JP4399891B2 - 感光性ペーストおよびそれを用いたディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性ペーストおよびそれを用いたディスプレイの製造方法に関するものであり、プラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶ディスプレイ、フィールドエミションディスプレイをはじめとする各種のディスプレイ、回路材料などのパターン加工およびその製造に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、回路材料やディスプレイにおいて小型化・高精細化が進んでおり、これに対応することができるパターン加工技術が求められている。特に、プラズマディスプレイの隔壁形成においてはガラスなどの無機材料を高精度かつ高アスペクト比でパターン加工ができる材料が望まれている。
【0003】
従来、無機材料のパターン加工を行う場合、無機粉末と有機バインダからなるペーストを用いたスクリーン印刷法が多く用いられてきた。しかしながら、スクリーン印刷法は精度の高いパターンが形成できないという欠点があった。
【0004】
これに対して、特開平1−296534号公報、特開平2−165538号公報、特開平5−342992号公報では、感光性ペーストを用いてフォトリソグラフィ技術にてパターンを形成する方法が提案されている。しかしながら、感光性ペーストの感度や解像度が低いために高アスペクト比、高精細の隔壁が得られず、例えば80μmを越えるような厚みのパターン加工を行う場合、複数回の加工工程(塗布、露光、現像)を必要とし、工程が長くなるという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは高アスペクト比かつ高精細度のパターン加工を1回の加工工程により可能ならしめる感光性ペーストを提供すべく鋭意検討を行い、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
【0007】
無機微粒子と感光性有機成分からなる感光性ペーストであって、感光性有機成分が、(a)(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸を共重合成分とするカルボキシル基を有する共重合体、および(b)下記一般式(1)で示されるエチレン性不飽和基を有するアミン化合物、を含有することを特徴とする感光性ペースト。
【化2】
(ここにおいて、Rは水素原子またはメチル基、R’はアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはヒドロキシアルキル基、Zは−O−R”または−NHR”−、R”はアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはヒドロキシアルキル基、nは0、1、または2である。)
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性ペーストは、無機微粒子と感光性有機成分からなり、フォトリソグラフィを用いたパターン形成後に焼成を行い、実質的に無機物からなるパターンを形成する目的で使用する。
【0009】
本発明の感光性ペーストを用いて製造された実質的に無機物からなるパターンは、ディスプレイ用途、とりわけプラズマディスプレイ用途において、プラズマディスプレイパネル背面板の隔壁やプラズマディスプレイ前面板または背面板の電極として好適に用いられる。
【0010】
本発明の感光性有機成分は感光性ペースト中の有機成分の総体を指し、感光性ペーストの内無機成分を除いた成分全体を意味する。感光性有機成分は感光性ペースト中の5〜50重量%を占めることが好ましい。
【0011】
本発明の感光性有機成分は、反応性モノマ、反応性オリゴマ、反応性ポリマから選ばれた少なくとも1種、および必要に応じてバインダポリマ、光重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤、増感剤、増感助剤、紫外線吸収剤、有機染料、分散剤、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸、塩基、沈降防止剤、酸化防止剤などの添加剤成分を加えて構成される。ここで、反応性モノマ、反応性オリゴマ、反応性ポリマにおける反応性とは、感光性ペーストが活性光線の照射を受けた場合に、反応性モノマ、反応性オリゴマ、反応性ポリマが感光性ペースト中の他の構成成分の助けを借りることなく、または助けを借りて、光架橋、光重合、光解重合、光変性などの反応を通して化学構造が変化することを意味する。
【0012】
本発明の感光性有機成分は、(a)(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸を共重合成分とするカルボキシル基を有する共重合体、および(b)下記一般式(1)で示されるエチレン性不飽和基を有するアミン化合物、を含有することを特徴とする感光性ペースト。
【化3】
(ここにおいて、Rは水素原子またはメチル基、R’はアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはヒドロキシアルキル基、Zは−O−R”または−NHR”−、R”はアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはヒドロキシアルキル基、nは0、1、または2である。)
【0014】
(a)カルボキシル基を有する共重合体としては、焼成時の熱分解温度が低いことから、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸を共重合成分とする共重合体が好ましく用いられる。とりわけ、スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体が好ましく用いられる。さらに、(a)カルボキシル基を有する共重合体が側鎖にエチレン性不飽和基を有することも好ましい。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。
【0015】
(a)カルボキシル基を有する共重合体の樹脂酸価は50〜150mgKOH/gであることが好ましい。酸価を150mgKOH/g以下とすることで、現像許容幅を広くとることができる。また、酸価を50mgKOH/g以上とすることで、未露光部の現像液に対する溶解性が低下することがなく、従って現像液濃度を濃くする必要がなく露光部の剥がれを防ぎ、高精細なパターンを得ることができる。
【0016】
このような側鎖をポリマーに付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させて作る方法がある。
【0017】
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0018】
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネートなどがある。また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル等量付加させることが好ましい。
【0019】
適切な露光量を得るためには、(b)上記式(1)で示されるエチレン性不飽和基を有するアミン化合物(以下アミン化合物(1)と称する)の添加量は、カルボキシル基を有する共重合体(a)成分中のカルボキシル基量に対してモル換算で0.3〜3であることが好ましい。
【0020】
バインダ成分が必要な場合にはポリマーとして、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ブチルメタクリレート樹脂などを用いることができる。このバインダ成分の高屈折率化を行うことも、感光性有機成分の高屈折率化に効果的である。
【0025】
また、アミン化合物(1)として、分子中に1個のエチレン性不飽和基を含むものとしては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−[3−(N’,N’−ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミドから選ばれた1種以上を好ましく用いることもできる。
【0026】
また、アミン化合物(1)として、分子中に2個のエチレン性不飽和基を含むものとしては、ビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)イソプロピルアミン、ビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)ノルマルプロピルアミンから選ばれた1種以上を好ましく用いることもできる。
【0027】
また、アミン化合物(1)として、分子中に3個以上のエチレン性不飽和基を含むものとしては、トリス(2−メタアクリロイルオキシエチル)アミン、トリス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)アミンから選ばれた一種以上を好ましく用いることもできる。
【0028】
エチレン性不飽和基を有するアミン化合物の調製は、エチレン性不飽和基を有するグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸無水物等をアミノ化合物と反応させればよい。複数のエチレン性不飽和基含有化合物を混合して用いてもよい。
【0029】
エチレン性不飽和基を有するアミン化合物としては、以上の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。また、これらの化合物は混合して用いてもよい。
【0030】
適切な露光量を得るためには、アミン化合物(1)の添加量は、感光性有機成分中の10〜80重量%であることが好ましい。
【0031】
本発明においては、必要に応じて、アミン化合物(1)以外のエチレン性不飽和を有するの重合性モノマーを用いてもよい。このような重合性モノマーとしては、1個以上の光重合可能な(メタ)アクリレート基またはアリル基を有するモノマーなどが挙げられる。これらの具体例としては、アルコール類(例えばエタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)のアクリル酸またはメタクリル酸エステル、カルボン酸(例えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸など)とアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジル、またはテトラグリシジルメタキシリレンジアミンとの反応生成物、アミド誘導体(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドなど)、エポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との反応物などを挙げることができる。また、多官能モノマーにおいて、不飽和基は、アクリル、メタクリル、ビニル、アリル基が混合して存在してもよい。これらは単独で用いてもよく、また組み合わせて用いてもよい。
【0032】
本発明に用いる光重合開始剤は、ラジカル種を発生するものから選んで用いられる。光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペンアミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2ーヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリオキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジルメトキシエチルアセタール、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどが挙げられる。
【0033】
本発明では、これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性有機成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜10重量%である。光重合開始剤の添加量をこの範囲内とすることにより、露光部の残存率を保ちつつ良好な光感度を得ることができる。
【0034】
光重合開始剤と共に増感剤を使用し、感度を向上させたり、反応に有効な波長範囲を拡大することができる。増感剤の具体例としては、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニルビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどが挙げられる。
【0035】
本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感光性ペーストに添加する場合、その添加量は感光性有機成分に対して好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の添加量をこの範囲内とすることにより、露光部の残存率を保ちつつ光感度を向上させる効果が発揮される。
【0036】
本発明では酸化防止剤が好ましく添加される。酸化防止剤とは、ラジカル連鎖禁止作用、三重項の消去作用、ハイドロパーオキサイドの分解作用をもつものである。感光性ペーストは例えばプラズマディスプレイ用部材の隔壁製造に用いられる場合、多くのガラス微粒子成分を分散状態で含有するが、通常、露光光によるペースト内部の光散乱は避け難く、それに起因すると考えられるパターン形状の太りやパターン間の埋り(残膜形成)が発生しやすい。パターンの壁は垂直に切り立ち、矩形になることが望ましい。理想的には、ある露光量以下では現像液に溶解し、それ以上では現像液に不溶となることである。つまり、光散乱によって低い露光量で硬化しても現像液に溶解し、パターン形状の太りやパターン間の埋まりが解消され、露光量を多くしても解像できる範囲が広いことが好ましい。感光性ペーストに酸化防止剤を添加すると、酸化防止剤がラジカルを捕獲したり、励起された光重合開始剤や増感剤のエネルギー状態を基底状態に戻したりすることにより散乱光による余分な光反応が抑制され、酸化防止剤で抑制できなくなる露光量で急激に光反応が起こることにより、現像液への溶解、不溶のコントラストを高くすることができる。
【0037】
具体的には、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、ヒドラジン塩酸塩、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムオキザレート、フェニル−β−ナフチルアミン、パラベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、ピクリン酸、キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ピロガロール、タンニン酸、トリエチルアミン塩酸塩、ジメチルアニリン塩酸塩、クペロン、(2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)−2−エチルヘキシルアミノニッケル−(II)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、などが挙げられるがこれらに限定されない。本発明では、これらを1種以上使用することができる。
【0038】
酸化防止剤の添加量は、感光性ペースト中に好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは、0.5〜20%の範囲である。酸化防止剤の添加量をこの範囲内とすることにより、感光性ペーストの光感度を維持し、また重合度を保ちパターン形状を維持しつつ、現像液への溶解、不溶のコントラストを大きくとることができる。
【0039】
また、紫外線吸収剤を添加することで、露光光によるペースト内部の散乱光を吸収し、散乱光を弱めることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリチル酸系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、インドール系化合物、無機系の微粒子酸化金属などが挙げられる。これらの中でもベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、インドール系化合物が特に有効である。これらの具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、インドール系の吸収剤である”BONASORB”UA−3901(オリエント化学社製)、”BONASORB”UA−3902(オリエント化学社製)”SOM”−2−0008(オリエント化学社製)などが挙げられるがこれらに限定されない。さらに、これら紫外線吸収剤の骨格にメタクリル基などを導入し反応型として用いてもよい。本発明では、これらを1種以上使用することができる。
【0040】
紫外線吸収剤の添加量は、ペースト中に好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは、0.005〜5%の範囲である。この範囲内とすることにより、透過限界波長および波長傾斜幅を所望範囲内にとどめ、露光光の透過率、感光性ペーストの感度を保持しつつ散乱光の吸収効果を得ることができる。
【0041】
また、本発明では、露光、現像の目印として有機系染料を添加することができる。染料を添加して着色することにより視認性が良くなり、現像時にペーストが残存している部分と除去された部分との区別が容易になる。有機染料としては、特に限定はされないが、焼成後の絶縁膜中に残存しないものが好ましい。具体的にはアゾ系染料、アントラキノン系染料、インジゴイド系染料、フタロシアニン系染料、カルボニウム系染料、キノンイミン系染料、メチン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、フタルイミド系染料、ペリノン系染料などが使用できる。特に、h線とi線付近の波長の光を吸収するもの、例えばベーシックブルー等のカルボニウム系染料を選択すると、本発明の効果がより出やすくなり好ましい。有機染料の添加量は0.001〜1重量%であることが好ましい。
【0042】
感光性ペーストを基板に塗布する時の粘度を塗布方法に応じて調整するために有機溶媒が使用される。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0043】
本発明における無機微粒子とは、例えば、ガラス、セラミックス、およびAu、Ag、Pd、Ptなどの導電性粉末の微粒子であり、特に有用であるのは、ガラス粉末、Ag粉末を用いた場合である。
【0044】
ガラス粉末としては、ガラス転移点430〜500℃、軟化点が470〜580℃のガラス粉末を用いることが好ましい。また、ガラス粉末をペースト中に50重量%以上含有することによって、通常のディスプレイに用いられる基板上にパターン加工ができる。ガラス転移点や軟化点をこれらの範囲内に有するガラス粉末は、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうち少なくとも1種類以上を3〜10重量%含むガラス粉末を好適に用いることで得られる。またこれらのうち、酸化リチウムを用いることがプラズマの良好な放電特性を得る上で特に好ましい。
【0045】
このようなガラス転移点および軟化点を有し、かつガラス微粒子の屈折率が1.5〜1.65になるように金属酸化物を配合してなるガラス微粒子を用いることにより、ガラス粉末と感光性有機成分の屈折率と整合させ、光散乱を抑制することにより高精度のパターン加工が可能になる。例えば、酸化ケイ素:22、酸化アルミニウム:23、酸化硼素:33、酸化リチウム:9、酸化マグネシウム:7、酸化バリウム:4および酸化亜鉛2(重量%)からなるガラス粉末は、ガラス転移点:490℃、軟化点:528℃そしてg線波長(436nm)においての屈折率:1.59であり、本発明の無機微粒子として好ましく使用することができる。
【0046】
本発明の感光性ペーストに用いる無機微粒子として好ましく使用できるガラス粉末は下記の組成を有するものである。
酸化リチウム : 3〜10重量%
酸化ケイ素 :10〜30重量%
酸化硼素 :20〜40重量%
酸化バリウム : 2〜15重量%
酸化アルミニウム :10〜25重量%。
【0047】
酸化リチウムを3〜10重量%含有するガラス粉末を用いることによって、熱軟化温度、熱膨脹係数のコントロールが容易になるだけでなく、ガラスの平均屈折率を低くできるため、有機成分との屈折率差を小さくすることが容易になる。アルカリ金属の酸化物の添加量はペーストの安定性を向上させるためには、10重量%以下が好ましく、より好ましくは8重量%以下である。
【0048】
酸化ケイ素は10〜30重量%の範囲で配合することが好ましい。10重量%以上とすることによりガラス層の緻密性、強度や安定性を向上させ、また熱膨脹係数がガラス基板の値と近いものとなり、従ってガラス基板とのミスマッチによる剥離等を防ぐことができる。また、30重量%以下にすることによって、軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き付けが可能になるなどの利点がある。
【0049】
酸化硼素は20〜40重量%の範囲で配合することが好ましい。40重量%以下とすることでガラスの安定性を維持できる。酸化硼素はガラス粉末を800〜1200℃付近の温度で溶解するため、およびガラスペーストの焼き付け温度を酸化ケイ素が多い場合でも電気絶縁性、強度、熱膨脹係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を損なうことないように焼き付け温度を540〜610℃の範囲に制御するために配合される。20重量%以上とすることで絶縁層の強度やガラスの安定性を向上させることができる。
【0050】
酸化バリウムは2〜15重量%の範囲で配合することが好ましい。2重量%以上とすることでガラス焼き付け温度および電気絶縁性を制御できる。また、15重量%以下とすることでガラス層の安定性や緻密性を保つことができる。
【0051】
酸化アルミニウムは10〜25重量%の範囲で配合するのが好ましい。酸化アルミニウムはガラスの歪み点を高めるために添加される。10重量%以上とすることでガラス層の強度を向上させることができる。25重量%以下とすることで、ガラスの耐熱温度が高くなり過ぎてガラス基板上に焼き付けが難しくなることを防ぎ、また、緻密な絶縁層を600℃以下の温度で得ることができる。
【0052】
ガラス粉末には、プラズマの放電特性を劣化させる酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化イットリウムなどを含まないことが好ましい。また、含有する場合であっても5重量%以下であることが好ましい。
【0053】
また、ガラス粉末中に、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどを含有することができるが、その量は2重量%未満であることが好ましい。酸化ジルコニウムはガラスの軟化点、転移点および電気絶縁性を制御するのに効果がある。
【0054】
ガラス粉末の作製法としては、例えば原料である酸化リチウム、酸化ケイ素、酸化硼素、酸化バリウムおよび酸化アルミニウムなどを所定の配合組成となるように混合し、900〜1200℃で溶融後、急冷し、ガラスフリットにしてから粉砕して1〜5μmの微細な粉末にする。原料は高純度の炭酸塩、酸化物、水酸化物などを使用できる。また、ガラス粉末の種類や組成によっては99.99%以上の超高純度なアルコキシドや有機金属の原料を使用し、ゾル・ゲル法で均質化に作製した粉末を使用すると高電気抵抗で緻密な気孔の少ない、高強度な絶縁層が得られるので好ましい。
【0055】
上記において使用されるガラス粉末粒子径は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれるが、粉末は、50重量%粒子径(平均粒子径)が2〜3.5μm、トップサイズ15μm以下であることが好ましい。さらに、10重量%粒子径が0.6〜1.5μm、90重量%粒子径が4〜8μm、比表面積1.5〜2.5m2/gを有していることが好ましい。より好ましくは平均粒子径2.5〜3.5μm、比表面積1.7〜2.4m2/gである。この範囲にあると紫外線露光時に光が十分透過し、上下で線幅差の少ない隔壁パターンが得られる。平均粒子径2.0μm以上、比表面積2.5m2/g以下とすることで粉末が細かくなり過ぎず、露光時において光の散乱により未露光部分を硬化させることを防ぐので好ましい。
【0056】
本発明の無機微粒子として、Au、Ag、Pd、Ptの貴金属やNiの導電性微粒子を用いることも好ましい実施態様である。Au、Ag,Pd、Ptはそれぞれ単独にまたは混合粉末として用いることができる。例えば、Ag(30〜80)−Pd(70〜20)、Ag(40〜70)−Pd(60〜10)−Pt(5〜20)、Ag(30〜80)−Pd(60〜10)−Cr(5〜15)、Pt(20〜40)−Au(60〜40)−Pd(20)、Au(75〜80)−Pt(25〜20)、Au(60〜80)−Pd(40〜20)、Ag(40〜95)−Pt(60〜5)、Pt(60〜90)−Rh(40〜10)(以上()内は重量%を表す)などの2元系、3元系の混合貴金属粉末が用いられる。上記の中でCrやRhを添加したものは高温特性を向上できる点で好ましい。
【0057】
これらの導電性無機微粒子の平均粒子径は0.5〜5μmが好ましい。平均粒子径を0.5μm以上とすることで、紫外線露光時に光線が塗設後の膜の中をスムースに透過し、良導体の線幅60μm以下の微細パターンの形成が可能になる。一方、5μm以下とすることで塗設後の回路パターンの表面の凹凸が粗くならず、パターン精度が向上し、ノイズ発生を抑えることができる。
【0058】
微細パターンの形成や低抵抗化を満足する好ましい導電性粉末の範囲がある。すなわち、導体パターンを塗設後、露光時に紫外線が散乱せず十分に透過し、有効に作用して現像後10〜40μmの微細回路パターンを得るためには、導電性粉末の平均粒子径が1〜4μmであり、かつ比表面積が0.1〜5m2/gであることが好ましい。さらに好ましくは、平均粒子径が0.8〜4μm、比表面積が0.5〜1.5m2/gである。この範囲版にある場合、現像時に未露光部における導体膜の残膜の発生が全くなく、高精度な回路パターンが得られる。
【0059】
貴金属導電性微粒子の比表面積は、0.1〜3m2/gが好ましく用いられる。比表面積が0.1m2/g以上とすることで、回路パターンの精度を向上できる。また、3m2/g以下とすることで紫外線の散乱を防ぎ、パターン精度を向上できる。
【0060】
貴金属導電性微粒子の形状としては、フレーク(板、円錐、棒)状や球状の物が使用できるが、凝集が抑制されることから球状であることが好ましい。球状の場合、露光時の紫外線の散乱が少ないので、この精度のパターンが得られ、照射エネルギーが少なくて済む。
【0061】
感光性ペーストは、通常、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機微粒子、感光性有機成分、有機染料、分散剤、吸光剤、および溶媒などの各種成分を所定の組成となるように調合した後、3本ローラや混練機で均質に混合分散し作製する。
【0062】
ペーストの粘度は無機微粒子、増粘剤、有機溶媒、可塑剤および沈降防止剤など添加割合によって適宜調整されるが、その好ましい範囲は2000〜20万cps(センチ・ポイズ)にある。例えば、基板への塗布をスピンコート法で行う場合は、2000〜5000cpsが好ましい。スクリーン印刷法で1回塗布して膜厚10〜20μmを得るには、5万〜20万cpsが好ましい。ブレードコーター法やダイコーター法などを用いる場合は、1万〜5万cpsが好ましい。
【0063】
感光性ペーストを用いてパターン加工を行う一例について説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0064】
基板上に、感光性ペーストを全面塗布、もしくは部分的に塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどの方法を用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度を選ぶことによって調整できる。
【0065】
ここでペーストを基板上に塗布する場合、基板と塗布膜との密着性を高めるために基板の表面処理を行うことができる。表面処理液としては、シランカップリング剤、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなど、あるいは有機金属例えば、有機チタン、有機アルミニウム、有機ジルコニウムなどである。シランカップリング剤あるいは有機金属を有機溶媒、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどで0.1〜5%の濃度に希釈したものを用いる。次にこの表面処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗布した後に80〜140℃で10〜60分間乾燥することによって表面処理ができる。
【0066】
塗布した後、露光装置を用いて露光を行う。露光装置としては、プロキシミティ露光機などを用いることができる。また、大面積の露光を行う場合は、基板上に感光性ペーストを塗布した後に、搬送しながら露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を露光することができる。
【0067】
露光後、露光部分と未露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、浸漬法やスプレー法、ブラシ法等で行う。現像処理に用いる現像液は水を主成分とすることが好ましい。現像液には、感光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒を用いることができる。また、該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。感光性ペースト中にカルボキシル基などの酸性基をもつ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム水溶液などが使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。
【0068】
有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。
【0069】
アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%である。アルカリ濃度が低すぎると可溶部が除去されない傾向となり、アルカリ濃度が高すぎると、パターン部を剥離させる傾向となる。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
【0070】
次に焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができる。
【0071】
焼成温度は400〜1000℃で行う。ガラス基板上にパターン加工する場合は、480〜610℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行うことが好ましい。
【0072】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
ポリマ−1:メチルメタクリレート/メタクリル酸コポリマ、重量組成比82/18、樹脂酸価90mgKOH/g
ポリマ−2:スチレン/メチルメタクリレート/メタクリル酸コポリマ(重量組成比30/30/40)にコポリマ100重量部に対してグリシジルアクリレートを40重量部付加させたポリマ(樹脂酸価120mgKOH/g)
ポリマ−3:スチレン/メチルメタクリレート/メタクリル酸コポリマ、重量組成比30/30/40、樹脂酸価105mgKOH/g
ポリマ−4:メチルメタクリレート/メタクリル酸コポリマ(重量組成比60/40)にコポリマ100重量部に対してグリシジルメタクリレートを40重量部付加させたポリマー(樹脂酸価115mgKOH/g)
モノマ−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
モノマ−2:トリメチロールプロパントリアクリレート
アミン−1:N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート(分子量157.27)
アミン−2:ジアリルアミン(分子量97.22)
アミン−3:トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)アミン(分子量353.47)
アミン−4:N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(分子量170.37)
アミン−5:ビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)n−プロピルアミン(分子量301.40)
アミン−6:トリス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)アミン(分子量443.55)。
【0073】
(実施例1〜6、比較例1)
感光性ペーストは、ポリマ、モノマに光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1)5重量部、増感剤(2,4−ジエチルチオキサントン)2重量部、有機染料(ベーシックブルー26、吸収極大波長:592nm)0.01重量部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル30重量部、を50℃に加熱しながら溶解し、その後下記のガラス粉末を添加し、混練機を用いて混練した。無機微粒子、ポリマ、モノマの種類および配合量を表1に示した。
【0074】
無機微粒子としては、組成が、Li2O:9%、SiO2:22%、Al2O3:23%、B2O3:33%、BaO:4%、ZnO:2%、MgO:7%であるガラス微粒子を用いた。このガラス微粒子の平均屈折率は1.586、ガラス転移点、軟化点はそれぞれ476℃、519℃、平均粒子径は2.6μmである。
【0075】
ソーダガラス基板上に、スクリーン印刷法により、感光性ペーストを均一に塗布した。塗布膜にピンホールなどの発生を回避するために塗布、乾燥を繰り返し行い、乾燥厚みが180μmになるように塗布した。途中の乾燥は80℃で10分間行った。最後に80℃で60分間乾燥した。
【0076】
次に、プラズマディスプレイ用の隔壁パターン形成を目的としたフォトマスク(ストライプ状パターン、パターンピッチ130μm、線幅20μm)を介して露光を行った。この時、マスクが汚染されるのを防ぐため、マスクと塗膜面に100μmのギャップを設けた。その後、35℃に保持したモノエタノールアミンの0.3重量%水溶液をシャワーで180秒間かけることにより現像を行い、光硬化していないスペース部分を除去してガラス基板上にストライプ状の隔壁パターンを形成した。さらに、シャワースプレーを用いてパターンの水洗浄を行った。
【0077】
隔壁パターンを顕微鏡で観察し、露光部の剥がれ、パターンの蛇行およびパターン間の埋まり(残膜)が発生しない露光量を調べその中央値を最適露光量とした。また、印刷時に均一な層が得られない場合を印刷適性×、均一な層が得られた場合を印刷適性○とした。評価結果を表1に示した。
【0078】
隔壁パターンの加工を終了したガラス基板を80℃で15分乾燥した後、560℃で15分焼成し隔壁を形成し、プラズマディスプレイ用背面板を作成した。
【0079】
【表1】
【0080】
(実施例7〜18、比較例2)
感光性ペーストは、ポリマ、モノマに光重合開始剤(2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)6重量部、増感剤(2,4−ジエチルチオキサントン)3重量部、有機染料(ベーシックブルー26、吸収極大波長:592nm)0.01重量部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル10重量部、を50℃に加熱しながら溶解し、その後下記の貴金属またはNiの導電性微粒子を添加し、混練機を用いて混練した。貴金属またはNiの導電性微粒子、ポリマ、モノマの種類および配合量を表1に示した。また、貴金属またはNiの導電性微粒子はいずれも、平均粒子径1.5μm、比表面積1.10m2/gのものを用いた。
【0081】
ソーダガラス基板上に、スクリーン印刷法により、感光性ペーストを均一に塗布して乾燥厚み10μmを得た。
【0082】
次に、プラズマディスプレイ用の電極パターン形成を目的としたフォトマスク(ストライプ状パターン、パターンピッチ130μm、線幅50μm)を介して露光を行った。この時、マスクが汚染されるのを防ぐため、マスクと塗膜面に100μmのギャップを設けた。その後、30℃に保持したモノエタノールアミンの0.3重量%水溶液をシャワーで60秒間かけることにより現像を行い、光硬化していないスペース部分を除去してガラス基板上にストライプ状の電極パターンを形成した。さらに、シャワースプレーを用いてパターンの水洗浄を行った。
【0083】
隔壁パターンを顕微鏡で観察し、露光部の剥がれ、パターンエッジのギザリおよびパターン間の埋まり(残膜)が発生しない露光量を調べその中央値を最適露光量とした。また、印刷時に均一な層が得られない場合を印刷適性×、ペーストの粘度が低く印刷時にペーストのたれ落ちが見られる均一な層が得られた場合を△、均一な層が得られた場合を印刷適性○とした。評価結果を表1に示した。
【0084】
隔壁パターンの加工を終了したガラス基板を80℃で15分乾燥した後、600℃で15分焼成し電極を形成した。
【0085】
【表2】
【0086】
【発明の効果】
本発明の感光性ペーストは感度が高く、厚膜のパターン加工や光線透過率の低い無機物含有ペーストのパターン加工を低露光量で短時間で行うことができ、ディスプレイ、回路材料などの高精度のパターン加工が可能になり、精細性の向上、工程の簡略化が可能になる。特に、低コストでプラズマディスプレイパネルの隔壁や電極を形成することができる。
Claims (8)
- (b)エチレン性不飽和基を有するアミン化合物のモル換算での添加量が、(a)共重合体中のカルボキシル基に対してモル換算で0.3〜3であることを特徴とする請求項1に記載の感光性ペースト。
- 感光性有機成分が感光性ペースト全体の5〜50重量%を占めることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性ペースト。
- 無機微粒子が平均屈折率1.5〜1.65の範囲にあるガラス粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性ペースト。
- 無機微粒子が酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうち少なくとも1種類以上を3〜10重量%含むガラス粉末であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性ペースト。
- 無機微粒子がAu、Ni、Ag、Pd、Ptから選ばれた少なくとも1種類以上の無機微粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感光性ペースト。
- ガラス基板上に感光性ペースト層を塗設し、活性光線を照射した後に、現像処理により感光性ペースト層の不要部分を除去し、さらに焼成することにより感光性有機成分を除去して実質的に無機物のみからなるディスプレイ用部材を製造する工程において、請求項1〜6のいずれかに記載の感光性ペーストを用いることを特徴とするディスプレイ用部材の製造方法。
- 現像処理に用いる現像液が水を主成分とすることを特徴とする請求項7に記載のディスプレイ用部材の製造方法。
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