本発明の第1の形態は、基板上に感光性ガラスペーストを塗布し、該感光性ガラスペースト塗布層をフォトマスクを介して露光し、露光後の感光性ガラスペースト塗布層を現像することによって隔壁パターンを形成する工程を含むディスプレイ用部材の製造方法であって、フォトマスクとして、反射率が10%以下、露光パターン幅が5〜40μm、ピッチが10〜170μmであるストライプ状または格子状のフォトマスクを用いるディスプレイ用部材の製造方法である。
また、本発明の第2の形態は、基板上に感光性ガラスペーストを塗布し、該感光性ガラスペースト塗布層をフォトマスクを介して露光し、露光後の感光性ガラスペースト塗布層を現像することによって隔壁パターンを形成する工程を含むディスプレイ用部材の製造方法であって、フォトマスクとして、反射率が3%以下、露光パターン幅が5〜55μm、ピッチが10〜350μmであるストライプ状または格子状のフォトマスクを用いるディスプレイ用部材の製造方法である。
本発明の第1、第2の形態における基板とは、ディスプレイ部材の基板となるガラス板等を指し、ソーダガラスの他にPDP用の耐熱ガラスである旭硝子社製の“PD200”や日本電気硝子社製の“PP8”などを好ましく用いることができる。また、これらガラス製の基板上に後述の電極、誘電体層を形成したものを基板として用いることができる。
本発明の第1、第2の形態においては、まず上記基板上に感光性ガラスペーストを塗布する。
本発明に用いられる感光性ガラスペーストは、ガラスを主成分とする絶縁性無機成分と感光性有機成分からなる。
感光性ガラスペースト中に含まれる無機微粒子は、ガラス粉末を主成分とし、他にセラミック粒子(アルミナ、コーディライトなど)などを用いることができる。
無機微粒子の粒子径は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれるが、体積平均粒子径(D50)が、1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは、1〜5μmである。D50を10μm以下とすることで、表面凸凹が生じるのを防ぐことができる。また、1μm以上とすることで、ペーストの粘度調整を容易にすることができる。さらに、比表面積0.2〜3m2/gのガラス微粒子を用いることが、パターン形成において、特に好ましい。
隔壁は、好ましくは熱軟化点の低いガラス基板上にパターン形成されるため、無機微粒子として、熱軟化温度が350℃〜600℃のガラス微粒子を60重量%以上含む無機微粒子を用いることが好ましい。また、熱軟化温度が600℃以上のガラス微粒子やセラミック微粒子を添加することによって、焼成時の収縮率を抑制することができるが、その量は、40重量%以下が好ましい。
用いるガラス粉末としては、焼成時にガラス基板にそりを生じさせないためには線膨脹係数が50×10−7〜90×10−7、更には、60×10−7〜90×10−7のガラス微粒子を用いることが好ましい。隔壁を形成する素材としては、ケイ素および/またはホウ素の酸化物を含有したガラス材料が好ましく用いられる。
酸化ケイ素は、3〜60重量%の範囲で配合されていることが好ましい。3重量%以上とすることで、ガラス層の緻密性、強度や安定性が向上し、また、熱膨脹係数を所望の範囲内とし、ガラス基板とのミスマッチを防ぐことができる。また、60重量%以下にすることによって、熱軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き付けが可能になるなどの利点がある。
酸化ホウ素は、5〜50重量%の範囲で配合することによって、電気絶縁性、強度、熱膨脹係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上することができる。50重量%以下とすることでガラスの安定性を保つことができる。
さらに、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛のうちの少なくとも1種類を合計で5〜50重量%含有させることによって、ガラス基板上にパターン加工するのに適した温度特性を有するガラスペーストを得ることができる。特に、酸化ビスマスを5〜50重量%含有するガラス微粒子を用いると、ペーストのポットライフが長いなどの利点が得られる。ビスマス系ガラス微粒子としては、次の組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化ビスマス :10〜40重量部
酸化ケイ素 : 3〜50重量部
酸化ホウ素 :10〜40重量部
酸化バリウム : 8〜20重量部
酸化アルミニウム:10〜30重量部。
また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムのうち、少なくとも1種類を3〜20重量%含むガラス微粒子を用いてもよい。アルカリ金属酸化物の添加量は、20重量%以下、好ましくは、15重量%以下にすることによって、ペーストの安定性を向上することができる。上記3種のアルカリ金属酸化物の内、酸化リチウムがペーストの安定性の点で、特に好ましい。リチウム系ガラス微粒子としては、例えば次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
この場合の具体的なガラス微粒子としては、次に示す組成を含むガラス粉末を用いることが好ましい。
酸化リチウム : 2〜15重量部
酸化ケイ素 :15〜50重量部
酸化ホウ素 :15〜40重量部
酸化バリウム : 2〜15重量部
酸化アルミニウム: 6〜25重量部。
また、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛のような金属酸化物と酸化リチウム,酸化ナトリウム、酸化カリウムのようなアルカリ金属酸化物の両方を含有するガラス微粒子を用いれば、より低いアルカリ含有量で、熱軟化温度や線膨脹係数を容易にコントロールすることができる。
また、ガラス微粒子中に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど、特に、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化亜鉛を添加することにより、加工性を改良することができるが、熱軟化点、熱膨脹係数の点からは、その含有量は、40重量%以下が好ましく、より好ましくは25重量%以下である。
感光性有機成分としては、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうちの少なくとも1種類から選ばれた感光性成分を含有することが好ましく、更に、必要に応じて、光重合開始剤、光吸収剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、重合禁止剤を添加する。
感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、単官能および多官能性の(メタ)アクリレート類、ビニル系化合物類、アリル系化合物類などを用いることができる。これらは1種または2種以上使用することができる。
感光性オリゴマー、感光性ポリマーとしては、炭素−炭素2重結合を有する化合物のうちの少なくとも1種類を重合して得られるオリゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際に、これらのモノマの含有率が、10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他の感光性のモノマと共重合することができる。ポリマーやオリゴマーに不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、または、これらの酸無水物などが挙げられる。こうして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポリマ、もしくは、オリゴマーの酸価(AV)は、50〜180の範囲が好ましく、70〜140の範囲がより好ましい。以上に示したポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性をもつ感光性ポリマや感光性オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。
光重合開始剤の具体的な例として、ベンゾフェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜5重量%の範囲で添加される。重合開始剤の量が少な過ぎると、光感度が低下する傾向にあり、光重合開始剤の量が多すぎると、露光部の残存率が小さくなり過ぎる傾向にある。
光吸収剤を添加することも有効である。紫外光や可視光の吸収効果が高い化合物を添加することによって、高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。光吸収剤としては、有機系染料からなるものが好ましく用いられる、具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は、焼成後の絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でも、アゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。有機染料の添加量は、0.05〜5重量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜1重量%である。添加量が少なすぎると、光吸収剤の添加効果が減少する傾向にあり、多すぎると、焼成後の絶縁膜特性が低下する傾向にある。
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。増感剤を感光性ペーストに添加する場合、その添加量は、感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少な過ぎると光感度を向上させる効果が発揮されない傾向にあり、増感剤の量が多過ぎると、露光部の残存率が小さくなる傾向にある。
有機溶媒としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
本発明の第1、第2の形態では、まず上述の感光性ガラスペーストを基板上に塗布する。
感光性ガラスペーストを塗布する方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどを用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度を選ぶことによって調整できる。
このとき、感光性ガラスペーストの塗布幅は、得ようとする隔壁層を構成する隔壁パターンの長さL(mm)に対し
L−2(mm) ≦ L(mm) ≦ L+5(mm)
であることが好ましい。このような長さとすることで、後術する本発明の露光方法を有効に実施することができる。尚、パターン長さとは、一方向へ連続した線状パターンの長さをいう。
露光回数を少なくするため、一回の露光に対応する感光性ガラスペースト塗布層の厚みは、乾燥後で100〜400μmであることが好ましい。
感光性ガラスペースト塗布層は必要に応じて乾燥した後に、所望のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。
高精細化が進むプラズマディスプレイなどの用途においては、隔壁パターンの線幅が5〜40μm、隔壁パターンの形成間隔(ピッチ)が10〜170μmといった高精細な隔壁パターンの形成が必要となっている。このような高精細な隔壁を形成する場合、用いるフォトマスクの反射率が10%より大きい場合は、エネルギー線が感光性ガラスペースト塗布膜とフォトマスクの間でおこる乱反射の影響が大きく、フォトマスクの開口幅を細くしても限界があり、得たい形状を得ることができない。一般に隔壁は大きな高さが必要であり、一回の露光で隔壁パターンを形成するためには前記感光性の厚さが100〜400μmであることが好ましいため、フォトマスク線幅を40μm以下にした場合でも、ネガ型の場合は散乱により隔壁パターン底部の幅が大きくなり、形成されるパターンの幅は細くならないという問題がある。
これに対し本発明では、反射率が10%以下のフォトマスクを用いることによって、フォトマスクと膜面との間でのエネルギー線の乱反射を抑止し、隔壁パターン底部の幅が大きくなることを防ぐことができる。
本発明に用いられるフォトマスクは、反射率が10%以下、好ましくは3%以下であって、露光パターン幅が5〜55μm、好ましくは5〜40μm、露光パターンのピッチが10〜350μm、10〜170μmのものを用いることができる。特にガラス基板上に酸化クロム、金属クロムが蒸着によって2層以上層構成されており、露光対象物に対して最も接近する膜面の厚みを50〜600Åの範囲で形成された多層蒸着マスクを好ましく用いることができる。
得ようとする隔壁パターンが図2あるいは図3に示すようなストライプ状の場合、基板とフォトマスクの位置を調整したのち、フォトマスクを介してエネルギー線を照射する露光動作を実施する。さらに、得ようとする隔壁パターンが、図4に示すような隔壁パターンと補助隔壁パターンから構成される段差を有する井桁状パターンの場合、感光性ペーストを塗布後、補助隔壁パターン(横ストライプ状)を一度前記した方法により露光し、次いで隔壁パターン(縦ストライプ状)を露光する。
隔壁と補助隔壁に所望の段差を設けたい場合は、補助隔壁または隔壁の低い方のパターンを一度前記方法により露光し、隔壁と補助隔壁の段差に相当する量の感光性ペーストを塗布・乾燥し、高い方のパターンを前記方法により露光することで、段差を有する井桁パターンを形成することができる。
なお、段差を有しない井桁状の隔壁を形成する場合は、格子状のフォトマスクを用いて露光しても良い。
いずれの場合であっても隔壁形成ではエネルギー線の縦方向の影響が大きく隔壁底部の幅が大きくなりやすい。このために矩形化が困難となり、ピッチが狭くなるほど隣接する隔壁の底部が重なりを生じたり、重なりを防止するためにエネルギー線量を減少させると剥がれが生じるという問題があった。本発明では反射率10%以下のフォトマスクを使用して露光動作を実施する。このときピッチが80〜170μmの時は反射率5%以下が好ましく、20〜80μmの時は反射率2%以下のフォトマスクが好ましい。ピッチが170μm以下のとき反射率10%より大きいフォトマスクを使用すると隣り合うマスク開口からのエネルギー線の乱反射に干渉され、パターン形成が出来なくなる。また形成する隔壁の幅が5〜40μmまでは10%以下のフォトマスクが好ましい。20〜35μmまでは反射率が5%以下であることが好ましく、5〜20μmまでは反射率2%以下が好ましい。また、隔壁の頂部の形状を矩形化し、頂部が丸くなるのを防ぐためには、ピッチ、隔壁幅によらず、反射率3%以下のフォトマスクが好ましい。フォトマスクの反射率が10%より大きい場合、マスク開口から出るエネルギー線の乱反射による縦方向の影響が大きくなり、底部幅が太りを発生し得たい隣接隔壁と底部がつながることによりパターン形成ができなくなる。また、一般にディスプレイ用部材の露光に用いるフォトマスクは面積が大きいため、フォトマスクの反射率を0.5%より小さくしようとすると、フォトマスクの全面に均一に低反射膜を形成することが困難になる。
本発明で露光に使用されるエネルギー線は、例えば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられる。これらの中で紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。露光条件は、塗布厚みによって異なるが、1〜100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて0.1〜10分間露光を行う。
ここで、フォトマスクと感光性ペーストの塗布膜表面との距離、すなわちギャップ量は5〜200μm、さらには5〜125μmに調整することが好ましい。ギャップ量を5μm以上とすることにより、基板またはフォトマスク移動時の感光性ペースト塗布膜とフォトマスクの接触を防ぎ、双方の破壊や汚染を防ぐことができる。また200μm以下さらには150μm以下とすることにより、適度にシャープなパターニングが可能となる。
露光後実施される現像は、露光部分と非露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行う。現像は、浸漬法やスプレー法、ブラシ法等で行うことができる。
現像液は、感光性ペースト中の溶解させたい有機成分が溶解可能である溶液を用いる。感光性ペースト中にカルボキシル基などの酸性基をもつ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液などが使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は、通常、0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低過ぎれば可溶部が除去されない傾向にあり、アルカリ濃度が高過ぎれば、パターン部が剥離したり、また、非可溶部を腐食させる傾向にある。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。上記の現像を行うことによって、所望のパターンを有する隔壁パターンを得ることができる。
現像により得られた隔壁パターンは、必要に応じて焼成炉にて焼成される。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やローラーハース式の連続型焼成炉を用いることができる。焼成温度は、400〜800℃で行うと良い。ガラス基板上に直接隔壁を形成する場合は、450〜620℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行うと良い。焼成を行い有機成分を除去することによって、ガラスを主成分とする隔壁を得ることができる。
本発明の第3の形態は、基板上に感光性導電ペーストを塗布し、該感光性導電ペースト塗布層をフォトマスクを介して露光し、露光後の感光性導電ペースト塗布層を現像することによって電極パターンを形成する工程を含むディスプレイ用部材の製造方法であって、フォトマスクとして、反射率が10%以下、露光パターン幅が5〜70μm、ピッチが10〜170μmであるストライプ状のフォトマスクを用いるディスプレイ用部材の製造方法である。
本発明の第3の形態で用いられる感光性導電ペーストは、導電性粉末と感光性有機成分を必須成分とする。
導電性粉末は、導電性を有する粉末であればよいが、好ましくはAg、Au、Pd、Ni、Cu、AlおよびPtの群から選ばれる少なくとも1種を含むもので、ガラス基板上に600℃以下の温度で焼き付けできる低抵抗の導電性粉末が使用される。これらは単独、合金または混合粉末として用いることができる。混合粉末の例としては、例えばAg(80〜98)−Pd(20〜2)、Ag(90〜98)−Pd(10〜2)−Pt(2〜10)、Ag(85〜98)−Pt(15〜2)(以上( )内は重量%を表わす)などの2元系や3元系の混合金属粉末等を用いることができる。
これらの導電性粉末の平均粒子径は0.7〜6μmが好ましい。より好ましくは1.3〜5μmであり、さらに好ましくは1.6〜4.0μmである。平均粒子径が0.7μm未満と小さくなると紫外線の露光時に光が印刷後の膜中をスムーズに透過せず、電極導体の最小線幅60μm以下の微細パターンの形成が困難となる。また平均粒子径が6μmを越えて大きくなると印刷後の回路パターンの表面が粗くなり、パターン精度や寸法精度が低下するようになる。
また、低温での焼結性を付与するため、導電性粉末以外の無機成分として上述のガラス粉末を1〜5重量%含有しても良い。
感光性有機成分は上述の隔壁の形成に使用される感光性ガラスペーストと同様のものを用いることができる。感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうちの少なくとも1種類から選ばれた感光性成分を含有することが好ましく、更に、必要に応じて、光重合開始剤、光吸収剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、重合禁止剤を添加する。
本発明の第3の形態では、まず上述の感光性導電ペーストを基板上に塗布する。
感光性導電ペーストを塗布する方法としては、上述の感光性ガラスペーストの塗布と同様、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどを用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度を選ぶことによって調整できる。感光性導電ペーストの塗布厚みは100〜250μmが好ましい。
高精細化が進むプラズマディスプレイなどの用途においては、電極パターンの線幅が5〜70μm、電極パターンの形成間隔(ピッチ)が10〜170μmといった高精細な電極パターンの形成が必要となっている。このような高精細な電極パターンを形成する場合、用いるフォトマスクの反射率が10%より大きい場合は、エネルギー線が感光性導電ペースト塗布膜とフォトマスクの間でおこる乱反射の影響が大きく、フォトマスクの開口幅を細くしても限界があり、得たい形状を得ることができない。電極形成に用いられる感光性導電ペーストは光線透過率が低いため、乱反射の影響でコントラストが低下すると、高精細な電極パターンの形成が不可能になる。
これに対し本発明では、反射率が10%以下のフォトマスクを用いることによって、フォトマスクと膜面との間でのエネルギー線の乱反射を抑止し、隔壁パターン底部の幅が大きくなることを防ぐことができる。
本発明に用いられるフォトマスクは、反射率が10%以下、露光パターン幅が5〜70μm、露光パターンのピッチが10〜170μmであればどのようなものでも用いることができるが、ガラス基板上に酸化クロム、金属クロムが蒸着によって2層以上層構成されており、露光対象物に対して最も接近する膜面の厚みを50〜600Åの範囲で形成された多層蒸着マスクを好ましく用いることができる。
感光性導電ペースト塗布膜の現像は上述の隔壁パターンの形成における感光性ガラスペースト塗布層の現像と同様に行うことができる。また、隔壁パターンの形成における感光性ガラスペースト塗布層と同様な条件で焼成を行うことによって吸気成分を除去した電極を形成することができる。
以下、本発明をプラズマディスプレイ用部材(以下、PDP用部材と略す)を構成する各層の形成方法に沿って説明する。一般的にPDP用部材は、対となる複数のサステイン電極層、ブラックストライプ層、誘電体層、MgO層などから構成させる前面板と、アドレス電極層、誘電体層、隔壁層、蛍光体層などから構成される背面板とからなる。
PDP用部材の電極層は上述の方法で形成することができる。PDP用部材の電極層は一般的に端子部分、接続引き出し部分、表示部分の3つから構成されている。本発明で形成される電極厚みは1〜10μmが好ましく、2〜7μmがより好ましい。電極厚みが薄すぎると抵抗値が大きくなり正確な駆動が困難となる傾向にあり、厚すぎると材料が多く必要になり、コスト的に不利な傾向にある。電極層のラインの幅は好ましくは5〜500μm、高精細の場合より好ましくは5〜70μmである。電極層のライン幅が細すぎると抵抗値が高くなり正確な駆動が困難となる傾向にあり、太すぎると隣合う電極間の距離が小さくなるため、ショート欠陥が生じやすい傾向にある。さらに、電極層は表示セル(画素の各RGBを形成する領域)に応じたピッチで形成される。通常のPDPでは100〜500μm、高精細PDPにおいては10〜170μmのピッチで形成するのが好ましい。電極パターン形成ではペースト塗布膜のエネルギー線透過率が低いためエネルギー線照射量を多くする必要がある。このため電極ライン幅が5〜70μm、10〜170μmのピッチを形成する際に反射率11%以上のマスクを使用した場合は感光層とマスク間の乱反射を起こしやすく、マスク開口幅に対する形成ライン幅の太りは11μm以上となり、そのバラツキは±3μm以上となるためピッチを狭くするのに限界が生じる。本発明の反射率10%以下のマスクを適用すると感光層とマスク間の乱反射を抑制することができるためマスク開口幅に対する形成ライン幅の太りは10μm以下、そのばらつきは±2μm未満にすることができ、パターン形成が容易に出来る。
次いで前面板及び背面板の誘電体はガラス粉末と有機バインダーを主成分とするガラスペーストを前記電極層を覆う形で塗布した後に、400〜600℃で焼成することにより形成できる。誘電体層に用いるガラスペーストには、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化リンの少なくとも1種類以上を含有し、これらを合計で10〜80重量%含有するガラス粉末を好ましく用いることができる。10重量%以上とすることで、600℃以下での焼成が容易になり、80重量%以下とすることで、結晶化を防ぎ透過率の低下を防止する。
これらのガラス粉末と有機バインダーと混練してペーストを作成できる。用いる有機バインダーとしては、エチルセルロース、メチルセルロース等に代表されるセルロース系化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート等のアクリル系化合物等を用いることができる。また、ガラスペースト中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加えても良い。
溶媒としては、テルピネオール、ブチロラクトン、トルエン、メチルセルソルブ等の汎用溶媒を用いることができる。また、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチルフタレート等を用いることができる。ガラス粉末以外にフィラー成分を添加することにより、反射率が高く、輝度の高いPDPを得ることができる。フィラーとしては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等が好ましく、粒子径0.05〜3μmの酸化チタンを用いることが特に好ましい。フィラーの含有量はガラス粉末:フィラーの比で、1:1〜10:1が好ましい。フィラーの含有量をガラス粉末の10分の1以上とすることで、輝度向上の実効を得ることができる。また、ガラス粉末の等量以下とすることで、焼結性を保つことができる。また、導電性微粒子を添加することにより駆動時の信頼性の高いPDPを作成することができる。導電性微粒子は、ニッケル、クロムなどの金属粉末が好ましく、粒子径は1〜10μmが好ましい。1μm以上とすることで十分な効果を発揮でき、10μm以下とすることで誘電体上の凹凸を抑え隔壁形成を容易にすることができる。これらの導電性微粒子が誘電体層に含まれる含有量としては、0.1〜10重量%が好ましい。0.1重量%以上とすることで実効を得ることができ、10重量%以下とすることで、隣り合うアドレス電極間でのショートを防ぐことができる。誘電体層の厚みは好ましくは3〜30μm、より好ましくは3〜15μmである。誘電体層の厚みが薄すぎるとピンホールが多発する傾向にあり、厚すぎると放電電圧が高くなり、消費電力が大きくなる傾向にある。
また、誘電体層は所望の凹凸パターンを有する構造とすることが好ましく適用される。この場合、前記有機バインダーとしては、感光性有機成分が用いた感光性誘電体ペーストが用いられることがある。
感光性有機成分としては、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのうちの少なくとも1種類から選ばれた感光性成分を含有することが好ましく、更に、必要に応じて、光重合開始剤、光吸収剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、重合禁止剤を添加する。
感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、単官能および多官能性の(メタ)アクリレート類、ビニル系化合物類、アリル系化合物類などを用いることができる。これらは1種または2種以上使用することができる。
感光性オリゴマー、感光性ポリマーとしては、炭素−炭素2重結合を有する化合物のうちの少なくとも1種類を重合して得られるオリゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際に、これらのモノマの含有率が、10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他の感光性のモノマと共重合することができる。ポリマーやオリゴマーに不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、または、これらの酸無水物などが挙げられる。こうして得られた側鎖にカルボキシル基などの酸性基を有するポリマ、もしくは、オリゴマーの酸価(AV)は、50〜180の範囲が好ましく、70〜140の範囲がより好ましい。以上に示したポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性をもつ感光性ポリマや感光性オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。
光重合開始剤の具体的な例として、ベンゾフェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜5重量%の範囲で添加される。重合開始剤の量が少な過ぎると、光感度が低下する傾向にあり、光重合開始剤の量が多すぎると、露光部の残存率が小さくなり過ぎる傾向にある。
光吸収剤を添加することも有効である。紫外光や可視光の吸収効果が高い化合物を添加することによって、高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。光吸収剤としては、有機系染料からなるものが好ましく用いられる、具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染料、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は、焼成後の絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でも、アゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。有機染料の添加量は、0.05〜5重量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜1重量%である。添加量が少なすぎると、光吸収剤の添加効果が減少する傾向にあり、多すぎると、焼成後の絶縁膜特性が低下する傾向にある。
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらを1種または2種以上使用することができる。増感剤を感光性ペーストに添加する場合、その添加量は、感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少な過ぎると光感度を向上させる効果が発揮されない傾向にあり、増感剤の量が多過ぎると、露光部の残存率が小さくなる傾向にある。
有機溶媒としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
感光性ペーストは、通常、上記の無機微粒子や有機成分を所定の組成になるように調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散される。
前記感光性誘電体ペーストを基板上に塗布した後、所望のパターンを有するフォトマスクを介して露光・現像することにより表面に所望の凹凸パターンを有する誘電体層を形成することができる。
また、背面板においては、前記誘電体層上に隔壁層が上述の方法で形成される。 隔壁層の断面形状は台形や矩形に形成することが好ましい。隔壁層を構成する隔壁の高さは、80μm〜200μmが適している。80μm以上とすることで蛍光体とスキャン電極が近づきすぎるのを防ぎ、放電による蛍光体の劣化を防ぐことができる。また、200μm以下とすることで、スキャン電極での放電と蛍光体の距離を近づけ、十分な輝度を得ることができる。またピッチ(P)は、100μm≦P≦500μmのものがよく用いられる。また、高精細プラズマディスプレイとしては、隔壁のピッチ(P)が、10μm≦P≦170μmである。10μm以上とすることで放電空間を広くし十分な輝度を得ることができ、500μm以下とすることで画素の細かいきれいな映像表示ができる。また、高精細の場合は170μm以下にすることにより、HDTV(ハイビジョン)レベルの美しい映像を表示することができる。
また、前記隔壁と垂直方向に補助隔壁を形成したいわゆる井桁状の隔壁パターンについても本発明では好ましく形成される。
補助隔壁を形成することにより、補助隔壁の壁面にも蛍光体層を形成することができ、発光面積を大きくとることができる他、PDPの発光させるべきセル以外の誤発光を補助隔壁によって抑制することができる。従って、紫外線が効率よく蛍光面に作用するため輝度を高めることが可能である。また、補助隔壁が存在することで、隔壁全体の結合面積が広くなり、部材の構造的強度が得られる。その結果、隔壁や補助隔壁の幅を小さくすることができ、表示セル部における放電容積を大きくすることができ、放電効率をさらによくすることができる。補助隔壁の断面形状も、台形や矩形に形成することができる。
補助隔壁の高さは隔壁の高さの1/10〜1/1であることが好ましい。補助隔壁の高さを隔壁の高さの1/10以上とすることで、発光面積を大きくとることによる輝度向上の効果を得ることができる。また、蛍光体層の形成の際の混色や、プラズマディスプレイの表示の際の他色間のクロストークの発生を考慮すると、補助隔壁の高さは隔壁の高さの1/1以下とすることが好ましい。
補助隔壁を形成する位置とピッチは、前面板と合わせてプラズマディスプレイとした際に画素を区切る位置に形成することが、ガス放電と蛍光体層の発光の効率の点から好ましい。
補助隔壁の線幅は、頂部幅で、5μm〜700μm、さらには40〜600μmが好ましい。また、高精細の場合は、頂部幅で5μm〜55μmで形成するのが好ましい。補助隔壁の頂部幅を5μm以上とすることで、補助隔壁の形成工程や後工程に耐える強度を得ることができる。また700μm以下とすることで、均質で強固な焼成を行うことができる。高精細の場合は5μm〜55μmで形成することにより狭ピッチに対応した隔壁を形成することができる。
また、補助隔壁の底部幅を補助隔壁頂部幅の1.1〜1.5倍とすることが、焼成収縮により補助隔壁の跳ね上がりを防止する点で好ましい。
また、隔壁パターンの端部は、塗布幅終端部に対しその高さが減衰していく形状(テーパー状)であることが好ましい。この高さが減衰していく領域の長さは0.5〜6mm、さらには1〜4mmの範囲であることが好ましい。このような形状とすることで、隔壁層焼成収縮による端部の跳ね上がりを防止することができる。
隔壁段差を有する井桁構造の隔壁パターンの焼成時に、隔壁と補助隔壁の幅が極端に違う場合、具体的には補助隔壁の幅が隔壁幅より極端に太い場合、隔壁と補助隔壁の焼成収縮挙動の違いにより、両者の界面で隔壁が断線したり、補助隔壁に亀裂が生じたりする。
この問題に対し、本発明のように補助隔壁頂部にストライプ状の溝を形成することにより、補助隔壁の焼成収縮を緩和することができ、補助隔壁と隔壁界面での隔壁断線を抑制することができる。
次いで所定のアドレス電極と平行方向に形成された隔壁間に、R(赤)G(緑)B(青)各色に発光する蛍光体層を形成する。蛍光体層は、蛍光体粉末、有機バインダーおよび有機溶媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗着させ、乾燥し、必要に応じて焼成することにより形成することができる。
蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗着させる方法としては、スクリーン印刷版を用いてパターン印刷するスクリーン印刷法、吐出ノズルの先端から蛍光体ペーストをパターン吐出するディスペンサー法、また、蛍光体ペーストの有機バインダーとして前述の感光性を有する有機成分を用いた感光性ペースト法により各色の蛍光体ペーストを所定の場所に塗着させることができるが、コストの理由からスクリーン印刷法、ディスペンサー法が本発明では好ましく適用される。
このとき蛍光体の形成を感光性ペースト法により形成する場合本発明が好ましく適用される。
露光方法としては、前述した隔壁パターンと同様の方法で実施することができる。