JP3381660B2 - 1−アシルオキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノールおよびエピハロヒドリンの製造方法ならびに1−アシルオキシ−3−ハロゲノプロパン−2−スルホナート - Google Patents

1−アシルオキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノールおよびエピハロヒドリンの製造方法ならびに1−アシルオキシ−3−ハロゲノプロパン−2−スルホナート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3−ハロゲノ−
1,2−プロパンジオールの1級水酸基を選択的にアシ
ル化し1−アシルオキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノ
ールを製造する方法、およびこの化合物をエピハロヒド
リンに導く方法、ならびにその合成中間体に関する。1
−アシルオキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノールおよ
びエピハロヒドリンは医薬、農薬などの合成中間体とし
て有用な物質である。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】3−ハロゲノ−1,
2−プロパンジオールのような1,2−ジオールを有す
る化合物のアシル化反応を通常行うと1級水酸基と2級
水酸基のアシル化反応が競争して起こり、両者の混合物
が得られる。そこで、1,2−ジオール化合物の1級水
酸基のみを選択的にアシル化し1−アシルオキシ−2−
ヒドロキシ化合物を製造する方法が検討されている。例
えば、1,2−ジオール化合物をジブチルスズジメトキ
シドと反応させスズアセテートに変換した後、これをト
リエチルアミン存在下に塩化アセチルと反応させ、1−
アセチルオキシ−2−ヒドロキシ化合物を得る方法(SY
NLETT, 913, 1993)が知られている。しかしながら、こ
の方法は、反応が2段階になる上に、高価なスズ試薬を
化学量論量必要とし、工業的に行うには不向きである。
また、1,3−ジクロロテトラブチルジスタノキサン
(特公平5−76350)、ジブチルスタノキサイド
(J. Am. Chem. Soc., 1980, 102, 7578-7579)をア
シル化触媒に用いる方法が開示されているが、これらを
1,2−ジオールを有する化合物の1級水酸基の選択的
アシル化反応に用いた例は無い。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の点
に鑑み、1,2−ジオールを有する3−ハロゲノ−1,
2−プロパンジオールの1級水酸基を選択的にアシル化
する方法を見出すべく鋭意検討した結果、上記プロパン
ジオールをスズ系触媒存在下にアシル化剤と反応させる
ことにより、所望の1−アシルオキシ−3−ハロゲノ−
2−プロパノールが工業的に有利に合成し得ることを見
出し、さらに、この化合物をエピハロヒドリンに導く方
法を見出し、本発明を完成した。
【0004】すなわち、本発明により、一般式[I]
【化8】 (式中、Xはハロゲン原子を意味する。)で表される3
−ハロゲノ−1,2−プロパンジオールにスズ系触媒存
在下、アシル化剤を作用させて、一般式[II]
【化9】 (式中、Xは前掲と同じものを意味する。R1 は置換基
を有していてもよいアルキル基またはアリール基を意味
する。)で表される1−アシルオキシ−3−ハロゲノ−
2−プロパノールを得、2位の水酸基を脱離基に変換
し、一般式[III]
【化10】 (式中、XおよびR1 は前掲と同じものを意味する。Y
はアルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオ
キシ基またはハロゲン原子を意味する。)で表される1
−アシルオキシ−3−ハロゲノプロパン−2−スルホナ
ートまたは1−アシルオキシ−2,3−ジハロゲノプロ
パンを得、これを加水分解ついでエポキシ化して、一般
式[V]
【化11】 (式中、Xは前掲と同じものを意味する。)で表される
エピハロヒドリンの製造方法が提供される。
【0005】本発明方法は、下記式で示される。
【0006】
【化12】 (上記各式中、X、R1 およびYは前掲と同じものを意
味する。) 3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール[I]におい
て、ハロゲンXは、好ましくは塩素または臭素である
が、これらに限定されない。3−ハロゲノ−1,2−プ
ロパンジオール[I]としては3−フロロ−1,2−プ
ロパンジオール、3−クロロ−1,2−プロパンジオー
ル、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、3−ヨー
ド−1,2−プロパンジオールが挙げられ、その中でも
3−クロロ−1,2−プロパンジオールが好ましい。
【0007】使用するアシル化剤としては、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、安息香酸メチル、酢酸2,2,2−ト
リフロロエチル、酢酸2,2,2−トリクロロエチルな
どのカルボン酸エステル;酢酸ビニル、酢酸イソプロペ
ニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、安息香酸イ
ソプロペニルなどのカルボン酸ビニルエステルや;無水
酢酸、無水酪酸、無水安息香酸などのカルボン酸無水物
が挙げられる。なかでも酢酸ビニル、酢酸イソプロペニ
ル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、安息香酸イソ
プロペニル等のカルボン酸ビニルエステルや;無水酢
酸、無水酪酸などのカルボン酸無水物が好ましく、酢酸
ビニル、酢酸イソプロペニル、無水酢酸が特に好まし
い。
【0008】アシル化剤の使用量は基質の3−ハロゲノ
−1,2−プロパンジオールに対して1当量以上、好ま
しくは5当量から30当量、特に好ましくは10当量か
ら20当量である。30当量以上用いても構わないが、
非経済的である。
【0009】1−アシルオキシ−3−ハロゲノ−2−プ
ロパノール[II]において、R1 はアシル化剤によって
導入される基であり、置換基を有していてもよいアルキ
ル基は、例えば、炭素原子数1〜6の低級アルキル基ま
たは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6の低級アルコキ
シ基、ニトロ基、ニトリル基等の置換基を有する炭素原
子数1〜6の低級アルキル基であり、置換基を有してい
てもよいアリール基は、例えば、フェニル基等の無置換
アリール基または、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6の
低級アルコキシ基、ニトロ基、ニトリル基等の置換基を
有するアリール基である。
【0010】使用するスズ系触媒としては、下記一般式
[IV]、[VII]および[VIII]から選ばれる有機スズ
化合物が好ましい。
【0011】Ra SnX4-a ……[IV] (式[IV]中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1
〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
基、アリール基またはアラルキル基、Xはハロゲン原
子、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアシルオキ
シ基、aは1〜4の整数である。aが2以上の時、Rは
同一でも異なっていてもよく、またaが1または2の
時、Xは同一でも異なっていてもよい。)
【0012】Rb SnOc ……[VII] (式[VII]中、Rは[IV]式におけるRと同じであ
り、bは整数1または2である。bが1の時、cは3/
2であり、bが2のとき、cは1である。)で示される
スタノキサイド誘導体
【0013】
【化13】 (式[VIII]中、Rは[IV]式におけるRと同じ意味を
有する。AおよびBはヒドロキシ基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アシルオキシ基、イソチオシアナート
基またはハロゲン原子である。)で示されるジスタノキ
サン誘導体
【0014】これら有機スズ化合物の具体例としては以
下のものを挙げることができる。
【0015】一般式[IV]に属する化合物:(C
2 5 4 Sn、(C2 5 4 Sn、(C6 5 4
Sn、(CH3 3 SnF、(C4 9 3 SnCl、
(CH3 3 SnBr、(C8 173 SnCl、(C
3 2 SnF2 、(C4 9 2 SnCl2 、(C12
232 SnBr2 、(cyclo−C6 112 Sn
2 、(C2 5 )SnBr3 、(C4 9 )Sn
3 、(C8 17)SnCl3 、(C4 9 3 SnO
4 9 、(CH3 2 Sn(OCH2 CH2 O)、
(C4 9 2 Sn(OCH=CHO)、(C8 17
3 SnOCOCH3 、(C4 9 2 Sn(OCOCH
3 2 、(C8 172 Sn(OCOC17352
(CH3 2 SnBr(OCOCH3
【0016】一般式[VII]に属する化合物:(C
3 2 SnO、(C4 9 2 SnO、(C8 17
2 SnO、(C6 5 2 SnO、CH3 SnO3/2
4 9 SnO3/2
【0017】一般式[VIII]に属する化合物:Cl−
(CH3 2 Sn−O−(CH3 2 Sn−Cl、Cl
−(C4 9 2 Sn−O−(C4 9 2 Sn−OC
3 、Cl−(C4 9 )2 Sn−O−(C4 9 2
Sn−OPh、Cl−(C4 9 2 Sn−O−(C4
9 2 Sn−Cl、Cl−(C4 9 2 Sn−O−
(C4 9 2 Sn−OH、HO−(C4 9 2 Sn
−O−(C4 9 2 Sn−NCS、CH3 COO−
(C4 9 2 Sn−O−(C4 9 2 Sn−OCO
CH3
【0018】これらの中でスタノキサイド、ジスタノキ
サンが好ましく、ジブチルスタノキサイド(C4 9
2 SnO、1,3−ジクロロテトラブチルジスタノキサ
ンCl(C4 9 2 SnO(C4 9 2 SnClが
さらに好ましい。それらは単独で用いても2種類以上の
混合物で用いてもよい。さらにはこれらを適当な担体に
坦持したものを用いることもできる。担体としては、セ
ライト、アルミナ、シリカゲル、モレキュラーシーブス
およびそれらを修飾したもの等が挙げられる。
【0019】触媒の使用量は基質の3−ハロゲノ−1,
2−プロパンジオールに対して0.01モル%から50
モル%、より好ましくは0.1モル%から20モル%で
ある。
【0020】反応は通常は溶媒中で行われる。アシル化
剤自身を溶媒として用いることもできる。
【0021】使用する溶媒としては、トルエン、キシレ
ン、メシチレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカ
ン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタ
ン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;
アセトニトリルなどのニトリル系溶媒;ならびにこれら
の混合溶媒が挙げられる。
【0022】反応温度は−78℃から溶媒の還流温度ま
での範囲で適宜選ばれ、好ましくは−5℃から室温であ
る。反応圧力は通常は常圧であるが、反応を加圧下で行
うこともできる。
【0023】3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール
[I]および反応剤の添加順序は特に限定されないが、
スズ系触媒と3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール
[I]を含む溶液にアシル化剤を徐々にもしくは何回か
に分割して添加する方法が、収率および選択性の点でよ
り好ましい。
【0024】アシル化反応終了後、1−アシルオキシ−
3−ハロゲノ−2−プロパノール[II]は、反応混合物
から抽出、蒸留、再結晶、カラムクロマトガラフなどの
常套の分離操作によって単離することができる。なお、
触媒は蒸留残査などから回収され、そのまま再使用する
ことができる。
【0025】つぎに、1−アシルオキシ−3−ハロゲノ
−2−プロパノール[II]をエピハロヒドリン[IV]に
導く方法について、説明をする。
【0026】上記方法によって得られた1−アシルオキ
シ−3−ハロゲノ−2−プロパノール[II]の水酸基を
スルホニル化剤またはハロゲン化剤と反応させてアルキ
ルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基ま
たはハロゲン原子に変換し、1−アシルオキシ−3−ハ
ロゲノプロピル−2−スルホナートまたは1−アシルオ
キシ−2,3−ジハロゲノプロパンを得る。
【0027】得られた中間体の内、一般式[IX]
【化14】 (式中、Xはハロゲン原子、R2 はアルキル基またはア
リールをそれぞれ意味する。)で表される1−アシルオ
キシ−3−ハロゲノプロパン−2−スルホナートは、新
規化合物である。R2 としてのアルキル基は、例えばメ
チル、エチル、プロピル、トリフルオロメチル、トリク
ロロメチルのような炭素原子数1〜6の置換もしくは非
置換アルキル基であり、アリール基は、例えばフェニ
ル、p−クロロフェニル、p−ブロモフェニル、p−メ
トキシフェニル、p−ニトロフェニル、p−トリル、m
−ニトロフェニル、o−ニトロフェニル、2,5−ジク
ロロフェニルのような置換モしくは非置換アリール基で
ある。
【0028】1−アシルオキシ−3−ハロゲノプロパン
−2−スルホナートの例としては、3−クロロ−1−ア
セチルオキシプロパン−2−メシレート、3−クロロ−
1−アセチルオキシプロパン−2−p−トシレート、3
−クロロ−1−アセチルオキシプロパン−2−m−ニト
ロベンゼンスルホナート、3−ブロモ−1−アセチルオ
キシプロパン−2−メシレート、3−クロロ−1−ベン
ゾイルオキシプロパン−2−メシレート等が挙げられ
る。
【0029】スルホニル化は有機溶媒中、塩基存在下、
1−アシルオキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノールと
スルホニル化剤とを反応させて行う。
【0030】スルホニル化剤としては、トルエンスルホ
ニルクロライド、メタンスルホニルクロライド、無水メ
タンスルホン酸などが挙げられる。
【0031】スルホニル化剤の使用量は1−アシルオキ
シ−3−ハロゲノ−2−プロパノールに対して1当量以
上、好ましくは1〜5当量である。
【0032】使用する溶媒としてはテトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、
ジグライム、トリグライム、ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどのエ
ーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化
炭素、1,2−ジクロロエチン、クロロベンゼンなどの
ハロゲン化炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶
媒;ベンゼン、トリエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;
ならびにこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0033】また、使用する塩基としてはトリエチルア
ミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−ジメチル
アニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、ピコ
リン、ルチジン、コリジン、4−N,N−ジメチルアミ
ノピリジンなどの3級アミンが挙げられる。これらは単
独で用いても良いし混合して用いても良い。
【0034】反応温度は−100℃から溶媒の還流温度
までで、好ましいのは−5℃から室温である。
【0035】ハロゲン化は溶媒中、1−アシルオキシ−
3−ハロゲノ−2−プロパノールとハロゲン化剤とを反
応させて行う。
【0036】ハロゲン化剤としては、三塩化リン、三臭
化リン、三ヨウ化リン、五塩化リン、五臭化リン、四ヨ
ウ化二リン、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、ジフェ
ニルトリクロロホスホラン、ジフェニルトリブロモホス
ホラン、トリフェニルホスフィンジクロロニド、トリフ
ェニルホスフィンジブロモニド、ホスホン酸トリフェニ
ルジクロロニド、ホスホン酸トリフェニルジブロモニ
ド、ホスホン酸トリフェニルジヨードニドなどのハロゲ
ン化リン化合物;塩化チオニル、臭化チオニル、塩化ス
ルフリルなどのハロゲン化硫黄化合物;ベンジルクロラ
イド−ホスホン酸トリフェニル、ヨウ化メチル−ホスホ
ン酸トリフェニル、四塩化炭素―トリオクチルホスフィ
ン、四塩化炭素―トリフェニルホスフィン、四臭化炭素
―トリフェニルホスフィンなどの有機ハロゲン化物と有
機リン化合物との混合物;塩化N,N−ジメチルクロロ
ホルミウム、臭化N,N−ジメチルクロロホルミウムな
どのVilsmeier試薬が挙げられる。
【0037】ハロゲン化剤の使用量は1−アシルオキシ
−3−ハロゲノ−2−プロパノールに対して反応に関与
するハロゲン原子に換算して1当量以上、好ましくは1
〜2当量である。
【0038】使用する溶媒としてはハロゲン化剤に不活
性な溶媒なら何ら限定されるものではない。たとえば、
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジ
メトキシエタン、ジグライム、トリグライム、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチル
エーテルなどのエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロ
ロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非
プロトン性極性溶媒;ベンゼン、トルエンなどの芳香族
炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカ
ン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;なら
びにこれらの混合溶媒等が挙げられる。また、ハロゲン
化剤そのものを溶媒として使用することもできる。
【0039】反応温度は−100℃から溶媒の還流温度
までで、好ましいのは−5℃から室温である。
【0040】このようにして得られた1−アシルオキシ
−3−ハロゲノプロピル−2−スルホナートまたは1−
アシルオキシ−2,3−ジハロゲノプロパンを塩基で処
理することにより、加水分解ついでエポキシ化を経て、
エピハロヒドリンに変換できる。この際、加水分解で得
られる1−ヒドロキシ−3−ハロゲノプロピル−2−ス
ルホナートまたは2,3−ジハロゲノ−1−プロパノー
ルは、反応系から単離してからエポキシ化してもよい
し、単離せずにそのままエポキシ化してもよい。
【0041】塩基としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウムなどのアルカリ金属;炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ金
属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウムなどのアル
カリ金属炭酸水素塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ
金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物;水素化ナト
リウム、水素化リチウム、水素化カルシウムなどのアル
カリ金属もしくはアルカリ土類金属の水素化物;ナトリ
ウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、カリウム
エトキサイド、マグネシウムエトキサイドなどのアルカ
リ金属もしくはアルカリ土類金属の炭素数1から4のア
ルコキサイド、ジムシルナトリウム、ジムシルカリウ
ム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t
ert−ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属塩;リ
チウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピル
アミド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウム
ヘキサメチルジシラジド、リチウムヘキサメチルジシラ
ジドなどのアルカリ金属アミド塩が挙げられるが、好ま
しい塩基としてはリチウム、ナトリウム、カリウムなど
のアルカリ金属;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
セシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ金属もしくは
アルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸水素セシウムなどのアルカリ金属炭
酸水素塩が挙げられ、特に好ましくは炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウムである。
【0042】塩基の使用量としては、1−アシルオキシ
−3−ハロゲノプロピル−2−スルホナートもしくは1
−アシルオキシ−2,3−ジハロゲノプロパンに対して
1〜3当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0043】反応溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イ
ソブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、
1−メトキシ−2−エタノール、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルなどのアルコール系溶媒;テトラヒ
ドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシ
エタン、ジグライム、トリグライム、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテ
ルなどのエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホル
ム、四塩化水素、1,2−ジクロロエタン、クロロベン
ゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロト
ン性極性溶媒;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水
素系溶媒;水媒体;ならびにこれらの混合溶媒等が挙げ
られる。好ましくはメタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノー
ル、t−ブタノール、エレチングリコールなどのアルコ
ール系溶媒で、さらに好ましくはイソプロパノール、エ
チレングリコールである。
【0044】なお、反応は無触媒でも進行するが、トリ
エチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−
ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジ
ン、ピコリン、ルチジン、コリジン、4−N,N−ジメ
チルアミノピリジンなどの3級アミンを添加すると、反
応が加速され、収率も向上する。特に4−N,N−ジメ
チルアミノピリジンの添加が好ましい。
【0045】これら添加剤の使用量は1−アシルオキシ
−3−ハロゲノプロピル−2−スルホナートもしくは1
−アシルオキシ−2,3−ジハロゲノプロパンに対して
0.01〜2当量、好ましくは0.05〜0.5当量で
ある。
【0046】反応温度は−100℃から溶媒の還流温度
までで、好ましくは−20℃から40℃である。
【0047】3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール
[I]として光学活性体を用いると、光学活性な1−ア
シルオキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノール[II]を
得ることができる。この反応中、顕著なラセミ化は起こ
らず、高光学純度の1−アシルオキシ−3−ハロゲノ−
2−プロパノール[II]を得ることができる。光学活性
3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオール[I]は特公
平4−73998号または特公平4−73999号公報
記載の方法に従って得ることができる。
【0048】このようにして得られた光学活性1−アシ
ルオキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノール[II]をス
ルホニル化剤またはハロゲン化剤と反応させて光学活性
1−アシルオキシ−3−ハロゲノプロピル−2−スルホ
ナートまたは光学活性1−アシルオキシ−2,3−ジハ
ロゲノプロパンに変換することができる。この際、ハロ
ゲン化剤を用いた場合は、不斉炭素上で立体反転が起こ
り、スルホニル化剤を用いた場合は不斉炭素の立体は保
持される。
【0049】このようにして得られた光学活性1−アシ
ルオキシ−3−ハロゲノプロピル−2−スルホナートま
たは光学活性1−アシルオキシ−2,3−ジハロゲノプ
ロパンを塩基処理することにより光学活性エピハロヒド
リン[V]に変換できる。この反応の際も、顕著なラセ
ミ化は起こらず、高光学純度のエピハロヒドリン[V]
を得ることができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0051】実施例1 オープンエアーの反応器に室温で(R)−3−クロロ−
1,2−プロパンジオール1.11g(10mmol)
を入れ、そこに触媒1,3−ジクロロテトラブチルジス
タノキサンを552mg(1mmol)加えた。反応器
を30℃恒温槽内に設置し、そこに無水酢酸9.4ml
(100mmol)を攪拌下に添加し、20時間後、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)で反応液を
クエンチし、酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機
層を飽和食塩水(20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を留去した。ガスクロマトグラフィー
で求めた収率は下記の通りであった:(R)−1−アセ
チルオキシ−3−クロロ−2−プロパノールと(R)−
2−アセチルオキシ−3−クロロ−1−プロパノールと
の混合物(モノアセチル体)収量1.21g(79
%)、(R)−1,2−ジアセチルオキシ−3−クロロ
プロパン(ジアセチル体)収量0.38g(20%)。
【0052】続いてシリカゲルクロマトグラフィーによ
りモノアセチル体を単離した。NMRにより求めた上記
2生成物の比(=1−アセチルオキシ−3−クロロ−2
−プロパノール/2−アセチルオキシ−3−クロロ−1
−プロパノール)は99以上であった。
【0053】実施例2 オープンエアーの反応器に室温で(S)−3−クロロ−
1,2−プロパンジオール1.11g(10mmol)
を入れ、そこに触媒1,3−ジクロロテトラブチルジス
タノキサンを552mg(1mmol)加えた。反応器
を30℃恒温槽内に設置し、そこに無水酢酸9.4ml
(100mmol)を撹拌下に添加し、さらに無水酢酸
を1時間毎に0.94ml(10mmol)ずつ5回添
加し、1時間後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10
0ml)で反応液をクエンチし、酢酸エチル(50m
l)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20ml)で洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。ガ
スクロマトグラフィーで求めた収率は下記の通りであっ
た:(S)−1−アセチルオキシ−3−クロロ−2−プ
ロパノールと(S)−2−アセチルオキシ−3−クロロ
−1−プロパノールとの混合物(モノアセチル体)収量
1.21g(79%)、(S)−1,2−ジアセチルオ
キシ−3−クロロプロパン(ジアセチル体)収量0.1
8g(9%)。
【0054】続いてシリカゲルクロマトグラフィーによ
りモノアセチル体を単離した。NMRにより求めた上記
2生成物の比(=1−アセチルオキシ−3−クロロ−2
−プロパノール/2−アセチルオキシ−3−クロロ−1
−プロパノール)は99以上であった。
【0055】実施例3 オープンエアーの反応器に室温で(R)−3−クロロ−
1,2−プロパンジオール1.11g(10mmol)
を入れ、そこに触媒1,3−ジクロロテトラブチルジス
タノキサンを55.2mg(0.1mmol)加えた。
反応器を50℃恒温槽内に設置し、そこに無水酢酸9.
44ml(100mmol)を撹拌下に添加し、5時間
後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)で反
応液をクエンチし、酢酸エチル(50ml)で抽出し
た。有機層を飽和食塩水(20ml)で洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。ガスクロマトグ
ラフィーで求めた収率は下記の通りであった:(R)−
1−アセチルオキシ−3−クロロ−2−プロパノールと
(R)−2−アセチルオキシ−3−クロロ−1−プロパ
ノールとの混合物(モノアセチル体)収量1.01g
(66%)、(R)−1,2−ジアセチルオキシ−3−
クロロプロパン(ジアセチル体)収量0.27g(14
%)。
【0056】続いてシリカゲルクロマトグラフィーによ
りモノアセチル体を単離した。NMRにより求めた上記
2生成物の比(=1−アセチルオキシ−3−クロロ−2
−プロパノール/2−アセチルオキシ−3−クロロ−1
−プロパノール)は99以上であった。
【0057】実施例4 オープンエアーの反応器に室温で(R)−3−クロロ−
1,2−プロパンジオール1.11g(10mmol)
を入れ、そこに触媒1,3−ジクロロテトラブチルジス
タノキサンを55.2mg(0.1mmol)加えた。
反応器を30℃恒温槽内に設置し、そこに無水酢酸9.
44ml(100mmol)を攪拌下に添加し、5時間
後、さらに触媒1,3−ジクロロテトラブチルジスタノ
キサンを55.2mg(0.1mmol)添加し、19
時間攪拌を続けた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1
00ml)で反応液をクエンチし、酢酸エチル(50m
l)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20ml)で洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。ガ
スクロマトグラフィーで求めた収率は下記の通りであっ
た:(R)−1−アセチルオキシ−3−クロロ−2−プ
ロパノールと(R)−2−アセチルオキシ−3−クロロ
−1−プロパノールとの混合物(モノアセチル体)収量
1.13g(74%)、(R)−1,2−ジアセチルオ
キシ−3−クロロプロパン(ジアセチル体)収量0.1
8g(9%)。
【0058】続いてシリカゲルクロマトグラフィーによ
りモノアセチル体を単離した。NMRにより求めた上記
2生成物の比(=1−アセチルオキシ−3−クロロ−2
−プロパノール/2−アセチルオキシ−3−クロロ−1
−プロパノール)は99以上であった。
【0059】実施例5 オープンエアーの反応器に室温で(S)−3−クロロ−
1,2−プロパンジオール1.11g(10mmol)
を入れ、そこに触媒1,3−ジクロロテトラブチルジス
タノキサンを552mg(1mmol)加えた。反応器
を45℃恒温槽内に設置し、そこに酢酸ビニル18ml
(200mmol)を攪拌下に添加し5時間後、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液(100ml)で反応液をクエ
ンチし、酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機層を
飽和食塩水(20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥後、溶媒を留去した。ガスクロマトグラフィーで求
めた収率は下記の通りであった:(S)−1−アセチル
オキシ−3−クロロ−2−プロパノールと(S)−2−
アセチルオキシ−3−クロロ−1−プロパノールとの混
合物(モノアセチル体)収量0.96g(63%)、
(S)−1,2−ジアセチルオキシ−3−クロロプロパ
ン(ジアセチル体)収量0.08g(4%)。
【0060】続いてシリカゲルクロマトグラフィーによ
りモノアセチル体を単離した。NMRにより求めた上記
2生成物の比(=1−アセチルオキシ−3−クロロ−2
−プロパノール/2−アセチルオキシ−3−クロロ−1
−プロパノール)は99以上であった。
【0061】実施例6 オープンエアーの反応器に室温で(R)−3−クロロ−
1,2−プロパンジオール1.11g(10mmol)
を入れ、そこに触媒ジブチルスズジアセテートを351
mg(1mmol)加えた。反応器を30℃恒温槽内に
設置し、そこに無水酢酸2.83ml(30mmol)
を撹拌下に添加し、さらに無水酢酸を3時間毎に0.9
4ml(10mmol)ずつ7回添加し、3時間後、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)で反応液を
クエンチし、酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機
層を飽和食塩水(20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を留去した。ガスクロマトグラフィー
で求めた収率は下記の通りであった:(R)−1−アセ
チルオキシ−3−クロロ−2−プロパノールと(R)−
2−アセチルオキシ−3−クロロ−1−プロパノールと
の混合物(モノアセチル体)収量1.21g(79
%)、(R)−1,2−ジアセチルオキシ−3−クロロ
プロパン(ジアセチル体)収量0.14g(7%)。
【0062】続いてシリカゲルクロマトグラフィーによ
りモノアセチル体を単離した。NMRにより求めた上記
2生成物の比(=1−アセチルオキシ−3−クロロ−2
−プロパノール:2−アセチルオキシ−3−クロロ−1
−プロパノール)は98:2であった。
【0063】実施例7 (R)−3−クロロ−1−アセチルオキシプロパン−2
−メシレートの合成乾燥後、窒素置換した反応器にN,
N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)を4.88g
(40mmol)入れ、塩化メチレン(100ml)を
加えてDMAPを溶かし、続いて実施例1と同様の方法
で得られた(R)−3−クロロ−1−アセチルオキシ−
2−プロパノール3.04g(20mmol)を添加し
た。反応器を氷浴中に設置し、ここにメタンスルホニル
クロライドを3.10ml(40mmol)をゆっくり
と滴下した後、反応液を室温に戻して攪拌した。反応終
了をガスクロマトグラフィーで確認し(反応時間0.5
時間)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(600ml)
で反応液をクエンチし酢酸エチル(600ml)で抽出
した。有機層を飽和食塩水(400ml)で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、生成物をシリ
カゲルクロマトグラフィーにより単離した。収量=4.
52g(98%)。
【0064】(R)−3−クロロ−1−アセチルオキシ
プロパン−2−メシレートの物性値は次の通りである。
【0065】1H−NMR(300MHz,CDC
3 )δ=2.13(s,3H),3.13(s,3
H),3.73,3.79(ABX,JAB=13.8H
z,JAX=5.69Hz,JBX=4.89Hz,2
H),4.30,4.43(ABX,JAB=12.3H
z,JAX=6.42Hz,JBX=3.85Hz,2
H),5.03(octet,J=21.3Hz,1
H)13 C−NMR(75MHz,CDCl3 )δ=20.
4,38.3,42.2,62.5,77.6,170
【0066】(S)−エピクロロヒドリンの合成 乾燥後、アルゴン置換した反応器にエチレングリコール
(8ml)を加えた後、金属ナトリウム0.276g
(12mmol)を加え、これが完全に溶解するまで全
体を室温にて攪拌した。反応器を30℃恒温槽内に設置
し、ここに(R)−3−クロロ−1−アセチルオキシプ
ロパン−2−メシレート2.306g(10mmol)
をゆっくり滴下した。20分後、反応液を減圧下に蒸留
し、(S)−エピクロロヒドリンを得た。収量0.67
g(72%)。ガスクロマトグラフィー(ASTEC社
製Chiraldex G‐TA)で求めた光学純度は
94.7%eeであった。
【0067】実施例8 (S)−3−クロロ−2−ブロモ−1−アセチルオキシ
プロパンの合成 乾燥後、窒素置換した反応器に実施例1と同様の方法で
得られた(R)−3−クロロ−1−アセチルオキシ−2
−プロパノール3.06g(20mmol)と塩化メチ
レン5mlを加えた。反応器を氷浴中に設置し、ここに
三臭化リンを0.76ml(8mmol)をゆっくりと
滴下した。反応液を室温に戻して1.5時間攪拌した。
反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(600m
l)で反応液をクエンチし酢酸エチル(600ml)で
抽出した。有機層を飽和食塩水(400ml)で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、生成し
た(S)−3−クロロ−2−ブロモ−1−アセチルオキ
シプロパンをシリカゲルクロマトグラフィーにより単離
した。収量3.02g(70%)。
【0068】(S)−3−クロロ−2−ブロモ−1−ア
セチルオキシプロパンの物性値は次の通りである。
【0069】1H−NMR(300MHz,CDC
3 )δ=2.14(s,3H),3.58,3.63
(ABX,JAB=7.70Hz,JAX=5.50Hz,
BX=4.77Hz,2H),3.74(d,J=1
1.9Hz,2H),5.13−5.20(m,1H)13 C−NMR(75MHz,CDCl3 )δ=20.
1,30.3,43.3,71.3,170
【0070】(R)−エピクロロヒドリンの合成 乾燥後、アルゴン置換した反応器にエチレングリコール
(8ml)を加えた後、金属ナトリウム0.276g
(12mmol)を加え、これが完全に溶解するまで全
体を室温にて攪拌した。反応器を40℃恒温槽内に設置
し、ここに(S)−3−クロロ−2−ブロモ−1−アセ
チルオキシプロパン2.155g(10mmol)をゆ
っくり滴下した。20分後反応液を減圧下に蒸留した。
収量0.75g(81%)。ガスクロマトグラフィーで
求めた光学純度は98.3%eeであった。
【0071】実施例9 (R)−エピクロロヒドリンの合成 アルゴン置換した反応器に炭酸セシウム1.955g
(6mmol)を加え、乾燥後、室温でエチレングリコ
ール(5ml)を加え、炭酸セシウムが完全に溶解する
まで全体を室温にて攪拌した。反応器を40℃恒温槽内
に設置し、ここに実施例8と同様の方法で得られた
(S)−3−クロロ−2−ブロモ−1−アセチルオキシ
プロパン1.077g(5mmol)をゆっくり滴下し
た。20分後反応液を減圧下に蒸留し、生成した(R)
−エピクロロヒドリンを得た。収量0.34g(73
%)。ガスクロマトグラフィーで求めた光学純度は9
9.7%eeであった。
【0072】実施例10 (R)−エピクロロヒドリンの合成炭酸セシウムを炭酸カリウムに変え、その使用量を0.
829g(6mmol)にし た点を除いて、実施例9と
同様の操作を行い、(R)−エピクロロヒドリンを得
た。収量0.35g(76%)。ガスクロマトグラフィ
ーで求めた光学純度は99.3%eeであった。
【0073】実施例11 (S)−エピクロロヒドリンの合成 アルゴン置換した反応器に炭酸セシウム7.8g(24
mmol)と4−ジメチルアミノピリジン0.24g
(2mmol)を加え、乾燥後、室温でエチレングリコ
ール(20ml)を加え、全体を室温にて攪拌した。反
応器を30℃恒温槽内に設置し、ここに実施例8と同様
の方法で得られた(R)−3−クロロ−2−ブロモ−1
−アセチルオキシプロパン4.3g(20mmol)を
ゆっくり滴下した。20分後反応液を減圧下に蒸留し、
生成した(S)−エピクロロヒドリンを得た。収量1.
75g(95%)。ガスクロマトグラフィーで求めた光
学純度は99.4%eeであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 301/02 C07D 301/02 303/08 303/08 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00 C07M 7:00 (56)参考文献 特開 昭61−189258(JP,A) 特開 昭62−87248(JP,A) 特開 昭60−126280(JP,A) Toshihide Maki et al.,Tetrahedron L etters,39,1998,p.5601− 5604 Masahiro Fujiwara et al.,Synthesis, 1990,p.106−109 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 67/03 C07C 67/08 C07C 69/63 C07C 309/66 C07D 301/02 C07D 303/08 CA(STN) CASREACT(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I] 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を意味する。)で表される3
    −ハロゲノ−1,2−プロパンジオールにスズ系触媒存
    在下、アシル化剤を作用させて、 一般式[II] 【化2】 (式中、Xは前掲と同じものを意味する。Rは置換
    基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を意
    味する。)で表される1−アシルオキシ−3−ハロゲノ
    −2−プロパノールを得ることを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式[I] 【化3】 (式中、Xはハロゲン原子を意味する。)で表される3
    −ハロゲノ−1,2−プロパンジオールにスズ系触媒存
    在下、アシル化剤を作用させて、 一般式[II] 【化4】 (式中、Xは前掲と同じものを意味する。Rは置換
    基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を意
    味する。)で表される1−アシルオキシ−3−ハロゲノ
    −2−プロパノールを得、2位の水酸基を脱離基に変換
    し、 一般式[III] 【化5】 (式中、XおよびRは前掲と同じものを意味する。
    Yはアルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニル
    オキシ基またはハロゲン原子を意味する。)で表される
    1−アシルオキシ−3−ハロゲノプロパン−2−スルホ
    ナートまたは1−アシルオキシ−2,3−ジハロゲノプ
    ロパンを得、これを加水分解ついでエポキシ化して、 一般式[V] 【化6】 (式中、Xは前掲と同じものを意味する。)で表される
    エピハロヒドリンを得ることを特徴とする製造方法。
  3. 【請求項3】 スズ系触媒がジスタノキサンまたはスタ
    ノキサイドである請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 スズ系触媒がジブチルスタノキサンまた
    は1,3−ジクロロテトラブチルジスタノキサンである
    請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 アシル化剤がカルボン酸ビニルまたはカ
    ルボン酸無水物である請求項1〜4のいずれかに記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 アシル化剤が酢酸ビニル、酢酸イソプロ
    ペニルまたは無水酢酸である請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 式中のハロゲン原子が塩素原子または臭
    素原子である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオー
    ルが光学活性体である請求項1〜7のいずれかに記載の
    方法。
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