JP2006310290A - ディスプレイ用前面板の製造方法およびそれを用いたプラズマディスプレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】
ガラスペーストで作製した第1誘電体層形成層と、その上に感光性ガラスペーストを塗布、乾燥しパターン加工した第2誘電体層形成層を一括焼成できる前面板誘電体層の製造方法を提供する。
【解決手段】
基板上に第1誘電体層と第1誘電体層上に形成された第2誘電体層を有するディスプレイ用前面板の製造方法であって、基板上に無機微粒子を含有する熱重合性の第1誘電体層形成層を形成する工程、第1誘電体層形成層上に無機微粒子を含有する光重合性の第2誘電体層形成層を形成してパターン加工する工程、第1誘電体層形成層とその上にパターン加工された第2誘電体層形成層を同時に焼成して第1誘電体層と第2誘電体層を形成する工程をこの順に行うことを特徴とするディスプレイ用前面板の製造方法であって、第1誘電体層形成層中の無機微粒子の軟化点Tsと、第2誘電体層形成層中無機微粒子の軟化点Tsが、下式(1)の関係を満たしていることを特徴とするディスプレイ用前面板の製造方法。
−20℃≦ Ts−Ts≦100℃ (1)
【選択図】なし

Description

本発明はプラズマディスプレイパネルの前面板誘電体層の製造方法に関するものである。
近年、DC型およびAC型プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、電界放出ディスプレイ等の大型フラットパネルディスプレイの開発が進み、一部のディスプレイはすでに上市され、大きな市場を形成しつつある。大型フラットパネルディスプレイには画素の仕切り等の諸機能を持った構造体が形成されている。例えばAC型プラズマディスプレイは、前面基板と背面基板との間に備えられた放電空間内で対向するアノードおよびカソード電極間にプラズマ放電を生じさせ、放電空間内に封入されているXe−Ne混合ガスなどの放電ガスから発生した147nm、172nmといった非常に波長が短い紫外線を、放電空間内に設けた蛍光体に照射することにより表示を行うものである。
PDPにおいては奥行きと重量の点で40インチ以上の大画面パネルとしてCRTよりも優れているが、より高い表示品位にするために、パネルの高輝度化が望まれている。放電空間に封入するガスとしてXeの高分圧化を行うことで高輝度化を達成できるが、単にXe分圧を上げただけではPDPの放電維持電圧が上昇し、消費電力が増大してしまうという欠点があった。そこで、かかる欠陥を補うために、前面板に形成する透明誘電体をパターン化し、放電が行われる部分のみ薄くした透明誘電体パターンを形成することで、消費電力の増大を防ぎ、高輝度、高効率なPDPが得られる。
透明誘電体パターンの形成方法としては、ガラス粉末と有機バインダーを主成分とする透明誘電体ガラスペーストを、スクリーン印刷やスリットダイコーター、スピンコーターなどにより所定の膜厚に塗布した後に、通常400〜610℃で焼成することにより第1層目の誘電体層を形成し、その上に感光性ガラスペーストを塗布、乾燥、露光、現像を行い第2層目の透明誘電体パターンを形成した後に、400〜610℃で焼成を行う方法が開示されている(特許文献1参照)。しかし本方法では誘電体を形成するのに焼成を2回行うため、工程数の増加や誘電体材料によっては誘電体層の下に形成した電極が着色しやすくなるという欠点がある。その他の方法として、ガラス粉末と有機バインダーを主成分とする誘電体ガラスペーストをシート化し第1の層としてガラス基板にラミネートし、その上にシート化した感光性ガラスペーストを第2の層としてラミネートし、第2の層のみ露光、現像を行いパターン形成し、2層を同時に焼成する方法が開示されている(特許文献2参照)。本方法では焼成は一括でできるが、シート化することで工程数が増えてしまい好ましくない。
特開2004−318116号公報(請求項9) 特開2003−197112号公報(実施例1)
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に着目し、高性能なディスプレイ部材およびディスプレイを実現、提供することにある。具体的には、誘電体ガラスペーストで作製した第1誘電体層形成層と、その上に感光性誘電体ペーストを塗布、乾燥しパターン加工した第2誘電体層形成層を一括焼成できる前面板誘電体層の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち本発明は基板上に第1誘電体層と第1誘電体層上に形成された第2誘電体層を有するディスプレイ用前面板の製造方法であって、基板上に無機微粒子を含有する熱重合性の第1誘電体層形成層を形成する工程、第1誘電体層形成層上に無機微粒子を含有する光重合性の第2誘電体層形成層を形成してパターン加工する工程、第1誘電体層形成層とその上にパターン加工された第2誘電体層形成層を同時に焼成して第1誘電体層と第2誘電体層を形成する工程をこの順に行うことを特徴とするディスプレイ用前面板の製造方法であって、第1誘電体層形成層中の無機微粒子の軟化点Tsと、第2誘電体層形成層中無機微粒子の軟化点Tsが、数式(1)の関係を満たしていることを特徴とするディスプレイ用前面板の製造方法である。
−20℃≦ Ts−Ts≦100℃ (1)
誘電体ガラスペーストで作製した第1誘電体層形成層と、その上に感光性誘電体ペーストを塗布、乾燥しパターン加工した第2誘電体層形成層を一括焼成でき、更に第2誘電体層形成層のパターン加工性を向上させる。
発明者らは、感光性誘電体のパターン加工性を向上させ、更に焼成工程を簡略化できる前面板誘電体の製造方法について鋭意検討を行った結果、以下に述べる製造方法によって達成されることを見出した。
すなわち本発明は無機微粒子と有機成分を含有する第1誘電体層形成層を形成する工程、第1誘電体層形成層上に無機微粒子と有機成分を含有する第2誘電体層形成層を形成してパターン加工する工程、第1誘電体層形成層とその上に形成された第2誘電体層形成層とを同時に焼成する工程をこの順に行うディスプレイ用前面板の製造方法であって、第1誘電体層形成層中の有機成分が熱重合開始剤を含有し、第2誘電体層形成層中の有機成分が光重合開始剤を含有することが重要である。ここでいう誘電体形成層とは焼成を行う前の無機微粒子と有機成分を含んだ層をいう。以下に、透明誘電体パターンについての詳細を説明する。
図1はAC型プラズマディスプレイの前面板の断面概略図を示したものである。通常、図1のように、ガラス基板2上に形成したスキャン電極3とサステイン電極4、バス電極5の上層に、放電セルとの絶縁を目的に第1層目の誘電体層(誘電体ベタ層)6を形成し、更にその上層に保護膜7を形成する。第一層目の誘電体層6の膜厚は20〜50μmであることが一般的である。セル内での発光光をより前面側に透過させるためには、膜厚は50μm以下であることが好ましい。また、膜厚が20μm以下になると、絶縁性の確保が困難になってしまう。しかしながら、図2で示すように、銀などからなるバス電極5上にのみ第2層目の誘電体層(誘電体パターン層)8を形成すれば絶縁性は確保されるので、第1層目の誘電体層7の膜厚をさらに薄くして透過率を向上させることができる。第2層目の誘電体層8の膜厚は10〜30μmとすることが好ましい。10μm以上とすることで絶縁性を有し、30μm以下にすることで、透過率を確保することができる。より好ましくは10〜25μmである。パターンの断面形状は特には限定されないが、矩形から台形であることが好ましい。ここで矩形とは頂部幅と底部幅が同じもの、台形とは頂部幅より底部幅が大きいものを言い、矩形に近い方がより好ましい。背面板に形成する隔壁は、光ができるだけ反射するように、焼成後は白色になることが求められるが、前面板は表示面側となるので、前面板に透明誘電体パターンを形成する場合は、焼成後、40μm膜厚での全光線透過率が80%以上であることが好ましい。さらに好ましくは85%以上である。20μm膜厚での全光線透過率は90%以上を保持していることが好ましい。
以下に、誘電体形成層の作成に用いるガラスペーストの組成について詳細を説明する。第1の誘電体層の作成に用いるペーストを熱重合性ガラスペースト、第2の誘電体層の作成に用いるガラスペーストを光重合性のガラスペーストと表し、以下、説明する。
(熱重合性ガラスペースト)
本発明の熱重合性ガラスペーストの有機成分としては、少なくとも無機微粒子、バインダーポリマー、モノマー、熱重合開始剤を含有し、更に必要に応じて紫外線吸光剤増粘剤、酸化防止剤、分散剤、カップリング剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤やレベリング剤等の添加成分を加えても良い。
バインダーポリマーとしては、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース化合物、高分子量ポリエーテル、アクリル系樹脂などを使用できる。アクリル系樹脂は焼成後の焼成残渣が少ないため、ポリマーとして好ましく用いることができる。例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレートなどの重合体もしくは共重合体からなるアクリル系樹脂である。また、ポリマーに炭素−炭素2重結合を有する側鎖を導入することは、重合により3次元網目構造を形成する上で非常に好ましい。
モノマーは、特に、熱重合開始剤から発生したラジカルを開始点として3次元網目構造を形成することにより、現像時の耐現像液性が向上し、また焼成時に焼成応力が発生しても亀裂や断線といった欠陥を抑制することができる。このようなモノマーとしてはモノマーとしては、活性な炭素−炭素二重結合を有する化合物が好ましく、官能基として、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリレート基、アクリルアミド基を有する単官能および多官能化合物が上げられる。
(メタ)アクリレート化合物としては、以下の一般式(2)、(3)、(4)、(5)で示されるアルキル基を有するアクリル化合物またはメタクリル化合物が好ましく用いられる。化学式(5)で示される化合物が、官能基を3つ以上有するので、特に好ましい。
Figure 2006310290
Figure 2006310290
Figure 2006310290
Figure 2006310290
ここにおいて、Rは水素またはメチル基、Rは炭素数1〜20の一価のアルキル基、アリール基、アラルキル基、R、R、Rは炭素数3以上の二価のヒドロキシアルキル基、Rは炭素数1〜20の多価のアルキル基、アリール基、アラルキル基、mは0〜30の整数、nは3〜6の整数である。
式(5)で表される化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、およびそれらのアルキレンオキサイド変成物などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明では、これらを1種または2種以上使用することができる。モノマーは、有機成分に対し、2〜40質量%の範囲で添加され、より好ましくは、5〜30質量%である。モノマーの量が少なすぎると光硬化不足になりやすく、露光部の感度低下や現像耐性の低下を引き起こす恐れがある。モノマーの量が多すぎる場合には未露光部の水に対する溶解性の低下や、架橋密度が高すぎるために焼成による脱バインダー不良を引き起こす恐れがある
熱重合開始剤は、熱重合性ガラスペーストを塗布して乾燥した後に、キュアを行うことで熱により活性ラジカルとなり、炭素−炭素2重結合のような不飽和結合の開裂反応を開始することができる。
このような熱重合開始剤は、有機過酸化物、アゾ化合物から選ばれた少なくとも一種のラジカル重合開始剤を好ましく選択することができる。具体例をあげると、有機過酸化物としては、ジプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、シクロヘキサンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどが挙げられる。アゾ化合物としては、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド(2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシメチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]などが挙げられる。特に好ましいのは前記一般式(6)で表される化合物である。
(一般式6)
Figure 2006310290
(式中、R、R10はそれぞれ水素または炭素数1〜5のアルキル基、アラルキル基を示す)
前記一般式(6)で表される化合物を用いると、有機溶剤への溶解性が非常に高く、高濃度で用いることができる。また、長期間保存しても開始剤が析出したり、開始剤が失活してしまうといった問題が発生しない。特に前記一般式(6)中の置換基R、R10が、芳香環のメタ位あるいはオルト位に存在すると、溶解性が向上するので好ましい。本発明では、これら上記の開始剤から1種または2種以上使用することができる。
バインダーポリマーとモノマーの合計100重量部に対して、熱重合開始剤の含有量は2〜30重量部の範囲である。より好ましい含有量は3〜30重量部の範囲、さらに好ましくは5〜30重量部の範囲である。3重量部より低い場合、熱重合による架橋反応が十分進行しない。また、20重量部より大きい場合、無機微粒子の分散を阻害するため好ましくない。
熱重合性ペーストを基板に塗布する時の粘度を塗布方法に応じて調整するために有機溶媒が使用される。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
(感光性ガラスペースト)
第2の誘電体形成層の作成に用いられる感光性ガラスペーストにおける有機成分としては、ポリマー、モノマーや光重合開始剤、さらに必要に応じて、紫外線吸光剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、分散剤、カップリング剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤やレベリング剤等の添加成分が挙げられる。
用いるポリマーとしては、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有するポリマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水物などのカルボキシル基含有モノマーおよびメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシアクリレートなどのモノマーを選択し、アゾビスイソブチロニトリルのような開始剤を用いて共重合することにより得られる。
カルボキシル基を有するポリマーとしては、焼成時の熱分解温度が低いことから、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸を共重合成分とするコポリマーが好ましく用いられる。とりわけ、スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体が好ましく用いられる。
カルボキシル基を有するコポリマーの樹脂酸価は50〜150mgKOH/gであることが好ましい。酸価が150mgKOH/gを越えると、現像許容幅が狭くなる。また、酸価が50mgKOH/g未満では未露光部の現像液に対する溶解性が低下する。現像液濃度を高くすると露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得られにくくなる。
側鎖にエチレン性不飽和結合を導入する方法として、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライド、マレイン酸などのカルボン酸を反応させて作る方法がある。
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどが挙げられる。とりわけ、CH2=CCH3COOCH2CHOHCH2−が好ましく用いられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネートなどがある。また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量反応させることが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有するアミン化合物の調製は、エチレン性不飽和結合を有するグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸無水物等をアミノ化合物と反応させればよい。複数のエチレン性不飽和基含有化合物を混合して用いてもよい。
本発明において水現像が可能となるポリマーとして側鎖または末端にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するアクリル系共重合体が好ましく用いられる。このようなポリマーは光硬化性とバインダー性を兼ね備えており、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物とを共重合させて形成したアクリル系共重合体にエチレン性不飽和基を側鎖または末端に付加させることによって製造することができる。好ましいのは、側鎖にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するものである。
水現像可能なアクリル系共重合体のモノマー成分として重合させるエチレン性不飽和化合物としては特に限定されないが、不飽和カルボン酸および、以下の一般式(1)で表される多価アルコールとエチレン性不飽和カルボン酸とのモノエステルを含有する化合物を含むことが好ましい。感光性ガラスペーストの塗布膜に水現像性を付与するためには、バインダーポリマーがある一定以上の水溶解性を有しなければならない。バインダーポリマーに水溶性を与えるためにポリアミドやポリエーテルなどの親水性部位を骨格に導入する方法があるが、これらをバインダーポリマーとした無機成分を含有するペーストの塗布膜は膨潤するものの、十分な水溶解性が発揮されず、現像残渣が残るので良好なパターンが得られない。そこで、バインダーポリマーの骨格ではなく、側鎖部分にヒドロキシル基やカルボキシル基といった、水溶性置換基を導入することで、バインダーポリマーに十分な水溶性を与えることが可能となる。
(一般式1)
Figure 2006310290
また、ポリエーテルやポリエステルから選ばれた親水性樹脂を含むペーストを用いれば、基板との密着性が高くなり、スプレー現像などによる激しい現像環境においても、露光部が剥がれることなくパターン加工を行うことが知られている。通常、水現像用の感光性塗布膜を露光後、アルカリ性の現像液を用いてスプレー現像を行うといった極端な現像環境では、露光部の剥がれが発生するが、本発明のように、バインダーポリマー成分としてヒドロキシル基を有する感光性アクリル樹脂を使用すれば、別成分として剥がれ防止の化合物を添加することなく高い現像耐性が得られ、アルカリ性の現像液を使用する現像環境においても露光部剥がれの防止が可能である。
多価アルコールとしては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、シクロヘキサンジメタノールなどを挙げることができる。エチレン性不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、およびこれらの酸無水物を挙げることができる。従って、多価アルコールとエチレン性不飽和カルボン酸とのエステルとは上記の多価アルコール化合物と、エチレン性不飽和カルボン酸の組み合わせによって成されるエステル化物を表す。
本発明においては、アクリル系共重合体の側鎖または末端にカルボキシル基を導入するために、共重合体の成分として不飽和カルボン酸などの不飽和酸を加える。カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸やこれらの酸無水物を挙げることができる。
上記共重合成分と重合可能なその他の共重合成分としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、アリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート、また、これらの芳香環の水素原子のうち、1〜5個を塩素または臭素に置換したモノマー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボキシメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、および上記化合物のアクリレートをメタクリレートに変えたものが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
側鎖にエチレン性不飽和結合を導入する方法として、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライド、マレイン酸などのカルボン酸を反応させて作る方法がある。
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどが挙げられる。とりわけ、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネートなどがある。また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量反応させることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.8モル当量である。付加量が0.05モル当量未満では感光特性が不良となり、パターンの形成が困難となり、1モル当量より大きい場合は、未露光部の溶解性が低下するので好ましくない。
上記の成分を重合して得られる、側鎖または末端にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するアクリル系共重合体の酸価は2〜50mgKOH/gであることが好ましい。さらに好ましくは5〜40mg/KOHである。酸価が50mgKOH/gを超えると亜鉛や鉛を含有するガラス粉末との共存下において、カルボキシル基によるイオン架橋密度が増し、ペーストのゲル化が促進され、未露光部の現像液に対する溶解性の低下やペーストポットライフの低下を引き起こす。また、酸価が2mgKOH/g以下では、未露光部の溶解性を左右するカルボキシル基の含有量が低すぎるため、未露光部の現像液に対する溶解性が著しく低下し、高精細なパターンが得られにくくなる。
また、側鎖または末端にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有するアクリル系共重合体の重量平均分子量は、5000〜20000であることが好ましく、さらに好ましくは8000〜15000である。分子量が5000未満では感光性共重合体がバインダーとしての作用が弱くなり、現像耐性が低下するので、露光部まで剥がれが発生する。また分子量が20000より大きいと現像耐性が高すぎるため、未露光部の溶解性が低下し、パターン形成が難しくなる。
本発明の感光性ガラスペーストで用いられるモノマーとしては、光反応性を有する炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物を用いることができ、例えばアルコール類(例えば、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、カルボン酸(例えば、酢酸プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸など)とアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジル、またはテトラグリシジルメテキシリレンジアミンとの反応生成物、アミド誘導体(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドなど)、エポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との反応物などを挙げることができる。また、多官能モノマーにおいて、不飽和基は、アクリル、メタクリル、ビニル、アリル基が混合して存在しても良い。
本発明では、これらを1種または2種以上使用することができる。モノマーは、有機成分に対し、2〜40質量%の範囲で添加され、より好ましくは、5〜30質量%である。モノマーの量が少なすぎると光硬化不足になりやすく、露光部の感度低下や現像耐性の低下を引き起こす恐れがある。モノマーの量が多すぎる場合には未露光部の水に対する溶解性の低下や、架橋密度が高すぎるために焼成による脱バインダー不良を引き起こす恐れがある。
本発明に用いる光重合開始剤は、ラジカル種を発生するものから選んで用いられる。光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペンアミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2ーヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリオキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジルメトキシエチルアセタール、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、N−フェニルグリシン、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどが挙げられる。
本発明では、これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、有機成分に対し、0.05〜10質量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜10質量%である。重合開始剤の量が少なすぎると光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎる場合には露光部の残存率が小さくなるおそれがある。
光重合開始剤と共に増感剤を使用して感度を向上させたり、反応に有効な波長範囲を拡大することができる。増感剤の具体例としては、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニルビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどが挙げられる。
また、増感色素を用いることも好ましい。例えば、クマリン系色素、ケトクマリン系色素、キサンテン系色素、チオキサンテン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ローダシアニン系色素、スチリル系色素、ベーススチリル系色素、ローダシアニン系色素、オキソノール系色素などを挙げることができる。
本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感光性ペーストに添加する場合、その添加量は有機成分に対して通常0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなる恐れがある。
また、紫外線吸収剤を添加することで、露光光によるペースト内部の散乱光を吸収し、散乱光を弱めることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリチル酸系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、インドール系化合物、無機系の微粒子酸化金属などが挙げられる。これらの中でもベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、インドール系化合物が特に有効である。これらの具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、インドール系の吸収剤であるBONASORB UA−3901(オリエント化学社製)、BONASORB UA−3902(オリエント化学社製)SOM−2−0008(オリエント化学社製)などが挙げられるがこれらに限定されない。さらに、これら紫外線吸収剤の骨格にメタクリル基などを導入し反応型として用いてもよい。本発明では、これらを1種以上使用することができる。
紫外線吸収剤の添加量は、感光性ガラスペースト中に0.001〜10質量%、より好ましくは、0.005〜5%の範囲である。これらの範囲を外れると、透過限界波長および波長傾斜幅が変化し、散乱光の吸収能力が不足したり、露光光の透過率が下がり、感光性ペーストの感度が低下するので注意を要する。
また、本発明では、露光、現像の目印として有機系染料を添加することができる。染料を添加して着色することにより視認性が良くなり、現像時にペーストが残存している部分と除去された部分との区別が容易になる。有機染料としては、特に限定はされないが、焼成後の絶縁膜中に残存しないものが好ましい。具体的には)系染料、アントラキノン系染料、インジゴイド系染料、フタロシアニン系染料、カルボニウム系染料、キノンイミン系染料、メチン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、フタルイミド系染料、ペリノン系染料などが使用できる。特に、h線とi線付近の波長の光を吸収するもの、例えばベーシックブルー等のカルボニウム系染料を選択するのが好ましい。有機染料の添加量は0.001〜1質量%であることが好ましい。
本発明の感光性ガラスペーストにおいては、シランカップリング剤またはチタンカップリング剤(以降、カップリング剤)を含有することが好ましい。使いやすさやコストの面から、シランカップリング剤が特に好ましい。シランカップリング剤とは、無機材料に対して親和性あるいは反応性を有する加水分解性のシリル基に、有機物に対して親和性あるいは反応性を有する有機官能性基を化学的に結合させた構造を持つシラン化合物であり、チタンカップリング剤はシラン部分をチタンに置換した構造を有するものである。カップリング剤をペーストに添加することで、ガラス基板を用いる場合の基板や無機物を含有する材料などと、有機成分を含有するパターンとの密着力が向上する。以下、シランカップリング剤に特定して説明する。
シランカップリング剤において、ケイ素に結合した加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン、アセトキシ基が挙げられるが、通常、アルコキシ基、特にメトキシ基やエトキシ基が好ましく用いられる。
有機官能基としては、アミノ基、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、アルキル基、アリル基などを挙げることができる。具体的にはN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノメチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどを挙げることができる。本発明ではこれらのカップリング剤1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。また、カップリング剤1種を用いた自己縮合物や、2種以上を組み合わせた異種縮合物を使用してもよい。
本発明においては、カップリング剤の重量平均分子量が200〜1000であることが好ましく、250〜500であることがより好ましい。重量平均分子量が200以上であることで、ペースト塗布膜の乾燥時の蒸発を抑制することができ、1000以下であることで、焼成時の熱分解性を良好に保つことができる。
カップリング剤は、30℃から100℃まで10℃/分で昇温後、100℃で2時間保持した時の重量保持率が80質量%以上であることが好ましい。80質量%以上とすることで、ペースト塗布膜乾燥時のカップリング剤の揮発を抑制し、乾燥後のガラス基板とパターンの密着力が向上することによって高精細なパターン形成時でも露光量マージンを向上させることができる。カップリング剤は常温においても、無機微粒子含有ペーストに含まれる無機微粒子と縮合反応などを通して化学的に結合し、揮発性を有しなくなるため、カップリング剤単独の重量保持率が80質量%以上有すれば十分であるが、90質量%以上のものをさらに好ましく用いることができる。
カップリング剤の有機官能基としては、感光性の官能基が良く、エチレン性不飽和基が好ましい。具体的にはメタクリル基、アクリル基、ビニル基を挙げることができる。これらの有機官能基を有するカップリング剤は、ラジカル重合性のモノマーとしても作用し、露光時に無機微粒子と有機成分の境界付近の光硬化度を向上することができるので、現像液の染み込みなどによるパターンの蛇行を抑制することができる。
感光性ペーストを基板に塗布する時の粘度を塗布方法に応じて調整するために有機溶媒が使用される。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
(ガラスペーストに用いられる無機微粒子)
本発明における熱重合性ガラスペースト、感光性ガラスペーストの無機微粒子は、ガラス、セラミックス、Au、Ni、Ag、Pd、Ptなどの導電性粉末の無機微粒子であり、特に本発明において有用であるのは、ガラス微粒子を用いた場合である。ガラス微粒子としては、ガラス軟化点が400〜600℃の低軟化点ガラスをペースト中に含有することが好ましい。ここで言う低軟化点ガラスとは軟化点が600℃以下のガラスを意味する。通常、誘電体ペーストは480℃〜650℃での焼成を行う。従って、ガラス軟化点が400℃未満では、焼成時のガラスの流動性が高すぎるためにパターン形状が崩れてしまい、600℃以上ではガラス粉末の焼結が起こらないので、透明化しない。より好ましくは450℃〜580℃である。
また、第1誘電体層形成層を形成するガラスペースト(熱重合性ガラスペースト)中の無機微粒子の軟化点Tsと第2誘電体層形成層を形成するガラスペースト(感光性ガラスペースト)中の無機微粒子の軟化点Tsの差は、次の式で表されるのが好ましい。
−20℃≦Ts−Ts≦100℃
TsよりもTsの方が20℃以上高い場合は、焼成時に第2誘電体層形成層の誘電体パターンが第1誘電体層形成層中に沈むおそれがある。TsよりもTsの方が100℃以上高い場合は、第2誘電体層形成層のパターンに対して焼成温度が高くなりすぎるためパターンがだれてしまう。より好ましくは0℃≦Ts−Ts≦50℃で、最も好ましくは第1誘電体層形成層を形成するガラスペースト中の無機微粒子と第2誘電体層形成層を形成する感光性ガラスペースト中の無機微粒子が同一のものを用いる場合である。同一の無機微粒子を用いることで熱膨張系数が同じになり、焼成時にかかるストレスが減少する。
本発明においてガラスペースト中の固形分には無機微粒子を55〜75体積%含有するのが好ましい。無機微粒子が55体積%以下では、焼成後のガラス充填率が低いため膜表面が荒れてしまい透過率が悪くなってしまう。また、無機微粒子が75体積%以上では、有機成分の割合が少なくなり熱硬化不足で第2誘電体層形成層を塗布した時に第1誘電体層形成層に染み込んでしまいパターン加工ができなくなってしまう。
感光性ガラスペースト中の固形分には上記のガラス軟化点が400〜600℃の無機微粒子を35〜50体積%の範囲で含有することが好ましい。ガラス粉末の含有量が少なすぎると、焼成によるパターンの収縮が大きくなり、形状が不良となる。また、多すぎるとペースト中の無機微粒子が分散不良となり感光特性が低下するのでパターン形成が難しくなる。
前面板透明誘電体に用いられる熱重合性ガラスペースト、感光性ガラスペーストの無機微粒子として好ましく使用できる低軟化点ガラスは焼成後に透明性を示すものが好ましく、公知のガラス絶縁材料が適用できるが、例えば鉛ホウ珪酸ガラスや、ビスマスホウ珪酸、亜鉛ホウ珪酸などが挙げられる。
したがって、ガラス粉末が酸化物換算表記で、
酸化鉛 0〜80質量%、
酸化ビスマス 0〜80質量%、
酸化亜鉛 0〜80質量%
の組成範囲からなるものを主成分とし、上記以外のガラス形成成分として、
酸化ホウ素 2〜40質量%、
酸化ケイ素 2〜30質量%、
酸化バリウム 1〜30質量%
の組成範囲からなるものを含有することが好ましい。この範囲であれば、ガラス転移温度が350〜550℃であり、焼成後に可視光透過率の高いガラス粉末を得ることができる。
上記ガラス成分のうち、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛はガラスを低融点化する成分であり、本発明においてはそのいずれか1種は含有することが好ましく、その含有量は合計量が低融点ガラスに対して40〜80質量%であることが好ましい。40質量%未満ではガラス転移温度が550℃以上になり、焼成が困難となる。80質量%より多く含有すると、ガラス化が困難となる他、熱膨張係数が大きくなり、焼成においてクラックが発生する恐れがある。より好ましい含有量は合計で50〜75質量%である。
酸化ホウ素はガラスを安定化させ、焼成時の流動性を増加させる成分である。また低屈折率化にも有効であり、2〜40質量%の範囲で配合することが好ましく、より好ましくは5〜30質量%である。2質量%以上とすることで、ガラス転移点、荷重軟化点を低く抑えガラス基板への焼き付けを容易にする。また、40質量%以下とすることでガラスの化学的安定性を維持することができる。
酸化ケイ素はガラスの緻密性、強度や安定性の向上に有効であり、また、ガラスの低屈折率化にも効果がある。その配合量は2〜30質量%が好ましい。2質量%以上とすることで、熱膨張係数を小さく抑えガラス基板に焼き付けた時にクラックを生じない。30質量%以下とすることで、ガラス転移点、荷重軟化点を低く抑え、ガラス基板への焼き付け温度を低くすることができる。
酸化バリウムはガラス化範囲を広くするために有効な成分である。また、熱膨張係数の調整に有効であり、焼き付け温度の基板の耐熱性への適用、電気絶縁性、形成される誘電体パターンの安定性や緻密性の点でも好ましく、1〜30質量%の範囲で配合することが好ましい。より好ましくは2〜25質量%以下である。1質量%以上とすることで結晶化による失透を防ぐこともできる。また、30質量%以下とすることにより、熱膨張係数を小さく抑え、屈折率も小さく抑えることができる。またガラスの化学的安定性も維持できる。
また、上記以外の成分として酸化リチウム、酸化ナトリウムや酸化カリウムのアルカリ金属酸化物のうち少なくとも1種を用いて含有してもよい。含有させる場合は、その合計量が低融点ガラスに対して25質量%以下であることが好ましい。アルカリ金属酸化物は、ガラスの荷重軟化点、熱膨張係数のコントロールを容易にするのみならず、ガラスの屈折率を低くすることができるため、感光性有機成分との屈折率差を小さくすることが容易になる。アルカリ金属酸化物の合計量が25質量%以下とすることでガラスの化学的安定性を維持すると共に熱膨張係数を小さく抑えることができる。アルカリ金属としては、ガラスの屈折率を下げることやイオンのマイグレーションを防止することを考慮するならリチウムを選択するのが好ましい。
上記成分の他にも、低融点ガラスの軟化点、熱膨張係数、透明性、安定性、耐候性などを調節するために、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化セレンなどを適宜配合してもよい。これらの成分は配合しすぎるとガラスの安定を損なうので、合計量が10質量%以下であることが好ましい。
ガラス粉末の作製法としては、例えば原料である酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化バリウムなどを所定の配合組成となるように混合し、900〜1200℃で溶融後、急冷し、ガラスフリットにしてから粉砕して1〜5μmの微細な粉末にする。原料は高純度の炭酸塩、酸化物、水酸化物などを使用できる。また、ガラス粉末の種類や組成によっては99.99%以上の超高純度なアルコキシドや有機金属の原料を使用し、ゾル・ゲル法で均質化に作製した粉末を使用すると高電気抵抗で緻密な気孔の少ない、高強度な絶縁層が得られるので好ましい。
(前面板誘電体の作製方法)
以下に、前面板透明誘電体の作製方法についての詳細を説明する。
第1誘電体層形成層の形成方法は、まず、熱重合性ガラスペーストをガラス基板に塗布する。塗布方法は、バーコーター、ロールコーター、スリットダイコーター、ブレードコーター、スクリーン印刷等の方法を用いて塗布する。塗布厚みは、所望の透明誘電体の高さとペーストの焼成による収縮率を考慮して決めることができる。次に塗布膜を乾燥し、キュアを行う。キュア条件としては、通常、140〜300℃で3〜30分が適当である。
好ましくは、150〜250℃である。150℃よりも低い場合には、キュアの効果が得にくく、第2誘電体層形成層を塗布したときに第1誘電体層形成層に染み込んでしまいパターン加工ができなくなってしまう。また、一括で焼成したときに隔壁に亀裂が生じやすくなる。250℃よりも高い場合には、感光性ペーストの熱重合が促進されすぎて、感光特性が悪くなり第2層の形状不良が生じる割合が多くなるからである。乾燥、キュアには熱風乾燥機やIR乾燥機を用いることができる。
次に第2誘電体層形成層の形成方法は、まず感光性ガラスペーストをキュアした第1誘電体層形成層上に塗布する。ここで感光性とは、感光性ペーストが活性光線の照射を受けた場合に、光架橋、光重合、光解重合、光変性などの反応を通して感光性有機成分の化学構造が変化することを意味する。塗布方法は、バーコーター、ロールコーター、スリットダイコーター、ブレードコーター、スクリーン印刷等の方法を用いて塗布する。塗布厚みは、所望の透明誘電体の高さとペーストの焼成による収縮率を考慮して決めることができる。次に塗布膜を乾燥し、露光する。露光に使用される活性光線は、紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどが使用される。超高圧水銀灯を光源とした平行光線を用いる露光機が一般的である。露光パターンはストライプ状パターンでも格子状パターンでもどちらでもよい。ここで、感光性ペーストの塗布膜を最適露光量で露光し、現像を行うと矩形または台形のパターンを形成することができる。ここでいう最適露光量とは、現像後のパターンと基板との密着性が良好で、パターン形状が矩形または台形になる時の露光量をいう。しかし、露光機などによる露光量のばらつきを考慮すると、広い範囲の露光量で最適露光量と同じ形状のパターンが形成される必要がある。第2誘電体層形成層パターンの形成では、露光量は500mJ/cm2以下でより広い範囲のものが好ましく、本方法は、焼成した第1誘電体上で第2誘電体層形成層パターンを加工する(特許文献1参照)よりも広い範囲の露光量で矩形または台形のパターン形状を得ることができる。
現像は通常、浸漬法やスプレー法、ブラシ法等で行う。現像液としては感光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒やアルカリ水溶液を用いることができる。アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウムや、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム水溶液、アミノエタノール水溶液等を使用することができる。また、環境面への影響を考え、本発明の感光性ペーストは、現像液として水を用いることもできる。
得られた基板を乾燥した後焼成し、第1誘電体層形成層はベタ層で第2誘電体層形成層はパターン層の2層体の透明誘電体が形成できる。焼成温度は第1誘電体層形成層と第2誘電体層形成層に含有されている低軟化点ガラスのガラス軟化点の高い方の軟化点を考慮して決めるのが好ましい。
以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。まず、屈折率測定、ガラス軟化点の測定、全光線透過率の測定方法、パターン形状の観察方法、露光量マージンの評価方法、焼成後パターンの評価方法、ガラスペーストの作製方法について説明する。
(屈折率測定)
有機成分の屈折率は、ペースト中の有機成分だけを調整して、塗布および乾燥工程後に、エリプソメトリー法によって、25℃における436nmの波長の光に関して測定を行った。ガラスの屈折率は、液浸法により測定した。ガラス粒子を幾つかの屈折率浸液に浸し、光学顕微鏡で粒子と浸液との境界に発生するベッケ線が消失したときの浸液の屈折率をガラスの屈折率とした。
(ガラスの軟化点の測定)
ガラスを試料ホルダーに封入し、示差走査熱量計(“DSC−600E”島津製作所製)を用い、10℃/分で30℃から700℃まで昇温した。得られた吸熱ピークのピークトップの温度をガラス軟化点とした。
(全光線透過率の測定方法)
第1誘電体層形成層上に第2誘電体層形成層用感光性ガラスペーストを塗布、乾燥し、パターン加工を行わずに焼成を行った。焼成後誘電体層の550nmの全光線透過率を分光光度計(日立製作所(株)製、U−3410)を用いて測定した。膜厚40μm換算値の全光線透過率が80%以上を○、70%〜80%未満を△、70%未満を×とした。
(パターン形状の観察)
基板を切断して小片にし、ストライプパターンの長手方向と垂直な断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所S2400)で観察した。
(露光量マージンの評価方法)
第1誘電体層形成層上に第2誘電体層形成層用感光性ガラスペーストを塗布、乾燥し、その第2誘電体層形成層を100mJ/cm2、200mJ/cm2、300mJ/cm2、400mJ/cm2、500mJ/cm2の各露光量でストライプパターンのマスクを介して露光を行い、次に現像を行ってパターンを形成した。現像後のパターンの状態より各露光量における加工結果を判定した。パターン形成ができて形状が矩形又は台形の場合を○、パターン形成はできたが形状が矩形又は台形以外の場合を△、はがれや埋まりによりパターン形成できなかった場合を×とした。加工結果が○となった露光量の範囲を露光量マージンとした。
(焼成後パターンの評価方法)
焼成後パターンの膜厚が、焼成前パターン膜厚の30%以上であれば○、29%以下ならば×とした。パターン膜厚とは、凸部の中心の高さ−凹部の中心の高さを言う。
(ペーストの作製方法)
有機成分の各成分を混合、溶解し、その後、ガラス微粒子を添加し、3本ローラーで混練することによってガラス微粒子および有機成分からなるペーストを作成した。ペーストは遠心脱泡機により脱泡した。
用いた無機微粒子の組成を表1に、有機成分の組成を表2に示す。表2中の有機成分の詳細は以下の通りである。
Figure 2006310290
Figure 2006310290
ポリマー1:エチルセルロース
ポリマー2:アクリル酸30%、メチルメタクリレート40%、グリセリンモノアクリレート30%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.9モル当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させた感光性アクリル系重合体。酸価10mgKOH/g、重量平均分子量9000。
ポリマー3:アクリル酸30%、メチルメタクリレート40%、グリセリンモノアクリレート30%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.6モル当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させた感光性アクリル系重合体。酸価80mgKOH/g、重量平均分子量9500。
ポリマー4:アクリル酸15%、メチルメタクリレート45%、グリセリンモノアクリレート40%からなる共重合体のカルボキシル基に対して1.0モル当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させた感光性アクリル系重合体。酸価3mgKOH/g、重量平均分子量15000。
ポリマー5:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=40/30/30からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリル酸メチルを付加反応させたもの(重量平均分子量43000、酸価100)。
モノマー1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
モノマー2:1−メチル−2−ヒドロキシエチルアクリレートと1,1,1−トリメタノールプロパンのトリエーテル
V−40:1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)
IC369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1
スダンIV:アゾ系赤色染料、C2420
γ−BL:γ−ブチロラクトン
MMB:3−メトキシ−3−メチル−ブタノール
(実施例1)
第1誘電体層形成層用ペースト1を5インチ角のガラス基板(PD−200;旭硝子(株)製)上に、スリットダイコーターを用いて80μmの塗布厚みになるように塗布を行い、85℃で60分乾燥した後、160℃で30分キュアし第1誘電体層形成層を得た。第1誘電体層形成層のキュア後膜厚は40μmとなった。
次に、キュアした第1誘電体層形成層上に第2誘電体層形成層用ペースト1をスリットダイコーターを用いて90μmの塗布厚みになるように塗布を行った後、70℃で30分乾燥した。第2誘電体層形成層の乾燥後塗布厚みは50μmとなった。
次に、フォトマスクを介して露光を行った。フォトマスクとして、ストライプパターンのエマルジョンマスクを用いた。この時、マスクが汚染されるのを防ぐためマスクと塗布面に100μmのギャップを設けた。露光は300mJ/cm2で紫外線露光を行った。その後、35℃に保持したpH=7.0の純水をシャワーで30秒間かけることにより現像を行い、光硬化していない部分を除去して第2誘電体層形成層のみパターンを形成した。
さらに、得られた2層体基板を80℃で5分乾燥した後、最高温度580℃(最高温度保持時間15分)で焼成し、第1誘電体層形成層が30μm、第2誘電体層形成層のパターンが20μmの透明誘電体層を得た。露光量マージンは100〜500mJ/cm2 であった。
(比較例1)
第1誘電体層形成層用ペースト4を5インチ角のガラス基板(PD−200;旭硝子(株)製)上に、スリットダイコーターを用いて80μmの塗布厚みになるように塗布を行い、85℃で60分乾燥した後、最高温度580℃(最高温度保持時間15分)で焼成し、第第1誘電体層形成層を得た。
次に、焼成した第1誘電体層形成層上に第2誘電体層形成層用ペースト1を実施例1と同様の方法でパターン加工及び焼成を行い、透明誘電体を形成した。焼成した第1誘電体層形成層上で第2誘電体層形成層をパターン加工したため、実施例1に比べて露光量マージンが狭まった。
(比較例2)
第1誘電体層形成層用ペースト4を5インチ角のガラス基板(PD−200;旭硝子(株)製)上に、スリットダイコーターを用いて80μmの塗布厚みになるように塗布を行い、85℃で60分乾燥し、第1誘電体層形成層を得た。
次に、第1誘電体層形成層上に第2誘電体層形成層用ペースト1を実施例1と同様の方法で塗布、乾燥、パターン加工した。第2誘電体層形成層が第1誘電体層形成層上にしみ込みパターン形成出来なかった。
(実施例2)
第1誘電体層形成層用ペースト1の代わりに第1誘電体層形成層用ペースト2を用いること以外は実施例1と同様の方法で透明誘電体層を得た。露光量マージン評価は実施例1と同じであったが、第1誘電体層形成層用ペースト2中の無機微粒子の割合が実施例1よりも少ないため、焼成後のガラス充填率が低くなり第1誘電体層形成層の表面が荒れ、透過率が実施例1よりも低くなったが、二層一括焼成で透明誘電体は形成できた。
(実施例3)
第2誘電体層形成層用ペースト1の代わりに第2誘電体層形成層用ペースト2を用いること以外は実施例1と同様の方法で透明誘電体層を得た。第2誘電体層形成層用ペースト中の無機微粒子の割合が多いため分散不良となり、現像後にパターンに空洞ができた。
(実施例4)
第2誘電体層形成層用ペースト1の代わりに第2誘電体層形成層用ペースト3を用いること以外は実施例1と同様の方法で透明誘電体層を得た。酸価が高い共重合体を使用したため、現像後パターンに若干残渣があり、焼成後膜の透過率も実施例1より低かった。
(実施例5)
第2誘電体層形成層用ペースト1の代わりに第2誘電体層形成層用ペースト4を用いること以外は実施例1と同様の方法で透明誘電体層を得た。酸価が低い共重合体を使用したため、露光量マージンが悪化したがパターン形成は可能であり、全光線透過率も良好であった。
(実施例6)
第2誘電体層形成層用ペースト1の代わりに第2誘電体層形成層用ペースト5を用いることと、現像液に0.2%2−アミノエタノール水溶液を用いること以外は実施例1と同様の方法で透明誘電体層を得た。実施例1とほぼ同等の性能を得た。
(実施例7)
第1誘電体層形成層用ペースト1の代わりに第1誘電体層形成層用ペースト5を、第2誘電体層形成層用ペースト5の代わりに第1誘電体層形成層用ペースト6用いること以外は実施例6と同様の方法で、透明誘電体層を得た。第1誘電体層形成層に含まれる無機微粒子のガラス軟化点が第2誘電体層形成層に含まれる無機微粒子のガラス軟化点よりも19℃低いため、焼成時に、実施例6よりも第2誘電体層形成層パターンが第1誘電体層形成層中に沈んでしまい、焼成後パターン膜厚は、焼成前パターン膜厚の31%であった。
(実施例8)
第2誘電体層形成層用ペースト5の代わりに第2誘電体層形成層用ペースト7を用いること以外は実施例6と同様の方法で、透明誘電体層を得た。第2誘電体層形成層に含まれる無機微粒子のガラス軟化点が第1誘電体層形成層に含まれる無機微粒子のガラス軟化点よりも55℃低いため、焼成時に、実施例6よりもパターンがだれやすくなった。焼成後パターン膜厚は、焼成前パターン膜厚の36%であった。
(実施例9)
第1誘電体層形成層用ペースト1の代わりに第1誘電体層形成層用ペースト6を、第2誘電体層形成層用ペースト5の代わりに第1誘電体層形成層用ペースト8を用いること以外は実施例6と同様の方法で、透明誘電体層を得た。第2誘電体層形成層に含まれる無機微粒子のガラス軟化点が第1誘電体層形成層に含まれる無機微粒子のガラス軟化点よりも95℃低いため、焼成時に、実施例8よりもパターンがだれやすくなった。焼成後パターン膜厚は、焼成前パターン膜厚の33%であった。
(比較例3)
第1誘電体層形成層用ペースト1の代わりに第1誘電体層形成層用ペースト3を用いること以外は実施例6と同様の方法で、透明誘電体層を得た。第1誘電体層形成層に含まれる無機微粒子のガラス軟化点が第2誘電体層形成層に含まれる無機微粒子のガラス軟化点よりも55℃低いため、焼成時に第2誘電体層形成層パターンが第1誘電体層形成層中に沈んでしまい、焼成後パターン膜厚は、焼成前パターン膜厚の10%であった。
(比較例4)
第2誘電体層形成層用ペースト5の代わりに第2誘電体層形成層用ペースト9を用いること、以外は実施例6と同様の方法で、透明誘電体層を得た。第2誘電体層形成層に含まれる無機微粒子のガラス軟化点が第1誘電体層形成層に含まれる無機微粒子のガラス軟化点よりも121℃低いため、焼成時にパターンがだれやすくなり、焼成後パターン膜厚は、焼成前パターン膜厚の25%であった。
実施例1〜9、比較例1〜4で用いたペーストの無機微粒子、有機成分を表3に、結果を表4に示した。
Figure 2006310290
Figure 2006310290
(実施例10)
誘電体積層パターン層を形成したプラズマディスプレイの前面板は以下のように作成した。まず、340×260×2.8mmサイズの旭硝子株式会社製ガラス基板“PD200”上に、ITOを用いて、スキャン電極のストライプパターンとサスティン電極のストライプパターンの対からなる透明電極パターンを形成した。スキャン電極とサスティン電極の線幅はそれぞれ、300μm、厚みは100nmとした。スキャン電極とサスティン電極のギャップは80μmとした。透明電極パターンのピッチは1080μmとした。
次に透明電極パターン上にバス電極のストライプパターンの対からなるバス電極パターンを形成した。バス電極のストライプパターンの厚みは3μm、幅は100μm、隣り合うストライプパターンのギャップは440μmとした。バス電極は図1および図2のように、透明電極パターンの端部に沿って、透明電極パターンと平行になるように形成した。バス電極パターンの形成には感光性ペースト法を用いた。バス電極ペーストの組成は、次の通りとした。
銀粒子(平均粒子径1.5μm、比表面積0.80m/g):150重量部
アクリル系共重合体F−12:12重量部
モノマーG−2:6重量部
2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1:3重量部
γ−ブチロラクトン:18重量部
バス電極ペーストを乾燥後厚みが5μmとなるように、スクリーン印刷法(印刷版:SUS#325)により、塗布し、90℃、10分間乾燥した。乾燥後、ピッチ1080μm、線幅105μmのストライプパターンを有するネガ型クロムマスクをセットして露光した。露光後、0.5%エタノールアミン水溶液中で現像し、その後、熱風乾燥機を用いて、200℃、15分の加熱を行うことにより、所望のパターンを得た。
次に、実施例1の方法に従い、誘電体層を形成した。図2と同様にバス電極を覆うような位置に合わせた、線幅700μm、ピッチ1080μmのストライプ状を有するネガ型クロムマスクを用いて、上面から30mW/cm出力の超高圧水銀灯で紫外線露光した。露光量は300mJ/cmとした。
次に、35℃に保持したpH=7の水を噴射圧2kg/cmのシャワー現像により現像し、光硬化していないスペース部分を除去してストライプ状の誘電体パターン層を形成した。さらに、575℃で15分間保持して焼成することにより、誘電体積層パターンを得た。
誘電体層を形成した基板上に、電子ビーム蒸着により保護膜として、厚み1.0μmの酸化マグネシウム層を形成して前面板を作成した。
背面板は以下のように作成した。まず、340×260×2.8mmサイズの旭硝子株式会社製ガラス基板“PD200”上に、前面板の電極ペーストの形成と同様の手法により、ピッチ240μm、線幅80μm、厚み3μmのアドレス電極のストライプパターンを形成した。
次に、誘電体ペーストを用いて、厚み10μmの誘電体層を形成した。誘電体ペーストの組成は、次の通りとした。
ガラス転移点475℃、軟化点515℃のビスマス系ガラス:40重量部
エチルセルロース(数平均分子量80000):5重量部
テルピネオール:40重量部
誘電体ペーストを乾燥後厚みが20μmとなるように、スクリーン印刷法(印刷版:SUS#325)により、塗布し、90℃、10分間乾燥した。乾燥後、580℃、15分間焼成することにより、厚み10μmの誘電体層を形成した。
次に、厚み120μm、線幅(底部幅)100μm、ピッチ240μmのストライプ状の隔壁パターンを形成した。図1および図2に示すように隣り合う隔壁の中間にアドレス電極を配した。隔壁の形成には感光性の隔壁ペーストを用いた。隔壁ペーストの組成は次の通りである。
ガラス転移点491℃、軟化点528℃のガラス粉末:24重量部
ガラス転移点652℃のフィラー粉末:6重量部
アクリル系共重合体F−12:7重量部
モノマーG−2:3重量部
2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1:1.5重量部
ウレタン化合物UA−3348PE:1.5重量部
隔壁ペーストを乾燥後厚みが180μmになるように塗布し、100℃、30分乾燥した。乾燥後、線幅70μm、ピッチ240μmのストライプ状を有するネガ型クロムマスクを用いて露光した。露光後、0.5%エタノールアミン水溶液中で現像した後に、590℃、30分焼成を行うことにより所望の隔壁パターンを得た。隔壁パターン内に赤、緑、青の蛍光体層を形成して背面板を完成した。
前面板と背面板の各電極が垂直に位置するように配置し、酸化鉛、酸化ホウ素、セラミックフィラーなどからなるガラスフリットを用いて、前面板と背面板の封着を行った。封着後、封着した前面板と背面板内部を350℃程度に加熱しながら真空排気を行い、室温に冷却後Xe5%−Ne bal.ガスを66.5kPaまで封入した。最後に、駆動回路を実装し、24時間のエージングを行いPDPを完成した。
このパネルに電圧を印加して表示を観察した。輝度が明るく、かつ表示不良のない良好なディスプレイを得ることができた。
通常の透明誘電体を有するAC型プラズマディスプレイ前面板の断面図である。 パターン化した透明誘電体を有するAC型プラズマディスプレイ前面板の断面図である。
符号の説明
1:前面板
2:ガラス基板(前面基板)
3:スキャン電極
4:サステイン電極
5:バス電極
6:第1の誘電体層
7:酸化マグネシウム保護膜
8:第2の誘電体層

Claims (6)

  1. 基板上に第1誘電体層と第1誘電体層上に形成された第2誘電体層を有するディスプレイ用前面板の製造方法であって、基板上に無機微粒子を含有する熱重合性の第1誘電体層形成層を形成する工程、第1誘電体層形成層上に無機微粒子を含有する光重合性の第2誘電体層形成層を形成してパターン加工する工程、第1誘電体層形成層とその上にパターン加工された第2誘電体層形成層を同時に焼成して第1誘電体層と第2誘電体層を形成する工程をこの順に行うことを特徴とするディスプレイ用前面板の製造方法であって、第1誘電体層形成層中の無機微粒子の軟化点Tsと、第2誘電体層形成層中無機微粒子の軟化点Tsが、下式(1)の関係を満たしていることを特徴とするディスプレイ用前面板の製造方法。
    −20℃≦ Ts−Ts≦100℃ (1)
  2. 前記第2誘電体層形成層が下記一般式(1)で表される多価アルコールとエチレン性不飽和カルボン酸とのモノエステルを共重合体成分とする感光性アクリル系共重合体を含有することを特徴とする請求項1記載のディスプレイ用前面板の製造方法。
    Figure 2006310290
    (式中、R、Rはそれぞれ独立に水素またはヒドロキシル基または炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し、nは1〜5の整数を表す。)
  3. 感光性アクリル系共重合体が側鎖または末端にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有することを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ用前面板の製造方法。
  4. 第1誘電体形成層中の無機微粒子の割合が55体積%以上75体積%以下である請求項3記載のディスプレイ用前面板の製造方法。
  5. 第2誘電体形成層中の無機微粒子の割合が35体積%以上50体積%以下である請求項4記載のディスプレイ用前面板の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のディスプレイ用前面板の製造方法によって得られたディスプレイ用前面板を用いたことを特徴とするプラズマディスプレイ。
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