JP4418043B2 - β−ヒドロキシエステルの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、β−ヒドロキシエステルの製造法に関する。
本発明のβ−ヒドロキシエステルはエステルのβ位に活性な水酸基を有しており、合成化学上非常に重要な化合物である。例えば、3−ヒドロキシセファム化合物は、容易に3−ノルセフェム骨格に変換できるため、一般に広く用いられている注射剤であるセフチゾキシムや経口剤であるセフチブテン(最新抗生剤要覧第9版、酒井克治著、第72頁及び第85頁、1994)の重要中間体であり、工業的に広く用いられている化合物である。
【0002】
【従来の技術】
β−ケトエステルは一般的にアルカリ条件等の加水分解が起り易い反応条件下では不安定で、このような条件下での還元反応は種々の副反応を伴い、目的物を得ることが極めて難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、3−ケトセファム化合物(3−ヒドロキシセフェム化合物)はこのような反応条件下では不安定で、通常は反応収率の低下を引き起こすため、極低温下で反応を行う必要がある。具体的には、特公昭59−34714号公報やPure & Appl.Chem.,59,1041(1987)(以下「文献1」という)に記載の方法が知られているが、特公昭59−34714号公報の方法では、メタノール中0℃で反応が行われており、この反応を追試するとその収率は50〜60%にすぎない。一方、文献1に記載のごとく、3−ヒドロキシセフェム化合物を塩化メチレンとメタノールとの混合溶媒に溶解し、水素化ホウ素ナトリウムを用いて−60℃で還元反応を行う方法が知られているが、本法は−60℃という極低温で実施しなければならず、工業的に有利な方法とは言い難い。
【0004】
更に、文献1中には、この還元反応を0℃のような比較的一般的な温度条件下に行った場合、置換基R3の脱離反応が起り、目的物の収率が極端に低下するとの記載があり、先の特公昭59−3414号公報に記載の方法の収率が低いのも、これが原因である可能性が高い。
また、Helvetica Chimica Acta 57,1919(1974)(以下「文献2」という)は、下記式に示すように、エキソメチレンセファムのオゾン分解を行って一旦3−ヒドロキシセフェム化合物を生成させ、同系中でオゾニド還元を同時に行って3−ヒドロキシセファム化合物を製造する方法を開示するが、その収率は31.8%と低く、実用には適しない。
【0005】
【化4】
〔式中、Rはベンジル基を示す。〕
【0006】
このように、安定性の低いβ−ケトエステルからβ−ヒドロキシエステルを合成するための実用的な方法は未だ確立されておらず、実用性の高い工業プロセスの開発が急務となっている。
本発明の課題は、上記の従来の製造法に見られる欠点を克服し、高収率、高純度で目的とするβ−ヒドロキシエステルを製造し得る汎用的な製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、β−ケトエステルを水素化ホウ素 アンモニウム塩の存在下に還元することを特徴とするβ−ヒドロキシエステルの製造法に係る。
本発明者は、β−ヒドロキシエステルの製造法を開発するにあたり、アルカリ条件下での還元反応に対し、β−ヒドロキシエステルやβ−ケトエステルが非常に不安定な挙動を示すことに着目した。即ち、比較的高い反応温度(例えば0℃付近)で還元反応を行った場合、目的の反応以外に加水分解等の副反応が起こり、この副反応が目的物の収率及び純度を低下させることが知られている。例えば、文献1の反応では(C6H5)2CHOHが副生する。この副生物は反応温度0℃付近まで上げた際にハイドライドの攻撃により生成すると説明されている。
【0008】
しかしながら、本発明者は、これらの副生物は水素化ホウ素ナトリウムに由来する強い塩基性によるものであるか、又は水素化ホウ素ナトリウムが持つ強力なハイドライド還元力によるものと考え、系内の塩基性を上げず、且つβ−ケトエステル又はそのケト−エノール異性体に対する選択的な還元能を有する水素化ホウ素塩の探索を行った。
【0009】
アルミニウム、リチウム、亜鉛等の水素化ホウ素塩を反応系中で製造し、還元反応に利用する方法は既に知られているが、これらの塩では目的は果たせなかった。一方、現在まで、水素化ホウ素アンモニウム塩を用いた例はなく、本発明において初めて提案する試薬である。水素化ホウ素のアンモニウム塩を用いることにより、上記の還元反応が非常に有利に進行し、目的とするβ−ヒドロキシエステルを高収率及び高純度で製造することが可能になった。また、反応温度を0℃まで上げても、副生物は生成しなかった。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明においては、β−ケトエステルを水素化ホウ素 アンモニウム塩の存在下に還元することにより、β−ヒドロキシエステルが製造される。
本発明の製造法において、出発原料となるβ−ケトエステルとしては特に制限されず、公知のものを使用できるが、その中でも、式(1)で表される3−ケトセファム化合物、式(1')で表され、前記3−ケトセファム化合物のケト−エノール異性体である3−ヒドロキシセフェム化合物等を好ましく使用できる。
【0011】
【化5】
〔式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、保護されたアミノ基又は基−N=CH−Ar(式中Arは置換基を有することのあるフェニル基を示す。)。R2は水酸基若しくは保護された水酸基を置換基として有することのある低級アルキル基、水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級アシル基、水酸基又は保護された水酸基を示す。R3は水素原子又はカルボン酸保護基を示す。〕
【0012】
【化6】
〔式中、R1、R2及びR3は上記に同じ。〕
【0013】
本明細書において示される各基は、具体的には各々次の通りである。
本明細書の説明において、特に断わらない限り、ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を意味する。低級アルキル基とは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の直鎖又は分枝状の炭素数1〜4のアルキル基を意味する。低級アルコキシ基とは、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等の直鎖又は分枝状の炭素数1〜4のアルコキシ基を意味する。
【0014】
R1で示される保護されたアミノ基としては、フェノキシアセトアミド、p−メチルフェノキシアセトアミド、p−メトキシフェノキシアセトアミド、p−クロロフェノキシアセトアミド、p−ブロモフェノキシアセトアミド、フェニルアセトアミド、p−メチルフェニルアセトアミド、p−メトキシフェニルアセトアミド、p−クロロフェニルアセトアミド、p−ブロモフェニルアセトアミド、フェニルモノクロロアセトアミド、フェニルジクロロアセトアミド、フェニルヒドロキシアセトアミド、フェニルアセトキシアセトアミド、α−オキソフェニルアセトアミド、チエニルアセトアミド、ベンズアミド、p−メチルベンズアミド、p−tert−ブチルベンズアミド、p−メトキシベンズアミド、p−クロロベンズアミド、p−ブロモベンズアミド、“Protective Groups in OrganicSynthesis、1981”(Theodra W.Greene著、John Wiley & Sons.Inc.、以下「文献3」という)の第7章(第218〜287頁)に記載されている基、フェニルグリシルアミド及びアミノ基が保護されたフェニルグリシルアミド、p−ヒドロキシフェニルグリシルアミド及びアミノ基、水酸基又はその両方が保護されたp−ヒドロキシフェニルグリシルアミド等を挙げることができる。フェニルグリシルアミド及びp−ヒドロキシフェニルグリシルアミドのアミノ基の保護基としては、上記文献3の第7章(第218〜287頁)に記載されている基を挙げることができる。また、p−ヒドロキシフェニルグリシルアミドの水酸基の保護基としては、上記文献3の第2章(第10〜72頁)に記載されている基を挙げることができる。
【0015】
R1に定義される基−N=CH−Arにおいて、Arで示されるフェニル基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、m−ヒドロキシフェニル基等の、低級アルコキシ基、ニトロ基、水酸基等の置換基を有していてもよいフェニル基を挙げることができる。
【0016】
R2で示される低級アシル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等の直鎖又は分枝状の炭素数1〜4のアシル基を挙げることができる。
【0017】
R2で示される水酸基若しくは保護された水酸基を置換基として有する低級アルキル基の保護された水酸基、及びR2で示される保護された水酸基の保護基としては、上記文献3の第2章(第10〜72頁)に記載されている基を挙げることができる。R2で示される上記置換低級アルキル基は、水酸基及び上記で示される保護された水酸基の中から選ばれる同一又は異なる種類の置換基で、同一又は異なる炭素原子上に1つ以上置換されていてもよい。
【0018】
R3で示されるカルボン酸保護基としては、例えば、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、ジフェニルメチル基、トリクロロエチル基、tert−ブチル基、上記文献3の第5章(第152〜192頁)に記載されている基等を挙げることができる。
【0019】
3−ケトセファム化合物(1)及びそのケト−エノール異性体(1')は、下記反応行程式に示すように、文献1に記載の方法に従って製造できる。尚、Meはメチル、Phはフェニル、Tsはトシル基を、Pyはピリジンを意味する。
【0020】
【化7】
【0021】
本発明において、3−ケトセファム化合物(1)又はそのケト−エノール異性体(1')を出発原料として使用すると、式(2)で表される3−ヒドロキシセファム化合物を高収率及び高純度で製造できる。
【0022】
【化8】
〔式中、R1、R2及びR3は上記に同じ。〕
【0023】
本発明で使用される水素化ホウ素アンモニウム塩としては、水素化ホウ素アンモニウムの他、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム、水素化ホウ素テトラエチルアンモニウム、水素化ホウ素テトラ−n−プロピルアンモニウム、水素化ホウ素テトラ−n−ブチルアンモニウム等の水素化ホウ素テトラアルキルアンモニウム塩等を用いることもできる。水素化ホウ素アンモニウム塩の使用量は特に制限されず、原料であるβ−ケトエステルが完全に消失する量とすればよいが、β−ケトエステルに対して通常1〜10モル当量程度、好ましくは1〜3モル当量程度とすればよい。
【0024】
本発明では、反応系内で、水素化ホウ素アンモニウム塩を調製して使用することもできる。水素化ホウ素アンモニウム塩は、反応系内に、水素化ホウ素アルカリ金属塩と アンモニウム塩とを存在させることにより調製できる。水素化ホウ素アルカリ金属塩としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等を挙げることができる。水素化ホウ素アルカリ金属塩は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。水素化ホウ素アルカリ金属塩の使用量は特に制限されず、水素化ホウ素アルカリ金属塩と アンモニウム塩との反応により生成する水素化ホウ素アンモニウム塩によって原料であるβ−ケトエステルが完全に消失する量とすればよいが、β−ケトエステルに対して通常1〜10モル当量程度、好ましくは1〜3モル当量程度とすればよい。
【0025】
また、 アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、沃化アンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等のハロゲン化アンモニウム塩、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム等の過塩素酸アンモニウム塩、テトラブチルアンモニウムトシレート等のスルホン酸アンモニウム塩、硼弗化テトラエチルアンモニウム、硼弗化テトラブチルアンモニウム等の硼弗化アンモニウム塩等を挙げることができる。これらの中でも、ハロゲン化アンモニウム塩等を好ましく使用できる。 アンモニウム塩は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。 アンモニウム塩の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、通常β−ケトエステル 1kgに対して0.01〜5kg程度、好ましくは0.1〜2kg程度とすればよい。
【0026】
本還元反応は、通常、溶媒中で実施される。該溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール等の直鎖低級アルキルアルコール類、2−プロパノール、2−ブタノール、tert−ブタノール等の分岐低級アルキルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール類、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルセロソルブ、ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム等のエーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等の環状エーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソール等の置換若しくは非置換の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジブロモエタン、プロピレンジクロライド、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類等を挙げることができる。
【0027】
これらは1種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。これらの溶媒の中でも、直鎖低級アルキルアルコール類、これと他の溶媒との混合溶媒等を好ましく使用できる。また、これらの溶媒には、必要に応じて水が含まれていてもよい。溶媒の使用量は特に制限されないが、通常β−ケトエステル 1kg当り2〜200リットル程度、好ましくは5〜50リットル程度とすればよい。
【0028】
本反応は、通常−78〜+150℃程度、好ましくは−30〜+50℃程度の温度下に行われ、上記各原料化合物の混合と同時〜10時間程度で終了する。
本発明においては、目的物が不安定な化合物である場合等に、反応終了後反応系内に残存する水素化ホウ素アンモニウム塩の不活性化を行ってもよい。不活性化は、反応系に、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸を添加することにより実施される。
本反応により得られる目的物である3−ヒドロキシセファム化合物は、通常の手段に従い、反応系から容易に単離精製できる。
【0029】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
実施例1
化合物(1a)〔式(1)において、R1=PhCH2CONH,R2=H,R3=CH2C6H4−p−OCH3である化合物〕1g及び塩化アンモニウム 0.5gを300ml四つ口フラスコに秤り取り、メタノール 10mlを加えて撹拌溶解した。この溶液を0℃に冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム 0.11gをゆっくりと添加した。反応の進行度合を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により追跡し、原料である化合物(1a)が完全に消失したことを確認した後、1N塩酸5mlを加え、残存する水素化ホウ素アンモニウムを不活性化し、それと同時に生成物の晶析させた。この生成物を減圧ろ過によりスラリーから分取し、33%含水イソプロパノールで洗浄した後、減圧下に乾燥し、目的化合物(2a)〔式(2)において、R1、R2、R3は上記に同じ化合物〕0.91g(収率91%)が得られた。
【0030】
1H−NMR(DMSO−d6)δ2.70(dd,J=3.6,13.2Hz,1H)、3.09(dd,J=10.5,13.2Hz,1H)、3.50(d,J=13.0Hz,1H)、3.54(d,J=13.0Hz,1H)、3.73(s,3H)、3.91(m,1H)、4.56(d,J=6.0Hz,1H)、5.04(d,J=4.1Hz,1H)、5.05(d,J=12.1Hz,1H)、5.10(d,J=12.1Hz,1H)、5.33(dd,J=4.1,8.2Hz,1H)、5.99(d,J=4.2Hz,1H)、6.88−7.37(m,9H)、9.06(d,J=8.2Hz,1H)
【0031】
比較例1
塩化アンモニウムを使用しない以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、目的の化合物(2a)は0.32g(収率32%)しか得られなかった。
【0032】
実施例2〜10
反応溶媒を表1に記載のものに変更する以外は実施例1と同様に反応を行った。目的化合物(2a)の収率を表1に併記する。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例11〜15
反応温度を表2に記載の通り変更する以外は、実施例1と同様に反応を行った。目的化合物(2a)の収率を表2に併記する。
【0035】
【表2】
【0036】
実施例16〜20
塩化アンモニウムの使用量を表3に記載の通り変更する以外は、実施例1と同様に反応を行った。目的化合物(2a)の収率を表3に併記する。
【0037】
【表3】
【0038】
実施例21〜24
塩化アンモニウムを表4に記載の他のアンモニウム塩に変更する以外は、実施例1と同様に反応を行った。目的化合物(2a)の収率を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
実施例25〜29
メタノールの使用量を表5に記載の量に変更する以外は、実施例1と同様に反応を行った。目的化合物(2a)の収率を表5に併記する。
【0041】
【表5】
【0042】
実施例30
化合物(1b)〔式(1)において、R1=PhCH2CONH,R2=H,R3=CHPh2である化合物〕250g及び塩化アンモニウム 125gを5000ml四つ口フラスコに秤り取り、メタノール 2500mlを加えて撹拌溶解した。この溶液を0℃に冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム 25gをゆっくりと添加した。反応の進行度合をHPLCにより追跡し、原料である化合物(1a)が完全に消失したことを確認した後、1N塩酸 1250mlを加え、残存する水素化ホウ素アンモニウムを不活性化し、同時に生成物の晶析を行った。この生成物を減圧ろ過によりスラリーから分取し、33%含水イソプロパノールで洗浄し、減圧下に乾燥し、目的化合物(2b)〔式(2)において、R1、R2、R3は上記に同じ化合物〕225g(収率90%)が得られた。
【0043】
1H−NMR(DMSO−d6)δ2.73(dd,J=3.3,13.2Hz,1H)、3.08(dd,J=10.5,13.2Hz,1H)、3.42(d,J=13.8Hz,1H)、3.55(d,J=13.8Hz,1H)、4.01(m,3H)、4.71(d,J=6.3Hz,1H)、5.08(d,J=3.9Hz,1H)、5.37(dd,J=3.9,8.1Hz,1H)、6.09(d,J=4.2Hz,1H)、6.83(s,1H)、7.20−7.42(m,15H)、9.07(d,J=8.1Hz,1H)
【0044】
比較例2
アセト酢酸メチル(CH3COCH2COOCH3)10g及び塩化アンモニウム25gを300ml四つ口フラスコに秤り取り、メタノール 100mlを加えて撹拌した。この混合物を0〜3℃に冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム 4.6gをゆっくりと添加した。水素化ホウ素ナトリウム全量を添加した後、30分間この温度で撹拌した。この混合物に1N塩酸 100mlを加えた後、酢酸エチル 200mlと水 200mlとを用いて抽出を行った。酢酸エチル層を2%重曹水 100mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、減圧下濃縮を行い、目的の3−ヒドロキシブタン酸メチルエステル〔CH3CH(OH)CH2COOCH3〕5.6g(収率51%)が得られた。
【0045】
1H−NMR(CDCl3)δ1.21(d,J=6.3Hz,1H)、2.39(dd,J=8.1,16.5Hz,1H)、2.49(dd,J=4.2,16.5Hz,1H)、2.89(d,J=3.6Hz,1H)、3.70(s,3H)、4.19(m,1H)
【0046】
比較例3
塩化アンモニウムを使用しない以外は、比較例2と同様に反応を行ったところ、目的の3−ヒドロキシブタン酸メチルエステルは全く得られなかった。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、実用的な方法により、高収率、高純度で目的とするβ−ヒドロキシエステルを製造することができる。
Claims (1)
- 式(1)で表される3−ケトセファム化合物又は式(1')で表され、前記3−ケトセファム化合物のケト−エノール異性体である3−ヒドロキシセフェム化合物であるβ−ケトエステルを、水素化ホウ素アンモニウム塩の存在下に還元することを特徴とする、式(2)で表される3−ヒドロキシセファム化合物であるβ−ヒドロキシエステルの製造法。
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