JP4373395B2 - 空気掃気型の2サイクルエンジン - Google Patents

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Description

【技術分野】
本発明は、主として、刈払機のような小形回転機械の駆動源として用いられる空気掃気型の2サイクルエンジンに関する。
【背景技術】
従来のこの種のエンジンとして、混合気による燃焼室内の掃気に先立って、空気による初期掃気を行って、混合気の排気ポートからの吹抜けを抑制するようにしたものがある(例えば特開平2001−173447号公報、特開昭58−5424号公報参照)。
ところが、この種の空気掃気型の2サイクルエンジンにおいては、シリンダの内部に組付けられたクランク軸の軸受の潤滑をクランク室内に吸入した混合気によって行うが、エンジンの小型化を進めると、クランク室内の混合気が軸受に向かって進入する空隙が小さくなり、潤滑しにくくなる。そのため、給油経路を確保するには構造が複雑化する。
【発明の開示】
そこで、本発明は、混合気が軸受を通り抜ける経路を設けることにより、簡単な構造で軸受を十分潤滑することができる2サイクルエンジンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1構成に係るエンジンは、燃焼室とクランク室とをクランク軸の軸受を介して連通させる第1掃気通路と、燃焼室とクランク室とを直接連通させる第2掃気通路と、ピストンの側面に形成された吸入室と、混合気を前記吸入室に吸入させる混合気通路と、空気を前記クランク室に導入する空気通路とを有し、吸気行程において、前記混合気通路からの混合気が前記吸入室を経て前記第1掃気通路に導入されるとともに、前記空気通路からの空気がクランク室に導入され、掃気行程において、前記第1掃気通路内の混合気が燃焼室に導入されるよりも前にクランク室内の空気が前記第2掃気通路を経て燃焼室に導入され始めるように設定されている。
このエンジンによれば、吸気行程時に第1掃気通路からクランク室に混合気が導入されるとき、また掃気行程時にクランク室内の混合気が第1掃気通路から燃焼室に導入されるとき、この混合気はクランク軸の軸受を通過する。つまり、軸受を通る混合気の経路が形成されている。これにより、混合気に含まれる燃料によりクランク軸の軸受が簡単な構造で十分に潤滑される。また、掃気行程においては、第1掃気通路内の混合気が燃焼室に導入されるよりも前に、吸気行程時にクランク室に導入された空気が第2掃気通路を経て燃焼室に導入される。つまり、燃焼室内に先に空気が導入されて初期掃気が行われ、この後に混合気による掃気が行われるので、混合気の吹き抜けが良好に抑制される。
本発明の第2構成に係るエンジンは、燃焼室とクランク室とを直接連通させる第1掃気通路と、燃焼室とクランク室とをクランク軸の軸受を介して連通させる第2掃気通路と、ピストンの側面に形成された吸入室と、空気を吸入室に吸入させる空気通路と、混合気をクランク室に導入する混合気通路とを有し、吸気行程において、空気通路からの空気が吸入室を経て前記第2掃気通路に導入されるとともに、前記混合気通路からの混合気がクランク室に導入され、掃気行程において、クランク室内の混合気が前記第1掃気通路を経て燃焼室に導入され始めるよりも前に前記第2掃気通路内の空気が燃焼室に導入され始めるように設定され、前記第1掃気通路のクランク室への開口が、下死点の手前でピストンにより閉塞されるように設定されている。
このエンジンは、前記第1構成のエンジンに対し、混合気と空気の経路を逆にしたものである。つまり、吸気行程時に混合気を混合気通路からクランク室内に直接導入させ、また、空気を空気通路から第2掃気通路に導入させるようにした点に特徴がある。このエンジンによれば、掃気行程において、クランク室内の混合気の一部が第2掃気通路に入るとき、この混合気はクランク軸の軸受を通過するので、クランク軸の軸受が簡単な構造で十分に潤滑される。また、掃気行程においては、第1掃気通路から混合気が燃焼室に導入されるよりも前に、吸気行程時に第2掃気通路内に導入された空気が燃焼室に導入されるので、燃焼室に先に導入された空気により混合気の吹き抜けが抑制される。さらに、ピストンが下死点付近に至ったとき、第1掃気通路が閉塞されるので、掃気行程の末期にクランク室内の混合気が燃焼室に導入されるのが阻止される。このため、混合気の吹き抜けがより良好に抑制される。
本発明の第3構成に係るエンジンは、燃焼室とクランク室とを直接連通させる第1掃気通路と、燃焼室とクランク室とをクランク軸の軸受を介して連通させる第2掃気通路と、空気を第2掃気通路に導入する空気通路と、この空気通路に設けられたリードバルブと、混合気をクランク室に導入する混合気通路とを有し、吸気行程において、空気通路からの空気がリードバルブを経て前記第2掃気通路に導入されるとともに、前記混合気通路からの混合気がクランク室に導入され、掃気行程において、クランク室内の混合気が前記第1掃気通路を経て燃焼室に導入され始めるよりも前に前記第2掃気通路内の空気が燃焼室に導入され始めるように設定され、前記第1掃気通路のクランク室への開口が、下死点の手前でピストンにより閉塞されるように設定されている。
このエンジンは、前記第2構成のエンジンに対し、ピストン側面の吸入室に代えて、空気通路にリードバルブを設けた点に特徴があり、その他の基本構成は同一である。このエンジンによれば、クランク室に導入された混合気の一部が掃気行程において第2掃気通路に入るとき、この混合気がクランク軸の軸受を通過するので、クランク軸の軸受が簡単な構造で十分に潤滑される。また、掃気行程においては、第1掃気通路から混合気が燃焼室に導入されるよりも前に、吸気行程時に第2掃気通路内に導入された空気が燃焼室に導入されるので、燃焼室に先に導入された空気により混合気の吹き抜けが抑制される。また、吸気行程でリードバルブが開放されて空気通路からの空気が第2掃気通路に導入される。つまり、前記第2構成のエンジンでは、吸気行程でシリンダがピストンの吸入室を閉鎖すると、第2掃気通路内への空気の導入ができないのに対し、この第3構成のエンジンでは、クランク室内が負圧となる吸気行程でリードバルブが開放されている間は常に空気が導入されるので、第2掃気通路内に十分な空気量が確保される。さらに、ピストンが下死点付近に至ったとき、第1掃気通路が閉塞されるので、掃気行程の末期にクランク室内の混合気が燃焼室に導入されるのが阻止される。このため、混合気の吹き抜けがより良好に抑制される。
本発明の一実施形態に係るエンジンは、前記第1構成のエンジンに対し、燃焼室とクランク室とを直接連通させる第3掃気通路を付加し、前記第3掃気通路は第2掃気通路よりも排気口寄りに位置し、掃気行程において、クランク室内の空気が、前記第1掃気通路内の混合気が燃焼室に導入される混合気導入開始時点よりも前に、前記第2掃気通路を経て燃焼室に導入され始め、かつ、前記混合気導入開始時点と同時またはこの時点よりも後に、前記第3掃気通路を経て燃焼室に導入され始めるように設定したことに特徴があり、その他の基本構成は同様である。このエンジンによれば、第1構成のエンジンの場合と同様に、混合気の吹き抜けを抑制しながら、簡単な構造でクランク軸の軸受の潤滑が行える。また、クランク室内の空気が、前記第1掃気通路内の混合気が燃焼室に導入される混合気導入開始時点よりも前に、前記第2掃気通路から燃焼室に導入され始め、かつ、前記混合気導入開始時点と同時またはこの時点よりも後に、前記第3掃気通路から燃焼室の排気口寄り位置に導入され始めるので、混合気の吹き抜けがより良好に防止される。
本発明の好ましい実施形態では、前記第1の構成において、前記ピストンに、前記吸入室内の混合気をピストンピンとコンロッド間の小端軸受に供給する潤滑通路が形成されている。この構成によれば、前記吸入室に導入された混合気を利用して小端軸受の潤滑が行われる。
本発明の好ましい実施形態では、前記第2および第3掃気通路を設けた前記一実施形態において、前記第2掃気通路のクランク室への開口が、下死点の手前でピストンにより閉塞されるように設定されている。これによれば、ピストンが下死点に近づくにしたがってクランク室の内部圧力は高くなるので、下死点付近においてピストンで第2掃気通路を閉塞することにより、排気口寄りに開口される第3掃気通路からの空気の吹出力が強くなる。このため、混合気の吹き抜けがより良好に抑制される。
本発明の第5構成のエンジンは、クランク軸をクランクケースに支持するニードル軸受と、燃焼室とクランク室とを連通させる第1および第2掃気通路と、吸気工程で混合気を前記クランク室または第1掃気通路に導入する混合気通路と、吸気工程で空気を前記第2掃気通路またはクランク室に導入する空気通路と、前記第1または第2掃気通路と前記ニードル軸受とを接続する連通孔とを備え、掃気工程において、前記第1掃気通路内の混合気が燃焼室に導入され始めるよりも前に前記第2掃気通路内の空気が燃焼室に導入され始め、前記第1および第2掃気通路のうち少なくとも第2掃気通路の下端の前記クランク室への開口が前記ニードル軸受の径方向外方の近傍に配置されている。
この構成によれば、掃気工程においてクランク室内の混合気が第1または第2掃気通路から連通孔を通ってニードル軸受に入り、これを潤滑する。また、クランク軸の支持用に一般に用いられているボール軸受に比較してニードル軸受の外径が小さいので、その外径が小さい分だけ第2掃気通路を下方に直線的に長く延ばすことで容積を大きくして十分な空気量を確保することができる。これにより、掃気工程時に、十分な量の空気が第2掃気通路から燃焼室内に噴出される。しかも、第2掃気通路を長く設定しながら直線状に形成できるので、通路抵抗の増大を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1実施形態に係るエンジンを示す正面断面図である。
図2は、同エンジンのシリンダとクランクケースを拡大して示す側面断面図であって、第1掃気通路部分を示している。
図3は、同エンジンのシリンダとクランクケースを拡大して示す側面断面図であって、第1掃気通路の部分を示している。
図4は、同エンジンのシリンダとクランクケースを拡大して示す側面断面図であって、第2掃気通路の部分を示している。
図5は、同エンジンのシリンダとクランクケースを拡大して示す正面断面図である。
図6は、同エンジンのシリンダにおける排気口と第1および第2掃気通路の高さ位置関係を示す正面断面図である。
図7は、同エンジンのシリンダ部分の外観を示す側面図である。
図8は、図5のVIII−VIII線に沿った断面図である。
図9は、図5のIX−IX線に沿った断面図である。
図10は、本発明の第2実施形態に係る2サイクルエンジンのシリンダとクランクケースを示す側面断面図であって、第2掃気通路の部分を示している。
図11は、同エンジンの第2掃気通路の部分を示す側面断面図である。
図12は、同エンジンの第1掃気通路の部分を示す側面断面図である。
図13は、同エンジンのシリンダとクランクケースの正面断面図である。
図14は、同エンジンのシリンダの外観を示す側面図である。
図15は、同エンジンのピストンの正面図である。
図16は、図13のXVI−XVI線に沿った断面図である。
図17は、図13のXVII−XVII線に沿った断面図である。
図18は、本発明の第3実施形態に係る2サイクルエンジンのシリンダとピストン部分を示す正面断面図である。
図19は、図18のXIX−XIX線に沿った断面図である。
図20Aは、本発明の第4実施形態に係る2サイクルエンジンを示す正面断面図、図20Bはその空気調整弁を示す正面図である。
図21は、本発明の第5実施形態に係る2サイクルエンジンのシリンダとクランクケースの正面断面図である。
図22は、図21のXXII−XXII線に沿った断面図である。
図23は、図21のXXIII−XXIII線に沿った断面図である。
図24は、本発明の第6実施形態に係る2サイクルエンジンのシリンダとクランクケースの正面断面図である。
図25は、同エンジンのシリンダの正面図である。
図26は、図24のXXVI−XXVI線に沿った断面図である。
図27は、シリンダとクランクケースを示す側面断面図であって、第1掃気通路の部分を示している。
図28は、シリンダとクランクケースを示す側面図であって、第2掃気通路の部分を示している。
図29は、本発明の第7実施形態に係る2サイクルエンジンのシリンダとクランクケースを示す正面断面図である。
図30は、同エンジンのシリンダとクランクケースを示す側面断面図である。
図31は、本発明の第8実施形態に係る2サイクルエンジンのシリンダとクランクケースを示す正面断面図である。
図32は、同エンジンのシリンダとクランクケースを示す側面断面図である。
図33は、同エンジンのタイミングチャートである。
図34は、本発明の第9実施形態に係る2サイクルエンジンのシリンダとクランクケースを示す正面断面図である。
図35は、同エンジンのシリンダとクランクケースを示す側面断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る2サイクルエンジンを切欠いた正面断面図を示す。同図においては、内部に燃焼室1aを形成したシリンダ1がクランクケース2の上部に連結されている。シリンダ1の一側部(右側)には、吸気系を構成する気化器3とエアクリーナ4が接続され、他側部(左側)には掃気系を構成するマフラー5が接続されており、クランクケース2の下部には燃料タンク6が取り付けられている。前記シリンダ1には、軸方向(この例では上下方向)に往復動するピストン7が設けられている。前記クランクケース2の内部には、軸受81を介してクランク軸8が支持されている。このクランク軸8の軸心とは変位した位置に中空状のクランクピン82が設けられ、このピン82と前記ピストン7に設けた中空状のピストンピン71との間が、コンロッド83により連結されている。図中、84はクランク軸8に設けたクランクウェブである。また、Pはシリンダ1の上部に設けた点火プラグである。
図1に示すシリンダ1と気化器3の間にはアダプタ9が設けられ、これらシリンダ1と気化器3およびアダプタ9の内部には、吸気行程において前記ピストン7が上死点付近に至ったときに、前記ピストン7の周壁面に設けた後述する吸入室72に混合気Mを導入する混合気通路10が形成されている。この吸入室72に導入された混合気Mは、後述の第1掃気通路13を介してクランクケース2内におけるシリンダ1の下方のクランク室2aに導入される。
また、混合気通路10の下部側には、これと平行に空気通路11が形成され、この空気通路11からの空気Aは、吸気行程時に、シリンダ1の内周面に開口する空気ポート11aからクランク室2a内に直接導入される。気化器3は、混合気通路10と空気通路11の両方の通路面積を単一の回転バルブによって調節する。さらに、前記シリンダ1の周壁には、その内周面に開口する排気口12aを有する排気通路12が形成され、この排気通路12からの排気は、前記マフラー5を経て外部に排出される。
図2〜図4はシリンダとクランクケースを拡大して示す側面断面図であって、図2,3は第1掃気通路13の部分を、図4は第2掃気通路14の部分を示している。各図は、ピストンの位置による混合気Mと空気Aの動きを示しており、その詳細については後述する。図2に示すように、シリンダ1とクランクケース2の内部に、前記混合気通路10(図1)からの混合気Mを導入する第1掃気通路13が形成されている。この第1掃気通路13は、シリンダ1の燃焼室1aとクランク室2aとを、クランク軸8の軸受81を介して連通させている。すなわち、第1掃気通路13は、前記シリンダ1の内周面に開口する第1掃気ポート13aと、このポート13aからシリンダ1の下端を越えてクランクケース2の中間高さにある、軸受81の外側面に達する上下方向の連通路13bとを有している。吸気行程において、図1の混合気通路10から吸入室72に導入された混合気Mを、図2の第1掃気ポート13aから連通路13bに導入し、この混合気Mをクランク軸8の軸受81として設けたボールベアリングの内外輪間の隙間を通過させて、軸受81とクランクウェブ84間の隙間からクランク室2a内に導入させ、このとき混合気Mに含まれる燃料により軸受81を潤滑する。また、掃気行程時においても、クランク室2a内に入った若干の混合気Mを軸受81の隙間を通過させて第1掃気通路13内に導入させ、この混合気Mによる軸受81の潤滑を行う。混合気Mは、図3に示すように、第1掃気通路13からピストン7上方の燃料室1a内に供給される。
また、この実施形態では、図2に示すクランク軸8の内部を通ってクランク室2aと第1掃気通路13とを連通させる給油通路85が形成されている。この給油通路85は、軸心方向に延びてクランク室2aに開口する第1通路85aと、この第1通路85aと第1掃気通路13とを連通させる径方向に延びた第2通路85bとからなる。さらに、クランクピン82の近傍のクランク軸8に、軸心方向に延びて、コンロッド83の大端部とクランクピン82間の大端軸受(ニードルベアリング)89と、左右の軸受81とを連通させる複数の連通孔88が周方向に離間して形成されている。このようにすれば、第1掃気通路13を通る混合気Mにより、大端軸受89の潤滑も行われる。さらに、第1掃気通路13から給油通路85を通って供給される混合気Mにより、大端部とクランク軸8間の摺動面も潤滑される。
また、前記ピストン7の吸入室72内の混合気Mの一部を小端軸受90に供給する潤滑通路73を形成している。この潤滑通路73は、ピストン7におけるピストンピン71の外周に接する位置に設けた軸心方向の潤滑溝73aと、吸入室72を前記潤滑溝73aに連通させる潤滑孔73bとからなる。このようにすれば、吸気行程時に吸入室72に導入された混合気Mの一部により、小端軸受90の潤滑を行える。
図4に示すように、シリンダ1とクランクケース2に、燃焼室1aとクランク室2aとを直接連通させる空気用の第2掃気通路14が形成されている。この第2掃気通路14は、前記シリンダ1の内周面に開口する第2掃気ポート14aと、このポート14aからシリンダ1の下端を越えてクランクケース2の上部の内周面に開口する上下方向の連通路14bとを有している。空気ポート11aからクランク室2a内に導入された空気Aは、掃気行程で、連通路14bを経て掃気ポート14aから燃焼室1a内に噴出される。
図5はシリンダ1とクランクケース2部分を拡大して示す正面断面図である。同図のように、前記第1および第2掃気通路13,14は、上下方向にほぼ平行に延びる一対が形成され、この第2掃気通路14の上端に設けられる第2掃気ポート14aは、その上端位置が前記排気口12aの上端よりも低い位置に設定されている。また、第1掃気通路13の上端に設けられる第1掃気ポート13aは、その上端位置が前記第2掃気ポート14aの上端よりも低い位置に設定されている。
図6は、前記排気口12aと第1および第2掃気ポート13a,14aの高さ位置関係を示す図面である。同図のように、排気口12a、第2掃気ポート14a、第1掃気ポート13aのそれぞれの上端位置をH1,H2,H3としたとき、上方からH1,H2,H3の順に低くなるように設定される。これにより、掃気行程時に第2掃気ポート14aから空気Aが、第1掃気ポート13aからの混合気Mに先立って噴出される。
図7は、シリンダ1の外観を示す側面図である。シリンダ1の外側部には、前記混合気通路10の一部を構成する概略山形の切欠部10aが形成され、この切欠部10a内の両側で奥内部に、前記ピストン7が上死点付近に至ったときに、その周壁に形成した吸入室72(図2)に開口する2つの混合気導入ポート10b,10bが設けられている。また、前記切欠部10aの下部位置には、前記空気通路11の一部を構成する切欠部11bが形成され、その奥内部にシリンダ1の内周面に開口する前記空気ポート11a(図6)が形成されている。
図8は図5のVIII−VIII線に沿った断面図、図9は図5のIX−IX線に沿った断面図である。図8に示すように、前記ピストン7には、その周壁の一部を内方に凹入させて一対の吸入室72が前後対向状に形成されている。吸気行程において前記ピストン7が上死点付近に至って、前記混合気通路10の切欠部10aの各ポート10bが吸入室72と対向したとき、混合気Mを、各ポート10bから吸入室72へと導入し、この吸入室72から図2の第1掃気通路13の第1掃気ポート13aおよび連通路13bを経てクランク室2a内に導入する。また、前記ピストン7が下降する掃気行程では、図9のように、第2掃気ポート14aから噴出される空気Aと、これより後に第1掃気ポート13aから噴出される混合気Mとにより燃焼室1a内を掃気する。
次に、以上の構成としたエンジンの作用について説明する。
先ず、図2のように、吸気行程においてシリンダ1内のピストン7が上死点付近に達したとき、ピストン7の周壁に設けた一対の吸入室72が、シリンダ1に設けた混合気通路10の各混合気導入ポート10bと連通する。また、この吸気行程時には、ピストン7の上動によりクランク室2a内が負圧となるので、前記各ポート10bから吸入室72に導かれた混合気Mが、第1掃気ポート13aから第1掃気通路13内に導入され、その一部が連通路13bおよびクランク軸8の軸受81を経てクランク室2a内に導入される。これによって、軸受81を通過する混合気Mに含まれた燃料により、簡単な構成で軸受81が十分に潤滑される。
また、吸気行程時には、図2のように、空気通路11からの空気Aがシリンダ1の内周面に開口する空気ポート11aから、クランク室2a内に導入される。
次に、前記ピストン7が下降して下死点付近に達する掃気行程時には、図3および図4にそれぞれ示すように、第1および第2掃気通路13,14の第1,第2掃気ポート13a,14aから混合気Mと空気Aが燃焼室1a内に噴出される。このとき、図6に示すように、排気口12a、第2掃気ポート14a、第1掃気ポート13aのそれぞれの上端位置H1,H2,H3は順に低くなるように設定されているので、掃気行程時には、図9の矢印で示すように、先ず空気Aが第2掃気ポート14aから噴出され、この後、混合気Mが遅れて第1掃気ポート13aから噴出される。また,空気Aは混合気Mよりも排気口12aに近い位置に噴出される。このため、燃焼室1aに先に導入された空気Aにより混合気Mの吹き抜けが抑制される。この掃気行程時にも、図2に示すクランク室2aに若干入った混合気Mが軸受81を通って第1掃気通路13内に戻る際に軸受81が潤滑される。
次に、本発明の第2実施形態に係る2サイクルエンジンについて説明する。このエンジンは、上述した第1実施形態のエンジンに対し、混合気と空気の経路が逆になっている。すなわち、吸気行程時に混合気Mを混合気通路からクランク室内に直接導入させ、また、空気Aを空気通路から第2掃気通路に導入させるようにした点が異なるだけで、その他の基本構成は第1実施形態と同様である。図10〜図12は、2サイクルエンジンのシリンダとクランクケースを拡大して示す側面断面図であって、図10,11は第2掃気通路22の部分を、図12は第1掃気通路21の部分を示している。各図は、ピストンの位置による混合気Mと空気Aの移動を示しており、その詳細については後述する。
このエンジンは、図12に示すように、シリンダ1とクランクケース2の内部に、燃焼室1aとクランク室2aとを直接連通させる第1掃気通路21が設けられ、また、図10に示すように、燃焼室1aとクランク室2aとをクランク軸8の軸受81を介して連通させる第2掃気通路22が設けられている。図13に示すように、これら第1,第2掃気通路21,22に設けられる第1および第2掃気ポート21a,22aは、前述したエンジンの場合と同様に、第2掃気ポート22aの上端が第1掃気ポート21aの上端よりも高位に、排気口12aよりも下位に設定されている。
図12に示す第1掃気通路21は、シリンダ1の内周面に開口する第1掃気ポート21aと、このポート21aからシリンダ1の下端を越えてクランクケース2の上部に達する上下方向の連通路21bと、前記上部の内周面に開口する流入ポート21cとを有している。クランク室2a内に導入されている混合気Mは、掃気行程時に連通路21bを介して掃気ポート21aから燃焼室1a内に噴出される。混合気Mは、吸気行程時に、図1の混合気通路10に連通し、シリンダ1の内周面に開口する図13の混合気ポート20から、矢印で示すように、クランク室2aへと直接導入される。
ピストン7は、下死点付近にまで下降したときに、その周壁によって、図12の流入ポート21cを閉塞して第1掃気通路21を遮断し、クランク室2a内の混合気Mが第1掃気通路21から燃焼室1aに入るのを阻止する。これにより、掃気行程の末期にクランク室2a内の混合気Mが燃焼室1a内に導入されるのが阻止されるので、吹き抜けが一層効果的に抑制される。
また、図10に示すように、前記第2掃気通路22は、前記シリンダ1の内周面に開口する第2掃気ポート22aと、このポート22aからシリンダ1の下端を越えてクランクケース2の中間高さにある、軸受81の外側面に達する上下方向の連通路22bとを有している。空気通路11(図13)から第2掃気通路22内に導入されている空気Aを図11に示すように、掃気行程において、連通路22bを介して掃気ポート22aから燃焼室1a内に噴出する。
図14はシリンダ部分の外観を示す側面図である。同図のように、シリンダ1の外側部には、前記空気通路11の一部を構成する概略山形状の切欠部11bが形成され、この切欠部11b内の両側で奥内部に、前記ピストン7が上死点付近に至ったときに、その周壁に形成した吸入室72A(図10)に開口する2つの空気導入ポート11c,11cが設けられている。また、この切欠部11bの下部位置には、前記混合気通路10に連通し、シリンダ1の内周面に開口する混合気ポート20が形成されている。
図15はピストン7を示す正面図である。同図のように、ピストン7の周壁下部側に、矩形状の窪み72aと、これからピストン7の周囲方向に延びる細長い溝72bからなる概略L形状の吸入室72Aが形成されている。
図16は図13のXVI−XVI線に沿った断面図、図17は図13のXVII−XVII線に沿った断面図である。図16のように、前記ピストン7が上死点付近に至ったときに、前記吸入室72Aの溝72bの一部を切欠部11bの各ポート11cと対向させて、切欠部11bに導入された空気Aを、矢印で示すように、各ポート11cから吸入室72の窪み72aを経て第2掃気通路22の第2掃気ポート22aへと導き、これから第2掃気通路22の内部へと導入する。また、前記ピストン7が下降する掃気行程では、図17のように、第2掃気ポート22aから噴出される空気Aと、これより後に第1掃気ポート21aから噴出される混合気Mにより燃焼室1a内を掃気する。
次に、以上の構成としたエンジンの作用について説明する。
先ず、図10に示すように、吸気行程においてシリンダ1内のピストン7が上死点付近に至ったとき、混合気Mがシリンダ1の内周面に開口する混合気ポート20からクランク室2a内へと直接導入される。この導入された混合気Mにより、前述した第1実施形態の場合と同様に、クランク軸8の軸受81やクランクピン82が簡単な構成で良好に潤滑される。
また、吸気行程では、ピストン7の周壁に設けた一対の吸入室72Aがシリンダ1に設けた空気通路11の各空気導入ポート11cと連通する。これにより、クランク室1aの負圧を受けて、切欠部11bに導入された空気Aが、第2掃気ポート22aから第2掃気通路22およびクランク室2aの内部へと導入される。
つづいて、掃気行程では、図17に示すように、第1および第2掃気通路21,22の第1,第2掃気ポート21a,22aから混合気Mと空気Aが燃焼室1a内に噴出される。先ず、第2掃気ポート22aから空気Aが噴出され、この後、第1掃気ポート21aから混合気Mが遅れて噴出されて、燃焼室1aに先に導入された空気Aにより、混合気Mの排気口12aからの吹き抜けが抑制される。ここで、図11に示す第2掃気通路22から空気Aが燃焼室1a内に噴出する際に、クランク室2a内の混合気Mの一部が軸受81の内外輪の間の隙間を通って第2掃気通路22に入る。その際に、混合気Mに含まれた燃料によって、軸受81が潤滑される。
次に、本発明の第3実施形態に係る2サイクルエンジンについて説明する。このエンジンは、上述した第2実施形態において、ピストン側面の吸入室72Aに代えて、空気通路の圧力が所定値以下に低下したときに空気通路を閉じるリードバルブを設けたことに特徴があり、その他の基本構成は第2実施形態と同様である。
図18は、第3実施形態に係るエンジンのシリンダとピストンを示す正面断面図、図19は図18のXIX−XIX線に沿った断面図である。図18に示すように、ピストン7には吸入室が設けられていない。図19に示すように、シリンダ1における空気用の切欠部11b(図18)の両側に2つの空気導入ポート11d,11dが、また第2掃気通路22の外側壁に2つの空気排出ポート11e,11eが、それぞれ設けられ、隣接する空気導入・排出ポート11d,11e同士が、それぞれ連結パイプ30により連結されている。また、前記切欠部11bの外側部には、気化器3側に連通する空気通路11を有するアダプタ31が取り付けられ、このアダプタ31の内部で前記切欠部11bとの対向側に、空気通路11の圧力が所定値以下に低下したときに空気通路11を閉じるリードバルブ32が取り付けられている。
この第3実施形態によれば、吸気行程において図10のシリンダ1やクランク室2aの内部が負圧状態のときに、図18のリードバルブ32が開放されて、空気通路11からの空気Aが切欠部11b、連結パイプ30(図19)、第2掃気通路22を経てクランク室2a(図10)に導入される。したがって、第2実施形態のエンジンでは、図10のピストン7の吸入室72Aが第2掃気通路22の掃気ポート22aから離間したときには、第2掃気通路22内に空気が導入されないのに対し、この第3実施形態のエンジンでは、吸気行程においてクランク室2aの負圧を受けて図18のリードバルブ32が開放しているときは、第2掃気通路22内に常に空気Aが導入される。このため、第2掃気通路22内に吹き抜け防止用の十分な空気量が確保される。また、ピストン7に図10の吸入室72Aが不要なので、空気導入用の通路構成が簡素化され、かつ、ピストン7が軽量化される。
さらに、本発明の第4実施形態に係る2サイクルエンジンについて説明する。このエンジンは、上述した第2実施形態において、さらに空気通路の圧力が所定値以下に低下したときに空気通路を閉じる空気調整弁を設けたことに特徴があり、その他の基本構成は第2実施形態と同様である。
図20Aは、この第4実施形態に係るエンジンの一部を切欠いた正面図である。同図に示すエンジンでは、シリンダ1の外側に、気化器3に連通する混合気通路10を有するアダプタ40が取り付けられ、このアダプタ40の混合気通路10の上部側に、内端がシリンダ1に設けた空気通路11を形成する切欠部11bに連通し、外端がエアフィルタ45を介して大気に開放する空気導入路41が形成されている。この空気導入路41の内部には、空気調整弁44が設けられている。
前記空気調整弁44は、花びら形の弁体42とコイル状のばね43からなり、クランク室1aの負圧を受ける前記空気通路11の圧力が所定値を越えているときには、ばね43のばね力により弁体42をストッパ47に押しつけて、図20Bに示すように、弁体42の外周部を開放して開弁し、図20Aのエアフィルタ45からの空気Aを空気導入路41、空気通路11、吸入室72A、第2掃気通路22へと導入する。一方、図20Aの空気通路11の圧力が所定値以下となったときには、弁体42の右側から作用する大気圧により、ばね43の押圧力に抗して弁体42が弁座48に押し付けられて閉弁し、前記第2掃気通路22への空気Aの導入を停止させる。
一般的にアイドリングなどの高ブースト時には、クランク室2a内の混合気量が少なくなるため、この状態で燃焼室1aに多量の空気を導入することは望ましくないのに対し、この第4のエンジンによれば、高ブースト時つまり前記空気通路11の圧力が所定値以下に低下したときには、空気調整弁44により空気通路11が閉じられて、前記第2掃気通路22への空気Aの導入が停止される。このため、アイドリングのような高ブースト時における燃焼室1a内での混合気の希釈化が防止されて、エンジン回転の安定化が図れる。
さらに、本発明の第5実施形態に係る2サイクルエンジンについて説明する。このエンジンは、第1実施形態のエンジンに対し、燃焼室とクランク室との間に噴出位置が異なる2つの第2,第3掃気通路を設けたことに特徴があり、その他の基本構成は第1実施形態と同様である。
図21は、シリンダとクランクケースを拡大して示す正面断面図、図22は図21のXXII−XXIIに沿った断面図、図23は図21のXXIII−XXIII線に沿った断面図である。図21に示すエンジンでは、シリンダ1に、燃焼室1aとクランク室2aとをクランク軸8の軸受81を介して連通させる第1掃気通路13と、燃焼室1aとクランク室2aとを直接連通させる2つの第2および第3掃気通路14,15が形成されている。
これら第1〜第3掃気通路13〜15は、上下方向にほぼ平行に延びており、図22,23に示すように、各一対が形成されている。図21に示す第2掃気通路14の上端に設けられる第2掃気ポート14aは、その上端が排気通路12の排気口12aの上端よりも低い位置に設定され、また、第1掃気通路13の上端に設けられる第1掃気ポート13aは、その上端位置が前記第2掃気ポート14aの上端よりも低い位置に設定されている。さらに、第3掃気通路15の上端に設けられる第3掃気ポート15aは、その上端位置が前記第2掃気ポート14aの上端よりも低くて、第1掃気ポート13aの上端と同等の高さまたはやや低い位置に設定されている。
図22のように、混合気通路10からの混合気Mは、ピストン7に形成した吸入室72から第1掃気ポート13aを経て第1掃気通路13内に導入される。また、図23のように、第1〜第3掃気通路13〜15の第1〜第3掃気ポート13a〜15aは、混合気通路10側から排気通路12の排気口12a側にかけて順に形成され、前記第3掃気通路15の第3掃気ポート15aは排気口12aの近くに開口されている。さらに、この第3掃気ポート15aは、排気口12aの近くに、排気口12の通路中心線と直交する方向に空気Aを噴出するように開口されており、また、第1,第2掃気ポート13a,14aは、排気口12aとは反対側の燃焼室1a内に向かって混合気Mと空気Aをそれぞれ噴出するように開口されている。
この第5のエンジンによれば、前記第1掃気通路13内の混合気Mが、その第1掃気ポート13aから燃焼室1aに導入される前に、前記クランク室2a内の空気Aが第2掃気通路14の第2掃気ポート14aから燃焼室1aに噴出され始め、かつ、前記混合気Mの噴出開始時点と同時またはこの時点よりも後に、前記第3掃気通路15の第3掃気ポート15aから空気Aが燃焼室1aに噴出され始めるので、第2および第3掃気ポート14a,15aからの空気Aにより、混合気Mの吹き抜けが効果的に防止される。特に、前記第3掃気通路15の第3掃気ポート15aは、排気口12aの近くに開口され、この第3掃気ポート15aからの空気Aは、排気口12aの近くにこれと直交する方向に噴出されて、混合気Mの排出口1aへの流れを遮断するので、吹き抜けが一層効果的に防止される。
また、図21の実施形態では、シリンダ1の下部側に、第2掃気通路14の空気ポート14bと、第3掃気通路15の空気流入ポート15bとが形成されている。前記第2掃気通路14の空気流入ポート14bは、ピストン7が下死点付近に至ったときにピストン7によって閉じられる。他方、ピストン7の下部側には、ピストン7が下死点付近に至ったときに、第3掃気通路15の空気流入ポート15bを開放する切欠き溝7bを形成している。
この構成によれば、ピストン7が下死点付近に至ったとき、前記空気流入ポート14b、つまり第2掃気通路14が閉じられ、一方、前記各切欠き溝7bにより、第3掃気通路15は閉じられることなく、クランク室2aと燃焼室1aの内部は連通状態に保持される。つまり、ピストン7が下死点に近づくにしたがってクランク室2aの内部圧力は高くなるので、下死点付近においてピストン7で第2掃気通路14を閉塞することにより、排気口12a寄りに開口された第3掃気通路15の第3掃気ポート15aからの空気の噴出力が強くなる。このため、燃焼室1a内に入った混合気Mの量が多くなったタイミングで、混合気Mの排気口12aへの流出が阻止されるので、混合気Mの吹き抜けがより良好に抑制される。
また、図21の実施形態では、前述した図2の場合と同様に、前記ピストン7にその吸入室72からピストンピン71に向かって延びる潤滑通路73を形成し、吸入室72に導入された混合気M内の燃料によりピストンピン71の小端軸受90を潤滑するように構成している。
さらに、本発明の第6実施形態に係る2サイクルエンジンについて説明する。このエンジンは、第3実施形態のエンジンにおいて、混合気通路に第1リードバルブを、空気通路に第2リードバルブを設けたことに特徴があり、その他の基本構成は第3実施形態と同様である。
図24はエンジンのシリンダとクランクケースを示す正面断面図、図25はシリンダの正面図である。同図に示すエンジンでは、シリンダ1の外側面に2つの第1および第2切欠き部1d,1eが形成され、その外側に、前記各切欠き部1d,1eとともに混合気通路10および空気通路11の一部を形成する第1,第2通路61,62を有するアダプタ60が取り付けられている。このアダプタ60の上流側(右側)には気化器3が取り付けられる。
このアダプタ60とシリンダ1との間で、混合気通路10を形成する第1切欠き部1dと第1通路61との間には、吸気行程時に開放する第1リードバルブ63が、また、空気通路11を形成する第2切欠き部1eと第2通路62との間には、吸気行程時に開放する第2リードバルブ64が設けられている。
また、図25に示すように、前記シリンダ1の第1切欠き部1dを形成する両側壁には2つの混合気導入ポートa,aが、第2切欠き部1eを形成する両側壁には2つの空気導入ポートb,bがそれぞれ対向状に形成されている。
図26は図24のXXVI−XXVI線に沿った断面図である。同図のように、両第1掃気通路21の外側壁にそれぞれ混合気排出ポートc,cが形成され、これら各ポートcと前記各混合気導入ポートaがそれぞれ第1連結パイプ65で連結されている。また、第2掃気通路22の外側壁にそれぞれ空気排出ポートd,dが形成され、これら各ポートdと前記各空気導入ポートbがそれぞれ第2連結パイプ66で連結されている。
図27および図28はシリンダとクランクケースを示す側面断面図であって、図27は第1掃気通路21の部分を、図28は第2掃気通路22の部分を示している。図24の混合気通路10から第1リードバルブ63を介して導かれる混合気Mは、図27の第1連結パイプ65およびシリンダ1の混合気排出ポートcを経て第1掃気通路21に導入される。また、図24の空気通路11から第2リードバルブ64を介して導かれる空気Aは、図28の第2連結パイプ66およびシリンダ1の空気排出ポートdを経て第2掃気通路22に導入される。
この構成によれば、図24のクランク室2a内が負圧となる吸気行程において、混合気通路10に設ける第1リードバルブ63が開かれて、アダプタ60の第1通路61からの混合気Mが第1切欠き部1dに導入され、これから、図27の第1連結パイプ65を介して第1掃気通路21に導入される。この第1掃気通路21に導入された混合気Mの一部は、流入ポート21eからクランク室2a内に入る。図28に示す第2掃気通路22は、軸受81の内外輪の隙間を介して、クランク室2aに連通している。したがって、掃気工程でピストン7が下降したとき、クランク室2a内の混合気Mが軸受81を通って第2掃気通路22に入る際に、軸受81を潤滑する。また、この吸気工程において、図24の空気通路11に設けた第2リードバルブ64も開かれて、アダプタ60の第2通路62からの空気Aが第2切欠き部1eに導入され、これから図28の第2連結パイプ66を介して第2掃気通路22に導入される。
したがって、図24の混合気Mと空気Aの主たる必要分のみを第1および第2掃気通路21,22のそれぞれに入れておくことができる。このため、掃気工程の終わりに過濃混合気が燃焼室1a内に入って排気口12aから吹き抜けるのを防止できる。また、掃気工程では、先ず、図28の第2掃気通路22に導入された空気Aが燃焼室1aに噴出され、これに遅れて図27の第1掃気通路21から混合気Mが噴出される。このとき、混合気Mは、第1掃気通路21内の濃度の濃いものから燃焼室1aに入り、その後、濃度の薄いクランク室2a内の混合気Mが第1掃気通路21を経て燃焼室1a内に入るので、この点からも濃い混合気の吹き抜けが防止され、充填効率が向上する。
さらに、本発明の第7実施形態に係る2サイクルエンジンについて説明する。このエンジンは、第3実施形態において、クランク軸8を支持する主軸受として、ニードル軸受51を用いたことに特徴があり、その他の基本構成は第3実施形態と同様である。
図29はエンジンのシリンダとクランクケースを示す正面断面図、図30はシリンダとクランクケースを示す側面断面図である。第1ないし第6実施形態ではクランク軸8をボール軸受からなる軸受81(図2等)で支持したのに対し、この第7実施形態では、図30に示すクランク軸8をニードル軸受51で回転自在に支持し、さらに、スラストワッシャ52でクランク軸8のスラスト荷重を負担しており、このニードル軸受51がボール軸受に比較して外径が小さい分だけ、図29に示すように、第1および第2掃気通路23,24が下方に向け直線的に長く延出されている。
すなわち、前後各1対の第1および第2掃気通路23,24の上端の第1および第2掃気ポート23a,24aは、第3実施形態(図18)とほぼ同一の位置に配設されているが、下端の流入口(開口)23b,24bはニードル軸受51の径方向外方の近傍位置、つまり直上位置において、ニードル軸受51の外周に沿った円弧形状に形成されている。また、第1および第2掃気通路23,24には、図30に示すように、流入ポート23b,24bの近傍箇所からニードル軸受51に空気を導く小さな連通孔23c,24cが形成されている。
この第7実施形態の構成によれば、吸気工程において、図29のクランク室2aが負圧状態のときに、空気通路11に設けられたリードバルブ32が開放されて、空気通路11からの空気Aが、切欠部11a、空気導入ポート11d、連結パイプ30(図30)、空気排出ポート11e(図30)および第2掃気通路24を経てクランク室2a内におけるニードル軸受51の径方向外方の近傍箇所、つまりクランク軸8の近傍箇所に、空気流入ポート24bから導入される。このとき、第3実施形態(図18)と同様に、吸気工程においてクランク室2aの負圧を受けてリードバルブ32が開放している間は第2掃気通路24内に常に空気Aが導入され続けるとともに、第2掃気通路24が長く延びて大きな容積を有しているので、第2掃気通路24内に吹き抜け防止用の十分な空気量が確保される。一方、混合気Mは、吸気工程時に、混合気通路10を通り、シリンダ1の内周面に開口する図30の混合気ポート20から、矢印で示すように、クランク室2aへと直接導入される。この導入された混合気Mにより、クランクピン81が良好に潤滑される。
つづいて、掃気工程では、第2掃気通路24内に収容されている十分な量の空気Aが第2掃気ポート24aから燃焼室1a内に噴出され始め、ついで、ニードル軸受51の径方向外方の近傍つまりクランク室2aの中央部に存在している濃度の薄い混合気Mが流入ポート23aから第1掃気通路23を通って第1掃気ポート23aから燃焼室1a内に先に噴出され、掃気工程の末期に、クランクウェブ84の回転による遠心力によってクランク室の内壁近傍に追いやられている濃度の高い混合気Mが遅れて燃焼室1a内に導かれる。これらにより、混合気Mの吹き抜けが一層効果的に抑制される。このとき、クランク室2a内の混合気Mの一部は、流入ポート23b,24bから第1および第2掃気通路23,24および連通孔23c,24cを通ってニードル軸受51に入り、これを潤滑する。
この実施形態では、第1および第2掃気通路23,24を下方に延長しながらも直線状通路に形成できるので、大きなボール軸受を迂回するよう通路を湾曲させて下方へ延長する場合に比べて、通路抵抗および出力ロスが低減し、製作も容易であり、さらに、ニードル軸受51はボール軸受よりも軽量であることから、エンジン本体の軽量化を図ることができる。
つぎに、図31および図32に示す第8実施形態に係る2サイクルエンジンについて説明する。このエンジンは、図30の第7実施形態において、クランクウェブ84をバルブとして利用して、このクランクウェブ84によって空気および混合気による掃気の開閉タイミングを制御することに特徴があり、その他の基本構成は第7実施形態と同様である。
この第8実施形態のエンジンが第7実施形態と相違するのは、図32に示すように、第1および第2掃気通路23,24の下端を第7実施形態(図30)のものよりもさらに中央寄りに延出させて、上記流入ポート23b,24bをクランクウェブ84の外側面84aに可及的に近接させるとともに、この流入ポート23b,24bを、図31に示すように、ニードル軸受51の外周に沿った円弧形状であって、いずれも第7実施形態(図19)のものよりも長い形状に形成した構成のみである。空気Aの流入ポート24aは混合気Mの流入ポート23aよりも長い形状を有している。したがって、このエンジンでは、クランクウェブ84が回転に伴って流入ポート23b,24bを開閉するバルブとして機能し、流入ポート23b,24bがクランクウェブ84の回転に対応して所要のタイミングで開閉される円弧形状に形成されている。また、第1および第2掃気通路23,24の第1および第2掃気ポート23a,24aの上端位置は同一高さに設定されている。
この第8実施形態のエンジンの作用について、図33のタイミングチャートを参照しながら説明する。吸気工程において、クランク角度が360°(0°)となって図31のピストン7が上死点(TDC)に達したときには、図33(a),(c)に示すように、図31のリードバルブ32が開放され、且つ第2掃気通路24の流入ポート24bが部分的にクランクウェブ84により開口されているので、シリンダ1やクランク室2aの内部が負圧状態となるのに伴って空気通路11からの空気Aが空気導入ポート11dから、図32の連結パイプ30、空気排出ポート11eおよび第2掃気通路24を経てニードル軸受51の径方向外方の近傍箇所、つまりクランク軸8の近傍箇所の流入ポート24bから、クランク室2a内に導入される。このとき、第3実施形態(図18)と同様に、吸気工程でクランク室2a内の負圧を受けてリードバルブ32(図31)が開放している間は第2掃気通路24内に常に空気Aが導入され続けるとともに、第2掃気通路24が長く延びて大きな容積を有しているので、第2掃気通路24内に吹き抜け防止用の十分な空気量が確保される。
また、上記吸気工程では、図33(a),(c)に示すように、図32の混合気ポート20が開放され、且つ第1掃気通路23の流入ポート23bがクランクウェブ84により開口されているので、クランク室2aが負圧状態となるのに伴って、図31の混合気通路10からの混合気Mが、シリンダ1の内周面に開口する図32の混合気ポート20から、矢印で示すように、クランク室2aへと直接導入される。この導入された混合気Mにより、クランクピン81が良好に潤滑される。
つづいて、掃気工程では、図33(e)に示すように、クランク角がほぼ100°となった時点で図31の排気口12aが開かれ始め、このとき、図33(c)に示すように、第2掃気通路24の空気Aの流入ポート24aが開かれているが、同図(b)に示すように、第1掃気通路23の混合気Mの流入ポート23bがクランクウェブ84で閉じられており、さらに、第1および第1掃気ポート23a,24aはクランク角がぼぼ130°程度になるまで共に閉じられいる。したがって、クランク角が100°〜130°の期間は、第2掃気通路24内の空気Aが下降するピストン7の圧力を受けて圧縮され、第2掃気ポート24aが開かれた時点で、第2掃気通路24内の圧縮された空気Aのみが燃焼室1a内に高速噴出されて、燃焼室1a内が迅速に掃気される。このとき、第2掃気通路24内には十分な量の空気Aが蓄えられているので、この先導空気A流に混合気Mが巻き込まれて吹き抜けるのが効果的に抑制される。
つぎに、ピストン7が下死点(BDC)付近まで下降したときには、同図(b)に示すように、混合気Mの流入ポート23bが開かれ、下死点(BDC)を過ぎた時点で、同図(c)に示すように、空気Aの流入ポート24bが閉じられる。したがって、掃気がほぼ終了した燃焼室1a内には、クランク室2a内の混合気Mが、ピストン7の圧力を受けて、流入ポート23bから第1掃気通路23を通って第1掃気ポート23aから燃焼室1a内に高速噴出され、燃焼室1a内への混合気Mの充填効率が向上する。
この実施形態では、上述のようにクランク室2a内の混合気Mの流入ポート23bおよび空気Aの流入ポート24bをクランクウェブ84で開閉して、後者24bを先に開口するようにしていることから、第1および第2掃気ポート23a,24aを、これらの上端位置を同一高さに設定して、ビストン7の下降時に同一タイミングで開口するようにしている。この掃気方式は、混合気および空気の掃気ポートの上端位置の高さに若干の差を設けたピストンバルブ方式よりも効果的である。すなわち、ピストンバルブ方式では、空気の掃気ポートが開かれるときのクランクケース内の圧力が、その後に混合気の掃気ポートが開かれるときのクランクケース内の圧力より低いために、空気による燃焼室内の迅速な掃気と混合気の吹き抜け抑制が効果的に行えないからである。
さらに、図34および図35に示す第9実施形態に係る2サイクルエンジンについて説明する。このエンジンは、図34に示すクランクケース2を二つ割り構造とすることによって第2掃気通路24を第7実施形態(図29)よりもさらに長く下方に向け延出させたことに特徴があり、その他の基本構成は第7実施形態と同様である。
図34に明示するように、クランクケース2を二つ割り構造のケース上半体2Aとケース下半体2Bとを連結してなり、第2掃気通路24を、シリンダ1およびクランクケース2の両半体2A,2Bにそれぞれ形成した通路部分を連通して構成することにより、第2掃気通路24の下端部がニードル軸受51の下側に回り込むように形成されて、第2掃気通路24の流入ポート24bがニードル軸受51の径方向の下方近傍位置に開口されており、一方、第1掃気通路23の下端の流入ポート23bが第7実施形態(図29)よりも上方位置に開口されている。その他の構成は第7実施形態と同一である。
この第9実施形態の構成によれば、図35に示す第2掃気通路24がニードル軸受51の径方向の下方近傍位置まで延びているので、エンジンの回転数を上げた場合にも、吸気工程時に第2掃気通路24内に吹き抜け防止用の十分な空気量が確保される。一方、混合気Mは、吸気工程時に、シリンダ1の内周面に開口する混合気ポート20から、矢印で示すように、クランク室2aへと直接導入される。この導入された混合気Mにより、クランクピン81が良好に潤滑される。
つづいて、掃気工程では、クランクウェブ84によって第2掃気通路24の流入ポート24bが開かれたときに、クラク室2a内の混合気Mの一部が連通孔24cからニードル軸受51に入って、これを潤滑する。
なお、前記第7〜第9実施形態では、第3実施形態を基本構成とした場合を例示しているが、この実施形態のクランク軸8をニードル軸受51で支持して少くとも第2掃気通路23,24を下方へ延長する主要構成は、前記第1および第2実施形態、並びに第4ないし第6実施形態から、軸受を介して第1または第2掃気通路をクランク室に連通させる構造を除いたエンジンにもそれぞれ適用することができる。前記主要構成を第1実施形態に適用した場合、吸気工程で、混合気がクランク室ではなく第2掃気通路に導入され、空気がクランク室に導入される。その他に、本発明には含まれないが、混合気Mの掃気に先立って空気Aによる初期掃気を行うタイプ以外の、燃焼室に導いた混合気のみによる掃気を行う一般的な2サイクルエンジンにも、前記主要構成を適用できる。この一般的な2サイクルエンジンに適用する場合には、クランク室内の中央部の濃度の薄い混合気を燃焼室内に先に噴出させたのちに、クランク室の内壁付近に追いやられている濃度の高い混合気を遅れて燃焼室内に導入させることができるから、混合気の吹き抜けが抑制される。

Claims (7)

  1. 燃焼室とクランク室とをクランク軸の軸受を介して連通させる第1掃気通路と、燃焼室とクランク室とを直接連通させる第2掃気通路と、ピストンの側面に形成された吸入室と、混合気Mを前記吸入室に吸入させる混合気通路と、空気を前記クランク室に導入する空気通路とを有し、
    吸気行程において、前記混合気通路からの混合気が前記吸入室を経て前記第1掃気通路に導入されるとともに、前記空気通路からの空気がクランク室に導入され、
    掃気行程において、前記第1掃気通路内の混合気が燃焼室に導入されるよりも前にクランク室内の空気が前記第2掃気通路を経て燃焼室に導入され始めるように設定されている2サイクルエンジン。
  2. 燃焼室とクランク室とを直接連通させる第1掃気通路と、燃焼室とクランク室とをクランク軸の軸受を介して連通させる第2掃気通路と、ピストンの側面に形成された吸入室と、空気を吸入室に吸入させる空気通路と、混合気をクランク室に導入する混合気通路とを有し、
    吸気行程において、空気通路からの空気が吸入室を経て前記第2掃気通路に導入されるとともに、前記混合気通路からの混合気がクランク室に導入され、
    掃気行程において、クランク室内の混合気が前記第1掃気通路を経て燃焼室に導入され始めるよりも前に前記第2掃気通路内の空気が燃焼室に導入され始めるように設定され
    前記第1掃気通路のクランク室への開口が、下死点の手前でピストンにより閉塞されるように設定されている2サイクルエンジン。
  3. 燃焼室とクランク室とを直接連通させる第1掃気通路と、燃焼室とクランク室とをクランク軸の軸受を介して連通させる第2掃気通路と、空気を第2掃気通路に導入する空気通路と、この空気通路に設けられたリードバルブと、混合気をクランク室に導入する混合気通路とを有し、
    吸気行程において、空気通路からの空気がリードバルブを経て前記第2掃気通路に導入されるとともに、前記混合気通路からの混合気がクランク室に導入され、
    掃気行程において、クランク室内の混合気が前記第1掃気通路を経て燃焼室に導入され始めるよりも前に前記第2掃気通路内の空気が燃焼室に導入され始めるように設定され
    前記第1掃気通路のクランク室への開口が、下死点の手前でピストンにより閉塞されるように設定されている2サイクルエンジン。
  4. 請求項1において、さらに、燃焼室とクランク室とを直接連通させる第3掃気通路を備え、
    前記第3掃気通路は第2掃気通路よりも排気口寄りに位置し、
    掃気行程において、クランク室内の空気が、前記第1掃気通路内の混合気が燃焼室に導入される混合気導入開始時点よりも前に、前記第2掃気通路を経て燃焼室に導入され始め、かつ、前記混合気導入開始時点と同時またはこの時点よりも後に、前記第3掃気通路を経て燃焼室に導入され始めるように設定されている2サイクルエンジン。
  5. 請求項1において、前記ピストンに、前記吸入室内の混合気をピストンピンとコンロッド間の小端軸受に供給する潤滑通路が形成されている2サイクルエンジン。
  6. 請求項4において、前記第2掃気通路のクランク室への開口が、下死点の手前でピストンにより閉塞されるように設定されている2サイクルエンジン。
  7. クランク軸をクランクケースに支持するニードル軸受と、燃焼室とクランク室とを連通させる第1および第2掃気通路と、吸気工程で混合気を前記クランク室または第1掃気通路に導入する混合気通路と、吸気工程で空気を前記第2掃気通路またはクランク室に導入する空気通路と、前記第1または第2掃気通路と前記ニードル軸受とを接続する連通孔とを備え、
    掃気工程において、前記第1掃気通路内の混合気が燃焼室に導入され始めるよりも前に前記第2掃気通路内の空気が燃焼室に導入され始め、
    前記第1および第2掃気通路のうち少なくとも第2掃気通路の下端の前記クランク室への開口が前記ニードル軸受の径方向外方の近傍に配置されている2サイクルエンジン。
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