JP2006145750A - 感光性ペースト、それを用いたプラズマディスプレイ用パネルの製造方法およびプラズマディスプレイ用パネル - Google Patents

感光性ペースト、それを用いたプラズマディスプレイ用パネルの製造方法およびプラズマディスプレイ用パネル Download PDF

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Abstract

【課題】水による現像が可能で、焼成後に緻密な透明誘電体パターンが形成できる感光性ガラスペーストおよびそれを用いたプラズマディスプレイ部材を提供する。
【解決手段】少なくとも無機微粒子と感光性有機成分を含むペーストであって、感光性有機成分として側鎖にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する感光性アクリル系共重合体を含み、該アクリル系共重合体の共重合成分として、下記一般式(1)で表される多価アルコールとエチレン性不飽和カルボン酸とのモノエステルを含有することを特徴とする感光性ペーストとする。
【化1】
Figure 2006145750

【選択図】なし

Description

本発明はプラズマディスプレイ用パネルの絶縁層や隔壁あるいは電極を形成するために用いられる感光性ペースト、それを用いたプラズマディスプレイ用パネルおよびその製造方法およびプラズマディスプレイ用パネルに関するものである。
プラズマディスプレイは液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、かつ大型化が容易であることから、オフィス・オートメーション機器および広報表示装置などの分野に利用されている。また、高品位テレビジョンの分野などでの進展が非常に期待されている。
プラズマディスプレイは、前面ガラス基板と背面ガラス基板との間に備えられた放電空間内で対向するアノード電極とカソード電極間にプラズマ放電を生じさせ、上記放電空間内に封入されているガスから発生した紫外線を、放電空間内に設けた蛍光体に照射することにより表示を行うものである。
プラズマディスプレイにおいては奥行きと重量の点で40インチ以上の大画面パネルとして陰極線管(CRT)よりも優れているが、より高い表示品位にするために、パネルの高輝度化が望まれている。放電空間に封入するガス中のキセノン(Xe)の高分圧化を行うことで高輝度化を達成できるが、単にXe分圧を上げただけでは放電維持電圧が上昇し、消費電力が増大してしまうという欠点があった。かかる欠点を補うために、前面板に形成する透明誘電体をパターン化し、バス電極上のみ膜厚を厚くし、発光部分は薄くした透明誘電体パターンを形成することで消費電力が増大するのを防ぎ、高輝度・高効率なプラズマディスプレイを得ることができる。
透明誘電体のパターン化にはスクリーン印刷法やサンドブラスト法、フォトリソグラフィー法が用いられる。しかしながら、通常のスクリーン印刷法では塗布・乾燥を繰り返し行わなければならず、また下層部に設ける電極とガラスペーストの印刷場所との位置合わせが必要であり、近年必要とされる高密度なパターンの形成は難しい。また、サンドブラスト法では透明誘電体を三次元的に加工することは困難であることや、切削したガラス組成物を回収することができないなどの問題がある。これに対し、フォトリソグラフィー法は透明誘電体のような膜厚50μm以下のパターン化にも好適である。フォトリソグラフィー法として、側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体をバインダー樹脂とした感光性ペーストを用いる方法(特許文献1参照)が提案されている。しかしながらこの方法では、アルカリ性の現像液を使用しなければならず、環境に対して悪影響を及ぼす問題があった。このようなアルカリ現像の欠点を補う手法として、ポリエーテル、ポリエステル等の非感光性の水溶性樹脂と反応性希釈剤を用いて水またはアルカリ水溶液によって現像する方法が提案されているが(特許文献2参照)、ポリエーテルやポリエステルでは十分な水溶性が得られないうえに、樹脂が非感光性のため、露光を行っても十分な光硬化がなされず、現像液に対して十分な耐性が得られないので、現像剥がれが頻繁に起こるという問題があった。さらに、ヒドロキシル基を含有するアクリル樹脂と共に、非感光性樹脂として水溶性セルロースをブレンドしたペーストを用いることで、水またはアルカリ水溶液によって現像する方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしこの水現像型ブレンド樹脂においても、セルロースに十分な水溶性がないため満足できる水現像性が得られなかった。さらに、ポリエーテルやグリセロールを側鎖に持つ感光性アクリル系重合体を用いて水現像を行う方法が開示されているが(特許文献4、5参照)、この重合体はカルボキシル基などのイオン解離する親水性基を有しないため、良好な水現像性が得られにくかった。また、ガラスとの相互作用をコントロールする方法として、樹脂の酸価を60mgKOH/g以下に抑えることで、ペーストの増粘を抑制する方法が提案されているが(特許文献6参照)、単純にポリマーの酸価を60mgKOH/gとするだけでは現像液への溶解性が低下するため、現像によるパターン形成に適したものではなかった。
特開平9−310030号公報(実施例1等) 特開平9−77813号公報(請求項1) 特開2002−328470号公報(請求項1) 特開平9−208640号公報(請求項1) 特開平9−194548号公報(請求項1) 特開平11−323147号公報(請求項1、0017段)
本発明は、上記従来技術の問題点に着目し、水による現像が可能で、焼成後に高透過な透明誘電体パターンが形成できる感光性ペーストおよびそれを用いたプラズマディスプレイ用パネルを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち本発明は、少なくとも無機微粒子と感光性有機成分を含むペーストであって、感光性有機成分として側鎖にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する感光性アクリル系共重合体を含み、該アクリル系共重合体の共重合成分として、下記一般式(1)で表される多価アルコールとエチレン性不飽和カルボン酸とのモノエステルを含有することを特徴とする感光性ペーストおよび、それを用いたプラズマディスプレイ部材である。
Figure 2006145750
[式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素基またはヒドロキシル基または炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコール基を表し、nは1〜5の整数を表す。]
本発明によれば、水による現像が可能であり、ポットライフが良好な感光性ペーストを提供できる。また、緻密で絶縁信頼性が高く、高透過な透明誘電体パターンの形成を可能とする感光性ガラスペーストを提供できる。
発明者らは、水による現像が可能であり、焼成後の絶縁信頼性が高く、高透過な透明誘電体パターンの形成について鋭意検討を行った結果、以下に述べるような組成を有する感光性ペーストによって達成されることを見出した。
すなわち、本発明は無機微粒子を含む感光性ペーストにおいて、感光性有機成分として側鎖にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する感光性アクリル系共重合体を含み、該アクリル系共重合体の共重合成分として、多価アルコールとエチレン性不飽和カルボン酸とのモノエステルを含有することが重要である。ここで感光性とは、感光性ペーストが活性光線の照射を受けた場合に、光架橋、光重合、光解重合、光変性などの反応を通して感光性有機成分の化学構造が変化することを意味する。また、ここで言う活性光線とはこのような化学反応を起こさしめる250〜1100nmの波長領域の光線を指し、具体的には超高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外光線、ハロゲンランプなどの可視光線、ヘリウム−カドミウムレーザー、ヘリウム−ネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、半導体レーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザーなどの特定の波長のレーザー光線を挙げることができる。
本発明に用いる感光性アクリル系共重合体は、バインダーポリマー成分として機能し、光硬化性と水溶性を兼ね備える。
本発明に用いるアクリル系共重合体は側鎖にエチレン性不飽和基を有することが必要である。側鎖にエチレン性不飽和基を有することで、重合体に感光性を付与することができる。ペースト中のバインダー成分が感光性を有することで、塗布膜における露光部分の架橋密度が増すので、現像液耐性が強化される。その結果、露光部と未露光部の水に対する溶解性のコントラストが向上するので、高精細なパターンを形成することができるので有効である。
また、本発明の感光性アクリル系共重合体は側鎖部分に親水性官能基であるカルボキシル基とヒドロキシル基の両方を有するものであり、十分な水溶性を示す。従来のポリアミドやポリエーテルなどの親水性部位をポリマー骨格に導入したバインダーポリマーでは、水溶性は不十分であった。
カルボキシル基はアルカリ性の水溶液中でイオン解離することで現像に寄与するが、中性の水ではイオン解離し難いので、バインダーポリマー中の親水性官能基がカルボキシル基のみである場合は、中性の水で現像することは困難である。そこで、本発明においては、中性の水での現像を可能とする官能基であるヒドロキシル基を必須成分とする。ヒドロキシル基を側鎖に持つアクリル系重合体を用いることで、水による現像が可能となる。また、ヒドロキシル基とカルボキシル基の両方を側鎖に有することによって、アルカリ性の現像液を使用する環境においても、別成分として剥がれ防止の化合物を添加することなく高い現像耐性が得られ、露光部剥がれの防止が可能である。
本発明に用いる感光性アクリル系共重合体は、ヒドロキシル基を導入するため、前記一般式(1)で示される多価アルコールと不飽和カルボン酸とのモノエステルを共重合成分として含有することが必要である。前記一般式(1)で示される多価アルコールはその分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する簡潔な構造を持った多価アルコールであるので、これと不飽和カルボン酸とのモノエステルを共重合成分の一つとすることで、直接的かつ容易に感光性アクリル系共重合体にヒドロキシル基を導入することができる。前記一般式(1)に示される官能基R1及びR2はおのおの独立に水素またはヒドロキシル基または炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基のいずれでも良く、例えば、1,3−プロパンジオール、グリセリン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン及びこれらの脱水縮合物などを挙げることができる。特に、官能基R1及び/またはR2がヒドロキシル基や炭素数1〜3のアルコール基であれば重合体がより親水性となり、多価アルコールと不飽和カルボン酸とのモノエステルの添加量が少なくても重合体の水溶性が得られやすいので好ましい。最も好ましいのは、R1またはR2がヒドロキシル基であるものであり、とりわけグリセリンが好ましい。
本発明に用いる感光性アクリル系共重合体は、前記一般式(1)で示される多価アルコールとエチレン性不飽和カルボン酸とのモノエステルを共重合成分として含有することが必要である。これに共重合させる成分としては、エチレン性不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、およびこれらの酸無水物を挙げることができるが、重合体の作製方法がラジカル重合やアニオン重合、カチオン重合である場合は、反応の速度定数が早いアクリル酸やメタクリル酸が好ましい。
本発明においては、感光性アクリル系共重合体の側鎖にカルボキシル基を含有することが必要である。先に述べたように、カルボキシル基は重合体に水溶性を付与することのできる代表的な官能基である。カルボキシル基は単体では重合体の中性の水に対する溶解度を得ることはできないが、ヒドロキシル基の存在下においては、水現像性を向上させる重要な因子となり、重合体がカルボキシル基を有することで、水溶性となるために必要なヒドロキシル基数を減量させることができる。重合体がカルボキシル基を有しなければ、水溶性となるために必要なヒドロキシル基数が極端に増大し、このため無機微粒子との相互作用が強くなりすぎるためにペーストのポットライフが著しく低下する。
本発明においては、アクリル系共重合体の側鎖にカルボキシル基を導入するために、共重合体の成分としてエチレン性不飽和カルボン酸などのエチレン性不飽和酸を用いる事が好ましい。エチレン性不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸やこれらの酸無水物を挙げることができる。中でも、共重合体を容易に作製できるラジカル重合やアニオン重合、カチオン重合法を用いてアクリル系共重合体を作製する場合は、反応性が高いアクリル酸やメタクリル酸を用いることが好ましい。
上記共重合成分と重合可能なその他の共重合成分としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、アリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート、また、これらの芳香環の水素原子のうち、1〜5個を塩素または臭素に置換したモノマ、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボキシメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、および上記化合物のアクリレートをメタクリレートに変えたものが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明においては、上記の共重合成分を重合した後、側鎖にエチレン性不飽和基を導入することで、感光性アクリル系重合体を得る。エチレン性不飽和結合を導入する方法として、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、ヒドロキシル基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライド、マレイン酸などのカルボン酸を反応させて作る方法がある。本発明のアクリル系重合体は、カルボキシル基とヒドロキシル基を有するので、カルボキシル基に対してグリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させる方法や、ヒドロキシル基に対してイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させる方法が好ましく用いられる。特に簡易的にエチレン性不飽和基を導入する好ましい方法は、カルボキシル基に対してグリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させる方法である。
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどが挙げられる。とりわけ、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネートなどがある。また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中の水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量添加させることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.0モル当量である。添加量が0.05モル当量未満では感光特性が不良となり、パターンの形成が困難となりやすく、1モル当量より大きい場合は、残存カルボキシル基数やヒドロキシル基数が不足となり、未露光部の溶解性が低下する傾向があるので好ましくない。
上記の成分を重合して得られる、感光性アクリル系共重合体の酸価は2〜50mgKOH/gであることが好ましい。酸価が50mgKOH/gを超えると無機微粒子との共存下において、カルボキシル基によるイオン架橋密度が増し、ペーストのゲル化が促進され、未露光部の現像液に対する溶解性の低下やペーストポットライフの低下を引き起こすことがある。また、カルボキシル基と無機微粒子との相互作用が強いため共重合体の熱分解性が悪くなり、無機粉末の焼結を妨げるので、焼成後に気泡を噛みやすく、透過率低下の原因となる。また、酸価が2mgKOH/gより小さい場合は、未露光部の溶解性を左右するカルボキシル基の含有量が低すぎるため、未露光部の現像液に対する溶解性が低下し、高精細なパターンが得られにくくなる傾向にある。現像性とポットライフのバランスを得る為には、5〜45mgKOH/gがより好ましく、10〜40mgKOH/gがさらに好ましい。
本発明においては、感光性アクリル系共重合体の水酸基価が、300〜500mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価を300mgKOH/g以上とすることで感光性アクリル系共重合体の水溶性を確保することができる。また、500mgKOH/g以下とすることでヒドロキシル基数過剰によるペーストポットライフの低下を抑制することができる。感光性アクリル系重合体の水溶性と感光特性との両立、及びペーストポットライフを良化させるためには、水酸基価が350〜450mgKOH/gであることがより好ましく、370〜430mgKOH/gがさらに好ましい。
また、本発明に用いる感光性アクリル系共重合体の重量平均分子量は、5000〜20000であることが好ましく、さらに好ましくは8000〜15000である。重量平均分子量が5000未満の場合は現像耐性が低下する傾向にあり、露光部まで剥がれが発生しやすくなる。また重量平均分子量が20000より大きいと現像耐性が高すぎるため、未露光部の溶解性が低下し、パターン形成が困難になる場合がある。
本発明の感光性ペーストにおける感光性有機成分としては、上記のアクリル系共重合体以外に、光反応性単量体や光重合開始剤が挙げられる。さらに必要に応じて、上記感光性有機成分に対して紫外線吸収剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤やレベリング剤等を添加することも可能である。
光反応性単量体の具体的な例としては、光反応性を有する炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物を用いることができ、例えばアルコール類(例えば、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、カルボン酸(例えば、酢酸プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸など)とアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジル、またはテトラグリシジルメテキシリレンジアミンとの反応生成物、アミド誘導体(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドなど)、エポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との反応物などを挙げることができる。また、多官能光反応性単量体において、不飽和基は、アクリル、メタクリル、ビニル、アリル基が混合して存在しても良い。
本発明では、これらを1種または2種以上使用することができる。光反応性単量体は、全感光性有機成分に対し、好ましくは2〜40重量%の範囲で添加され、より好ましくは、5〜30重量%である。光反応性単量体の量が少なすぎると光硬化不足になりやすく、露光部の感度が低下したり、現像耐性が低下したりする。光反応性単量体の量が多すぎる場合には未露光部の水に対する溶解性が低下したり、架橋密度が高すぎるために焼成時に脱バインダー不良を引き起こす恐れがある。
本発明に用いる光重合開始剤は、ラジカル種を発生するものから選んで用いられる。光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペンアミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2ーヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリオキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジルメトキシエチルアセタール、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、N−フェニルグリシン、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどが挙げられる。
本発明では、これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性有機成分に対し、0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜10重量%である。重合開始剤の量が少なすぎると光感度が不良となり、光重合開始剤の量が多すぎる場合には露光部の残存率が小さくなる恐れがある。
光重合開始剤と共に増感剤を使用して感度を向上させたり、反応に有効な波長範囲を拡大することができる。増感剤の具体例としては、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニルビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどが挙げられる。
また、増感色素を用いることも好ましい。例えば、クマリン系色素、ケトクマリン系色素、キサンテン系色素、チオキサンテン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ローダシアニン系色素、スチリル系色素、ベーススチリル系色素、オキソノール系色素などを挙げることができる。
本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感光性ペーストに添加する場合、その添加量は感光性有機成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなる恐れがある。
また、紫外線吸収剤を添加することで、露光光によるペースト内部の散乱光を吸収し、散乱光を弱めることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリチル酸系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、インドール系化合物、無機系の微粒子酸化金属などが挙げられる。これらの中でもベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、インドール系化合物が特に有効である。これらの具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、インドール系の吸収剤であるBONASORBUA−3901(オリエント化学社製)、BONASORB UA−3902(オリエント化学社製)SOM−2−0008(オリエント化学社製)などが挙げられるがこれらに限定されない。さらに、これら紫外線吸収剤の骨格にメタクリル基などを導入し反応型として用いてもよい。本発明では、これらを1種以上使用することができる。
紫外線吸収剤の添加量は、ペーストに対して好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは、0.005〜5重量%の範囲である。これらの範囲を外れると、透過限界波長および波長傾斜幅が変化し、散乱光の吸収能力が不足したり、露光光の透過率が下がり、感光性ペーストの感度が低下するので注意を要する。
また、本発明では、露光、現像の目印として有機系染料を添加することができる。染料を添加して着色することにより視認性が良くなり、現像時にペーストが残存している部分と除去された部分との区別が容易になる。有機染料としては、特に限定はされないが、焼成後の絶縁膜中に残存しないものが好ましい。具体的にはアントラキノン系染料、インジゴイド系染料、フタロシアニン系染料、カルボニウム系染料、キノンイミン系染料、メチン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、フタルイミド系染料、ペリノン系染料などが使用できる。特に、h線とi線付近の波長の光を吸収するもの、例えばベーシックブルー等のカルボニウム系染料を選択するのが好ましい。有機染料の添加量は0.001〜1重量%であることが好ましい。
感光性ペーストを基板に塗布する時の粘度を塗布方法に応じて調整するために有機溶媒が使用される。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
本発明における無機成分は、ガラス、アルミナなどのセラミックス、Au、Ni、Ag、Pd、Ptなどの導電性粉末の無機微粒子であり、特に本発明において有用であるのは、ガラス粉末を用いた場合である。
ガラス粉末としては、ガラス転移点が350〜550℃の低融点ガラスをペースト中に含有することが好ましい。通常、誘電体や隔壁ペーストは、パターンを形成した後430〜650℃での焼成を行う。従って、ガラス転移点が350℃未満では、焼成時のガラスの流動性が高すぎるためにパターン形状が崩れてしまい、550℃以上ではガラス粉末の焼結が起こらないので、透明化しない。低融点ガラスのガラス転移点のより好ましい範囲は400〜530℃である。
本発明においては、上記低融点ガラスをペースト中に50〜90重量%の範囲で含有することが好ましい。ガラス粉末の含有量が少なすぎると、焼成によるパターンの収縮が大きくなり、形状が不良となる。また、多すぎるとペーストの感光特性が低下するのでパターン形成が難しくなる。より好ましくは、60〜80重量%である。
また、本発明の感光性ペーストに用いる無機微粒子として好ましく使用できる低融点ガラスは焼成後に透明性を示すものが好ましく、公知のガラス絶縁材料が適用できるが、例えば鉛ホウ珪酸ガラスや、ビスマスホウ珪酸、亜鉛ホウ珪酸などが挙げられる。
従って、ガラス粉末が酸化物換算表記で、
PbO 0〜80重量%、
BiO 0〜80重量%、
ZnO 0〜80重量%
の組成範囲からなるものを主成分とし、上記以外のガラス形成成分として、
2〜40重量%、
SiO 2〜30重量%、
BaO 1〜30重量%
の組成範囲からなるものを含有することが好ましい。この範囲であれば、ガラス転移温度が350〜550℃であり、焼成後に可視光透過率の高いガラス粉末を得ることができる。
上記ガラス成分のうち、PbO、BiO、ZnOはガラスを低融点化する成分であり、本発明においてはそのいずれか1種は含有することが好ましく、その含有量は合計量が低融点ガラスに対して40〜80重量%であることが好ましい。40重量%未満ではガラス転移温度が550℃以上になり、焼成が困難となる。80重量%より多く含有すると、ガラス化が困難となる他、熱膨張係数が大きくなり、焼成においてクラックが発生する恐れがある。より好ましい含有量は合計で50〜75重量%である。
はガラスを安定化させ、焼成時の流動性を増加させる成分である。また低屈折率化にも有効であり、2〜40重量%の範囲で配合することが好ましく、より好ましくは5〜30重量%である。2重量%以上とすることで、ガラス転移点、荷重軟化点を低く抑えガラス基板への焼き付けを容易にする。また、40重量%以下とすることでガラスの化学的安定性を維持することができる。
SiOはガラスの緻密性、強度や安定性の向上に有効であり、また、ガラスの低屈折率化にも効果がある。その配合量は2〜30重量%が好ましい。2重量%以上とすることで、熱膨張係数を小さく抑えガラス基板に焼き付けた時にクラックを生じない。30重量%以下とすることで、ガラス転移点、荷重軟化点を低く抑え、ガラス基板への焼き付け温度を低くすることができる。
BaOはガラス化範囲を広くするために有効な成分である。また、熱膨張係数の調整に有効であり、焼き付け温度の基板の耐熱性への適用、電気絶縁性、形成される誘電体パターンの安定性や緻密性の点でも好ましく、1〜30重量%の範囲で配合することが好ましい。より好ましくは2〜25重量%以下である。1重量%以上とすることで結晶化による失透を防ぐこともできる。また、30重量%以下とすることにより、熱膨張係数を小さく抑え、屈折率も小さく抑えることができる。またガラスの化学的安定性も維持できる。
また、上記以外の成分としてLiO、NaOやKOのアルカリ金属酸化物のうち少なくとも1種を用いて含有してもよい。含有させる場合は、その合計量が低融点ガラスに対して25重量%以下であることが好ましい。アルカリ金属酸化物は、ガラスの荷重軟化点、熱膨張係数のコントロールを容易にするのみならず、ガラスの屈折率を低くすることができるため、感光性有機成分との屈折率差を小さくすることが容易になる。アルカリ金属酸化物の合計量が25重量%以下とすることでガラスの化学的安定性を維持すると共に熱膨張係数を小さく抑えることができる。アルカリ金属としては、ガラスの屈折率を下げることやイオンのマイグレーションを防止することを考慮するならリチウムを選択するのが好ましい。
上記成分の他にも、低融点ガラスの軟化点、熱膨張係数、透明性、安定性、耐候性などを調節するために、CaO、MgO、SrO、Al、TiO、ZrO、CeOなどを適宜配合してもよい。これらの成分は配合しすぎるとガラスの安定を損なうので、合計量が10重量%以下であることが好ましい。
ガラス粉末の作製法としては、例えば原料であるPbO、ZnO、SiO、BaOなどを所定の配合組成となるように混合し、900〜1200℃で溶融後、急冷し、ガラスフリットにしてから粉砕して1〜5μmの微細な粉末にする。原料は高純度の炭酸塩、酸化物、水酸化物などを使用できる。また、ガラス粉末の種類や組成によっては99.99%以上の超高純度なアルコキシドや有機金属の原料を使用し、ゾル・ゲル法で均質化に作製した粉末を使用すると高電気抵抗で緻密な気孔の少ない、高強度な絶縁層が得られるので好ましい。
上記において使用されるガラス粉末粒子径は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれるが、粉末は、50重量%粒子径が1.0〜3.0μm、トップサイズ15μm以下であることが好ましい。さらに、10重量%粒子径が0.5〜1.5μm、90重量%粒子径が4.0〜8.0μm、比表面積1.5〜2.5m2/gを有していることが好ましい。より好ましくは重量平均粒子径1.5〜2.5μm、比表面積1.7〜2.4m2/gである。この範囲にあると紫外線露光時に光が十分透過し、上下で線幅差の少ない絶縁パターンが得られる。平均粒子径1.0μm以下、比表面積2.5m2/gを越えると粉末が細かくなり過ぎて露光時において光が散乱されて未露光部分を硬化させるので好ましくない。
本発明における感光性ペーストを、透明誘電体パターンに用いる場合は、ガラス転移温度が600℃以上の高融点ガラス粉末の含有率が無機微粒子に対して10重量%以下であることが好ましい。高融点ガラス粉末を10重量%以上含有すると、高融点ガラス粉末と低融点ガラスの屈折率が異なるので、透過光が大きく散乱することによりヘーズが増加するため好ましくない。また、膜の緻密性が劣るため、耐電圧が低下してしまうという問題が生じる場合がある。焼成後の膜厚が20μm以下であるときは、パターン形状を保持しやすいので、高融点ガラス粉末を含有させなくてもよいが、焼成時の泡抜け性を確保するために、高融点ガラス粉末を5重量%以下の範囲で含有してもよい。また、高融点ガラス粉末を含有させるときは、高融点ガラス粉末と高融点ガラス粉末以外の無機粒子の屈折率との差をできるだけ小さくすることで、可視光の散乱を小さくすることができる。
また、本発明の感光性ガラスペーストを膜厚が50μmを超える隔壁パターンなどに用いる場合は、高融点ガラス粉末の含有率が無機微粒子に対して3〜40重量%含有することが好ましい。高融点ガラス粉末の含有量が3重量%以下では、焼成収縮率が大きくなるので欠陥の原因になったり、隔壁強度が低いために断線、ひび、かけ、などの欠陥が生じやすくなる。逆に高融点ガラス粉末量が無機粒子中で40重量%を超えると、焼結されにくくなるために緻密性が低下して断線、ひび、かけ、などの欠陥が生じやすくなる。
これら各種成分を所定の組成になるよう調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散し、感光性ガラスペーストを作製することができる。ペースト粘度は、ガラス粉末、増粘剤、有機溶媒、可塑剤および沈殿防止剤等の添加割合によって適宜調整されるが、その範囲は2〜100Pa・sであることが好ましい。
感光性ペーストは、固形分として好ましくは40〜90重量%の無機微粒子と60〜10重量%の感光性有機成分からなり、フォトリソグラフィーを用いたパターン形成後に焼成を行い、実質的に無機物からなるパターンを形成する目的で使用する。より少ない感光性ペーストで効率よく無機物のパターンを形成するためには、より多くの無機物を含有する感光性ペーストを使用することが好ましいが、一方でパターン形成に用いる光線の透過性が低下する。感光性ペースト中の無機微粒子の含有量が40重量%未満の場合は目的の厚みの無機物のパターンを形成するために多くの感光性ペーストを要するため、工業的に不利である。感光性ペースト中の無機微粒子の含有量が90重量%を越えると光線透過率が不足し、実質的にパターン形成が不可である。
次に本発明の感光性ペーストを用いたプラズマディスプレイ部材およびプラズマディスプレイについて、図1を用いてその作製手順を説明する。ここでは、プラズマディスプレイとして最も一般的な交流(AC)型プラズマディスプレイを例に取りその基本的構造などについて説明するが、必ずしもこれに限定されない。
プラズマディスプレイは、前面板または背面板に形成された蛍光体層が内部空間内に面しているように、該前面板と該背面板を封着してなる部材において、前記内部空間内に放電ガスが封入されてなるものである。すなわち、前面板には、表示面側の基板であり表示用放電のための透明電極(サステイン電極、スキャン電極)が形成されており、放電のため、前記サステイン電極と前記スキャン電極の間隙は比較的狭い方がよい。より低抵抗な電極を形成する目的で透明電極の背面側にバス電極を形成してもよい。但し、バス電極は材質がAg、Cr/Cu/Cr等で構成されていて、不透明であることが多い。従って、前記透明電極とは異なり、セルの表示の邪魔となるので、表示面の外縁部に設けることが好ましい。AC型プラズマディスプレイの場合、電極の上層に透明誘電体層およびその保護膜としてMgO薄膜が形成される場合が多い。透明誘電体の上層には、透明誘電体パターンが形成される場合があり、本発明の感光性ガラスペーストは該透明誘電体ペースト層の形成に最も適している。
以下に、透明誘電体パターンについての詳細を説明する。通常、図1のように、前面板に形成するスキャン電極3とサステイン電極4の上層に、放電セルとの絶縁を目的に膜厚が20〜50μmの第1層目の透明誘電体層6を形成する。セル内での発光光をより前面側に透過させるためには、該透明誘電体層の膜厚は50μm以下であることが好ましい。また、膜厚が20μm以下になると、絶縁性を確保できなくなってしまう。しかしながら、図2で示すように、銀などからなるバス電極5上にのみ第2層目の透明誘電体層8を形成すれば絶縁性は確保されるので、第1層目の透明誘電体層6の膜厚をさらに薄くして全光線透過率を向上させることができる。第2層目の透明誘電体層8の膜厚は10〜30μmとすることが好ましい。10μm以上とすることで絶縁性を有し、30μm以下にすることで、全光線透過率を確保することができる。より好ましくは10〜25μmである。
通常、透明誘電体パターンは電極の幅に合わせて形成するので、おおよそライン幅100μm、ピッチ300μmのストライプ状もしくは格子状に形成する。形成方法は、フォトリソグラフィー法やスクリーン印刷法を適用することができる。しかし、スクリーン印刷法では、焼成後に30μmの膜厚を得るために数回の印刷を経なければならず、毎回の位置合わせは工程が煩雑となることや、無機微粒子を含むペーストを300μm間隔のピッチでパターン形成するのは困難であることから、フォトリソグラフィー法を好ましく用いることができる。パターンの断面形状は特には限定されないが、矩形から台形であることが好ましい。
また、背面板に形成する隔壁は、光ができるだけ反射するように、焼成後は白色になることが求められるが、前面板は表示面側となるので、前面板に透明誘電体パターンを形成する場合は、焼成後、40μm膜厚での全光線透過率が80%以上であることが好ましい。さらに好ましくは85%以上である。20μm膜厚での全光線透過率は90%以上を保持していることが好ましい。
背面板には、表示させるセルをアドレス選択するための電極(アドレス電極)が形成されている。セルを仕切るための隔壁や蛍光体層は前面板、背面板のどちらかまたは両方に形成してもよいが、背面板のみに形成される場合が多い。プラズマディスプレイは、前記前面板と前記背面板は封着され、両者の間の内部空間には、Xe−Ne、Xe−Ne−He等の放電ガスが封入されているものである。
まず、部材作製工程に関し、前面板の作製方法について述べる。基板としては、ソーダガラスの他にプラズマディスプレイ用の耐熱ガラスである“PP8”(日本電気硝子社製)や、“PD200”(旭硝子社製)を用いることができる。ガラス基板のサイズは特に限定はなく、厚みは1〜5mmのものを用いることができる。
まず、ガラス基板上に、インジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタし、フォトエッチング法によりパターン形成する。次いで、黒色電極用の黒色電極ペーストを印刷する。黒色電極ペーストは、有機バインダー、黒色顔料、導電性粉末と、フォトリソグラフィー法で用いる場合は感光性成分が主成分となる。黒色顔料としては、金属酸化物が好ましく用いられる。金属酸化物としては、チタンブラックや、銅、鉄、マンガンの酸化物やそれらの複合酸化物、コバルト酸化物などがあるが、ガラスと混合して焼成したときに退色が少ない点でコバルト酸化物が優れている。導電性粉末としては、金属粉末または金属酸化物粉末が挙げられる。金属粉末としては電極材料として通常用いられる金、銀、銅、ニッケルなどを特に制限無く用いることが出来る。この黒色電極は抵抗率が大きいので、抵抗率の小さい電極を作製してバス電極を形成するため、導電性の高い電極用ペースト(例えば銀を主成分とするもの)を、黒電極ペーストの印刷面上に印刷する。この導電性ペーストとしては、アドレス電極で用いた電極ペーストも好適に用いることができる。そして、一括露光/現像してバス電極パターンを作製する。導電性を確実に確保するため、現像前に導電性の高い電極ペーストを再び印刷し、再露光後一括現像してもよい。バス電極パターンを形成後、焼成する。その後、コントラスト向上のため、ブラックストライプやブラックマトリクスを形成するのが好ましい。次に、透明誘電体ペーストを用いて透明誘電体層を形成する。透明誘電体ペーストは、有機バインダー、有機溶剤、ガラスが主成分であるが、適宜可塑剤などの添加物を加えても良い。透明誘電体層の形成方法は特に限定されないが、例えば,スクリーン印刷、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーター、スピンコーターなどにより、電極形成基板上に透明誘電体ペーストを全面塗布または、部分的に塗布した後に、通風オーブン、ホットプレート、赤外線乾燥炉、真空乾燥など任意なものを用いて乾燥し、厚膜を形成することができる。また、透明誘電体ペーストをグリーンシート化し、これを電極形成基板上にラミネートすることも可能である。厚みは、0.01〜0.03mmが好ましい。
さらに、本発明の感光性ペーストを用いて、透明誘電体パターンを形成する方法について述べる。透明誘電体パターン形状については特に限定はないが、バス電極状を覆うストライプ状や、電極方向とは垂直な向きにしきりを設けたワッフル状が好ましい。
本発明の感光性ペーストを用いる場合においては、まず、感光性ペーストを塗布する。塗布方法は、バーコーター、ロールコーター、スリットダイコーター、ブレードコーター、スクリーン印刷等の方法を選択することができる。塗布厚みは、所望のパターン厚みとペーストの焼成による収縮率を考慮して決めることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度によって調整できる。塗布された感光性ペーストは乾燥後、露光装置を用いて露光を行う。露光は通常のフォトリソグラフィーで行われるように、フォトマスクを介して露光する方法が一般的である。また、フォトマスクを用いずに、レーザー光などで直接描画する方法を用いてもよい。
露光装置としては、ステッパー露光機、プロキシミティ露光機などを用いることができる。また、大面積の露光を行う場合は、ガラス基板などの基板上に感光性ペーストを塗布した後に、搬送しながら露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を露光することができる。この際使用される活性光源は、例えば、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー光などが挙げられる。これらの中で紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも、超高圧水銀灯が好適である。露光条件は塗布厚みにより異なるが、通常、1〜100mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いて0.01〜30分間露光を行う。
露光後、露光部分と非露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して現像を行うが、通常、浸漬法やスプレー法、ブラシ法等で行う。現像液としては感光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒を用いると良いが、本発明の感光性ペーストは、現像液として中性の水を用いることができる。また、アルカリ水溶液によっても現像できる。アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウムや、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム水溶液等を使用することができる。
次に焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類により異なるが、空気中や窒素、水素等の雰囲気下で焼成する。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やローラー搬送式の連続型焼成炉を用いることができる。焼成温度は、使用する樹脂が十分に脱バインダーする温度で行うのがよい。通常、アクリル系樹脂を用いる場合は430〜650℃での焼成を行う。焼成温度が低すぎると樹脂成分が残存しやすく、高すぎるとガラス基板に歪みが生じ割れてしまうことがある。
さらに、保護膜を形成する。保護膜としてはMgO、MgGd、BaGd、Sr0.6Ca0.4Gd、Ba0.6Sr0.4Gd、SiO、TiO、Al、前述の低軟化点ガラスの群から少なくとも1種類用いるのがよいが、特にMgOが好ましい。保護膜の作製方法であるが、電子ビーム蒸着やイオンプレーティング法など公知の技術が好適である。
続いて背面基板の作製方法を説明する。ガラス基板は、ソーダガラスの他にプラズマディスプレイ用の耐熱ガラスである旭硝子製の“PD200”や日本電気硝子製の“PP8”を用いることができる。ガラス基板上に銀やアルミニウム、クロム、ニッケルなどの金属により、アドレス用のストライプ状電極パターンを形成する。形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機バインダーを主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷でパターン印刷する方法や、有機バインダーとして感光性有機成分を用いた感光性金属ペーストを塗布した後に、フォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分を現像工程で溶解除去し、さらに通常350〜600℃に加熱・焼成して電極パターンを形成する感光性ペースト法を用いることができる。また、ガラス基板上にクロムやアルミニウムを蒸着した後に、レジストを塗布し、レジストをパターン露光・現像した後にエッチングにより不要な部分を取り除く、エッチング法を用いることができる。さらに、アドレス電極上に誘電体層を設けることが好ましい。誘電体層を設けることによって、放電の安定性向上や、誘電体層の上層に形成する隔壁の倒れや剥がれを抑止することができる。また、誘電体層を形成する方法としては、ガラスや高融点ガラス粉末などの無機粉末と有機バインダーを主成分とする誘電体ペーストをスクリーン印刷、スリットダイコーター等で全面印刷または塗布する方法などがある。
次に、隔壁を形成する工程について説明する。隔壁の形成方法としては、サンドブラスト法、型転写法、フォトリソグラフィー法等が挙げられる。本発明に使用する隔壁の材料としては特に限定されず、公知の材料を適用することができる。隔壁パターンは特に限定されないが、格子状、ワッフル状などが好ましい。作製方法としては、アスペクト比の高い隔壁を形成する場合の加工精度、均一性といった点から、サンドブラスト法やフォトリソグラフィー法が好ましい。例えば、フォトリソグラフィー法の場合、隔壁ペーストとして感光性ガラスペーストを用いることができる。
感光性ガラスペーストを用いて隔壁の形成をする場合、まず、誘電体を形成した基板上に隔壁ペーストを塗布する。塗布方法は、バーコーター、ロールコーター、スリットダイコーター、ブレードコーター、スクリーン印刷等の方法を用いることができる。塗布厚みは、所望の隔壁の高さとペーストの焼成による収縮率を考慮して決めることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度によって調整できる。塗布した隔壁ペーストは乾燥後、露光を行う。露光方法は透明誘電体パターンの形成に用いる露光方法を使用することができる。
露光後、露光部分と未露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して現像を行い、隔壁パターンを形成する。現像には、浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。現像液には、感光性ペースト中の有機成分、特にポリマーが溶解可能な溶液を用いるとよい。本発明の感光性ガラスペーストを用いた場合、現像液には水を使用することができる。また、水酸化ナトリウムや、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム水溶液等といった、アルカリ水溶液を用いても現像することができる。
焼成を行った後、蛍光体ペーストを用いて蛍光体を形成する。感光性蛍光体ペーストを用いたフォトリソグラフィー法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法等によって形成できる。蛍光体の厚みも特に限定されるものではないが、0.01〜0.03mm、より好ましくは0.015〜0.025mmである。蛍光体粉末は特に限定されないが、発光強度、色度、色バランス、寿命などの観点から、以下の蛍光体が好適である。青色は2価のユーロピウムを賦活したアルミン酸塩蛍光体(例えば、BaMgAl1017:Eu)やCaMgSiである。緑色では、パネル輝度の点からZnSiO:Mn、YBO:Tb、BaMgAl1424:Eu,Mn、BaAl1219:Mn、BaMgAl1423:Mnが好適である。さらに好ましくはZnSiO:Mnである。赤色では、同様に(Y、Gd)BO:Eu、Y:Eu、YPVO:Eu、YVO:Euが好ましい。さらに好ましくは(Y、Gd)BO:Euである。
次にプラズマディスプレイパネルの製造方法について説明する。本発明の背面基板と前面基板を封着後、2枚の基板間隔に形成された空間を加熱しながら真空排気を行った後に、He、Ne、Xeなどから構成される放電ガスを封入して封止する。放電電圧と輝度の両面からは.Xeが5〜15体積%のXe−Ne混合ガスが好ましい。紫外線の発生効率を大きくするために、さらにXeを30体積%程度まで高くしてもよい。
最後に、駆動回路を装着し、エージングすることによって、プラズマディスプレイ用パネルを作製できる。
以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
A.アクリル系共重合体の酸価測定方法
作製したアクリル系共重合体の酸価をJIS K0070(1992)に記載される中和滴定法を用いて測定した。操作は以下のように行った。試料S(g)を量り取り、エタノール100mlに溶解させた後、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を数滴加え、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行った。ここに、滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量をL(ml)、用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクターをfとした時、アクリル系共重合体の酸価Av(mgKOH/g)をB×f×5.611/Sにより算出した。
B.アクリル系共重合体の水酸基価の測定方法
作製したアクリル系共重合体の水酸基価をJIS K0070(1992)に記載される中和滴定法を用いて測定した。操作は以下のように行った。試料S(g)を量り取り、アセチル化試薬5mlを加え、100℃で1時間加熱して試料をアセチル化した後、水1mlを加え、100℃で10分間加熱した。これに、フェノールフタレイン溶液を数滴加え、0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行った。空試験は試料を入れないこと以外は同様の方法で滴定した。ここに、空試験の的定に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量をL1(ml)、試料の滴定に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量をL2(ml)、用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクターをf、上記により求めた試料の酸価をAv(mgKOH/g)とした時、アクリル系共重合体の水酸基価Hv(mgKOH/g)を(L1−L2)×f×28.05/S+Dにより算出した。
C.アクリル系共重合体の重量平均分子量の測定方法
作製したアクリル系共重合体の重量平均分子量をテトラヒドロフランを移動相としたサイズ排除クロマトグラフィーにより測定した。カラムはShodex KF−803を用い、重量平均分子量はポリスチレン換算で計算した。
D.無機粉末のガラス転移温度の測定方法
用いた無機粉末のガラス転移温度を熱機械分析装置(セイコーインスツル株式会社製、EXTER6000 TMA/SS)を用いて測定した。粉末を800℃で溶融し、直径5mm、高さ2cmの円柱状に加工して測定サンプルとした。
E.無機粉末の50重量%粒子径の測定方法
用いた無機粉末の50重量%粒子径を粒子径分布測定装置(日機装株式会社製、マイクロトラック9320HRA)を用いて測定した。
F.アクリル系共重合体
アクリル系重合体(F−1)
アクリル酸15重量%、メチルメタクリレート45重量%、グリセリンモノアクリレート40重量%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.9モル当量のグリシジルメタクリレートを加え、付加反応させた感光性アクリル系重合体。酸価15mgKOH/g、水酸基価410mgKOH/g、重量平均分子量9000。
アクリル系重合体(F−2)
アクリル酸15重量%、メチルメタクリレート25重量%、ジプロピレングリコールモノメタクリレート60重量%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.9モル当量のグリシジルメタクリレートを加え、付加反応させた感光性アクリル系重合体。酸価40mgKOH/g、水酸基価355mgKOH/g、重量平均分子量12500。
アクリル系重合体(F−3)
アクリル酸15重量%、メチルメタクリレート45重量%、グリセリンモノアクリレート40重量%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.6モル当量のグリシジルメタクリレートを加え、付加反応させた感光性アクリル系共重合体。酸価80mgKOH/g、水酸基価415mgKOH/g、重量平均分子量9500。
アクリル系重合体(F−4)
アクリル酸15重量%、メチルメタクリレート45重量%、グリセリンモノアクリレート40重量%からなる共重合体のカルボキシル基に対して1.0モル当量のグリシジルメタクリレートを加え、付加反応させた感光性アクリル系重合体。酸価3mgKOH/g、水酸基価415mgKOH/g、重量平均分子量15000。
アクリル系重合体(F−5)
アクリル酸15重量%、メチルメタクリレート65重量%、グリセリンモノアクリレート30重量%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.9モル当量のグリシジルメタクリレートを加え、付加反応させた感光性アクリル系重合体。酸価18mgKOH/g、水酸基価310mgKOH/g、重量平均分子量11000。
アクリル系重合体(F−6)
アクリル酸10重量%、メチルメタクリレート35重量%、グリセリンモノアクリレート55重量%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.9モル当量のグリシジルメタクリレートを加え、付加反応させた感光性アクリル系重合体。酸価10mgKOH/g、水酸基価500mgKOH/g、重量平均分子量10000。
アクリル系重合体(F−7)
感光性アクリル系重合体(F−1)と同一組成で分子量のみ異なる感光性アクリル系重合体。酸価15mgKOH/g、水酸基価410mgKOH/g、重量平均分子量4500。
アクリル系重合体(F−8)
感光性アクリル系重合体(F−1)と同一組成で分子量のみ異なる感光性アクリル系重合体。酸価15mgKOH/g、水酸基価410mgKOH/g、重量平均分子量25000。
アクリル系重合体(F−9)
アクリル酸40重量%、メチルメタクリレート30重量%、スチレン30重量%からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.8モル当量のグリシジルメタクリレートを加え、付加反応させた感光性アクリル系重合体。酸価30mgKOH/g、水酸基価0mgKOH/g、重量平均分子量15000。
アクリル系重合体(F−10)
メチルメタクリレート40重量%、グリセリンモノアクリレート50重量%に対して10重量%のメタアクリロイルイソシアネートを加え、反応させた感光性アクリル系重合体。酸価0mgKOH/g、水酸基価380mgKOH/g、重量平均分子量17000。
アクリル系重合体(F−11)
アクリル酸10重量%、メチルメタクリレート50重量%、グリセリンモノアクリレート40重量%からなるアクリル系共重合体。酸価30mgKOH/g、水酸基価410mgKOH/g、重量平均分子量12000。
G.光反応性単量体
H.光重合開始剤
2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1
I.増感剤
J.有機染料
ベーシックブルー7(東京化成工業株式会社製)
K.無機微粒子
ガラス粉末a
PbO;52.3重量%、ZnO;4.8重量%、B;20.6重量%、SiO;5.0重量%、BaO;17.3重量%からなるガラス粉末。ガラス転移温度481℃、50重量%粒子径1.8μm。
ガラス粉末b
BiO;35.5重量%、ZnO;25.4重量%、B;22.8重量%、SiO;6.5重量%、Al;1.8重量%、NaO;8.0重量%からなるガラス粉末。ガラス転移温度466℃、50重量%粒子径2.0μm。
ガラス粉末c
PbO;5.1重量%、ZnO;5.0重量%、B;8.7重量%、SiO;31.3重量%、BaO;41.3重量%、CaO;3.5重量%、TiO;5.1重量%からなるガラス粉末。ガラス転移温度618℃、50重量%粒子径2.8μm。
L.感光性ペーストの作製方法
アクリル系共重合体を50%溶液となるように、イソブチルアルコールと80℃で攪拌し、均一に溶解させた。ついで、溶液を室温まで冷却し、光反応性単量体、光重合開始剤、増感剤、紫外線吸収剤、有機染料およびガラス粉末を所定量秤量後、溶媒としてイソブチルアルコールを適宜添加して粘度が30Pa・sになるように調整し、3本ローラー混練機にて混合・分散し感光性透明誘電体ペーストを調整した。
M.感光性ペーストのポットライフ評価
感光性ペースト作製直後の初期粘度と、作製から7日後のペースト粘度を粘度計(BROOKFIELD社製、MODEL DV−II)で測定し、粘度上昇率(%)として、(作製から7日後の粘度)/(初期粘度)×100を算出して評価した。特に、ペーストの塗布性、水現像性、露光感度の観点から、粘度上昇率が150%以内であることが好ましい。
N.パネルの作製方法
透明誘電体パターンを形成したプラズマディスプレイの前面板パネルは以下のように作成した。まず、旭硝子社製ガラス基板“PD200”上に、ITOを用いて、ピッチ375μm、線幅150μmのサステイン電極を形成した。また、その基板上に感光性銀ペーストを塗布、乾燥、露光、現像、焼成工程を経て、線幅50μm、厚み3μmのサステイン電極を形成した。次に、透明誘電体ペーストをスクリーン印刷により、表示部分のサステイン電極が覆われるように40μmの厚みで塗布した後に、590℃15分間の焼成を行って前面透明誘電体を形成した。
さらに上述の感光性ペーストをスクリーン印刷により20μmの厚みになるよう、塗布・乾燥を繰り返し行った。乾燥は80℃で10分間行った。続いて、ライン幅60μm、スペース幅160μmのストライプ状を有するネガ型クロムマスクを用いて、上面から30mW/cm出力の超高圧水銀灯で紫外線露光した。露光量は1.0J/cmであった。
次に、35℃に保持した水を噴射圧2kg/cmのシャワー現像により現像し、光硬化していないスペース部分を除去してストライプ状の透明誘電体パターンを形成した。さらに、575℃で15分間保持して焼成することにより、透明誘電体パターンを有するプラズマディスプレイの前面板パネルを得た。
O.現像性の評価
未露光部の溶解時間が30秒以下でパターン形成できたものをAA、30秒以下でパターン形成できたが、一部剥れたものをAA−、30秒〜45秒でパターン形成できたものをA、45〜60秒でパターン形成できたものをB、60秒以上経過したものや、パターン形成できずに全て流れたものをCとして評価を行った。
P.全光線透過率の測定
ガラス基板上に感光性透明誘電体ペーストを塗布、乾燥した後、塗布面全面に露光、現像を行ったものを焼成して、20μmの膜厚でペースト膜を形成し、分光光度計(株式会社日立製作所製、U−3410型自記分光光度計)を用いて全光線透過率の測定を行った。用いたガラス基板を100%透過として、550nmでの透過率を読み取った。特にプラズマディスプレイの前面板に用いる場合は全光線透過率が80%以上であることが好ましい。
[実施例1〜2]
アクリル系共重合体(F−1)、(F−2)、およびガラス粉末aを用いて感光性ペーストを作製し、粘度上昇率、水現像性および全光線透過率について評価を行った。ペースト組成および評価結果を表1に示す。共重合成分としてグリセリンモノアクリレートを含有する共重合体を用いた実施例1は水現像性が高く、ポットライフも良好であった。水酸基価が比較的小さな感光性アクリル系共重合体を使用した実施例2では、現像性が実施例1よりもやや劣るものの、共重合体の熱分解性が高く、高透過率な透明誘電体パターンが得られた。
[実施例3〜4]
アクリル系共重合体(F−3)、(F−4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行った。ペースト組成および評価結果を表1に示す。酸価が大きな感光性アクリル系共重合体を使用した実施例3では、ポットライフが低下し、焼成後膜の全光線透過率は80%を下回ったが、水現像が可能であった。また、酸価が比較的低い共重合体を用いた実施例4では、現像性が低下したが、パターン形成は可能であり、全光線透過率も良好であった。
[実施例5〜6]
アクリル系共重合体(F−5)、(F−6)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行った。ペースト組成および評価結果を表1に示す。水酸基価が310mgKOH/gである共重合体を用いた実施例5では、共重合体の水溶性が低下したため現像性は低下したが、高透過率な透明誘電体パターンが得られた。また、水酸基価が500mgKOH/gである共重合体を用いた実施例5では、共重合体の水溶性が向上し、現像性は高かったが、ポットライフがやや低下した。
[実施例7〜8]
アクリル系共重合体(F−7)、(F−8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行った。ペースト組成および評価結果を表1に示す。実施例7では共重合体の重量平均分子量が小さかったので感光性は高かったが、耐現像性が弱く、パターンが一部剥れた。重量平均分子量が高い共重合体を用いた実施例8では、共重合体の水溶性が低下したため、現像性が低くなったが、パターン形成は可能であった。また、共重合体の熱分解性が悪く、全光線透過率が低下した。
[実施例9〜10]
無機微粒子としてガラス粉末b及びガラス粉末cを用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。ペースト組成および評価結果を表1に示す。BiOを主成分とするガラス粉末を用いた実施例9では、透過率はやや低下したが、現像性やポットライフは実施例1と大差なく良好な結果が得られた。また、ガラス転移温度が550℃を超えるガラス粉末を用いた実施例10では、現像性やポットライフが良好であったが、590℃では焼結しないガラスのため、全光線透過率は低かった。
[実施例11]
無機微粒子としてガラス粉末a40重量部とアルミナ粉末40重量部を配合したこと以外は実施例1にして同様の評価を行った。アルミナ粉末が存在しても現像性は高く、パターン形成できたが、アルミナは焼結しないため、全光線透過率は低かった。
[比較例1]
アクリル系共重合体としてアクリル系共重合体(F−9)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。アルコール部位を持たない樹脂を使用したので、水溶性が得られず、水現像によるパターン形成は不可能であった。
[比較例2]
アクリル系重合体としてアクリル系共重合体(F−10)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。カルボキシル基を有しない共重合体を用いたので現像性が低く、またガラス粉末との相溶性が低いためにペースト相分離が発生した。
[比較例3]
アクリル系重合体としてアクリル系共重合体(F−11)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。側鎖にエチレン性不飽和基を有しない共重合体を用いたので、露光部部分が十分光硬化せず、現像により全て溶解したためパターン形成できなかった。
Figure 2006145750
通常の透明誘電体を有するAC型プラズマディスプレイ前面板の断面図である。 パターン化した透明誘電体を有するAC型プラズマディスプレイ前面板の断面図である。
符号の説明
1:前面板
2:ガラス基板(前面基板)
3:スキャン電極
4:サステイン電極
5:バス電極
6:透明誘電体
7:MgO保護膜
8:透明誘電体パターン

Claims (9)

  1. 少なくとも無機微粒子と感光性有機成分を含む感光性ペーストであって、感光性有機成分として側鎖にエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する感光性アクリル系共重合体を含み、該アクリル系共重合体の共重合成分として、下記一般式(1)で表される多価アルコールとエチレン性不飽和カルボン酸とのモノエステルを含有することを特徴とする感光性ペースト。
    Figure 2006145750
    [式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素またはヒドロキシル基または炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し、nは1〜5の整数を表す。]
  2. 感光性アクリル系共重合体の酸価が、2〜50mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の感光性ペースト。
  3. 感光性アクリル系共重合体の水酸基価が、350〜450mgKOH/gであることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性ペースト。
  4. 感光性アクリル系共重合体の重量平均分子量が、5000〜20000であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の感光性ペースト。
  5. 無機微粒子として、ガラス転移温度が350℃〜550℃にあるガラス粉末を50〜90重量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性ペースト。
  6. ガラス粉末が、酸化物換算表記で、PbO 0〜80重量%、BiO 0〜80重量%、ZnO 0〜80重量%、B 2〜40重量%、SiO 2〜30重量%、BaO 1〜30重量%の組成比を有することを特徴とする請求項5に記載の感光性ペースト。
  7. 無機微粒子として、ガラス転移温度が600℃以上の高融点ガラス粉末を10重量%以下含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感光性ペースト。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の感光性ペーストを塗布・露光した後、水で現像することを特徴とする、プラズマディスプレイ用パネルの製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法を用いて製造した、プラズマディスプレイ用パネル。
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