JP4384770B2 - 基板処理装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハ等の基板をバッチ処理するための基板処理装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
半導体ウェハに対して酸化膜の形成、ドーパントの拡散、アニールあるいはＣＤＶといった熱処理を行う装置として縦型の基板処理装置が知られている。
【０００３】
図４、図５は、従来の基板処理装置の外観構成を示している。この装置は、処理装置本体５１と、それと別置きにされたユーティリティボックス５２とから構成されている。図６は処理装置本体５１の内部構成を示す側面図である。
【０００４】
処理装置本体５１には、ウェハカセットを外部との間で搬入出するためのカセットステージ１が設けられ、その後側にカセットローダ２、カセット棚３、バッファカセット棚４、ウェハ移載機５、ウェハエレベータ６が設けられ、さらにその後側にボート７、ボートエレベータ８が設けられ、ボートエレベータ８の上側に反応炉１０が設けられている。そして、反応炉心のヒータ１０Ａを交換する場合には、装置本体５１の背面上部より出し入れを行い、電動リフタ５３の上に載せるようにしている。
【０００５】
また、図４、図５に示すように、ユーティリティボックス５２には、反応炉１０内に処理ガスを供給するためのガス供給ユニット１１、反応炉心のヒータ１０Ａ等に電源を供給する電源供給ユニット１２、駆動部のコントローラなどを含む制御ユニット１３、反応炉１０内を真空排気するための排気ユニット１４等が設けられており、処理装置本体５１とユーティリティボックス５２との間には、配管やケーブル等が引き回されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来では、処理装置本体５１に対して別置きで、ガス供給ユニット１１、電源供給ユニット１２、制御ユニット１３、排気ユニット１４を含むユーティリティボックス５２を配置していたので、クリーンルーム内における装置の設置占有面積が大きくなっていた。また、処理装置本体５１のメンテナンスエリアの他にユーティリティボックス５２のメンテナンスエリアも確保しなくてはならない場合もあり、基板処理装置１台に対して広いメンテナンスエリアが必要となっていた。
【０００７】
さらに、そのような占有面積が広く必要であるという事情により、ユーザーによってユーティリティボックスのレイアウトを異ならせる必要が生じ、そのために多種多様な仕様が存在することになって、結果的に、設計・製造の負担が多くかかり、設備を新設する場合に工期の長期化を招く等の問題もあった。
【０００８】
また、処理装置本体５１とユーティリティボックス５２が一体性を持つものではなかったため、ある場所から別の場所に装置を移動する場合に、いちいち処理装置本体５１とユーティリティボックス５２の接続を切り離し、搬送後に再び接続を戻さなくてはならず、作業が非常に煩わしいものであった。
【０００９】
本発明は、上記事情を考慮し、クリーンルーム内での占有面積の縮小を図ることができると共に、装置のレイアウトを標準化することができ、しかも移設する際にユーティリティユニットを含めて一体的な取り扱いが可能になる基板処理装置を提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明は、筐体内の前部に外部との間で基板カセットの搬入出を行うカセットステージが設けられ、筐体内の後部上方に基板に対して所定の処理を行う縦型の反応炉が設けられ、前記カセットステージの後側に、基板カセットを搬送するカセットローダ、基板カセットを保管するカセット棚、基板カセットの中から基板を取り出してボートに移載する基板移載手段が設けられ、前記反応炉の下側に、基板が搭載されたボートを反応炉に対し出し入れするボートエレベータが設けられた処理装置本体を具備してなる基板処理装置において、前記処理装置本体の筐体に、用力ユニットを一体に装備したことを特徴とする。
【００１１】
この発明では、用力ユニットを処理装置本体の筐体に一体的に装備したので、従来のユーティリティボックスを別置きする場合に比べて、装置１台当りのクリーンルーム内での占有面積を小さくすることができる。また、占有面積の縮小により標準化が可能になるため、ユーザー毎にレイアウト仕様を変える等の煩わしさがなくなる。また、用力ユニットが処理装置本体と一体であるため、装置を移設する際に、接続を切り離して再接続する等の面倒な手間を要さずに一体的な取り扱いができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図１は実施形態の基板処理装置の一例としての縦型ＣＶＤ装置の前方左側から見た斜視図であり、（ａ）は詳細図、（ｂ）はレイアウト図、図２は同前方右側から見た詳細斜視図、図３は同装置の内部構成を示す側面図である。
【００１３】
この縦型ＣＶＤ装置は、全体的に見た場合、直方体形状の筐体２０に、装置本体を構成するほとんど全ての主要部品を一体的に装備したものである。全体はいくつかのボックスＢ１〜Ｂ４に分けられており、それらのボックスＢ１〜Ｂ４を互いに連結することで、装置が完成されている。
【００１４】
図１（ｂ）のレイアウト図に示すように、上部中央のボックスはヒータボックスＢ１、上部前側のボックスはコントローラボックスＢ２、下部前後のボックスはウェハ搬送ボックスＢ３、上部後側のボックスはガスボックスＢ４となっている。これらは各々が単独で組み上げられており、それぞれが自立した構造になっている。よって、各々のボックスＢ１〜Ｂ４毎の組立を完了した後、最終組立として４個のボックスＢ１〜Ｂ４を互いに連結することにより、装置が完成されている。
【００１５】
各ボックスＢ１〜Ｂ４間には配線や配管の接続部が存在するが、それらの接続部は全て分割マウント方式となっていて、接続・離脱が可能となっている。そして、装置の搬入時に、仕様の異なる個々のボックスＢ１〜Ｂ４を組み合わせることにより、顧客の要求や膜種の別に対応できるようになっている。
【００１６】
装置本体の主要部品として、図１（ａ）、図２に示すように、筐体２０内の前部には、外部との間でウェハカセット（基板カセット）Ｃの搬入出を行うカセットステージ１が設けられ、筐体２０内の後部上方には、ウェハに対して所定の処理（ＣＶＤ）を行う縦型の反応炉１０が設けられている。反応炉１０は、ヒータ１０Ａと、その内部の反応室１０Ｂとから構成されている。
【００１７】
また、筐体２０内のカセットステージ１の後側には、ウェハカセットＣを搬送するカセットローダ２と、ウェハカセットＣを保管するカセット棚３と、ウェハカセットＣを一時的に保管するバッファカセット棚４と、ウェハカセットＣの中からウェハを取り出してボート７に移載するウェハ移載機（基板移載手段）５及び移載エレベータ６とが設けられ、反応炉１０の下側には、ウェハが搭載されたボート７を反応炉１０の反応室１０Ｂに対して出し入れするボートエレベータ８が設けられている。
【００１８】
反応炉１０はヒータボックスＢ１に装備され、カセットステージ１からボートエレベータ８までの搬送系はウェハ搬送ボックスＢ３に装備されている。また、ユーティリティユニット（用力ユニット）としては、反応炉１０に処理ガスを供給するガス供給ユニット１１と、反応炉１０のヒータ１０Ａや各種駆動部あるいは制御部等に対して電源を供給する電源供給ユニット１２と、駆動部のコントローラや各種計器類などを含む制御ユニット１３と、反応炉１０内を真空排気するための排気ユニット１４とが設けられており、これらは全て装置本体の筐体２０の内部、あるいは筐体２０の外部に直接一体的に装備されている。特に、制御ユニット１３はコントローラボックスＢ２に装備され、ガス供給ユニット１１はガスボックスＢ４に装備されている。
【００１９】
各ユニット１１〜１４の配置については適宜変更可能であるが、本実施形態では、ガス供給ユニット１１が筐体２０の背面上部に配置され、電源供給ユニット１２及び排気ユニット１４が、筐体２０の背面の反応炉１０の交換の邪魔にならない側方位置に配置され、制御ユニット１３が、バッファカセット棚４を前方下部に配置したことによってできる筐体２０内の前側上部の空きスペースに配置されている。
【００２０】
このように、ユーティリティユニット（ガス供給ユニット１１、電源供給ユニット１２、制御ユニット１３、排気ユニット１４）を全て装置本体の筐体２０に直接装備したことにより、従来の別置きするタイプと比べて、設置面積やメンテナンスエリアを縮小することができる。
【００２１】
また、特に、ガス供給ユニット１１を筐体２０の背面上部に配置したことにより、反応炉１０の直近に位置するガス供給ユニットから反応炉１０までのガス配管を短縮することができ、ガス交換に要するガス消費量を削減することが可能となる。
【００２２】
同様に、排気ユニット１４を筐体２０の背面に直接装備したことにより、排気配管の短縮を図ることができる上、反応室１０Ｂの副生成物付着を防止するために設ける配管加熱ヒータの使用面積を減らすことができ、その消費電力の削減が可能となる。
【００２３】
また、電源供給ユニット１２を筐体２０の背面に直接装備したことにより、電源ケーブルの短縮を図れる上、ケーブル引き回しの繁雑さを回避することができる。同様に、制御ユニット１３を筐体２０内の前部空きスペースに配置したことにより、制御関係の配線の短縮が図れる上、配線の引き回しの簡略化が図れる。なお、制御ユニット１３の計器類については、計測関係のセンサの出力信号をコントローラに取り込んで図示略の主操作装置に送ることにより、主操作装置のモニタ画面に集約的に表示させることも可能であり、そうすることで計器類の搭載を最小限に留めることもできる。
【００２４】
ところで、この種の縦型ＣＶＤ装置においては、反応炉１０の特にヒータ１０Ａの交換作業が適当な間隔で必要になる。従来では、反応炉１０を筐体２０の背面上部より交換していた。しかし、上記の縦型ＣＶＤ装置では、ガス供給ユニット１１を筐体２０の背面上部に配置したことにより、筐体２０の背面上部から反応炉１０の出し入れを行うことはできなくなる。
【００２５】
そこで、反応炉１０の交換作業を行う場合は、図３に示すように、ボートエレベータ８を利用して反応炉１０を昇降させることにより、装置の背面下部の移載室を通して反応炉１０の交換を行う。こうすることにより、リフタ付きでない台車３０を用いて反応炉１０の交換作業を行うことができる。
【００２６】
なお、上記実施形態では、本発明を縦型ＣＶＤ装置に適用した場合を説明したが、本発明は縦型拡散装置等の他の基板処理装置にも適用可能である。
【００２７】
また、上記実施形態では、制御ユニット１３を筐体２０の前面上部、ガス供給ユニット１１を筐体２０の背面上部、電源供給ユニット１２を背面側方下部、排気ユニット１４を筐体２０の背面に配置したが、それら各々のユニットの配置は適宜変更可能である。
【００２８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、用力ユニットを装置本体の筐体に一体的に装備したので、装置の占有面積やメンテナンスエリアの縮小を図ることができる。従って、クリーンルーム内のスペースを効率良く利用できるようになり、設備投資を抑えることができる。また、占有面積の縮小により標準化が可能になるため、ユーザー毎にレイアウト仕様を変える等の煩わしさがなくなる。また、用力ユニットが処理装置本体と一体であるため、装置を移設する際に、接続を切り離して再接続する等の面倒な手間も要しなくなり作業の簡略化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態の縦型ＣＶＤ装置の前方左側から見た斜視図であり、（ａ）は詳細図、（ｂ）はレイアウト図である。
【図２】同縦型ＣＶＤ装置の前方右側から見た斜視図である。
【図３】同縦型ＣＶＤ装置の内部構成を示す側面図である。
【図４】従来の基板処理装置の斜視図である。
【図５】従来の基板処理装置の別の角度から見た斜視図である。
【図６】従来の基板処理装置における装置本体の内部構成を示す側面図である。
【符号の説明】
１ カセットステージ
２ カセットローダ
３ カセット棚
４ バッファカセット棚
５ ウェハ移載機
６ 移載エレベータ
７ ボート
８ ボートエレベータ
１０ 反応炉
１１ ガス供給ユニット（用力ユニット）
１２ 電源供給ユニット（用力ユニット）
１３ 制御ユニット（用力ユニット）
１４ 排気ユニット（用力ユニット）
Ｃ カセット

Claims (2)

1. 筐体内の後部上方に設けられ、基板に対して所定の処理を行う縦型の反応炉が装備されたヒータボックスと、
   前記筐体内下方の前後部に設けられ、前記基板が搭載されたボートを前記反応炉に対し出し入れするボートエレベータが装備され、前記反応炉の交換時に、前記ボートエレベータが利用されて前記反応炉を昇降させ移載室を通して前記筐体の背面下部から出し入れするようにしたウェハ搬送ボックスと、
   前記筐体の背面上部に設けられ、前記反応炉に処理ガスを供給するガス供給ユニットが装備されたガスボックスと、
   前記筐体背面の側方位置に設けられ、前記ボートエレベータを含む駆動部や前記反応炉のヒータに電源を供給する電源供給ユニットと、
   前記筐体背面の側方位置に設けられ、前記反応炉内を真空排気する排気ユニットと、
   前記筐体内の上部前側に設けられ、前記駆動部のコントローラを含む制御ユニットが装備されたコントローラボックスと、
   を備えたことを特徴とする基板処理装置。
2. 請求項１記載の基板処理装置において、前記ヒータボックス、前記ウェハ搬送ボックス、前記ガスボックス、及び前記コントローラボックスは、仕様の異なる個々のボックスが独立して用意され、各ボックス間に設けられた配線や配管の接続部にて接続・分離可能となり、前記仕様の異なる個々の前記ボックスが組み合わせ自在となっていることを特徴とする基板処理装置。

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