JPH11236387A - 3−セフェム化合物の製造方法 - Google Patents

3−セフェム化合物の製造方法

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JPH11236387A
JPH11236387A JP10055982A JP5598298A JPH11236387A JP H11236387 A JPH11236387 A JP H11236387A JP 10055982 A JP10055982 A JP 10055982A JP 5598298 A JP5598298 A JP 5598298A JP H11236387 A JPH11236387 A JP H11236387A
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JP
Japan
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group
compound
general formula
alkenyl
formula
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JP10055982A
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English (en)
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Shigeru Torii
滋 鳥居
Hideo Tanaka
秀雄 田中
Yoshihisa Tokumaru
祥久 徳丸
Yutaka Kameyama
豊 亀山
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Cephalosporin Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価なペニシリンを出発原料とする短い反応
工程で容易に誘導し得るハロゲン化β−ラクタム化合物
より、広範囲な抗菌スペクトルを有する有用な抗菌剤の
中間体である3−セフェム化合物を簡便な反応操作、ま
た、工業的に有利な反応条件により容易に製造しうる新
規な技術を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表されるハロゲン化β−
ラクタム化合物を、銅塩及び含窒素複素環式芳香族化合
物存在下、一般式(2)で表されるアルケニルスズ化合
物と反応させて、一般式(3)で表される3−セフェム
化合物を得ることを特徴とする3−セフェム化合物の製
造方法。 【化1】 (式中R1は水素原子等、R2は水素原子等、R3は水素
原子等を示す。R4は置換基を有していてもよいアリー
ル基等を示す。mは0〜2を示す、Xはハロゲン原子を
示す。Yはハロゲン原子または脱離基を示す。) R5SnR6 3 (2) (式中R5は置換基を有していても良い1−もしくは2
−アルケニル基を示す。R6は低級アルキル基を示
す。) 【化2】 (式中R1、R2、R3、R5は前記に同じ。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は3−セフェム化合物
の製造方法に関する。得られる3−セフェム化合物は、
例えば最新抗生剤要項第9版、p83)に記載の cefix
ime のような広範囲な抗菌スペクトルを有する抗菌剤の
中間体として有用である(特開昭63−20435
号)。
【0002】
【従来の技術】3−アルケニルセフェムの合成法として
は、3−ハロゲノメチルセファロスポリン化合物より誘
導した3−ホスホラニリデンメチルセファロスポリン化
合物とカルボニル化合物とのカップリング(Wittig反
応)による3−アルケニルセフェム化合物の合成法が知
られている(例えば、特開昭48−19593号、特開
昭63−307885号、特開平3−120288号な
ど)。しかし、これらの反応では一旦、非常に不安定な
ホスホラニリデンメチルセファロスポリン化合物を経由
しなければならず工業的に有為な方法とはいいがたい。
また、3−トリフルオロメタンスルホニルオキシセフェ
ム(4)或いは3−クロロメチルセフェム(5)と有機
錫化合物とのパラジウム触媒を用いるカップリング反応
が報告されている(ジャーナル オブ オーガニック
ケミストリー、55、p5833〜5847、199
0、特開平1−313483号、特開平3−22019
5号)。
【0003】
【化3】 (式中R1、R2、R3は後記に同じ。)
【0004】
【化4】 (式中R1、R2、R3は後記に同じ。)
【0005】しかしこれらの製造方法は、工業的に使用
困難な有機錫化合物を化学量論量以上用いなければなら
ず、また高価なパラジウム触媒を用いなければならない
ばかりではなく、工業的に扱いにくいトリフルオロメタ
ンスルホン酸無水物を用いなければならない等の問題も
抱えている。ペニシリンを出発原料とする3−アルケニ
ルセフェム化合物の製造法としてアレニルβ−ラクタム
化合物を用いる方法も報告されている〔例えばKant et
al.,Tetrahedron Lettters,33,3563(19
92),Torii et al, Tetrahedron Letters,3
3,7029(1992),又は特開平6−65252
号、特開平7−133279号など〕が、この方法では
不安定なアレニルβ−ラクタム化合物を取り扱う必要が
あり、工業的に有利な製造方法としては数多くの問題点
を抱えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、安価
なペニシリンを出発原料とする短い反応工程で容易に誘
導し得るハロゲン化β−ラクタム化合物より、広範囲な
抗菌スペクトルを有する有用な抗菌剤の中間体である3
−セフェム化合物を簡便な反応操作、また、工業的に有
利な反応条件により容易に製造しうる新規な技術を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式(1)で
表されるハロゲン化β−ラクタム化合物を、銅塩及び含
窒素複素環式芳香族化合物存在下、一般式(2)で表さ
れるアルケニルスズ化合物と反応させて、一般式(3)
で表される3−セフェム化合物を得ることを特徴とする
3−セフェム化合物の製造方法に係る。
【0008】
【化5】 (式中R1は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、又は
保護されたアミノ基を示す。R2は水素原子、ハロゲン
原子、低級アルコキシ基、低級アシル基、低級アルキル
基、水酸基又は保護された水酸基を置換基として有する
低級アルキル基、水酸基、又は保護された水酸基を示
す。R3は水素原子又はカルボン酸保護基を示す。R4
置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有
していてもよい含窒素芳香族複素環基を示す。mは0〜
2を示す、Xはハロゲン原子を示す。Yはハロゲン原子
または脱離基を示す。)
【0009】R5SnR6 3 (2) (式中R5は置換基を有していても良い1−もしくは2
−アルケニル基を示す。R6は低級アルキル基を示
す。)
【0010】
【化6】 (式中R1、R2、R3、R5は前記に同じ。)
【0011】本発明の方法によれば、高価なパラジウム
化合物を必要とせず、また不安定で取り扱いにくいホス
ホラニリデン化合物やアレニルβ−ラクタム化合物を用
いることなく、一般式(3)で表される目的の3−セフ
ェム化合物が容易に合成できる。化合物(1)には炭素
−炭素二重結合に基づくシス体及びトランス体の両方が
存在し、本発明では両方が含まれる。
【0012】本明細書において示される各基は、具体的
には各々次の通りである。ハロゲン原子としては、弗
素、塩素、臭素、ヨウ素などを例示できる。低級アルキ
ル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチルなどの直鎖又は分枝状のC1〜C4アル
キル基を例示できる。
【0013】更にR1で示される保護されたアミノ基と
しては、Theodora W. Greene著の”Protective Gr
oups in Organic Synthesis、1981 by John Wi
ley& Sons. Inc."(以下、単に「文献」という)の
第7章(p218〜287)に記載されている各種の基
の他、フェノキシアセトアミド、p−メチルフェノキシ
アセトアミド、p−メトキシフェノキシアセトアミド、p
−クロロフェノキシアセトアミド、p−ブロモフェノキ
シアセトアミド、フェニルアセトアミド、p−メチルフ
ェニルアセトアミド、p−メトキシフェニルアセトアミ
ド、 p−クロロフェニルアセトアミド、p−ブロモフェ
ニルアセトアミド、フェニルモノクロロアセトアミド、
フェニルジクロロアセトアミド、フェニルヒドロキシア
セトアミド、フェニルアセトキシアセトアミド、α−オ
キソフェニルアセトアミド、チエニルアセトアミド、ベ
ンズアミド、p−メチルベンズアミド、p−t−ブチルベ
ンズアミド、p−メトキシベンズアミド、p−クロロベン
ズアミド、p−ブロモベンズアミド、フェニルグリシル
アミド及びアミノ基の保護されたフェニルグリシルアミ
ド、p−ヒドロキシフェニルグリシルアミド及びアミノ
基及び水酸基の一方又は両方が保護された p−ヒドロキ
シフェニルグリシルアミド等のアミド類、フタルイミ
ド、ニトロフタルイミド等のイミド類を例示できる。フ
ェニルグリシルアミドおよび p−ヒドロキシフェニルグ
リシルアミドのアミノ基の保護基としては、上記文献の
第7章(p218〜287)に記載されている基を例示
できる。又、p−ヒドロキシフェニルグリシルアミドの
水酸基の保護基としては、上記文献の第2章(p10〜
72)に記載されている基を例示できる。
【0014】R2で示される低級アルコキシ基として
は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イ
ソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブト
キシ、tert−ブトキシなどの直鎖又は分枝状のC1〜C4
アルコキシ基を例示できる。R2で示される低級アシル
基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、イソブチリルなどの直鎖又は分枝状のC
1〜C4アシル基を例示できる。R2で示される水酸基又
は保護された水酸基を置換基として有する低級アルキル
基の保護された水酸基、およびR2で示される保護され
た水酸基の保護基としては、上記文献の第2章(p10
〜72)に記載されている基を例示できる。R2で示さ
れる上記置換低級アルキル基は、水酸基又は上記で示さ
れる保護された水酸基の中から選ばれる同一又は異なる
種類の置換基で、同一又は異なる炭素上に1つ以上置換
されていてもよい。
【0015】R3で示されるカルボン酸保護基として
は、上記文献の第5章(p152〜192)に記載され
ている各種の基の他、ベンジル基、p−メトキシベンジ
ル基、p−ニトロベンジル基、ジフェニルメチル基、ト
リクロロエチル基、tert−ブチル基等を例示できる。R
4で示される置換基を有していてもよい含窒素芳香族複
素環基の含窒素芳香族複素環基としては、チアゾール−
2−イル、チアジアゾール−2−イル、ベンゾチアゾー
ル−2−イル、オキサゾール−2−イル、ベンゾオキサ
ゾール−2−イル、イミダゾール−2−イル、ベンゾイ
ミダゾール−2−イル、ピリミジル、ピリジル基等を例
示できる。
【0016】R4で示されるアリール基または含窒素芳
香族複素環基に置換していてもよい置換基の種類として
は、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アリ
ール基、低級アルキル基、アミノ基、モノ低級アルキル
アミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、メルカプト基、基
6S−(R6は低級アルキル基又はアリール基)で表さ
れるアルキルチオ基又はアリールチオ基、ホルミルオキ
シ基、基R6COO−(R6は前記に同じ)で表されるア
シルオキシ基、ホルミル基、基R6CO−(R6は前記に
同じ)で表されるアシル基、基R6O−(R6は前記に同
じ)で表されるアルコキシ基又はアリールオキシ基、カ
ルボキシル基、基R6OCO−(R6は前記に同じ)で表
されるアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカル
ボニル基などが例示できる。R4におけるアリール基又
は含窒素芳香族複素環基は、上記の置換基から選ばれる
1つ以上の同一又は異なる種類の置換基で置換されてい
てもよい。
【0017】R5で示される1−もしくは2−アルケニ
ル基としては、例えばビニル、1−メチルビニル、アレ
ニル、1−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、
2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、1−メチ
ル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メ
チル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニ
ル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル
−1−ブテニル、スチリル、アリル、2−メチル−2−
プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニ
ル、3−メチル−2−ブテニルなどを例示できる。R5
で示される1−もしくは2−アルケニル基に置換してい
てもよい置換基としては、上記R4において説明したア
リール基または含窒素芳香族複素環基に置換しても良い
置換基がすべて使用できる。R5における1−もしくは
2−アルケニル基は、上記の置換基から選ばれる1つ以
上の同一又は異なる種類の置換基で置換されていてもよ
い。
【0018】X及びYで示されるハロゲン原子としては
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を例示できる。Yで示され
る脱離基としては、置換基を有していてもよい低級アル
キルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキ
シ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリク
ロロメタンスルホニルオキシ基)、芳香族スルホニルオ
キシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ基、トルエン
スルホニルオキシ基)、ハロゲン化スルホニルオキシ基
(例えばフルオロスルホニルオキシ基)、低級アルキル
ホスホリルオキシ基(例えばトリメチルホスホリルオキ
シ基、トリエチルホスホリルオキシ基、トリブチルホス
ホリルオキシ基)、芳香族ホスホリルオキシ基(例えば
トリフェニルホスホリルオキシ基、トリトリルホスホリ
ルオキシ基)等を例示できる。
【0019】本発明の出発原料である一般式(1)で表
されるハロゲン化β−ラクタム化合物は、例えば、特開
平8−245573号(USSN 08/732,44
3)に示す方法で製造することができる。即ち一般式
(1)で表される化合物においてY=OHの化合物の、
この水酸基をハロゲン原子または脱離基と置換すること
により一般式(1)で表されるハロゲン化β−ラクタム
化合物が得られる。本発明では一般式(1)で表される
ハロゲン化β−ラクタム化合物を、銅塩及び芳香族アミ
ン存在下、一般式(2)で表されるアルケニルスズ化合
物と反応させることにより、一般式(3)で表されるセ
フェム化合物が得られる。
【0020】一般式(2)で表されるアルケニルスズ化
合物の使用量としては、一般式(1)の化合物1モルに
対して通常1〜10モル、好ましくは2〜5モル使用す
る。銅塩としては、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第
一銅などのハロゲン化第一銅、塩化第二銅、臭化第二
銅、ヨウ化第二銅などのハロゲン化第二銅を例示でき
る。特にハロゲン化第一銅を用いると反応收率が著しく
改善される。銅塩の使用量としては、一般式(1)の化
合物1モルに対して1〜10モル、好ましくは1〜3モ
ル使用する。含窒素複素環式芳香族化合物としては、ピ
リジン、ジピリジン、テルピリジン等のピリジン化合
物、ピリミジン、4−ヒドロキシピリミジン等のピリミ
ジン化合物、キナルジン等のキナルジン化合物、キノリ
ン等のキノリン誘導体、キノキサリン等のキノキサリン
誘導体、ビピラジン、フェナンスロリン等が例示でき
る。
【0021】溶媒としては、例えば、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリ
ジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミ
ド類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニト
リル、イソブチロニトリル、バレロニトリル等のニトリ
ル類、ジメチルスルホキシドなどが単独または二種以上
混合して用いられてもよく、また上記溶媒を主として、
これに他の通常の溶媒、例えば、蟻酸メチル、蟻酸エチ
ル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、
プロピオン酸エチルなどの低級カルボン酸の低級アルキ
ルエステル類、ジエチルエーテル、エチルプロピルエー
テル、エチルブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルセロ
ソルブ、ジメトキシエタンなどのエーテル類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、アニソール
などの置換もしくは未置換の芳香族炭化水素類、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、
シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シ
クロオクタンなどのシクロアルカン類、ジクロルメタ
ン、クロロホルム、ジクロルエタン、トリクロルエタ
ン、ジブロムエタン、プロピレンジクロライド、四塩化
炭素等のハロゲン化炭化水素類を併用した混合溶媒を用
いることもできる。特に好ましい溶媒としては、ジメチ
ルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメ
チルスルホキシドを主溶媒とする混合溶媒が用いられ
る。これら溶媒の使用量は、一般式(1)の化合物1kg
当たり0.5〜200リットル程度、好ましくは1〜5
0リットル程度とするのがよい。
【0022】反応は−10〜80℃、好ましくは0〜5
0℃の範囲で行なわれる。一般式(3)の化合物は、反
応終了後、通常の抽出操作或いは晶析操作を行なうこと
によりほぼ純品として得ることができるが、その他の例
えばクロマトグラフィー等の方法によっても勿論精製す
ることができる。
【0023】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより詳しく
説明する。 実施例1 一般式(1)の化合物(1a)(R1=フェニルアセト
アミド、R2=H、R3=p−メトキシベンジル、R4
フェニル、m=2、X=Y=Cl)100mg、塩化第一銅
16mg、ビピリジン 24mgを秤取り、1−メチル−2
−ピロリジノン1mlを加える。これに、一般式(2)の
化合物(2a)〔R6=CH3(CH2)2CH2−, R5=−
CH=CH2〕100mgを加え室温で2時間攪拌反応し
た後、酢酸エチル、5%塩酸を加えて抽出し、有機層を
水、食塩水で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧下溶媒を留去し、得られる濃縮残渣をシリカゲ
ルカラム(ベンゼン/酢酸エチル=8/1)で精製する
と一般式(3)の化合物(3a)(R1=フェニルアセ
トアミド、R2=H、R3=p−メトキシベンジル、R5
−CH=CH2)が63mg得られた(収率89%)。
【0024】実施例2〜4 実施例1に於て、R5として表1に示す置換基を有する
一般式(2)の化合物を用いて同様の反応を行うと対応
する一般式(3)の化合物(R1=フェニルアセトアミ
ド、R2=H、R3=p−メトキシベンジル、R5 は表1
参照)が得られた。
【0025】
【表1】
【0026】実施例5〜8 実施例1に於て、1−メチル−2−ピロリジノンにかえ
て下記の溶媒を使用した以外は、実施例1と同様に反応
させた結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】実施例9 実施例1に於て、塩化第一銅を臭化第一銅(15mg)に
かえて、実施例1と同様に反応させた結果化合物(3
a)(40mg, 83%)が得られた。化合物(3a)の
1H NMRは実施例1のそれに完全に一致した。 実施例10 実施例1に於て、塩化第一銅を沃化第一銅(15mg)に
かえて、実施例1と同様に反応させた結果化合物(3
a)(35mg,72%)が得られた。化合物(3a)の
1H NMRは実施例1のそれに完全に一致した。 実施例11〜12 実施例1に於て、ビピリジルにかえて種々の含窒素複素
環式芳香族化合物を使用した以外は、実施例1と同様に
反応させた結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】実施例13〜14 実施例1に於て、化合物(1a)にかえて一般式(1)
の化合物(1b)(R 1=フェニルアセトアミド、R2
H、R3=ジフェニルメチル、R4=フェニル、m=2、
X=Cl、Y=p−トルエンスルホニルオキシ)を用い実
施例1と同様の反応を行うと、対応する一般式(3)の
化合物(R1=フェニルアセトアミド、R2=H、R3
ジフェニルメチル、R5=は表4参照)が得られた。
【0031】
【表4】
【0032】実施例15〜16 実施例1に於て、化合物(1a)にかえて一般式(1)
の化合物(1c)(R1=フェニルアセトアミド、R2
H、R3=p−メトキシベンジル、R4=2−ベンゾチア
ゾリル、m=2、X=Y=Cl)を用い実施例1と同様の
反応を行うと、対応する一般式(3)の化合物(R1
フェニルアセトアミド、R2=H、R3=ジフェニルメチ
ル、R5=は表5参照)が得られた。
【0033】
【表5】
【0034】実施例17 一般式(1)の化合物(1a)(R1=フェニルアセト
アミド、R2=H、R3=p−メトキシベンジル、R4
フェニル、m=2、X=Y=Cl)100mg、塩化第一銅
16mg、ビピリジン 24mgを秤取り、1−メチル−2
−ピロリジノン1mlを加える。これに、一般式(2)の
化合物(2b)〔R6=CH3(CH2)2CH2−, R5=−
CH2CH=CH2〕100mgを加え室温で2時間攪拌反
応した後、酢酸エチル、5%塩酸を加えて抽出し、有機
層を水、食塩水で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで
乾燥し、減圧下溶媒を留去し、得られる濃縮残渣をシリ
カゲルカラム(ベンゼン/酢酸エチル=8/1)で精製
すると一般式(3)の化合物(3i)(R1=フェニル
アセトアミド、R2=H、R3=p−メトキシベンジル、
5=−CH2CH=CH2)が57mg得られた(収率7
8%)。
【0035】参考例1 本発明の化合物から cefixime への合成ルートを以下に
示す。化合物(3)を五塩化燐/ピリジン試薬と塩化メ
チレンを溶媒に反応を行った後、反応液を−35℃に冷
却し、メタノールで処理すると7−アミノ−3−ビニル
セフェム塩酸塩が生成する。このものにフェノールを加
え45℃にて1時間反応を行うと7−アミノ−3−ビニ
ルセフェム−4−カルボン酸(4)が得られる。このも
のは、特開昭63−20435号に記載の方法によりセ
フキシムへと導くことができる。
【0036】
【化7】
【0037】
【発明の効果】本発明では、安価なペニシリンを出発原
料とする短い反応工程で容易に誘導し得るハロゲン化β
−ラクタム化合物より、広範囲な抗菌スペクトルを有す
る有用な抗菌剤の中間体である3−セフェム化合物を簡
便な反応操作、また、工業的に有利な反応条件により容
易に製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるハロゲン化β−
    ラクタム化合物を、銅塩及び含窒素複素環式芳香族化合
    物存在下、一般式(2)で表されるアルケニルスズ化合
    物と反応させて、一般式(3)で表される3−セフェム
    化合物を得ることを特徴とする3−セフェム化合物の製
    造方法。 【化1】 (式中R1は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、又は
    保護されたアミノ基を示す。R2は水素原子、ハロゲン
    原子、低級アルコキシ基、低級アシル基、低級アルキル
    基、水酸基又は保護された水酸基を置換基として有する
    低級アルキル基、水酸基、又は保護された水酸基を示
    す。R3は水素原子又はカルボン酸保護基を示す。R4
    置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有
    していてもよい含窒素芳香族複素環基を示す。mは0〜
    2を示す、Xはハロゲン原子を示す。Yはハロゲン原子
    または脱離基を示す。) R5SnR6 3 (2) (式中R5は置換基を有していても良い1−もしくは2
    −アルケニル基を示す。R6は低級アルキル基を示
    す。) 【化2】 (式中R1、R2、R3、R5は前記に同じ。)
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