JP2002309000A - 着色樹脂組成物の製造方法およびその利用 - Google Patents

着色樹脂組成物の製造方法およびその利用

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JP2002309000A
JP2002309000A JP2001109423A JP2001109423A JP2002309000A JP 2002309000 A JP2002309000 A JP 2002309000A JP 2001109423 A JP2001109423 A JP 2001109423A JP 2001109423 A JP2001109423 A JP 2001109423A JP 2002309000 A JP2002309000 A JP 2002309000A
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resin composition
colored resin
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metallocene
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JP2001109423A
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Hitoshi Maki
均 牧
Masayasu Kawamura
昌靖 川村
Masashi Koide
昌史 小出
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】顔料の分散性に優れ、発色性能の高い着色樹脂
組成物、及び成形時の色ムラやフローマーク等の発生し
にくく、かつ機械物性を5%以上劣化させない着色樹脂
成形品を提供する。 【構成】固形分含有量が25〜65重量%である顔料の
水性湿潤ケーキと下記分散剤とメタロセン系ポリオレフ
ィン樹脂とを、該メタロセン系ポリオレフィン樹脂の溶
融温度以上の温度下で混合して上記顔料をフラッシング
せしめ、次いで上記水性湿潤ケーキから分離した水を除
去することを特徴とする着色樹脂組成物の製造方法。 CnH2n+1(OCH2CH2)mOH (式中、 nは1〜100の整数であり、 mは1〜10
0の整数である。 )

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の着
色に使用する着色樹脂組成物の製造法及びその着色樹脂
組成物に関する。さらに本発明は、本発明の製造法によっ
て得られる着色樹脂組成物を用いて得られる着色樹脂成
形品、塗料組成物及び情報記録用顔料樹脂組成物に関す
る。
【0001】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂の成形品を着色する
ために、または、着色された樹脂成形品を製造するため
に用いられる着色樹脂組成物には、顔料と常温で固体の
分散剤を混合した粉末状のドライカラー、常温で液状の
分散剤中に顔料を分散させたリキッドカラーまたはペー
ストカラー、常温で固体の樹脂中に顔料を分散させたペ
レット状、フレーク状あるいはビーズ状の着色ペレット
(着色コンパウンドともいう)もしくはマスターバッチ
などがある。ここで、マスターバッチは、常温で固体の
樹脂中に顔料を分散させたものであるという点で着色ペ
レットと共通するが、着色ペレットが希釈用または成形
体用樹脂等で希釈することなくそのまま成形に供される
(すなわち顔料の濃度は最終成形物の濃度に調整されて
いる)のに対し、マスターバッチは着色ペレットに比し
て顔料を高濃度に含んでいるので、適当な熱可塑性樹脂
(希釈用樹脂または被着色樹脂)で希釈してから成形に
供される点で相違する。
【0002】これら着色樹脂組成物は、用途によってそ
の特徴を生かして使い分けられているが、これらのうち
取り扱いの容易さ、使用時の作業環境保全の面でマスタ
ーバッチが好んで用いられている。そしてマスターバッ
チに要求される性能として、顔料濃度が高いこと、着色さ
れる熱可塑性樹脂の耐熱性や強度などの諸物性に与える
影響が少ないことなどに加え、ポリオレフィン系樹脂の
成形の精密化、高速化に伴い、以前にも増して顔料の高
分散性が求められるようになった。
【0003】マスターバッチの顔料分散性を付与する分
散剤としては、ステアリン酸;ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸カルシウム等のような金属石鹸;エチレンビ
スアマイド;ポリエチレンワックス、 ポリプロピレン
ワックス等のような炭化水素系ワックス;およびこれら
の誘導体、たとえば酸変性体や水酸基変性体からなるワ
ックス等、が一般的に用いられている。
【0004】しかしながら、10数ミクロン径で高速紡
糸しまたはフイルム化するなど、高度な顔料分散が求め
られる成形品の場合には、上述の分散剤の利用では満足
のいく分散効果は得られなかった。そこで、特開平7−5
3772号公報では、着色樹脂組成物の分散剤として、
下記化学構造式: CH3-(CH2)x-CH2-O(CH2CH2O)nH (式中、x=28〜48(平均)、n=1〜16) で表される化合物が用いられている。この分散剤を用い
ることにより、従来品に比べて良好な結果が得られては
いるが、依然として、顔料分散不良に起因する紡糸時の
糸切れ、溶融紡糸機のフィルターの目詰まり、フイルム
表面のブツ発生等の問題が生じる場合があった。また、
たとえ高速紡糸やフイルム化が可能であっても、 成形品
にさらに高度な機械物性強度が求められる場合には、実
用上充分な強度を与えることができない場合もあった。
【0005】近年では、マスターバッチ中の顔料の高度
な分散や機能性材料の混合に対する要求が高まってお
り、種々の検討がなされており、一つの解決手段として水
の利用が高まっている。すなわち、水を分散助剤として活
用し、顔料や分散剤と熱可塑性樹脂を水の存在下で混合
した後に水を除去しマスターバッチとする方法である。
この技術は幅広く活用が可能であって、水の使用量によ
って大別でき、例えば、特開平6−143253号、特開
平6−148937号、特開平7−233275号公報
等に記載のように水を分散助剤として少量添加する方
法、あるいは、特開昭51−50952号、特開昭57−
186758号、特開昭59−1538号、特開昭61−
126139号、特開平2−175770号、特開平2−
227469号、特開平5−341569号、特開平9−
204069号、特開平10−279877号公報等に
記載のように顔料の水性ケーキとして水を含ませる方
法、あるいは、特開平7−247367号、特開平8−3
02092号公報等に記載のように分散剤あるいは分散
樹脂を水溶性化して水分散体として利用する方法、ある
いは、特開昭63−43960号、特開平10−1079
9号、特開2000−17083号公報等に記載のよう
に顔料を水分散体溶液として利用する方法などが開示さ
れているが、水分量の少ない添加方法やペースト利用方
法は乾燥顔料を利用するときと同様の強い剪断力の混練
機が必要であるのみならず、添加した水分を除去する必
要性が付加しており、水分除去に関わる加熱時間の延長
によって顔料や合成樹脂の劣化や分散性の面で大きな性
能向上を果たせていない。一方、水分量が多い水分散体を
利用する方法では、強い剪断力の混練機は必要ないが、特
定の樹脂でのみしか実用化できていない為に出来上がっ
た着色樹脂組成物が汎用性に欠けているのが現状であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、(1)顔料分散性に優れ、発色性能の高い着
色樹脂組成物であり、これをマスターバッチとして用い
た場合には、引張強度、曲げ弾性率、衝撃強度等の機械
物性が被着色樹脂の各強度値に対して5%以上の物性阻
害を与えないような着色樹脂組成物の製造方法を提供す
ること、(2)顔料分散性に優れ、発色性能の高い着色
樹脂組成物であり、これをマスターバッチとして用いた
場合には、引張強度、曲げ弾性率、衝撃強度等の機械物
性が被着色樹脂の各強度値に対して5%以上の物性阻害
を与えないような着色樹脂組成物を提供すること、
(3)本発明の着色樹脂組成物を用いて得られる良好な
機械的物性の着色樹脂成形品、塗料組成物及び情報記録
用顔料樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、固形分含有量
が25〜65重量%である顔料の水性湿潤ケーキと分散
剤とメタロセン系ポリオレフィン樹脂とを、該メタロセ
ン系ポリオレフィン樹脂の溶融温度以上の温度下で混合
して上記顔料をフラッシングせしめ、次いで上記水性湿
潤ケーキから分離した水を除去することを特徴とする着
色樹脂組成物の製造方法に関する。更に本発明は、分散
剤が下記一般式(1)で表されるものであることを特徴
とする。 一般式(1) CnH2n+1(OCH2CH2)mOH (式中、nは1〜100の整数であり、mは1〜100
の整数である。)
【0008】ここで、メタロセン系ポリオレフィン樹脂
とは、メタロセン化合物を重合用触媒として得られるポ
リオレフィンの総称である。このポリマーの特徴は、従
来のチーグラー触媒、チーグラー・ナッタ触媒等を用い
た場合に比べ、高度に分子量分布の狭い(たとえばメタ
ロセン系ポリエチレンではMw/Mn<2)高分子量ポ
リマーとなっていることである。そして、得られたポリ
マーは結晶性が低く非晶性であって、その密度と融点
は、非メタロセン系触媒で重合された同じモノマーから
なる汎用ポリオレフィンに比べて有意に低いものとなっ
ている。
【0009】発明者らは、着色樹脂組成物においてこの
ような熱可塑性のポリマーを用い、かつ、上記一般式
(1)の分散剤を用いることにより、多量の顔料を取り
込んでそれを非常に均一に分散させることができ、その
結果、顔料の分散不良に起因するフイルムの破断等の問
題が生じることなく、機械的強度に優れた成形品を与え
うることを見いだした。また、顔料分散性が良好である
ことから、発色性能にも優れた着色樹脂組成物を得るこ
とができる。
【0010】発明者らの知見によれば、強い剪断力の得
られる混合機で顔料の水性湿潤ケーキとベースとなるメ
タロセン系ポリオレフィン樹脂と分散剤とを適当な温度
で加熱溶融させながら混練すると、顔料を中心として溶
融した分散剤とメタロセン系ポリオレフィン樹脂が周囲
を覆い、混練時の剪断により微細化された顔料を取り巻
いていた水から樹脂へ相転換を起こしてフラッシングを
起こす。これにより顔料の再凝集が防止されて、顔料分
散性に優れた着色樹脂組成物を得ることができる。そし
て、発明者らは、この水性相から樹脂相への顔料のフラ
ッシングを、水の沸点付近の温度で時間をかけて行うこ
とにより顔料の分散性が向上することを見いだした。そ
こで、汎用ポリオレフィンに比べて融点の低いメタロセ
ン系ポリオレフィンを用いることによりこのような水の
沸点付近の温度でのフラッシングを、容易にかつ有効に
行うことができるという利点もある。
【0011】さらに、メタロセン系ポリオレフィン樹脂
は様々な樹脂との相溶性がよいという特性を有するた
め、本発明の着色樹脂組成物はマスターバッチとして様
々な被着色樹脂に対して汎用性があり適用範囲が広いと
ともに、被着色樹脂と均一に混合されることにより機械
物性にも優れた成形品を与えることができる。
【0012】次に、本発明に係る着色樹脂成形品、塗料組
成物及び情報記録用顔料樹脂組成物は、本発明の着色樹
脂組成物を用いてなることを特徴とするものである。本
発明の着色樹脂組成物は顔料分散性に優れ、発色性能も
よいことから、これを用いて機械的強度に優れ発色性の
高い着色樹脂成形品や塗料組成物、情報記録用顔料樹脂
組成物を製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形熊につ
いて詳しく説明する。本発明のメタロセン系ポリオレフ
ィン樹脂とは、メタロセン化合物を重合用触媒として得
られるポリオレフィンの総称であり、メタロセン系ポリ
エチレン及びメタロセン系ポリプロピレンを好ましく用
いることができる。さらに好ましくは、融点が50℃以
上でありかつ120℃以下のメタロセン系ポリエチレ
ン、または、密度が0.70g/cm3以上0.91g/
cm3以下のメタロセン系ポリエチレンを用いることが
好ましい。
【0014】別の好ましい実施態様においては、メルト
フローレート(MFR)が0.1〜400、さらに好ま
しくは5〜250の範囲にあるポリマーが選ばれる。M
FRが0.1未満であると、被着色樹脂との相溶性が悪
くなって、成形品に色ムラが生じたり諸物性に悪影響を
与えたりするおそれがある。一方、MFRが400を越え
る場合には、着色樹脂組成物の製造が困難になると共
に、成形品の強度などの諸物性に悪影響を与えるおそれ
がある。なお、このMFRとは、JIS−K7210に準
拠して測定されたMFRであり、PE系で公称荷重2.
16kg、試験温度190℃、PP系で公称荷重2.1
6kg、試験温度230℃で測定されるものである。
【0015】メタロセン系ポリオレフィン樹脂は、被着
色樹脂との相溶性が高いという特性を有する。具体的に
は、たとえばポリプロピレン(被着色樹脂)に対し、汎
用ポリエチレンのマスターバッチは混合ができないが、
メタロセン系ポリエチレンであれば混合が可能である。
メタロセン化合物とは、たとえばチタン、ジルコニウ
ム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、ニオブ、プラ
チナ等の四価の遷移金属に、シクロペンタジエニル骨格
を有するリガンドが少なくとも1つ以上配位する化合物
の総称である。
【0016】シクロベンタジエニル骨格を有するリガン
ドとしては、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペ
ンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−
またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、n−、i
−、sec−、tert−ブチルシクロペンタジエニル
基、ヘキシルシクロペンタジエニル基、オクチルシクロ
ペンタジエニル基等のアルキル−置換シクロペンタジエ
ニル基;ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルエチ
ルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペン
タジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、
メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、エチルブチル
シクロペンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタ
ジエニル基等のアルキル−置換シクロペンタジエニル
基;トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチル
シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジ
エニル基等のアルキル多置換シクロペンタジエニル基;
メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基等のシク
ロアルキル置換シクロペンタジエニル基;インデニル
基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フル
オレニル基等が挙げられる。
【0017】シクロペンタジエニル骨格を有するリガン
ド以外のリガンドとしては、たとえば、塩素、臭素等の
一価のアニオンリガンド、二価のアニオンキレートリガ
ンド、炭化水素基、アルコキシド、アミド、アリールアミ
ド、アリ−ルオキシド、ホスフィド、アリールホスフィ
ド、シリル基、置換シリル基等が挙げられる。上記炭化水
素基としては、炭素数1〜12程度のものが挙げられ、
たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘブ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セシル基、
2−エチルヘキシル基等のアルキル基;シクロヘキシル
基、シクロペンチル基等のシクロアルキル型;フェニル
基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル
基等のアラルキル基;ノニルフエニル基等が挙げられ
る。
【0018】シクロペンタジエニル骨格を有するリガン
ドが配位したメタロセン化合物としては、具体的には、
シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミ
ド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス
(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チ
タニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシク
ロペンタジエニル−tert−ブチルアミドジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペン
タジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウ
ムジクロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシク
ロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウム
ジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタ
ジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロリ
ド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、
インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、イン
デニルチタニウムビス(ジ−n−ブチルアミド)、イン
デニルチタニウムビス(ジ−n−プロピルアミド)等が
挙げられる。
【0019】このようなメタロセン化合物は、共触媒と
して、たとえば、メチルアルミノキサンやホウ素化合物等
を加えた触媒系として用いることができる。この場合、
メタロセン化合物に対する上記共触媒の割合は、1〜1
00万mol倍であることが好ましい。
【0020】ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとの共重合体
(ランダムまたはブロック共重合体)の他、エチレンも
しくはプロピレンとα−オレフィン(エチレンもしくは
プロピレンを除く)との共重合体等が挙げられる。ある
いは、それらの熱分解による低重合体であってもよい。
上記α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−
テトラデセン、1−へキサデセン、1−オクタデセン等
が挙げられる。 これらのα−オレフィンのうち、エチレ
ンとの共重合に供されるα−オレフィンとしては、1−
ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、プロ
ピレンとの共重合に供されるα−オレフインとしては、
1−ブテン、1−ヘキセンが好ましい。
【0021】また、本発明の着色樹脂組成物において用
いられる分散剤は、下記一般式(1)で表されるもので
ある。 一般式(1) CnH2n+1(OCH2CH2)mOH (式中、nは1〜100の整数であり、mは1〜100
の整数である。)
【0022】上記式において、nの値が100を越える
と、顔料分散効果が低下するおそれがあると共に、分散
剤の融点が高くなるために低融点の被着色樹脂を用いる
場合の加工性が不良になることから好ましくない。ま
た、mの値が100を越えると、着色樹脂組成物の加工
時の熱により分解発泡を起こすおそれがあるため好まし
くない。好ましい実施態様において、上記nは26〜5
0であり、また、mは4〜100である。さらに、この
分散剤の融点は60〜120℃であることが好ましい。
融点が60℃未満であると、本発明の着色樹脂組成物を
利用する押出加工時に押出加工機のスクリュー上で材料
(本発明の着色樹脂組成物と適当な希釈用あるいは構造
形成用樹脂との混合物を総して材料という)がスリップ
して食い込みを阻害するおそれがあり、120℃を越え
ると、被着色樹脂への速やかな分散が困難となるおそれ
があるからである。また、分散剤がフラッシング温度で
溶融しないと、顔料分散効果をも充分に発揮できないか
らである。なお、本発明における融点とは、示差走査熱
量測定器にて、窒素ガス気流下、昇温速度10℃/分の
条件で測定された融点のピーク温度である。
【0023】顔料としては、従来から印刷インキ、塗
料、あるいは熱可塑性樹脂の着色に使用されている公知
の有機顔料および無機顔料の1種以上を用いることがで
き、特に制限されることはない。
【0024】有機顔料としては、アゾレーキ、ハンザ
系、ベンズイミダゾロン系、ジアリライド系、ピラゾロ
ン系、縮合アゾ系、ベンジジンイエロー系、ジスアゾ系
のアゾ系顔料;フタロシアニン系、キナクリドン系、ペ
リレン系、ペリノン系、ジオキサジン系、アントラキノ
ン系、イソインドリノン系等の縮合多環系顔料およびア
ニリンブラック等を挙げることができる。
【0025】無機顔料としては、酸化チタン、チタンイ
エロー、酸化鉄、群青、コバルトブルー、酸化クロムグ
リーン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド
等の無機顔料およびカーボンブラック顔料を挙げること
ができる。
【0026】これらの顔料は、一旦乾燥した製品を再び
水性溶媒中に分散して濾過により水分を調整した湿潤ケ
ーキを使用しても構わないが、好ましくは乾燥工程を経
ない水性湿潤ケーキの形態で用ることが好ましい。
【0027】顔料の水性湿潤ケーキを作製する際に使用
する水としては、水道水、蒸留水、イオン交換水、硬
水、軟水等を特に制限なく用いることができるが、着色
樹脂親成物の用途に影響を及ぼすような成分(粗大粒子
浮遊物、溶解物質、イオン等)を含んでいないものが好
ましい。
【0028】その際の水系の混合物中の水に対する顔料
の配合量は0.5〜50重量%であることが好ましい。
また、必要に応じて界面活性剤等や水可溶性有機溶媒を
添加してもよく、その際の顔料に対する配合量は、0.
1〜50重量%であることが好ましい。界面活性剤等と
顔料と水とを含む上記混合物は、以下の理由から、顔料
の水分散体に界面活性剤等の水溶液または界面活性剤等
の水分散体を添加してなるものであることが好ましい。
界面活性剤等の水性媒体(界面活性剤等と水との混合
物;界面活性剤等が水に可溶な場合は界面活性剤等の水
溶液、界面活性剤等が水に不溶な場合は界面活性剤等の
水分散体、あるいはこれらの組み合わせの総称)を用い
ることにより、界面活性剤等を直接配合するよりも顔料
の分散が効率よく進む。その結果、顔料の高分散が必要
な紡糸やフィルム等の製造に適したものとなり、また、
成形品の機械物性が一層良好になるのである。作成した
顔料の水分散体は、例えばフィルタープレスや遠心分
離、限外濾過、減圧濾過などの方法で水分を減少させ、
顔料に対する水の配合比を15〜500重量%にまで調
整を行うのが好ましい。
【0029】本発明の顔料の水性湿潤ケーキを作製する
際に使用する界面活性剤等は、特に構造が制限される物
ではなく、一般式(1)で示される分散剤以外に非イオ
ン性、陽イオン性、陰イオン性、両性の各界面活性剤か
ら広く適用することができる。
【0030】本発明の顔料の水性湿潤ケーキを作製する
際に使用する水可溶性有機溶媒は、特に構造が制限され
るものではなく、疎水性を示す顔料表面を濡らす効果が
得られるもので有れば使用可能で有り、好ましくは常温
で液体のものがよく、特にアルコール類、グリコール類
が適している。
【0031】本発明に係る着色樹脂組成物は、以上の分
散剤と顔料とメタロセン系ポリオレフィン樹脂を少なく
とも含んでなるものであり、顔料を高濃度に含有して成
形時に被着色樹脂で希釈されるマスターバッチとして、
あるいは、顔料濃度が比較的低く被着色樹脂で希釈せず
にそのまま成形に供される着色ペレットとして用いるこ
とができる。組成物中の各成分の配合割合は、特に限定
されることはなく、用途等に応じて適宜選択することが
できる。
【0032】たとえば、この着色樹脂組成物を着色ペレ
ツトとして用いる場合には、顔料を0.01〜40重量
%含有することが望ましい。顔料が0.01重量%未満
であると、着色力、色相等に充分な物性が得られず、4
0重量%を越えると、成形品の成形時に顔料凝集に伴う
ブツ等の外観不良が生じるおそれがあって、共に好まし
くない。また、この着色樹脂組成物をマスターバッチと
して用いる場合は、顔料を0.01〜90重量%含有す
ることが好ましく、特に15〜80重量%含有すること
が好ましい。0.01重量%未満では、目的の色相や着
色力を得るために大量の着色樹脂組成物を用いなければ
ならず経済的に好ましくないことに加え、機械物性に悪
影響を及ぼすおそれがある。また、90重量%を越える
と、着色樹脂組成物の製造自体が困難となり、顔料分散
性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0033】分散剤とメタロセン系ポリオレフィン樹脂
との配合割合は、メタロセン系ポリオレフィン樹脂に対
して分散剤0.01〜120重量%の範囲で可能であ
り、好ましくはメタロセン系ポリオレフィン樹脂に対し
て0.1〜45重量%を含有する事が好ましい。0.0
1重量%未満では、目的の色相や着色力を得る事が難し
く、また、120重量%を越えると機械物性に悪影響を
及ぼすおそれがある。
【0034】着色樹脂組成物には、本発明の効果を阻害
しない範囲で、必要に応じてさらにワックス、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などの各種添加剤が含ま
れていてもよい。
【0035】着色樹脂組成物の製造に当たっては、顔料
の水性湿潤ケーキをと一般式(1)の分散剤とメタロセ
ン系ポリオレフィン樹脂と必要に応じてさらにワック
ス、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などの各種
添加剤を強剪断力が得られる混合機に投入し、メタロセ
ン系ポリオレフィンの軟化点以上の温度に加熱しながら
撹拌する事によって顔料を分散剤等やメタロセン系ポリ
オレフィン樹脂と充分に混合しておき、更に90℃付近
まで加熱することで顔料を取り巻く水分とメタロセン系
ポリオレフィン樹脂の相転換をせしめ、更に水の沸点温
度以上に加熱する事で水分を除去する事が好ましい。そ
れにより、一層良好な顔料分散体を得ることができる。
【0036】本発明の着色樹脂組成物の製造方法の顔料
の水性湿潤ケーキとメタロセン系ポリオレフィン樹脂と
の混練はバッチ式または連続式のいずれの混練方式をも
採用する事ができるが、生成される着色樹脂組成物の品
質の均一性を確保し、かつ作業効率を向上させる観点か
ら連続式混練機を用いることが好ましい。具体的には、
加圧あるいは常圧式ニーダーやアトライター、サンドミ
ル、単軸あるいは多軸回転スクリュー押出機等を用いて
製造することができる。各装置の設計や運転条件は、特
に限定されることはないが、バッチ式の場合、あらかじ
め全ての材料を投入前にメタロセン系ポリオレフィン樹
脂が溶融する温度まで装置を加温しておき、そこへメタ
ロセン系ポリオレフィン樹脂と分散剤等を投入し十分熱
で軟化溶融状態になった時点であらかじめ作成しておい
た顔料水性湿潤ケーキを投入して混練し、順次設定温度
まで加温及び水分除去する事によって本発明の着色樹脂
組成物を製造することができる。また、連続式の場合に
は材料の投入部位はメタロセン系ポリオレフィン樹脂が
溶融軟化する程度の温度に設定し、混練の進行と共に加
工温度が上昇するように設定するのが好ましい。
【0037】所定のフラッシングを実施後の水分の除去
は、常圧あるいは減圧下で緩やかな撹拌下で加熱によっ
て除去せしめることが好ましい。 水分を除去した本発
明の着色樹脂組成物は、そのままのペースト、あるいは
ペレット状ないしはシート状に成形した成形物いずれの
方法でも利用することができるが、特に限定されるもの
ではない。
【0038】本発明の着色樹脂組成物の水分除去前の水
性ペーストあるいは水分除去後の生成物を押出機、ロー
ルミル等に仕込んで加熱混合を行い、次いで残留してい
る水分を常圧あるいは減圧下で除去せしめて押し出すこ
とにより、ペレット状の着色樹脂組成物を製造すること
もできる。ここでの加熱混合は、メタロセン系ポリオレ
フィンと分散剤とが溶融する温度以上で行うことが必要
であり、顔料の分散性を一層高めるためには、水の沸点
付近の温度で行うことが好ましい。また、脱水の効率化
を図るため、押出機には真空ポンプを連結し、必要に応
じて加熱減圧脱水処理を行うことが好ましい。
【0039】次に、本発明により得られる着色用顔料組
成物は、合成繊維、プラスチックフィルムの着色をはじ
め、プラスチック成形物等の着色樹脂成形物、複写機用
トナー記録液、インクジェットプリンター用インキ等の
情報記録用顔料樹脂組成物、グラビアインキ組成物及び
塗料組成物等として広範に用いられ、極めて有用な着色
剤として使用できる。
【0040】本発明の着色樹脂組成物はポリオレフィン
系樹脂以外にポリメチルペンテン、AS(スチレン−ア
クリロニトリル)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル
−EPDM−スチレン)樹脂、メタクリル樹脂、アクリ
ルポリアミド、EVOH(エチレンビニールアルコー
ル)樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル樹脂、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポ
リアリルサルホン、フッ素樹脂、液晶ポリマー、及びポ
リスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系の熱
可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂に配合することが
可能で優れた機械強度や耐熱性、混色安定性の合成繊
維、プラスチックフィルム、プラスチック成形物等の着
色樹脂成形物を得ることが出来る。
【0041】成形方法としては、特に限定されるもので
はないが、押出成形、射出成形が好ましい。マスターバ
ッチと成形時に混合される被着色樹脂としては、着色樹
脂組成物に用いられている熱可塑性樹脂と相溶性の良い
樹脂(ポリオレフィン系樹脂等)が好まし<、任意に選
択することができる。また、物性の向上を目的として無
機フィラーやガラス繊維等の強化剤を含む被着色樹脂に
対して本発明の着色樹脂組成物を混合することもでき
る。
【0042】本発朋の着色樹脂組成物を押出成形、特に
フィルム等の薄肉ものの押出成形に供する場合には、顔
料分散性に優れ、筋引き等のない表面状態の優れたフィ
ルムを効率良く得ることができる。また、本発明の着色
樹脂組成物を射出成形に供する場合には、顔料分散性に
優れるとともに、色むらやフローマークのない成形品を
得ることができる。
【0043】さらに、本発明の着色樹脂組成物をそのま
ま、あるいは適当な樹脂、ワックス、溶剤、例えばポリ
オレフィン系樹脂以外にポリメチルペンテン、AS(ス
チレン−アクリロニトリル)樹脂、ABS(アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、AES(アクリ
ロニトリル−EPDM−スチレン)樹脂、メタクリル樹
脂、アクリルポリアミド、EVOH(エチレンビニール
アルコール)樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル樹
脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンオ
キサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレー
ト、ポリアリルサルホン、フッ素樹脂、液晶ポリマー、
及びポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン
系の熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂やワックス
類と電荷調整剤、耐摩擦剤等を添加して混練し、粉砕分
級することで優れた着色特性と画像形成性、耐候性、耐
熱性の黄色複写機用トナー記録液を得ることが出来る。
【0044】さらに、本発明の着色樹脂組成物は、天然
あるいは合成ワックス、高級アルコール系界面活性剤、
有機溶剤等と少量の熱可塑性樹脂等と溶融混練すること
で優れた着色特性と耐候性、耐熱性の黄色インクジェッ
トプリンター用インキを得ることが出来る。
【0045】さらに、本発明の着色樹脂組成物は、高級
アルコール系界面活性剤、有機溶剤等とビヒクル用樹脂
等と溶融混練することで優れた着色特性と混色安定性、
耐候性、耐熱性の黄色グラビアインキ組成物あるいは塗
料組成物を得ることが出来る。等と混合することによ
り、顔料の分散安定性が高く着色性の良好な塗料組成物
とすることができる。
【0046】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発
明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以
下、「重量部」は単に「部」、「重量%」は単に「%」と
記載する。
【0047】1.着色樹脂組成物の製造 <実施例1>3リットルのステンレス製ニーダーを80
℃に加熱しているところに、式(1)で表される分散剤
において融点;91℃、n=30,m=10なる組成物
を25%含有した水分散体を96部と、メタロセン系ポ
リエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融点:58℃、M
FR:50,密度;0.880g/cm3)276部を
添加し溶融するまで混練した。メタロセン系ポリエチレ
ン樹脂が溶融したところへフタロシアニンブルー顔料
「リオノールブルーFG−7330」(東洋インキ製造
社製)の300部を固形分含有量48.5%の水性プレ
スケーキの形態で添加し、加熱温度を95℃迄上げなが
ら40rpmで30分間加熱混練した。この時点で顔料
が樹脂系側に移行・フラッシングし水分が分離して出て
くる。その後ニーダーの混練室を密閉して真空ポンプで
減圧にして加熱温度を110℃にまで混練しながら上げ
ていくと分離した水分が系外に留去した。水を留去した
後、温度を80℃迄冷却して内容物を取り出し、そのま
ま80℃に加熱した2本ロールでシート状にし、さらに
カットしてペレット状の着色樹脂組成物を得た。(発明
組成物1)
【0048】<実施例2>実施例1において使用した式
(1)の分散剤(融点;91℃、n=30,m=10な
る組成物を25%含有した水分散体)を、式(1)で融
点;105℃、n=15,m=5なる組成物を25%含
有した水分散体で96部に変えて使用した以外は同様に
操作し、ペレット状の着色樹脂組成物を得た。(発明組成
物2)
【0049】<実施例3>実施例1において使用したメ
タロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融
点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/cm
3)の使用量を276部から444部に変えた以外は同
様に操作し、ペレット状の着色樹脂組成物を得た。(発明
組成物3)
【0050】<実施例4>実施例1において使用したメ
タロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融
点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/cm
3)の使用量を276部から194部に変えた以外は同
様に操作し、ペレット状の着色樹脂組成物を得た。(発明
組成物4)
【0051】<実施例5>実施例1において使用したメ
タロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融
点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/cm
3)の使用量を276部から155.5部に変えた以外
は同様に操作し、ペレット状の着色樹脂組成物を得た。
(発明組成物5)
【0052】<実施例6>実施例1において使用したフ
タロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−73
30」(東洋インキ製造社製)の300部の水性プレス
ケーキの固形分含有量48.5%を33%に変えた以外
は同様に操作し、ペレット状の着色樹脂組成物を得た。
(発明組成物6)
【0053】<実施例7>実施例1において使用したフ
タロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−73
30」(東洋インキ製造社製)の300部の水性プレス
ケーキの固形分含有量48.5%を18%に変えた以外
は同様に操作し、ペレット状の着色樹脂組成物を得た。
(発明組成物7)
【0054】<実施例8>実施例1において使用したメ
タロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融
点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/cm
3)を日本エボリュー社製メタロセン系ポリエチレン樹
脂(融点;105℃,MFR;4,密度;0.915g
/cm3)に変えた以外は同様に操作し、ペレット状の着
色樹脂組成物を得た。(発明組成物8)
【0055】<実施例9>実施例1において使用したメ
タロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融
点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/cm
3)を実施例8で使用したメタロセン系ポリエチレン樹
脂の熱分解物(日本エボリュー社製,融点;106℃,
MFR;135,密度;0.896g/cm3)に変え
た以外は同様に操作し、ペレット状の着色樹脂組成物を
得た。(発明組成物9)
【0056】<実施例10>実施例1において使用した
メタロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融
点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/cm
3)をダウ・ケミカル社製メタロセン系ポリエチレン樹
脂(融点;60℃,MFR;2,密度;0.880g/
cm3)に変えた以外は同様に操作し、ペレット状の着色
樹脂組成物を得た。 (発明組成物10)
【0057】<実施例11>実施例1において使用した
メタロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融
点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/cm
3)を三井化学社製メタロセン系ポリエチレン樹脂(融
点;48℃,MFR;6,密度;0.890g/c
3)に変えた以外は同様に操作し、ペレット状の着色樹
脂組成物を得た。 (発明組成物11)
【0058】<比較例1>実施例1において使用した式
(1)の分散剤を使用しない以外は同様に操作し、ペレ
ット状の着色樹脂組成物を得た。 (比較組成物1)
【0059】<比較例2>実施例1において使用したメ
タロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融
点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/cm
3)276部に変えて、東ソー社製直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂(融点;126℃,MFR;8.5,密度;
0.915g/cm3)276部を使用した以外は同様
に操作し、ペレット状の着色樹脂組成物を得た。(比較組
成物2)
【0060】<比較例3>実施例1において使用したメ
タロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融
点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/cm
3)276部に変えて、三井化学社製低密度ポリエチレ
ン樹脂(融点;107℃,MFR;7,密度;0.91
7g/cm3)276部を使用した以外は同様に操作し、
ペレット状の着色樹脂組成物を得た。(比較組成物3)
【0061】<比較例4>実施例1において使用したメ
タロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融
点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/cm
3)276部に変えて、三井化学社製プロピレン/α−オ
レフィン共重合体の熱分解樹脂(融点;115℃,MF
R;160,密度;0.888g/cm3)276部を
使用した以外は同様に操作し、ペレット状の着色樹脂組
成物を得た。(比較組成物4)
【0062】<実施例12>実施例1において使用した
フタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−7
330」(東洋インキ製造社製)の300部の固形分含
有量48.5%水性プレスケーキを、キナクリドンレッ
ド顔料「リオノーゲンレッド5700」(東洋インキ製造
社製)の300部を固形分含有量30.5%の水性プレ
スケーキの形態で使用した以外は同様に操作し、ペレッ
ト状の着色樹脂組成物を得た。(発明組成物12)
【0063】<実施例13>実施例1において使用した
フタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−7
330」(東洋インキ製造社製)の300部の固形分含
有量48.5%水性プレスケーキを、キナクリドンマゼ
ンタ顔料「リオノーゲンマゼンタ5793」(東洋インキ
製造社製)の300部を固形分含有量37.5%の水性
プレスケーキの形態でで使用した以外は同様に操作し、
ペレット状の着色樹脂組成物を得た。(発明組成物1
3)
【0064】<実施例14>実施例1において使用した
フタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−7
330」(東洋インキ製造社製)の300部の固形分含
有量48.5%水性プレスケーキを、フタロシアニング
リーン顔料「リオノールグリーン8120」(東洋インキ
製造社製)の300部を固形分含有量48.8%の水性
プレスケーキの形態で使用した以外は同様に操作し、ペ
レット状の着色樹脂組成物を得た。(発明組成物14)
【0065】<実施例15>実施例1において使用した
フタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−7
330」(東洋インキ製造社製)の300部の固形分含
有量48.5%水性プレスケーキを、イソインドリノン
イエロー顔料「イルガジンイエロー3RLT−N」(チバ
・スペシャリティー・ケミカルズ社製)の300部を固
形分含有量24.2%の水性プレスケーキの形態で使用
した以外は同様に操作し、ペレット状の着色樹脂組成物
を得た。(発明組成物15)
【0066】<実施例16>実施例1において使用した
フタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−7
330」(東洋インキ製造社製)の300部の固形分含
有量48.5%水性プレスケーキを、チタンホワイト顔
料「タイペークCR−90」(石原産業社製)の360部
を固形分含有量75.0%の水性プレスケーキの形態で
使用した以外は同様に操作し、ペレット状の着色樹脂組
成物を得た。(発明組成物16)
【0067】<実施例17>実施例1において使用した
フタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−7
330」(東洋インキ製造社製)の300部の固形分含
有量48.5%水性プレスケーキを、カーボンブラック
顔料「MA−10」(三菱化学社製)の300部を固形分
含有量31.5%の水性プレスケーキの形態で使用した
以外は同様に操作し、ペレット状の着色樹脂組成物を得
た。(発明組成物17)
【0068】<実施例18>スクリュー径50mm、L
/D値32、回転数300rpmで、スクリューバレル
のデザインが材料の供給部分、相転換部分、脱水部分、
減圧式脱水部分、混練部分、押出部分の順に組み上げ、
各スクリューバレル部分の温度を順に40℃、80℃、
90℃、95℃、105℃、120℃に設定し、減圧脱
水部分の減圧度を100mmHgに設定してある2軸同
方向回転スクリュー押出機に、フタロシアニンブルー顔
料「リオノールブルーFG−7330」(東洋インキ製
造社製)の固形分含有量48.5%の水性プレスケーキ
と、メタロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社
製、融点:58℃、MFR:50,密度;0.880g
/cm3)と、式(1)で表される分散剤において融
点;91℃、n=30,m=10なる組成物を25%含
有した水分散体とを用い、その供給速度を重量比で乾燥
顔料:メタロセン系ポリエチレン樹脂:分散剤固形分=
9.0kg:8.3kg:0.7kgの割合で定量供給
し、押出機をワンパスで練肉・押出した後、ペレタイザ
ーでカットし、マスターバッチを得た。この際ストラン
ド切れや脈流を生じること無く順調にマスターバッチを
得ることが出来た。(発明組成物18)
【0069】<実施例19>実施例18において使用し
た式(1)の分散剤(融点;91℃、n=30,m=1
0なる組成物を25%含有した水分散体)を、式(1)
で融点;105℃、n=15,m=5なる組成物を25
%含有した水分散体に変えて使用した以外は同様に操作
し、ストランド切れや脈動を生じることなく順調にペレ
ット状の着色樹脂組成物を得た。(発明組成物19)
【0070】<実施例20>実施例18において使用し
たメタロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、
融点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/c
3)の供給量を8.3kgから13.3kgに変えた
以外は同様に操作し、ストランド切れや脈動を生じるこ
となく順調にペレット状の着色樹脂組成物を得た。(発
明組成物20)
【0071】<実施例21>実施例18において使用し
たメタロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、
融点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/c
3)の供給量を8.3kgから5.8kgに変えた以
外は同様に操作し、ストランド切れや脈動を生じること
なく順調にペレット状の着色樹脂組成物を得た。(発明
組成物21)
【0072】<実施例22>実施例18において使用し
たフタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−
7330」(東洋インキ製造社製)の水性プレスケーキ
の固形分含有量を48.5%から30.5%に変えた以
外は同様に操作し、ストランド切れや脈動を生じること
なく順調にペレット状の着色樹脂組成物を得た。(発明
組成物22)
【0073】<比較例5>実施例18において使用した
式(1)の分散剤(融点;91℃、n=30,m=10
なる組成物を25%含有した水分散体)を使用しない以
外は同様に操作し、ストランド切れや脈動を生じること
なく順調にペレット状の着色樹脂組成物を得た。(比較
組成物5)
【0074】<比較例6>実施例18において使用した
メタロセン系ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、融
点:58℃、MFR:50,密度;0.880g/cm
3)を使用する代わりに、東ソー社製直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂(融点;126℃,MFR;8.5,密度;
0.915g/cm3)を使用した以外は同様に操作し、
ストランド切れや脈動を生じることなく順調にペレット
状の着色樹脂組成物を得た。(比較組成物6)
【0075】<実施例23>実施例18において使用し
たフタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−
7330」(東洋インキ製造社製)の固形分含有量4
8.5%の水性プレスケーキを使用する代わりに、キナ
クリドンレッド顔料「リオノーゲンレッド5700」(東
洋インキ製造社製)の固形分含有量30.5%の水性プ
レスケーキの形態で使用した以外は同様に操作し、スト
ランド切れや脈動を生じることなく順調にペレット状の
着色樹脂組成物を得た。(発明組成物23)
【0076】<実施例24>実施例18において使用し
たフタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−
7330」(東洋インキ製造社製)の固形分含有量4
8.5%の水性プレスケーキを使用する代わりに、チタ
ンホワイト顔料「タイペークCR−90」(石原産業社
製)の固形分含有量75.0%の水性プレスケーキの形
態で使用した以外は同様に操作し、ストランド切れや脈
動を生じることなく順調にペレット状の着色樹脂組成物
を得た。(発明組成物24)
【0077】[従来型マスターバッチの作成] <比較例7>フタロシアニンブルー顔料「リオノールブ
ルーFG−7330」(東洋インキ製造社製)300部
とポリエチレンワックス「NL500」(三井化学社製)
300部からなる2成分を、3本ロールで混練し、得られ
たミルベース500部に低密度ポリエチレン樹脂「ミラ
ソン11P」(三井化学社製)1250部を配合して、ス
クリュー径30mmの押出成形機でペレット化して、従
来型マスターバッチを得た。(比較組成物7)
【0078】<比較例8>比較例7において使用したフ
タロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−73
30」(東洋インキ製造社製)300部を、キナクリド
ンレッド顔料「リオノーゲンレッド5700」(東洋イン
キ製造社製)300部を使用する以外は同様に操作し、
従来型マスターバッチを得た。(比較組成物8)
【0079】<比較例9>比較例7において使用したフ
タロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−73
30」(東洋インキ製造社製)300部を、キナクリド
ンマゼンタ顔料「リオノーゲンマゼンタ5793」(東洋
インキ製造社製)300部を使用する以外は同様に操作
し、従来型マスターバッチを得た。(比較組成物9)
【0080】<比較例10>比較例7において使用した
フタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−7
330」(東洋インキ製造社製)300部を、フタロシ
アニングリーン顔料「リオノールグリーン8120」(東
洋インキ製造社製)300部を使用する以外は同様に操
作し、従来型マスターバッチを得た。(比較組成物10)
【0081】<比較例11>比較例7において使用した
フタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−7
330」(東洋インキ製造社製)300部を、イソイン
ドリノンイエロー顔料「イルガジンイエロー3RLT−
N」(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)の30
0部を使用する以外は同様に操作し、従来型マスターバ
ッチを得た。(比較組成物11)
【0082】<比較例12>比較例7において使用した
フタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−7
330」(東洋インキ製造社製)300部を、チタンホ
ワイト顔料「タイペークCR−90」(石原産業社製)3
60部を使用する以外は同様に操作し、従来型マスター
バッチを得た。(比較組成物12)
【0083】<比較例13>比較例7において使用した
フタロシアニンブルー顔料「リオノールブルーFG−7
330」(東洋インキ製造社製)300部を、カーボン
ブラック顔料「MA−10」(三菱化学社製)300部を
使用する以外は同様に操作し、従来型マスターバッチを
得た。(比較組成物13)
【0084】2.着色樹脂組成物の評価試験 上記の実施例1〜24および比較例1〜13の着色樹脂
組成物について、以下に示す評価試験を行い、結果を表
1に示した。評価方法および評価基準を以下に示す。 [フィルム成形品の評価]得られた着色樹脂組成物と被着
色樹脂であるポリプロピレン「F327BV」(グラン
ドポリブロ社製)とを、顔料濃度が1.5%になるよう
に混合し、Tダイフィルム成形機(東洋精機社製)を用
いて、成形温度250℃、スクリュー回転数50rpm
で溶融押出し、膜厚30μmのフィルムを得た。得られ
たフィルムについて以下の評価を行った。
【0085】(1)フィルム空隙観察および強度評価 フィルム断面を電子顕微鏡(×3000)にて観察し
た。観察される空隙の数を、5視野の平均値として示し
た。フィルムの引張強度は、JIS K7113に準じ
て測定し、その保持率を求めた。
【0086】(2)フィルム表面状態の評価(膜割れ、
ブツおよび平滑性の有無等を目視による評価) ◎:非常に良好 ○:実用上は問題なし △:膜割れ、ブツおよび平滑性のいずれかに問題あり ×:悪い −:評価せず
【0087】[顔料分散性の評価]得られた着色樹脂組
成物中の顔料分散状態について、以下の評価試験を行っ
た。
【0088】(3)押出機先端部の圧力上昇値 着色樹脂組成物中に未分散顔料が多数存在すると、押し
出しに伴い押出機先端部に取り付けたメッシュに目詰ま
りが生じる。そこで、先端に10ミクロンカットの金網
を装着したスクリュー径が20mmの単軸押出機に得ら
れた着色樹脂組成物をそれぞれ顔料分として300g分
を押し出した。押出し初期にかかる圧力と、顔料300
g分押出した後のメッシュにかかる圧力との差(kg/
cm2)を求めた。本数値は生産現場での連続操業性に関
わり、通常20kg/cm2 以下が好ましい。
【0089】(4)粗大粒子数 上記(1)(2)で作成したTダイフィルム成形物を用
い、各フィルム中の1μm以上50μm以下の顔料の粒
子数を、画像処理機 「Luzex450」(東洋イン
キ製造社製)で測定し、以下のスコアを与えた。 5:1.0×102個/cm2以下 4:1.0×102〜7.0×102個/cm2以下 3:7.0×102〜2.7×103個/cm2以下 2:2.7×103〜7.0×103個/cm2以下 1:7.0×103個/cm2以上 上記スコアで、ランク5ないし4であれば実用上問題な
く使用可能である。
【0090】(5)熱プレスシートの相対的発色強度 ポリプロピレン「J106」(グランドポリマー社製)
100部、得られた着色樹脂組成物1.0部と酸化チタ
ン「タイペークCR−60」(石原産業社製)5部を混
合し、各混合物を2本ロールミルで混練した後、混練物
を熱プレスして2mm厚のプレートを得た。得られた各
プレートについて、分光測色機「CM−2002」(ミ
ノルタ社製)を用いて、430nm、540nm、62
0nm、640nmの各波長における反射強度を測定
し、その反射強度から各プレートのkube1ka−M
unk関数(k/s)(発色強度)を求めた。ただし、
実施例16、24、比較例12の酸化チタンの着色樹脂
組成物および、実施例17、比較例13のカーボンブラ
ックの着色樹脂組成物は、プレートの明度(△L)を測
定した。
【0091】(6)紡糸性評価 各着色樹脂組成物の顔料分として1.5部と、ポリプロ
ピレン樹脂「S106L」(グランドポリマー社製)10
0部とを混合して、縦型テスト紡糸機「スピニングテスタ
ー」(富士フィルター社製)にてホッパー下温度180
℃、混練部/ダイス部温度230℃で紡糸後、3倍延伸を
行い、ポリプロピレン系繊維を得た。それぞれの繊維の紡
糸性を、以下に従い評価した。 ○:紡糸性、延伸性共に実用上問題なし △:紡糸性、延伸性のいずれかに問題あり ×:糸切れ発生 −:評価せず
【0092】[射出成形品による評価]得られた着色樹脂
組成物の射出成形性を以下のように評価した。
【0093】(7)機械的物性の保持率 着色樹脂組成物の顔料分として1.5部とポリプロピレ
ン「J106」(グランドポリマー社製)100部とを混
合し、射出成形機にて背圧1.0kg/cm2で射出成形
する事で試験プレートを得た。得られた各プレートにつ
いて、引張り強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度の3
項目を試験した。評価は、被着色樹脂のみから成形した試
験プレートの値を100%として各プレートごとの各試
験項目の機械物性の保持率を求め、以下の基準で評価し
た。 ○:全て96%以上 △:1試験でも90%以上96%未満があった ×:1試験でも90%以下があった
【0094】(8)分配性 上記(7)で作成したプレートの色ムラについて、目視
で以下のように評価した。 ○:色ムラ無し △:色ムラ少々あり ×:色ムラ顕著 −:評価せず
【0095】《評価結果》
【0096】
【表1】
【0097】[塗料組成物としての評価] (9)塗料の着色力実施例1〜11及び比較例1〜4で
得られた着色樹脂組成物の顔料分換算で10部相当に対
して下記配合比の塗料用ビヒクル90部及び2mmφジ
ルコニアビーズ300部を225mlガラス製ポットに
投入し、ペイントコンディショナーで1時間分散して塗
料組成物を作成した。作成した塗料組成物と二酸化チタ
ンを使用した白塗料と顔料比で顔料:白=1:5になる
よう混合し、濡れ膜厚100μmでアート紙に展色した
展色物を作成し、比較例1のサンプルを100%として
各サンプルの着色力を測定した。 (塗料用ビヒクルの組成) アルキド樹脂ワニス (不揮発分60%) 52部 メラミン樹脂ワニス (不揮発分50%) 23部 キシレン 15部
【0098】(10)塗料光沢 (9)で作成した濃色塗料を濡れ膜厚100μmでアー
ト紙に展色した展色物の光沢(60度グロス)を測定し
た。
【0099】[グラビアインキ組成物としての評価] (11)グラビアインキ着色力 実施例1〜11及び比較例1〜4で得られた着色樹脂組
成物の顔料分換算で10部相当に対して下記配合比のグ
ラビアインキ用ビヒクル90部及び2mmφジルコニア
ビーズ300部を225mlガラス製ポットに投入し、
ペイントコンディショナーで1時間分散してグラビアイ
ンキ組成物を作成した。作成したグラビアインキ組成物
と二酸化チタンを使用した白インキと顔料比で顔料:白
=1:10になるよう混合し、濡れ膜厚21μmでフィ
ルムに展色した展色物を作成し、比較例1のサンプルを
100%として各サンプルの着色力を測定した。 (グラビアインキ用ビヒクルの組成) ロジンカルシウム/ロジン亜鉛樹脂ワニス (不揮発分70%) 80部 トルエン 10部
【0100】(12)グラビアインキ光沢 (11)で作成した濃色インキを濡れ膜厚21μmでフ
ィルムに展色した展色物の光沢(60度グロス)を測定
した。以上の塗料及びグラビアインキの評価結果を以下
の表2に示す。
【表2】
【0101】[インクジェットプリンター用インキ組成
物としての評価] (13)インキの高温安定性 実施例1,8〜11及び比較例1〜4で得られた着色樹
脂組成物10部に対し、と高級アルコール系ワックス7
0部とパラフィン系ワックス10部を溶融混練して作成
したインキ組成物を130℃で3日間放置し、その安定
性を以下のように評価した。 分離無し : ○ 僅かに分離: △ 完全に分離: ×
【0102】[複写機用トナー記録液としての評価] (14)トナー定着性 実施例1,8〜11及び比較例1〜4で得られた着色樹
脂組成物10部と非線状ポリエステル樹脂90部をヘン
シェルミキサーで混合した後、エクストルーダーで溶融
混練し、粉砕、分級してブルートナー粒子を得た。得ら
れたブルートナー粒子の体積平均粒径をコールターカウ
ンター(TA−II)で求めたところ8.5μmであっ
た。上記ブルートナー粒子に対して疎水化処理したアナ
ターゼ型酸化チタン微粒子を0.6%添加し、ブルート
ナーとした。得られた各ブルートナー4部と、平均粒径
50μmのフェライト粒子をシリコーンコートしたキャ
リア96部を混合して現像剤とし、市販のデジタルカラ
ー複写機(150℃で加熱定着)を用い、各ブルートナ
ー0.8mg/cm2 をデジタルカラー複写機で紙上に
連続して1000枚複写する際の画像定着性を評価し
た。評価方法は以下の通りである。 ◎: 殆どかすれ無し。 ○: 1000枚中10枚以下でかすれ有り。 △: 1000枚中10枚以上20枚かすれ有り。 ×: 1000枚中20枚以上かすれ有り。 以上の情報記録用顔料樹脂組成物の評価結果を以下の表
3に示す。
【表3】
【0103】
【発明の効果】本発明にかかる着色樹脂組成物は、顔料
の分散性に優れているため、紡糸やフィルムを成形する
事にも適しており、これを用いて機械物性ならびに発色
性の優れた成形品の提供が可能となった。さらに、本発
明の着色樹脂組成物を用いる事によって、顔料の分散性
と安定性の良い塗料を提供することが可能となった。さ
らに、本発明の着色樹脂組成物を用いることによって、
顔料の発色性と熱安定性の高い情報記録用顔料樹脂組成
物を提供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA12 AB09 AC04 AC13 AC15 AC45 AC65 AC66 AC84 AE04 AE14 FA03 FB05 FB06 FC06 4J002 BB031 BB121 DE096 DE116 DE136 EQ016 EU026 EU116 EU236 FD096 GT00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形分含有量が25〜65重量%である
    顔料の水性湿潤ケーキと分散剤とメタロセン系ポリオレ
    フィン樹脂とを、該メタロセン系ポリオレフィン樹脂の
    溶融温度以上の温度下で混合して上記顔料をフラッシン
    グせしめ、次いで上記水性湿潤ケーキから分離した水を
    除去することを特徴とする着色樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 分散剤が下記一般式(1)で表される化
    合物である請求項1記載の着色樹脂組成物の製造方法。 一般式(1) CnH2n+1(OCH2CH2)mOH (式中、 nは1〜100の整数であり、 mは1〜10
    0の整数である。 )
  3. 【請求項3】 混合機がバッチ式のニーダー、アトライ
    ターまたは連続式の単軸あるいは多軸回転スクリュー押
    出機である請求項1または2記載の着色樹脂組成物の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 メタロセン系ポリオレフィン樹脂が、
    メタロセン系ポリエチレン樹脂である請求項1ないし3
    記載の着色樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか記載の製造方
    法により得られる着色樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の着色樹脂組成物を用いて
    なることを特徴とする着色樹脂成形品。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の着色樹脂組成物を用いて
    なることを特徴とする塗料組成物。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の着色樹脂組成物を用いて
    なることを特徴とする情報記録用顔料樹脂組成物。 【0000】
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010095723A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Rhein Chemie Rheinau Gmbh 品質分析のためのカラムプレス
JP2014098164A (ja) * 2008-10-30 2014-05-29 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 顔料・樹脂組成物の製造方法、着色剤および着色方法

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JP2010095723A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Rhein Chemie Rheinau Gmbh 品質分析のためのカラムプレス
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