JP4408180B2 - 着色熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビーズ状又はペレット状の着色熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関し、更に詳しくは、ビーズ状又はペレット状熱可塑性樹脂成形材料の表面に、着色剤がポリオレフィン系樹脂及びポリオレフィン系ワックス及び/又は脂肪酸アミドワックスを固着剤として固着された、高温乾燥でブロッキングを生じない着色熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から熱可塑性樹脂成形材料を顔料で着色する方法として、未着色の熱可塑性樹脂成形材料と、顔料と金属石鹸を混合微粉砕した粉末着色剤である「ドライカラー」とを規定量タンブラー等の混合機で熱可塑性成形材料の表面にドライカラーが均一に付着するまで混合し、次いで得られる混合物を直接、射出成形機ないし押出成形機等によって可塑化と同時に溶融混練し、顔料を熱可塑性成形樹脂中に均一に分散させながら成形加工して最終成形品を得る、いわゆるドライブレンド法がある。
【0003】
また、熱可塑性樹脂成形材料と粉末着色剤又は着色剤のマスターバッチとを混合機中で混合し、しかる後、押出機で溶融混練して着色ペレットを製造し、次いでこの着色ペレットを成形加工して最終成形品を得る、いわゆる着色ペレット法等が知られている。
【0004】
しかるに、上記ドライブレンド法においては、熱可塑性樹脂成形材料の表面への顔料の付着は、上記の如く熱可塑性樹脂成形材料と顔料とを単に混合するだけで行われることから、その付着性は極めて弱く、且つ不完全であり、しばしば付着した顔料が熱可塑性樹脂成形材料の表面から分離脱落することが多く、得られる成形品に色むら、色違い等が生じ、成形品の商品価値を著しく損なう等の欠点がある。
【0005】
また、ドライブレンド法で顔料と混合された熱可塑性樹脂成形材料を空気輸送又はホッパーローダー等で移送して工程の合理化を計ることが各方面で検討されているが、前述の如く熱可塑性樹脂成形材料への着色剤の付着性は不完全であるため、空気輸送、ホッパーローダー等の使用に際しては、着色剤が熱可塑性樹脂成形材料の表面から分離脱落する。分離脱落した着色剤は輸送パイプ内面に付着し易く、その結果、前述の如く着色成形品において色むら、色違い等の現象が起き易くなり、空気輸送等の工程合理化への大きな障害になっている。その上、上記ドライブレンド方法において使用される着色剤は粉末状であることから、その使用時に着色剤が飛散し、作業場、機械等の環境及び作業員等を汚染し、作業能率が低下するという欠点がある。
【0006】
また、別の方法として、顔料と有機溶剤可溶性の合成樹脂粉末を混合微粉砕してなる着色剤を熱可塑性樹脂成形材料とドライブレンドした後、さらに攪拌しながらこれに揮発性有機溶剤を添加して合成樹脂粉末を溶解せしめ、しかる後揮発性有機溶剤を除去して顔料を熱可塑性樹脂成形材料に固着させる方法も知られている。また、この方法では、揮発性有機溶剤中にあらかじめ有機溶剤可溶性の合成樹脂粉末を混合溶解して用いる方法も知られている。これらの方法は、揮発性を有する有機溶剤を使用するため、引火性の危険があったり、溶剤の蒸発による環境汚染の問題も生じるため好ましくない。
【0007】
上記の如き欠点を改良するために種々の方法が提案されている。例えば、高沸点の流動パラフィン或いは液状ポリエチレングリコール等のウエッティングエージェント(湿潤剤)を用いて熱可塑性樹脂成形材料の表面を均一に濡らし、次いで粉末状の顔料を付着させて着色する方法がある。この方法においてはウエッティングエージェントが成形品の透明性を低下させたり、更には、物性上種々の好ましくない影響を与えるだけでなく、着色剤の分散性、付着性等も不十分であるという問題があり、満足できるものではない。
【0008】
また、有機溶剤を用いない水性固着材を使用する方法として、ワックスエマルジョンや(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体、酢酸ビニル系(共)重合体等の水性エマルジョン、或いはポリエチレングリコール水溶液を用いて着色剤粉末を熱可塑性樹脂成形材料表面に固着させる方法も知られている。
【0009】
これらの方法においては使用する水性エマルジョン中の界面活性剤の耐熱性不足のため、加工時に樹脂が褐色に変色するヤケの発生を起こし易く、また、これらの重合体は軟化温度が比較的低いために、製造時の加熱乾燥時や貯蔵時又は着色成形の事前加熱乾燥時或いは冷却時に着色熱可塑性成形材料同士が粘着(自着)或いは融着するいわゆるブロッキング現象が発生する等の欠点があった。
【0010】
このような欠点は、特に成形加工温度の高い熱可塑性成形材料であるポリオキシメチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、高分子液晶ポリエステル、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等のエンジニアリングプラスチック及びこれらに補強剤等の充填材料が添加されたコンパウンドで顕著に認められた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記の如き従来技術の色違い、色むら、色落ち、汚染、加工時のヤケ(熱変色)、物性劣化等の欠点を改良し、着色剤の分散性、付着性はもとよりホッパーローダー、高い温度でのホッパードライヤー等の使用に際しても着色剤の分離脱落に十分に耐え、且つ加熱乾燥時、特に成形の事前乾燥時に熱変色及びブロッキング現象を起こさない、低コストのビーズ状及びコールドカットペレット状、ホットカットペレット状等のペレット状着色熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0012】
本発明者らは、上記目的を達成するために種々検討を行った結果、固着剤及び/又は分散剤としてポリオレフィン樹脂、アイオノマー系樹脂等の高分子量のポリオレフィン系樹脂及びポリオレフィン系ワックス及び/又は脂肪酸アミドワックスを使用し、これらと着色剤とビーズ状又はペレット状着色熱可塑性樹脂成形材料とを水或いは含水溶媒の存在下に混合し、得られる混合物を加熱、乾燥することによって、上記熱可塑性樹脂成形材料表面に着色剤が固着し、得られる着色樹脂組成物はより高い耐ブロッキング性、加熱乾燥時の耐熱性を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ビーズ状又はペレット状の熱可塑性樹脂成形材料と、着色剤と水性ディスパージョンとしての微粒子ポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン系ワックス及び/又は脂肪酸アミドワックスとを、上記熱可塑性成形材料がビーズ状又はペレット状の形状を保持した状態で混合して、上記着色剤が上記熱可塑性樹脂成形材料の表面に固着した着色熱可塑性樹脂組成物を製造するに際し、上記の各成分を水又は水を含む媒体の存在下に混合し、得られる混合物を加熱して水分を除去すると共に上記ポリオレフィン系樹脂及び上記ワックスを溶融させ、上記ビーズ状又はペレット状熱可塑性成型材料表面に製膜させることを特徴とする着色熱可塑性樹脂組成物の製造方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明の着色熱可塑性樹脂組成物は、ビーズ状又はペレット状の熱可塑性成形材料の表面に、着色剤がポリオレフィン系樹脂及びポリオレフィン系ワックス及び/又は脂肪酸アミドワックスを固着剤として固着されてなるものである。
【0015】
本発明における熱可塑性樹脂成形材料としては、公知の熱可塑性樹脂成形材料はいずれも使用できるが、特に高加工温度の、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下PETと称す)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下PBTと称す)、高分子液晶ポリエステル(以下LCPと称す)や熱可塑性ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂;ポリオキシメチレン樹脂(以下POMと称す)等のポリアセタール樹脂;ポリアミド樹脂(以下PAと称す);ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下PPSと称す)等のエンジニアリングプラスチック等がその代表的な材料として挙げられる。これらの樹脂には共重合樹脂も含まれる。本発明においては、熱可塑性樹脂成形材料はビーズ状又はペレット状で使用される。ビーズ状又はペレット状の形状には、これらの形状に類似する形状は全て包含される。
【0016】
本発明における顔料の固着剤の一つはポリオレフィン系樹脂であり、該樹脂は水性ディスパージョンとして用いられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE、LLDPE)、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合アイオノマー(ionomer)、エチレン−マレイン酸共重合アイオノマー、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体のマレイン化物アイオノマー等のポリオレフィン系アイオノマー;エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合ゴム等のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらのオレフィン系ポリマーは、重量平均分子量が凡そ2万〜20万のものが好ましい。
【0017】
これらのポリオレフィン系樹脂の強度特性の代表値としては、例えば、低密度ポリエチレンの引張強さ及び破断点伸びは、それぞれは80kg/cm2(7.8MPa)、320%程度であり、ポリオレフィン系アイオノマー(オレフィンがエチレン)では、それぞれ280〜350kg/cm2(27.4〜34.3MPa)、350〜450%、また、オレフィン系熱可塑性エラストマーでは、それぞれ200kg/cm2(19.6MPa)、450%程度である。
【0018】
ポリオレフィン系樹脂を水性ディスパージョンとして使用する場合には、その製造方法は特に限定されないが、例えば、加圧、加熱下にポリオレフィン系樹脂を溶融し、水に乳化或いは懸濁分散させることによって得ることができる。水性ディスパージョンは乳化剤及び有機溶剤を使用していないものが好ましい。水性ディスパージョン中のポリオレフィン系樹脂の平均粒径は、0.01〜15μm程度が好ましい。特に該樹脂としてポリオレフィン系アイオノマーを使用したものはディスパージョンの粒径が0.01〜1.0μmとなるので、顔料の固着剤として非常に好ましいものである。
【0019】
ポリオレフィン系樹脂は、ビーズ状又はペレット状熱可塑性樹脂組成物との親和性が高く、着色剤の固着性を高め、安定した固着性を得ることができる。更に、ポリオレフィン系樹脂は成形加工時に熱可塑性成形材料中への顔料の分散を容易にする分散剤としての作用をも有している。
【0020】
本発明においてポリオレフィン系樹脂とともに使用するワックスは、ポリオレフィン系ワックス及び脂肪酸アミドワックスである。これらは単独で使用しても、併用しても構わない。これらのワックスは着色剤の分散剤としての作用を有し(尚、ポリオレフィン系ワックスは固着剤としての作用も有している)、更に、ビーズ状又はペレット状の着色熱可塑性樹脂組成物のブロッキング開始温度を高める作用も有することから、該着色熱可塑性樹脂組成物の耐ブロッキング性を更に高めることができる。
【0021】
ポリオレフィン系ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス(重合品、ポリエチレンの熱分解物及びこれらの変性物等)、ポリプロピレンワックス(重合品、ポリプロピレンの熱分解物及びこれらの変性物等)等が挙げられる。ポリオレフィン系ワックスは、重量平均分子量が凡そ800〜2万未満で、且つ平均粒径が5μm〜50μmの微粒子状のものが好ましく、より好ましくは10μm〜30μmの微粒子状のものである。
【0022】
脂肪酸アミドワックスとしては、例えば、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスオキシステアリルアミド、ステアリルアミド、オキシステアリルアミド、ベヘン酸アミド等の顔料の分散性に優れたものが好ましいものとして挙げられる。脂肪酸アミドワックスもポリオレフィン系ワックスと同様微粒子状のものが好ましく、平均粒径は10〜15μmである。
【0023】
本発明においてはポリオレフィン系ワックス及び脂肪酸アミドワックスは、分散剤として予め着色剤等と混合して使用することができ、かかる使用方法が好ましい。
【0024】
本発明で使用する着色剤としては、通常の有機及び無機顔料が使用でき、着色熱可塑性樹脂組成物の用途や要求の色によって適宜選択して使用することができ、特に限定されない。例えば、溶性アゾ系顔料、不溶性アゾ系顔料、ポリアゾ系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリノン−ペリレン系顔料、アゾメチン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ピロロピロール系顔料等の有機顔料、カーボンブラック顔料、酸化チタン系顔料、黄色酸化鉄、弁柄、酸化クロム、群青、複合酸化物顔料等の無機顔料、更に樹脂用に使用される分散染料、油性染料等が挙げられる。
【0025】
尚、本発明においてはこれらの着色剤の分散性(本発明の着色樹脂組成物を用いた成形品中の)を高めるために、上記のポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系ワックス及び/又は脂肪酸アミドワックスと共に、必要に応じて、金属石鹸等の他の公知の分散剤を単独で或いは組み合わせて使用することができる。
【0026】
次に、ビーズ状又はペレット状熱可塑性樹脂成形材料の表面に着色剤が固着した熱可塑性樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、ビーズ状又はペレット状熱可塑性成形材料とポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン系ワックス及び/又は脂肪酸アミドワックスとを混合するが、その際、水或いは含水媒体の存在下に混合することが特徴である。混合物から水及び揮発性溶媒を除去し、ポリオレフィン系樹脂及び上記ワックスを溶融させることによって着色剤が表面に固着したビーズ状又はペレット状熱可塑性樹脂組成物が製造される。
【0027】
本発明においては、少なくともポリオレフィン系樹脂を添加して混合する際には、媒体として水或いは水を含むメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類及びそれらのメチル、エチル、プロピル等の低級アルキルエーテル類等の親水性溶媒の溶液が混合系に存在するように、これらの媒体が使用される。
【0028】
本発明においては、ビーズ状又はペレット状熱可塑性樹脂成形材料と着色剤及びポリオレフィン系樹脂及び上記のワックスとを同時に混合することもできるが、好ましい混合方法としては、例えば、下記の如き方法が挙げられる。
【0029】
(1)該熱可塑性樹脂成形材料と着色剤とを先ず混合し、これに粉末状ワックスと、ポリオレフィン系樹脂の水性ディスパージョンを添加して混合する方法、
【0030】
(2)予め着色剤と粉末状ワックスとをワックスを溶融させずに混合して粉末着色剤組成物を形成し、これと該熱可塑性樹脂成形材料とを混合してからポリオレフィン系樹脂の水性ディスパージョンを添加して混合する方法。
【0031】
上記のいずれの混合方法においても、熱可塑性樹脂成形材料はそのビーズ状又はペレット状の形状が保持され、ポリオレフィン系樹脂及び上記のワックスが溶融しないように混合することが必要であり、混合には、通常、ヘンシェルミキサー、タンブラー等が用いられるが、混合によって熱可塑性樹脂成形材料のビーズ状或いはペレット状の形状が保持される混合機であれば、これらの混合機以外のものも使用することができる。
【0032】
次に上記の方法等で得られた混合物を加熱する。加熱は、通常、80〜180℃で行われ、加熱は水分の除去を行うと共にポリオレフィン系樹脂及びポリオレフィン系ワックス及び/又は脂肪酸アミドワックスを溶融させ、これらをビーズ状又はペレット状熱可塑性樹脂成形材料表面に製膜させ、その後冷却する。かくして着色剤が均一にビーズ状又はペレット状熱可塑性樹脂成形材料表面に固着した着色熱可塑性樹脂組成物が製造される。加熱に使用する装置は、加熱乾燥機等の上記の要件を満たすものであればどのようなものでもよく、特に制限されない。
【0033】
着色熱可塑性樹脂組成物の製造に使用される各成分の割合は、熱可塑性樹脂成形材料100重量部に対して、着色剤(顔料)は0.005〜10重量部、ポリオレフィン系樹脂は0.01〜10重量部、ポリオレフィン系ワックス及び/又は脂肪酸アミドワックスは0.005〜10重量部の割合が好ましい。
【0034】
尚、本発明においては、熱可塑性成形材料は補強剤等の添加剤が添加されていないナチュラル樹脂、及び、例えば、PBT、LCP、POM、PA、PPS等のエンジニアリングプラスチック等に補強剤としてガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維或いはガラスビーズ等が添加された複合材料、或いは難燃剤等の各種充填材料が添加されたものを使用することができる。
【0035】
特にガラス繊維入り複合材料の場合、従来のカラードペレットでは、着色混練加工時にガラス繊維の切断等による物性劣化を生じることが多いが、本発明を利用することにより、物性劣化を起こすことなく、色むら、色斑点、色ヤケ等の発生しない均一な着色樹脂組成物を得ることができる。
【0036】
また、本発明を実施することにより、着色剤が飛散せず、作業場、機械、或いは作業員又は環境を汚染することなく、更に振動、摩擦等の外力により熱可塑性樹脂成形材料の表面から顔料が分離脱落せず、製造時及び成形時の高温乾燥においてもブロッキングを起こさない着色樹脂組成物を得ることができる。
【0037】
本発明によって得られた着色熱可塑性樹脂組成物は、着色剤(顔料)の解膠速度が速く、分散性にも優れているため、それ自体を用いて、或いは未着色の熱可塑性樹脂成形材料と共に成形加工機、例えば、押出成形機、射出成形機等に供し、混練、成形加工して着色樹脂成形品を得ることができ、従来のカラードペレット(樹脂に予め顔料を溶融混練せしめたもの)を使用して着色成形品を得るよりも着色コストが安価であり、品質的にも優れた成形品の製造が可能である。
【0038】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例及び比較例中の部及び%とあるのは重量基準である。
【0039】
実施例1
銅フタロシアニンブルー2.5部と粉末状のチタンホワイト77.5部及び顔料分散剤及び固着剤の作用を有する平均粒径が20μmのポリエチレンワックス微粉末(重量平均分子量2500〜3500、融点約130℃)20部をポリエチレンワックスが溶融しないようにヘンシェルミキサーで混合し、粉末着色剤組成物を得た。
【0040】
次いで、得られた粉末着色剤組成物0.8部をPBT樹脂ペレット(ポリプラスチックス社製ジュラネックス)100部に配合し、PBT樹脂のペレット形状が保持されるようにヘンシェルミキサーで混合した後、引き続いて分散剤及び固着剤としての、加圧下に加熱溶融させ、高剪断作用により水に分散させて得た平均粒径6μmの低密度ポリエチレン水性ディスパージョン(固形分:20%、最低成膜温度:105℃、ポリエチレンの重量平均分子量:4万〜5万、ポリエチレンの引張強さ:80kg/cm2(7.8MPa)、破断点伸び320%、ビカット軟化点:76℃)2.0部を滴下混合して、ペレット表面に粉末着色剤組成物を均一に付着せしめ、得られた混合物を120〜150℃の乾燥機で15分間加熱し、低密度ポリエチレン及びポリエチレンワックスを溶融成膜させると同時に水分を除去し、表面に均一な青白色皮膜を有するペレット状着色熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0041】
顔料の分散性を確認するために、得られた着色熱可塑性樹脂組成物を3.5オンスのインラインスクリュー射出成形機にて9cm×6cm×2mm(厚さ)の着色成形板を作製し評価した。この着色成形板の顔料分散は、PBT樹脂と従来のドライカラーを用いて30mm、L/D=20の押出機で一旦着色ペレットとし、これを更にインラインスクリュー射出成形機に供して得た着色成形板と比較して同等であり、従来のドライブレンド法及び可塑剤を不揮発性液状バインダーとして得たドライカラーをPBTペレットに付着せしめるドライブレンド法によって得た、各PBT着色組成物を用いた成形板よりはるかに優れていた。
【0042】
着色剤の固着性を評価するため、得られた着色熱可塑性樹脂組成物を、内壁に白色ろ紙を貼着したタンブラー中で5分間攪拌、混合し、白色ろ紙の汚染度合いを目視により評価した。また、得られた着色熱可塑性樹脂成形材料が保管、乾燥時に熱により互いに融着するいわゆるブロッキング現象発生の有無を調べるため、140℃の乾燥機中で5時間加熱し、融着度合いを評価した。表1に着色剤の固着性、分散性、耐熱性、耐ブロッキング性の評価結果を示した。
【0043】
実施例2
ポリエチレンワックスに代えてエチレンビスステアリルアミド(EBS)微粉末(平均粒径14μm)を用い実施例1と同様にして調製した粉末着色剤組成物1部をPOM樹脂ペレット(ポリプラスチックス社製ジュラコン)100部に配合し、POM樹脂のペレット形状を保持するようにヘンシェルミキサーで混合してペレット表面に均一に付着させ、その後、平均粒径0.5μmのエチレン−メタクリル酸ナトリウム共重合体アイオノマー樹脂水性ディスパージョン(固形分:17.5%、最低成膜温度:94℃、該アイオノマー樹脂の重量平均分子量:3万〜4万、該アイオノマー樹脂の引張強さ:310kg/cm2(30.4MPa)、ビカット軟化点:67℃)2部を滴下させ混合してペレット表面に着色剤を均一に付着せしめ、得られた混合物を110〜130℃の温度の乾燥機で15分間加熱し、成膜させると共に水分を除去し、表面に均一な青白色皮膜を有する着色熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0044】
得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例1と同様の方法で成形板として着色剤の分散性を、着色剤の固着性、分散性、耐熱性、耐ブロッキング性を評価した。結果を表1に示した。
【0045】
実施例3
熱可塑性樹脂成形材料としてPPS樹脂ペレット(ポリプラスチックス社製フォートロン:ガラス繊維30%含有品)を使用する以外は実施例1と同じ方法で、表面が均一に着色された着色熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例1と同様の方法でプレートに成形し、着色剤の分散性、着色剤の固着性等の評価を実施した。結果を第1表に示した。
【0046】
実施例4
熱可塑性樹脂成形材料としてPA樹脂ペレット(三井化学社製アーレン)を使用する以外は実施例2と同一の方法で表面が均一に着色された着色熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表1に示した。
【0047】
実施例5
LCP樹脂ペレット(ポリプラスチックス社製ベクトラ)を使用する以外は実施例1と同一の方法で表面が均一に着色された着色熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表1に示した。
【0048】
比較例1
実施例1において低密度ポリエチレン水性ディスパージョンを使用せずに、ドライブレンド法にて着色熱可塑性樹脂組成物を調製した。得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例1と同様の方法で評価したところ、着色剤の脱離、飛散、汚染が著しく、着色成形板には色むらが認められた。
【0049】
比較例2
熱可塑性樹脂成形材料としてPOM樹脂ペレット(ポリプラスチックス社製ジュラコン)を、エチレン−メタクリル酸ナトリウム共重合体アイオノマー樹脂水性ディスパージョンに代えて酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂水性エマルジョン(酢酸ビニル含有量約80%:クラレ社製パンフレックスKD−51E)を使用し、実施例2と同様にして、表面に淡青色皮膜を有する着色熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例1と同様の方法で評価したところ、得られた成形板は該共重合体樹脂の熱劣化のため黄味に変色していた。また、得られた着色熱可塑性樹脂組成物は、該成形材料同士が互いに融着するブロッキング現象を生じた。
【0050】
比較例3
固着剤としてアクリル樹脂系エマルジョン(新日本理化社製リカボンドES−1)を使用する以外は比較例1と同様にして着色熱可塑性樹脂組成物を得、実施例1と同様の方法で評価した。得られた成形プレートの顔料分散は著しく不良であった。
【0051】
【0052】
次に本発明の請求項2の発明に関して説明する。着色成形加工するにあたり、成形加工前に着色熱可塑性樹脂組成物及び着色される熱可塑性樹脂は組成物及び樹脂中に含まれる水分を加熱乾燥によって除去する工程を経る。その際に、特に製品に要求される物性等の品質上或いは製造条件の設定や製造工程の管理上の関係等で通常より過酷な乾燥条件、例えば、PBT、PPS、LCPでは160℃で6時間、POMでは140℃で5時間、PAでは120℃で3時間といった乾燥条件で変色しないという高い耐熱性が要求される場合がある。
そのような製造条件で使用される顔料の固着剤、分散剤であるポリオレフィン系樹脂及びワックス類としては、上記したような過酷な加熱乾燥条件でも熱変色を起こさない耐熱性に優れた材料が必要とされている。
【0053】
そのような観点からポリエチレン系樹脂及びポリオレフィン系ワックス類を使用した着色熱可塑性樹脂組成物の耐熱性について160℃、6時間の加熱乾燥条件での熱変色性を評価した。また、それらの材料の化学組成や物性と熱変色性と相関性を考察するために使用したポリオレフィン系ワックス類の赤外線吸収スペクトル及び熱分析(示差走査熱量測定:DSC)を測定した。ワックスにより赤外線吸収スペクトルに違いが見られたことから、それらポリオレフィン系ワックス類の有する官能基の相対強度比を見るために波数1460cm-1〜1465cm-1の吸光度を基準にして波数1500cm-1〜1800cm-1の吸光度の比率を算出し、吸光度比として示した。それらの結果を表2に示した。ポリオレフィン系ワックス類の赤外線吸収スペクトルは図1〜3に、熱分析データーは図4〜6で示した。
【0054】
【0055】
熱変色を示すポリオレフィン系ワックスCは赤外線吸収スペクトルで波数1563cm-1付近に大きな吸収を示し、吸光度比で0.192という値を示した。また、熱分析では乾燥温度の160℃に比べて非常に低い温度の98℃付近及び142℃にややブロードな吸熱カーブが見られた。
【0056】
それに対して、熱変色を示さないポリオレフィン系ワックスA及びBでは波数1500cm-1から1800cm-1の範囲では大きな吸収はなく吸光度比でも非常に小さい0.015の値ないしは0.000の吸光度比であり、また、熱分析では157℃又は161℃にシャープな強い吸熱を示すのみで、それらは乾燥条件の160℃にほぼ近いないし超えた温度である。
【0057】
熱変色するポリオレフィン系ワックスの波数1500cm-1〜1800cm-1付近の吸収はポリオレフィン系ワックス中にカルボニル基を含んだ官能基、例えば、アルデヒド基、カルボアミド基、カルボキシル基、カルボン酸塩の基やカルボン酸エステル基等を含有することを示唆し、それらがワックスを高温、長時間の乾燥条件で熱変色を示すことの要因になったのであろうと推察される。
【0058】
従って、本発明において、特に高温乾燥条件での耐熱性に配慮して使用するポリオレフィン系樹脂及びポリオレフィン系ワックスとしては分子中或いは安定剤等の添加剤中に熱変色の要因となる官能基がないか、或いは出来るだけ少ないことが必須要件となる。その限界は必ずしも厳密に定められるものではないが、赤外線吸収スペクトルの波数1460cm-1〜1465cm-1の吸光度を基準にしたときの波数1500cm-1〜1800cm-1の吸光度比が0.015以下、好ましくは0.010以下のものを使用する。
【0059】
以下に請求項2に関する実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。
実施例6
実施例1において、ポリエチレンワックス微粉末に代えてポリオレフィンワックスA微粉末(平均粒子径が20μm、重量平均分子量2500〜3500、赤外線吸収スペクトルの1456cm-1の吸光度に対する1648cm-1の吸光度の吸光度比:0.015)20部を使用し、実施例1と同様にしてヘンシェルミキサーで混合し、粉末着色剤組成物を得た。
【0060】
次いで、実施例1と同様にして得られた粉末着色剤組成物0.8部をPBT樹脂ペレット100部に配合し、ヘンシェルミキサーで混合した後、引き続いて低密度ポリエチレン水性ディスパージョン2.0部を滴下混合し、ペレット表面に粉末着色剤組成物を均一に付着せしめ、120〜150℃の乾燥機で15分間加熱し、低密度ポリエチレン及びポリオレフィンワックスを溶融成膜させると同時に水分を除去し、表面に均一な青白色皮膜を有するペレット状着色熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0061】
実施例1と同様にして得られた着色熱可塑性樹脂組成物をインラインスクリュー射出成形機にて着色成形板を作製し、顔料の分散性を評価した。この着色成形板の顔料分散は、PBT樹脂と従来のドライカラーを用いて得た着色成形板と比較し同等であり、従来のドライブレンド法及び可塑剤を不揮発性液状バインダーとして得たドライカラーを使用して得た成形板よりはるかに優れていた。
【0062】
着色剤の固着性を実施例1と同様にして評価した。また、得られた着色熱可塑性樹脂組成形材料が保管、乾燥時の熱による変色及びブロッキング現象発生の有無を調べるため、140℃の乾燥機中で、5時間加熱し、融着度合いを評価し、更に160℃の乾燥機中で6時間加熱し、乾燥時の着色度合いを評価した。表3に着色剤の固着性、分散性、耐熱性(成形時の変色及び乾燥時の変色)、耐ブロッキング性の評価結果を示した。
【0063】
実施例7
実施例6のポリオレフィンワックスAに代えてポリオレフィンワックスB微粉末(平均粒径30μm、1615cm-1の吸光度はほとんど無視できるもの)20部を用いて実施例6と同様にして調製した粉末着色剤組成物1部を実施例2と同様にしてPOM樹脂ペレット100部に配合し、ヘンシェルミキサーで混合してペレット表面に均一に付着させ、エチレン−メタクリル酸ナトリウム共重合体アイオノマー樹脂水性ディスパージョン2部を滴下させ混合してペレット表面に着色剤を均一に付着せしめ、得られた混合物を110〜130℃の温度の乾燥機で15分間加熱し、成膜させると共に水分を除去し、表面に均一な青白色皮膜を有する着色熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0064】
得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例6と同様の方法で成形板として着色剤の分散性を評価し、また、着色剤の固着性、分散性、耐熱性、耐ブロッキング性を評価した。但し、乾燥時の耐熱性は140℃の乾燥機中5時間の加熱とした。結果を表3に示した。
【0065】
実施例8
熱可塑性樹脂成形材料として実施例3で使用したガラス繊維30%含有PPS樹脂ペレットを使用し、実施例6と同じ方法で、表面が均一に着色された着色熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例6と同様の方法でプレートに成形し、着色剤の分散性、着色剤の固着性、耐熱性等の評価を実施した。但し、乾燥時の耐熱性は140℃の乾燥機中5時間の加熱とした。結果を表3に示した。
【0066】
実施例9
熱可塑性樹脂成形材料として実施例4で使用したPA樹脂ペレットを使用し、ポリオレフィンワックスB微粉末20部を用いて実施例6と同様にして調製した粉末着色剤組成物を用いる以外は実施例6と同一の方法で表面が均一に着色された熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例6と同様の方法で成形板として着色剤の分散性を評価し、着色剤の固着性、耐熱性等を評価した。但し、乾燥時の耐熱性は120℃の乾燥機中3時間の加熱とした。結果を表3に示した。
【0067】
実施例10
熱可塑性樹脂成形材料として実施例5で使用したLCP樹脂ペレットを使用する以外は実施例6と同様の方法で表面が均一に着色された着色熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例6と同様の方法で評価した。但し、乾燥時の耐熱性は160℃の乾燥機中6時間の加熱とした。評価結果を表3に示した。
【0068】
比較例4
実施例6において低密度ポリエチレン水性ディスパージョンを使用せずに、ドライブレンド法にて着色熱可塑性樹脂組成物を調製した。得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例6と同様の方法で評価したところ、着色剤の脱離、飛散、汚染が著しく、着色成形板には色むらが認められた。評価結果を表3に示した。
【0069】
比較例5
実施例6のポリオレフィンワックスAに代えてポリオレフィンワックスC(赤外線吸収スペクトルの1462cm-1の吸光度に対する1648cm-1の吸光度の比率:0.192)を使用し、それ以外は実施例6と同様の方法にて着色熱可塑性樹脂組成物を調製した。得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例6と同様の方法で評価したところ乾燥時の耐熱性試験において得られた成形板はワックスの熱劣化のため黄味に変色していた。乾燥時の耐熱性以外は、実施例6と同様の評価を得た。
【0070】
比較例6
熱可塑性樹脂成形材料として実施例2で使用したPOM樹脂ペレットを、低密度ポリエチレン水性ディスパージョンに代えて酢酸ビニル−エチレン共重合体水性エマルジョン(酢酸ビニル含有量約80%:クラレ社製パンフレックスKD−51E)を使用し、それ以外は実施例6と同様の方法にて着色熱可塑性樹脂組成物を調製し、表面に淡青色皮膜を有する着色熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた着色熱可塑性樹脂組成物を実施例6と同様の方法で評価したところ、得られた成形板は該共重合体樹脂の熱劣化のため黄味に変色していた。また、得られた着色熱可塑性樹脂組成物は、該成形材料同士が互いに融着するブロッキング現象を生じた。
【0071】
比較例7
固着剤としてアクリル樹脂系エマルジョン(新日本理化社製リカボンドES−1)を使用する以外は比較例4と同様にして着色熱可塑性樹脂組成物を得、実施例6と同様の方法で評価した。得られた成形プレートの顔料分散は著しく不良であった。
【0072】
【0073】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、ブロッキング開始温度が高く、均一に着色された熱可塑性樹脂成形品の製造に適したビーズ状又はペレット状着色熱可塑性樹脂組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用したポリオレフィンワックスAの赤外線吸収スペクトル。
【図2】 本発明で使用したポリオレフィンワックスBの赤外線吸収スペクトル。
【図3】 本発明で使用したポリオレフィンワックスCの赤外線吸収スペクトル。
【図4】 ポリオレフィンワックスAの熱分析(DSC)のデータ。
【図5】 ポリオレフィンワックスBの熱分析(DSC)のデータ。
【図6】 ポリオレフィンワックスCの熱分析(DSC)のデータ。
Claims (3)
- ビーズ状又はペレット状の熱可塑性樹脂成形材料と、着色剤と水性ディスパージョンとしての微粒子ポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン系ワックス及び/又は脂肪酸アミドワックスとを、上記熱可塑性成形材料がビーズ状又はペレット状の形状を保持した状態で混合して、上記着色剤が上記熱可塑性樹脂成形材料の表面に固着した着色熱可塑性樹脂組成物を製造するに際し、上記の各成分を水又は水を含む媒体の存在下に混合し、水分を除去すると共に上記ポリオレフィン系樹脂及び上記ワックスを溶融させ、上記ビーズ状又はペレット状熱可塑性成型材料表面に製膜させることを特徴とする着色熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- ポリオレフィン系樹脂及びポリオレフィン系ワックスが、その赤外線吸収スペクトルの波数1463cm-1〜1465cm-1の吸光度を基準にしたときの波数1500cm-1〜1800cm-1の吸光度の比率が0.15以下である請求項1に記載の着色熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 熱可塑性樹脂成形材料100重量部に対してポリオレフィン系樹脂を0.01〜10重量部、ポリオレフィン系ワックス及び/又は脂肪酸アミドワックスを0.005〜10重量部の割合で使用する請求項1又は2に記載の着色熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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