JP3238335B2 - 2−アミノチアゾール酢酸誘導体の製造方法 - Google Patents

2−アミノチアゾール酢酸誘導体の製造方法

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JP3238335B2 JP29397196A JP29397196A JP3238335B2 JP 3238335 B2 JP3238335 B2 JP 3238335B2 JP 29397196 A JP29397196 A JP 29397196A JP 29397196 A JP29397196 A JP 29397196A JP 3238335 B2 JP3238335 B2 JP 3238335B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チアゾール誘導体
とジアルキルジカーボネートとの反応により、特定の2
−アミノチアゾール酢酸誘導体を工業的に製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】下記式(I)で示されるチアゾール誘導
体は、医薬品製造の中間体として有用な化合物であり、
例えば、セフェム系等の抗生物質の側鎖として用いられ
る重要な化合物である。上記化合物は、β−ラクタム系
化合物、例えば7−アミノセファロスポラン酸誘導体等
とアミド化反応によって結合され、抗生物質の基本骨格
を形成する。
【0003】
【化3】
【0004】その際、上記式(I)で示されたチアゾー
ル誘導体のアミノ基は、自己縮合を防ぐ目的で何らかの
保護基で保護しておく必要がある。アミノ基の保護剤
は、酸クロライド型、酸無水物型等多くの種類が知られ
ているが、保護反応の際、酸を副成しないジアルキルジ
カーボネートの該アミノ基の上記した保護剤としての重
要性は、益々高まっている。
【0005】本発明者らは、このジアルキルジカーボネ
ートとチアゾール誘導体との反応の重要性に着目し、チ
アゾール環の2位に結合したアミノ基へ選択的にアルコ
キシカルボニル基を導入する方法を開発してきた(特開
平6−128231号公報、特開平6−263739号
公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法は、
いずれも、下記式(III)
【0007】
【化4】
【0008】(但し、Xは2個の水素原子、酸素原子、
メトキシイミノ基であり、Yはアルキル基である。)で
示される化合物についての反応に限られており、上記式
(I)で示されるようなオキシム基の酸素原子に電子吸
引基を有した有機基のような特殊なチアゾール誘導体に
ついては、具体的な例示がなく、また、その反応につい
ては全く検討されていない。
【0009】従って、上記式(I)で示された特殊なチ
アゾール誘導体の医薬品中間体としての重要性は前記し
たように益々増加するとともに、上記式(II)で示され
る2−アミノチアゾール酢酸誘導体の有効な合成方法の
開発が強く望まれてきた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
状に鑑み、上記チアゾール化合物のように、オキシム基
の酸素原子に電子吸引基を有した有機基を持つ特殊なチ
アゾール環の2位に結合したアミノ基へ選択的にアルコ
キシカルボニル基を導入する方法さらに鋭意検討を続け
てきた。その結果、脂肪族3級アミン或いはベンジル基
を有する3級アミンの存在下、上記式(I)で示される
チアゾール誘導体とジアルキルジカーボネートを反応さ
せることによって、高選択的に上記式(II)で示される
2−アミノチアゾール酢酸誘導体を合成できることを見
い出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】即ち、本発明は、下記式(I)
【0012】
【化5】
【0013】(但し、R1は、電子吸引基を有する有機
基であり、R2はカルボキシル基の保護基である。)で
示されるチアゾール誘導体とジアルキルジカーボネート
を脂肪族3級アミン或いはベンジル基を有する3級アミ
ンの存在下に反応させることを特徴とする下記式(II)
【0014】
【化6】
【0015】(但し、R1は、電子吸引基を有する有機
基であり、R2はカルボキシル基の保護基であり、R3
ジアルキルジカーボネートに由来するアルキル基であ
る。)で示される2−アミノチアゾール酢酸誘導体の製
造方法である。
【0016】上記式(I)において、R1で示される電
子吸引基を有する有機基としては、カルボニル基、フェ
ニル基、ニトロ基、シアノ基、スルフォニル基、ハロゲ
ン原子等の電子吸引基を有している有機基であれば、何
等制限なく使用することができる。これらを具体的に例
示すると、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、
ベンゾイル基等のアシル基;メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル
基、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニ
ル基;メトキシアセチル基、メトキシプロピオニル基等
のアルコキシアシル基;ベンジルオキシカルボニル基、
p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−クロロベ
ンジルオキシカルボニル基等の置換及び無置換アラルキ
ルオキシカルボニル基;フェニルオキシカルボニル基、
p−ニトロフェニルオキシカルボニル基、p−クロロフ
ェニルオキシカルボニル基等の置換及び無置換アリール
オキシカルボニル基;メタンスルホニル基、エタンスル
ホニル基、iso−プロパンスルホニル基、t−ブタン
スルホニル基等のアルキルスルホニル基;トリフェニル
メチル基(以下、トリチル基ともいう。)、ジフェニル
メチル基、ベンジル基等のアラルキル基、メトキシカル
ボニルメチル基、2−(メトキシカルボニル)プロピル
基、エトキシカルボニルメチル基、2−(メトキシカル
ボニル)プロピル基、t−ブトキシカルボニルメチル
基、2−(t−ブトキシカルボニル)プロピル基、is
o−プロポキシカルボニルメチル基、2−(iso−プ
ロポキシカルボニル)プロピル基等のアルコキシカルボ
ニルアルキル基、シアノメチル基、2−シアノプロピル
基等のシアノアルキル基等を挙げることができる。
【0017】上記式(I)においてR2は、カルボキシ
ル基の保護基である。これらカルボキシル基の保護基
は、エステル、活性エステル等のアミド化反応に供する
ことのできるカルボン酸誘導体を形成する基であれば何
等差し支えない。例えば、アルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、置換されていてもよいアリール基または
N−置換スクシンイミド基等を挙げることができる。こ
れらの基を具体的に例示すると、アルキル基はメチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基等の炭
素数が1〜4の低級アルキル基が好適であり、アルケニ
ル基はアリル基、プロペニル基、iso−プロペニル基
等の炭素数が3〜6の基が好適であり、アラルキル基は
ベンジル基、p−メトキシベンジル基、トリチル基等の
炭素数7〜19の基が好適であり、置換されていてもよ
いアリール基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、
p−ニトロフェニル基等の炭素数6〜8の基が好適であ
り、N−置換スクシンイミド基は、N−ヒドロキシスク
シンイミド基が好適である。中でも、入手及び取り扱い
の容易さを考慮すると、アルキル基を好適に採用するこ
とができる。
【0018】本発明において好適に用い得る上記式
(I)で示される化合物を具体的に例示すると、例えば
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−ホルミ
ルオキシイミノ酢酸、2−(2−アミノチアゾール−4
−イル)−2−アセトキシイミノ酢酸、2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2−プロピオニルオキシイ
ミノ酢酸、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2−ベンゾイルオキシイミノ酢酸、2−(2−アミノチ
アゾール−4−イル)−2−メトキシカルボニルオキシ
イミノ酢酸、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−2−エトキシカルボニルオキシイミノ酢酸、2−(2
−アミノチアゾール−4−イル)−2−iso−プロポ
キシカルボニルオキシイミノ酢酸、2−(2−アミノチ
アゾール−4−イル)−2−t−ブトキシカルボニルオ
キシイミノ酢酸、2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−2−ベンジルオキシカルボニルオキシイミノ酢
酸、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−p
−ニトロベンジルオキシカルボニルオキシイミノ酢酸、
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−フェニ
ルオキシカルボニルオキシイミノ酢酸、2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2−p−ニトロフェニルオ
キシカルボニルオキシイミノ酢酸、2−(2−アミノチ
アゾール−4−イル)−2−メタンスルフォニルオキシ
イミノ酢酸、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−2−エタンスルフォニルオキシイミノ酢酸、2−(2
−アミノチアゾール−4−イル)−2−トリチルオキシ
イミノ酢酸、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−2−ジフェニルメチルオキシイミノ酢酸、2−(2−
アミノチアゾール−4−イル)−2−ベンジルオキシイ
ミノ酢酸、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−
2−ベンジルオキシイミノ酢酸、2−(2−アミノチア
ゾール−4−イル)−2−メトキシカルボニルメトキシ
イミノ酢酸、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)
−2−エトキシカルボニルメトキシイミノ酢酸、2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(t−ブト
キシカルボニル)メトキシイミノ酢酸、2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2−[1−(メトキシカル
ボニル)−1−メチルエトキシイミノ]酢酸、2−(2
−アミノチアゾール−4−イル)−2−[1−(t−ブ
トキシカルボニル)−1−メチルエトキシイミノ]酢
酸、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−シ
アノメトキシイミノ酢酸、2−(2−アミノチアゾール
−4−イル)−2−(2−シアノ)プロポキシイミノ酢
酸のメチルエステル、エチルエステル、t−ブチルエス
テル、アリルエステル、ベンジルエステル、N−ヒドロ
キシスクシンイミドエステル等を挙げることができる。
【0019】なお、上記式(I)で示される化合物につ
いて、オキシイミノ基に関して理論的にシン(Z)及び
アンチ(E)の両異性体が存在し得るが、本発明におい
ては両者とも同様に用いることができる。
【0020】本発明に於いて使用されるジアルキルジカ
ーボネートとしては、通常のカーボネート化合物が何等
制限なく使用できる。それらを具体的に例示すると、ジ
メチルジカーボネート、ジエチルジカーボネート、ジ−
iso−プロピルジカーボネート、ジ−t−ブチルジカ
ーボネート、ジ−t−アミルジカーボネート等を挙げる
ことができる。これらの中でも特に、取扱いの容易さ及
び保護基のとしての性能の高さ等を考慮すると、ジ−t
−ブチルジカーボネート、ジ−t−アミルジカーボネー
ト等を好適に用いることができる。
【0021】ジアルキルジカーボネートの使用量として
は、何等制限はないが、あまり多く用いると、経済的に
不利であるばかりでなく生成物の結晶化を阻害する要因
にもなり、少なすぎると反応速度が著しく低下するのみ
ならず、原料と生成物の分離操作が煩雑になるため、通
常、上記式(I)で示されるチアゾール誘導体1モルに
対して0.8〜2モル、好ましくは0.9〜1.5モル
の範囲から選択することが好ましい。
【0022】本発明に使用される脂肪族3級アミン及び
ベンジル基を有する3級アミンとしては、かかる基を有
する通常の3級アミンを何等制限なく用いることができ
る。本発明に於いて好適に使用される上記3級アミンを
具体的に例示すると、トリエチルアミン、トリブチルア
ミン、ジイソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレ
ンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレ
ンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,
3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエ
チル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’
−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラエチル−1,4−ブタンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,6
−ヘキサンジアミン、ビス−[2−(N,N−ジメチル
アミノ)エチル]エーテル、ビス−[2−(N,N−ジ
メチルアミノ)プロピル]エーテル、ビス−[2−
(N,N−ジメチルアミノ)エチル]スルフィド、ビス
−[2−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]スルフ
ィド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルエチルエ
ーテル、N,N−ジメチルアミノベンジルアミン、N,
N−ジエチルアミノベンジルアミン等を挙げることがで
きる。
【0023】これらの中でも特に、反応活性の高さか
ら、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロ
パンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−
1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルアミノベ
ンジルアミン、N,N−ジエチルアミノベンジルアミン
等を好適に用いることができる。
【0024】3級アミンの使用量としては、特に制限は
ないが、あまり量が少ないと反応速度が著しく低下し、
量が多いと生成物との分離の際に煩雑な工程が必要とな
る上に、ジアルキルジカーボネートの分解反応を促進す
るため、上記式(I)で示されたチアゾール誘導体1モ
ルに対して0.0005〜0.5モル、さらには0.0
01〜0.2モルの範囲から採用することが好ましい。
【0025】また、本反応に於いては、ジアルキルジカ
ーボネート自身を溶媒に用いても全く差し支えないが、
有機溶媒をも使用することができる。用いる有機溶媒と
しては通常の有機溶媒が何等制限なく使用することがで
きる。それらを具体的に例示すると、t−ブチルアルコ
ール、t−アミルアルコール等のアルコール類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニト
リル類;テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテ
ル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエス
テル類;塩化メチレン、クロロフォルム、四塩化炭素、
1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素
類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;
ジメチルカーボネート等のカーボネート類;N,N−ジ
メチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ヘキサン、ヘ
プタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルスルフォキシド
等を挙げることができ、これらの溶媒より適宜選択して
使用することができる。
【0026】これらの溶媒は単独で使用しても良いし、
2種類以上を混合して使用しても一向に差し支えない。
使用する溶媒の量としては特に制限されないが、あまり
少ないと攪拌に影響を及ぼし、あまり多いと1バッチあ
たりの生産効率が下がるため、一般的に溶媒中での一般
式(I)で示されるチアゾール誘導体の濃度が0.1〜
80重量%、好ましくは1〜70重量%の範囲になるよ
うに溶媒を使用するのが好ましい。
【0027】本反応に於ける反応温度は特に制限されな
いが、あまり温度が低いと反応速度が小さくなり、逆に
温度が高いとジアルキルジカーボネートの分解反応が促
進されるのみならず上記式(II)で示される2−アミノ
チアゾール酢酸誘導体の選択率が低下するため、通常、
−10〜100℃、好ましくは0〜80℃の範囲で行う
のがよい。
【0028】反応は常圧、加圧、減圧いずれの場合も可
能であり、反応に要する時間は、反応温度、溶媒の種
類、塩基の量によっても異なるが、通常は、0.1〜6
0時間の反応で十分である。
【0029】このようにして、前記式(II)で示される
2−アミノチアゾール酢酸誘導体が生成される。
【0030】前記式(II)においてR3は、チアゾール
誘導体と反応するジアルキルジカーボネートに由来する
アルキル基である。それらを具体的に例示すると、前記
したジアルキルジカーボネートに由来するメチル基、エ
チル基、iso−プロピル基、t−ブチル基、t−アミ
ル基等である。
【0031】また、前記式(II)で示される2−アミノ
チアゾール酢酸誘導体を生成した後の分離、精製方法
は、下記の方法が好適に採用される。
【0032】即ち、水に溶解する有機溶媒を用いる場合
には、溶媒を留去した後、塩化メチレン、酢酸エチル等
の水に溶解しない有機溶媒に溶解させ、水に溶解しない
有機溶媒を用いた場合には、そのまま水或いは弱酸性の
水溶液で洗浄して塩基を取り除き、その後、前記式(I
I)で示される2−アミノチアゾール酢酸誘導体と溶媒
との分離を行う方法が好適である。分離の方法としては
公知の方法が何等制限なく採用することができる。例え
ば、溶媒を留去後、残さをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで分離精製する方法或いは残さに貧溶媒を加え
て晶析させる方法等を採用することができる。
【0033】このようにして、上記式(I)で示される
チアゾール誘導体とジアルキルジカーボネートを脂肪族
3級アミン或いはベンジル基を有する3級アミンの存在
下に反応させて、例えば、2−(2−アルコキシカルボ
ニルアミノチアゾール−4−イル)−2−置換オキシイ
ミノ酢酸エステルのような2−アミノチアゾール酢酸誘
導体を工業的に有利に製造することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、電子吸引基を有する置
換基がオキシム基に結合した前記チアゾール誘導体の2
位のアミノ基にアルコキシカルボニル基を選択的に導入
することができる。
【0035】従って、温和な条件下、極めて簡便な操作
で2−(2−アルコキシカルボニアルアミノチアゾール
−4−イル)−2−置換オキシイミノ酢酸エステルの如
き、前記一般式(II)で示される2−アミノチアゾール
酢酸誘導体を高収率で得ることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0037】実施例1 100mlの茄子型フラスコに、(Z)−2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2−[1−(t−ブトキ
シカルボニル)−1−メチルエトキシイミノ]酢酸エチ
ル0.99g(3mmol)、ジ−t−ブチルジカーボ
ネート0.72g(3.3mmol)、N,N,N’,
N’−テトラメチルエチレンジアミン0.017g
(0.15mmol)、テトラハイドロフラン10ml
を加え、20℃で反応を行った。24時間攪拌した後、
反応液を常法で処理し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製したところ、(Z)−2−(2−t−ブト
キシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−
[1−(t−ブトキシカルボニル)−1−メチルエトキ
シイミノ]酢酸エチルが1.26g(収率97.5%)
得られた。
【0038】実施例2〜11 表1に示した有機溶媒及び3級アミンを用いた以外は実
施例1と同様の反応を行った。その結果を表1に示し
た。
【0039】
【表1】
【0040】実施例12〜16 表2に示したチアゾール誘導体を用いた以外は実施例1
と同様の操作を行った。
【0041】その結果を表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】実施例17 100mlの茄子型フラスコに、(Z)−2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2−アセトキシイミノ酢
酸エチル0.77g(3mmol)、ジ−t−ブチルジ
カーボネート0.72g(3.3mmol)、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.017
g(0.15mmol)、アセトニトリル10mlを加
え、20℃で反応を行った。24時間攪拌した後、反応
液を常法で処理し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製したところ、(Z)−2−(2−t−ブトキシ
カルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−アセト
キシイミノ酢酸エチルが0.98g(収率91.1%)
得られた。
【0044】実施例18〜21 表3に示した有機溶媒及び3級アミンを用いた以外は実
施例17と同様の反応を行った。その結果を表3に示し
た。
【0045】
【表3】
【0046】実施例22〜25 表4に示したチアゾール誘導体を用いた以外は実施例1
7と同様の操作を行った。その結果を表4に示した。
【0047】
【表4】
【0048】実施例26 100mlの茄子型フラスコに、(Z)−2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2−t−ブトキシカルボ
ニルオキシイミノ酢酸エチル0.95g(3mmo
l)、ジ−t−ブチルジカーボネート0.72g(3.
3mmol)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチ
レンジアミン0.0035g(0.03mmol)、ア
セトニトリル10mlを加え、20℃で反応を行った。
24時間攪拌した後、反応液を常法で処理し、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製したところ、(Z)
−2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール
−4−イル)−2−t−ブトキシカルボニルオキシイミ
ノ酢酸エチルが1.17g(収率93.5%)得られ
た。
【0049】実施例27〜31 表5に示した有機溶媒及び3級アミンを用いた以外は実
施例26と同様の反応を行った。その結果を表5に示し
た。
【0050】
【表5】
【0051】実施例32〜36 表6に示したチアゾール誘導体を用いた以外は実施例2
6と同様の操作を行った。その結果を表6に示した。
【0052】
【表6】
【0053】実施例37〜42 表7に示したジアルキルジカーボネートを用いた以外は
実施例1、17、26と同様の操作を行った。その結果
を表7に示した。
【0054】
【表7】
【0055】実施例43 100mlの茄子型フラスコに、(Z)−2−(2−ア
ミノチアゾール−4−イル)−2−トリチルオキシイミ
ノ酢酸エチル1.37g(3mmol)、ジ−t−ブチ
ルジカーボネート0.72g(3.3mmol)、N,
N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.0
070g(0.06mmol)、塩化メチレン10ml
を加え、20℃で反応を行った。24時間攪拌した後、
反応液を常法で処理し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製したところ、(Z)−2−(2−t−ブト
キシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−ト
リチルオキシイミノ酢酸エチルが1.26g(収率7
5.1%)得られた。
【0056】実施例44〜47 表8に示した有機溶媒及び3級アミンを用いた以外は実
施例43と同様の反応を行った。その結果を表8に示し
た。
【0057】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 277/00 - 277/593 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) 【化1】 (但し、R1は、電子吸引基を有する有機基であり、R2
    はカルボキシル基の保護基である。)で示されるチアゾ
    ール誘導体とジアルキルジカーボネートとを脂肪族3級
    アミン或いはベンジル基を有する3級アミンの存在下に
    反応させることを特徴とする下記式(II) 【化2】 (但し、R1は、電子吸引基を有する有機基であり、R2
    はカルボキシル基の保護基であり、R3はジアルキルジ
    カーボネートに由来するアルキル基である。)で示され
    る2−アミノチアゾール酢酸誘導体の製造方法。
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