JP4406136B2 - エレベータドア装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータのかごが乗場に着床したとき、かご側ドアと乗場側ドアとの開作動をするようにしたエレベータドア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベーターのかごが乗場に着床したとき、かご側ドアと乗場側ドアとの開閉動は、かご側ドアに設けられたカーカムが乗場側ドアに設けられた係合ローラと係合し、かごに設けられたドアオペレーターによってかご側ドアが開くと前記カーカムと係合ローラを介して乗場側ドアが開くようになっている。
【0003】
図11に示すように、かご側ドア1の上端側にはドアハンガー2が設けられており、このドアハンガー2はローラ3を介してドアレール(図示せず)に摺動自在に支持されている。ドアハンガー2にはピン5を有する支持部材6が設けられており、このピン5には断面略L字型をし、上下方向に伸設された略T字形状の先端部4aを有するカーカム4が揺動自在に支持されている。
【0004】
このカーカム4は、図12に示すように、ドアハンガー2に形成された切欠部2a内に位置し、この切欠部2aを通してカーカム4は揺動可能となっている。カーカム4には、ピン5に取り付けられたスプリング7の付勢力が作用しており、この付勢力によってカーカム4は図12中反時計方向に回転しようとする。カーカム4の先端部4aはドアハンガー2に設けられた一対のストッパ部8,9の間に位置し、ストッパ部8はカーカム4の時計方向の回転を所定位置で阻止し、ストッパ部9は反時計方向の回転を所定位置で阻止するようにしている。
【0005】
また、カーカム4の裏面側(図12中上面側)には、断面略コの字型をしたローラ係合部10が一体結合され、このローラ係合部10には押圧ローラ11が当接している。押圧ローラ11は支持部材12に設けられており、支持部材12とともに矢示イ方向へ移動すると、ローラ係合部10を押してカーカム4をスプリング7の付勢力に抗してピン5を中心として矢示ロ方向へ回転させ、この先端部4aをストッパ部8,9の間から突出させる。そうすると、カーカム4の先端部4aは、図13に示すように、乗場側ドア13に設けられた被係合部材としての一対の係合ローラ14a,14bの間に入って係合する。
【0006】
なお、押圧ローラ11を支持する支持部材12はドア開駆動用のエンドレスベルト15に止着されており、図11に示すようにこのエンドレスベルト15はドア1の上方に配設された従動プーリ16と駆動プーリ17に掛けられており、駆動プーリ17はモータ18によって回転させられる。また、支持部材12はドア1の開閉方向に配設されたガイドレール19に摺動自在に係合している。
【0007】
一方、係合ローラ14a,14bは乗り場側ドア13の開閉装置に設けられた部材で、図14に示すように、開閉装置に移動可能に支持されるベースブラケット30に、係合ローラ14aを軸支したドアロック解除レバー31が軸32で回動可能に支持されており、また、ベースブラケット30には軸33で回動可能に支持されたディスク34の軸35に係合ローラ14bが回転可能に支持され、ディスク34はベースブラケット30との間に弾装したコイルスプリング36で回転付勢されている。また、ディスク34にはカム解放ローラ37が軸29にて回転自在に支持されている。なお、ドアロック解除レバー31には一端部側に係合凹部38が形成され、その係合凹部38には開閉装置側の固定部に設けたキー39が係脱できて乗り場側ドア13,13のロック及びロック解除ができるようになっている。
【0008】
そこで、モータ18の駆動によってエンドレスベルト15を矢示イ方向へ回動させると、押圧ローラ11はまずローラ係合部10を押し、このローラ係合部10とともにカーカム4は矢示ロ方向に回動し、ストッパ部8によって回転は阻止される。
【0009】
そうすると、図13に示すようにカーカム4の先端部4aは乗場側ドア13に設けられた一対の係合ローラ14a,14bの間に位置する。カーカム4が係合ローラ14a,14b間に移動すると、図15に示すように、係合ローラ14aとの間には前記クリアランスcが形成されているが、係合ローラ14bは離れている。カーカム4が係合ローラ14aに当接し、係合ローラ14aを矢印方向に押すことによってドアロック解除レバー31が軸32を中心に回動してその係合凹部38がキー39から外れて乗り場側ドア13,13のロックを解除する。カーカム4がさらに移動することにより係合ローラ14aが押され、ベースプレート30が移動し、開閉装置に設けられていた突起部に当接してカム解放ローラ37が蹴られていたディスク34がコイルスプリング36の力によって軸33を中心に回転し、これによって図16に示すように、係合ローラ14bはカーカム4に当接し、カーカム4は係合ローラ14aと係合ローラ14bとの間に挟まれる。
【0010】
次に押圧ローラ11はローラ係合部10の端部に当接して停止し、図示左側の開閉センターから図示右側方向へかご側ドア1を開作動させるとともに、カーカム4および係合ローラ14aを介して乗場側ドア13も開作動させるというものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のエレベーターにあっては、図12に示すように、エンドレスベルト15が矢示イ方向へ移動することにより、カーカム4がピン5を中心として矢示ロ方向へ回動して、図13に示すように、その先端部4aが係合ローラ14a,14b間に進入し、係合ローラ14bが係合ローラ14aに近接移動してカーカム4を挟持し、エンドレスベルト15の移動とともにカーカム4が移動することにより係合ローラ14aが移動することによりかご側ドア1と乗場側ドア13とが開くのであるが、この場合、先端部4aが係合ローラ14aに当接する掛かり代は僅かな寸法である。
【0012】
したがって、かごの揺動(例えば乗員が踊ったり暴れたりするなどしてかごが大きく揺れた場合)があると、カーカムが係合ローラ14a,14bから外れる可能性が高く、したがってその場合、かご側ドア1が開き始めているのに、自動閉鎖装置が付いた乗り場側ドア13が突然閉じてしまう。
【0013】
この発明は、上記事情に鑑みて、カーカムと係合ローラの係合構造を改良することにより、かごが多少揺動しても両者の係合が簡単に解かれることのないようにしたエレベータドア装置を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明にあっては、請求項1記載のように、乗場側ドアに設けた一対の係合ローラの間に、かご側ドアに設けたカーカムの先端部が進入して係合ローラの一方にほぼ当接するとともに、他方の係合ローラが移動してカーカムを挟持することにより、かご側ドアと乗場側ドアとの開作動を開始するエレベータドア開閉機構において、前記係合ローラの可動側の一方に段部を形成するとともに、前記カーカムにはその段部に係合するフック部を形成したことを特徴とするエレベータドア装置を提供する。
【0015】
そして、請求項2記載のように、前記フック部は前記カーカムに重ねた金属板の端部を斜めに曲げ形成してなり、その端部が前記係合ローラに形成した斜面を備えた段部又は斜面を有しない段部に摺接できる構造であることを特徴とし、また、請求項3記載のように、前記フック部は前記カーカムの端部に結合した樹脂板の端部をほぼ直角に曲げ形成してなり、その樹脂板の端部が前記係合ローラに形成した斜面を備えた段部又は斜面を有しない段部に摺接できる構造であることを特徴とする。
【0016】
したがって、カーカムが係合ローラの間に進入して係合ローラの一方が他方に向けて移動してカーカムを挟持したときは、カーカムのフック部が移動してきた係合ローラの段部に係合してカーカムの抜け止めをする。そのため、かごが多少揺動してもカーカムが係合ローラから外れることなく、かご側ドアと乗り場側ドアとの開作動が円滑に行われる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。なお、説明を解り易くするために、前記従来例で用いた部品と同一又は同等の部品には同一名称及び符号を用いて説明する。本発明では、乗り場側ドアに設けられた係合ローラとかご側ドアに設けられたカーカムを改良するものである。
【0018】
そこで、係合ローラ14a,14bは、図1及び図2に示すように、乗り場側ドア13の開閉装置に移動可能に支持されるベースブラケット30に、係合ローラ14aを軸28で軸支したドアロック解除レバー31が軸32で回動可能に支持されており、また、ベースブラケット30には軸33で回動可能に支持されたディスク34の軸35に係合ローラ14bが回転可能に支持され、ディスク34はベースブラケット30との間に弾装したコイルスプリング36で回転付勢されている。
【0019】
さらに、ディスク34にはカム解放ローラ37が軸29にて回転自在に軸支されている。なお、ドアロック解除レバー31には一端部側に係合凹部38が形成され、その係合凹部38には開閉装置側の固定部に設けたキー39が係脱できて乗り場側ドア13,13のロック及びロック解除ができるようになっている。
【0020】
係合ローラ14bには段部40が形成され、図4に示すように、はその段部40に斜面41が形成されている。段部40及び斜面41は係合ローラ14bに形成したが、これらを係合ローラ14aに形成した場合には、カーカム4が係合ローラ14aから離れるときに支障が生じる可能性があるのを避けるためである。
【0021】
一方、カーカム4の先端部には、図5に示すように、カーカム4自体の肉厚よりも薄い金属板49を張設してスポッと溶接等にて固定し、かつ、その金属板49の先端側を係合ローラ14bに向けて直角又は斜めに折り曲げてフック部50を形成し、このフック部50が斜面41に当接できるようにした。なお、図8に示すように、フック部50は金属板49をほぼ直角に曲げ形成するとともに、段部40には斜面を形成しない構成としてもよい。
【0022】
また、図9に示すように、カーカム4の先端部4aにL形の樹脂板51を接着剤等にて固定し、若しくは、図10に示すように、先端部4aにL形の樹脂板52を嵌合し挟着してネジ53等にて固定し、これらのフック部50が斜面41にに引っ掛かり、かつ、フック部50の下部が係合ローラ14bの側面に当接して係合できるようにする。
【0023】
したがって、図3及び図4に示すように、カーカム4の先端部4aが係合ローラ14aに当接してドアロック解除レバー31を軸32を中心として回動させて係合凹部38がキー39から外れ、また、カーカム4が移動することにより係合ローラ14aが押され、ベースプレート30が移動し、開閉装置に設けられている突起部に蹴られていたカム解放ローラ37が取り付けられているディスク34が軸33を中心としてスプリング36の力によって回動すると係合ローラ14bが回動して先端部4aを係合ローラ14aとともに挟持する。係合ローラ14aに当接したカーカム4の先端部4aに係合ローラ14bが当接すると、図6に示すように、フック部50が斜面41側にオーバーハングする掛かり代を有して段部40側へ延伸し係合するから、かごが揺動してカーカム4が係合ローラ14bから外れる方向へ移動しようとしても、図7に示すように、フック部50が斜面41に当接して抜け止めするので、容易に外れることがない。
【0024】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、係合ローラに係合するカーカムがかごの揺動により容易に外れないようにしたから、かご側ドアが開き始めているのに、自動閉鎖装置が付いた乗り場側ドアが突然閉じてしまう不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエレベータドア装置の要部斜視図。
【図2】同上正面図。
【図3】同上作用正面図。
【図4】同上作用平面図。
【図5】本発明に係るカーカムの先端部を示す斜視図。
【図6】図4の一部拡大図。
【図7】図4の一部作用拡大図。
【図8】カーカムと係合ローラの他の例を示す一部拡大図。
【図9】カーカムの他の例を示す断面側面図。
【図10】カーカムの更に他の例を示す断面側面図。
【図11】かご側ドアに設けた従来のカーカムを示す斜視図。
【図12】従来の係合ローラによるカーカムの作用を示すかご側ドアと乗り場側ドアの平面図。
【図13】従来の係合ローラによるカーカムの作用を示すかご側ドアと乗り場側ドアの平面図。
【図14】従来の係合ローラを示す斜視図。
【図15】同上正面図。
【図16】同上作用正面図。
【符号の説明】
1…かご側ドア
2…ドアハンガー
3…ローラ
4…カーカム
5…ピン
7…スプリング
10…ローラ係合部
11…押圧ローラ
13…乗り場側ドア
14b…係合ローラ
15…エンドレスベルト
18…モータ
22…支持板
30…ベースブラケット
31…ドアロック解除レバー
32,33,35…軸
34…ディスク
36…コイルスプリング
37…解放ローラ
38…係合凹部
39…キー
40…段部
41…斜面
49…金属板
50…フック部

Claims (3)

  1. 乗場側ドアに設けた一対の係合ローラの間に、かご側ドアに設けたカーカムの先端部が進入して係合ローラの一方にほぼ当接するとともに、他方の係合ローラが移動してカーカムを挟持することにより、かご側ドアと乗場側ドアとの開閉作動を開始するエレベータドア開閉機構において、前記係合ローラの可動側の一方に段部を形成するとともに、前記カーカムにはその段部に係合するフック部を形成したことを特徴とするエレベータドア装置。
  2. フック部は前記カーカムに重ねた金属板の端部を斜めに曲げ形成してなり、その端部が前記係合ローラに形成した斜面を備えた段部又は斜面を有しない段部に摺接できる構造であることを特徴とする請求項1記載のエレベータドア装置。
  3. フック部は前記カーカムの端部に結合した樹脂板の端部をほぼ直角に曲げ形成してなり、その樹脂板の端部が前記係合ローラに形成した斜面を備えた段部又は斜面を有しない段部に摺接できる構造であることを特徴とする請求項1記載のエレベータドア装置。
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