JP3514495B2 - ハロゲン化アミノチアジアゾリル酢酸誘導体の製造法 - Google Patents

ハロゲン化アミノチアジアゾリル酢酸誘導体の製造法

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  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた抗菌活性を有す
る7 β- アシルアミノセファロスポリン誘導体を製造す
るためのアシル化剤として有用であるハロゲン化アミノ
チアジアゾリル酢酸誘導体(II)またはその塩の製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】
〈発明の背景〉従来、セフェム化合物の抗菌活性を向上
させるためにさまざまな検討がなされてきたが、その中
でも特にセファロスポリン骨格の7 位のアミノ基の化学
修飾が有用であり、2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾー
ル-3- イル)酢酸との酸アミドを形成することにより抗
菌スペクトルが拡大し、かつ抗菌力も強化されることが
見出された。このためには一般に2-(5-アミノ-1,2,4-
チアジアゾール-3- イル)酢酸をカルボキシル基の反応
性誘導体に導き、7 β- アミノセファロスポリン誘導体
と縮合させて目的とする抗菌力の優れた抗生物質が製造
される。カルボキシル基の反応性誘導体としては、たと
えば酸塩化物,酸臭化物などの酸ハロゲン化物、酸無水
物、混合酸無水物、活性エステル、活性酸アミドなどが
挙げられる。このように多くのカルボキシル基の反応性
誘導体が挙げられるが、反応性や操作性などの観点から
酸塩化物、酸臭化物などの酸ハロゲン化物が多用されて
いる。
【0003】〈従来技術〉2-(5-アミノ-1,2,4- チアジ
アゾール-3- イル)酢酸は分子内に2 つの活性な官能基
すなわちアミノ基とカルボキシル基を有する。従って一
般にはカルボキシル基のハロゲン化に際しては、まず一
方のアミノ基をt-ブトキシカルボニル(以下Boc )基な
どの保護基で保護し、ついでカルボキシル基のハロゲン
化を行っている。たとえばセンデス(Csendes )らはジ
ャーナル・オブ・アンチバイオティクス(J.Antibiotic
s )36:1020 〜1033,1983.において2-(5-Boc-アミノ-
1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2- (Z)- オキシ
イミノ酢酸を酢酸エチル中-10 で塩化オキザリルとN,N-
ジメチルホルムアミドの混合物(いわゆるビルスマイヤ
ー試薬)を滴下して酸塩化物を作り、それを単離せずに
続けて7 β- アミノセファロスポリン誘導体を加えて縮
合し目的の抗生物質を合成する方法を開示している。ま
た、神谷らは特開平1-156984号公報においてN,N-ジメチ
ルホルムアミドとテトラヒドロフランの混液を-10 ℃に
冷却し、オキシ塩化リンを加え氷冷下撹拌した後、2-
(5-トリチルアミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)
-2- (Z)- フルオロメトキシイミノ酢酸を−10℃で加
え前記と同様に酸塩化物を作り、続けて7 β- アミノセ
ファロスポリン誘導体と縮合し目的とする抗生物質を合
成する方法を開示している。これらの方法は酸塩化物を
単離していないのでハロゲン化アミノチアジアゾリル酢
酸誘導体の収率などは明らかでない。さらに坂根らは特
開昭57-24389号公報においてアミノ基を保護していない
2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- ル)-2-
(Z)- エトキシイミノ酢酸を−20℃で塩化メチレン
中、五塩化リンを用いて塩素化し、ついでジイソプロピ
ルエーテルで塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール
-3- イル)-2- (Z)- エトキシイミノ酢酸・ 塩酸塩を
収率89.1% で析出させる方法を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に酸ハロゲン化物
は不安定であるため、前述のセンデスらの方法あるいは
特開平1-156984号公報に開示されている方法のように、
生成後単離精製することなく続けて次工程の反応に用い
られることが多い。しかしこの方法の最大の欠点は、ハ
ロゲン化反応の結果生じた反応性の副生成物が混在した
まま次反応に移るため、これらが別途に副反応を起こ
し、より多くの副生成物をさらに新たに生じることにあ
る。そのため、比較的構造物性の類似した副生物が数多
く混じる粗製物の中から、目的物を単離精製しなければ
ならない。この結果目的物の収率は大幅に低下し、場合
によっては一部の副生成物がいかなる精製法を用いても
除去できず、十分な純度が得られないことである。そこ
で特開昭57-24389号公報に開示された方法のように、酸
ハロゲン化物を一旦単離することにより、できるだけハ
ロゲン化反応の反応性副生成物を取り除くことも試みら
れているが、これまでに開示された方法では目的とする
酸ハロゲン化物の収率が低く、しかもアミノ基を保護し
ないと下記構造式で示されるリン−アミド体(III)
などが副生するため、純度が十分ではなかった。
【0005】
【化6】
【0006】さらにセンデスや神谷らのアミノ基を保護
する方法では、保護基を除く新たな工程が別途必要とな
り、工程増に伴う収率低下に加え、酸の使用によるイミ
ノエーテル基の異性化が起こり新たな副生成物が生じる
欠点もあり、工業的に満足できる方法ではなかった。そ
の他、酸ハロゲン化物以外のカルボキシル基の反応性誘
導体を用いる方法においても反応性、操作性、安全性、
コスト、その他の問題は解決できなかった。さらにこれ
ら従来技術で製造した反応性中間体は反応性や純度,安
定性などの点でも満足できる方法ではなかった。本発明
者らは、これら従来技術の有する問題点を解決すべく鋭
意検討を重ねた結果、高純度かつ安定性の高いハロゲン
化アミノチアジアゾリル酢酸誘導体の製造法を見出し本
発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は一般式
(I)
【0008】
【化7】
【0009】[式中、R1 は低級アルキル基、シクロア
ルキル基またはハロゲン化低級アルキル基、R2 はアミ
ノ基の保護基または水素原子を示す]で表される化合物
またはその塩をハロゲン化試薬、または水の存在下(こ
こで水の存在下とは反応系中に水を含むことを意味し、
系中に直接水を加えることの他、原料の水和物を使用す
ることも含まれる。)にハロゲン化剤と反応させ一般式
(II)
【0010】
【化8】
【0011】[式中、R1 ,R2 は前記の定義と同様の
意味を有する]で表される酸ハロゲン化物を得た後、反
応液を水に注ぎ水中から遊離体を単離するか、または反
応液からハロゲン化水素塩を析出させ単離することを特
徴とする高純度ハロゲン化アミノチアジアゾリル酢酸誘
導体(II)またはその塩の製造法である。さらにこの
方法では、生成した化合物が従来の方法で製造した場合
と比較して安定性が高く、原料として長期に亙って保存
が可能であるため、工業上著しく有利である。上記反応
式中のR1 の低級アルキル基としては好ましくは炭素数
1 〜6 の低級アルキル基を意味する。具体的にはメチル
基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル
基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、sec-ペ
ンチル基、t-ペンチル基、n-ヘキシル基などを挙げるこ
とができる。またシクロアルキル基とはシクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基などを挙げることができる。ハロゲン化低級アルキ
ル基としては前記の低級アルキル基中の1 つ以上の水素
原子がフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子
で置換された基が挙げられる。具体的には例えばフルオ
ロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル
基、1-フルオロエチル基、2-フルオロエチル基、1,1-ジ
フルオロエチル基、1,2-ジフルオロエチル基、2,2-ジフ
ルオロエチル基、1,1,1-トリフルオロエチル基、1,1,2-
トリフルオロエチル基、1,2,2-トリフルオロエチル基、
2,2,2-トリフルオロエチル基、クロロメチル基、ジクロ
ロメチル基、トリクロロメチル基、1-クロロエチル基、
2-クロロエチル基、1,1-ジクロロエチル基、1,2-ジクロ
ロエチル基、2,2-ジクロロエチル基、1,1,1-トリクロロ
エチル基、1,1,2-トリクロロエチル基、1,2,2-トリクロ
ロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基などを挙げるこ
とができる。また、一般式(I)においてアルコキシイ
ミノ基あるいは置換アルコキシ基の部分の立体配置に関
し、一般式(IV)
【0012】
【化9】
【0013】で表されるシン異性体(Z)と、一般式
(V)
【0014】
【化10】
【0015】で表されるアンチ異性体(E)が存在す
る。本発明には両異性体とも含まれるが、抗菌活性の観
点からはシン異性体がより好ましい。本願発明によれ
ば、原料(例えば2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール
-3- イル)酢酸など)にシン(Z)異性体を用いれば、
高純度の目的物たるカルボン酸ハロゲン化物(例えば塩
化2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)酢酸
など)のシン(Z)異性体を得ることができ非常に有用
である。次に本発明においては、2-(5-アミノ-1,2,4-
チアジアゾール-3- イル)酢酸分子内のもう一方の活性
な官能基であるアミノ基を保護をすることなくカルボン
酸ハロゲン化物を得ることができるが、アミノ基は保護
されていてもよい。一般式(I)においてR2 のアミノ
基の保護基としての具体例を挙げると、通常、有機合成
上アミノ基の保護基として知られている基であればいか
なる基でもよく限定されないが、たとえばホルミル基、
アセチル基、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、
プロピオニル基、フェニルアセチル基、フェノキシアセ
チル基、チエニルアセチル基などの置換または非置換の
アルカノイル基;メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、p-ニトロベンジ
ルオキシカルボニル基などの置換または非置換のアルコ
キシカルボニル基;メチル基、t-ブチル基、2,2,2-トリ
クロロエチル基、トリチル基、p-メトキシベンジル基、
p-ニトロベンジル基、ジフェニルメチル基、ピバロイル
オキシメチル基などの置換アルキル基;トリメチルシリ
ル基、t-ブチルジメチルシリル基などの置換シリル基;
ベンジリデン基、サリチリデン基、p-ニトロベンジリデ
ン基、m-クロルベンジリデン基、3,5-ジ(t-ブチル)-4
- ハイドロキシベンジリデン基、3,5-ジ(t-ブチル)ベ
ンジリデン基などの置換または非置換のベンジリデン基
などを挙げることができる。これらの保護基R2 の脱離
は、使用した保護基の種類に応じ、加水分解、還元など
常法により行うことができる。
【0016】また出発物質に一般式(I)の化合物の塩
を用いる場合、塩の種類は限定されないがたとえば塩酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、臭化水素酸
塩、ヨウ化水素酸塩などの無機酸の付加塩;酢酸塩、マ
レイン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、トリフルオロ酢酸塩な
どの有機カルボン酸の付加塩;メタンスルホン酸塩、ヒ
ドロキシメタンスルホン酸塩、ヒドロキシエタンスルホ
ン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸
塩、タウリン塩などの有機スルホン酸の付加塩;トリメ
チルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、プロ
カイン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,
N'- ジベンジルエチレンジアミン塩、N-メチルグルカミ
ン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン
塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタン塩、フェ
ネチルベンジルアミン塩などのアミンの付加塩;アルギ
ニン塩、リジン塩、セリン塩、グリシン塩、アスパラギ
ン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸の付加塩などを
挙げることができる。
【0017】本発明に係るハロゲン化試薬とは、酸アミ
ドまたはリン酸アミドにハロゲン化剤を作用させて得ら
れるビルスマイヤー試薬を意味する。酸アミドとは、一
般式(VI)
【0018】
【化11】
【0019】で表すことができる。式中、R3,R4,R5
は同一または相異なる水素原子、酸素原子、硫黄原子、
窒素原子などを含んでも良い炭化水素基を示す。ここで
炭化水素基とは、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素など
を意味し、脂肪族炭化水素は環式でも非環式でもよく、
例えば低級アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキ
ニル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
これらの炭化水素基は、さらに炭化水素基またはニトロ
基、シアノ基、アルコキシ基、カルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、チオカルボニル基などで置換されてい
てもよい。酸アミド(VI)の具体例を挙げると例えば
N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,
N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、N-メ
チルベンズアミド、アセトアニリド、N,N-ジメチルベン
ズアミド、ベンズアニリド、N-メチルピロリドン、N-メ
チルホルムアニリド、N-ホルミルピペリジン、N-ホルミ
ルモルホリンなどを挙げることができる。リン酸アミド
とは、一般式(VII)
【0020】
【化12】
【0021】で表すことができる。式中、R6,R7 はそ
れぞれ前記R3,R4 と同定義であり、リン酸アミド(V
II)として具体的にはヘキサメチルリン酸トリアミド
(HMPA)、ヘキサメチル亜リン酸トリアミド(HM
PT)等を挙げることができる。ハロゲン化剤としては
ホスゲン、ジホスゲン(ホスゲン2 量体)、トリホスゲ
ン(ホスゲン3 量体)、塩化チオニル、臭化チオニル、
三塩化リン、三臭化リン、オキシ塩化リン、五塩化リ
ン、トリクロロメチル・クロロホルメート、塩化オキザ
リルなど、通常酸ハロゲン化物の合成に用いられている
ハロゲン化剤を挙げることができる。
【0022】ハロゲン化試薬による反応においてはまず
ビルスマイヤー試薬を合成し、ついでハロゲン化を行う
が、このビルスマイヤー試薬の合成は常法により行うこ
とができる。例えば、通常酸アミドまたはリン酸アミド
を−20〜10℃に冷却しそこにハロゲン化剤を徐々に滴下
し撹拌下5 分〜60分程度反応させて調製する。なお反応
に際して、ハロゲン化剤に対する酸アミドまたはリン酸
アミドの使用量は通常1 〜10当量、好ましくは1 〜5 当
量、さらに好ましくは1 〜2.5 当量を用いる。またビル
スマイヤー試薬を調製する際および/またはハロゲン化
反応を行う際には、溶媒を用いてもよい。溶媒としては
本反応を阻害しない限りいかなるものでもよく、たとえ
ば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、
1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,
N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミ
ド、ヘキサメチル亜リン酸トリアミド、ジメチルスルホ
キシド、アセトン、アセトニトリル、水などの一種もし
くは二種以上の混合溶媒が用いられる。溶媒の量は原料
1 容に対して通常1 〜100 容、好ましくは1 〜50容、さ
らに好ましくは1 〜20容である。反応温度は通常 -60℃
〜溶媒還流温度であるが、好ましくは -30℃〜室温であ
り、さらに好ましくは -20〜10℃であり、通常は5 分〜
48時間程度で反応が終了する。
【0023】一方、水の存在下にハロゲン化剤と反応さ
せ酸ハロゲン化物を製造する場合には、出発物質として
アミノチアジアゾリル酢酸誘導体の水和物を用いるか、
あるいは無水物に水を添加して用いる。通常水和物はア
ミノチアジアゾリル酢酸誘導体に対し 0.1〜2.0 当量の
水を含有し、無水物に水を添加する場合にもこの範囲内
に調整する。このように水の存在下にハロゲン化剤を反
応させることは通常は全く考えられない方法であり、し
かも目的物の収率と純度に優れることは従来にない新規
技術である。本反応におけるハロゲン化剤とは、ホスゲ
ン、ジホスゲン(ホスゲン2 量体)、トリホスゲン(ホ
スゲン3 量体)、塩化チオニル、臭化チオニル、三塩化
リン、三臭化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、トリ
クロロメチル・クロロホルメイト、塩化オキザリルな
ど、通常酸ハロゲン化物の合成に用いられているハロゲ
ン化剤であれば、いずれも用いることができる。なお反
応に際してハロゲン化剤は、アミノチアジアゾリル酢酸
誘導体と反応系に存在する水の合計総当量数に対して、
通常は1 〜10当量、好ましくは1 〜5 当量、さらに好ま
しくは1 〜2.5 当量を用いる。また本反応は無溶媒で
も、あるいは溶媒中でも実施することができる。溶媒を
用いる場合には、反応に不活性なものであればいかなる
溶媒でも使用することができるが、好ましい例として
は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3-ジオキソラ
ン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロホル
ム、四塩化炭素、n-ヘキサン、ベンゼン、トルエン、酢
酸エチル、酢酸ブチル、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジ
メチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメ
チルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、水など
の1 種または2 種以上の混合物を挙げることができる。
反応温度は通常 -40℃〜溶媒還流温度であるが、好まし
くは -20℃〜室温であり、さらに好ましくは -20〜10℃
であり、通常は5 分〜48時間程度で反応が終了する。
【0024】ハロゲン化反応が終了した後、目的生成物
である高純度酸ハロゲン化物を、遊離体(酸との塩を形
成していないフリー体)あるいはハロゲン化水素塩とし
て、それぞれ単離することができる。遊離体として得る
には、ハロゲン化反応液を水に加えることにより、遊離
体の結晶を析出させる。従来の技術では、特開平4-1282
77号公報の実施例に開示されているように、純度は60〜
80%程度の目的物しか得られなかったが、本方法におい
ては、純度約90%以上の高純度酸ハロゲン化物遊離体を
得ることができる。しかも本方法による酸ハロゲン化物
遊離体は安定性が優れているため長期保存が可能とな
り、セファロスポリン骨格のアミド化などの次反応に用
いるにあたり、従来のように要時調製する必要もなく、
工業生産上、極めて有利である。さらに水に接触した際
のpHが約3 〜4 あり、次反応においてより緩和な条件下
で使用できるため、セファロスポリン骨格などの不安定
な化合物に対しても、温和な条件下で反応させることが
でき、副反応や異性化を防止することが可能となった。
さらには、乾燥工程あるいは保存中にハロゲン化水素が
発生しないので、作業の安全性が高く、製造設備・保存
容器に対する腐食性が極めて少ない。
【0025】一方、酸ハロゲン化物をハロゲン化水素塩
として得るには、ハロゲン化反応液に目的物が難溶であ
る溶媒を加え、ハロゲン化水素塩の結晶を析出させる。
その際に用いる溶媒は、目的物に対し不活性な難溶性溶
媒であれば限定されないが、たとえばイソプロピルエー
テル、n-ヘキサン、シクロヘキサン、イソオクタン、石
油エーテルなどを挙げることができる。本方法によって
得られる酸ハロゲン化物の純度も90%以上であり、純
度、安定性において共に優れている。
【0026】以上の反応はすべて通常の原料(I)を用
いて行うことができるが、さらに高純度,高収率を得た
い場合には、粒径が数十ミクロン以下である一般式
(I)
【0027】
【化13】
【0028】[式中、R1 は低級アルキル基、シクロア
ルキル基またはハロゲン化低級アルキル基、R2 はアミ
ノ基の保護基または水素原子を示す]で表される化合物
またはその塩を原料としてハロゲン化反応を行うことが
できる。この場合には得られる酸ハロゲン化物の収量が
増すため、残存する原料や副生成物の量が減少し、収率
の向上と共に純度も向上するという効果がある。この場
合原料(I)の溶解度が低い溶媒であっても当該反応に
用いることができ大変有用である。通常これらの粒径の
原料を得るにはジェットミルなどで粉砕したものを用い
るが、この方法に限定されず結晶化その他の方法により
得たものであってもよい。この粒径は30ミクロン以
下、好ましくは20ミクロン以下、より好ましくは10
ミクロン以下が望ましい。
【0029】なお本発明によって得られる酸ハロゲン化
物は、遊離体、ハロゲン化水素塩のいずれも同等の反応
性を有し、同様な方法で酸アミド化などの次反応に用い
ることができる。 以下に上記効果を証明するために
実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。な
お生成物の純度は、サンプルをメタノール中に加え、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析し、メチ
ルエステル体と原料(I)および副生成物の面積ピーク
比により純度を算出した。
【0030】
【実施例】 実施例1 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3
- イル)-2- (Z)- メトキシイミノ酢酸の合成 2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2-
(Z)- メトキシイミノ酢酸 10.0gをテトラヒドロフラ
ン(THF )50.0ml中−20℃で撹拌し、予めTHF 20mlとN,
N-ジメチルホルムアミド(DMF )4.0gの混合物中に5 ℃
でオキシ塩化リン8.4g を少しづつ加えて30分間反応さ
せ調製しておいたハロゲン化試薬を滴下した。5 分間反
応させた後氷水160ml 中に反応液を加え、結晶を析出さ
せた。この結晶を濾取し氷水200ml で洗浄し、減圧乾燥
して標題化合物を得た。収量9.60g(収率88.0% ,純度9
7.2% )。1 H NMR(DMSO-d6) ;δ4.12(3H,s) 元素分析C5542 SCl 理論値C:27.22 H:2.28 N:25.
39 分析値C:27.04 H:2.25 N:25.
37 IR(KBr) 3465,3125,1779,1618,1533,1403cm-1 なお、標題化合物のメトキシイミノ基がシン(Z)異性
体であることを確認するため、特開昭62-228084 号公報
に記載されている方法により有用な抗生物質である7 β
- 〔(Z)-2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イ
ル)-2- メトキシイミノアセトアミド〕-3-(4-カルバモ
イルキヌクリジニオ) メチル-3- セフェム-4- 酢酸に誘
導して1 H−NMR解析により、この目的物がシン
(Z)異性体であることを確認した。
【0031】実施例2 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チア
ジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メトキシイミノ酢酸
の合成 実施例1と同様にして水中に反応液を加え、析出した結
晶を濾取し氷水200mlで洗浄したあと、結晶を水中に懸
濁し1 M酢酸ナトリウム水溶液でpH4.8 に調整した。こ
の結晶を濾過し、n-ヘキサン120ml と30分撹拌した。濾
過後減圧乾燥して標題化合物を得た。収量8.3g(収率7
6.1% ,純度94.5% )。機器分析データは実施例1と一
致した。
【0032】実施例3 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チア
ジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メトキシイミノ酢酸
の合成 実施例1と同様にして水中に反応液を加え、析出した結
晶を濾取し氷水200mlで洗浄したあと、結晶を水中に懸
濁し1 M酢酸ナトリウム水溶液でpH4.0 に調整した。こ
の溶液を酢酸エチル100ml で抽出した。有機層を硫酸マ
グネシウムで乾燥し、濾液を濃縮して減圧乾燥後標題化
合物を得た。収量8.7g(収率79.7% ,純度97.6% )。機
器分析データは実施例1と一致した。
【0033】実施例4 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チア
ジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メトキシイミノ酢酸
の合成 2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2-
(Z)- メトキシイミノ酢酸 10.0gを1,2-ジメトキシエ
タン(DME )50.0ml中−20℃で撹拌し、予めDME20mlと
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF )4.0gの混合物中に5
℃でオキシ塩化リン 8.4g を少しづつ加えて30分間反応
させ調製しておいたハロゲン化試薬を滴下した。5 分間
反応させた後氷水160ml 中に反応液を加え、結晶を析出
させた。この結晶を濾取し氷水200ml で洗浄後、n-ヘキ
サン120ml と30分撹拌した。結晶を濾過後減圧乾燥して
標題化合物を得た。収量8.43g (収率76.6% ,純度97.2
% )。機器分析データは実施例1と一致した。
【0034】実施例5 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チア
ジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メトキシイミノ酢酸
の合成 2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2-
(Z)- メトキシイミノ酢酸 10.0gをアセトニトリル 8
0.0ml −20℃で撹拌し、予めアセトニトリル 25ml とN,
N-ジメチルホルムアミド(DMF )4.0gの混合物中に5 ℃
でオキシ塩化リン8.4g を少しづつ加えて30分間反応さ
せ調製しておいたハロゲン化試薬を滴下した。5 分間反
応させた後氷水200ml を反応液に加え、結晶を析出させ
た。この結晶を濾取し氷水100ml で洗浄後、n-ヘキサン
100ml と30分撹拌した。結晶を濾過後減圧乾燥して標題
化合物を得た。収量8.90g (収率81.6% ,純度97.9%
)。機器分析データは実施例1と一致した。
【0035】実施例6 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チア
ジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メトキシイミノ酢酸
の合成 2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2-
(Z)- メトキシイミノ酢酸 10.0gをテトラヒドロフラ
ン(THF )30.0ml中−20℃で撹拌し、予めTHF 100ml と
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF )4.0gの混合物中に5
℃で塩化オキザリル 6.97gを少しづつ加えて30分間反応
させ調製しておいたハロゲン化物を滴下した。5 分間反
応させた後氷水250ml 中に反応液を加え、結晶を析出さ
せた。結晶を濾取し氷水100ml で洗浄したあと、結晶を
水中に懸濁し1 M酢酸ナトリウム水溶液でpH4.0 に調整
した。この溶液を酢酸エチル250ml で抽出した。有機層
を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾液を濃縮して減圧乾燥
後標題化合物を得た。収量7.5g(収率68.7% ,純度98.7
% )。機器分析データは実施例1と一致した。
【0036】実施例7 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チア
ジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メトキシイミノ酢酸
の合成 2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2-
(Z)- メトキシイミノ酢酸 10.0gを1,2-ジメトキシエ
タン(DME )30.0ml中−20℃で撹拌し、予めDME100ml
とN,N-ジメチルホルムアミド(DMF )4.0gの混合物中に
5 ℃で塩化オキザリル 6.97gを少しづつ加えて30分間反
応させ調製しておいたハロゲン化試薬を滴下した。5 分
間反応させた後氷水200ml 中に反応液を加え、結晶を析
出させた。結晶を濾取し氷水100ml で洗浄したあと、濾
別しn-ヘキサン 100mlと30分間撹拌した。結晶を濾過後
減圧乾燥して標題化合物を得た。収量8.2g(収率75.1%
,純度94.1% )。機器分析データは実施例1と一致し
た。
【0037】実施例8 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チア
ジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メトキシイミノ酢酸
の合成 2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2-
(Z)- メトキシイミノ酢酸 10.0gをテトラヒドロフラ
ン(THF )30.0ml中−20℃で撹拌し、予めTHF 80mlとN,
N-ジメチルホルムアミド(DMF )4.0gの混合物中に5 ℃
でトリクロロメチルクロロホルメート5.43g を少しづつ
加えて30分間反応させ調製しておいたハロゲン化試薬を
滴下した。5 分間反応させた後氷水200ml 中に反応液を
加え、結晶を析出させた。結晶を濾取し氷水100ml で洗
浄したあと、濾別しn-ヘキサン 100mlと30分間撹拌し
た。結晶を濾過後減圧乾燥して標題化合物を得た。収量
9.2g(収率84.3% ,純度96.5% )。機器分析データは実
施例1と一致した。
【0038】実施例9 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チア
ジアゾール-3- イル)-2- (Z)ー フルオロメトキシイ
ミノ酢酸の合成 2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2-
(Z)ー フルオロメトキシイミノ酢酸 10.0g(45.42mmo
l) をテトラヒドロフラン(THF )30.0ml中室温で撹拌
し完全に溶解させた後、−12℃に冷却した。予めTHF 20
mlとN,N-ジメチルホルムアミド(DMF )3.7g(49.93mmo
l) の混合物中に5 ℃でオキシ塩化リン 7.65g(49.89mmo
l) を少しづつ加えて30分間反応させ調製しておいたハ
ロゲン化試薬を滴下した。反応温度を−15℃にして60分
間反応させた後氷水150ml 中に反応液を加え、20分撹拌
し結晶を析出させた。この結晶を濾取し氷水15mlで2 回
洗浄し、減圧乾燥して標題化合物を得た。収量8.50g
(収率77.9% ,純度95.7% )。1 H NMR(DMSO-d6) ;δ5.84(2H,d、J=5.4Hz) 元素分析C5 FH442 SCl 理論値C:25.17 H:1.69 N:23.
48 分析値C:25.21 H:1.74 N:23.
40 IR(KBr) 3493,3103,1802,1621,1521,1454,1413c
m-1
【0039】実施例10 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チ
アジアゾール-3- イル)-2- (Z)ーフルオロメトキシ
イミノ酢酸の合成 2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2-
(Z)ー フルオロメトキシイミノ酢酸 11.0gをテトラヒ
ドロフラン(THF )30.0ml中−20℃で撹拌し、予めTHF
80mlとN,N-ジメチルホルムアミド(DMF )4.0gの混合物
中に5 ℃で塩化オキザリル 6.97gを少しづつ加えて30分
間反応させ調製しておいたハロゲン化試薬を滴下した。
5 分間反応させた後氷水400ml 中に反応液を加え、結晶
を析出させた。結晶を濾取し氷水100ml で洗浄したあ
と、n-ヘキサン100ml と30分間撹拌し濾取後、減圧乾燥
して標題化合物を得た。収量6.70g (収率56.3% ,純度
91.5%)。機器分析データは実施例9と一致した。
【0040】
【効果例1】 〈安定性の比較〉実施例1により合成した塩化2-(5-ア
ミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メ
トキシイミノ酢酸の安定性を、従来法による比較対照と
してジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(J.Anti
biotics )37:557〜571,1984. 記載の方法で製造した塩
化2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2-
(Z)- メトキシイミノ酢酸塩酸塩と共に、保存温度2
5℃と40℃での安定性を測定した。具体的には測定サ
ンプルをメタノール中に加え塩化2-(5-アミノ-1,2,4-
チアジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メトキシイミノ
酢酸をエステル化合物に変換し、保存により分解し生成
した遊離のカルボン酸の比率(-COOH /(-COOMe +-COO
H)% )をHPLCを用いて求めた。表中、本発明方法に
よる塩を形成していない塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チア
ジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メトキシイミノ酢酸
を遊離体、従来法による塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チア
ジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メトキシイミノ酢酸
塩酸塩を塩酸塩と表記する。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように本発明方法によれ
ば従来法で製造した場合よりも安定な化合物が得られ
る。製造例1 2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イ
ル)-2- フルオロメトキシイミノ酢酸無水物と水和物の
合成法 特開平1-308287号公報記載の方法により合成し
た2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2-
フルオロメトキシイミノ酢酸を加熱乾燥し無水物を得
た。本品を水140ml と撹拌下溶解し、その後析出した針
状結晶を濾取し40℃で真空乾燥して2-(5-アミノ-1,2,4
- チアジアゾール-3- イル)-2- フルオロメトキシイミ
ノ酢酸水和物(水分4.65% )を得た。
【0044】実施例11 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チ
アジアゾール-3- イル)-2- フルオロメトキシイミノ酢
酸・ 塩酸塩の合成 2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2- フ
ルオロメトキシイミノ酢酸水和物(10.0g,0.044mol)を塩
化メチレン50mlに懸濁し−20℃で五塩化リン(13.3g,0.0
64mol)を添加した。30分間撹拌後イソプロピルエーテ
ル100ml を滴下し析出した結晶を濾取し、イソプロピル
エーテル20mlで洗浄後乾燥した。標題化合物9.33g(収率
74.7% ,純度89.7%)を得た。融点 173 〜175 ℃1 H NMR(DMSO-d6) ;δ3.87(3H,s),5.78(1H,s),5.
91(1H,s),8.24(2H,br)元素分析C5 FH743 S 理論値C:30.77 H:3.01 N:23.
92 分析値C:30.93 H:2.89 N:24.
21 なお標題化合物はメチルエステルに誘導して以下の分析
を行った。また、このメチルエステル体のX線構造解析
を行い、標題化合物のメトキシイミノ基がシン(Z)異
性体であることを確認した(日本化学会英文誌(Bull.Ch
em.Soc.Japan),66,2335-2338(1993))。 〈副生成物の同定〉本反応での副生成物を上記のように
メチルエステル体とし、HPLCで分取精製して以下の
同定を行った結果、これが前記一般式(IV)において
式R2 がホスホノ基[−PO(OH)2 ]であるリン−
アミド体のメチルエステル体である式
【0045】
【化14】
【0046】であることが判明した。 融点 119 〜122 ℃1 H NMR(DMSO-d6) ;δ3.73(3H,s),3.76(3H,s),3.
90(3H,s),5.80(1H,s),5.92(1H,s),11.35(1H,br) 元素分析C8 FH1246 PS 理論値C:28.07 H:3.54 N:16.
37 分析値C:28.37 H:3.37 N:16.
68 質量分析 M+1=343
【0047】実施例12 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チ
アジアゾール-3- イル)-2- フルオロメトキシイミノ酢
酸・ 塩酸塩の合成 2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2- フ
ルオロメトキシイミノ酢酸(10g) を塩化メチレン(10ml)
に懸濁し、水(0.2ml) を加える。反応液を-20℃に冷却
し、少しずつ五塩化リン(11.88g)を加える。その後30分
間撹拌し反応液をイソプロピルエーテル(120ml) とイソ
オクタン(32ml)の混液中に滴下する。析出した結晶を濾
過し、イソプロピルエーテル(20ml)で洗浄し、乾燥す
る。標題化合物11.2g (収率89.6% ,純度95.5% )を得
た。機器分析データは実施例11と一致した。
【0048】
【効果例2】 〈純度の比較〉水の添加による目的物の純度向上の効果
を表2に示す。水添化例としては実施例11で得たサン
プルを用い、非添加例としては、実施例11の方法に準
じて水を添加しないで得たサンプルを用いた。
【0049】
【表2】
【0050】表2から明らかなように、本発明によれば
純度の高い、工業的有用性の高いハロゲン化アミノチア
ジアゾリル酢酸誘導体を得ることができる。
【0051】
【効果例3】 〈原料の粒径による効果〉粒径による反応への影響を調
べるために以下の実験を行った。その結果を表3に示
す。実施例13 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チアジアゾール
-3- イル)-2- (Z)-メトキシイミノ酢酸の合成 実施例1と同様にして平均粒径2.4 ミクロンの2-(5-ア
ミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2- (Z)- メ
トキシイミノ酢酸を用いて反応を行った。オキシ塩化リ
ンとN,N-ジメチルホルムアミドにより調製したハロゲン
化試薬を滴下した後、1 分間反応させた。後処理を行い
前記の方法によりHPLCで純度分析した。
【0052】実施例14 塩化2-(5-アミノ-1,2,4- チ
アジアゾール-3- イル)-2- (Z)-メトキシイミノ酢
酸の合成 実施例13と同様にして平均粒径64.5ミクロンの2-(5-
アミノ-1,2,4- チアジアゾール-3- イル)-2- (Z)-
メトキシイミノ酢酸を用いて反応を行った。ハロゲン化
試薬を滴下した後、40分間反応させた。後処理を行い前
記の方法によりHPLCで純度分析した。
【0053】
【表3】
【0054】 表中、「目的物」とは塩化2-(5-アミノ
-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-メトキシイミノ酢
酸を、「副生成物」とは前記一般式(IV)において式
R2がスホノ基[−PO(OH)2]あるオキシ塩化
リンとの反応成績体やアンチ異性化体などを、「原料」
とは2-(5-アミノ-1,2,4-チアジアゾール-3-イル)-2-
メトキシイミノ酢酸をいい、「残存原料」とは反応後に
残存した原料をそれぞれ示す。表3から明らかなよう
に、原料の粒径を30ミクロン以下に調整することによ
り高収率、高純度なハロゲン化アミノチアジアゾリル酢
酸誘導体を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 尾石 和巳 茨城県鹿島郡神栖町知手中央6−16−27 神の池桜花寮217号室 (56)参考文献 特開 平1−156984(JP,A) 特開 昭63−72645(JP,A) 特開 平3−255064(JP,A) KANAI, Takeo,Reac tion of nsoluble 2 −(5−amino−1,2,4−th iadiazol−3−yl)−2− [ (fluoromethoxy)i mino]acetic acid w ith ,Chemistry Ex press,1992年10月 1日,Vo l.7, No.10,pp.805−808 KUKOLJA, Stjepan, Orally absorbable cephalosporin anti biotics. 1. struct ure−activity relat ionships of benzot hienyl− an,J. Med. Chem.,1985年,Vol.28, No.12,pp.1886−1896 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 285/08 CAOLD(STN) CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) CASREACT(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 [式中、R1は低級アルキル基またはハロゲン化低級アル
    キル基、R2はアミノ基の保護基または水素原子を示す]
    で表される化合物またはその塩をVilsmeyer試薬と反応
    させ一般式(II) 【化2】 [式中、R1、R2は前記の定義と同様の意味を有する]で
    表される酸ハロゲン化物を得た後、反応液を氷水に注ぎ
    氷水から遊離体を単離することを特徴とするハロゲン化
    アミノチアジアゾリル酢酸誘導体(II)の製造法。
  2. 【請求項2】R1がメチル基またはフルオロメチル基であ
    る請求項1記載のハロゲン化アミノチアジアゾリル酢酸
    誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】粒径が2.4ミクロン以下である一般式
    (I)で表される化合物またはその塩を用いることを特徴
    とする請求項1ないし2記載のハロゲン化アミノチアジ
    アゾリル酢酸誘導体(II)の製造法。
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