JP2000319476A - 感光性ペーストおよびプラズマディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

感光性ペーストおよびプラズマディスプレイ用部材の製造方法

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JP2000319476A
JP2000319476A JP12676799A JP12676799A JP2000319476A JP 2000319476 A JP2000319476 A JP 2000319476A JP 12676799 A JP12676799 A JP 12676799A JP 12676799 A JP12676799 A JP 12676799A JP 2000319476 A JP2000319476 A JP 2000319476A
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JP
Japan
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photosensitive paste
acrylic copolymer
weight
organic component
inorganic fine
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JP12676799A
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English (en)
Inventor
Kenichi Tabata
憲一 田畑
Noboru Kawabata
昇 川端
Chiyuushi Ogawa
宙志 小川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】厚膜や低光線透過性膜において、高精度のパタ
ーン加工を低コストで可能にする感光性ペーストを提供
する。 【解決手段】無機微粒子と有機成分からなる感光性ペー
ストであって、有機成分がアクリル系共重合体を含有
し、かつ特定の分子量分布を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性ペーストおよ
びそれを用いたプラズマディスプレイの製造方法に関す
るものであり、ディスプレイ部材、回路材料などのパタ
ーン加工およびその製造に用いられる。
【0002】
【従来の技術】近年、回路材料やディスプレイにおいて
小型化・高精細化が進んでおり、これに対応することが
できるパターン加工技術が求められている。特に、プラ
ズマディスプレイの隔壁形成においてはガラスなどの無
機材料を高精度かつ高アスペクト比でパターン加工がで
きる材料が望まれている。
【0003】従来、無機材料のパターン加工を行う場
合、無機粉末と有機バインダからなるペーストを用いた
スクリーン印刷法が多く用いられてきた。しかしなが
ら、スクリーン印刷法は精度の高いパターンが形成でき
ないという欠点があった。
【0004】これに対して、特開平1−296534号
公報、特開平2−165538号公報、特開平5−34
2992号公報では、感光性ペーストを用いてフォトリ
ソグラフィ技術にてパターンを形成する方法が提案され
ている。しかしながら、感光性ペーストの感度や解像度
が低いために高アスペクト比、高精細の隔壁が得られな
いために、例えば80μmを越えるような厚みのパター
ン加工を行う場合、複数回の加工工程(塗布、露光、現
像)を必要とし、工程が長くなるという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、厚膜
や低光線透過性膜において、高精度のパターン加工を低
コストで可能にする感光性ペーストを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の構成を有する。 (1)無機微粒子と有機成分からなる感光性ペーストで
あって、該有機成分がアクリル系共重合体を含有し、か
つ該アクリル系共重合体のうち分子量1000以下の成
分が有機成分中の1重量%以下であることを特徴とする
感光性ペースト。 (2)アクリル系共重合体の重量平均分子量が3000
〜100000であることを特徴とする1に記載の感光
性ペースト。 (3)無機微粒子と有機成分からなる感光性ペーストで
あって、該有機成分がアクリル系共重合体を含有し、か
つ該アクリル系共重合体のうち分子量3000以下の成
分が有機成分中の5重量%以下であることを特徴とする
感光性ペースト。 (4)アクリル系共重合体の重量平均分子量が1000
0〜100000であることを特徴とする3に記載の感
光性ペースト。 (5)アクリル系共重合体の樹脂酸価が60〜120m
gKOH/gであることを特徴とする1〜4のいずれか
に記載の感光性ペースト。 (6)アクリル系共重合体が側鎖にエチレン性不飽和結
合を有することを特徴とする1〜5のいずれかに記載の
感光性ペースト。 (7)無機微粒子が感光性ペーストの50重量%以上で
あり、かつ該無機微粒子の平均粒子径が1〜5μmであ
ることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の感光性ペ
ースト。 (8)無機微粒子が、平均屈折率1.5〜1.65のガ
ラス粉末であって、ガラス転移点が430〜500℃、
軟化点が470〜580℃であることを特徴とする1〜
7のいずれかに記載の感光性ペースト。 (9)無機微粒子がAu、Ni、Ag、Pd、Ptから
選ばれた少なくとも1種類以上の導電性無機微粒子であ
ることを特徴とする1〜7記載の感光性ペースト。 (10)ガラス基板上に1〜9のいずれかに記載の感光
性ペーストを用いて感光性ペースト層を塗設し、活性光
線を照射した後に、現像処理により該感光性ペースト層
の不要部分を除去し、さらに焼成することにより有機成
分を除去して実質的に無機物のみからなるプラズマディ
スプレイ用部材を製造することを特徴とするプラズマデ
ィスプレイ用部材の製造方法。 (11)ガラス基板上に1〜8のいずれかに記載の感光
性ペーストを用いて感光性ペースト層を塗設し、活性光
線を照射した後に、現像処理により該感光性ペースト層
の不要部分を除去し、さらに焼成することにより有機成
分を除去して実質的に無機物のみからなるプラズマディ
スプレイ用背面板の隔壁を製造することを特徴とするプ
ラズマディスプレイ用部材の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の感光性ペーストは、無機
微粒子と有機成分からなり、フォトリソグラフィを用い
たパターン形成後に焼成を行い、実質的に無機物からな
るパターンを形成する目的で使用する。
【0008】本発明の感光性ペーストを用いて製造され
た実質的に無機物からなるパターンは、ディスプレイ、
回路基板に用いることができる。とりわけプラズマディ
スプレイ用途において、プラズマディスプレイパネル背
面板の隔壁やプラズマディスプレイ前面板または背面板
の電極として好適に用いることができる。
【0009】本発明の感光性ペースト中の有機成分は感
光性ペースト中の5〜50重量%を占めることが好まし
い。
【0010】本発明の感光性ペースト中の有機成分は、
反応性モノマ、反応性オリゴマ、反応性ポリマから選ば
れた少なくとも1種、および必要に応じてバインダポリ
マ、光重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤、増感
剤、増感助剤、紫外線吸収剤、有機染料、分散剤、可塑
剤、増粘剤、有機溶媒、酸、塩基、沈降防止剤、酸化防
止剤などの添加剤成分を加えて構成される。ここで、反
応性モノマ、反応性オリゴマ、反応性ポリマにおける反
応性とは、感光性ペーストが活性光線の照射を受けた場
合に、反応性モノマ、反応性オリゴマ、反応性ポリマが
感光性ペースト中の他の構成成分の助けを借りることな
く、または助けを借りて、光架橋、光重合、光解重合、
光変性などの反応を通して化学構造が変化することを意
味する。
【0011】本発明のアクリル系共重合体は、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無
水物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、ス
チレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキ
シエチルアクリレートなどのモノマを選択し、アゾビス
イソブチロニトリルのような開始剤を用いて共重合する
ことにより得られる。
【0012】これらアクリル系共重合体の内、(メタ)
アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸を共重合
成分とする共重合体が好ましく用いられる。
【0013】本発明のアクリル系共重合体は、側鎖にエ
チレン性不飽和基を有することが好ましい。エチレン性
不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、
メタクリル基などが挙げられる。
【0014】このような側鎖をポリマーに付加させる方
法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基や
カルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネー
ト基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロ
ライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライ
ドを付加反応させて作る方法がある。
【0015】グリシジル基を有するエチレン性不飽和化
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロト
ン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエ
ーテルなどが挙げられる。
【0016】イソシアネート基を有するエチレン性不飽
和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアナー
ト、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネートなどが
ある。また、グリシジル基やイソシアネート基を有する
エチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタ
クリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマ
ー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル
基に対して0.05〜1モル等量付加させることが好ま
しい。
【0017】本発明のアクリル系共重合体の分子量分布
は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(G
PC)などの方法により測定することができる。本発明
においては、アクリル系共重合体中の分子量1000以
下の成分が、有機成分中の1重量%以下であることが必
要である。これらの低分子量成分は、アクリル系共重合
体オリゴマーや共重合体を構成する未反応の残存モノマ
ーからなっている。
【0018】分子量1000以下のアクリル系共重合体
成分が1重量%を越えると、感度が低下して、露光部の
硬化が不十分となり、現像時に現像液により膨潤してパ
ターンが蛇行したり、パターン端部がギザギザになるギ
ザリが発生する。
【0019】また、分子量1000以下のアクリル系共
重合体成分を1重量%以下にするためには、アクリル系
共重合体の重量平均分子量は3000〜100000で
あることが好ましい。重量平均分子量が3000未満で
あると、分子量1000以下のオリゴマーやモノマーの
含有率が共重合体製造時に高くなり易く、共重合体の精
製工程に多大な時間と手間がかかり好ましくない。
【0020】また本発明においては、アクリル系共重合
体中の分子量3000以下の成分が、有機成分中の5重
量%以下であることが必要である。
【0021】分子量3000以下のアクリル系共重合体
成分が5重量%を越えると、感度が低下して、露光部の
硬化が不十分となり、現像時に現像液により膨潤してパ
ターンが蛇行が発生する。
【0022】また、分子量3000以下のアクリル系共
重合体成分を5重量%以下にするためには、アクリル系
共重合体の重量平均分子量は5000〜100000で
あることが好ましい。重量平均分子量が5000未満で
あると、分子量3000以下のオリゴマーやモノマーの
含有率が共重合体製造時に高くなり易く、共重合体の精
製工程に多大な時間と手間がかかり好ましくない。
【0023】本発明のアクリル系共重合体の樹脂酸価は
60〜120mgKOH/gであることが好ましい。酸
価が120を越えると、現像許容幅が狭くなる。また、
酸価が60未満では未露光部の現像液に対する溶解性が
低下するようになるため現像液濃度を濃くすることにな
り露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得ら
れにくくなる。
【0024】バインダ成分が必要な場合にはポリマーと
して、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、
などを用いることができる。
【0025】本発明においては、必要に応じて、アクリ
ル系共重合体を構成する以外のエチレン性不飽和結合を
有するモノマーを用いてもよい。このような重合性モノ
マーとしては、1個以上の光重合可能な(メタ)アクリ
レート基またはアリル基を有するモノマーなどが挙げら
れる。これらの具体例としては、アルコール類(例えば
エタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノー
ル、シクロヘキサノール、グリセリン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトールなど)のアクリル酸ま
たはメタクリル酸エステル、カルボン酸(例えば酢酸、
プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、
コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸な
ど)とアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジ
ル、アリルグリシジル、またはテトラグリシジルメタキ
シリレンジアミンとの反応生成物、アミド誘導体(例え
ば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドな
ど)、エポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸
との反応物などを挙げることができる。また、多官能モ
ノマーにおいて、不飽和基は、アクリル、メタクリル、
ビニル、アリル基が混合して存在してもよい。これらは
単独で用いてもよく、また組み合わせて用いてもよい。
【0026】本発明に用いる光重合開始剤は、ラジカル
種を発生するものから選んで用いられる。光重合開始剤
としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベン
ジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−
ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシ
クロヘキシル−フェニルケトン、1−フェニル−1,2
−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オ
キシム、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル
−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベン
ゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェ
ニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノ
ン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’
−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾ
フェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパ
ーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル
−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プ
ロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロ
ミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニ
ウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイル
フェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペン
アミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサ
ントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジ
エチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサント
ン、2ーヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オ
キソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,
N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、
2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン
オキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−
4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミ
ダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−
エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナン
スレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリ
オキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−ク
メニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェ
イト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η
5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス
(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イ
ル)−フェニル)チタニウム、4,4−ビス(ジメチル
アミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、チオキサントン、2−メチルチオ
キサントン、2−クロロチオキサントン、4−ベンゾイ
ル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フ
ルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,
2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフ
ェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノ
ン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジル
メトキシエチルアセタール、アントラキノン、2−t−
ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β
−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロ
ン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジ
ドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジド
ベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−ア
ジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2
−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシ
カルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパント
リオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ナ
フタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルホニル
クロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−ア
ゾビスイソブチロニトリル、ベンズチアゾールジスルフ
ィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブ
ロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオシ
ン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビ
ン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせ
などが挙げられる。
【0027】本発明では、これらを1種または2種以上
使用することができる。光重合開始剤は、有機成分に対
し、0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ま
しくは、0.1〜10重量%である。重合開始剤の量が
少なすぎると光感度が不良となり、光重合開始剤の量が
多すぎる場合には露光部の残存率が小さくなるおそれが
ある。
【0028】光重合開始剤と共に増感剤を使用し、感度
を向上させたり、反応に有効な波長範囲を拡大すること
ができる。
【0029】増感剤の具体例としては、2,4−ジメチ
ルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−
ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−
ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノ
ン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4
−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス
(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチル
アミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデン
インダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノ
ン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソ
ナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノ
フェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビ
ス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−
カルボニルビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセト
ン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマ
リン)、トリエタノールアミン、メチルジエタノールア
ミン、トリイソプロパノールアミン、N−フェニル−N
−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールア
ミン、N−トリルジエタノールアミン、4−ジメチルア
ミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミ
ノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミ
ノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキ
シ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘ
キシル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾー
ル、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラ
ゾールなどが挙げられる。
【0030】本発明ではこれらを1種または2種以上使
用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始
剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感
光性ペーストに添加する場合、その添加量は有機成分に
対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.
1〜10重量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感
度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎ
れば露光部の残存率が小さくなる恐れがある。
【0031】本発明では酸化防止剤を添加することが重
要である。酸化防止剤とは、ラジカル連鎖禁止作用、三
重項の消去作用、ハイドロパーオキサイドの分解作用を
もつものである。
【0032】感光性ペーストは多くのガラス微粒子成分
を分散状態で含有するので、露光光によるペースト内部
の光散乱は避け難く、それに起因すると考えられるパタ
ーン形状の太りやパターン間の埋り(残膜形成)が発生
しやすい。パターンの壁は垂直に切り立ち、矩形になる
ことが望ましい。理想的には、ある露光量以下では現像
液に溶解し、それ以上では現像液に不溶となることであ
る。つまり、光散乱によって低い露光量で硬化しても現
像液に溶解し、パターン形状の太りやパターン間の埋ま
りが解消され、露光量を多くしても解像できる範囲が広
いことが好ましい。
【0033】感光性ペーストに酸化防止剤を添加する
と、酸化防止剤がラジカルを捕獲したり、励起された光
重合開始剤や増感剤のエネルギー状態を基底状態に戻し
たりすることにより散乱光による余分な光反応が抑制さ
れ、酸化防止剤で抑制できなくなる露光量で急激に光反
応が起こることにより、現像液への溶解、不溶のコント
ラストを高くすることができる。
【0034】具体的には、p−ベンゾキノン、ナフトキ
ノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジ
クロロキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノ
ン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロ
キノン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジブチル
ヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、2,5
−ジ−t−アミルヒドロキノン、ジ−t−ブチル−p−
クレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナ
フトール、ヒドラジン塩酸塩、トリメチルベンジルアン
モニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムオ
キザレート、フェニル−β−ナフチルアミン、パラベン
ジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレ
ンジアミン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、
ピクリン酸、キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキ
シム、ピロガロール、タンニン酸、トリエチルアミン塩
酸塩、ジメチルアニリン塩酸塩、クペロン、(2,2’
−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)−2−エ
チルヘキシルアミノニッケル−(II)、4,4’−チオ
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、2,2’−チオビス−(4−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール
−ビス[3−(t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオ
ール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、1,2,3−トリヒド
ロキシベンゼン、などが挙げられるがこれらに限定され
ない。本発明では、これらを1種以上使用することがで
きる。
【0035】酸化防止剤の添加量は、感光性ペースト中
に0.1〜30重量%、より好ましくは、0.5〜20
%の範囲である。これらの範囲より少ない場合、現像液
への溶解、不溶のコントラストが小さく、またこの範囲
を越えると感光性ペーストの感度が低下し、多くの露光
量を必要としたり、重合度が上がらずパターン形状が維
持できなくなる。
【0036】また、紫外線吸収剤を添加することで、露
光光によるペースト内部の散乱光を吸収し、散乱光を弱
めることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェ
ノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリチル
酸系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、インドール
系化合物、無機系の微粒子酸化金属などが挙げられる。
これらの中でもベンゾフェノン系化合物、シアノアクリ
レート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、インド
ール系化合物が特に有効である。これらの具体例として
は、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒ
ドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スル
ホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−
2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレー
ト、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェ
ノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メ
タクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、2−(2’
−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニル
アクリレート、2−エチル−2−シアノ−3,3−ジフ
ェニルアクリレート、インドール系の吸収剤であるBO
NASORB UA−3901(オリエント化学社
製)、BONASORB UA−3902(オリエント
化学社製)SOM−2−0008(オリエント化学社
製)などが挙げられるがこれらに限定されない。さら
に、これら紫外線吸収剤の骨格にメタクリル基などを導
入し反応型として用いてもよい。本発明では、これらを
1種以上使用することができる。
【0037】紫外線吸収剤の添加量は、ペースト中に
0.001〜10重量%、より好ましくは、0.005
〜5%の範囲である。これらの範囲を外れると、透過限
界波長および波長傾斜幅が変化し、散乱光の吸収能力が
不足したり、露光光の透過率が下がり、感光性ペースト
の感度が低下するので注意を要する。
【0038】また、本発明では、露光、現像の目印とし
て有機系染料を添加することができる。染料を添加して
着色することにより視認性が良くなり、現像時にペース
トが残存している部分と除去された部分との区別が容易
になる。有機染料としては、特に限定はされないが、焼
成後の絶縁膜中に残存しないものが好ましい。具体的に
はアゾ系染料、アントラキノン系染料、インジゴイド系
染料、フタロシアニン系染料、カルボニウム系染料、キ
ノンイミン系染料、メチン系染料、キノリン系染料、ニ
トロ系染料、ニトロソ系染料、ベンゾキノン系染料、ナ
フトキノン系染料、フタルイミド系染料、ペリノン系染
料などが使用できる。特に、h線とi線付近の波長の光
を吸収するもの、例えばベーシックブルー等のカルボニ
ウム系染料を選択すると、本発明の効果がより出やすく
なり好ましい。有機染料の添加量は0.001〜1重量
%であることが好ましい。
【0039】感光性ペーストを基板に塗布する時の粘度
を塗布方法に応じて調整するために有機溶媒が使用され
る。このとき使用される有機溶媒としては、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチル
エチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノ
ン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスル
フォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、ク
ロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、
ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの
1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0040】本発明における無機微粒子とは、ガラス粉
末、セラミックス粉末、あるいはAu、Ni、Ag、P
d、Ptなどの導電性微粒子であり、特に有用であるの
は、ガラス粉末またはAg粉末を用いた場合である。無
機微粒子は感光性ペースト中の50〜95重量%を占め
ることが好ましい。
【0041】ガラス粉末としては、ガラス転移点430
〜500℃、軟化点が470〜580℃のガラス粉末を
ペースト中に50重量%以上含有することによって、通
常のディスプレイに用いられる基板上にパターン加工が
できる。
【0042】このようなガラス転移点および軟化点を有
し、かつガラス微粒子の屈折率が1.5〜1.65にな
るように金属酸化物を配合してなるガラス微粒子を用い
ることにより、ガラス粉末と有機成分の屈折率と整合さ
せ、光散乱を抑制することにより高精度のパターン加工
が可能になる。例えば、酸化ケイ素:22、酸化アルミ
ニウム:23、酸化硼素:33、酸化リチウム:9、酸
化マグネシウム:7、酸化バリウム:4および酸化亜鉛
2(重量%)からなるガラス粉末は、ガラス転移点:4
90℃、軟化点:528℃そしてg線波長(436n
m)においての屈折率:1.59であり、本発明の無機
微粒子として好ましく使用することができる。
【0043】本発明の感光性ペーストに用いる無機微粒
子として好ましく使用できるガラス粉末は下記の組成を
含有するものである。
【0044】 酸化リチウム : 3〜10重量% 酸化ケイ素 :10〜30重量% 酸化硼素 :20〜40重量% 酸化バリウム : 2〜15重量% 酸化アルミニウム :10〜25重量% ガラス粉末には、プラズマの放電特性を劣化させる酸化
ナトリウム、酸化カリウム、酸化イットリウムなどを含
まないことが好ましい。また、含有する場合であっても
5重量%以下であることが好ましい。
【0045】また、ガラス粉末中に、酸化チタン、酸化
ジルコニウムなどを含有することができるが、その量は
2重量%未満であることが好ましい。酸化ジルコニウム
はガラスの軟化点、転移点および電気絶縁性を制御する
のに効果がある。
【0046】ガラス粉末の作製法としては、例えば原料
である酸化リチウム、酸化ケイ素、酸化硼素、酸化バリ
ウムおよび酸化アルミニウムなどを所定の配合組成とな
るように混合し、900〜1200℃で溶融後、急冷
し、ガラスフリットにしてから粉砕して1〜5μmの微
細な粉末にする。原料は高純度の炭酸塩、酸化物、水酸
化物などを使用できる。また、ガラス粉末の種類や組成
によっては99.99%以上の超高純度なアルコキシド
や有機金属の原料を使用し、ゾル・ゲル法で均質化に作
製した粉末を使用すると高電気抵抗で緻密な気孔の少な
い、高強度な絶縁層が得られるので好ましい。
【0047】上記において使用されるガラス粉末粒子径
は、作製しようとするパターンの形状を考慮して選ばれ
るが、50重量%粒子径(平均粒子径)が1〜5μmが
好ましい。また、50重量%粒子径が2〜3.5μm、
トップサイズ15μm以下であることがより好ましい。
さらに、10重量%粒子径が0.6〜1.5μm、90
重量%粒子径が4〜8μm、比表面積1.5〜2.5m
2/gを有していることが好ましい。より好ましくは平
均粒子径2.5〜3.5μm、比表面積1.7〜2.4
2/gである。この範囲にあると紫外線露光時に光が
十分透過し、上下で線幅差の少ない隔壁パターンが得ら
れる。平均粒子径2.0μm以下、比表面積2.5m2
/gを越えると粉末が細かくなり過ぎて露光時において
光が散乱されて未露光部分を硬化させるので好ましくな
い。
【0048】本発明の無機微粒子として、Au、Ag、
Pd、Ptの貴金属導電性微粒子を用いることも好まし
い実施態様である。Au、Ag、Pd、Ptはそれぞれ
単独にまたは混合粉末として用いることができる。例え
ば、Ag(30〜80)−Pd(70〜20)、Ag
(40〜70)−Pd(60〜10)−Pt(5〜2
0)、Ag(30〜80)−Pd(60〜10)−Cr
(5〜15)、Pt(20〜40)−Au(60〜4
0)−Pd(20)、Au(75〜80)−Pt(25
〜20)、Au(60〜80)−Pd(40〜20)、
Ag(40〜95)−Pt(60〜5)、Pt(60〜
90)−Rh(40〜10)(以上( )内は重量%を
表す)などの2元系、3元系の混合貴金属粉末が用いら
れる。上記の中でCrやRhを添加したものは高温特性
を向上できる点で好ましい。
【0049】これらの導電性無機微粒子の平均粒子径は
1〜5μmが好ましい。平均粒子径が1μm未満の場
合、紫外線露光時に光線が塗設後の膜の中をスムースに
透過せず、良導体の線幅60μm以下の微細パターンの
形成が困難になる。一方、平均粒子径が5μmを越える
と塗設後の回路パターンの表面の凹凸が粗くなり、パタ
ーン精度が低下し、ノイズ発生の原因となる。
【0050】貴金属導電性微粒子の比表面積は、0.1
〜3m2/gが好ましく用いられる。比表面積が0.1
2/g未満の場合、回路パターンの精度が低下する。
また、3m2/gを越えると粉末の表面積が大きくなり
すぎて紫外線が散乱され、パターン精度が低下する。
【0051】貴金属導電性微粒子の形状としては、フレ
ーク(板、円錐、棒)状や球状の物が使用できるが、凝
集が抑制されることから球状であることが好ましい。球
状の場合、露光時の紫外線の散乱が少ないので、この精
度のパターンが得られ、照射エネルギーが少なくて済
む。
【0052】感光性ペーストは、通常、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、無機微粒子、有機成分、有機染料、分散
剤、吸光剤、および溶媒などの各種成分を所定の組成と
なるように調合した後、3本ローラや混練機で均質に混
合分散し作製する。
【0053】ペーストの粘度は無機微粒子、増粘剤、有
機溶媒、可塑剤および沈降防止剤など添加割合によって
適宜調整されるが、その範囲は2000〜20万cps
(センチ・ポイズ)である。例えば、基板への塗布をス
ピンコート法で行う場合は、2000〜5000cps
が好ましい。スクリーン印刷法で1回塗布して膜厚10
〜20μmを得るには、5万〜20万cpsが好まし
い。ブレードコーター法やダイコーター法などを用いる
場合は、1万〜5万cpsが好ましい。
【0054】感光性ペーストを用いてパターン加工を行
う一例について説明するが、本発明はこれに限定されな
い。
【0055】基板上に、感光性ペーストを全面塗布、も
しくは部分的に塗布する。塗布方法としては、スクリー
ン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコータ
ー、ブレードコーターなどの方法を用いることができ
る。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペ
ーストの粘度を選ぶことによって調整できる。
【0056】ここでペーストを基板上に塗布する場合、
基板と塗布膜との密着性を高めるために基板の表面処理
を行うことができる。表面処理液としては、シランカッ
プリング剤、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリ
ス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロ
キシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシランなど、あるいは有機金属例えば、有機チタン、
有機アルミニウム、有機ジルコニウムなどである。シラ
ンカップリング剤あるいは有機金属を有機溶媒、例え
ば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、メチルアルコール、エ
チルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ルなどで0.1〜5%の濃度に希釈したものを用いる。
次にこの表面処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗
布した後に80〜140℃で10〜60分間乾燥するこ
とによって表面処理ができる。
【0057】塗布した後、露光装置を用いて露光を行
う。露光装置としては、プロキシミティ露光機などを用
いることができる。また、大面積の露光を行う場合は、
基板上に感光性ペーストを塗布した後に、搬送しながら
露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、
大きな面積を露光することができる。
【0058】露光後、露光部分と未露光部分の現像液に
対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、
浸漬法やスプレー法、ブラシ法で行う。現像液には、感
光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒を
用いることが好ましい。また、該有機溶媒にその溶解力
が失われない範囲で水を添加してもよい。感光性ペース
ト中にカルボキシル基などの酸性基をもつ化合物が存在
する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶
液としては水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化
カルシウム水溶液などが使用できるが、有機アルカリ水
溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすい
ので好ましい。
【0059】有機アルカリとしては、一般的なアミン化
合物を用いることができる。具体的には、テトラメチル
アンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアン
モニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミンなどが挙げられる。
【0060】アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜5
重量%、より好ましくは0.1〜1重量%である。アル
カリ濃度が低すぎれば可溶部が除去されず、アルカリ濃
度が高すぎれば、パターン部を剥離させる。また、現像
時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上
好ましい。
【0061】次に焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や
温度は、ペーストや基板の種類によって異なるが、空気
中、窒素、水素などの雰囲気中で焼成する。焼成炉とし
ては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用
いることができる。
【0062】焼成温度は400〜1000℃で行う。ガ
ラス基板上にパターン加工する場合は、480〜610
℃の温度で10〜60分間保持して焼成を行うことが好
ましい。
【0063】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。ただし、本発明はこれに限定されるものではな
い。 ポリマ−1:メチルメタクリレート/メタクリル酸コポ
リマ、重量組成比82/18、重量平均分子量500
0、酸価85 ポリマ−2:スチレン/メチルメタクリレート/メタク
リル酸コポリマ(重量組成比30/30/40)にコポ
リマ100重量部に対してグリシジルメタクリレートを
40重量部付加させたポリマ(重量平均分子量2500
0、酸価105) モノマ−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト モノマ−2:トリメチロールプロパントリアクリレート 実施例1〜2、比較例1〜2 感光性ペーストは、ポリマ15重量部、モノマ15重量
部に光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ
−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1)5
重量部、有機染料(ベーシックブルー26、吸収極大波
長:592nm)0.01重量部、ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル30重量部、を50℃に加熱し
ながら溶解し、その後下記のガラス粉末を添加し、混練
機を用いて混練した。ポリマ、モノマの種類およびGP
Cによる測定値が分子量1000以下あるいは分子量3
000以下のポリマ成分の全有機成分に対する含有量を
表1および表2に示した。
【0064】無機微粒子としては、組成が、Li2O:
9%、SiO2:22%、Al23:23%、B23
33%、BaO:4%、ZnO:2%、MgO:7%で
あるガラス微粒子を用いた。このガラス微粒子の平均屈
折率は1.586、ガラス転移点、軟化点はそれぞれ4
76℃、519℃、平均粒子径は2.6μmである。
【0065】ソーダガラス基板上に、スクリーン印刷法
により、感光性ペーストを均一に塗布した。塗布膜にピ
ンホールなどの発生を回避するために塗布、乾燥を数回
以上繰り返し行い、乾燥厚みが180μmになるように
塗布した。途中の乾燥は80℃で10分間行った。最後
に80℃で60分間乾燥した。
【0066】次に、プラズマディスプレイ用の隔壁パタ
ーン形成を目的としたフォトマスク(ストライプ状パタ
ーン、パターンピッチ130μm、線幅20μm)を介
して露光を行った。この時、マスクが汚染されるのを防
ぐため、マスクと塗膜面に100μmのギャップを設け
た。その後、35℃に保持したモノエタノールアミンの
0.3重量%水溶液をシャワーで180秒間かけること
により現像を行い、光硬化していないスペース部分を除
去してガラス基板上にストライプ状の隔壁パターンを形
成した。さらに、シャワースプレーを用いてパターンの
水洗浄を行った。
【0067】隔壁パターンの加工を終了したガラス基板
を80℃で15分乾燥した後、560℃で15分焼成し
隔壁を形成した。
【0068】隔壁パターンを顕微鏡で観察し、評価し
た。パターンの剥がれ、パターンの蛇行およびパターン
間の埋まり(残膜)が発生がないものを良好とした。結
果を表1および表2に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】本発明の感光性ペーストは感度が高く、
厚膜のパターン加工や光線透過率の低い無機物含有ペー
ストのパターン加工を低露光量で短時間で行うことがで
き、ディスプレイ、回路材料などの高精度のパターン加
工が可能になり、精細性の向上、工程の簡略化が可能に
なる。特に、低コストでプラズマディスプレイパネルの
隔壁を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 11/02 H01J 11/02 B Fターム(参考) 4J002 BF021 BG011 BG041 BG051 BG071 BH011 BH021 CD191 DA077 DA087 DA117 DL006 FD117 GP00 GT00 5C027 AA01 AA02 AA09 5C040 GC18 GF18 KA01 KA08 KA09 KA16 KB03 KB09 KB14 KB17 KB19 KB28 MA24

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機微粒子と有機成分からなる感光性ペー
    ストであって、該有機成分がアクリル系共重合体を含有
    し、かつ該アクリル系共重合体のうち分子量1000以
    下の成分が有機成分中の1重量%以下であることを特徴
    とする感光性ペースト。
  2. 【請求項2】アクリル系共重合体の重量平均分子量が3
    000〜100000であることを特徴とする請求項1
    に記載の感光性ペースト。
  3. 【請求項3】無機微粒子と有機成分からなる感光性ペー
    ストであって、該有機成分がアクリル系共重合体を含有
    し、かつ該アクリル系共重合体のうち分子量3000以
    下の成分が有機成分中の5重量%以下であることを特徴
    とする感光性ペースト。
  4. 【請求項4】アクリル系共重合体の重量平均分子量が1
    0000〜100000であることを特徴とする請求項
    3に記載の感光性ペースト。
  5. 【請求項5】アクリル系共重合体の樹脂酸価が60〜1
    20mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の感光性ペースト。
  6. 【請求項6】アクリル系共重合体が側鎖にエチレン性不
    飽和結合を有することを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の感光性ペースト。
  7. 【請求項7】無機微粒子が感光性ペーストの50重量%
    以上であり、かつ該無機微粒子の平均粒子径が1〜5μ
    mであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の感光性ペースト。
  8. 【請求項8】無機微粒子が、平均屈折率1.5〜1.6
    5のガラス粉末であって、ガラス転移点が430〜50
    0℃、軟化点が470〜580℃であることを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれかに記載の感光性ペースト。
  9. 【請求項9】無機微粒子がAu、Ni、Ag、Pd、P
    tから選ばれた少なくとも1種類以上の導電性無機微粒
    子であることを特徴とする請求項1〜7記載の感光性ペ
    ースト。
  10. 【請求項10】ガラス基板上に請求項1〜9のいずれか
    に記載の感光性ペーストを用いて感光性ペースト層を塗
    設し、活性光線を照射した後に、現像処理により該感光
    性ペースト層の不要部分を除去し、さらに焼成すること
    により有機成分を除去して実質的に無機物のみからなる
    プラズマディスプレイ用部材を製造することを特徴とす
    るプラズマディスプレイ用部材の製造方法。
  11. 【請求項11】ガラス基板上に請求項1〜8のいずれか
    に記載の感光性ペーストを用いて感光性ペースト層を塗
    設し、活性光線を照射した後に、現像処理により該感光
    性ペースト層の不要部分を除去し、さらに焼成すること
    により有機成分を除去して実質的に無機物のみからなる
    プラズマディスプレイ用背面板の隔壁を製造することを
    特徴とするプラズマディスプレイ用部材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005086199A1 (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Asahi Glass Company, Limited 隔壁用ペーストおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
US8057979B2 (en) 2005-01-05 2011-11-15 Samsung Sdi Co., Ltd. Photosensitive paste composition and plasma display panel manufactured using the same

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