JP4289829B2 - 4−アルキル−チアゾール化合物の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、4−アルキル−チアゾール化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
4−メチル−5−ビニル−チアゾールは、強いナッツの香味を持つことが知られており〔Stoll et.al.,Helv.Chim Acta 50,2055(1967)〕、またピラジン化合物との組み合わせにより肉のアロマの改良が可能となる(特開昭49−100078号公報)。また、本化合物が害虫忌避剤としても有効であることが見出されている(特開平1−38003号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、4−アルキル−5−ビニル−チアゾールの製造法としては、下記反応工程式−1に示すように、4−アルキル−5−低級アルキルカルボニルオキシエチル−チアゾール化合物を450〜550℃で熱分解する方法が知られている(特開昭49−100078号公報)。しかしながら、この方法では、高温で熱分解を行うため、収率が低くなり、更に450〜550℃という温度は、工業生産を行う際の温度としては極端に高く、実用的な方法とは言い難く、また収率も低い。
【0004】
【化7】
【0005】
また、下記反応工程式−2に示すように、チアミンを出発原料とする製造法も知られている〔Tetrahedron,52,1453(1996)〕。しかしながら、この方法においても、全収率が67%と低く、更に、工程数が多く、高価な原料や試薬類を使用する必要があるので、実用に供せられる方法とはいえない。
【0006】
【化8】
【0007】
このように、種々の製造法が開発されているにもかかわらず、工業生産が可能となるような方法はなく、実用的な製造法が強く望まれている。
【0008】
本発明の課題は、上記の従来の製造法に見られる欠点を克服し、簡便かつ実用的であって、目的とする4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物を高収率で得ることができる汎用的な製造法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式(1)で表される4−アルキル−5−スルホニルオキシエチル−チアゾール化合物と二環式アミン、水素化アルカリ金属塩、水素化アルカリ土類金属塩及びアルカリ金属アルコキシドから選ばれる1種又は2種以上とを反応させることを特徴とする、式(2)で表される4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物の製造法に係る。
【0010】
【化9】
【0011】
〔式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は水素原子又は置換基を有することがあるアミノ基、R3は置換基を有することのある低級アルキル基、置換基を有することのあるアリール基又は置換基を有することのあるアラルキル基を示す。〕
【0012】
【化10】
〔式中、R1、R2は上記に同じ。〕
【0013】
また本発明は式(3)で表される4−アルキル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール化合物に、式(4)で表されるスルホン酸誘導体の存在下、2モル当量以上の二環式アミン、水素化アルカリ金属塩、水素化アルカリ土類金属塩及びアルカリ金属アルコキシドから選ばれる1種又は2種以上を反応させることを特徴とする、式(2)で表される4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物の製造法に係る。
【0014】
【化11】
【0015】
R3SO2X (4)
【0016】
〔式中、R1、R2、R3は上記に同じ。Xはハロゲン原子又は基−OSO2R3を示す。〕
【0017】
また、本発明は式(3)で表される4−アルキル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール化合物と、式(4)で表されるスルホン酸誘導体とを、塩基の存在下に、反応させることを特徴とする、式(1)で表される4−アルキル−5−スルホニルオキシエチル−チアゾール化合物の製造法に係る。
【0018】
本発明者は、4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物(2)の製造法を開発するにあたり、工業的に容易に入手可能な試薬類を用いる合成ルートの検討を行う過程で、4−アルキル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール化合物(3)を出発原料とし、中間体として4−アルキル−5−スルホニルオキシエチル−チアゾール化合物(1)を経由する新しい合成ルートに着目し、引続き研究を重ねた結果、工業化の可能な穏和な反応条件下で実施できる合成法を開発することに成功した。
【0019】
本発明によれば、工業的に簡便かつ穏和な条件下で、目的物である4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物(2)を高収率で合成できる製造法が提供される。
また、本発明によれば、中間体である4−アルキル−5−スルホニルオキシエチル−チアゾール化合物(1)を反応系内で生成させ、そのまま引続いて目的物の合成を行うワンポット反応の製造法が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明において低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜4のアルキル基を挙げることができる。アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル等を挙げることができる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル等を挙げることができる。前記低級アルキル基、アリール基及びアラルキル基に置換してもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、式R5COO−(R5は低級アルキル基又はアリール基を示す)で表されるアシルオキシ基、基R5CO−(R5は前記に同じ)で表されるアシル基等を挙げることができる。
またR2で示されるアミノ基には1又は2個の置換基が置換可能であり、置換基としてはトリフェニルメチル、ジフェニルメチル、tert-ブチルオキシカルボニル、ホルミル、アセチル、クロルアセチル基などを挙げることができる。符号Xで示されるハロゲン原子としては、弗素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。
【0021】
本発明によれば、4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物(2)は、4−アルキル−5−スルホニルオキシエチル−チアゾール化合物(1)と二環式アミン、水素化アルカリ金属塩、水素化アルカリ土類金属塩及びアルカリ金属アルコキシドから選ばれる1種又は2種以上とを反応させることにより製造できる(製造法−1)。
【0022】
【化12】
〔式中、R1、R2、R3は上記に同じ。〕
【0023】
原料化合物となる4−アルキル−5−スルホニルオキシエチル−チアゾール化合物(1)は公知の化合物であるが、後述する新規な方法によっても製造できる。
二環式アミン、水素化アルカリ金属塩、水素化アルカリ土類金属塩及びアルカリ金属アルコキシドとしては公知のものを何れも使用できる。二環式アミンの具体例としては、例えば、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等を挙げることができる。水素化アルカリ金属塩の具体例としては、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。水素化アルカリ土類金属塩の具体例としては、例えば、水素化カルシウム等を挙げることができる。アルカリ金属アルコキシドとしては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等を挙げることができる。二環式アミン、水素化アルカリ金属塩、水素化アルカリ土類金属塩及びアルカリ金属アルコキシドから選ばれる1種又は2種以上の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、4−アルキル−5−スルホニルオキシエチル−チアゾール化合物(1)1モルに対し1〜10モル当量とすればよいが、必要に応じ、前記チアゾール化合物(1)がなくなるまで反応系に添加してもよい。
【0024】
上記反応は、通常、有機溶媒中で行なわれる。有機溶媒としては特に制限されず、反応に不活性な公知のものを何れも使用でき、例えば、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の低級アルキルエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルセロソルブ、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソール等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジブロモエタン、プロピレンジクロライド、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、N−メチルピロリジノン等の環状アミド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等を挙げることができる。有機溶媒は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。また有機溶媒には、必要に応じて水が含まれていてもよい。有機溶媒の使用量は特に制限されず、反応が円滑に進行する量を適宜選択すればよいが、4−アルキル−5−スルホニルオキシエチル−チアゾール化合物(1)1kgに対し通常2〜200リットル、好ましくは3〜100リットルとすればよい。
【0025】
本反応は、通常−78〜200℃、好ましくは−30〜120℃の温度下に行なわれ、通常5分〜5時間、好ましくは10分〜2時間で終了する。
上記の反応により得られる4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物(2)は、抽出、蒸留等の通常の分離精製手段により、反応系から容易に単離できる。
【0026】
また、本発明によれば、4−アルキル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール化合物(3)に、スルホン酸誘導体(4)の存在下、2モル当量以上の二環式アミン、水素化アルカリ金属塩、水素化アルカリ土類金属塩及びアルカリ金属アルコキシドから選ばれる1種又は2種以上を反応させることにより、4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物(2)を製造できる(製造法−2)。
【0027】
【化13】
【0028】
R3SO2X (4)
〔式中、R1、R2、R3、Xは上記に同じ。〕
【0029】
本反応には、目的物である4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物(2)をワンポットで製造できるという利点がある。従って、工業的な製造法としてより好適な方法と言うことができる。
原料化合物である4−アルキル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール化合物(3)は、公知の化合物である。
【0030】
スルホン酸誘導体(4)はスルホン酸ハライド又はスルホン酸無水物であり、その具体例としては、例えば、塩化メタンスルホニル、臭化メタンスルホニル、塩化トリフルオロメタンスルホニル等の置換基を有してもよい低級アルキルスルホン酸ハライド、塩化ベンゼンスルホニル、塩化トルエンスルホニル等の置換基を有してもよい芳香族スルホン酸ハライド、塩化ベンジルスルホニル、塩化p−メトキシベンジルスルホニル、塩化フェネチルスルホニル等の置換基を有してもよいアラルキルスルホン酸ハライド、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等の置換基を有してもよい低級アルキルスルホン酸無水物、ベンゼンスルホン酸無水物、トルエンスルホン酸無水物等の置換基を有してもよい芳香族スルホン酸無水物、ベンジルスルホン酸無水物、p−メトキシベンジルスルホン酸無水物等の置換基を有してもよいアラルキルスルホン酸無水物等を挙げることができる。スルホン酸誘導体(4)は1種を単独で使用でき又は必要に応じて2種以上を併用できる。スルホン酸誘導体(4)の使用量は特に制限はなく、広い範囲から適宜選択できるが、4−アルキル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール化合物(3)1モルに対して通常1〜50倍モル、好ましくは1〜10倍モルとすればよい。
【0031】
二環式アミン、水素化アルカリ金属塩、水素化アルカリ土類金属塩及びアルカリ金属アルコキシドとしては、上記と同様のものをいずれも使用できる。これらの使用量は、4−アルキル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール化合物(3)1モルに対して2モル以上、好ましくは2〜10モルとすればよい。
【0032】
本反応は、通常有機溶媒中にて、通常−78〜200℃、好ましくは−30〜120℃の温度下に行なわれ、通常5分〜5時間、好ましくは10分〜2時間で終了する。ここで使用される有機溶媒は、上記に例示のものを何れも使用できる。有機溶媒の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、4−アルキル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール化合物(3)1kgに対して、通常2〜200リットル、好ましくは3〜100リットルとすればよい。
上記の反応により得られる4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物(2)は、抽出、蒸留等の通常の分離精製手段により、反応系から容易に単離できる。
【0033】
上記の製造法において原料化合物として使用される4−アルキル−5−スルホニルオキシエチル−チアゾール化合物(1)は、塩基の存在下、4−アルキル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール化合物(3)とスルホン酸誘導体(4)とを反応させることにより製造できる(製造法−3)。
【0034】
塩基としては、有機塩基及び無機塩基のいずれをも用いることが出来る。有機塩基としては公知のものを使用でき、例えば、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のN,N,N−トリ低級アルキルアミン類、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン等のN−低級アルキルアザシクロアルカン類、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のN−低級アルキルアザオキシシクロアルカン類、N−ベンジル−N,N−ジメチルアミン、N−ベンジル−N,N−ジエチルアミン等のN−フェニル低級アルキル−N,N−ジ低級アルキルアミン類、N,N-ジメチルアニリン等のN,N−ジアルキル芳香族アミン又はピリジン等の含窒素芳香族アミン等を挙げることができる。無機塩基としても公知のものを使用でき、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属塩、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属酸化物等を挙げることができる。更に、上記の製造法−1,2で用いた二環式アミン、水素化アルカリ金属塩、水素化アルカリ土類金属塩及びアルカリ金属アルコキシドも、塩基として用いることができる。塩基は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。塩基の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、通常、4−アルキル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール化合物(3)1モルに対して1〜10モル使用すればよく、必要ならばチアゾール化合物(3)がなくなるまで添加してもよい。
【0035】
本反応は、通常−78〜200℃、好ましくは−30〜120℃の温度下に行なわれ、通常5分〜5時間、好ましくは10分〜2時間で終了する。
本反応により得られる4−アルキル−5−スルホニルオキシエチル−チアゾール化合物(1)は、抽出、蒸留等の通常の分離精製手段に従って、反応系から容易に単離精製できる。また、該チアゾール化合物(1)を含む反応混合物を、そのまま、4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物(2)の製造に用いることができる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、何らこれらに限定されるものではない。
【0037】
実施例1
300mlの四口フラスコに、4−メチル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール(3)10gを秤り取り、塩化メチレン100mlを加えて溶解し、0〜5℃に冷却した。このものにメタンスルホニルクロリド6.6ml(1.2モル当量)及びトリエチルアミン24ml(2.5モル当量)を加え、0〜5℃の温度を維持しながら1時間15分攪拌した。原料化合物(3)がほぼ消失していることを薄層クロマトグラフィー(TLC)で確認した後、5%塩化アンモニウム水溶液100mlを加え、更に水50mlで2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残査をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、化合物(1a)(R3=CH3)15.1g(収率98%)が得られた。このものの1H−NMRは標品のそれと一致した。
1H−NMR:d 2.42(s,3H)、2.95(s,3H)、3.23(t,2H,J=6Hz)、4.36(t,2H,J=6Hz)、8.63(s,1H)
【0038】
実施例2
300mlの四口フラスコに、4−メチル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール(3)10gを秤り取り、塩化メチレン100mlを加えて溶解した。このものにトルエンスルホニルクロリド16g(1.2モル当量)及びトリエチルアミン24ml(2.4モル当量)を加え、室温下2時間40分攪拌した。原料化合物(3)がほぼ消失していることを薄層クロマトグラフィー(TLC)で確認した後、5%塩化アンモニウム水溶液150mlを加え、更に水75mlで2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残査をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、化合物(1b)(R3=C6H4−CH3−p)19.5g(収率98%)が得られた。このものの1H−NMRは標品のそれと一致した。
1H−NMR:d 2.16(s,3H)、2.44(s,3H)、3.16(t,2H,J=6Hz)、4.16(t,2H,J=6Hz)、7.32(d,2H,J=6Hz)、7.71(d,J=6Hz、2H)、8.55(s,1H)
【0039】
実施例3〜9
塩基を表1に記載のものに変更する以外は、実施例2と同様に操作し、化合物(1b)を合成した。得られた化合物(1b)の1H−NMRはいずれも標品と一致した。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例10
300mlの四口フラスコに、4−メチル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール(3)10gを秤り取り、N,N−ジメチルホルムアミド100mlを加えて溶解した。このものにトルエンスルホニルクロリド16g(1.2モル当量)及び炭酸ナトリウム17.8g(2.4モル当量)を加え、室温下2時間40分攪拌した。原料化合物(3)がほぼ消失していることをTLCで確認した後、塩化メチレン300mlと水100mlとの混合溶媒中に注ぎ込み、抽出を行った。有機層に5%塩化アンモニウム水溶液150mlを加え、水75mlで2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残査をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、化合物(1b)が得られた(収率93%)。得られた化合物(1b)の1H−NMRは実施例2のそれと一致した。
【0042】
実施例11〜16
塩基を表2に記載のものに変更する以外は、実施例10と同様に操作し、化合物(1b)を合成した。得られた化合物(1b)の1H−NMRはいずれも実施例2のそれと一致した。
【0043】
【表2】
【0044】
実施例17
10mlのナス型フラスコに、化合物(1b)(R3=C6H4−CH3−p)110mgを秤り取り、N,N−ジメチルホルムアミド1mlに溶解した。このものに水素化ナトリウム(60重量%含量)31mg(2.0モル当量)を加え、室温下1時間20分攪拌した。原料化合物(1b)がほぼ消失していることをTLCで確認した後、塩化メチレン10mlと水10mlとの混合溶媒中に注ぎ込み、抽出を行った。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、低真空度減圧下に溶媒を留去した。得られた残査をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、4−メチル−5−ビニル−チアゾール(2)45.3mg(収率94%)が得られた。
1H−NMR:d 2.43(s,3H)、5.25(d,1H,J=11Hz)、5.47(d,1H,J=16HZz)、6.79(dd,1H,J=11,16Hz)、8.53(s,1H)
【0045】
実施例18
10mlのナス型フラスコに、化合物(1a)(R3=CH3)98.5mgを秤り取り、N,N−ジメチルホルムアミド1mlに溶解した。このものに水素化ナトリウム(60重量%含量)36mg(2.0モル当量)を加え、室温下1時間40分攪拌した。原料化合物(1a)がほぼ消失していることをTLCで確認した後、抽出以降を実施例17と同様にして操作すると、4−メチル−5−ビニル−チアゾール(2)51.8mg(収率93%)が得られた。得られた化合物の1H−NMRは実施例17に一致した。
【0046】
実施例19
200mlの四つ口フラスコに、化合物(1b)13gを秤り取り、N,N−ジメチルホルムアミド130mlを加えて溶解した。このものにジアザビシクロウンデセン7.9ml(1.3モル当量)を加え、100℃にて1時間攪拌した。原料化合物(1b)がほぼ消失していることをTLCで確認し、室温まで冷却した後、塩化メチレン250mlに注ぎ込み、更に5%塩化アンモニウム水溶液150mlを加え、水25mlで2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、低真空度減圧下に溶媒を留去した。得られた残査をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、4−メチル−5−ビニル−チアゾール(2)4.49g(収率91%)が得られた。得られた化合物の1H−NMRは実施例17に一致した。
【0047】
実施例20
10mlのナス型フラスコに、化合物(1a)111mgを秤り取り、N,N−ジメチルホルムアミド1mlを加えて溶解した。このものにジアザビシクロウンデセン(DBU)0.092ml(1.2モル当量)を加え、100℃にて1時間攪拌した。原料化合物(1a)がほぼ消失していることをTLCで確認し、室温まで冷却した後、塩化メチレン20mlと5%塩化アンモニウム水溶液20mlとの混合溶媒中に注ぎ込み、5%塩化アンモニウム水溶液で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、低真空度減圧下に溶媒を留去した。得られた残査をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製すると、4−メチル−5−ビニル−チアゾール(2)55.8mg(収率89%)が得られた。得られた化合物の1H−NMRは実施例17に一致した。
【0048】
実施例21
10mlのナス型フラスコに、4−メチル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール(3)102mgを秤り取り、N,N−ジメチルホルムアミド1mlを加えて溶解した。このものにトルエンスルホニルクロリド160mg(1.2モル当量)及び炭酸ナトリウム190mg(2.4モル当量)を加え室温下に1時間撹拌した。この反応液に更に水素化ナトリウム(60重量%含量)43mg(1.5モル当量)を加え、室温下に30分攪拌した。原料化合物(3)がほぼ消失していることをTLCで確認した後、塩化メチレン20mlと水20mlとの混合溶媒中に注ぎ込み、抽出を行った。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、低真空度減圧下に溶媒を留去した。得られた残査をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製すると、4−メチル−5−ビニル−チアゾール(2)80.2mg(収率90%)が得られた。
【0049】
実施例22
10mlのナス型フラスコに、4−メチル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール(3)100mgを秤り取り、N,N−ジメチルホルムアミド1mlを加えて溶解した。このものにトルエンスルホニルクロリド160mg(1.2モル当量)及び水素化ナトリウム(60重量%含量)84mg(3モル当量)を加え、室温下に1時間30分攪拌した。原料化合物(3)がほぼ消失していることをTLCで確認した後、抽出以降を実施例21と同様に操作すると、4−メチル−5−ビニル−チアゾール(2)71.6mg(収率82%)が得られた。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、工業的に簡便かつ穏和な条件下で、目的物である4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物(2)を高収率で合成できる製造法が提供される。
また、本発明によれば、中間体である4−アルキル−5−スルホニルオキシエチル−チアゾール化合物(1)を反応系内で生成させ、そのまま引続いて目的物の合成を行うワンポット反応の製造法が提供される。
Claims (1)
- 式(3)で表される4−アルキル−5−ヒドロキシエチル−チアゾール化合物に、式(4)で表されるスルホン酸誘導体の存在下、2モル当量以上の二環式アミン、水素化アルカリ金属塩、水素化アルカリ土類金属塩及びアルカリ金属アルコキシドから選ばれる1種又は2種以上を反応させることを特徴とする、式(2)で表される4−アルキル−5−ビニル−チアゾール化合物の製造法。
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