JP2845789B2 - アミノチアゾール酢酸誘導体の製造方法 - Google Patents

アミノチアゾール酢酸誘導体の製造方法

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JP2845789B2 JP7337440A JP33744095A JP2845789B2 JP 2845789 B2 JP2845789 B2 JP 2845789B2 JP 7337440 A JP7337440 A JP 7337440A JP 33744095 A JP33744095 A JP 33744095A JP 2845789 B2 JP2845789 B2 JP 2845789B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D277/00Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings
    • C07D277/02Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings
    • C07D277/20Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D277/587Heterocyclic compounds containing 1,3-thiazole or hydrogenated 1,3-thiazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with aliphatic hydrocarbon radicals substituted by carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms, said aliphatic radicals being substituted in the alpha-position to the ring by a hetero atom, e.g. with m >= 0, Z being a singly or a doubly bound hetero atom

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコキシカルボ
ニルアミノチアゾール酢酸誘導体を工業的に有利に製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノチアゾール酢酸誘導体、例えば2
−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロキシイ
ミノ酢酸は、医薬品の中間体として有用な化合物であ
り、セファロスポリン系等の抗生物質の側鎖等に用いら
れる。上記化合物は、β−ラクタム系化合物、例えば7
−アミノセファロスポラン酸等とアミド化反応によって
結合され、セファロスポリン系抗生物質の基本骨格とな
る。
【0003】その際、上記のアミノチアゾール酢酸誘導
体のアミノ基が、該化合物のカルボキシル基と分子間反
応をおこすことを防ぐために、該化合物のアミノ基を何
らかの保護基で保護した化合物が用いられる。この保護
基としては、アルコキシカルボニル基、例えばt−ブト
キシカルボニル基等が、保護反応が簡便で、かつ脱保護
反応も容易であるため好適に用いられている。
【0004】アミノ基の保護されたアミノチアゾール酢
酸誘導体の合成方法としては、例えば2−(2−アミノ
−4−チアゾリル)−2−メトキシイミノ酢酸エチルエ
ステルのようなアミノチアゾール酢酸誘導体エステルに
対してハロゲン化炭化水素を溶媒として用い、ジ−t−
ブチルジカーボネートを反応させて、アミノ基及び水酸
基が共に保護された化合物を得、精製操作を行った後、
過剰の塩基にて加水分解し、その後、反応液に塩酸を加
えて中和を行い、(Z)−2−(2−t−ブトキシカル
ボニルアミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロキシイミ
ノ酢酸ナトリウムを得る方法が知られている(特開平5
−59066号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法によりアルコキシカルボニルアミノチアゾー
ル酢酸誘導体を製造すると、溶媒として用いるハロゲン
化アルキルの有害性が問題となるのみではなく、アミノ
チアゾール酢酸誘導体エステルとジアルキルジカーボネ
ートとの反応(以下、アルコキシカルボニル化反応と略
す)の副反応によりジアルキルジカーボネートが過剰に
必要となり経済的ではない上に、精製操作が必要なた
め、製造を効率的に行うことができないという問題があ
った。
【0006】この問題を解決する方法として、ジアルキ
ルカーボネートの存在下に反応を行うと、アルコキシカ
ルボニル化反応が高い選択性で進むことを既に報告して
いる。(特願平5ー141926)。
【0007】しかしながら、このジアルキルカーボネー
トを用いてアルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸
誘導体エステルを得、続いて加水分解を行ってアルコキ
シカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体を製造する
際、激しい発泡が生じ、液面が上昇するため、釜収量が
高くならないという問題が生じる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる技
術の問題を解決すべく鋭意検討した。その結果、アルコ
キシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体エステル
加水分解する際の副反応であるジアルキルカーボネート
の加水分解によって主に生成する炭酸塩が上記中和反応
における発泡の原因であるという知見を得た。そして、
上記知見に基づき更に検討を重ねた結果、アルコキシカ
ルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体エステルの加水分
解反応終了時に、該副生する炭酸塩を分離することによ
り、該問題点を解決し得ること、また、ジアルキルカー
ボネートを炭酸塩として効率的に分離できることを見い
出し本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、下記一般式(I)
【0010】
【化4】
【0011】(但し、R1は、保護された水酸基、R
2は、アルキル基であり、波線の結合は、シンまたはア
ンチ異性体を表す。)で示されるアミノチアゾール酢酸
誘導体エステルと、ジアルキルジカーボネートとを、ジ
アルキルカーボネートよりなる溶媒中で反応させ、下記
一般式(II)
【0012】
【化5】
【0013】(但し、R1は、保護された水酸基、R
2は、アルキル基、R3は、アルコキシカルボニル基であ
り、波線の結合は、シンまたはアンチ異性体を表す。)
で示されるアルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸
誘導体エステルを得た後、得られた反応液中の上記一般
式(II)で示すアルコキシカルボニルアミノチアゾール
酢酸誘導体エステルを塩基を用いて加水分解し、副生す
る炭酸塩を分離した後に残余の塩基を中和することを特
徴とする、下記一般式(III)
【0014】
【化6】
【0015】(但し、R1は、保護された水酸基、R
3は、アルコキシカルボニル基であり、波線の結合は、
シンまたはアンチ異性体を表す。)で示されるアルコキ
シカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体の製造方法で
ある。
【0016】本発明において使用される、アミノチアゾ
ール酢酸誘導体エステルは、上記一般式(I)で示され
る化合物を何等制限なく使用することができる。ここ
で、上記一般式(I)においてR1で示される保護された
水酸基は、公知のものが何等制限されることなく使用さ
れる。具体的に例を挙げて説明すると、メトキシ基、エ
トキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブト
キシ基等のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メチル
チオメトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、テトラ
ヒドロピラニルオキシ基、1−エトキシエトキシ基等の
置換アルコキシ基、トリフェニルメチルオキシ基、ベン
ジルオキシ基等のアラルキルオキシ基、フェノキシ基、
トルイルオキシ基等のアリーロキシ基、トリメチルシリ
ルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基等の置
換シリルオキシ基、カルボキシメトキシ基、カルボキシ
−2−プロポキシ基等のカルボキシアルコキシ基等を挙
げることができる。中でも、化合物の安定性等より、メ
トキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基が好適に用いられ
る。
【0017】上記一般式(I)において、R2で示される
アルキル基は、公知のものが何等制限なく使用される。
具体的に例を挙げて説明すると、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、シクロヘキ
シル基等を挙げることができる。
【0018】中でも、加水分解反応後に生成するアルコ
ールの除去の容易さ等から、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチ
ル基、t−ブチル基等、炭素数1から4のアルキル基が
好適に用いられる。
【0019】上記一般式(I)に示すR1基は、シン及
びアンチの両異性体が存在し得るが、本発明において
は、各々の異性体を単独で用いても、混合物で用いても
全く差し支えない。
【0020】本発明において、用い得る上記一般式
(I)で示されるアミノチアゾール酢酸誘導体エステル
を具体的に例を挙げて説明すると、2−(2−アミノ−
4−チアゾリル)−2−メトキシイミノ酢酸メチル、2
−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−メトキシイミ
ノ酢酸エチル、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−
2−メトキシイミノ酢酸イソプロピル、2−(2−アミ
ノ−4−チアゾリル)−2−トリフェニルメチルオキシ
イミノ酢酸エチル、2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル)−2−(1−カルボキシメトキシ)イミノ酢酸エチ
ル、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−(2−
カルボキシ−2−プロポキシ)−イミノ酢酸エチル等を
挙げることができる。
【0021】本発明において、上記一般式(I)で示さ
れるアミノチアゾール酢酸誘導体エステルと反応させる
ジアルキルジカーボネートは、公知のものが何等制限な
く使用される。具体的に例を挙げて説明すると、ジメチ
ルジカーボネート、ジエチルジカーボネート、ジイソプ
ロピルジカーボネート、ジイソブチルジカーボネート、
ジ−t−ブチルジカーボネート、ジ−t−アミルジカー
ボネート等を挙げることができる。
【0022】中でも特にジ−t−ブチルジカーボネート
が、保護反応、脱保護反応の容易さ等から好適に用いら
れる。
【0023】ジアルキルジカーボネートの使用量は、保
護される官能基に対して1当量以上であれば何等制限な
く用いることができるが、経済性等を勘案して、1〜
1.5当量の範囲で用いるのが好適である。
【0024】上記一般式(I)で示されるアミノチアゾ
ール酢酸誘導体エステルとジアルキルジカーボネートと
の反応は、そのままでも進行するが、一般に3級アミン
触媒の存在下に行うことにより、一層容易に進行するた
めに好ましい。用いられる触媒としては、公知の化合物
を何等制限なく用いることができる。
【0025】本発明において、好適に使用できる触媒を
具体的に例を挙げて説明すると、ピリジン、4−N,N
−ジメチルアミノピリジン、4−N,N−ジエチルアミ
ノピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,N−ジメチ
ルベンジルアミン等の芳香族3級アミン類、トリエチル
アミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テト
ラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,
N’−テトラメチル−1,2−エチレンジアミン等の脂
肪族3級アミン類、N−メチルモルフォリン、1,4−
ジメチルピペラジン等の環状脂肪族3級アミン類等を挙
げることができる。また、これらの中でもアルコキシカ
ルボニル化反応の選択性等より、N,N,N’,N’−
テトラメチル−1,2−エチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラエチル−1,2−エチレンジアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,3−プロ
パンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、4−
N,N−ジメチルアミノピリジン等が特に好適に使用で
きる。これらの触媒は、単一で用いてもよく、また、2
種類以上を混合して用いてもよい。これら触媒の上記一
般式(I)で示されるアミノチアゾール酢酸誘導体エス
テル1当量に対する使用量は、特に制限されるものでは
ないが、目的物の収率や、反応後の触媒の除去等を考え
ると、0.0001〜0.5当量、さらには、0.00
5〜0.1当量の範囲であることが好ましい。
【0026】上記反応は通常溶媒中で行われる。溶媒と
しては、ジアルキルカーボネートを用いることが、目的
物の選択率を高めるために必要である。
【0027】本発明において好適に用いられるジアルキ
ルカーボネートを例を挙げて説明すると、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネ
ート、等を挙げることができる。
【0028】中でも特にジメチルカーボネートが沸点が
低く扱いが容易であるため好適に用いられる。
【0029】このジアルキルジカーボネートの使用量
は、上記一般式(I)で示されるアミノチアゾール酢酸
誘導体エステル1モルに対し、1モル当量以上存在する
必要がある。1モル当量より少ないと、目的物の選択率
が低くなり、ジアルキルジカーボネートの必要量が増加
するのみでなく、副生物が増加する傾向がある。
【0030】溶媒としては、ジアルキルカーボネートを
単独で用いても良いし、他の溶媒と混合して用いても差
し支えない。
【0031】上記のジアルキルカーボネートを必須とす
る溶媒の使用量は、特に制限されるものではなく、攪拌
の容易さ、経済性等を勘案すると、上記一般式(I)で
示されるアミノチアゾール酢酸誘導体エステル100重
量部に対して、10重量部〜1000重量部の範囲で用
いることが好適であり、さらには、80重量部〜200
重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0032】これらの原料を反応させる方法は何等制限
されるものではないが、上記一般式(I)で示されるア
ミノチアゾール酢酸誘導体エステル及び触媒を溶媒に懸
濁させた液に、ジアルキルジカーボネートを加える方法
が好ましい。
【0033】この反応における反応温度は、何等制限さ
れるものではないが、あまり温度が低いと系全体が凝固
したり、十分な反応速度が得られず、また、逆に温度が
高すぎると、ジアルキルジカーボネートが分解するた
め、通常、系の凝固点〜80℃の範囲、さらには0〜5
0℃の範囲で行うのが好ましい。反応は常圧、加圧、減
圧のいずれでも実施可能であり、反応に要する時間は、
反応温度、溶媒の種類によっても異なるが、通常は、
0.1〜30時間の反応で十分である。
【0034】以上の反応により、前記一般式(II)で示
されるアルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導
体エステルが得られる。
【0035】本発明において、前記一般式(II)で示さ
れるアルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体
エステルを、精製操作を行うことなく次の加水分解反応
を行い、中和することにより、簡便に高収率で前記一般
式(III)に示されるアルコキシカルボニルアミノチア
ゾール酢酸誘導体を得ることができる。
【0036】即ち、生成したアルコキシカルボニルアミ
ノチアゾール酢酸誘導体エステルを精製する目的で、晶
析、酸処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、吸
着剤による吸着等の処理を行うと、工程が煩雑になるの
みでなく、それらの処理により収率の低下及び、処理に
伴い、アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導
体エステルの分解物が混入し好ましくない。
【0037】本発明においては、得られたアルコキシカ
ルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体エステルを精製す
ること無く、塩基と反応させて加水分解反応を行う。こ
の加水分解反応に用いる塩基は、何等制限されるもので
はない。例を挙げて説明すると、水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアル
カリ土類金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素カリウム、炭酸
水素ナトリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類等が好適に
使用される。中でも、良好な反応時間等を考慮すると、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好適に用いら
れる。
【0038】加水分解反応に用いる塩基の量は、アルコ
キシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体エステルに
対して、等量以上であればよいが、経済性等を勘案する
と、アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体
エステル1当量に対して、1〜5当量の範囲で用いるの
が好ましい。また、ジアルキルカーボネートは、塩基を
消費するので、ジアルキルカーボネートの量を定量し、
そのジアルキルカーボネートの分解に必要な塩基を余分
に加えれば良い。具体的に例を挙げて説明すると、炭酸
ジメチルを溶媒に用いた場合等では、溶媒留去を行った
後、残存炭酸ジメチル量を定量し、残存した炭酸ジメチ
ルの分解に消費される塩基量を余分に加えて反応すれば
よい。
【0039】加水分解に使用される水の使用量は、何等
制限されるものではないが、反応速度、経済性等を勘案
すると、アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘
導体エステル100重量部に対して、100重量部〜1
000重量部用いることが好適である。
【0040】加水分解反応の溶媒は、通常の溶媒が何等
制限なく用いることができる。それらを例を挙げて具体
的に説明すると、メタノール、エタノール、プロパノー
ル等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等
のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ヘキ
サン、ヘプタン、ペンタン等の炭化水素類等を挙げるこ
とができる。反応速度等を勘案すると、これらの溶媒の
中でも特に、メタノール、エタノール、プロパノール等
のアルコール類、アセトン等のケトン類、アセトニトリ
ル等のニトリル類等、水と相溶性のある溶媒を好適に用
いることができる。
【0041】これらの溶媒は単一で使用しても良く、ま
た、2種類以上の混合溶媒で使用しても良い。アルコキ
シカルボニル化反応の溶媒をそのまま用いても良いし、
アルコキシカルボニル化反応の反応液に他の溶媒を加え
て反応しても良い。アルコキシカルボニル化反応に用い
た溶媒を留去により減少させ他の溶媒を加えて用いても
よいが、溶媒を完全に留去するのは困難で煩雑になる上
に、無理に留去しようとすると、熱により分解がおこる
ため、容易に留去できる量のみ留去して、残る溶媒は、
残してそのまま加水分解するのが好ましい。
【0042】これらの成分を接触させる方法は何等制限
されるものではない。例を挙げて説明すると、アルコキ
シカルボニル化反応物に塩基の水溶液を加えても良い
し、塩基を直接加えても良い。また、塩基を溶媒に懸濁
させた中にアルコキシカルボニル化物を加えても一向に
差し支えない。
【0043】この加水分解反応における反応温度は、何
等制限されるものではないが、あまり温度が低いと系全
体が凝固したり十分な反応速度が得られず、逆に温度が
高すぎると生成物が分解するため、通常系の凝固点〜8
0℃の範囲、さらには0〜60℃の範囲で行うのが好ま
しい。反応は常圧、加圧、減圧のいずれでも実施可能で
あり、反応に要する時間は、反応温度、溶媒の種類によ
っても異なるが、通常は、0.1〜50時間の反応で十
分である。
【0044】本発明の最大の特徴は、上記加水分解反応
において副生した炭酸塩を分離した後、次工程の残余の
塩基を中和することにある。即ち、上記方法により合成
したアルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸の塩
は、一般に残留するアルキルカーボネートに由来した炭
酸塩を含むが、この炭酸塩を分離した後に、残余の塩基
を中和することにより、上記一般式(III)で示される
アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体を、
簡便に、高い釜収量で、なおかつ安全に合成することが
できる。
【0045】本発明において、副生する炭酸塩を分離す
る方法は、何等制限なく用いることができる。それらを
例を挙げて具体的に説明すると、反応液を加圧濾過、減
圧濾過、遠心濾過、自然濾過等の濾過法、デカンテーシ
ョン、遠心沈降分離等の沈降分離法、有機溶媒等によ
り、アルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体
の塩を抽出する逆抽出法等を挙げることができる。
【0046】本発明において、中和反応に用いる溶媒
は、炭酸塩を分離した液をそのまま用いて中和を行うの
が簡便であり特に好適であるが、他の溶媒を用いても何
等さしつかえない。具体的に例を挙げて説明すると、有
機溶媒では、メタノール、エタノール等のアルコール
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチル
スルフォキシド等のスルフォキシド類、アセトニトリル
等のニトリル類、トリエチルアミン等のアミン類等が好
適に用いられ、無機溶媒では水が好適に用いられる。
【0047】本発明では、得られたアルコキシカルボニ
ルアミノチアゾール酢酸誘導体の塩を酸で中和するが、
この時用いられる酸は、公知のものが何等制限なく使用
される。具体的に例を挙げて説明すると、塩酸、硝酸、
硫酸、燐酸等の無機酸類、蟻酸、酢酸、クエン酸、トリ
フルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類等
を挙げることができる。これらの酸の中でも、反応後の
処理の容易さ等を考慮すると、塩酸、硫酸が好適に使用
される。
【0048】本発明で使用する酸の量は、反応系中に存
在する塩基を中和するのに十分な量であれば何等制限さ
れるものではないが、多すぎると生成物が分解するた
め、中和終了時の反応液のpHが1〜6、好ましくは、
1.5〜5になるような量を加えるのがよい。
【0049】本発明において、この中和反応を行う温度
は何等制限されるものではないが、あまり温度が低すぎ
ると溶液が凝固してしまい、逆に高すぎると生成物が分
解してしまうため、通常溶液の凝固点〜100℃、好ま
しくは、溶液の凝固点〜50℃で行うのが好適である。
【0050】本発明において、この中和反応は、常圧、
加圧、減圧のいずれの場合も実施可能である。
【0051】このようにして生成したアルコキシカルボ
ニルアミノチアゾール酢酸誘導体のの分離方法は、公知
の方法が何等制限なく用いられる。具体的に例を挙げて
説明すると、自然濾過、加圧濾過、減圧濾過等の濾過方
法、デカンテーション、遠心分離等の方法等の固液分離
法、有機溶媒を用いた抽出法等を挙げることができる。
【0052】このようにして、上記一般式(III)で示
されるアルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導
体を工業的に有利に、途中分離せず安全に製造すること
ができる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、溶媒として、前記ジア
ルキルカーボネートを使用することにより、ジアルキル
ジカーボネートの使用量が少なく経済的であり、また、
途中で該ジアルキルカーボネートを加水分解反応時に分
離せずに、炭酸塩として除去が可能であるため、煩雑な
分離操作が可能であり、しかも、該炭酸塩を上記加水分
解終了後、中和反応の前に除去することにより、該中和
反応における液面の上昇等の問題なく安全に上記一般式
(III)で示されるアルコキシカルボニルアミノチアゾ
ール酢酸誘導体を高収率、高釜収率で得ることができ
る。
【0054】
【実施例】以下、実施例および比較例を掲げて本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるもので
はない。
【0055】実施例14つ口フラスコに、(Z)−2−
(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−メトキシイミノ
酢酸エチルエステル22.9g(0.10mol)と炭
酸ジメチル25mlとの懸濁液を調製し、40℃で攪拌
しながら、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2
−エチレンジアミン0.12g(1.0mmol)、ジ
−t−ブチルジカーボネート24.0g(0.11mo
l)を加え、室温で15時間攪拌した。この反応液にメ
タノール50mlと,水酸化ナトリウム31.7g
(0.79mol)を水50mlに溶解させた水溶液と
を加え、40℃で15時間攪拌し、室温まで冷却した
後、析出している炭酸塩を濾過した。この濾液を濃塩酸
で中和したところ、発泡はほとんどなく、最大液量は、
130mlであった。この液を酢酸エチルで抽出し、溶
媒を減圧留去して、(Z)−2−(2−t−ブトキシカ
ルボニルアミノ−4−チアゾリル)−2−メトキシイミ
ノ酢酸として28.1g(0.093mol)を得た。
収率は、93.3%であった。
【0056】比較例1析出した炭酸塩を濾過しなかった
こと以外、実施例1と同様に反応を行ったところ、中和
時に激しく発泡し、最大液量は、1500mlであっ
た。収率は89.2%であった。
【0057】実施例2〜8原料として表1に示されるア
ミノチアゾール酢酸誘導体エステルを用い、表1に示す
化合物を得た以外、実施例1と同様に行った。結果を表
1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】実施例9〜11ジアルキルジカーボネート
として表2に示す化合物を用い、表2に示す化合物を得
た以外、実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に
示す。
【0060】
【表2】
【0061】実施例12ジアルキルカーボネートとして
ジエチルカーボネートを用いた以外実施例1と同様に反
応を行ったところ、中和時の発泡はほとんどなく、最大
液量は130mlであった。また、実施例1と同様に処
理を行い、(Z)−2−(2−t−ブトキシカルボニル
アミノ−4−チアゾリル)−2−メトキシイミノ酢酸を
93.1%の収率で得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 277/593 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 (但し、R1は、保護された水酸基、R2は、アルキル基
    であり、波線の結合は、シンまたはアンチ異性体を表
    す。)で示されるアミノチアゾール酢酸誘導体エステル
    と、ジアルキルジカーボネートとを、ジアルキルカーボ
    ネートよりなる溶媒中で反応させ、下記一般式(II) 【化2】 (但し、R1は、保護された水酸基、R2は、アルキル
    基、R3は、アルコキシカルボニル基であり、波線の結
    合は、シンまたはアンチ異性体を表す。)で示されるア
    ルコキシカルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体エステ
    ルを得、次いで、得られた反応液中の上記アルコキシカ
    ルボニルアミノチアゾール酢酸誘導体エステルを塩基を
    用いて加水分解し、該加水分解反応において副生する炭
    酸塩を分離した後に残余の塩基を中和することを特徴と
    する、下記一般式(III) 【化3】 (但し、R1は、保護された水酸基、R3は、アルコキシ
    カルボニル基であり、波線の結合は、シンまたはアンチ
    異性体を表す。)で示されるアルコキシカルボニルアミ
    ノチアゾール酢酸誘導体の製造方法。
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