JP3396068B2 - 保護された水酸基を有する複素環化合物の製造方法 - Google Patents
保護された水酸基を有する複素環化合物の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水酸基を有する化合物
とジカーボネートとを反応させて、水酸基が保護された
複素環化合物を工業的に有利に製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】水酸基、特にヒドロキシイミノの水酸基
を有する化合物、例えば2−(2−アミノ−4−チアゾ
リル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸エステル等は、医薬
品製造の中間体として有用であり、例えばセフェム系、
セファロスポリン系等の抗生物質の側鎖として用いられ
る重要な化合物である。 【0003】上記化合物は、β−ラクタム化合物、例え
ば7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)等とア
ミド化反応によって結合され、抗生物質の基本骨格が作
られる。その際、上記化合物の水酸基は何らかの保護基
で保護しておく必要がある。ジカーボネート、例えばジ
−t−ブチルジカーボネート等は、保護反応が簡便で、
かつ脱保護反応も容易であり非常に優れた保護剤であ
り、アミノ基のみならず、最近は水酸基の保護剤として
も使用されている。 【0004】ジカーボネートによって水酸基を保護する
方法は知られており、例えば特開平5−59066号公
報には、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒ
ドロキシイミノ酢酸エチルエステルに対して0.2倍当
量の4−N,N−ジメチルアミノピリジンの存在下に、
2.6倍当量のジアルキルジカーボネートをジクロロメ
タン溶媒中で反応させて、水酸基および同一分子内に存
在するアミノ基が共に保護された化合物を製造する方法
が知られている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記方法は、水酸基お
よびアミノ基の両方を保護するのが目的であるため、ジ
アルキルジカーボネートを2.6倍当量使用している。
この方法を利用して、水酸基のみを選択的に保護すべ
く、ジアルキルジカーボネートを1倍当量に減らして本
発明者等が反応を行ったところ、目的物の収率が83
%、水酸基およびアミノ基の両方に保護基が導入された
副生物が12%と、水酸基への高選択的な保護反応は達
成できなかった。 【0006】このように、水酸基を有する化合物とジカ
ーボネートとを反応させる場合、同一分子内にアミノ基
が存在すると、アミノ基の方に優先的に反応が起こるか
又は水酸基およびアミノ基の両方に反応が起こるのが通
常で、水酸基のみを高選択的に効率よく保護する手法の
開発が強く望まれていた。 【0007】また、トリエチルアミン等の公知のアミン
を触媒として本反応に適用したところ、反応速度が遅
く、長時間反応させても収率が上がらない等の問題が起
こった。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来技術の欠点を補う新しい技術の開発を鋭意検討した結
果、水酸基を有する化合物とジカーボネートとの反応に
おいて、特定の溶媒中において、特定のアミン又は無機
塩基を触媒として使用することによって、たとえ同一分
子内にアミノ基が存在していても、水酸基のみが保護さ
れた複素環化合物を収率よく合成することができること
を見いだし、本発明を完成するに至った。 【0009】即ち、本発明は、下記式(I) 【0010】 【化5】 【0011】(但し、X1はNH、硫黄原子または酸素
原子であり、X2はCHまたは窒素原子であり、R1はア
ルキル基、アラルキル基、アリール基、またはN−置換
スクシンイミド基である。) で示される化合物と、下記式(II) 【0012】 【化6】 【0013】(但し、R2は、アルキル基、アルケニル
基またはアラルキル基である。)で示されるジカーボネ
ートとを、比誘電率が10以上である溶媒中で、下記式
(III) 【0014】 【化7】 【0015】(但し、R3およびR4は、アルキル基、ア
リール基、またはこれらが一緒になって環を形成してい
てもよい。)で示されるアミン又は無機塩基の存在下に
反応させることを特徴とする下記式(IV) 【0016】 【化8】 【0017】(但し、X1、X2、R1およびR2は、上記
式(I)および(II)と同じ。)で示される複素環化合
物の製造方法である。 【0018】本発明における上記式(I)で示される化
合物は、ヘテロ原子として硫黄原子、窒素原子または酸
素原子を含む複素5員環に直接アミノ基が結合している
化合物である。このような5員環としては、具体的に
は、例えばチアゾール環、オキサゾール環、イミダゾー
ル環、チアジアゾール環等を挙げることができる。 【0019】上記式(I)において、R1で示される有
機基は、エステル、活性エステル等のアミド化反応に供
することのできるカルボン酸誘導体を形成する基であれ
ば何等差し支えない。すなわち、アルキル基、アラルキ
ル基、置換されていてもよいアリール基またはN−置換
スクシンイミド基を挙げることができる。これらの基を
より具体的に説明すると、例えば、アルキル基はメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の低級アルキ
ル基が好適であり、アラルキル基はベンジル基が好適で
あり、置換されていてもよいアリール基はフェニル基、
トリル基、キシリル基、p−ニトロフェニル基等が好適
であり、N−置換スクシンイミド基はN−ヒドロキシス
クシンイミド基が好適である。中でもアルキル基を好適
に採用することができる。 【0020】なお、上記(I)で示される化合物におい
て、オキシイミノ基に関して理論的にシンおよびアンチ
の両異性体が存在し得るが、本発明においては両者とも
同様に用いることができる。 【0021】本発明において好適に用い得る上記式
(I)で示される化合物を具体的に例示すると、例え
ば、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロ
キシイミノ酢酸メチル、2−(2−アミノ−4−チアゾ
リル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸エチル等のチアゾー
ル誘導体;2−(2−アミノ−4−オキサゾリル)−2
−ヒドロキシイミノ酢酸メチル、2−(2−アミノ−4
−オキサゾリル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸エチル等
のオキサゾール誘導体;2−(2−アミノ−4−イミダ
ゾリル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸メチル、2−(2
−アミノ−4−イミダゾリル)−2−ヒドロキシイミノ
酢酸エチル等のイミダゾール誘導体;2−(2−アミノ
−4−チアジアゾリル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸メ
チル、2−(2−アミノ−4−チアジアゾリル)−2−
ヒドロキシイミノ酢酸エチル等のチアジアゾール誘導体
等を挙げることができる。 【0022】一方、本発明において使用されるジカーボ
ネートは、上記式(II)で示される化合物である。式
中、R2で示されるアルキル基は、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基等の低級アルキル基が好適
であり、アルケニル基はアリル基が好適であり、アラル
キル基はベンジル基が好適である。中でもt−ブチル基
を好適に採用することができる。 【0023】一般式(II)で示されるジカーボネートを
具体的に例示すると、ジメチルジカーボネート、ジエチ
ルジカーボネート、ジ−i−プロピルジカーボネート、
ジ−t−ブチルジカーボネート、ジアリルジカーボネー
ト、ジベンジルジカーボネート等を挙げることができ
る。 【0024】ジカーボネートの使用量は特に制限される
ものではない。ただ、あまり過剰に使用すると副生成物
が増加し、しかも経済的に有利な方法とは言えないた
め、上記式(I)で示される化合物に対して0.8〜
1.5倍当量、さらには1.0〜1.3倍当量の範囲で
あることが好ましい。 【0025】本発明において使用される溶媒は、その比
誘電率の値が、使用される温度において10以上、好ま
しくは15以上であれば、有機、無機に拘らず公知の溶
媒を何等制限なく採用することができる。一般に入手可
能な溶媒の比誘電率は、その多くが80以下であるの
で、その範囲から選ぶことができる。比誘電率が10よ
り小さい溶媒、例えばヘキサン、トルエン等の炭化水素
類、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチ
ルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類
を本反応に用いた場合には、水酸基およびアミノ基の両
方が保護された副生物が増加し、好ましくない。 【0026】本発明において好適に使用しうる溶媒を具
体的に例示すると、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノー
ル、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチ
ルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルカーボネ
ート、エチレンカーボネート等のカーボネート類、ある
いは水等を挙げることができる。 【0027】上記の溶媒の中でも、後述する触媒とし
て、一般式(III)で示されるアミンを使用する場合
は、アルコール類、ニトリル類、アミド類が特に好適で
あり、一方無機塩基を使用する場合は、アルコール類あ
るいは水が特に好適である。これらの溶媒は、単一で使
用してもよく、また2種類以上の混合溶媒で使用しても
全く差し支えない。使用する溶媒の量は特に制限されな
いが、生成する複素環化合物を全量溶解するに十分な量
を用いると、反応初期がスラリー状態の場合には反応状
態が均一溶液へと変わるので反応の終点が容易にわかり
好ましい。 【0028】本発明において用いられる触媒は、上記式
(III)で示されるアミン又は無機塩基である。上記式
(III)において、R3およびR4は、アルキル基、アリ
ール基、またはこれらが一緒になって環を形成していて
もよい。上記アルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキ
ル基が好適であり、アリール基としては、フェニル基、
トリル基、キシリル基等の炭素数6〜8のアリール基が
好適である。また、R3およびR4が一緒になって形成す
る環としては、ピペリジン環、ピロリジン環等の5〜6
員環の飽和複素環を挙げることができる。 【0029】本発明において好適に使用できる上記のア
ミンを具体的に例示すると、4−N,N−ジメチルアミ
ノピリジン、4−N,N−ジエチルアミノピリジン、4
−N,N−ジプロピルアミノピリジン、4−ピペリジノ
ピリジン、4−ピロリジノピリジン等を挙げることがで
きる。 【0030】本発明において、上記のアミンの使用量
は、特に制限されるものではないが、反応後のアミンの
除去等の手間を考えると、原料である複素環化合物に対
して0.0001〜1倍当量の範囲であることが好まし
く、更には0.005〜0.2倍当量、更には0.00
1〜0.05倍当量の範囲であることが好ましい。一
方、本発明においては触媒として上記アミンの他に無機
塩基を用いてもよい。無機塩基は公知の無機塩基を何等
制限なく採用することができ、例えばアルカリ金属又は
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リ
ン酸塩等を挙げることができる。 【0031】本発明において好適に採用し得る無機塩基
をより具体的に例示すると、水酸化物では水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムが好適であ
り、炭酸塩では炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリ
ウムが好適であり、炭酸水素塩では炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムが好適であり、リン酸塩では第三
リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウムが好適である。 【0032】本発明において、上記の無機塩基は、原料
である一般式(I)で示される化合物に対して当量以下
でも反応が進行する。その使用量は、特に制限されるも
のではないが、反応後の無機塩基の除去等の手間と、十
分な反応速度を得ることを考慮すると、原料に対して
0.001〜2倍当量の範囲であることが好ましく、更
には0.01〜1倍当量の範囲であることが好ましい。
本反応における反応温度は特に制限されないが、あまり
温度が低いと系全体が凝固したり、反応速度が小さくな
り、逆に温度が高いと生成物が分解するため、通常、系
の凝固点〜80℃の範囲、好ましくは0〜50℃の範囲
で行うのがよい。 【0033】反応は常圧、加圧、減圧のいずれの場合も
実行可能であり、反応に要する時間は反応温度、溶媒の
種類によっても異なるが、通常は、0.1〜30時間の
反応で十分である。 【0034】このようにして、水酸基を有する化合物と
ジカーボネートとを反応させて、水酸基のみが保護され
た複素環化合物を工業的に有利に製造することができ
る。 【0035】 【発明の効果】本発明によれば、原料であるジカーボネ
ートを無駄に使用することなく、温和な条件下で水酸基
のみが保護された複素環化合物を副反応を伴うことな
く、高収率で得ることができる。 【0036】 【実施例】以下、実施例および比較例を掲げて本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるもので
はない。 【0037】実施例1 50mlの茄子型フラスコに、2−(2−アミノ−4−
チアゾリル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸エチル1.0
8g(5mmol)、ジ−t−ブチルジカーボネート
1.31g(6mmol)、4−N,N−ジメチルアミ
ノピリジン0.03g(0.25mmol)およびメタ
ノール(比誘電率33)10mlを加え、25℃で攪拌
を行った。30分攪拌した後、高速液体クロマトグラフ
ィーで定量したところ、99.9%の収率で、2−(2
−アミノ−4−チアゾリル)−2−t−ブトキシカルボ
ニルオキシイミノ酢酸エチルが得られた。この時、アミ
ノ基にもt−ブトキシカルボニル基が導入された副生物
は認められなかった。 【0038】実施例2〜10 表1に示した各種のジカーボネートおよび原料を使用し
たこと以外は実施例1と同様に操作し、その結果を表1
に示した。 【0039】 【表1】【0040】実施例11〜15 表2に示した各種の溶媒を使用したこと以外は実施例1
と同様に操作し、その結果を表2に示した。 【0041】 【表2】【0042】実施例16〜21 表3に示した各種のアミン又は無機塩基を触媒として使
用したこと以外は実施例1と同様に操作し、その結果を
表3に示した。 【0043】 【表3】 【0044】実施例22〜30 実施例1において溶媒として水、触媒として水酸化ナト
リウムを使用したこと以外は実施例1と同様に操作し、
その結果を表4に示した。 【0045】 【表4】【0046】比較例1〜5 表5に示した各種の溶媒を使用したこと以外は実施例1
と同様に操作し、その結果を表5に示した。 【0047】 【表5】【0048】比較例6〜8 表6に示した各種のアミンを使用したこと以外は実施例
1と同様に操作し、その結果を表6に示した。 【0049】 【表6】
とジカーボネートとを反応させて、水酸基が保護された
複素環化合物を工業的に有利に製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】水酸基、特にヒドロキシイミノの水酸基
を有する化合物、例えば2−(2−アミノ−4−チアゾ
リル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸エステル等は、医薬
品製造の中間体として有用であり、例えばセフェム系、
セファロスポリン系等の抗生物質の側鎖として用いられ
る重要な化合物である。 【0003】上記化合物は、β−ラクタム化合物、例え
ば7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)等とア
ミド化反応によって結合され、抗生物質の基本骨格が作
られる。その際、上記化合物の水酸基は何らかの保護基
で保護しておく必要がある。ジカーボネート、例えばジ
−t−ブチルジカーボネート等は、保護反応が簡便で、
かつ脱保護反応も容易であり非常に優れた保護剤であ
り、アミノ基のみならず、最近は水酸基の保護剤として
も使用されている。 【0004】ジカーボネートによって水酸基を保護する
方法は知られており、例えば特開平5−59066号公
報には、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒ
ドロキシイミノ酢酸エチルエステルに対して0.2倍当
量の4−N,N−ジメチルアミノピリジンの存在下に、
2.6倍当量のジアルキルジカーボネートをジクロロメ
タン溶媒中で反応させて、水酸基および同一分子内に存
在するアミノ基が共に保護された化合物を製造する方法
が知られている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記方法は、水酸基お
よびアミノ基の両方を保護するのが目的であるため、ジ
アルキルジカーボネートを2.6倍当量使用している。
この方法を利用して、水酸基のみを選択的に保護すべ
く、ジアルキルジカーボネートを1倍当量に減らして本
発明者等が反応を行ったところ、目的物の収率が83
%、水酸基およびアミノ基の両方に保護基が導入された
副生物が12%と、水酸基への高選択的な保護反応は達
成できなかった。 【0006】このように、水酸基を有する化合物とジカ
ーボネートとを反応させる場合、同一分子内にアミノ基
が存在すると、アミノ基の方に優先的に反応が起こるか
又は水酸基およびアミノ基の両方に反応が起こるのが通
常で、水酸基のみを高選択的に効率よく保護する手法の
開発が強く望まれていた。 【0007】また、トリエチルアミン等の公知のアミン
を触媒として本反応に適用したところ、反応速度が遅
く、長時間反応させても収率が上がらない等の問題が起
こった。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来技術の欠点を補う新しい技術の開発を鋭意検討した結
果、水酸基を有する化合物とジカーボネートとの反応に
おいて、特定の溶媒中において、特定のアミン又は無機
塩基を触媒として使用することによって、たとえ同一分
子内にアミノ基が存在していても、水酸基のみが保護さ
れた複素環化合物を収率よく合成することができること
を見いだし、本発明を完成するに至った。 【0009】即ち、本発明は、下記式(I) 【0010】 【化5】 【0011】(但し、X1はNH、硫黄原子または酸素
原子であり、X2はCHまたは窒素原子であり、R1はア
ルキル基、アラルキル基、アリール基、またはN−置換
スクシンイミド基である。) で示される化合物と、下記式(II) 【0012】 【化6】 【0013】(但し、R2は、アルキル基、アルケニル
基またはアラルキル基である。)で示されるジカーボネ
ートとを、比誘電率が10以上である溶媒中で、下記式
(III) 【0014】 【化7】 【0015】(但し、R3およびR4は、アルキル基、ア
リール基、またはこれらが一緒になって環を形成してい
てもよい。)で示されるアミン又は無機塩基の存在下に
反応させることを特徴とする下記式(IV) 【0016】 【化8】 【0017】(但し、X1、X2、R1およびR2は、上記
式(I)および(II)と同じ。)で示される複素環化合
物の製造方法である。 【0018】本発明における上記式(I)で示される化
合物は、ヘテロ原子として硫黄原子、窒素原子または酸
素原子を含む複素5員環に直接アミノ基が結合している
化合物である。このような5員環としては、具体的に
は、例えばチアゾール環、オキサゾール環、イミダゾー
ル環、チアジアゾール環等を挙げることができる。 【0019】上記式(I)において、R1で示される有
機基は、エステル、活性エステル等のアミド化反応に供
することのできるカルボン酸誘導体を形成する基であれ
ば何等差し支えない。すなわち、アルキル基、アラルキ
ル基、置換されていてもよいアリール基またはN−置換
スクシンイミド基を挙げることができる。これらの基を
より具体的に説明すると、例えば、アルキル基はメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の低級アルキ
ル基が好適であり、アラルキル基はベンジル基が好適で
あり、置換されていてもよいアリール基はフェニル基、
トリル基、キシリル基、p−ニトロフェニル基等が好適
であり、N−置換スクシンイミド基はN−ヒドロキシス
クシンイミド基が好適である。中でもアルキル基を好適
に採用することができる。 【0020】なお、上記(I)で示される化合物におい
て、オキシイミノ基に関して理論的にシンおよびアンチ
の両異性体が存在し得るが、本発明においては両者とも
同様に用いることができる。 【0021】本発明において好適に用い得る上記式
(I)で示される化合物を具体的に例示すると、例え
ば、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロ
キシイミノ酢酸メチル、2−(2−アミノ−4−チアゾ
リル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸エチル等のチアゾー
ル誘導体;2−(2−アミノ−4−オキサゾリル)−2
−ヒドロキシイミノ酢酸メチル、2−(2−アミノ−4
−オキサゾリル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸エチル等
のオキサゾール誘導体;2−(2−アミノ−4−イミダ
ゾリル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸メチル、2−(2
−アミノ−4−イミダゾリル)−2−ヒドロキシイミノ
酢酸エチル等のイミダゾール誘導体;2−(2−アミノ
−4−チアジアゾリル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸メ
チル、2−(2−アミノ−4−チアジアゾリル)−2−
ヒドロキシイミノ酢酸エチル等のチアジアゾール誘導体
等を挙げることができる。 【0022】一方、本発明において使用されるジカーボ
ネートは、上記式(II)で示される化合物である。式
中、R2で示されるアルキル基は、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基等の低級アルキル基が好適
であり、アルケニル基はアリル基が好適であり、アラル
キル基はベンジル基が好適である。中でもt−ブチル基
を好適に採用することができる。 【0023】一般式(II)で示されるジカーボネートを
具体的に例示すると、ジメチルジカーボネート、ジエチ
ルジカーボネート、ジ−i−プロピルジカーボネート、
ジ−t−ブチルジカーボネート、ジアリルジカーボネー
ト、ジベンジルジカーボネート等を挙げることができ
る。 【0024】ジカーボネートの使用量は特に制限される
ものではない。ただ、あまり過剰に使用すると副生成物
が増加し、しかも経済的に有利な方法とは言えないた
め、上記式(I)で示される化合物に対して0.8〜
1.5倍当量、さらには1.0〜1.3倍当量の範囲で
あることが好ましい。 【0025】本発明において使用される溶媒は、その比
誘電率の値が、使用される温度において10以上、好ま
しくは15以上であれば、有機、無機に拘らず公知の溶
媒を何等制限なく採用することができる。一般に入手可
能な溶媒の比誘電率は、その多くが80以下であるの
で、その範囲から選ぶことができる。比誘電率が10よ
り小さい溶媒、例えばヘキサン、トルエン等の炭化水素
類、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチ
ルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類
を本反応に用いた場合には、水酸基およびアミノ基の両
方が保護された副生物が増加し、好ましくない。 【0026】本発明において好適に使用しうる溶媒を具
体的に例示すると、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノー
ル、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチ
ルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルカーボネ
ート、エチレンカーボネート等のカーボネート類、ある
いは水等を挙げることができる。 【0027】上記の溶媒の中でも、後述する触媒とし
て、一般式(III)で示されるアミンを使用する場合
は、アルコール類、ニトリル類、アミド類が特に好適で
あり、一方無機塩基を使用する場合は、アルコール類あ
るいは水が特に好適である。これらの溶媒は、単一で使
用してもよく、また2種類以上の混合溶媒で使用しても
全く差し支えない。使用する溶媒の量は特に制限されな
いが、生成する複素環化合物を全量溶解するに十分な量
を用いると、反応初期がスラリー状態の場合には反応状
態が均一溶液へと変わるので反応の終点が容易にわかり
好ましい。 【0028】本発明において用いられる触媒は、上記式
(III)で示されるアミン又は無機塩基である。上記式
(III)において、R3およびR4は、アルキル基、アリ
ール基、またはこれらが一緒になって環を形成していて
もよい。上記アルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキ
ル基が好適であり、アリール基としては、フェニル基、
トリル基、キシリル基等の炭素数6〜8のアリール基が
好適である。また、R3およびR4が一緒になって形成す
る環としては、ピペリジン環、ピロリジン環等の5〜6
員環の飽和複素環を挙げることができる。 【0029】本発明において好適に使用できる上記のア
ミンを具体的に例示すると、4−N,N−ジメチルアミ
ノピリジン、4−N,N−ジエチルアミノピリジン、4
−N,N−ジプロピルアミノピリジン、4−ピペリジノ
ピリジン、4−ピロリジノピリジン等を挙げることがで
きる。 【0030】本発明において、上記のアミンの使用量
は、特に制限されるものではないが、反応後のアミンの
除去等の手間を考えると、原料である複素環化合物に対
して0.0001〜1倍当量の範囲であることが好まし
く、更には0.005〜0.2倍当量、更には0.00
1〜0.05倍当量の範囲であることが好ましい。一
方、本発明においては触媒として上記アミンの他に無機
塩基を用いてもよい。無機塩基は公知の無機塩基を何等
制限なく採用することができ、例えばアルカリ金属又は
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リ
ン酸塩等を挙げることができる。 【0031】本発明において好適に採用し得る無機塩基
をより具体的に例示すると、水酸化物では水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムが好適であ
り、炭酸塩では炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリ
ウムが好適であり、炭酸水素塩では炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムが好適であり、リン酸塩では第三
リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウムが好適である。 【0032】本発明において、上記の無機塩基は、原料
である一般式(I)で示される化合物に対して当量以下
でも反応が進行する。その使用量は、特に制限されるも
のではないが、反応後の無機塩基の除去等の手間と、十
分な反応速度を得ることを考慮すると、原料に対して
0.001〜2倍当量の範囲であることが好ましく、更
には0.01〜1倍当量の範囲であることが好ましい。
本反応における反応温度は特に制限されないが、あまり
温度が低いと系全体が凝固したり、反応速度が小さくな
り、逆に温度が高いと生成物が分解するため、通常、系
の凝固点〜80℃の範囲、好ましくは0〜50℃の範囲
で行うのがよい。 【0033】反応は常圧、加圧、減圧のいずれの場合も
実行可能であり、反応に要する時間は反応温度、溶媒の
種類によっても異なるが、通常は、0.1〜30時間の
反応で十分である。 【0034】このようにして、水酸基を有する化合物と
ジカーボネートとを反応させて、水酸基のみが保護され
た複素環化合物を工業的に有利に製造することができ
る。 【0035】 【発明の効果】本発明によれば、原料であるジカーボネ
ートを無駄に使用することなく、温和な条件下で水酸基
のみが保護された複素環化合物を副反応を伴うことな
く、高収率で得ることができる。 【0036】 【実施例】以下、実施例および比較例を掲げて本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるもので
はない。 【0037】実施例1 50mlの茄子型フラスコに、2−(2−アミノ−4−
チアゾリル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸エチル1.0
8g(5mmol)、ジ−t−ブチルジカーボネート
1.31g(6mmol)、4−N,N−ジメチルアミ
ノピリジン0.03g(0.25mmol)およびメタ
ノール(比誘電率33)10mlを加え、25℃で攪拌
を行った。30分攪拌した後、高速液体クロマトグラフ
ィーで定量したところ、99.9%の収率で、2−(2
−アミノ−4−チアゾリル)−2−t−ブトキシカルボ
ニルオキシイミノ酢酸エチルが得られた。この時、アミ
ノ基にもt−ブトキシカルボニル基が導入された副生物
は認められなかった。 【0038】実施例2〜10 表1に示した各種のジカーボネートおよび原料を使用し
たこと以外は実施例1と同様に操作し、その結果を表1
に示した。 【0039】 【表1】【0040】実施例11〜15 表2に示した各種の溶媒を使用したこと以外は実施例1
と同様に操作し、その結果を表2に示した。 【0041】 【表2】【0042】実施例16〜21 表3に示した各種のアミン又は無機塩基を触媒として使
用したこと以外は実施例1と同様に操作し、その結果を
表3に示した。 【0043】 【表3】 【0044】実施例22〜30 実施例1において溶媒として水、触媒として水酸化ナト
リウムを使用したこと以外は実施例1と同様に操作し、
その結果を表4に示した。 【0045】 【表4】【0046】比較例1〜5 表5に示した各種の溶媒を使用したこと以外は実施例1
と同様に操作し、その結果を表5に示した。 【0047】 【表5】【0048】比較例6〜8 表6に示した各種のアミンを使用したこと以外は実施例
1と同様に操作し、その結果を表6に示した。 【0049】 【表6】
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
// C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】下記式(I) 【化1】 (但し、X1はNH、硫黄原子または酸素原子であり、
X2はCHまたは窒素原子であり、R1はアルキル基、ア
ラルキル基、アリール基、またはN−置換スクシンイミ
ド基である。)で示される化合物と、下記式(II) 【化2】 (但し、R2は、アルキル基、アルケニル基またはアラ
ルキル基である。) で示されるジカーボネートとを、比誘電率が10以上で
ある溶媒中で、下記式(III) 【化3】 (但し、R3およびR4は、アルキル基、アリール基、ま
たはこれらが一緒になって環を形成していてもよい。) で示されるアミン又は無機塩基の存在下に反応させるこ
とを特徴とする下記式(IV) 【化4】 (但し、X1、X2、R1およびR2は、上記式(I)およ
び(II)と同じ。) で示される複素環化合物の製造方法。
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JP27379793A JP3396068B2 (ja) | 1993-10-28 | 1993-11-01 | 保護された水酸基を有する複素環化合物の製造方法 |
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ES2235412T3 (es) * | 1998-08-17 | 2005-07-01 | Givaudan Sa | Derivados de oxima de acido carboxilico. |
-
1993
- 1993-11-01 JP JP27379793A patent/JP3396068B2/ja not_active Expired - Fee Related
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