JPS6120696Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テープレコーダにおけるカンガルー
ポケツト型ハーフポケツトに収納されるカセツト
のイジエクト機構に関する。

この種の機構は、従来においてはカセツトハー
フを収納するハーフポケツトの開閉を容易にする
ために、録音検知爪やカセツトハーフ押えばね
を、イジエクト釦と連動する別の機構により持ち
上げていたが、このために機構が複雑となつてい
た。またこの別の機構を設けず、録音検知爪やカ
セツトハーフ押えばねを持ち上げない構造にあつ
ては、ハーフポケツトが開きやすいように、その
ハーフポケツトに強い開放力を与えた構造となる
ため、そのポケツトを開放した時、ポケツトが急
速に開くため、不快な雑音を発生したりカセツト
ハーフがポケツトから一部分躍び出したりする欠
点があり、開時の動作がスムーズではないため、
製品の使用イメージが好ましいものではなかつ
た。

本考案は斯る点に鑑みたもので、カセツトハー
フの上部に対して録音検知爪やカセツトハーフ押
えばねの抵抗があつても、弱い戻しばねによつて
ポケツトを開くことができるようにしたカセツト
イジエクト機構を提供せんとするものである。

以下、図を参照して本考案の一実施例を説明す
ると、１はカセツトハーフ２を収納するカンガル
ーポケツト型のハーフポケツトで、軸３を支点に
回動可能であり、且つスプリング４によつて開放
力を与えられている。カセツトハーフ２は、演奏
位置にハーフポケツト１が移動した状態で録音検
知爪、位置保持用の押えばね等のばね部材５によ
つて、ハーフポケツト１内において押え付けられ
ている。

６はシヤーシの案内孔１３にピン６ａによつて
案内されて左右動するアームで、このアーム６の
先端は前記ハーフポケツト１の中間部に枢支され
ている。そして、このアーム６の上下にはそれぞ
れ鋸歯状の突起６ｂ，６ｃがその垂直部が相対す
る方向に形成されている。

７は常時スプリング８によつて上方に引張力を
受けているロツク板で、ピン９，１０によつて上
下方向の移動が案内されている。そして、このロ
ツク板７には、イジエクトアーム１１によつて下
方に押圧される折曲片７ａ、前記アーム６の突起
６ｃが係止するピン７ｂが形成され、また前記軸
９に枢支するレバー１２のピン１２ａが位置する
開口７ｃが形成されている。

レバー１２は軸９を支点に回動可能であり、そ
の先端１２ｂはアーム５の突起６ｂに当接してい
る。

以上において、ハーフポケツト１にカセツトハ
ーフ２を収納し、演奏位置にセツトした状態で
は、カセツトハーフ２はばね部材５に押されて図
の状態にある。すなわち、ロツク板７がスプリン
グ８に引張られて上昇しているため、そのため、
そのピン７ｂが突起６ｃに係止してアーム６の前
進を規制し、これによつてハーフポケツト１の前
方への開放回動が規制されている。

ここで、イジエクト釦（図示せず）を押し込む
と、イジエクトアーム１１がロツク板７の折曲片
７ａを押圧して下方に押し下げるので、ピン７ｂ
がアーム６の突起６ｃからはずれ、レバー１２の
ピン１２ａは開口７ｃの上内端に位置するように
なる。

これにより、アーム６はロツク板７の規制から
解かれるが、ハーフポケツト１はそこに収納され
ているカセツトハーフ２がばね部材５によつて押
圧力を受けているために、スプリング４の力のみ
によつては開放し難い。

そこで、イジエクト釦を更に強く押すと、ロツ
ク板７が更に下降するので、その開口７ｃに位置
するピン１２ａを下方に押して、レバー１２を反
時計方向に回動し、そのレバー１２の先端１２ｂ
によつてアーム６の突起６ｂを右方向に押すよう
になる。

従つて、ハーフポケツト１はアーム６に押され
て開放回動を開始し、カセツトハーフ２はばね部
材５からばずれるようになる。そして、その後
は、スプリング４の力により、ハーフポケツト１
は最終位置までゆつくり開放回動を続ける。

なお、ハーフポケツト１を押し込む時には、ロ
ツク板７は、そのピン７ｂがアーム６の突起６ｃ
の傾斜部によつて一担下り、その後そのピン７ｂ
の突起６ｃへの係止により、アーム６をロツクす
るようになる。

以上から本考案によれば、収納時にカセツトハ
ーフの上部に圧接する録音検知爪を押えばねを、
イジエクト時に別の機構で持ち上げる必要はな
く、またハーフポケツトの開放回動力を大きくす
る必要がないので、その開放回動動作がスムーズ
となり、同時にハーフポケツトを開じる際の力も
少なくて済むようになる。更に、ハーフポケツト
の回動にオイル又は空気で制動を加えた場合には
最初に開く時に初期的な大きな制動が加わるが、
その初速度は操作力によつて大きくすることがで
きるので、スムーズに開かせることが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す構成図である。 １……ハーフポケツト、２……カセツトハー
フ、５……ばね部材、６……アーム、７……ロツ
ク板、１１……イジエクトアーム、１２……レバ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセツトハーフを収納するハーフポケツトと、
   該ハーフポケツトに開放方向の力を付与するスプ
   リングと、演奏位置に移動した前記ハーフポケツ
   ト内のカセツトハーフに前記開放力の抵抗となる
   押え力を付与するばね部材と、前記ハーフポケツ
   トに連動するアームと、前記ハーフポケツトが演
   奏位置に移動した状態で前記アームをロツクして
   ハーフポケツトを演奏位置に保持し、かつイジエ
   クト釦の操作に連動して前記ロツクを解除する方
   向に移動されるロツク板と、該ロツク板のロツク
   解除方向への移動により前記アームのロツクが解
   除された後の前記ロツク板の同方向への更なる移
   動に連動して回動し、前記アームに前記ハーフポ
   ケツトを開放する方向の移動力を付与するレバー
   とを備えることを特徴とするテープレコーダにお
   けるカセツトイジエクト機構。