JPH08269025A - アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体の塩の製造方法 - Google Patents

アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体の塩の製造方法

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JPH08269025A
JPH08269025A JP7069415A JP6941595A JPH08269025A JP H08269025 A JPH08269025 A JP H08269025A JP 7069415 A JP7069415 A JP 7069415A JP 6941595 A JP6941595 A JP 6941595A JP H08269025 A JPH08269025 A JP H08269025A
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acid derivative
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alkoxycarbonylaminothiazoleacetic
solvent
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Tomonori Matsunaga
智徳 松永
Fumiaki Iwasaki
史哲 岩崎
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘
導体の塩を簡単な操作で、高純度且つ高収率で得る。 【構成】アミノチアゾール酢酸誘導体エステルとジアル
キルジカーボネートとを反応させた後、生成物を精製す
ることなく塩基により加水分解してアルコキシカルボニ
ルアミノチアゾール酢酸誘導体の塩を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルコキシカルボニル
アミノチアゾール酢酸誘導体の塩を工業的に有利に製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノチアゾール酢酸誘導体、例えば
(Z)−2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒ
ドロキシイミノ酢酸は、医薬品の中間体として有用な化
合物であり、セファロスポリン系等の抗生物質の側鎖等
に用いられる。上記化合物は、β−ラクタム系化合物、
例えば7−アミノセファロスポラン酸等とアミド化反応
によって結合され、セファロスポリン系抗生物質の基本
骨格となる。
【0003】その際、上記のアミノチアゾール酢酸誘導
体のアミノ基が、該化合物のカルボキシル基と分子間反
応をおこすことを防ぐために、該化合物のアミノ基を何
らかの保護基で保護した化合物が用いられる。この保護
基としては、アルコキシカルボニル基、例えばt−ブト
キシカルボニル基等が、保護反応が簡便で、かつ脱保護
反応も容易であるため好適に用いられている。
【0004】アミノ基の保護されたアミノチアゾール酢
酸誘導体の合成方法としては、例えば、(Z)−2−
(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロキシイミ
ノ酢酸エチルエステルに対してジ−t−ブチルジカーボ
ネートを反応させて、アミノ基及び水酸基が共に保護さ
れた化合物を得、精製操作を行った後、加水分解して、
(Z)−2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−4
−チアゾリル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸ナトリウム
を得る方法が知られている(特開平5−59066号公
報)。
【0005】上記の公報に開示された方法では、精製操
作として、反応液を塩酸で処理した後、食塩水で洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮し、残渣にエタノール
を加えた後、再濃縮する方法が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法により精製を行うと、目的物の収率低下及び
製造を効率的に行う事ができないという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来技術の欠点を補う新しい技術の開発を鋭意検討した結
果、アミノチアゾール酢酸誘導体エステルと、ジアルキ
ルジカーボネートとの反応(以下、単にアルコキシカル
ボニル化反応と略す)の副生物が、塩基により、容易に
分解する事を見いだし、アルコキシカルボニル化反応
後、精製する事なく塩基で加水分解することにより、ア
ルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体の塩を
収率良く、簡便な操作で製造できる事を見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(但し、R1は、水酸基または保護された
水酸基、R2は、アルキル基であり、波線は、シンまた
はアンチ異性体を表す。)で示されるアミノチアゾール
酢酸誘導体エステルとジアルキルジカーボネートとを反
応させた後、生成物を精製することなく塩基により加水
分解することを特徴とする下記一般式(II)
【0011】
【化4】
【0012】(但し、R3は、水酸基または保護された
水酸基、R4は、アルコキシカルボニル基、Mは、アル
カリ金属原子であり、波線は、シンまたはアンチ異性体
を表す。)で示されるアルコキシカルボニルアミノチア
ゾール酢酸誘導体の塩の製造方法である。
【0013】本発明において使用される、アミノチアゾ
ール酢酸誘導体エステルは、上記一般式(I)で示され
る化合物を何等制限なく使用する事ができる。上記一般
式(I)においてR1で示される保護された水酸基は、
公知のものが何等制限されることなく使用される。具体
的に例を挙げて説明すると、メトキシ基、エトキシ基、
n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の
アルコキシ基、メトキシメトキシ基、メチルチオメトキ
シ基、メトキシエトキシメトキシ基、テトラヒドロピラ
ニルオキシ基、1−エトキシエトキシ基等の置換アルコ
キシ基、トリフェニルメチルオキシ基、ベンジルオキシ
基等のアラルキルオキシ基、フェノキシ基、トルイルオ
キシ基等のアリーロキシ基、トリメチルシリルオキシ
基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基等の置換シリル
オキシ基、カルボキシメトキシ基、カルボキシ−2−プ
ロポキシ基等のカルボキシアルコキシ基等を挙げること
ができる。中でも、化合物の安定性等より、メトキシ
基、エトキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ
基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基が好適に用いられ
る。
【0014】上記一般式(I)において、R2で示され
るアルキル基は、公知のものが何等制限なく使用され
る。具体的に例を挙げて説明すると、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、シクロ
ヘキシル基、ベンジル基等を挙げることが出きる。中で
も、加水分解反応後に生成するアルコールの除去の容易
さ等から、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル
基等、炭素数1から4のアルキル基が好適に用いられ
る。
【0015】上記一般式(I)に示すR1基は、シン及
びアンチの両異性体が存在し得るが、本発明において
は、各々の異性体を単独で用いても、混合物で用いても
全く差し支えない。
【0016】本発明において、用い得る上記一般式
(I)で示されるアミノチアゾール酢酸誘導体エステル
を具体的に例を挙げて説明すると、2−(2−アミノ−
4−チアゾリル)−2−メトキシイミノ酢酸メチル、2
−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−メトキシイミ
ノ酢酸エチル、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−
2−メトキシイミノ酢酸イソプロピル、2−(2−アミ
ノ−4−チアゾリル)−2−トリフェニルメチルオキシ
イミノ酢酸エチル、2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル)−2−(1−カルボキシメトキシ)イミノ酢酸エチ
ル、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−(2−
カルボキシ−2−プロポキシ)−イミノ酢酸エチル等を
挙げる事ができる。
【0017】本発明において、上記一般式(I)で示さ
れるアミノチアゾール酢酸誘導体エステルと反応させる
ジアルキルジカーボネートは、公知のものが何等制限さ
れる事なく使用される。具体的に例を挙げて説明する
と、ジメチルジカーボネート、ジエチルジカーボネー
ト、ジイソプロピルジカーボネート、ジイソブチルジカ
ーボネート、ジ−t−ブチルジカーボネート、ジ−t−
アミルジカーボネート等を挙げる事ができる。特にジ−
t−ブチルジカーボネートが、保護反応、脱保護反応の
容易さ等から好適に用いられる。
【0018】ジアルキルジカーボネートの使用量は、保
護される官能基に対して1当量以上であれば何等制限な
く用いることができるが、経済性等を勘案して、1〜
1.5当量の範囲で用いるのが好適である。
【0019】上記一般式(I)とジアルキルジカーボネ
ートとの反応は、一般に3級アミン触媒存在下に容易に
進行する。用いられる触媒としては、公知の化合物を何
等制限なく用いる事ができる。本発明において、好適に
使用できる触媒を具体的に例を挙げて説明すると、ピリ
ジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、4−N,
N−ジエチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジ
ン、N,N−ジメチルベンジルアミン等の芳香族3級ア
ミン類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,
N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジア
ミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−エ
チレンジアミン等の脂肪族3級アミン類を挙げることが
できる。また、これらの中でもアルコキシカルボニル化
反応の選択性等より、N,N,N’,N’−テトラメチ
ル−1,2−エチレンジアミン、N,N,N’,N’−
テトラエチル−1,2−エチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラエチル−1,3−プロパンジアミ
ン、N,N−ジメチルベンジルアミン、4−N,N−ジ
メチルアミノピリジン等が特に好適に使用できる。これ
らの触媒は、単一で用いてもよく、また、2種類以上を
混合して用いてもよい。
【0020】これら触媒の上記一般式(I)で示される
化合物1当量に対する使用量は、特に制限されるもので
はないが、目的物の収率や、反応後の触媒の除去等を考
えると、0.0001〜0.5当量、さらには、0.0
05〜0.1当量の範囲であることが好ましい。
【0021】上記反応は通常溶媒中で行われる。溶媒と
しては、公知のものが何等制限される事なく用いられ
る。用いられる溶媒を例を挙げて説明すると、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペン
タン等の脂肪族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリ
ル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等のアミド類、2−メチル−2−プロパノール等のアル
コール類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、ジメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネー
ト類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキ
サン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸
ブチル等のエステル類等の有機溶媒類、及び水を挙げる
事ができる。中でもジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート等のカーボネート類、アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドン等のアミド類、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル等のエステル類等、分子内にカルボニル
基を有する溶媒及び、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル等のエーテル類が、目的物の選択
率が高いため好適に用いられる。さらには、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート類
が、加水分解工程で分解され、アルコールと炭酸塩とな
り容易に生成物から除去されるため、好適に用いられ
る。これらの溶媒は、単一で使用してもよく、また、2
種類以上の混合溶媒で使用しても全く差し支えない。
【0022】溶媒の使用量は、特に制限されるものでは
なく、溶媒を用いずに反応させる事も可能であるが、攪
拌の容易さ、経済性等を勘案すると、上記一般式(I)
で示される化合物100重量部に対して、10重量部〜
1000重量部の範囲で用いる事が好適であり、さらに
は、80重量部〜200重量部の範囲で用いる事が好ま
しい。
【0023】これらの原料を反応させる方法は何等制限
されるものではないが、上記一般式(I)で示される化
合物、触媒を溶媒で懸濁させた液に、ジアルキルジカー
ボネートを加える方法が好ましい。
【0024】この反応における反応温度は、何等制限さ
れるものではないが、あまり温度が低いと系全体が凝固
したり、十分な反応速度が得られず、逆に温度が高すぎ
ると、生成物が分解するため、通常、系の凝固点〜80
℃の範囲、さらには0〜50℃の範囲で行うのが好まし
い。
【0025】反応は常圧、加圧、減圧のいずれでも実施
可能であり、反応に要する時間は、反応温度、溶媒の種
類によっても異なるが、通常は、0.1〜30時間の反
応で十分である。
【0026】本発明の最大の特徴は、上記反応の反応生
成物を精製する事なく加水分解する点である。即ち、上
記方法により合成したアルコキシカルボニルアミノチア
ゾール酢酸誘導体エステルは、一般に副生成物を含む
が、精製する事無く加水分解反応を行う事によって、上
記一般式(II)で示されるアルコキシカルボニルアミノ
チアゾール酢酸誘導体の塩を収率良く、高純度で合成す
る事ができる。
【0027】本発明において、アルコキシカルボニルア
ミノチアゾール酢酸誘導体エステルを精製する目的で、
晶析、酸処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、
吸着剤による吸着等の処理を行うと、工程が煩雑になる
のみでなく、それらの処理により収率の低下及び、処理
に伴い、アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘
導体エステルの分解物が混入し、好ましくない。
【0028】本発明では、得られたアルコキシカルボニ
ルアミノチアゾール酢酸誘導体エステルを精製する事無
く、塩基と反応させて加水分解反応を行うが、この加水
分解反応に用いる塩基は、何等制限されるものではな
い。例を挙げて説明すると、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物
類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカ
リ土類金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素カリウム、炭酸水
素ナトリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類等が好適に使
用される。中でも、良好な反応時間を考慮すると、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好適に用いられ
る。
【0029】加水分解反応に用いる塩基の量は、アルコ
キシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体エステルに
対して、等量以上であればよいが、経済性等を勘案する
と、アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体
エステル1当量に対して、1〜5当量の範囲で用いるの
が好ましい。また、アルコキシカルボニルアミノチアゾ
ール酢酸誘導体エステル以外に塩基を消費する化合物が
系中に存在する場合には、アルコキシカルボニルアミノ
チアゾール酢酸誘導体エステル以外の塩基を消費する化
合物の量を定量し、その化合物の分解に必要な塩基を余
分に加えれば良い。具体的に例を挙げて説明すると、炭
酸ジメチルを溶媒に用いた場合等では、溶媒留去を行っ
た後、残存炭酸ジメチル量を定量し、残存した炭酸ジメ
チルの分解に消費される塩基量を余分に加えて反応すれ
ばよい。
【0030】加水分解に使用される水の使用量は、何等
制限されるものではないが、反応速度、経済性等を勘案
すると、アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘
導体エステル100重量部に対して、100重量部〜1
000重量部用いることが好適である。
【0031】加水分解反応の溶媒は、通常の溶媒が何等
制限なく用いることができる。それらを例を挙げて具体
的に説明すると、メタノール、エタノール、プロパノー
ル等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等
のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ヘキ
サン、ヘプタン、ペンタン等の炭化水素類、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
類、水等の無機溶媒等を挙げる事ができる。反応速度等
を勘案すると、これらの溶媒の中でも特に、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセ
トン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類等、
水と相溶性のある溶媒及び水を好適に用いることができ
る。さらには、溶媒留去が容易な水より低い沸点を持つ
メタノール、エタノール等のアルコール類が特に好適に
用いられる。
【0032】これらの溶媒は単一で使用しても良く、ま
た、2種類以上の混合溶媒で使用しても良い。アルコキ
シカルボニル化反応の溶媒をそのまま用いても良いし、
アルコキシカルボニル化反応に用いた溶媒を留去して他
の溶媒を用いてもよいし、アルコキシカルボニル化反応
の反応液に他の溶媒を加えて反応しても一向に差し支え
ない。
【0033】これらの成分を接触させる方法は何等制限
されるものではない。例を挙げて説明すると、アルコキ
シカルボニル化反応物に塩基の水溶液を加えても良い
し、塩基を直接加えても良い。また、塩基を溶媒に懸濁
させた中にアルコキシカルボニル化物を加えても一向に
差し支えない。
【0034】この加水分解反応における反応温度は、何
等制限されるものではないが、あまり温度が低いと系全
体が凝固したり十分な反応速度が得られず、逆に温度が
高すぎると生成物が分解するため、通常系の凝固点〜8
0℃の範囲、さらには0〜60℃の範囲で行うのが好ま
しい。
【0035】反応は常圧、加圧、減圧のいずれでも実施
可能であり、反応に要する時間は、反応温度、溶媒の種
類によっても異なるが、通常は、0.1〜50時間の反
応で十分である。
【0036】このようにして、得られた上記一般式(I
I)で示されるアルコキシカルボニルアミノチアゾール
酢酸誘導体の塩は、その後中和してアルコキシカルボニ
ルアミノチアゾール酢酸誘導体とすることもできる。
【0037】このようにして、上記一般式(II)で示さ
れるアルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体
の塩を工業的に有利に製造することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、精製操作を行うことな
く、簡便な操作で、上記一般式(II)で示されるアルコ
キシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体の塩を高収
率で得ることができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例および比較例を掲げて本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるもので
はない。
【0040】実施例1 4つ口フラスコに、(Z)−2−(2−アミノ−4−チ
アゾリル)−2−メトキシイミノ酢酸エチルエステル3
08.9g(1.35mol)と炭酸ジメチル340m
Lとの懸濁液を調製し、25℃で攪拌しながら、N,
N,N’,N’−テトラメチル−1,2−エチレンジア
ミン1.57g(13.5mmol)、ジ−t−ブチル
ジカーボネート323.5g(1.48mol)を加
え、室温で15時間攪拌した。次に、溶媒を室温で減圧
留去し粘調なオイルを得た。このオイルの炭酸ジメチル
残留量をガスクロマトグラフィを用いてを定量したとこ
ろ、0.6molの炭酸ジメチルが残留していた。この
オイルにメタノール1200mlと,水酸化ナトリウム
210.0g(5.25mol)を水1200mlに溶
解させた水溶液とを加え、40℃で15時間攪拌し、反
応させた。この反応液を高速液体クロマトグラフ(以下
HPLCと略す)で分析したところ、目的の(Z)−2
−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−チアゾリ
ル)−2−メトキシイミノ酢酸ナトリウムの純度は9
8.9%であった。また、このナトリウム塩を濃塩酸で
中和後、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧留去して、
(Z)−2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−4
−チアゾリル)−2−メトキシイミノ酢酸として37
8.7g(1.26mol)を得た。収率は、93.3
%であった。
【0041】比較例1 実施例1と同様にして、t−ブトキシカルボニル化を行
った後、反応液に0.5N塩酸1500mlを加え、炭
酸ジメチル層を分取した。この炭酸ジメチル層を食塩水
で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した後、残渣にエ
タノール600mlを加えて再濃縮した。こうして得ら
れた残渣を、実施例1と同様に加水分解し、(Z)−2
−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−チアゾリ
ル)−2−メトキシイミノ酢酸ナトリウムの純度をHP
LCで同様に測定したところ、91.2%であった。ま
た、このナトリウム塩を濃塩酸で中和後、酢酸エチルで
抽出し、溶媒を減圧留去して、(Z)−2−(2−t−
ブトキシカルボニルアミノ−4−チアゾリル)−2−メ
トキシイミノ酢酸として358.4gを得た。収率は、
88.1%であった。
【0042】実施例2〜5 アミノチアゾール酢酸誘導体エステルとして、表1に示
した化合物を用い、対応するアルコキシカルボニルアミ
ノチアゾール酢酸誘導体の塩を得た以外は、実施例1と
同様に反応を行った。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】実施例6〜8 ジアルキルジカーボネートとして、表2に示した化合物
を用いた以外、実施例1と同様に反応を行った。結果を
表2に示した。
【0045】
【表2】
【0046】実施例9〜10 触媒として、表3に示す化合物を用いた以外、実施例1
と同様に行った。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 (但し、R1は、水酸基または保護された水酸基、R
    2は、アルキル基であり、波線は、シンまたはアンチ異
    性体を表す。)で示されるアミノチアゾール酢酸誘導体
    エステルとジアルキルジカーボネートとを反応させた
    後、生成物を精製することなく塩基により加水分解する
    ことを特徴とする下記一般式(II) 【化2】 (但し、R3は、水酸基または保護された水酸基、R
    4は、アルコキシカルボニル基、Mは、アルカリ金属原
    子であり、波線は、シンまたはアンチ異性体を表す。)
    で示されるアルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸
    誘導体の塩の製造方法。
JP7069415A 1995-03-28 1995-03-28 アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体の塩の製造方法 Withdrawn JPH08269025A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0781769A1 (en) * 1995-12-25 1997-07-02 Tokuyama Corporation Process for production of alkoxycarbonylaminothiazole acetic acid derivative

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