステップT14では、各座標補正基準点P0〜Pnの理想ステージ座標値を求める。ここで、「理想ステージ座標値」とは、XYステージ36の歪みによる位置ズレ成分を含まないステージ座標値を言う。一方、上記ステップT12,T13で得られた各座標補正基準点P0〜Pnの実測ステージ座標値は、XYステージ36の歪みによる位置ズレ成分を含むステージ座標値である。
【0047】
図8(A),(B)は、各座標補正基準点P0〜Pnの理想ステージ座標値と実測ステージ座標値との関係を示す説明図である。U軸とV軸は、座標補正用ウェハWF0のウェハ座標系の座標軸であり、X軸とY軸はステージ座標系の座標軸である。図8(A)は、XYステージ36の歪みに起因する位置ズレが無いような理想状態を示している。また、図8(A)では、1番目の座標基準点P0はウェハ座標系の原点に位置しており、ウェハWF0の回転角度が0°であるような、特別な状態を示している。この状態においては、白丸で示す各座標補正基準点P0id〜Pnidは、U軸方向とV軸方向にそれぞれ所定のピッチΔd1,Δd2で規則正しく配列されている。図8(A)において各座標補正基準点P0〜Pnの後に符号「id」が追加されているのは、理想状態であることを意味している。なお、「理想状態」とは、XYステージ36の歪みに起因する位置ズレが無いよう状態を意味しており、ウェハWF0が傾いていたり、XYステージ36の中心から多少ずれている場合も理想状態と言える。
【0048】
図8(B)は、現実の各座標補正基準点P0〜Pnの位置を示している。この状態では、ウェハ座標系はステージ座標系から反時計方向に角度βだけ回転しており、また、1番目の座標補正基準点P0の位置が、ステージ座標系の原点Oから平行移動している。図8(B)に白丸で示す座標補正基準点P0id〜Pnidは、図8(A)のU−V座標系に回転と平行移動とを施して得られる位置を示しており、ステージ歪みによる位置ズレを含まない座標位置を示している。一方、図8(B)に黒丸で示す各座標補正基準点P0re〜Pnreは、上述したステップT12,T13で実測された位置を示しており、ステージ歪みによる位置ズレを含む実際の座標位置を示している。白丸で示す理想状態の座標補正基準点P0id〜Pnidと、黒丸で示す現実の座標補正基準点P0re〜Pnreとの間には、XYステージ36の歪みに起因する位置ズレ(ΔX,ΔY)が生じている。
【0049】
図8(B)にも示されているように、座標補正用ウェハWF0の中央付近に存在する1番目の座標補正基準点P0については、理想状態の位置POidと、現実の位置POreとが一致しているものと仮定している。XYステージ36の中央付近では、位置ズレ(ΔX,ΔY)は無視できる程度なので、このように仮定しても実際上の問題はほとんど無い。このような仮定を用いると、2番目以降の各座標補正基準点の理想ステージ座標値P1id〜Pnidを、1番目の座標補正基準点P0のステージ座標値(X0,Y0)と、座標補正用ウェハWF0の回転角度βと、座標補正基準点同士の既知のピッチΔd1,Δd2とに基づいて計算できる。すなわち、図8(A)の状態における各点のウェハ座標値を(U,V)とすると、図8(B)の状態における各点の理想ステージ座標値(Xid,Yid)は、次の数式1に示すアフィン変換で与えられる。
【0050】
【数1】
Figure 0003725314
【0051】
上記数式1の右辺に、図8(A)のような理想状態における各座標補正基準点P0〜Pnの座標値(U,V)を代入することによって、各座標補正基準点P0〜Pnの理想ステージ座標値(Xid,Yid)を求めることができる。
【0052】
図5のステップT15では、各座標補正基準点P0〜Pnにおける理想ステージ座標値(Xid,Yid)と実測ステージ座標値(Xre,Yre)とが座標補正テーブル166に登録される。図9は、座標補正テーブル166の内容を示す説明図である。座標補正テーブル166には、各座標補正基準点に関して、実測X座標値Xreと、理想X座標値Xidと、X座標値のズレΔX(=Xre−Xid)と、実測Y座標値Yreと、理想Y座標値Yidと、Y座標値のズレΔY(=Yre−Yid)とが登録されている。なお、座標補正テーブル166には、実測ステージ座標値(Xre,Yre)と、理想ステージ座標値(Xid,Yid)と、ズレ(ΔX,ΔY)と、の3つのデータのうちの2つが少なくとも登録されていればよい。
【0053】
このような座標補正テーブル166は、XYステージ36の歪みに起因する位置ズレを補正するために使用できる。すなわち、或る対象点の実測ステージ座標値(Xre,Yre)が得られたときに、この実測ステージ座標値(Xre,Yre)からズレ(ΔX,ΔY)を減算すれば、対応する理想ステージ座標値(Xid,Yre)を求めることができる。逆に、或る対象点の理想ステージ座標値(Xid,Yid)が得られたときに、この理想ステージ座標値(Xid,Yid)にズレ(ΔX,ΔY)を加算すれば、対応する実測ステージ座標値(Xre,Yre)を求めることができる。
【0054】
D.測定点位置の登録処理(ステップT3)の詳細:
図10は、図4のステップT3の詳細手順を示すフローチャートである。このステップT3では、基準ウェハWF1(図3(B))を用いて複数の測定点PM1〜PM15の位置が設定される。なお、ステップT3に先だち、ステップT2(図4)において基準ウェハWF1に関するプリアライメント前処理が行われており、この結果、ウェハ座標系とステージ座標系の座標変換に用いられる座標変換係数が得られている。このプリアライメント前処理の詳細については後述する。
【0055】
図10のステップT21では、最初の測定点PM1をカメラ41の視野内に含む位置にXYステージ36を移動させる。そして、測定点PM1の実測ステージ座標値(Xre,Yre)を取得する。この動作は、ユーザが操作部32(図1)を操作することによって実行される。
【0056】
ステップT22では、この測定点PM1の実測ステージ座標値(Xre,Yre)を座標補正テーブル166で補正することによって、その理想ステージ座標値(Xid,Yid)を求める。図11(A),(B)は、ステップT22における座標補正処理の内容を示す説明図である。図11(A)は、測定点PM1の実測位置PM1reと、その近傍の4つの座標補正基準点Q1re〜Q4reとを示している。ここで、座標補正基準点Q1re〜Q4reは、図3(A)に示すn+1個の座標補正基準点P0〜Pnの中の4つであるが、図11では図示の便宜上、図3(A)とは異なる符号を使用している。図11(B)は、図11(A)に示す点に加えて、測定点PM1の理想ステージ座標値で示される位置の点PMidと、その周辺の4つの座標補正基準点の理想ステージ座標値で示される位置の点Q1id〜Q4idを描いた図である。測定点PM1reの実測ステージ座標値(Xre,Yre)は、測定点PM1reに最も近い3つの座標補正基準点Q1re,Q2re,Q3reに関する座標補正テーブル166の登録内容に基づいて補正される。
【0057】
図12は、座標補正テーブル166における4つの座標補正基準点Q1〜Q4の登録内容を示している。この実施例では、実測ステージ座標値(Xre,Yre)が解っている任意の対象点における位置ズレ成分(ΔX,ΔY)は、次の数式2で与えられるものと仮定する。
【0058】
【数2】
Figure 0003725314
【0059】
数式2の係数a〜fは、上記数式2に、3つの座標補正基準点Q1re〜Q3reの実測ステージ座標値(Xre,Yre)と、それぞれの位置ズレ成分(ΔX,ΔY)とを代入して得られる6元連立方程式を解くことによって決定することができる。こうして決定された係数a〜fを用いて、数式2に測定点PM1の実測ステージ座標値を代入すれば、測定点PM1の位置ズレ成分(ΔX,ΔY)が得られる。そして、この位置ズレ成分(ΔX,ΔY)を測定点PM1の実測ステージ座標値(Xre,Yre)から減算すれば、測定点PM1の理想ステージ座標値(Xid,Yid)を求めることができる。
【0060】
なお、上記数式2では、測定点PM1reに最も近い3つの座標補正基準点Q1〜Q3における座標補正情報に基づいて、測定点PM1の実測ステージ座標値を補正したが、測定点PM1に最も近い4つの座標補正基準点Q1〜Q4における座標補正情報に基づいて測定点PM1の実測ステージ座標値を補正することも可能である。一般には、測定点の近傍に存在する3つ以上の座標補正基準点における座標補正情報に基づいて、測定点のステージ座標値を補正することが可能である。
【0061】
図10のステップT23では、測定点PM1の理想ステージ座標値を座標変換することによって、ウェハ座標系の座標値を求める。この座標変換は、前述した数式1と同様のアフィン変換を用いて実行される。なお、このアフィン変換の変換係数は、ステップT2(図4)におけるプリアライメント前処理において予め決定されている。
【0062】
図10のステップT24では、他の測定点を設定するか否かをユーザが判断し、他の測定点を設定する場合には、ステップT21に戻って上述したステップT21〜T23の処理を繰り返す。こうして、基準ウェハWF1の上にすべての測定点PM1〜PM15の位置が設定され、それらのウェハ座標値がアライメント情報139(図1)として登録される。こうして登録された各測定点のウェハ座標値は、ステージ歪みに起因する位置ズレを含まない理想状態におけるウェハ上の測定点の位置を示している。
【0063】
E.測定点位置の決定処理(ステップT5)の詳細:
図13は、図4のステップT5の詳細手順を示すフローチャートである。このステップT5では、被測定ウェハWF2(図3(C))を用いて複数の測定点PM1〜PM15の位置に測定プローブを位置決めする処理が実行される。なお、ステップT5に先だち、ステップT4(図4)において被測定ウェハWF2に関するプリアライメント処理が行われており、この結果、ウェハ座標系とステージ座標系の座標変換に用いられる座標変換係数が得られている。このプリアライメント処理の詳細については後述する。
【0064】
図13のステップT31においては、最初の測定点PM1のウェハ座標値を座標変換することによって、その理想ステージ座標値を求める。ステップT32では、この測定点PM1の理想ステージ座標値を、座標補正テーブル166で補正することによって、補正ステージ座標値を求める。この補正ステージ座標値は、XYステージ36の歪みに起因する位置ズレ成分を含む座標値であり、上述したステップT1,T3における実測ステージ座標値と同じ意味を有している。
【0065】
図14は、ステップT32で使用される座標補正テーブル166の内容を示している。この座標補正テーブル166の内容は、前述した図9および図12と同じものであり、図9とは符号の使用の仕方が異なっているだけである。この実施例では、理想ステージ座標値(Xid,Yid)が解っている任意の対象点における位置ズレ成分(ΔX,ΔY)は、次の数式3で与えられると仮定する。
【0066】
【数3】
Figure 0003725314
【0067】
数式3の係数g〜lは、上記数式3に、3つの座標補正基準点Q1〜Q3に関する理想ステージ座標値(Xid,Yid)と、それぞれの位置ズレ成分(ΔX,ΔY)とを代入して得られる6元連立方程式を解くことによって決定することができる。こうして決定された係数g〜lを用いて、数式3に測定点PM1の理想ステージ座標値を代入すれば、測定点PM1の位置ズレ成分(ΔX,ΔY)が得られる。そして、この位置ズレ成分(ΔX,ΔY)を測定点PM1の理想ステージ座標値(Xid,Yid)に加算すれば、測定点PM1の補正ステージ座標値(Xre,Yre)を求めることができる。
【0068】
図13のステップT33では、こうして得られた測定点PM1の補正ステージ座標値(Xre,Yre)を用いて測定プローブの位置決めを行い、所定の測定(例えば膜厚測定)を実行する。補正ステージ座標値(Xre,Yre)は、XYステージ36の歪みに起因する位置ズレ成分を含んでいるので、測定プローブを正確に位置決めすることが可能である。
【0069】
このように、上述の実施例では、座標補正用ウェハWF0を用いて、XYステージ36上の複数の座標補正基準点P0〜Pnにおける座標値と位置ズレとの関係を示す座標補正テーブル166を作成したので、この座標補正テーブル166を用いることによって、実測ステージ座標値を理想ステージ座標値に補正したり(ステップT3)、逆に、理想ステージ座標値を実測ステージ座標値に補正したり(ステップT5)することができる。このような補正処理を利用して、測定点PM1〜PM15の設定時(ステップT3)においては、各測定点PM1〜PM15の実測ステージ座標値を理想ステージ座標値に補正し、これをウェハ座標値に変換して登録することができる。そして、測定点の位置決め時(ステップT5)においては、各測定点のウェハ座標値を理想ステージ座標値に逆変換し、これを座標補正テーブル166で補正して実測ステージ座標値(補正ステージ座標値)を得ることができる。この結果、XYステージ36上における基準ウェハWF1と被測定ウェハWF2との載置状態(位置や方位)が異なっていても、被測定ウェハWF2上の各測定点の実際の位置に測定プローブを正しく位置決めすることが可能である。
【0070】
E.基準ウェハを用いたプリアライメント前処理:
図15および図16は、基準ウェハWF1を用いたプリアライメント前処理の手順を示すフローチャートである。図15のステップS1では、ウェハのチップ寸法と、X軸方向およびY軸方向のチップ個数とをユーザが入力する。
【0071】
図17は、半導体ウェハの表面に形成されたチップの配列を示す概念図である。半導体ウェハWFの表面上には、同一サイズの矩形の複数のチップCPがタイル状に配置される。X軸方向とY軸方向に沿ったチップ個数の偶数と奇数の組合わせは、偶数−偶数、奇数−偶数、偶数−奇数、奇数−奇数の4通りある。図17(A)は偶数−偶数の例であり、図17(B)は、偶数−奇数の例である。このような4通りの組み合わせのいずれであるかの情報と、チップの縦横のピッチLX,LYから、ウェハの中心Oを基準にして、中心付近のチップの位置を算出することができる。従って、ステップS1では、少なくともチップ個数の4通りの組合わせのいずれであるかを示す情報と、チップのピッチLX,LYを示す情報とが入力される。
【0072】
図15のステップS2では、基準ウェハWF1の中心位置において多階調画像(グレー画像)がカメラ41によって取り込まれる。ウェハが最初にXYステージ36上に載置される時には、図17に示すように、ウェハの外周が、XYステージ36のウェハ保持アーム36a,36bで保持されて、XYステージ36のほぼ中央に位置決めされる。この状態において、カメラ41によって撮像すると、ウェハの中心付近の画像を得ることができる。
【0073】
図18は、ウェハの中心付近を拡大して示す概念図である。この実施例では、各チップCPの右上の角に、他の3つの角にはない特徴的なパターンPTが形成されているものとする。このパターンPTを含む画像部分は、後述するパターンマッチングにおいて、第1のテンプレート画像として利用される。チップCPは、直交するスクライブラインSLによって区分されている。ウェハ表面を撮像して得られた多階調画像では、スクライブラインSLは暗領域として識別されることもあり、あるいは、明領域として識別されることもある。いずれの場合においても、スクライブラインSLは、チップCPとは明度が異なる領域として識別可能である。
【0074】
図18には、チップ個数の4種類の組み合わせに応じたカメラ41の視野W1〜W4の位置が例示されている。前述したように、カメラ41の視野サイズは、チップ1個分のサイズよりも小さいので、視野内に1個のチップがすべて含まれることはない。第1の視野W1は、チップ個数が偶数−偶数の場合におけるウェハ中央での撮像領域に相当する。この視野W1は、スクライブラインSLの交点のほぼ中心に位置している。第2の視野W2は、チップ個数が偶数−奇数の場合におけるウェハ中央での撮像領域に相当する。この視野W2は、2つのチップに挟まれた位置にある。第3の視野W3は、チップ個数が奇数−偶数の場合におけるウェハ中央での撮像領域に相当する。この視野W3も、チップに挟まれた位置にある。第4の視野W4は、チップ個数が奇数−奇数の場合におけるウェハ中央での撮像領域に相当する。この視野W4も、2つのチップのほぼ中央に挟まれた位置にある。なお、実際には、基準ウェハは図18の位置から回転しているので、視野W1〜W4は、スクライブラインSLで示される正規の方位から傾いた状態となる。
【0075】
図15のステップS2では、ウェハの中心位置において画像を取り込むので、図18の視野W1〜W4のいずれかの位置における画像が得られる。この画像は、次のステップS3において、画像内に含まれる直線部分(スクライブラインSL等)を認識するために使用される。チップの個数が奇数−奇数の場合には、図18の第4の視野W4のように直線部分が含まれない可能性が高い。そこで、この場合には、チップのピッチLXまたはLYの1/2だけウェハの中心からずらした位置において撮像するようにしてもよい。
【0076】
図15のステップS3では、等価回転方向決定手段150(図2)が、画像に含まれる直線エッジ情報を検出するとともに、その直線エッジ情報から、基準ウェハの粗回転角度を決定する。「粗回転角度」とは、直線エッジ情報から得られる比較的低精度の回転角度を意味する。直線エッジ情報の抽出方法としては、以下に説明する1次元投影法やソベルオペレータ法等を利用することができる。
【0077】
図19は、1次元投影法による直線エッジ情報の検出処理を示す説明図である。図19には、水平方向にのみ直線部分が存在する2次元多階調画像が示されている。1次元投影法では、この2次元多階調画像を種々の方向に1次元投影して、画素値を加算する。直線部分に平行な方向に投影した場合には、直線部分が存在する座標における画素値が大きなピーク値を持つ。一方、直線部分と平行でない方向に投影した場合には、加算された画素値のピーク値はこれよりも小さくなる。このように、2次元画像をさまざまな方向に1次元投影して、画素値の累算値のピーク値が最大となる投影方向を、直線部分の方向として決定することができる。投影方向は、180°の範囲にわたる複数の投影方向を選択するようにすればよい。この直線部分の方向から、粗回転角度が決定される。例えば、ステージ座標系(XYステージ36に固定された座標系)の所定の方向(例えば時計の3時方向)を基準方向として、この基準方向から反時計回りに直線部分の方向まで測った角度を粗回転角度とすることができる。
【0078】
図20ないし図22は、ソベルオペレータ法による直線エッジ情報の検出処理を示す説明図である。図20は、ソベルオペレータによる画像処理の方法を示している。ソベルオペレータ法では、まず、図20(A−1)または(A−2)に示すような、エッジ画素を含む所定サイズの画素ブロック(図20の例では、3×3ブロック)を多階調画像の中から選択する。ここで、「エッジ画素」は、「8近傍の画素のうちで、少なくとも1つの画素の画素値が、自分自身(図20(A−1),(A−2)の中心画素)の画素値と異なっており、かつ、画像の境界上にない画素」と定義される。図20(A−1)では、画像の角部分の画素がエッジ画素として認識される状態を示しており、図20(A−2)では、直線部分の画素がエッジ画素として認識される状態を示している。エッジ画素の識別は、3×3ブロックを多階調画像内で走査し、ブロックの中央画素が上記の定義に合致するか否かを判断することによって行なわれる。
【0079】
図20(B−1),(B−2)は、水平方向と垂直方向のソベルオペレータをそれぞれ示している。エッジ画素を含む3×3ブロックに対して、これらの水平方向オペレータと垂直方向オペレータとをそれぞれ作用させることによって、水平エッジ値と垂直エッジ値とがそれぞれ求められる。図20(C)は、水平方向オペレータを作用させた場合の演算の例を示している。水平方向オペレータを3×3ブロックの画素値に作用させると水平エッジ値が得られ、同様にして、垂直方向オペレータを3×3ブロックの画素値に作用させると垂直エッジ値が得られる。
【0080】
図21は、ソベルオペレータを用いて得られた水平エッジ値xと垂直エッジ値yとから、画像の直線部分の角度を算出する方法を示す説明図である。図21(A)に示すように、画像の直線部分の角度αは、tan−1(y/x)で与えられる。ここで、角度αは、水平右向き方向(時計の3時方向)から反時計回りに測った角度である。例えば、図21(B)の例では、垂直エッジ値が0であり水平エッジ値が4なので、角度αは0°であると判定できる。また、図21(C)の例では、垂直エッジ値と水平エッジ値がいずれも1なので、角度αは45°であると判定できる。なお、角度αは0°〜180°の範囲の値を取るものとする。180°〜360°の範囲は、0°〜180°の範囲と等価である。
【0081】
図22は、処理対象となる多階調画像の一例と、この多階調画像からソベルオペレータ法によって検出された角度αのヒストグラムを示す説明図である。図22(A)に示す多階調画像内において、図20(A−1)または図20(A−2)のようなエッジ画素を中心画素とする3×3ブロックを検出し、エッジ画素を含む各3×3ブロックについて図21に示す方法で角度αを決定する。図22(B)は、このようして多数の3×3ブロックについて得られた角度αの頻度を示すヒストグラムである。この例では、40°と130°の位置にピークが存在し、40°の位置のピークが最大である。この時、最大ピーク位置の角度α1を、多階調画像内の直線部分の回転方向を示す粗回転角度であるとして採用する。
【0082】
なお、上述した1次元投影法やソベルオペレータ法を用いて検出された粗回転角度α1には、90°の整数倍異なる4つの等価な角度が存在する。換言すれば、粗回転角度α1は、1/4の不確定さを有している。図23は、4つの等価回転角度を示す説明図である。図23(A)に示すように、カメラ41の視野W内にスクライブラインSLの交点付近の画像が見えている場合を考える。この実施例ではカメラ41の視野サイズがチップサイズに比べて小さいので、チップの回転方向が図23(B)〜(E)の4種類のいずれであるかを画像データから特定することができない。従って、ウェハの正しい回転角度は、90°おきの4つの等価な回転角度の中の1つである。図3のステップS3においては、この4つの等価な回転角度の少なくとも1つを粗回転角度として検出する。等価な回転角度の1つが検出できれば、他の等価な回転角度も検出できたものと考えることができる。
【0083】
なお、ステップS3において得られる直線エッジ情報とその粗回転角度は、ほとんどの場合はスクライブラインSLのものである。但し、スクライブラインSLに限らず、ウェハの多階調画像内に存在する直線的な画像部分に関する直線エッジ情報やその粗回転角度を検出してもよい。チップ内の回路が有する直線的な部分は、スクライブラインSLに平行なものがほとんどである。従って、スクライブラインSL以外の直線的画像部分を検出しても、ウェハの粗回転角度を求めることができる。
【0084】
ステップS4では、ステップS3で検出された直線エッジ情報が信頼できるか否かが判定される。この判定は、例えば、図19に示す1次元投影法を用いた場合には、累算画素値のピーク値が所定の閾値以上であるか否かによって行なうことができる。また、図20〜図22に示すソベルオペレータ法を用いた場合には、図22(B)のヒストグラムのピーク値が所定の閾値以上であるか否かによって判定することができる。あるいは、モニタ136にウェハの画像を表示しておけば、はっきりとした直線エッジが画像内に含まれるか否かをユーザが目視で判定することができる。直線エッジ情報が信頼できないものである場合には、ステップS5において、XYステージ36を所定量(例えば1視野分)だけ移動させ、ウェハ中心付近の別の位置において多階調画像を取り込む。そして、ステップS3を再度実行することによって直線エッジ情報を検出し、粗回転角度α1を求める。
【0085】
こうして、粗回転角度α1が求められると、ステップS6において、撮像位置決定手段152が、ウェハの中心付近においてスクライブラインSLの交点位置を視野に含むように、XYステージ36の目標位置座標を算出して移動させる。前述したように、X軸方向とY軸方向に沿ったチップの個数の4種類の組み合わせ(偶数−偶数、偶数−奇数、奇数−偶数、奇数−奇数)によって、ウェハの中心における初期の視野の位置は図18に示す4つの視野W〜W4の位置にほぼ決まっている。撮像位置決定手段152(図2)は、ステップS3で得られた粗回転角度α1と、チップの寸法(ピッチLX,LY)と、チップの個数情報から、X方向とY方向にそれぞれどの程度移動させればスクライブラインSLの交点位置を視野内に含む位置に移動できるかを算出する。画像処理ユニット50は、この移動量を制御部33(図1)に通知して、XYステージ36を移動させる。その後、カメラ41によって多階調画像を再度撮像する。なお、粗回転角度α1には1/4の不確定さがあるので、1回の移動によって、視野の中心がスクライブラインSLの交点位置に到達できるとは限らない。この場合には、例えばウェハの中央位置を中心として90°回転した方向に移動方向を変更して、同じ距離だけ移動すれば、スクライブラインSLの交点位置に視野(すなわち撮像領域)の中心を移動させることができる。図24は、スクライブラインSLの交点位置に視野の中心を移動させた状態を示している。図24に示したように、ウェハの直線部分(スクライブラインSL)の方向は、ステージ座標系の基準方向Dsから粗回転角度α1だけ回転している。ステップS6においてカメラ41で取り込んだ画像はモニタ136に表示される。
【0086】
図15のステップS7では、ステップS6で取り込まれた画像を時計回りに粗回転角度α1だけ回転させる画像処理を行う。ステップS8では、撮像位置決定手段152が、スクライブラインSLの交点Paの正確な位置(座標値)の実測値を求めて、これを保存する。スクライブラインSLの交点位置の座標は、後に、基準ウェハWF1の位置合わせ基準点を決定する際に使用される。基準ウェハのスクライブラインSLの交点位置は、例えば、図24に示す、カメラ41の視野Waの中心点Paの座標で代表される。この点Paの位置は、ユーザがモニタ136に表示された画像上において、マウス等のポインティングデバイスを用い、カーソルを移動させて指定することができる。あるいは、カメラ41で取り込んだ多階調画像を処理することによって、スクライブラインSLの交点の中心位置の座標を自動的に決定することも可能である。画像処理で交点の中心位置を求める場合には、まず、前述したステップS3と同様な方法に従って直線エッジを検出する。そして、スクライブラインSLのエッジを近似した直線を求める。さらに、これらの近似直線で構成される4つの角部の中心位置を、スクライブラインSLの交点位置として決定する。なお、視野Waの中心位置の座標は、ステージ座標読み込み部35(図1)で取り込まれたステージ座標系の座標(ステージに固定された座標)である。視野Wa(すなわち取込まれた画像)内の任意の位置のステージ座標系の座標は、この座標値から容易に算出できる。
【0087】
第1のテンプレート画像MPaの基準点Qaと、スクライブライン交点Paとの座標値のオフセット(δx,δy)は、アライメント情報ファイル139に保存される。
【0088】
ステップS9では、ステップS7で回転した画像の中からパターンマッチング用の第1のテンプレート画像(モデルパターンとも呼ぶ)を切り出して登録する。図25は、第1のテンプレート画像MPaの登録の様子を示す説明図である。ステップS7では、まず、スクライブラインSL交点位置における多階調画像(図25(A))を、図25(B)に示すように粗回転角度α1だけ時計回りに回転させて、回転後の画像をモニタ136に表示する。画像の回転は、アフィン変換によって実行される。ユーザは、表示された画像を観察して、テンプレート画像MPaとして使用できる画像パターンが存在するか否かを判断する。テンプレート画像MPaとして使用できる画像パターンとは、その画像パターンの向きから、粗回転角度α1として等価な4つ等価回転角度の中の1つを選択できるような画像パターンを意味する。テンプレート画像MPaとしては、90°の整数倍の回転対称性が無い画像パターンが好ましい。換言すれば、90°の整数倍の回転対称性(90°,180°,270°の回転対称性)のいずれかを有する画像パターンは、テンプレート画像MPaとしては不適切である。スクライブラインSLの交点付近の視野Waには、隣接する4つのチップのそれぞれの角部が含まれるので、これらの4つの角部の内の1つにのみ含まれる特有の画像パターンを第1のテンプレート画像MPaとして登録することができる。
【0089】
現在の視野Wa内にテンプレート画像MPaとして使用できる画像パターンが存在しない場合には、カメラ41で取り込んだ画像をモニタ136に表示して観察しながら、XYステージ36を少しずつ移動させる。そして、テンプレート画像MPaとして使用できる画像パターンが視野内に入る状態に設定する。
【0090】
現在の視野Wa内にテンプレート画像MPaとして使用できる画像パターンが存在する場合には、図25(B),(C)に示すように、回転後の画像内からテンプレート画像MPaとして登録する領域を切り出す。テンプレート画像MPaの範囲は、ユーザがマウス等のポインティングデバイスを用いて指定する。テンプレート画像MPaは、スクライブラインSLの交点付近に存在すれば望ましいが、必ずしも交点付近に存在しなくても良い。
【0091】
図15のステップS10では、第1のテンプレート画像MPaの画像と、テンプレート画像MPaの所定位置にある基準点(例えば図25(c)に示す左上点Qa)の座標が磁気ディスク138内のアライメント情報ファイル139(図2)に登録される。なお、基準点Qaの座標は、例えばステージ座標系の座標値で表わされる。
【0092】
図16のステップS11では、ユーザが、回転して切り出したテンプレート画像MPaの所定の方向(例えば時計の3時の方向)を、ウェハ座標系の基準方向(0°方向)Dw1と定めることによって、粗回転角度α1の不確定性を取り除く。例えば、図25(B)に示すように、粗回転角度α1だけ時計廻りに回転した画像において、時計の3時方向がウェハ座標系の基準方向Dw1として設定される。なお、ユーザが指定せずに、自動的に時計の3時方向が基準方向Dw1として設定されるようにしてもよい。ウェハの回転角度は、ステージ座標系の基準方向Dsから、ウェハ座標系の基準方向Dw1までの角度である。従って、図25(B)の場合には、基準ウェハの回転角度は、粗回転角度α1に等しい。なお、ウェハ座標系の基準方向を、時計の3時方向以外の方向に選択した場合には、基準ウェハの回転角度はα1とは異なる値となる。しかし、この場合にも、粗回転角度α1に所定の値を加算または減算した値が基準ウェハの回転角度になる。例えば、図25(B)の状態において、時計の12時方向がウェハ座標系の基準方向として選択された場合には、基準ウェハの回転角度は、(α1+90°)となる。図16のステップS12では、この回転角度α1の値がアライメント情報ファイル139に保存される。
【0093】
ステップS13では、隣接するチップのスクライブライン交点位置に撮像領域が来るようにXYステージ36を移動させて画像を撮像する。ステップS14では、この画像について、パターンマッチングを行なうことによって、第1のテンプレート画像MPaと同じ画像パターン(マッチングパターン)を検出する。図26は、ステップS13,S14の処理内容を示す説明図である。この例では、第1のテンプレート画像MPaの登録を行なった交点位置から斜め右下に隣接する交点位置に視野Wbを移動させている。隣接するチップのスクライブライン交点位置は、縦、横、斜めのいずれの方向に隣接していてもよい。この視野(撮像領域)Wbにおける画像の中から、第1のテンプレート画像MPaにマッチングするマッチングパターンMPbを検出する。
【0094】
ステップS14では、マッチングパターンMPbを検出した後に、その基準点Qbの座標も算出する。そして、2つの画像パターンMPa,MPbの基準点Qa,Qb同士を結ぶ直線L1の方向として、第2の基準点Qbから第1の基準点Qaに向う方向(基準点の連結方向)DL1を特定する。また、この連結方向DL1の回転角度(ステージ座標系の基準方向Dsから反時計回りに測った角度)θ1を算出する。なお、基準点Qa,Qbの座標は、ステージ座標系の座標として求められているので、連結方向DL1の回転角度θ1は、これらの座標から簡単な計算で求めることができる。
【0095】
この実施例では、図25(B)に示す粗回転角度α1の代りに、基準点の連結方向DL1の回転角度θ1を基準ウェハの回転角度として使用する。2つの回転角度α1,θ1の違いは、ウェハ座標系の基準方向としてどの方向を選択するか、に起因するものであり、いずれを回転角度として定義してもよい。但し、画像パターンの基準点の連結方向の回転角度θ1の方が、粗回転角度α1よりも高精度に決定できるという利点がある。前述した図3(B)に示されている回転角度θ1は、この基準点の連結方向DL1で定義される回転角度である。
【0096】
図16のステップS16では、第2のスクライブライン交点Pb(図26)の位置が決定され、アライメント情報ファイル139に保存される。例えば、第2のスクライブライン交点PbとマッチングパターンMPbとの位置関係は、第1のスクライブライン交点Paとテンプレート画像MPaとの位置関係と等しいものと仮定される。従って、第2のスクライブライン交点Pbの位置は、マッチングパターンMPbの基準点Qbの位置と、第1のスクライブライン交点Paとテンプレート画像MPaの基準点Qaの相対位置とに基づいて算出される。
【0097】
あるいは、第1のスクライブライン交点Paの決定方法と同様の方法によって、第2のスクライブライン交点Pbの位置を決定するようにしても良い。すなわち、第2のスクライブライン交点Pbの位置を、ユーザが指定してもよく、また、第2の視野Wb内の画像を解析することによって、第2のスクライブライン交点Pbの位置を自動的に決定するようにしてもよい。
【0098】
図16のステップS17では、2つのスクライブライン交点Pa,Pbの中点Pabの座標が算出され、位置合わせ基準点(図3(B)の点RP)としてアライメント情報ファイル139に保存される。この位置合わせ基準点Pabは、各測定点の位置を決定するときの原点(すなわちウェハ座標系の座標原点)として使用される。この実施例では、位置合わせ基準点Pabの座標が、スクライブラインで規定される格子の互いに対角方向にある2つのスクライブライン交点Pa,Pbの座標から決定されているので、その位置を高精度に設定することができる。
【0099】
なお、位置合わせ基準点としては、この他にも種々の設定方法がある。例えば、2つの画像パターンMPa,MPbの基準点Qa,Qbの中点Qabを位置合わせ基準点として使用することもできる。さらに、スクライブライン交点Pa,Pbと基準点Qa,Qbの中の1つの点を、位置合わせ基準点として選択することも可能である。
【0100】
以上の基準ウェハに関する前処理によって、アライメント情報ファイル139内に以下の情報が登録される。
(a)基準ウェハの粗回転角度α1と、高精度な回転角度θ1;
(b)第1のテンプレート画像MPaの画像データ;
(c)テンプレート画像の基準点Qa,Qbの座標値;
(d)テンプレート画像の基準点Qa,Qbからそれぞれのスクライブライン交点Pa,Pbまでの座標のオフセット(δx,δy);
(e)位置合わせ基準点Pabの座標値。
【0101】
これらの情報は、ステージ座標系とウェハ座標系との対応関係を決定するために用いられる情報(「座標系対応関係決定情報」と呼ぶ)である。この座標系対応関係決定情報を用いることによって、ステージ座標系と基準ウェハWF1のウェハ座標系とをアフィン変換によって相互に座標変換することができる。また、後述するように、この座標系対応関係決定情報を用いて、ステージ座標系と被測定ウェハのウェハ座標系との対応関係を求めることができる。
【0102】
F.被測定ウェハを用いたプリアライメント処理:
図27および図28は、被測定ウェハのプリアライメント処理の手順を示す説明図である。ステップS1〜S6までの処理は、図15に示した基準ウェハに関するプリアライメント前処理と同じである。これによって、ウェハの中心近くのスクライブライン交点の画像が取り込まれる。図29は、被測定ウェハに設定された視野の一例を示している。ここでは、視野Wcを撮像領域とした画像が取込まれる。図27のステップS3においては、図29に示す粗回転角度α2prが検出されている。なお、この粗回転角度α2prは、90°の整数倍の不確定さを有している。被測定ウェハにおいては、不確定さを取除く前の粗回転角度を「予備回転角度」とも呼ぶ。この名前は、不確定さを含む予備的な回転角度であることを意味している。
【0103】
ステップS31では、パターンマッチング手段154(図2)が、この視野Wc内の画像に関して、基準ウェハの前処理において登録された第1のテンプレート画像MPaを用いたパターンマッチング処理を行なう。
【0104】
図30は、被測定ウェハに関するパターンマッチングの方法を示す説明図である。まず、図30(A)に示す読み取られた画像を、アフィン変換によって予備回転角度α2prだけ時計廻りに回転して、図30(B)に示すような画像を作成する。そして、回転後の画像内において、第1のテンプレート画像MPaとマッチングする画像パターンをパターンマッチング処理によって検出する。この時、図30(C)に示すように、90°ずつ回転した4つのテンプレート画像を予め作成しておくことが好ましい。そして、これらの4つのテンプレート画像の中で、マッチング度が最も高くなるテンプレート画像を決定し、これにマッチングした画像パターン(マッチングパターン)の基準点の座標を決定する。図30(B)の例では、180°回転のテンプレート画像のマッチング度が最も高い。従って、この被測定ウェハの粗回転角度α2は、(α2pr+180°)であることが決定される。すなわち、テンプレート画像を用いたパターンマッチングによって、予備回転角度α2prの不確定さを解消して、粗回転角度α2の値を決定することができる。なお、回転対称な4つのテンプレート画像に関連付けられた角度(0°、90°、180°、270°)のうち、パターンマッチングによって選択された角度を、以下では「マッチング角度」と呼ぶ。
【0105】
図31は、被測定ウェハの予備回転角度α2prと粗回転角度α2との関係を示す説明図である。予備回転角度α2prは、ステージ座標系の基準方向Dsから、被測定ウェハの直線部分(スクライブラインSL)の方向まで反時計回りに測った角度である。粗回転角度α2は、ステージ座標系の基準方向Dsから、ウェハ座標系の基準方向Dw2まで反時計回りに測った角度である。ウェハ座標系の基準方向Dw2は、マッチングパターンMPcが正立(図30(C)の最初のテンプレート画像の向きに)した時に、時計の3時方向を向く方向であると定義されている。予備回転角度α2prは、ウェハの直線部分から決定されていただけなので、この例では、予備回転角度α2prと粗回転角度α2とは180°の差がある。もちろん、これらの角度α2pr,α2が等しい場合もある。
【0106】
図27のステップS32では、マッチングパターンMPcの基準点Qcの座標がアライメント情報ファイル139に保存される。図28のステップS33では、被測定ウェハの回転角度の不確定さを解消して、その相対回転角度Δαを求める。ここで、被測定ウェハの相対回転角度Δαは、非測定ウェハの粗回転角度α2と、基準ウェハの粗回転角度α1との差分(α2−α1)として定義される。
【0107】
被測定ウェハ内の各測定点の位置は、この相対的な回転角度Δαを用いて決定することもできる。しかし、この実施例では、以下の手順により、基準ウェハとの相対的な回転角度をより正確に求めることによって、各測定点の位置をより正確に決定している。
【0108】
ステップS34では、パターンマッチングの結果から、マッチングパターンMPcの近傍にある第1のスクライブライン交点Pc(図31)の位置を算出する。図32は、マッチングパターンMPcの基準点Qcと、第1のスクライブライン交点Pcとの関係を示す説明図である。前述したように、パターンマッチング処理では、図32(a)〜(d)に示す4つのマッチング角度のいずれか1つにおいて、画像パターンがマッチングすることが確認される。スクライブライン交点Pcの座標(Xc,Yc)は、マッチング角度に応じてそれぞれ以下のように算出される。
【0109】
(a)マッチング角度が0度の場合:
Xc=Xs+δx,Yc=Ys+δy
【0110】
(b)マッチング角度が90度の場合:
Xc=Xs+δy,Yc=Ys−δx
【0111】
(c)マッチング角度が180度の場合:
Xc=Xs−δx,Yc=Ys−δy
【0112】
(d)マッチング角度が270度の場合:
Xc=Xs−δy,Yc=Ys+δx
【0113】
ここで、δx,δyは、前述した基準ウェハのプリアライメント前処理において求められていた、テンプレート画像MPaの基準点Qa(図26)と、その近傍のスクライブライン交点Paとの座標のオフセットである。この座標のオフセット(δx,δy)を用いることによって、マッチングパターンMPcの基準点Qcから、スクライブライン交点Pcの座標を上記のように算出することができる。なお、図32に示す関係は、被測定ウェハWF2を予備回転角度α2prだけ回転させた状態のものなので、上記の4つの式の各座標値としては、予備回転角度α2prだけ回転するようにアフィン変換を行った値が使用される。
【0114】
図28のステップS35では、2つの目のスクライブライン交点を視野内に含む位置に被測定ウェハWF2を移動させる。図33は、被測定ウェハにおいて設定された2つの視野の関係を示す説明図である。被測定ウェハの2つのスクライブライン交点Pc,Pdの位置関係は、ウェハ座標系において、基準ウェハの2つのスクライブライン交点位置Pa,Pbの位置関係と同じである。従って、2番目のスクライブライン交点Pdは、最初のスクライブライン交点Pcから、基準ウェハの直線L1に相当する直線L2の方向に沿った方向に存在する。2番目のスクライブライン交点PdにXYステージ36を移動させる移動量は、基準ウェハの2つの基準点Qa,Qbの座標値の差分と同じである。こうして、図33の2番目の視野Wdが設定される。
【0115】
図28のステップS36では、2番目の視野Wdの画像が読み取られ、粗回転角度α2だけ画像をアフィン変換で回転するとともに、回転後の画像に関してパターンマッチングを実行する。このパターンマッチングでは、第1のテンプレート画像MPaと最も一致したマッチングパターンMPdの基準点Qd(図33)の座標が得られる。
【0116】
ステップS37では、回転方向決定手段158(図2)が、2つの基準点Qc,Qdの連結方向DL2の回転角度θ2を求める。この回転角度θ2は、ステージ座標系の基準方向Dsから、基準点の連結方向DL2まで反時計回りに測定した角度である。
【0117】
ステップS38では、2つ目のマッチングパターンMPdの基準点Qdの座標から、2点目のスクライブライン交点Pdの座標が算出される。この演算は、前述した図32に示すものと同じである。ステップS39では、1点目と2点目のスクライブライン交点Pc,Pdの中心点Pcd(図33)の座標を求める。この中心点Pcdは、ウェハ座標系における原点となる。また、以下に説明するファインアライメント処理における位置合わせ基準点RP(図3(C))として使用される。
【0118】
基準ウェハWF1と被測定ウェハWF2との相対的な回転角度は、被測定ウェハにおける基準点の連結方向DL2の回転角度θ2と、基準ウェハにおける基準点の連結方向DL1の回転角度θ1とを用いて高精度に決定することができる。
【0119】
図34は、高精度な相対回転角度を求める方法を示す説明図である。図34(A)は、基準ウェハに関して得られた2つの基準点Qa,Qbを結ぶ直線L1を示している。これらの基準点Qa,Qbを結ぶ連結方向DL1は、第2の基準点Qbから第1の基準点Qaに向う方向に取られている。この連結方向DL1の回転角度θ1は、ステージ座標系の基準方向Dsから連結方向DL1まで反時計回りに測った角度である。図34(B)は、被測定ウェハに関して得られた2つの基準点Qc,Qdを結ぶ直線L2を示している。これらの基準点Qc,Qdを結ぶ連結方向DL2も、第2の基準点Qdから第1の基準点Qcに向う方向に取られている。この連結方向DL2の回転角度θ2も、ステージ座標系の基準方向Dsから連結方向DL2まで反時計回りに測った角度である。このように、基準ウェハにおける連結方向DL1の回転角度θ1も、被測定ウェハにおける連結方向DL2の回転角度θ2も、いずれも同じ定義に従って決定されている。従って、これらの差分△θ=θ2−θ1を求めることによって、これを、基準ウェハと被測定ウェハとの相対的な回転角度として採用することができる。
【0120】
ところで、被測定ウェハの回転角度(回転方向)を決める方法としては、他の方法も考えられる。図35は、粗回転角度α1,α2を用いた粗い相対回転角度の決定方法を示す説明図である。粗回転角度α1,α2は、ステージ座標系の基準方向Dsから、ウェハ座標系の基準方向Dw1,Dw2まで反時計回りに測った角度である。従って、粗回転角度の差分△α=α2−α1を、基準ウェハと被測定ウェハとの相対的な回転角度とすることができる。但し、上述した回転角度θ1、θ2の方が、粗回転角度α1,α2よりも精度が高いので、その相対回転角度△θも、粗回転角度から決定された相対回転角度△αよりも精度が高い。
【0121】
回転方向決定手段158が被測定ウェハの回転角度(回転方向)を決定する方法としては、上述の方法も含めて、以下のような種々の方法が考えられる。
【0122】
方法1:基準ウェハの高精度回転角度θ1と、被測定ウェハの高精度回転角度θ2との差分△θから、両者の相対的な回転角度(回転方向)を決定する。この方法1は、図34に示したものである。この方法によれば、相対的な回転角度(回転方向)を高精度に決定できるという利点がある。
【0123】
方法2:基準ウェハの粗回転角度α1と、被測定ウェハの粗回転角度α2との差分△αから、両者の相対的な回転角度(回転方向)を決定する。この方法2は、図35に示したものである。この方法を用いる場合には、基準ウェハや被測定ウェハにおいて、少なくとも1カ所の画像でパターンマッチングを行えばよい。従って、処理を高速化できるという利点がある。
【0124】
方法3:被測定ウェハの高精度回転角度θ2そのものを、被測定ウェハの回転角度(回転方向)として利用する。図34(B)から解るように、高精度回転角度θ2は、ステージ座標系の基準方向Dsから、ウェハ座標系の連結方向DL2までの回転角度である。従って、被測定ウェハは、ステージ座標系の基準方向Dsからθ2だけ回転しているものと考えることが可能である。なお、方法3の変形として、高精度回転角度θ2に一定値を加算または減算した値を、被測定ウェハの回転角度(回転方向)としてもよい。この方法3によれば、基準ウェハからの相対的な回転角度ではなく、ステージ座標系の所定の基準方向Dsを基準とした回転角度(回転方向)を高精度に決定できるという利点がある。特に、基準ウェハの位置合わせ基準点や複数の測定点の座標を、予めステージ座標系の座標に変換している場合には、この回転角度θ2を被測定ウェハの回転角度としてそのまま利用することができる。
【0125】
方法4:被測定ウェハの粗回転角度α2そのものを、被測定ウェハの回転角度(回転方向)とする。この場合も、方法3と同様に、回転角度α2に一定値を加算または減算した値を、被測定ウェハの回転角度(回転方向)としてもよい。この方法4によれば、基準ウェハからの相対的な回転角度ではなく、ステージ座標系の所定の基準方向Dsを基準とした回転角度(回転方向)を高速に決定できるという利点がある。
【0126】
このように、被測定ウェハのプリアライメント処理によって、位置合わせ基準点RP(図3)の位置と、回転角度θ2とが決定されたので、これらを用いてステージ座標系の座標と被測定ウェハのウェハ座標系との座標変換を行うことができる。
【0127】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0128】
(1)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を適用して半導体ウェハの位置合わせ処理(アラインメント処理)を行なう機能を有する測定装置の構成を示すブロック図。
【図2】画像処理ユニット50の内部構成を示すブロック図。
【図3】実施例における位置合わせ処理の概要を示す説明図。
【図4】実施例における位置合わせ処理の全体手順を示すフローチャート。
【図5】ステップT1の詳細手順を示すフローチャート。
【図6】XYステージ36上に載置された座標補正用ウェハWF0を示す説明図。
【図7】座標補正用ウェハWF0の中央付近のパターンを示す説明図。
【図8】各座標補正基準点P0〜Pnの理想ステージ座標値と実測ステージ座標値との関係を示す説明図。
【図9】座標補正テーブル166の登録内容を示す説明図。
【図10】ステップT3の詳細手順を示すフローチャート。
【図11】ステップT22における座標補正処理の内容を示す説明図。
【図12】座標補正テーブル166における4つの座標補正基準点Q1〜Q4の登録内容を示す説明図。
【図13】ステップT5の詳細手順を示すフローチャート。
【図14】座標補正テーブル166における4つの座標補正基準点Q1〜Q4の登録内容を示す説明図。
【図15】基準ウェハWF1を用いたプリアライメント前処理の手順を示すフローチャート。
【図16】基準ウェハWF1を用いたプリアライメント前処理の手順を示すフローチャート。
【図17】半導体ウェハWF内に形成された複数のチップの配列の様子を示す概念図。
【図18】ウェハの中心付近を拡大して示す概念図。
【図19】1次元投影法による直線エッジ情報の検出処理を示す説明図。
【図20】ソベルオペレータによる画像処理の方法を示す説明図。
【図21】ソベルオペレータを用いて得られた水平エッジ値と垂直エッジ値とから、画像の直線部分の角度を算出する方法を示す説明図。
【図22】処理対象となる多階調画像の一例と、この多階調画像からソベルオペレータ法によって検出された角度のヒストグラムを示す説明図。
【図23】4つの等価回転角度を示す説明図。
【図24】スクライブラインSLの交点位置に視野の中心を移動させた状態を示す説明図。
【図25】テンプレート画像MPaの登録の様子を示す説明図。
【図26】ステップS10の処理内容を示す説明図。
【図27】被測定ウェハのプリアライメント処理の手順を示すフローチャート。
【図28】被測定ウェハのプリアライメント処理の手順を示すフローチャート。
【図29】被測定ウェハにおいて設定される視野の一例を示す説明図。
【図30】被測定ウェハに関するパターンマッチングの方法を示す説明図。
【図31】被測定ウェハにおけるウェハの予備回転角度α2prと粗回転角度α2との関係を示す説明図。
【図32】マッチングパターンMPcの基準点Qcと第1のスクライブライン交点Pcとの関係を示す説明図。
【図33】被測定ウェハにおいて設定された2つの視野の関係を示す説明図。
【図34】高精度な相対回転角度を求める方法を示す説明図。
【図35】粗い相対回転角度を求める方法を示す説明図。
【符号の説明】
30…制御操作ユニット
31…表示部
32…操作部
33…制御部
34…ステージ駆動部
35…ステージ座標読み込み部
36…XYステージ
36a,36b…ウェハ保持アーム
38…通信経路
40…光学ユニット
41…カメラ
42…光源
43…ハーフミラー
44…対物レンズ
50…画像処理ユニット
110…CPU
112…バスライン
114…ROM
116…RAM
136…モニタ
138…磁気ディスク
139…アライメント情報ファイル
140…入出力インタフェイス
150…等価回転方向決定手段
152…撮像位置決定手段
154…パターンマッチング手段
156…角度選択手段
158…回転方向決定手段
160…基準位置決定手段
162…測定位置決定手段
164…座標補正テーブル作成手段
166…座標補正テーブル
168…座標補正手段
170…座標変換手段

Claims (4)

  1. ステージに載置されたウェハ上における対象点の座標を補正する方法であって、
    (a)前記ステージに載置されたウェハ上の複数の座標補正基準点に関して、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値と、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値との関係を示す座標補正情報を求める工程と、
    (b)前記ステージ上に載置された任意のウェハ上の対象点の座標値を前記座標補正情報に従って補正する工程と、
    を備え
    前記工程(a)は、
    (1)前記複数の座標補正基準点を特定するための複数の同一パターンが所定の配列で設定された座標補正用ウェハを前記ステージ上に載置する工程と、
    (2)前記座標補正用ウェハ上において、前記複数の同一パターンの配列を検出するとともに、前記複数の同一パターンと所定の位置関係にある前記複数の座標基準点に関して前記実測ステージ座標値を測定する工程と、
    (3)前記複数の同一パターンの前記所定の配列から、前記複数の座標補正基準点に関する前記理想ステージ座標値を決定する工程と、
    (4)前記工程(2)で測定された前記実測ステージ座標値と前記工程(3)で決定された前記理想ステージ座標値との関係に基づいて、前記座標補正情報を作成する工程と、
    を備える対象点座標の補正方法。
  2. 請求項記載の方法であって、
    前記工程(b)は、前記対象点に関して、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値を、前記位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値に補正する工程を含む、方法。
  3. 請求項記載の方法であって、
    前記工程(b)は、前記対象点に関して、前記位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値を、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値に補正する工程を含む、方法。
  4. ステージに載置された対象ウェハ上における対象点の座標を決定する方法であって、
    (a)前記ステージに載置された所定のウェハ上の複数の座標補正基準点に関して、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む実測ステージ座標値と、前記位置ズレ成分を含まない理想ステージ座標値との関係を示す座標補正情報を求める工程と、
    (b)所定の対象点設定用基準ウェハを前記ステージ上に載置する工程と、
    (c)前記対象点設定用基準ウェハ上において前記対象点を設定するとともに、前記対象点に関するステージ座標系の座標である実測ステージ座標値を測定する工程と、
    (d)前記実測ステージ座標値を前記座標補正情報に従って補正することによって前記位置ズレ成分を含まない第1の理想ステージ座標値を求めるとともに、前記第1の理想ステージ座標値を座標変換することによってウェハ座標系の座標であるウェハ座標値を求める工程と、
    (e)前記ステージ上に前記対象ウェハを載置する工程と、
    (f)前記対象ウェハ上における前記対象点に関する前記ウェハ座標値を座標変換することによって前記対象点に関する第2の理想ステージ座標値を求めるとともに、前記第2の理想ステージ座標値を前記座標補正情報に従って補正することによって、前記ステージの歪みによる位置ズレ成分を含む補正ステージ座標値を前記対象点に関して求める工程と、
    を備え
    前記工程(a)は、
    (1)前記複数の座標補正基準点を特定するための複数の同一パターンが所定の配列で設定された座標補正用ウェハを前記ステージ上に載置する工程と、
    (2)前記座標補正用ウェハ上において、前記複数の同一パターンの配列を検出するとともに、前記複数の同一パターンと所定の位置関係にある前記複数の座標基準点に関して前記実測ステージ座標値を測定する工程と、
    (3)前記複数の同一パターンの前記所定の配列から、前記複数の座標補正基準点に関する前記理想ステージ座標値を決定する工程と、
    (4)前記工程(2)で測定された前記実測ステージ座標値と前記工程(3)で決定された前記理想ステージ座標値との関係に基づいて、前記座標補正情報を作成する工程と、
    を備える対象点座標の決定方法。
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