JP2000204130A - 感光性ペ―ストおよびそれを用いたディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

感光性ペ―ストおよびそれを用いたディスプレイ用部材の製造方法

Info

Publication number
JP2000204130A
JP2000204130A JP31503099A JP31503099A JP2000204130A JP 2000204130 A JP2000204130 A JP 2000204130A JP 31503099 A JP31503099 A JP 31503099A JP 31503099 A JP31503099 A JP 31503099A JP 2000204130 A JP2000204130 A JP 2000204130A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive paste
acrylate
weight
photosensitive
paste according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP31503099A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Takahashi
宏光 高橋
Hiroko Uegaki
博子 植垣
Kenichi Tabata
憲一 田畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP31503099A priority Critical patent/JP2000204130A/ja
Publication of JP2000204130A publication Critical patent/JP2000204130A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高アスペクト比かつ高精度のパターン加工を低
コストで可能にする感光性ペーストを提供する。 【解決手段】無機微粒子と感光性有機成分を必須成分と
する感光性ペーストにおいて、該感光性有機成分が、カ
ルボキシル基含有共重合体に不飽和基含有脂環式エポキ
シ化合物を開環付加させて得られた感光性ポリマーを含
有することを特徴とする感光性ペーストによって達成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性ペーストおよ
びそれを用いたディスプレイの製造方法に関するもので
あり、プラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶デ
ィスプレイ、フィールドエミッションディスプレイをは
じめとする各種のディスプレイの製造や回路材料などの
パターン加工に用いられる。
【0002】
【従来の技術】近年、ディスプレイにおいて小型・高精
細化が進んでおり、それに伴ってパターン加工技術の向
上が望まれている。特に、プラズマディスプレイパネル
の隔壁形成には、ガラスなどの無機材料を高精度かつ高
アスペクト比でパターン加工できる材料が望まれてい
る。
【0003】従来、無機材料のパターン加工を行う場
合、無機粉末と有機バインダーからなるペーストによる
スクリーン印刷が多く用いられている。しかしながらス
クリーン印刷は精度の高いパターンが形成できないとい
う欠点があった。
【0004】この問題を改良する方法として、特開平1
−296534号公報、特開平2−165538号公
報、特開平5−342992号公報では、感光性ペース
トを用いてフォトリソグラフィ技術により形成する方法
が提案されている。しかしながら、感光性ペーストの感
度やパターン形成の解像度が低いため、高アスペクト
比、高精細の隔壁が得られなかった。例えば80μmを
越える厚みのものをパターン加工する場合、複数回の加
工(スクリーン印刷・露光・現像)を必要とするため、
工程が長くなる欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高ア
スペクト比かつ高精細度のパターン加工を低コストで可
能にする感光性ペーストを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
構成によって達成される。
【0007】無機微粒子と感光性有機成分からなる感光
性ペーストにおいて、該感光性有機成分がカルボキシル
基含有共重合体に不飽和基含有脂環式エポキシ化合物を
開環付加させて得られる感光性ポリマーを含有すること
を特徴とする感光性ペースト、および、それを用いたデ
ィスプレイ用部材の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の感光性ペーストは、カル
ボキシル基含有共重合体に不飽和基含有脂環式エポキシ
化合物を開環付加させて得られる感光性ポリマーを含有
する。
【0009】カルボキシル基含有共重合体は、(メタ)
アクリル酸と、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合
によって得られる。
【0010】(メタ)アクリル酸エステルの例として
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プ
ロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−
ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イ
ソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレー
ト、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、
ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、
ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレー
ト、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシ
ジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルア
クリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イ
ソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラ
ウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレー
ト、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキ
シジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペ
ンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、
ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレー
ト、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレ
ート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリ
レート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカ
プタンアクリレート、またこれらの芳香環の水素原子の
うち1〜5個を塩素または臭素原子に置換したモノマ
ー、および上記化合物の分子内アクリレートをメタクリ
レートに変えたものなどが挙げられる。
【0011】また、上記共重合体には、(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸エステル以外の共重合成分を
含有させることも可能である。例えば、イタコン酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、または
これらの酸無水物などの不飽和カルボン酸、または、ス
チレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、
α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素
化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロ
キシメチルスチレン、カルボキシメチルスチレン、ビニ
ルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾー
ル、アクリロニトリルなどの不飽和カルボン酸以外の不
飽和化合物が挙げられる。
【0012】これら不飽和化合物から成る共重合体の製
造方法としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリルなどの汎用の重合開始剤を用いて溶液重合さ
せることにより得られる。
【0013】本発明では、カルボキシル基含有共重合体
として、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステ
ルと、アクリル酸またはメタクリル酸とからなる共重合
体が最も好ましい。
【0014】不飽和基含有脂環式エポキシ化合物として
は、下記式(1)で表される3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチルメタクリレートもしくは3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチルアクリレート、または、それらの
カプロラクトン変性物が好ましく、中でも下記式(2)
で表される3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタ
クリレートが最も好ましい。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】本発明の感光性ペーストに用いる感光性ポ
リマーは、上記カルボキシル基含有共重合体に上記不飽
和基含有脂環式エポキシ化合物を開環付加させて得られ
る。開環付加反応において、カルボキシル基含有共重合
体に反応させる不飽和基含有脂環式エポキシ化合物の比
率は、付加反応後の樹脂1kgにつき二重結合量が1.
0〜3.5mol、二重結合当量に換算して286〜1
000g/molになるように設定することが好まし
い。反応後の樹脂1kgに含まれる二重結合の量を1.
0mol以上とすることで十分な硬化性が得られる。ま
た3.5mol以下とすることで十分な貯蔵安定性が得
られる。
【0018】このようにして得られる感光性ポリマーの
重量平均分子量は3000〜100000であることが
好ましく、さらに好ましくは5000〜50000であ
る。重量平均分子量を3000以上とすることで十分な
形態保持性が得られ、100000以下とすることで現
像が容易に行える。
【0019】また、酸価は25〜200mgKOH/g
であることが好ましく、さらに好ましくは50〜150
mgKOH/gである。酸価を25mgKOH/g以上
とすることで、現像時に不要部分の除去性が良好なもの
となり、200mgKOH/g以下とすることで、現像
時に硬化部、未硬化部のコントラストを十分にとること
ができる。
【0020】本発明の感光性ペーストにおいて、感光性
有機成分とは、無機微粒子を除いた部分、すなわち感光
性を有する有機成分全体をいう。感光性有機成分には、
上記感光性ポリマー以外にも、感光性モノマー、感光性
オリゴマー、上記ポリマー以外の感光性ポリマー、光重
合開始剤、光吸収剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤、
バインダー、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸化防止剤、
分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤やレベリング剤
などの添加剤成分を加えることができる。本発明の感光
性ペーストは、95〜50重量%の無機微粒子と5〜5
0重量%の感光性有機成分からなることが好ましい。
【0021】感光性モノマーとしては、以下のように炭
素−炭素不飽和結合を含有する化合物などが挙げられ
る。例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリ
レート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルア
クリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリ
レート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリ
レート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニル
アクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレー
ト、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イ
ソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリ
レート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルア
クリレート、メトキシエチレングリコールアクリレー
ト、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オク
タフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアク
リレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチル
アクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−
ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒ
ドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、
メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジ
アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、アクリルアミド、アミノエ
チルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシ
エチルアクリレート、ベンジルアクリレート、1−ナフ
チルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ビスフ
ェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレ
ンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノール
A−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、チ
オフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアク
リレート、また、これらの芳香環の水素原子のうち1〜
5個を塩素または臭素原子に置換したモノマー、もしく
は、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチ
レン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレ
ン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレ
ン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボキシメチルスチ
レン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニル
カルバゾール及び上記化合物の分子内のアクリレートを
一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたもの、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビ
ニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。これらのモノ
マーは、1種または2種以上混合して使用することがで
きる。
【0022】また、これら感光性モノマーのうちの少な
くとも1種類を重合して得られたオリゴマーまたはポリ
マーも用いることもできる。さらに、不飽和カルボン酸
等の不飽和酸を加えて共重合することによって、感光後
の現像性を向上することができる。このオリゴマーまた
はポリマーは、そのままバインダーとして使用すること
も可能であるが、光反応性基を側鎖または分子末端に付
加させることによって、感光性を持つ感光性のポリマー
や感光性のオリゴマーとして用いることもできる。好ま
しい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するもので
ある。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル
基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。この
ような側鎖をオリゴマーやポリマーに付加させる方法
は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカ
ルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート
基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロラ
イド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライド
を付加反応させて作る方法がある。グリシジル基を有す
るエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエー
テル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシ
ジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソク
ロトン酸グリシジルエーテルなどがあげられる。イソシ
アネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、
(メタ)アクリロイルイソシアネート、(メタ)アクリ
ロイルエチルイソシアネート等がある。また、グリシジ
ル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合
物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドま
たはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、
アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜
1モル当量付加させることが好ましい。
【0023】光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフ
ェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス
(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジ
エチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベン
ゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケ
トン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエ
トキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロ
アセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサ
ントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピル
チオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジ
メチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセター
ル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルア
ントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロル
アントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベ
ンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザ
ルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリ
デン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベ
ンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェ
ニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボ
ニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−
(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェ
ニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニ
ル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパン
トリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラー
ケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタレンスル
ホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N
−フェニルチオアクリドン、4、4−アゾビスイソブチ
ロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾー
ルジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファー
キノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、
過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチレンブルーなど
の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールア
ミンなどの還元剤の組合せなどがあげられる。これらは
1種または2種以上混合して使用することができる。光
重合開始剤は、有機成分に対し、0.05〜10重量%
の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜10重量
%である。光重合開始剤の量を0.05重量%以上とす
ることで、露光感度が良好となり、光重合開始剤の量を
10重量%以下とすることで、露光部の残存率が小さく
なるのを防ぐことができる。
【0024】光吸収剤を添加することも有効である。紫
外光や可視光の吸収効果が高い化合物を添加することに
よって、高アスペクト比、高精細、高解像度が得られ
る。
【0025】光吸収剤としては、有機系染料から成るも
のが好ましく用いられる。具体的には、アゾ系染料、ア
ミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染
料、アントラキノン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジ
フェニルシアノアクリレート系染料、トリアジン系染
料、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機
系染料は、光吸収剤として添加した場合にも、焼成後の
絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤による絶縁膜特性
の低下を小さくできるので好ましい。これらの中でも、
アゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。
【0026】有機染料の添加量は0.05〜5重量部が
好ましい。0.05重量%以上とすることで散乱光の吸
収効果が十分得られ、5重量%以下とすることで焼成後
の絶縁膜特性が低下するのを防ぐことができる。
【0027】また、感度を向上させる目的で増感剤を添
加することができる。増感剤としては、例えば、2,4
−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサント
ン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シク
ロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベン
ザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチル
アミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒ
ラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾ
フェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、
4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチ
ルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミ
ノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノ
フェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−
ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3
−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)ア
セトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミ
ノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールア
ミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエ
タノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメ
チルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香
酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテト
ラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオ
テトラゾールなどがあげられる。これらは1種または2
種以上混合して使用することができる。なお、増感剤の
中には光重合開始剤としても使用できるものがある。増
感剤を本発明の感光性ペーストに添加する場合、その添
加量は有機成分に対して通常0.05〜10重量%、よ
り好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量を
0.05重量%以上とすることで露光感度を向上させる
ことができ、増感剤の量を10重量%以下とすることで
露光部の残存率が小さくなりすぎるのを防ぐことができ
る。
【0028】本発明では酸化防止剤を添加することも有
効である。酸化防止剤とは、ラジカル連鎖禁止作用、三
重項の消去作用、ハイドロパーオキサイドの分解作用を
もつものである。
【0029】感光性ペーストは多くの無機微粒子を分散
状態で含有するので、露光光によるペースト内部の光散
乱は避け難く、それに起因すると考えられるパターン形
状の太りやパターン間の埋り(残膜形成)が発生しやす
い。パターンの壁は垂直に切り立ち、矩形になることが
望ましい。理想的には、ある露光量以下では現像液に溶
解し、それ以上では現像液に不溶となることである。つ
まり、散乱光によって少量露光されても現像液に溶解し
てパターン形状の太りやパターン間の埋まりがなく、露
光量を多くしても現像できる範囲が広いことが好まし
い。
【0030】感光性ペーストに酸化防止剤を添加する
と、ラジカルを捕獲したり、励起された光重合開始剤や
増感剤を基底状態に戻したりすることにより、散乱光に
よる余分な光反応が抑制される。よって、酸化防止剤で
抑制できなくなる露光量で急激に光反応が起こるため、
現像液への溶解、不溶のコントラストを高くすることが
できる。
【0031】具体的には、p−ベンゾキノン、ナフトキ
ノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジ
クロロキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノ
ン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロ
キノン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジブチル
ヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、2,5
−ジ−t−アミルヒドロキノン、ジ−t−ブチル−p−
クレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナ
フトール、ヒドラジン塩酸塩、トリメチルベンジルアン
モニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムオ
キザレート、フェニル−β−ナフチルアミン、パラベン
ジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレ
ンジアミン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、
ピクリン酸、キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキ
シム、ピロガロール、タンニン酸、トリエチルアミン塩
酸塩、ジメチルアニリン塩酸塩、クペロン、(2,2’
−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)−2−エ
チルヘキシルアミノニッケル−(II)、4,4’−チオ
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、2,2’−チオビス−(4−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール
−ビス[3−(t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオ
ール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、1,2,3−トリヒド
ロキシベンゼン、などが挙げられるがこれらに限定され
ない。本発明では、これらを1種以上使用することがで
きる。
【0032】酸化防止剤の添加量は、感光性ペースト中
に0.1〜30重量%、より好ましくは、0.5〜20
重量%の範囲である。0.1重量%以上とすることで、
現像液への溶解、不溶のコントラストを大きくとること
ができ、また30重量%以下とすることで感光性ペース
トの感度を低下させることがなく、従って多くの露光量
を必要としたり、重合度が上がらずパターン形状が維持
できなくなることがない。
【0033】本発明の感光性ペーストには、溶液の粘度
を調整したい場合、有機溶媒を加えてもよい。このとき
使用される有機溶媒としては、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケト
ン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロ
ペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアル
コール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシ
ド、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ブロ
モベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジク
ロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などや
これらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用
いられる。
【0034】本発明における無機微粒子とは、ガラス粉
末、金属粉末、セラミックス微粒子などであり、特に有
用となるのは、ガラス粉末または金属粉末を用いた場合
である。
【0035】ガラス粉末としては、ガラス転移点430
〜500℃、軟化点が470〜580℃のガラス粉末を
ペースト中に50重量%以上含有することによって、通
常のディスプレイに用いられる基板上にパターン加工が
できる。
【0036】このようなガラス転移点および軟化点を有
し、かつガラス粉末の屈折率が1.5〜1.65になる
ように金属酸化物を配合してなるガラス粉末を用いるこ
とにより、ガラス粉末と感光性有機成分の屈折率と整合
させ、光散乱を抑制することにより高精度のパターン加
工が可能になる。例えば、酸化ケイ素:22、酸化アル
ミニウム:23、酸化硼素:33、酸化リチウム:9、
酸化マグネシウム:7、酸化バリウム:4および酸化亜
鉛:2(重量%)からなるガラス粉末は、ガラス転移
点:490℃、軟化点:528℃、そしてg線波長(4
36nm)における屈折率:1.59であり、本発明の
無機微粒子として好ましく使用することができる。
【0037】本発明の感光性ペーストに用いる無機微粒
子として、例えば下記の組成を含有するガラス粉末を好
ましく使用することができる。
【0038】 酸化リチウム : 3〜10重量% 酸化ケイ素 :10〜30重量% 酸化硼素 :20〜40重量% 酸化バリウム : 2〜15重量% 酸化アルミニウム :10〜25重量% これらのうちで、酸化リチウムを含有することが特に有
用であり、酸化リチウムを3〜10重量%含有するガラ
ス粉末を用いることによって、熱軟化温度、熱膨脹係数
のコントロールが容易になるだけでなく、ガラスの平均
屈折率を低くできるため、有機成分との屈折率差を小さ
くすることが容易になる。アルカリ金属の酸化物の添加
量はペーストの安定性を向上させるためには、10重量
%以下が好ましく、より好ましくは8重量%以下であ
る。
【0039】酸化ケイ素は10〜30重量%の範囲で配
合することが好ましく、10重量%以上とすることでガ
ラス層の緻密性、強度や安定性が得られ、また熱膨脹係
数を所望の値の範囲内とすることができるので、ガラス
基板とのミスマッチが起こらない。また、30重量%以
下とすることで軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き
付けが可能になるなどの利点がある。
【0040】酸化硼素は20〜40重量%の範囲で配合
することが好ましい。40重量%以下とすることでガラ
スの安定性を保つことができる。酸化硼素はガラス粉末
を800〜1200℃付近の温度で溶解するため、およ
び酸化ケイ素が多い場合でも電気絶縁性、強度、熱膨脹
係数、絶縁層の緻密性などの電気、機械および熱的特性
を損なうことがないように焼き付け温度を540〜61
0℃の範囲に制御するために配合される。20重量%未
満では絶縁層の強度が低下し、ガラスの安定性が低下す
る。
【0041】酸化バリウムは2〜15重量%の範囲で配
合することが好ましい。2重量%以上とすることで、ガ
ラス焼き付け温度および電気絶縁性を制御するのが容易
となる。また、15重量%以下とすることでガラス層の
安定性や緻密性を保つことができる。
【0042】酸化アルミニウムは10〜25重量%の範
囲で配合するのが好ましい。酸化アルミニウムはガラス
の歪み点を高めるために添加される。10重量%以上と
することでガラス層の強度が向上する。25重量%以下
とすることでガラスの耐熱温度が高くなり過ぎることが
なくガラス基板上への焼き付けを容易に行うことがで
き、また、緻密な絶縁層を600℃以下の温度で得るこ
とができる。
【0043】ガラス粉末中において、プラズマの放電特
性を劣化させる酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化イ
ットリウムなどの含有量を5重量%以下とすることが好
ましく、更にはこれらを含まないことが好ましい。
【0044】また、ガラス粉末は、酸化チタン、酸化ジ
ルコニウムなどを含有することができるが、その量は2
重量%未満であることが好ましい。酸化ジルコニウムは
ガラスの軟化点、転移点および電気絶縁性を制御するの
に効果がある。
【0045】ガラス粉末の作製法としては、例えば原料
である酸化リチウム、酸化ケイ素、酸化硼素、酸化バリ
ウムおよび酸化アルミニウムなどを所定の配合組成とな
るように混合し、900〜1200℃で溶融後、急冷
し、ガラスフリットにしてから粉砕して1〜5μmの微
細な粉末にする。原料は高純度の炭酸塩、酸化物、水酸
化物などを使用できる。また、ガラス粉末の種類や組成
によっては99.99%以上の超高純度なアルコキシド
や有機金属の原料を使用しゾル・ゲル法で均質に作製し
た粉末を使用すると、電気抵抗が高く、緻密で気孔の少
ない、高強度な絶縁層が得られるので好ましい。
【0046】上記において使用されるガラス粉末粒子径
は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれ
るが、粉末は、50重量%粒子径(平均粒子径)が2〜
3.5μm、トップサイズ15μm以下であることが好
ましい。さらに、10重量%粒子径が0.6〜1.5μ
m、90重量%粒子径が4〜8μm、比表面積1.5〜
2.5m2/gを有していることが好ましい。より好ま
しくは平均粒子径2.5〜3.5μm、比表面積1.7
〜2.4m2/gである。この範囲にあると紫外線露光
時に光が十分透過し、上下で線幅差の小さい隔壁パター
ンが得られる。また、平均粒子径2.0μm以上、比表
面積2.5m2/g以下とすることで粉末が細かくなり
過ぎず、露光時において光が散乱されて未露光部分を硬
化させるのを防ぐことができる。
【0047】また電極用ペーストの場合は、無機微粒子
として導電性金属粉末を用いる。金属粉末としては、
金、ニッケル、銀、パラジウム、白金等の金属もしくは
これらを含有する合金などが好ましく用いられるが、銀
を90〜100重量%含有するものが特に好ましい。銀
の含有率を90重量%以上にすることにより、焼結性を
向上させ、抵抗値を低くすることができる。
【0048】上記において使用される金属粉末の平均粒
子径は、0.5〜5μmにコントロールすることが好ま
しい。平均粒子径を0.5μm以上とすることで、金属
粉末の凝集を抑え粉末が高度に分散した状態でペースト
を得ることができる。また、平均粒子径を5μm以下と
することで、ペースト成形体の表面が粗くならず、薄い
電極層を形成したときに、ピンホールや断線が発生する
懸念がない。
【0049】さらに、電極用ペーストはガラス基板との
接着性を向上させる目的でガラス粉末を混合することが
好ましい。ここで使用するガラス粉末の例としては、酸
化ビスマスと酸化鉛の合計含有量が30〜90重量%の
ガラス粉末が好ましく挙げられる。ガラス粉末中のこれ
らの含有量が少なくなると、溶融温度が上昇してガラス
基板への接着力が低下し、含有量が多すぎると水分によ
る劣化を受けやすくなる傾向にある。
【0050】感光性ペーストは、通常、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、無機微粒子、感光性有機成分、有機染料、
分散剤、吸光剤、および溶媒などの各種成分を所定の組
成となるように調合した後、3本ローラや混練機で均質
に混合分散し作製する。
【0051】ペーストの粘度は無機微粒子、増粘剤、有
機溶媒、可塑剤および沈降防止剤などの添加割合によっ
て適宜調整されるが、その範囲は2000〜20万cp
s(センチ・ポイズ)から好ましく選択される。例え
ば、基板への塗布をスピンコート法で行う場合は、20
00〜5000cpsが好ましい。スクリーン印刷法で
1回塗布して膜厚10〜20μmを得るには、5万〜2
0万cpsが好ましい。ブレードコーター法やダイコー
ター法などを用いる場合は、1万〜5万cpsが好まし
い。
【0052】次に、感光性ペーストを用いてパターン加
工を行う一例について説明するが、本発明はこれに限定
されない。
【0053】基板上に、感光性ペーストを全面塗布、も
しくは部分的に塗布する。塗布方法としては、スクリー
ン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコータ
ー、ブレードコーターなどの方法を用いることができ
る。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペ
ーストの粘度を選ぶことによって調整できる。
【0054】本発明に用いるガラス基板は、特に限定さ
れないが、一般的なソーダライムガラスやソーダライム
ガラスをアニール処理したガラス、または、高歪み点ガ
ラス(旭硝子社製 商品名PD−200)等を用いるこ
とができる。ガラス基板のサイズには特に限定はなく、
1〜5mmの厚みのガラスを用いることができる。
【0055】ここでペーストを基板上に塗布する場合、
基板と塗布膜との密着性を高めるために基板の表面処理
を行うことができる。表面処理液としては、シランカッ
プリング剤、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリ
ス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロ
キシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシランなど、あるいは有機金属例えば、有機チタン、
有機アルミニウム、有機ジルコニウムなどである。シラ
ンカップリング剤あるいは有機金属を有機溶媒、例え
ば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、メチルアルコール、エ
チルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ルなどで0.1〜5%の濃度に希釈したものを用いる。
次にこの表面処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗
布した後に80〜140℃で10〜60分間乾燥するこ
とによって表面処理ができる。
【0056】塗布した後、露光装置を用いて露光を行
う。露光装置としては、プロキシミティ露光機などを用
いることができる。また、大面積の露光を行う場合は、
基板上に感光性ペーストを塗布した後に、搬送しながら
露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、
大きな面積を露光することができる。
【0057】露光後、露光部分と未露光部分の現像液に
対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、
浸漬法やスプレー法、ブラシ法で行う。現像液には、感
光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒を
用いる。また、有機溶媒にその溶解力が失われない範囲
で水を添加してもよい。感光性ペースト中にカルボキシ
ル基などの酸性基をもつ化合物が存在する場合、アルカ
リ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液としては水酸化
ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム水溶液
などが使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が
焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。
【0058】有機アルカリとしては、一般的なアミン化
合物を用いることができる。具体的には、テトラメチル
アンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアン
モニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミンなどが挙げられる。
【0059】アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜5
重量%、より好ましくは0.1〜1重量%である。アル
カリ濃度が低すぎると可溶部の除去が困難となり、アル
カリ濃度が高すぎると、パターンが剥離したり、非可溶
部を腐食させる傾向となる。また、現像時の現像温度
は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
【0060】次に焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や
温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気
中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉とし
ては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用
いることができる。
【0061】焼成温度は400〜1000℃で行う。ガ
ラス基板上にパターン加工する場合は、480〜610
℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行う。
【0062】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に
説明する。ただし、本発明はこれに限定されない。な
お、実施例、比較例中の濃度(%)は重量%である。 実施例1 以下の組成から成る混合物を、3本ローラーで混練し
た。 1)ガラス粉末 60重量部 2)ポリマー(ダイセル化学工業(株)製”サイクロマーP” ACA250) 10重量部 3)モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート) 10重量部 4)光重合開始剤 (2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルフォリノフェニル)ブタノ ン−1) 3重量部 5)有機染料(スダンIV) 0.01重量部 6)溶媒(γ−ブチロラクトン) 17重量部 上記ガラス粉末としては、組成が、Li2O:9%、S
iO2:22%、Al23:23%、B23:33%、
BaO:4%、ZnO:2%、MgO:7%のものを用
いた。このガラス粉末の平均屈折率は1.586、ガラ
ス転移点、軟化点はそれぞれ476℃、519℃、平均
粒子径は2.6μmである。
【0063】また、ポリマー(ダイセル化学工業(株)
製”サイクロマーP” ACA250)は、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチルアクリレートをメタクリル
酸およびアクリル酸ブチルを共重合成分とするカルボキ
シル基含有共重合体に開環付加した感光性ポリマーであ
る。重量平均分子量は10000、酸価は70mgKO
H/gであった。
【0064】得られたペーストはスクリーン印刷法を用
いて、ソーダガラス基板上に均一に塗布した。塗布膜に
ピンホールなどの発生を回避するために塗布、乾燥を数
回以上繰り返し行い、乾燥厚みが180μmになるよう
に塗布した。途中の乾燥は80℃で10分間行い、最後
に80℃で60分間乾燥した。
【0065】次に、プラズマディスプレイ用の隔壁パタ
ーン形成用フォトマスク(ストライプ状パターン、パタ
ーンピッチ130μm、線幅30μm)を介して露光を
行った。この時、該マスクが汚染されるのを防ぐため、
マスクと塗膜面に50μmのギャップを設けた。その
後、35℃に保持したモノエタノールアミンの0.3重
量%水溶液をシャワーで150秒間かけることにより現
像を行い、基板上にストライプ状の隔壁パターンを形成
した。
【0066】続いて、隔壁パターンを顕微鏡で観察し、
露光部の剥がれ、パターンの蛇行およびパターン間の埋
まり(残膜)が発生しない最適露光量を調べた。150
mJ/cm2の露光量で、露光部の剥がれ、パターンの
蛇行およびパターン間の埋まりのない、良好な隔壁パタ
ーンが形成された。
【0067】パターン加工終了後、基板を80℃で15
分乾燥した後、570℃で15分焼成し隔壁を形成し
た。 実施例2 組成が以下のように変わる以外は実施例1と同様にして
隔壁パターンを形成した。 1)ガラス粉末 55重量部 2)ポリマー 10重量部 3)モノマー1(トリメチロールプロパントリアクリレート) 9重量部 4)モノマー2(2−ヒドロキシエチルメタクリレート) 6重量部 5)光重合開始剤 (2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルフォリノフェニル)ブタノ ン−1) 3重量部 6)有機染料(ベーシックブルー26) 0.01重量部 7)溶媒(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル) 17重量部 ポリマーは、メタクリル酸およびアクリル酸ブチルを共
重合成分とするカルボキシル基含有共重合体に、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを開環付
加した感光性ポリマーを用いた。重量平均分子量は18
000、酸価は111mgKOH/gであった。
【0068】実施例1と同様に、隔壁パターンを顕微鏡
で観察し、露光部の剥がれ、パターンの蛇行およびパタ
ーン間の埋まり(残膜)が発生しない最適露光量を調べ
た。200mJ/cm2の露光量で、露光部の剥がれ、
パターンの蛇行およびパターン間の埋まりのない、良好
な隔壁パターンが形成された。 実施例3 実施例1において、ポリマーを以下のように変更した以
外は実施例1と同様に隔壁パターンを形成した。
【0069】ここで用いたポリマーは、メチルメタクリ
レートおよびメタクリル酸を共重合成分とするカルボキ
シル基含有共重合体に3,4−エポキシシクロヘキシル
メチルメタクリレートを開環付加した感光性ポリマーで
ある。重量平均分子量は20000、酸価は120mg
KOH/gであった。
【0070】実施例1と同様に、露光、現像を行い、隔
壁パターンを形成した。120mJ/cm2の露光量
で、露光部の剥がれ、パターンの蛇行およびパターン間
の埋まりのない、さらにパターンエッジの削れのない、
良好な隔壁パターンが形成された。 実施例4 以下の組成から成る混合物を、3本ローラーで混練し
た。 1)銀粉末(平均粒径1.5μm) 60重量部 2)ポリマー(ダイセル化学工業(株)製”サイクロマーP ACA250”) 10重量部 3)モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート) 10重量部 4)光重合開始剤 (2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]-2−モルフォリノプロパ ン−1−オン) 3重量部 5)ガラス粉末(ホウ珪酸ビスマスガラス) 2重量部 6)溶媒(γ−ブチロラクトン) 15重量部 得られたペーストはスクリーン印刷法を用いて、ソーダ
ガラス基板上に均一に塗布した。塗布膜にピンホールな
どの発生を回避するために塗布、乾燥を数回以上繰り返
し行い、乾燥厚みが6μmになるように塗布した。途中
の乾燥は80℃で10分間行い、最後に80℃で60分
間乾燥した。
【0071】次に、プラズマディスプレイ用の電極パタ
ーン形成用フォトマスク(パターンピッチ140μm、
線幅50μm)を介して露光を行った。この時、該マス
クが汚染されるのを防ぐため、マスクと塗膜面に50μ
mのギャップを設けた。その後、30℃に保持したモノ
エタノールアミンの0.3重量%水溶液をシャワーで6
0秒間かけることにより現像を行い、基板上に電極パタ
ーンを形成した。
【0072】得られた電極パターンについて、ピンホー
ルや剥がれ、断線の有無を調べ最適露光量を求めた。1
00mJ/cm2の露光量でピンホールやハガレ、断線
のないマスク通りの良好な電極パターンが得られた。
【0073】パターン加工終了後、基板を80℃で15
分乾燥した後、590℃で15分焼成し電極を形成し
た。 実施例5 実施例4において、感光性ポリマーを実施例3で用いた
感光性ポリマーに変更した以外は実施例4と同様に電極
パターンを形成した。
【0074】実施例4と同様に、露光、現像を行い、電
極パターンを形成した。80mJ/cm2の露光量で、
ピンホール、剥がれ、断線およびエッジ浮きのない良好
な電極パターンが得られた。 比較例1 実施例1のポリマーの代わりに、メタクリル酸/メタク
リル酸メチル(15/85)共重合体を使用する以外は
実施例1と同様にして隔壁パターンを形成した。現像後
の隔壁パターンは蛇行が顕著であり、露光量、現像時間
を変えても解消せず、良好なパターンは得られなかっ
た。 比較例2 実施例3のポリマーの代わりに、メタクリル酸/メタク
リル酸メチル共重合体(15/85)を使用する以外は
実施例3と同様にして電極パターンを形成した。500
J/cm2露光しても現像時にハガレが生じた。
【0075】
【発明の効果】本発明の感光性ペーストおよびディスプ
レイ用部材の製造方法により、厚膜のパターン加工が低
露光量、短時間で行える。これによりディスプレイ部
材、回路材料などの厚膜、高精度のパターン加工の精細
度の向上、および工程の簡略化が可能となる。本発明の
感光性ペーストおよびディスプレイ用部材の製造方法
は、特に、高精度のプラズマディスプレイ部材の隔壁お
よび電極の形成に有効である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機微粒子と感光性有機成分からなる感光
    性ペーストにおいて、該感光性有機成分がカルボキシル
    基含有共重合体に不飽和基含有脂環式エポキシ化合物を
    開環付加させて得られる感光性ポリマーを含有すること
    を特徴とする感光性ペースト。
  2. 【請求項2】不飽和基含有脂環式エポキシ化合物が、下
    記一般式(1)で示される不飽和基含有脂環式エポキシ
    化合物である請求項1記載の感光性ペースト。 【化1】 (ここで、式中Rは水素原子またはメチル基を示す。)
  3. 【請求項3】不飽和基含有脂環式エポキシ化合物が、下
    記式(2)で示される不飽和基含有脂環式エポキシ化合
    物である請求項1記載の感光性ペースト。 【化2】
  4. 【請求項4】カルボキシル基含有共重合体が、アクリル
    酸エステルまたはメタクリル酸エステルと、アクリル酸
    またはメタクリル酸とからなる共重合体である請求項1
    記載の感光性ペースト。
  5. 【請求項5】感光性ペーストが、95〜50重量%の無
    機微粒子と5〜50重量%の感光性有機成分からなる請
    求項1記載の感光性ペースト。
  6. 【請求項6】無機微粒子がガラス粉末を含むものである
    請求項1記載の感光性ペースト。
  7. 【請求項7】ガラス粉末が、ガラス転移点430〜50
    0℃および軟化点470〜580℃であり、平均粒子径
    2〜3.5μmの、酸化リチウムを含有するガラス粉末
    である請求項6記載の感光性ペースト。
  8. 【請求項8】無機微粒子が導電性金属粉末を含むもので
    ある請求項1記載の感光性ペースト。
  9. 【請求項9】導電性金属粉末が、銀を90〜100重量
    %含む、平均粒子径0.5〜5μmの導電性金属粉末で
    ある請求項8記載の感光性ペースト。
  10. 【請求項10】基板上に請求項1記載の感光性ペースト
    を塗布し、露光、現像を経てパターンを形成し、さらに
    焼成することを特徴とするディスプレイ用部材の製造方
    法。
  11. 【請求項11】基板上に請求項6記載の感光性ペースト
    を塗布し、露光、現像を経てパターンを形成し、さらに
    焼成することにより隔壁を形成することを特徴とするデ
    ィスプレイ用部材の製造方法。
  12. 【請求項12】基板上に請求項8記載の感光性ペースト
    を塗布し、露光、現像を経てパターンを形成し、さらに
    焼成することにより電極を形成することを特徴とするデ
    ィスプレイ用部材の製造方法。
  13. 【請求項13】ディスプレイ用部材がプラズマディスプ
    レイ用部材である請求項10〜12のいずれかに記載の
    ディスプレイ用部材の製造方法。
JP31503099A 1998-11-09 1999-11-05 感光性ペ―ストおよびそれを用いたディスプレイ用部材の製造方法 Withdrawn JP2000204130A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31503099A JP2000204130A (ja) 1998-11-09 1999-11-05 感光性ペ―ストおよびそれを用いたディスプレイ用部材の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31768098 1998-11-09
JP10-317680 1998-11-09
JP31503099A JP2000204130A (ja) 1998-11-09 1999-11-05 感光性ペ―ストおよびそれを用いたディスプレイ用部材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000204130A true JP2000204130A (ja) 2000-07-25

Family

ID=26568155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31503099A Withdrawn JP2000204130A (ja) 1998-11-09 1999-11-05 感光性ペ―ストおよびそれを用いたディスプレイ用部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000204130A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6790596B2 (en) 2002-01-25 2004-09-14 Murata Manufacturing Co., Ltd Photoreactive resin composition and method of manufacturing circuit board and ceramic multilayer substrate using the resin composition
JP2006321976A (ja) * 2005-03-09 2006-11-30 E I Du Pont De Nemours & Co 黒色導電性組成物、黒色電極、およびその形成方法
JP2009534498A (ja) * 2006-04-18 2009-09-24 東進セミケム株式会社 印刷用ペースト組成物
TWI476513B (zh) * 2007-12-28 2015-03-11 Fujifilm Corp 感光性樹脂組成物、光間隔物及其形成方法、保護膜、著色圖案、顯示裝置用基板與顯示裝置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6790596B2 (en) 2002-01-25 2004-09-14 Murata Manufacturing Co., Ltd Photoreactive resin composition and method of manufacturing circuit board and ceramic multilayer substrate using the resin composition
JP2006321976A (ja) * 2005-03-09 2006-11-30 E I Du Pont De Nemours & Co 黒色導電性組成物、黒色電極、およびその形成方法
JP2009534498A (ja) * 2006-04-18 2009-09-24 東進セミケム株式会社 印刷用ペースト組成物
TWI476513B (zh) * 2007-12-28 2015-03-11 Fujifilm Corp 感光性樹脂組成物、光間隔物及其形成方法、保護膜、著色圖案、顯示裝置用基板與顯示裝置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3716787B2 (ja) プラズマディスプレイ用感光性ペースト
JP2007183595A (ja) 感光性ペースト、パターンの形成方法および平面ディスプレイ用パネルの製造方法。
JP3520647B2 (ja) 感光性ペースト
JP3239759B2 (ja) 感光性ペースト
JP2008224940A (ja) 感光性ペーストおよびプラズマディスプレイ部材
JP2000204130A (ja) 感光性ペ―ストおよびそれを用いたディスプレイ用部材の製造方法
JPH10188825A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3402070B2 (ja) プラズマディスプレイ
JP3520663B2 (ja) 感光性ペースト
JPWO2011001903A1 (ja) 感光性封着層形成用ガラスペーストおよびそれを用いたプラズマディスプレイの製造方法、ならびにプラズマディスプレイ
JP3806768B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JPH1173874A (ja) プラズマディスプレイの製造方法
JP2000010268A (ja) 感光性ペ―ストならびにそれを用いたプラズマディスプレイの製造方法およびプラズマディスプレイ用部材
JP3873338B2 (ja) 感光性ペーストおよびそれを用いたプラズマディスプレイの製造方法
JPH1053433A (ja) 感光性ペースト
JPH10283941A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP4193878B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JPH10172442A (ja) プラズマディスプレイおよびその製造方法
JP5779986B2 (ja) ガラスペースト、プラズマディスプレイ用部材の製造方法およびプラズマディスプレイ用部材
JPH10287821A (ja) 感光性ペースト
JP4159002B2 (ja) プラズマディスプレイ用基板およびプラズマディスプレイの製造方法
JPH10171117A (ja) 感光性ペーストおよびプラズマディスプレイの製造方法
JPH11242930A (ja) 電極の製造方法およびプラズマディスプレイパネル用部材の製造方法
JP6241080B2 (ja) 感光性ペースト及びパターンの形成方法
JP2008262931A (ja) プラズマディスプレイパネルの緩衝層形成用ペースト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20061101

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20070801

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761