JPH06345736A - ウレタン化合物を製造する方法 - Google Patents

ウレタン化合物を製造する方法

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JPH06345736A
JPH06345736A JP5141926A JP14192693A JPH06345736A JP H06345736 A JPH06345736 A JP H06345736A JP 5141926 A JP5141926 A JP 5141926A JP 14192693 A JP14192693 A JP 14192693A JP H06345736 A JPH06345736 A JP H06345736A
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JP
Japan
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amino
group
dicarbonate
urethane compound
compound
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JP5141926A
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English (en)
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Shinichiro Koyanagi
信一郎 小柳
Shozo Tsuchiya
正三 土屋
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
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  • Nitrogen- Or Sulfur-Containing Heterocyclic Ring Compounds With Rings Of Six Or More Members (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 副生物の生成を抑え、温和な条件下でウレタ
ン化合物を高収率で得る方法を提供する。 【構成】 アミノ基を有し且つヘテロ原子として窒素原
子を含む複素環化合物を、脂肪族第3アミン又はアルキ
レン基を介して窒素原子に芳香環が結合した芳香族第3
アミンの存在下に、有機溶媒中で、下記式(I) 【化1】 (但し、R1 は、アルキル基、アルケニル基またはアラ
ルキル基である。)で示されるジカーボネートと反応さ
せてウレタン化合物を生成させた後、得られた反応溶液
と貧溶媒とを混合することにより、該ウレタン化合物を
晶析させることを特徴とするウレタン化合物の製造方
法。 【効果】 原料であるジカーボネートを有効に使用し、
副生物の生成を伴うことなく、温和な条件下でウレタン
化合物を高純度、高収率で得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミノ基を有する化合
物とジカーボネートとを反応させてウレタン化合物を工
業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノ基を有し、且つヘテロ原子として
窒素原子を含む複素環化合物から誘導されるウレタン化
合物は、医薬品製造の中間体として有用であり、例えば
セフェム系、セファロスポリン等の抗生物質の側鎖とし
て用いられる重要な化合物である。従来、アミノ基を有
する化合物とジカーボネートとを反応させてウレタン化
合物を製造する方法は知られている。例えば、2−アミ
ノ−4−チアゾールマロン酸ジエチルエステルのよう
な、アミノ基を有し、且つヘテロ原子として窒素原子を
含む複素環化合物と、2.25倍当量のジアルキルジカ
ーボネートとを、80℃にて一夜加熱し、その後反応液
を酢酸エチルで薄め、希塩酸、炭酸水素ナトリウム水及
び水で洗浄し、乾燥、減圧濃縮する方法が提案されてい
る(特開昭61−24580号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法は、反応中にジアルキルジカーボネートの熱による分
解反応が生じるため、基質である複素環化合物に対して
2倍当量以上の過剰のジアルキルジカーボネートを使用
しなければならないばかりでなく、溶媒で希釈し、酸、
アルカリで洗浄する等、工程が非常に煩雑であるという
問題があった。
【0004】一方、アミノ基を有する化合物とジカーボ
ネートとをピリジンまたはトリエチルアミン等の塩基の
存在下に反応させることは知られている。ところが、本
発明者らが、これらの塩基を上記のアミノ基を有し且つ
ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物とジカー
ボネートとの反応に適用したところ、該複素環化合物の
アミノ基とジカーボネートとが反応したウレタン化合物
のほかに、かかるウレタン化合物の複素環の窒素原子に
もジカーボネートが反応した化合物等が副生し、上記ウ
レタン化合物の反応収率が極端に減少することが判明し
た。
【0005】こうした化合物の副生を抑えるには、前出
の従来技術のように、塩基を使用しなければよいのであ
るが、塩基を使用しないと反応速度が極端に遅くなって
しまうという反応効率上の問題が残る。そして、反応速
度を速めようとすると、加熱する必要があって、ジカー
ボネートを過剰に用いなければならず、結局、解決策が
見いだせないまま、堂々巡りをするのが現状であった。
つまり、マイルドな条件で反応が進行し、且つ、前述し
たように複素環の窒素原子にジカーボネートが反応した
化合物等を副生しない技術は今だ知られていない。
【0006】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、アミノ基を有
する化合物とジカーボネートとを反応させて、副生物を
生成することなく、工業的に有利なウレタン化合物を製
造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アミノ基
を有し、且つヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化
合物とジカーボネートとの反応において、脂肪族第3ア
ミン又はアルキレン基を介して窒素原子に芳香環が結合
した芳香族第3アミンが、マイルドな条件で反応が進行
し、且つ、複素環の窒素原子にジカーボネートが反応し
た化合物を副生しない触媒として有効に働くことを見い
だし、既に特許出願した(特願平4−281889
号)。その後、更にこの発明を追試し検討を重ねるうち
に、さらに、小量混入する副生成物を結晶中に取り込む
ことなく、目的のウレタン化合物のみを単離させる技術
を完成し、ここに提案するに至った。
【0008】即ち、本発明によれば、アミノ基を有し且
つヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物を、脂
肪族第3アミン又はアルキレン基を介して窒素原子に芳
香環が結合した芳香族第3アミンの存在下に、有機溶媒
中で、下記式(I)
【化2】 (但し、R1 は、アルキル基、アルケニル基またはアラ
ルキル基である。)で示されるジカーボネートと反応さ
せてウレタン化合物を生成させた後、得られた反応溶液
と貧溶媒とを混合することにより該ウレタン化合物を晶
析させることを特徴とするウレタン化合物の製造方法が
提供される。
【0009】
【発明の具体的説明】本発明における、アミノ基を有し
且つヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物は、
アミノ基の数およびその結合位置に特に制限されず、複
素環中に含まれる窒素原子の数およびその位置も特に制
限されない。また、複素環中には窒素原子以外のヘテロ
原子、例えば、酸素原子およびイオウ原子が含まれてい
てもよい。本発明においては、好適に用い得る複素環化
合物は、少なくとも1個の窒素原子を含み、さらに酸素
原子またはイオウ原子を含んでいてもよく、これらヘテ
ロ原子数が1ないし3個である5ないし6員環、または
5ないし6員環同士の縮合環、さらにこれらにベンゼン
環が縮合した縮合環等の複素環にアミノ基が直接結合し
ている複素環化合物である。上記複素環化合物の環に
は、アミノ基以外の他の置換基が結合していてもよい。
【0010】アミノ基以外の他の置換基は特に限定され
ないが、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ニトロ
基、ニトロソ基、メルカプト基、ハロゲン原子等が好ま
しい。アルキル基はメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基等の低級アルキル基が好適であり、アルコキシ
基はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等の低級アルコキシ基が好適であり、ハロゲン原子は
フッ素、塩素、臭素が好適である。
【0011】上記のヘテロ原子数が1ないし3個である
5ないし6員環、5ないし6員環同士の縮合環、または
それにベンゼン環が縮合した縮合環としては、具体的に
は、例えば、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン
環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、ピラゾ
リン環、イミダゾール環、トリアジン環、プリン環、チ
アゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、
チアゾリン環、トリアゾール環、ナフチリジン環、ピコ
リン環等をあげることができる。
【0012】本発明において好適に用い得る複素環化合
物を具体的に例示すると、2−アミノチアゾール、2−
アミノ−4−メチルチアゾール、2−アミノ−4−メチ
ル−5−チアゾールスルホニルクロライド、2−アミノ
−5−ブロモチアゾール、2−アミノ−4−(4−クロ
ロフェニル)チアゾール、2−アミノ−4,5−ジメチ
ルチアゾール、2−アミノ−5−(4−ニトロフェニル
スルホニル)チアゾール、2−アミノ−5−ニトロチア
ゾール、2−アミノ−4−フェニル−5−テトラジルチ
アゾール、2−アミノ−4−フェニルチアゾール、2−
アミノ−4−チアゾール酢酸、2−アミノ−α−(メト
キシイミノ)−4−チアゾール酢酸、エチル 2−アミ
ノ−4−チアゾールアセテート、エチル 2−アミノ−
α−(ヒドロキシイミノ)−4−チアゾールアセテー
ト、エチル 2−アミノ−α−(メトキシイミノ)−4
−チアゾールアセテート、エチル 2−アミノ−4−チ
アゾールグリオキシレート、S−2−ベンゾチアゾリル
−2−アミノ−α−(メトキシイミノ)−4−チアゾー
ルチオールアセテート等のチアゾール誘導体;
【0013】2−アミノベンゾチアゾール、2−アミノ
−6−エトキシベンゾチアゾール、2−アミノ−6−フ
ルオロベンゾチアゾール、2−アミノ−4−メトキシベ
ンゾチアゾール、2−アミノ−4−メチルベンゾチアゾ
ール、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−
アミノ−4−クロロベンゾチアゾール、2−アミノ−
5,6−ジメチルベンゾチアゾール等のベンゾチアゾー
ル誘導体;
【0014】5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール
−2−スルホンアミド、2−アミノ−5−エチル−1,
3,4−チアジアゾール、2−アミノ−6−(エチルチ
オ)−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−
メチル−1,3,4−チアジアゾール、5−アミノ−3
−フェニル−1,2,4−チアジアゾール、2−アミノ
−1,3,4−チアジアゾール、5−アミノ−1,3,
4−チアジアゾール、2−アミノ−5−トリフルオロメ
チル−1,3,4−チアジアゾール等のチアジアゾール
誘導体;チアゾリン誘導体;
【0015】3−アミノ−5,6−ジメチル−1,2,
4−トリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,
2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メチルチオ−
1H−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,
2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリ
アゾール−5−酢酸等のトリアゾール誘導体;トリアジ
ン誘導体;
【0016】2−アミノピリジン、2−アミノ−3−ニ
トロピリジン、2−アミノ−5−ニトロピリジン、2−
アミノ−4−メチル−3−ニトロピリジン、2−アミノ
−3−ヒドロキシピリジン、2−アミノ−4,6−ジメ
チルピリジン、2−アミノ−5−クロロピリジン、2−
アミノ−3,5−ジクロロピリジン、2−アミノ−3−
クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン、2−ア
ミノ−5−ブロモピリジン、2−アミノ−5−ブロモ−
3−ニトロピリジン、3−アセチル−2,6−ジアミノ
−4−メチルピリジン等のピリジン誘導体;ピラジン誘
導体;
【0017】2−アミノピリミジン、4−アミノピラゾ
ロ〔3,4−d〕ピリミジン、4−アミノ−6−ヒドロ
キシ−2−メルカプト−5−ニトロソピリミジン、2−
アミノ−4−メチルピリミジン、2−アミノ−4−メト
キシ−6−メチルピリミジン、4−アミノ−6−ヒドロ
キシ−2−メルカプトピリミジン、2−アミノ−4−ヒ
ドロキシ−6−メチルピリミジン、4−アミノ−6−ヒ
ドロキシピラゾロ〔3,4−d〕ピリミジン、4−アミ
ノ−6−メルカプトピラゾロ〔3,4−d〕ピリミジ
ン、4−アミノ−2−メルカプトピリミジン、2−アミ
ノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−アミノ−
6−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン、2−アミ
ノ−4,6−ジクロロピリミジン、6−アミノ−2,4
−ジヒドロキシ−5−ニトロソピリミジン、2−アミノ
−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,
6−ジメトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメ
チルピリミジン、2−アミノ−5−ブロモピリミジン等
のピリミジン誘導体;
【0018】3−アミノピラゾール、5−アミノ−1−
エチルピラゾール、3−アミノ−5−ヒドロキシピラゾ
ール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、エチル3−
アミノ−4−ピラゾールカルボキシレート、3−アミノ
−4−ピラゾールカルボニトリル、3−アミノ−4−ピ
ラゾールカルボキシアミド、3−アミノ−4−ピラゾー
ル酢酸等のピラゾール誘導体;ピラゾリン誘導体;
【0019】2−アミノプリン、6−アミノプリン、2
−アミノ−6−クロロプリン、2−アミノ−6,8−ジ
ヒドロキシプリン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−8−
メルカプトプリン、2−アミノプリンチオール等のプリ
ン誘導体;
【0020】2−アミノイミダゾール、2−アミノ−
4,5−イミダゾールジカルボニトリル、2−アミノベ
ンゾイミダゾール、2−アミノ−5,6−ジメチルベン
ズイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ナフチリジン
誘導体;イソキノリン誘導体;ニコチン誘導体;ピコリ
ン誘導体等を挙げることができる。
【0021】本発明においては、触媒として脂肪族第3
アミン又はアルキレン基を介して窒素原子に芳香環が結
合した芳香族第3アミンを使用する必要がある。上記の
脂肪族第3アミンまたはアルキレン基を介して窒素原子
に芳香環が結合した芳香族第3アミンは、公知の化合物
が何ら制限なく採用される。中でも本発明においては、
下記式(II)
【化3】 〔但し、R2 及びR3 は、同種又は異種のアルキル基で
あり、R4 はアルキレン基であり、Xは水素原子、アル
コキシ基、アルキルチオ基、アリール基または、−{Y
(CH2mn −NR56 {但し、R5 及びR6
水素原子又はアルキル基であり、少なくとも一方はアル
キル基であり、YはO、S又はNR7 (但し、R7 は水
素原子又はアルキル基である。)であり、mは1以上の
整数であり、nは0または1である。}である。〕で示
される化合物を特に好適に採用することができる。
【0022】本発明において好適に使用し得る触媒を具
体的に例示すると、N,N−ジメチルベンジルアミン、
N,N−ジエチルベンジルアミン、N,N,N′,N′
−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′
−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミ
ン、N,N,N′,N′−テトラエチルエチレンジアミ
ン、N,N,N′,N′−テトラエチル−1,3−プロ
パンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエチル−
1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N′,N′−テト
ラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N′,
N′−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、ビス−
〔2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル〕エーテル、
ビス−〔2−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル〕エ
ーテル、ビス−〔2−(N,N−ジメチルアミノ)エチ
ル〕スルフィド、ビス−〔2−(N,N−ジメチルアミ
ノ)プロピル〕スルフィド、2−(N,N−ジメチルア
ミノ)エチルエチルエーテル、2−(N,N−ジメチル
アミノ)エチルエチルスルフィド、ビス−〔2−(N,
N−ジメチルアミノ)エチル〕メチルアミン等を挙げる
ことができる。
【0023】前記一般式(II)で示される脂肪族第3ア
ミン及び芳香族第3アミンの中でもXがアリール基又は
−NR56 である化合物を用いた場合は、目的物の収
率が高いため、本発明において好適である。上記の脂肪
族第3アミン又は芳香族第3アミンの使用量は、特に制
限されるものではないが、十分な反応速度を得るために
は、上記の複素環化合物に対して0.0001ないし
0.3倍当量さらには0.0005ないし0.2倍当量
さらには0.001ないし0.2倍当量さらには0.0
01ないし0.1倍当量の範囲であることが好ましい。
【0024】一方、本発明において使用されるジカーボ
ネートは、上記式(I)で示される化合物である。式
中、R1 で示されるアルキル基は、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基等の低級アルキル基が好適
であり、アルケニル基はアリル基が好適であり、アラル
キル基はベンジル基が好適である。一般式(I)で示さ
れるジカーボネートを具体的に例示すると、ジ−t−ブ
チルジカーボネート、ジメチルジカーボネート、ジエチ
ルジカーボネート、ジ−i−プロピルジカーボネート、
ジアリルジカーボネート、ジベンジルジカーボネート等
を挙げることができる。
【0025】ジカーボネートの使用量は、上記複素環化
合物に対して等量を超えて2倍当量まで、さらには1.
5倍当量までの範囲であることが好ましい。
【0026】本発明における反応は、有機溶媒中で進行
させる。用い得る溶媒としては、生成するウレタン化合
物を溶解させるものであれば特に制限されずに使用され
る。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水
素類;アセトニトリルなどのニトリル類;1,4−ジオ
キサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;
2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等の
アルコール類;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2
−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;あるいはジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボ
ネート類等を使用するのが好ましい。これらの有機溶媒
は単一で使用してもよく、また2種類以上の混合溶媒で
使用しても全く差し支えない。
【0027】上記の有機溶媒の中でも、特に、1,4−
ジオキサン等のエーテル類、またはジメチルカーボネー
ト等のカーボネート類で反応を行った場合は、目的物の
収率が高いため、本発明において好適である。原料であ
る複素環化合物の有機溶媒中の濃度は、基質の種類、有
機溶媒の種類、混合溶媒の組成、撹拌効果によって異な
るが、一般には0.5ないし60重量%の範囲から選択
することが好ましい。
【0028】本反応における反応温度は特に制限されな
いが、あまり温度が低いと反応速度が小さくなり、温度
が高いと生成物が分解するため、通常−20ないし80
℃、好ましくは0ないし50℃で行うのがよい。反応は
常圧、加圧、減圧のいずれの場合も実行可能であり、反
応に要する時間は反応温度、溶媒の種類によっても異な
るが、通常は、0.1ないし30時間の反応で十分であ
る。
【0029】本発明では、以上の反応により得られた反
応溶液と貧溶媒とを混合することにより、前記アミノ基
を有し且つヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合
物のアミノ基とジカーボネートとが反応して得られたウ
レタン化合物を晶析させる。こうした晶析手段を採用す
ることにより、上記ウレタン化合物は、複素環の窒素原
子にジカーボネートが反応した化合物等の副生物の混入
が抑えられ、より高純度で単離することが可能になる。
なお、かかる晶析を行うに際し、反応溶液は、貧溶媒と
混合する前に予め、上記ウレタン化合物が晶出し易いよ
うに、該ウレタン化合物の濃度が飽和濃度に到達しない
範囲で濃縮しておくことが好ましい。
【0030】特に反応溶媒として、アセトニトリル等の
ニトリル類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン
等のエーテル類;アセトン等のケトン類;N,N−ジメ
チルホルムアミド等のアミド類;2−プロパノール、2
−メチル−2−プロパノール等のアルコール類;ジメチ
ルカーボネート等のカーボネート類等の極性の高い有機
溶媒を用いた場合は、目的物の溶解度が特に高いため、
晶析前に反応溶液の濃縮を行うことが好ましい。濃縮方
法は何等制限はないが、常圧または必要ならば減圧下に
加熱して留去するのが好ましい。通常、上記反応溶液の
濃縮は、目的物の濃度が10%から70%の範囲、さら
には20%から60%の範囲になるように溶媒を除去す
ることが好ましい。
【0031】一方、晶析のために用いる貧溶媒として
は、基質の種類、反応有機溶媒の種類、反応混合溶媒の
組成、反応溶媒に対する基質の溶解度等によって異なる
が、目的物の溶解度が比較的低い溶媒であれば何等差し
支えない。こうした貧溶媒としては、例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;四塩化炭素、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエー
テル、i−プロピルエーテル、アニソール等のエーテル
類等を挙げることができる。
【0032】晶析温度は、特に制限されないが、余り温
度が低いと、副生物との分離が良好でなく、またあまり
高いと、ウレタン化合物の分解が見られるため、通常
は、−50℃ないし50℃、好ましくは−20℃ないし
30℃で行うのが良い。晶析に要する時間は、晶析温
度、溶媒の種類によって異なるが、通常は、0.1ない
し24時間の範囲で十分である。かくして、複素環化合
物のアミノ基とジカーボネートとの反応により形成され
るウレタン結合を有するウレタン化合物を、該ウレタン
化合物において複素環の窒素原子にもジカーボネートが
反応した化合物等の副生物を取り込むことなく得ること
ができる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、原料であるジカーボネ
ートを有効に使用し、副生物の生成を伴うことなく、温
和な条件下でウレタン化合物を高純度、高収率で得るこ
とができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例および比較例を掲げて本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるもので
はない。
【0035】<実施例1>200mlの茄子型フラスコ
に、エチル 2−アミノ−4−チアゾールグリオキシレ
ート20.0g(0.10mol)、ジ−t−ブチルジ
カーボネート24.0g(0.11mol)、N,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン0.12g
(1.0mmol)、ジメチルカーボネート65mlを
加え、25℃で24時間撹拌を行った。反応開始直後の
反応液は、スラリー状態であったが、反応の進行ととも
に徐々に澄明な溶液となっていった。24時間後、減圧
下45℃で溶媒を留去し、濃度27.8%の溶液を得
た。反応液にヘキサン50mlを添加して室温まで放冷
してそのまま30分間撹拌を続けて結晶を析出させた。
結晶を濾取し、乾燥すると、エチル 2−(t−ブトキ
シカルボニルアミノ)−4−チアゾールグリオキシレー
トが86.3%の収率で得られた。純度は98.4%で
あった。反応終了時副生物として1.8%含まれていた
t−ブトキシカルボニル基を2個有する副生物は、結晶
中には検出されなかった。
【0036】<実施例2>300mlの茄子型フラスコ
に、エチル 2−アミノ−4−チアゾールアセテート1
8.6g(0.10mol)、ジ−t−ブチルジカーボ
ネート32.7g(0.15mol)、N,N,N′,
N′−テトラメチルエチレンジアミン0.58g(5m
mol)、ヘキサン93mlを加え、25℃で6時間撹
拌を行った。反応開始直後の反応液は、スラリー状態で
あったが、反応の進行とともに徐々に澄明な溶液となっ
ていった。反応液は、−20℃まで冷却してそのまま3
0分間撹拌を続けて結晶を析出させた。結晶を濾取し、
乾燥すると、エチル 2−(t−ブトキシカルボニルア
ミノ)−4−チアゾールアセテートが83.6%の収率
で得られた。純度は98.2%であった。反応終了時
4.9%含まれていたt−ブトキシカルボニル基を2個
有する副生物は、結晶中には検出されなかった。
【0037】<実施例3ないし8>表1に示す複素環化
合物を用い、該複素環化合に対して1.1倍モルのジ−
t−ブチルジカーボネートを使用し、実施例1と同様に
反応を行った結果を表1に示した。
【表1】
【0038】<実施例9ないし13>表2に示す触媒を
使用して実施例1と同様に操作し、その結果を表2に示
した。
【表2】
【0039】<実施例14ないし16>表3に示すジカ
ーボネートを複素環化合物に対して1.1倍モル使用し
て、実施例1と同様に反応させた。その結果を表3に示
した。
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 235/30 A 239/42 8615−4C 239/52 8615−4C 249/14 277/40 285/135 // C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ基を有し且つヘテロ原子として窒
    素原子を含む複素環化合物を、脂肪族第3アミン又はア
    ルキレン基を介して窒素原子に芳香環が結合した芳香族
    第3アミンの存在下に、有機溶媒中で、下記式(I) 【化1】 (但し、R1 は、アルキル基、アルケニル基またはアラ
    ルキル基である。)で示されるジカーボネートと反応さ
    せてウレタン化合物を生成させた後、得られた反応溶液
    と貧溶媒とを混合することにより、該ウレタン化合物を
    晶析させることを特徴とするウレタン化合物の製造方
    法。
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