JP4272001B2 - 2サイクルエンジン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、刈払機のような小型作業機の駆動源として用いられる2サイクルエンジンに関し、詳しくは掃気ガスである混合気が未燃焼ガスのまま排出される現象(吹き抜け現象)を防止する2サイクルエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種エンジンとしては、下記のような2サイクルエンジンがある。すなわち、シリンダ内に掃気ガスを供給するための掃気通路として、シリンダ側掃気通路とクランクケース側掃気通路とを有し、前記クランクケース側掃気通路を、クランクケースの上端内周面とピストン外周面との間に設けられた隙間と、この隙間の上端と前記シリンダ側掃気通路の下端との間に設けられた連通部とにより構成している。また、高速回転時の混合気補給を円滑に行うために、混合気をシリンダー側掃気通路に供給する補助掃気通路を、左右のクランクケース合わせ面、およびクランクケースとシリンダの合わせ面に形成して、クランク室内と掃気通路を連通している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2000−179346号公報(段落0015〜0018、図5および図6参照)
【0004】
前記従来技術では、このように構成することで、クランク室内の混合気が狭い隙間と連通部とにより形成されたクランクケース側掃気通路を通ってシリンダ側掃気通路へ流入することで、混合気の吹き抜けが防止できるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記構成によれば、シリンダ側掃気通路の全長が短いので、エンジンが高速回転になった場合、ピストン下端の外周の掃気通路への混合気導入用の隙間からシリンダ側掃気通路に入った混合気の流速が増し、掃気ポートから混合気(特に、燃料分を多量に含む液状に近い濃い混合気)が急激に噴出する吹き抜け現象が発生しやすい。また、高速回転時の混合気補給に関し、補助掃気通路から混合気がシリンダー側掃気通路に供給されるが、この補助掃気通路は、複雑で曲がり部が多い構成であるので、混合気が流れる際の抵抗が大きく、燃焼室に充分な混合気を供給し難い。
【0006】
そこで、本発明の目的は、掃気ガスである混合気が未燃焼ガスのまま排出される吹き抜け現象を防止して環境汚染に配慮し、さらに、燃焼効率の向上をも図ることができる2サイクルエンジンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するため、本発明の第1構成にかかる2サイクルエンジンは、クランク室から燃焼室に混合気を供給する一対または複数対の掃気通路を有し、少なくとも一対の掃気通路の下端部がクランク軸の軸受の外側面(反クランク室側の端面)に臨むように延出され、クランク室内の混合気が軸受を経て掃気通路に導入され、さらに、前記クランク軸に、前記クランク室を前記掃気通路の下端部に連通させる連通孔が形成されている
【0008】
この構成によれば、少なくとも一対の掃気通路の下端部がクランク軸の軸受の外側面に臨むように延出されているので、掃気通路の全長が従来の場合に比べて、シンプルでかつ長めになる。しかも、掃気はクランク室から軸受の隙間(軸受を構成するボールとリテーナと内外輪との隙間)を通って行われるので、エンジンの回転が上がるにつれて、前記ボールとリテーナの回転による回転スクリーン効果が発揮される結果、ガソリンやオイルの液滴を多量に含み霧化が十分でない混合気が撹拌されて霧化が促進される。このことにより、混合気は、ボールベアリングと長い掃気通路を介して、しかも霧化状態のよい混合気となって掃気ポートに至るので、掃気ポートから濃い混合気が急激に燃焼室に噴出することが抑制され、未燃焼ガスのままで排出される吹き抜け現象が低減されるとともに、燃焼効率も向上する。また、前記軸受の精度は、通常、極めて高くて軸受の隙間のばらつきが少ないので、掃気性能が安定する。さらに、軸受を経由して掃気が行われるので、掃気の際に混合気による軸受の潤滑が良好に行われる。また、例えば高速回転時、軸受を経た掃気だけでは混合気が不足する場合であっても、前記クランク軸に形成された連通孔からも混合気が取り入れられる。この混合気は、クランク軸回転時の遠心力により前記連通孔内で撹拌されて充分に霧化された燃焼しやすい混合気として取り入れられる。
【0011】
本発明の第2構成にかかる2サイクルエンジンは、クランク室から燃焼室に混合気を供給する排気ポート寄りの第1掃気通路および吸気ポート寄りの第2掃気通路を備え、前記第1および第2掃気通路の下端部がクランク軸の軸受の外側面に臨むように延出され、少なくとも第2掃気通路における前記軸受よりも上方位置にクランク室に開口する導入窓が形成され、クランク室内の混合気が軸受を経て第1および第2掃気通路に導入されるとともに、前記導入窓を経て第1および第2掃気通路に導入される。
【0012】
この構成によれば、クランク室から燃焼室に混合気を供給する掃気手段が、軸受からのみならず、少なくとも第2掃気通路における前記軸受よりも上方に形成された導入窓を経て第2掃気通路にも供給される。したがって、軸受からの掃気だけでは不足する場合であっても、前記導入窓を経て燃焼室に十分な量の混合気が供給される。この場合、前記導入窓は、排気ポートから離れた吸気ポート寄りの第2掃気通路側に設けられているので、吹き抜け現象を極力少なくすることができる。また、主たる混合気は軸受の隙間を通る際に十分に霧化されるから、燃焼効率が向上する。
【0013】
本発明の第3構成にかかる2サイクルエンジンは、クランク室から燃焼室に混合気を供給する掃気通路の下端部に、掃気通路入口に対向してシリンダの径方向外方へ突出し前記掃気通路入口からの混合気を導入する掃気チャンバが形成され、前記掃気チャンバは、前記掃気通路をシリンダの周方向にまたいで、前記掃気通路の周方向の外側壁よりも周方向外方まで延びている
【0014】
この構成によれば、クランク室からの混合気は一旦掃気チャンバーに入り込むので、掃気の速度が緩和される。そのため、掃気ポートから混合気が急激に燃焼室内に噴出することが防止され、混合気の吹き抜けを低減できる。また、除吸気行程時、吸気ポートからクランク室内に吸入された霧化状態が悪い混合気は、掃気通路入口から掃気チャンバ内に入り込んで撹拌され、霧化が促進されて燃焼しやすい混合気となり、掃気通路を経て燃焼室に供給されるので、油滴状の未燃物質の吹き抜けが抑制されるとともに、燃焼効率が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1において、内部に燃焼室1aを形成したシリンダ1がクランクケース2の上部に連結されている。シリンダ1の一側部(右側)には、吸気系を構成する気化器3とエアクリーナ4が接続され、他側部(左側)には掃気系を構成するマフラー5が接続されており、クランクケース2の下部には燃料タンク6が取り付けられている。前記シリンダ1には、軸方向(この例では上下方向)に往復動するピストン7が設けられている。前記クランクケース2の内部には、軸受81を介してクランク軸8が支持されている。このクランク軸8の軸心とは変位した位置に中空状のクランクピン82が設けられ、このクランクピン82と前記ピストン7に設けた中空状のピストンピン71との間がコンロッド83により連結されている。
【0016】
また、前記シリンダ1の周壁の一側(図1の右側)には、その内周面に開口する吸気ポート9aを有する吸気通路9が形成され、気化器3からの混合気Mが前記吸気ポート9aからクランク室2aに吸入されるようになっている。一方、シリンダ1の周壁の他側(図1の左側)には、その内周面に開口する排気ポート10aを有する排気通路10が形成され、燃焼室1a内の燃焼ガスは、前記排気ポート10aから排気通路10を通り、前記マフラー5を経て外部(大気中)に排出される。前記クランク軸8にはクランクウェブ84が設けられ、シリンダ1の上部には点火プラグPが設けられている。
【0017】
また、図2に示すように、前記シリンダ1とクランクケース2に跨がって、クランク室2aから燃焼室1aに混合気Mを供給する第1掃気通路11および第2掃気通路12が形成されている。これら第1掃気通路11および第2掃気通路12は、シリンダ軸心Cとほぼ平行な方向に延びており、図3に示すように、シリンダ1の径方向に対向して各一対設けられている。第1掃気通路11の通路面積は、第2掃気通路12よりも大きく設定されている。これら掃気通路11,12の下端部は、図4に示すように、クランク軸8の軸受81の外側面、つまり反クランク室2a側の端面に臨むように延出され、軸受81の隙間81a(軸受81を構成するボールとリテーナと内外輪との隙間)と連通するように構成されている。また、これら掃気通路11,12の上端部は、それぞれ掃気ポート11a,12aとして燃焼室1aに連通するように形成されている。掃気ポート11a,12aの上端は、図1に示す排気ポート10aの上端よりも低い位置に設定されている。なお、図4では、便宜上、実際には径方向に相対向しない第1と第2掃気通路11,12を、図の右側と左側に分けて示している。
【0018】
つぎに、以上の構成としたエンジンの作用について説明する。図1において、ピストンが下死点から上死点に向かって上昇し、混合気Mの燃焼室1aへの通路となる掃気ポート11a,12aが閉じられると、燃焼室1a内の混合気Mは圧縮行程に入る。さらにピストン1が上昇すると、上昇分だけクランク室2aの容積が増加し、クランク室2aは負圧となる。この状態で吸気ポート9aが開き始めると吸気行程に入り、クランク室2aに吸気ポート9aから混合気Mが直接吸入される。このとき、クランク室2a内に導入される混合気Mは、ガソリンやオイルなどの液滴を多量に含み、霧化は必ずしも十分と云えない状態にある。
【0019】
つづいて、図4に示すように上死点近くまでピストン7が上昇すると、燃焼室1a内で圧縮された混合気Mが点火プラグPで点火、燃焼する。このときの燃焼ガスGの圧力によって、ピストン7は下死点に向かって押し下げられ、ピストン7が下降すると、シリンダ1の壁面に形成した排気ポート10aが開き、燃焼室1a内の燃焼ガスGが排気通路10を経てマフラー5から大気中に排出される。さらに、ピストン7が下降すると、クランク室1aの容積が減少し、クランク室1aに吸入された混合気Mが加圧される。
【0020】
図5に示す掃気行程において、ピストン7が下死点付近まで下降したとき、掃気ポート11a,12aが開放され、前記加圧された混合気Mがクランク軸8の軸受81の隙間81aを経由して主掃気用の第1掃気通路11および副掃気用の第2掃気通路12に導入され、掃気ポート11a,12aから燃焼室1a内に入る。この燃焼室1aに入った混合気Mにより、図3に示すように、燃焼室1a内に残っている燃焼ガスGを押し出して排気ポート12aから排気通路10に排出する。
【0021】
前記した掃気行程において、第1および第2掃気通路11,12は、クランク軸8の軸受81の外側面に臨むように下方へ延出されているから、長い通路となるので、エンジンが高速回転になっても掃気ポート11aから急激に混合気Mが燃焼室へ噴出することがおさえられ、吹き抜け現象が抑制される。しかも、掃気通路11,12は直線状に形成できるから、通路抵抗は少ないので、充分な掃気を送ることができる。また、軸受81は、通常、極めて高精度で製造されるから、隙間81aのばらつきも少ないので、この隙間81aを通過する掃気により、掃気性能が安定する。また、エンジンの回転速度が上がるにつれて、前記軸受81を構成するボールとリテーナの回転速度も上がるので、回転スクリーン効果が発揮され、クランク室2aから導入される混合気とオイル分が撹拌されて霧化が促進される。これにより、充分に霧化された混合気Mが掃気として供給されることになる。また、ベアリングにより掃気速度が緩和され、混合気が掃気ポートから燃焼室内に急激に噴出することが抑止される。さらに、前記軸受81の隙間81a(つまり、ボールとリテーナと内外輪との間の隙間)を経由して両掃気通路11,12に流入する混合気Mに含まれるオイル分、または燃料分によって、前記軸受81が良好に潤滑される。
【0022】
本発明の第2実施形態では、図6に示すように、補助掃気用の第2掃気通路12の下端を軸受81の外側面まで延出せずに、軸受81の上方でクランク室2aに連通させるように開口12bを設けている。第1および第2掃気通路11,12の上端は排気ポート10aの上端よりも低い位置に設定され、かつ、第1掃気通路11の掃気ポート11aの上端が第2掃気通路12の掃気ポート12aの上端よりも若干高い位置に設定されている。この場合、第1掃気通路11には、クランク軸8の遠心力によって軸受81の近傍から比較的薄い混合気Mが導入され、排気ポート10a寄りから燃焼室1aに噴出されるが、薄いために、排気ポート10aから吹き抜けることがあっても、環境への影響は少ない。一方、第2掃気通路12には、クランク軸8の遠心力により、前記開口12bから比較的濃い混合気Mが導入されるが、この混合気Mは排気ポート10aから離れた吸気ポート9a寄りの掃気ポート12aから燃焼室1aに噴出され、しかも、第1掃気通路11からの混合気Mよりも遅れて噴出されるから、この第1掃気通路11からの混合気Mによりブロックされて、排気ポート70aから吹き抜けるのが抑制される。
【0023】
また、エンジンの高速回転時、前記軸受81からの掃気のみでは燃焼室1aに供給される混合気が不足する場合には、図7の第3実施形態に示すように、前記クランク軸8の内部にクランク室2aと掃気通路11,12を連通する連通孔91をクランク軸8と同芯状に形成し、一対のクランクウェブ84間の空間から前記連通孔91を介して掃気通路11,12にクランク室2a内の混合気Mを取り入れ、前記不足分を補填するようにする。この場合、クランク軸8におけるウェブ端面の入口92から連通孔91内に取り入れられた混合気Mは、クランク軸8の回転に伴う遠心力で攪拌され、霧化状態のよい混合気Mがクランク軸8の周壁に設けた出口(この例では2つ)93から各掃気通路11,12へ供給される。したがって、前記軸受81からの掃気だけでは掃気が不足する場合であっても、この不足分を補填できる。
【0024】
図8に示す第3実施形態の変形例では、ピストン7が下降する掃気工程において、前記連通孔91の出口93が下向き、つまり掃気ポート11a,12aへ向かう方向と逆方向に向くように設定されている。これにより、連通孔91を経た混合気Mが直接掃気ポート11a,12aに向かい難くして、掃気通路11,12内の掃気の速度を低下させ、吹き抜けを一層抑制している。
【0025】
つぎに、本発明の第4実施形態に係る2サイクルエンジンについて図9および図10を参照して説明する。このエンジンでは、図7に示した第3実施形態におけるクランク軸8に形成した連通孔91に代えて、図9に示す吸気ポート9a寄りの第2掃気通路12における前記軸受81よりも上方位置に、クランク室2aに開口する導入窓13を形成したことに特徴があり、その他の基本構成は第1実施形態と同様である。この導入窓13の面積は、掃気通路11の通路面積よりも小さめに設定し、クランク室2aから導入窓13に入る混合気Mが高速で流入しないように絞っている。
【0026】
この第4実施形態によれば、図10に示すように、ピストン7が下降する掃気工程において、図1〜図5に示した第1実施形態の場合と同様に、図10のクランク室2a内の混合気Mは、クランク軸8の軸受81の隙間81aを経由して、第1および第2掃気通路12内に導入され、その際に、混合気Mに含まれたオイル分または燃料分によって軸受81が潤滑されると同時に、霧化状態がよく、またクランク軸8の遠心力のために比較的希薄になっている混合気Mが、掃気通路11を通って掃気ポート11aから燃焼室1a内に入る。ここで、前記第2掃気通路12には、特にクランク室2aに開口した導入窓13を設けているので、軸受81の隙間81aを通って第2掃気通路12に希薄な混合気Mが導入されるのに加えて、導入窓13からクランク室2a内の濃い混合気Mが導入され、この第2掃気通路12から燃焼室1aに供給される。
【0027】
このように、軸受81を経由して第1および第2掃気通路11,12から燃焼室1a内に掃気ガスとして供給される混合気Mのみではエンジンの出力が不足する場合であっても、導入窓13から第2掃気通路12に導入された混合気Mが燃焼室1a内に供給されることにより、エンジンの高出力時でも十分な掃気量が確保される。この場合、導入窓13からは、図6の第2実施形態で説明したように、比較的濃い混合気が供給される。しかも、この第1掃気通路12は、吸気ポート10a側に形成したものであって、第1掃気通路11に比べ、排気ポート10aから離れているので、濃い混合気Mの吹き抜けが発生しにくい。
【0028】
次に、第5実施形態について図11〜図12を参照して説明する。
この実施形態では、図11に示すクランク軸8の軸受81の隙間81aおよびクランク軸8に設けた連通孔91からの混合気Mの導入に加えて、第2掃気通路12に設けた導入窓13からの混合気Mの導入も行っている。図12に示すように、連通孔91の出口93は、ピストン7が下降する掃気工程において下向きとなっており、これによって、連通孔91を出た混合気Mが直接掃気ポート11a,12aに向かいにくくしている。したがって、軸受81の隙間81aおよびクランク軸8に設けた連通孔91からの比較的薄い混合気Mに加えて、導入窓13からの濃い混合気Mによって、充分な掃気量を確保することができる。
【0029】
次に、本発明の第6実施形態に係るエンジンについて図13〜図16を参照して説明する。このエンジンは、図13に示す第1および第2掃気通路11,12におけるクランク軸8の軸受81よりも上方に、クランク室2aに開口する掃気チャンバ14を形成したものであり、その他の基本構成は第1実施形態と同様である。
【0030】
この掃気チャンバ14は、第1および第2掃気通路11の下端部に連通しており、図14に示すように、シリンダ1の内周面に設けた掃気入口15からほぼ同一幅で、図15に示す第1、第2掃気通路11,12よりも、径方向外方へ突出している。掃気チャンバ14はまた、図13に示すように、第1、第2掃気通路11,12を周方向にまたいで、第1、第2掃気通路11,12の周方向の外側壁よりも外方まで延びている。したがって、図15に示す吸気ポート9aからクランク室2a内に吸入された混合気Mは、掃気入口15から一旦、掃気チャンバ14に入り、この掃気チャンバ14を経由して第1および第2掃気通路11,12に入るようになっている。この第6実施形態の場合、前記第1掃気通路11および第2掃気通路12の下端部は、軸受81の外側面まで延出されておらず、軸受81の隙間81aから混合気Mを導入しない構成となっている。
【0031】
なお、この掃気チャンバ14は、図13に示す排気ポート10a寄りの第1掃気通路11、または吸気ポート9aよりの第2掃気通路12のみに設けてもよい。また、掃気チャンバー14は第2掃気通路12を持たない掃気方式のエンジンにも適用できる。
【0032】
この第6実施形態のエンジンの作用について説明する。まず、吸気行程時においては、ピストン7が上死点付近に至ると、前記シリンダ1の周壁面に設けた吸気ポート9aから霧化状態が悪い混合気Mがクランクケース2内におけるシリンダ1の下方のクランク室2aに直接導入される。つづいて、掃気行程において、ピストン7が下降し始めると、クランク室2a内の混合気Mは、その慣性力で、一旦、シリンダ1の内周面に開口した掃気入口15からこの掃気入口15に対向する掃気チャンバ14に入る。前記混合気Mは、図15に示すように、掃気チャンバ14の内面に当って反転することで撹拌され、霧化が促進されるとともに、掃気速度が抑えられる。
【0033】
したがって、掃気行程において、混合気Mが図13の掃気ポート11a,12aから燃焼室1aに急激に噴射されることが防止されるとともに、前記掃気チャンバ14内で撹拌されて霧化した混合気Mが、第1および第2掃気通路11,12内を通って掃気ポート11a,12aから燃焼室1aに供給される。したがって、混合気Mの吹き抜けが防止されるとともに、熱焼効率が向上する。
【0034】
本発明の第7実施形態では、図16に示すように、掃気チャンバ14よりも上方で第2掃気通路12に、クランク室2aと第2掃気通路12とを連通させる導入窓13が設けられている。これにより、導入窓13から、クランク室1a内におけるクランク軸8から離れた部位に存在する比較的濃い混合気Mが第2掃気通路12に導入されるので、高出力に必要な掃気量を容易に賄うことができる。なお、導入窓13は第1掃気通路11のみ、または第1および第2掃気通路11,12の両方に設けてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、混合気の吹き抜けが防止されるとともに、燃焼効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る2サイクルエンジンの正面断面図である。
【図2】同エンジンのシリンダとクランクケースを拡大して示す正面断面図である。
【図3】図2のIII −III 線に沿った断面図である。
【図4】吸気行程時における第1および第2掃気通路の部分を示す側面断面図である。
【図5】掃気行程時における第1および第2掃気通路の部分を示す側面断面図である。
【図6】第2実施形態に係る2サイクルエンジンの正面断面図である。
【図7】第3実施形態に係る2サイクルエンジンを示す側面断面図である。
【図8】同第3実施形態の変形例を示す側面断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る2サイクルエンジンの正面断面図である。
【図10】同じく第1および第2掃気通路の部分を示す側面断面図である。
【図11】本発明の第5実施形態にかかる2サイクルエンジンの正面断面図である。
【図12】同じく第1および第2掃気通路の部分を示す側面断面図である。
【図13】本発明の第6実施形態に係る2サイクルエンジンの正面断面図である。
【図14】図13のXIV −XIV 線に沿った断面図である。
【図15】同じく第1および第2掃気通路の部分を示す側面断面図である。
【図16】本発明の第7実施形態に係る2サイクルエンジンの正面断面図である。
【符号の説明】
1…シリンダ
1a…燃焼室
2a…クランク室
8…クランク軸
91…連通孔
81…軸受
81a…隙間
11…第1掃気通路
12…第2掃気通路
11a,12a…掃気ポート
13…導入窓
14…掃気チャンバ
15…掃気入口
M…混合気

Claims (3)

  1. クランク室から燃焼室に混合気を供給する一対または複数対の掃気通路を有し、少なくとも一対の掃気通路の下端部がクランク軸の軸受の外側面に臨むように延出され、クランク室内の混合気が軸受を経て掃気通路に導入され、
    さらに、前記クランク軸に、前記クランク室を前記掃気通路の下端部に連通させる連通孔が形成されている2サイクルエンジン。
  2. クランク室から燃焼室に混合気を供給する排気ポート寄りの第1掃気通路および吸気ポート寄りの第2掃気通路を備え、前記第1および第2掃気通路の下端部がクランク軸の軸受の外側面に臨むように延出され、
    少なくとも第2掃気通路における前記軸受よりも上方位置に、クランク室に開口する導入窓が形成され、
    クランク室内の混合気が軸受を経て第1および第2掃気通路に導入されるとともに、前記導入窓を経て第2掃気通路に導入される2サイクルエンジン。
  3. クランク室から燃焼室に混合気を供給する掃気通路の下端部に、掃気通路入口に対向してシリンダの径方向外方へ突出し前記掃気通路入口からの混合気を導入する掃気チャンバが形成され、
    前記掃気チャンバは、前記掃気通路をシリンダの周方向にまたいで、前記掃気通路の周方向の外側壁よりも周方向外方まで延びている2サイクルエンジン。
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