JP4368581B2 - C型肝炎ウイルスのns3−セリンプロテアーゼ阻害剤としてのジアリールペプチド - Google Patents

C型肝炎ウイルスのns3−セリンプロテアーゼ阻害剤としてのジアリールペプチド Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、新規C型肝炎ウイルス(「HCV」)プロテアーゼ阻害剤、1種以上の該阻害剤を含有する医薬組成物、該阻害剤の製造方法ならびにC型肝炎および関連障害を処置するための該阻害剤の使用方法に関する。詳細には、本発明は、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの阻害剤としてのジアリールペプチド化合物を開示する。
【0002】
(背景技術)
C型肝炎ウイルス(HCV)は、非A非B型肝炎(NANBH)、特に血液関連NANBH(BB−NANBH)の主たる病原体として関連付けられている(+)−センス一本鎖RNAウイルスである(国際公開第WO89/04669号および欧州特許出願公開第EP381216号参照)。NANBHは、他の型のウイルス誘発性肝臓疾患、例えばA型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、デルタ型肝炎ウイルス(HDV)、サイトメガロウイルス(CMV)およびエプスタイン−バールウイルス(EBV)に誘発されるもの、ならびに他の形態の肝臓疾患、例えばアルコール中毒および原発性胆汁性肝硬変とは区別される。
【0003】
近年、ポリペプチドプロセシングおよびウイルス複製に必要なHCVプロテアーゼが同定され、クローン化され、発現された(例、米国特許第5712145号参照)。この約3000アミノ酸のポリタンパク質は、アミノ末端からカルボキシ末端へ、ヌクレオキャプシドタンパク質(C)、エンベロープタンパク質(E1およびE2)ならびにいくつかの非構造タンパク質(NS1、2、3、4a、5aおよび5b)を含む。NS3は、HCVゲノムの約1893ヌクレオチドによりコードされる、約68kdaのタンパク質であり、2つの異なるドメイン:(a)N末端アミノ酸の約200個からなるセリンプロテアーゼドメイン;および(b)タンパク質のC末端のRNA依存性ATPaseドメインを有する。NS3プロテアーゼは、タンパク質配列、全体的三次元構造および触媒機構が類似していることから、キモトリプシンファミリーのメンバーであると考えられている。他のキモトリプシン様酵素は、エラスターゼ、第Xa因子、トロンビン、トリプシン、プラスミン、ウロキナーゼ、tPAおよびPSAである。HCV NS3セリンプロテアーゼは、NS3/NS4a、NS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5b連結部におけるポリペプチド(ポリタンパク質)のタンパク質分解を担っており、従ってウイルス複製中の4種のウイルスタンパク質の生成を担っている。このため、HCV NS3セリンプロテアーゼは抗ウイルス化学療法にとって魅力的な標的となっている。
【0004】
約6kdaのポリペプチドであるNS4aタンパク質がNS3のセリンプロテアーゼ活性の補因子であることが決定されている。NS3/NS4aセリンプロテアーゼによるNS3/NS4a連結部の自己切断は分子内(すなわち、シス)で生じ、他の切断部位は分子間(すなわち、トランス)でプロセシングされる。
【0005】
HCVプロテアーゼの天然の切断部位の分析により、P1におけるシステインおよびP1’におけるセリンの存在ならびにこれらの残基がNS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5b連結部で厳密に保存されていることが明らかにされた。NS3/NS4a連結部は、P1においてスレオニンを、P1’においてセリンを含む。NS3/NS4aでのCys→Thrの置換は、この連結部におけるトランスではなくシスのプロセシングの要件の説明となると想定されている。例えば、Pizzi et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci (USA) 91:888-892、 Failla et al. (1996) Folding & Design 1:35-42参照。NS3/NS4a切断部位はまた、他の部位よりも突然変異誘発に寛容性である。例えばKollykhalov et al. (1994) J. Virol. 68:7525-7533参照。また、切断部位の上流領域における酸性残基が効率的な切断に必要とされることが見出されている。例えば、Komoda et al. (1994) J. Virol. 68:7351-7357参照。
【0006】
報告されたHCVプロテアーゼの阻害剤としては、抗酸化剤(国際公開第WO98/14181号参照)、特定のペプチドおよびペプチドアナログ(国際公開第WO98/17679号、Landro et al. (1997) Biochem. 36:9340-9348、Ingallinella et al. (1998) Biochem. 37:8906-8914、Llinas-Brunet et al. (1998) Bioorg. Med. Chem. Lett. 8:1713-1718参照)、70アミノ酸のポリペプチドであるエグリンcに基いた阻害剤(Martin et al. (1998) Biochem. 37:11459-11468)、ヒト膵臓分泌性トリプシンインヒビター(hPSTI−C3)およびミニボディーレパートリー(MBip)から親和性選択された阻害剤(Dimasi et al. (1997) J.Virol. 71:7461-7469)、E2(「ラクダ化(camelized)」可変領域抗体フラグメント)(Martin et al.(1997) Protein Eng. 10:607-614)およびα1−アンチキモトリプシン(ACT)(Elzouki et al. (1997) J. Hepat. 27:42-28)が挙げられる。C型肝炎ウイルスRNAを選択的に破壊するように設計されたリボザイムが近年開示された(BioWorld Today 9(217): 4(1998年11月10日)参照)。
【0007】
また、PCT公開、第WO98/17679号(1998年4月30日公開、ヴァーテックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド(Vertex Pharmaceuticals Incorporated))、第WO98/22496号(1998年5月28日公開、エフ・ホフマン−ラ・ロシュ・アクチエンゲセルシャフト(F. Hoffmann-La Roche AG))、および第WO99/07734号(1999年2月18日公開、ベーリンガー・インゲルハイム・カナダ・リミテッド(Boehringer Ingelheim Canada Ltd.))も参照のこと。
【0008】
HCVは、肝硬変および肝細胞癌の誘発に関連付けられている。HCV感染に罹患した患者の予後は、現時点では芳しくない。HCV感染は、HCV感染に伴う免疫または緩解の欠如のために、他の形態の肝炎よりも処置が困難である。最新データは、硬変診断後4年目での生存率が50%未満であることを示している。切除可能な限局性肝細胞癌と診断された患者が10〜30%の5年生存率を有するのに対し、切除不能な限局性肝細胞癌の患者は5年生存率が1%未満である。
【0009】
HCV NS3プロテアーゼの阻害剤の二環式アナログの合成を記載するA. Marchetti et al, Synlett, S1, 1000-1002 (1999)を参照のこと。そこに記載される化合物は以下の式を有する:
【化38】
Figure 0004368581
【0010】
また、式:
【化39】
Figure 0004368581
で示されるペプチド誘導体を開示する第WO00/09558号(譲受人:ベーリンガー・インゲルハイム・リミテッド(Boehringer Ingelheim Limited)、2000年2月24日公開)(上式における種々の要素はそこに定義されている)も参照のこと。下式はその系列の化合物の例示である:
【化40】
Figure 0004368581
【0011】
また、式:
【化41】
Figure 0004368581
で示されるペプチド誘導体を開示する第WO00/09543号(譲受人:ベーリンガー・インゲルハイム・リミテッド、2000年2月24日公開)(上式における種々の要素はそこに定義されている)も参照のこと。下式はその系列の化合物の例示である:
【化42】
Figure 0004368581
【0012】
C型肝炎の現行治療法としては、インターフェロン−α(INFα)およびリバビリンとインターフェロンとの併用療法が挙げられる。例えば、Beremguer et al. (1998) Proc. Assoc. Am. Physicians 110(2):98-112参照。これらの治療法には、低い持続応答率および頻繁な副作用という問題点がある。例えば、Hoofnagle et al. (1997) N. Engl. J. Med. 336:347参照。現時点では、HCV感染に利用可能なワクチンは無い。
【0013】
係属中の特許出願第60/194,607号(2000年4月5日出願)、同第60/198,204号(2000年4月19日出願)(両方は本出願と共通の所有権を有する)は、特定の大環状C型肝炎ウイルスNS−3セリンプロテアーゼ阻害剤を開示している。
【0014】
HCV感染のための新たな処置および治療法が要望されている。従って、本発明の目的は、C型肝炎の1つ以上の症状を処置または予防または改善するのに有用な化合物を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、C型肝炎の1つ以上の症状を処置または予防または改善する方法を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、本明細書に提供される化合物を用いて、セリンプロテアーゼ、特にHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの活性を調節する方法を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、本明細書に提供される化合物を用いてHCVポリペプチドのプロセシングを調節する方法を提供することである。
【0018】
(発明の概要)
本発明は、その多くの実施態様において、新規クラスのHCVプロテアーゼの阻害剤、1種以上の該化合物を含有する医薬組成物、1種以上の該化合物を含有する医薬処方物の製造方法、およびC型肝炎の症状の1つ以上を処置、予防または改善する方法を提供する。また、HCVポリペプチドとHCVプロテアーゼとの相互作用を調節する方法も提供する。本明細書中に提供される化合物の中で、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ活性を阻害する化合物が好ましい。本明細書に開示する化合物は一般に約4個以上、約12個未満のアミノ酸残基を含む。詳細には、本出願は下記式I、IIおよびIIIにさらに定義するペプチド化合物を開示する。
【0019】
(好ましい実施態様の詳細な説明)
その第一の実施態様において、本発明は、式I:
【化43】
Figure 0004368581
式I
[式中、
XおよびYは以下の部分から独立して選択され:アルキル、アルキル−アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール−ヘテロアリール、アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルエーテル、アルキル−アリールエーテル、アリールエーテル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキル−アリールアミノ、アルキルチオ、アルキル−アリールチオ、アリールチオ、アルキルスルホン、アルキル−アリールスルホン、アリールスルホン、アルキル−アルキルスルホキシド、アルキル−アリールスルホキシド、アルキルアミド、アルキル−アリールアミド、アリールアミド、アルキルスルホンアミド、アルキル−アリールスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルウレア、アルキル−アリールウレア、アリールウレア、アルキルカルバメート、アルキル−アリールカルバメート、アリールカルバメート、アルキル−ヒドラジド、アルキル−アリールヒドラジド、アルキルヒドロキシアミド、アルキル−アリールヒドロキシアミド、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニルまたはその組み合わせ、ここでXおよびYは所望によりさらにX11またはX12で置換されてもよく;
11はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルへテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、ここでX11はさらに所望によりX12で置換されてもよく;
12はヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノまたはニトロであり、ここでアルキル、アルコキシおよびアリールはさらに所望によりX12から独立して選択される部分で置換されてもよく;
Wは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Wが存在する場合、WはC=O、C=SまたはSOから選択され;
Qは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Qが存在する場合、QはCH、N、P、(CH、(CHR)、(CRR’)、O、RNR、SまたはSOであり;Qが存在しない場合、Mもまた存在せず、AはXに直接結合しており;
AはO、CH、(CHR)、(CHR−CHR’)、(CRR’)、NR、S、SOまたは結合であり;
UはO、NまたはCHから選択され;
EはCH、NもしくはCR、またはA、LもしくはGへの二重結合であり;
Gは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Gが存在する場合、Gは(CH、(CHR)または(CRR’)であり;Gが存在しない場合、Jは存在し、EはGが連結された炭素原子に直接連結されており;
Jは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Jが存在する場合、Jは(CH、(CHR)、(CRR’)、SO、NH、NRまたはOであり;Jが存在しない場合、Gは存在し、Lは窒素に直接結合しており;
Lは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Lが存在する場合、LはCH、CR、O、SまたはNRであり;Lが存在しない場合、Mは存在しなくてもよくまたは存在してもよく、Mが存在し、Lが存在しない場合、Mは直接的および間接的にEに結合しており、Jは直接的および間接的にEに結合しており;
Mは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Mが存在する場合、MはO、NR、S、SO、(CH、(CHR)、(CHR−CHR’)または(CRR’)であり;
pは0〜6の数字であり;
RおよびR’は独立して以下からなる群より選択され:H;C1−C10アルキル;C2−C10アルケニル;C3−C8シクロアルキル;C3−C8ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ;(シクロアルキル)アルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)アルキル、ここでシクロアルキルは3〜8個の炭素原子、および0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、アルキルは1〜6個の炭素原子を有する;アリール;ヘテロアリール;アルキル−アリール;およびアルキル−ヘテロアリール;ここで アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル部分は所望により置換され得、この「置換」の語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、スルホンアミドからなる群より選択される1個以上の部分での所望による適切な置換をいい;
1a、P1b、P1’およびPは独立して以下から選択され:H、C1−C10直鎖もしくは分枝鎖アルキル、C2−C10直鎖もしくは分枝鎖アルケニル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8複素環;(シクロアルキル)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキル、ここでシクロアルキルは3〜8個の炭素原子、および0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、アルキルは1〜6個の炭素原子を有する;アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル、ここでアルキルは1〜6個の炭素原子を有する;ここでアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル;(シクロアルキル)アルキルおよび(ヘテロシクリル)アルキル部分は所望によりR”で置換されてもよく、さらにここでP1aおよびP1bは所望により互いに連結されてスピロ環式環またはスピロ複素環式環を形成してもよく、スピロ環式環またはスピロ複素環式環は0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、さらに所望によりR”で置換されてもよく;
R”はヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノまたはニトロ部分であり、ここでアルキル、アルコキシおよびアリールはさらに所望によりR”から独立して選択される部分で置換されてもよく;
ZはO、NHまたはNR’”であり;
R’”はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル部分であり、ここでR’”はさらに所望によりR”で置換されてもよく;
ArおよびArは独立して以下から選択され:フェニル;2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルもしくはその対応するN−オキシド;2−チオフェニル;3−チオフェニル;2−フラニル;3−フラニル;2−ピロリル;3−ピロリル;2−イミダゾリル;3(4)−イミダゾリル;3−(1,2,4−トリアゾリル);5−テトラゾリル;2−チアゾリル;4−チアゾリル;2−オキサゾリル;または4−オキサゾリル;そのいずれかまたは両方は所望によりRで置換されてもよく;
はH,ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、Si(アルキル)、直鎖もしくは分枝鎖低級アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、(アルキルアミノ)カルボニルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、ヘテロシクリルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルウレイドまたはアリールウレイドであり;
はH、直鎖もしくは分枝鎖アルキル、アリールアルキルまたはアリールであり;そして
2’はH、シアノ、CF、直鎖もしくは分枝鎖低級アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、(アリルアミノ)カルボニルまたはアリールアミノカルボニルである]
で示される化合物を提供する。
【0020】
適切には、R2’はH、アルキル、アルケニル、アルコキシカルボニルまたは(アリルアミノ)カルボニルからなる群より選択され、好ましくは、R2’はHであり、UはNであり、PはHである。
【0021】
有利には、ArおよびArはフェニル、2−チオフェニル、2−フラニル、3−フラニル、3(4)−イミダゾリル、3−(1,2,4−トリアゾリル)、5−テトラゾリルまたは2−チアゾリルからなる群より独立して選択され、好ましくは、ArはフェニルでありArは3−(1,2,4−トリアゾリル)、5−テトラゾリルまたは2−チアゾリルからなる群より選択され、UはNであり、PはHである。
【0022】
適切には、RはH、CF、CH、アルキルまたはアルケニルである。
【0023】
通常、P1’がHまたはCHのいずれかである。
【0024】
適切には、P1’がHである場合、P1’ならびに隣接する窒素およびカルボニル部分はグリシン単位の残余(residuum)に対応する。
【0025】
好ましくは、P1aおよびP1bは独立して以下の部分からなる群より選択される:
【化44】
Figure 0004368581
【0026】
有利には、UはNであり、PはHであり、ZはNHである。
【0027】
適切には、Pは以下からなる群より選択される:
【化45】
Figure 0004368581
[式中、R31=OHまたはO−アルキルである]。
【0028】
適切には、PはH、第3ブチル、イソブチルおよびフェニル置換基からなる群より選択される。
【0029】
適切には、ZはNHであり、UはNであり、Pは上記のとおりである。
【0030】
別の適切な式Iの表現において、部分:
【化46】
Figure 0004368581

【化47】
Figure 0004368581
または
【化48】
Figure 0004368581
である。
【0031】
適切には、ZはNHであり、UはNである。
【0032】
式Iで示される化合物であって、該化合物は以下の構造式を有する化合物からなる群より選択される、:
【化49】
Figure 0004368581
または
【化50】
Figure 0004368581
[式中、Pはイソプロピル、第3ブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル部分である]。
【0033】
HCVプロテアーゼ阻害活性を示す式Iで示される好ましい化合物であって、該化合物の鏡像異性体、立体異性体および互変異性体、ならびに該化合物の医薬上許容される塩または溶媒和物を包含し、下記に列挙した構造を有する化合物から選択される化合物:
【化51】
Figure 0004368581
(R=PhCH2) (R=PhCH2)
(R=tert-ブチル) (R=tert-ブチル)
【化52】
Figure 0004368581
(R=PhCH2)
(R=tert-ブチル)
【化53】
Figure 0004368581
【0034】
1つの実施態様において、本発明は、HCVプロテアーゼ、特にHCV NS3/NS4セリンプロテアーゼの阻害剤としての式Iで示される化合物、またはその医薬上許容される誘導体を開示し、ここで種々の定義は上記のとおりである。
【0035】
別の実施態様において、本発明は、式II:
【化54】
Figure 0004368581
式II
[式中、
1a、P1b、P1’およびPは独立して以下であり:H、C1−C10直鎖もしくは分枝鎖アルキル、C2−C10直鎖もしくは分枝鎖アルケニル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8複素環;(シクロアルキル)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキル、ここでシクロアルキルは3〜8個の炭素原子、および0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、アルキルは1〜6個の炭素原子を有する;アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル、ここでアルキルは1〜6個の炭素原子を有する;ここでアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル;(シクロアルキル)アルキルおよび(ヘテロシクリル)アルキル部分は所望によりR”で置換されてもよく、さらにここでP1aおよびP1bは所望により互いに連結されてスピロ環式環またはスピロ複素環式環を形成してもよく、スピロ環式環またはスピロ複素環式環は0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、さらに所望によりR”で置換されてもよく;
R”はヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノまたはニトロ部分であり、ここでアルキル、アルコキシおよびアリールはさらに所望によりR”から独立して選択される部分で置換されてもよく;
ZはO、NHまたはNR’”であり;
R’”はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル部分であり、ここでR’”はさらに所望によりR”で置換されてもよく;
ArおよびArは独立して以下から選択され:フェニル;2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルもしくはその対応するN−オキシド;2−チオフェニル;3−チオフェニル;2−フラニル;3−フラニル;2−ピロリル;3−ピロリル;2−イミダゾリル;3(4)−イミダゾリル;3−(1,2,4−トリアゾリル);5−テトラゾリル;2−チアゾリル;4−チアゾリル;2−オキサゾリル;または4−オキサゾリル;そのいずれかまたは両方は所望によりRで置換されてもよく;
はH,ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、Si(アルキル)、直鎖もしくは分枝鎖低級アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、(アルキルアミノ)カルボニルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、ヘテロシクリルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルウレイドまたはアリールウレイドであり;
はH、直鎖もしくは分枝鎖アルキル、アリールアルキルまたはアリールであり;
2’はH、シアノ、CF、直鎖もしくは分枝鎖低級アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルまたはアリールアミノカルボニルであり;
UはO、NH、CHまたはCHR”であり;そして
VはH、メチルまたは低級アルキルである]
で示される一般構造を有する化合物であって、該化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体および互変異性体、ならびにその医薬上許容される塩、溶媒和物または誘導体を含む、化合物を開示する。
【0036】
適切な式IIの表現において、R2’はH、アルキル、アルケニル、アルコキシカルボニルまたは(アリルアミノ)カルボニルからなる群より選択される。
【0037】
式IIにおいて有利には、ArおよびArはフェニル、2−チオフェニル、2−フラニル、3−フラニル、3(4)−イミダゾリル、3−(1,2,4−トリアゾリル)、5−テトラゾリルまたは2−チアゾリルからなる群より独立して選択される。
【0038】
好ましくは、ArはフェニルでありArは3−(1,2,4−トリアゾリル)、5−テトラゾリルまたは2−チアゾリルからなる群より選択される。
【0039】
式IIにおいて適切には、RはH、CF、CH、アルキルまたはアルケニルであり、P1’はHまたはCHのいずれかである。
【0040】
有利には、P1’はHであり、P1’ならびに隣接する窒素およびカルボニル部分はグリシン単位の残余に対応する。
【0041】
式IIにおいて適切には、P1aおよびP1bは以下の部分からなる群より選択される:
【化55】
Figure 0004368581
【0042】
式IIにおいて有利にはPは以下からなる群より選択される:
【化56】
Figure 0004368581
[式中、R31=OHまたはO−アルキルである]。
【0043】
式IIにおいて好ましくは、Rは以下の部分からなる群より選択される:
【化57】
Figure 0004368581
【0044】
式IIにおいて適切には、UはNであり、Pはアルキルまたはアリールアルキルである。
【0045】
好ましくは、UはOまたはCHである。
【0046】
は以下の部分から選択される:
【化58】
Figure 0004368581
【化59】
Figure 0004368581
【化60】
Figure 0004368581
【0047】
式IIにおいて適切には、UはCHであり、Pはフェニルであるか、またはUはOであり、Pはメチル、第3ブチル、イソブチルおよび2,3−ジメチルプロピルからなる群より選択される。
【0048】
式IIにおいて、PおよびPは独立してH、直鎖アルキル、分枝鎖アルキルまたはアリールアルキルからなる群より選択され、PまたはPならびにそれに隣接する窒素およびカルボニル部分はαアミノ酸の残余に対応する。
【0049】
好ましくは、Pは以下の部分から選択される:
【化61】
Figure 0004368581
【0050】
適切には、Pはイソプロピル、第3ブチル、イソブチルおよびシクロヘキシル置換基からなる群より選択される。
【0051】
式IIにおいて有利には、VはHである。
【0052】
HCVプロテアーゼ阻害活性を示す好ましい化合物であって、該化合物の鏡像異性体、立体異性体および互変異性体、ならびに該化合物の医薬上許容される塩または溶媒和物を包含し、下記に列挙した構造の化合物から選択される化合物:
【化62】
Figure 0004368581
別の実施態様において、本発明は、HCVプロテアーゼ、特にHCV NS3/NS4セリンプロテアーゼの阻害剤としての式IIIで示される化合物、またはその医薬上許容される誘導体を開示する。式IIIで示される化合物は以下の構造を有する:
【化63】
Figure 0004368581
式III
[式中、
1a、P1b、P1’およびPは独立して以下から選択され:H、C1−C10直鎖もしくは分枝鎖アルキル、C2−C10直鎖もしくは分枝鎖アルケニル;C3−C8シクロアルキル、C3−C8複素環;(シクロアルキル)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキル、ここでシクロアルキルは3〜8個の炭素原子、および0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、アルキルは1〜6個の炭素原子を有する;アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル、ここでアルキルは1〜6個の炭素原子を有する;ここでアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル;(シクロアルキル)アルキルおよび(ヘテロシクリル)アルキル部分は所望によりR”で置換されてもよく、さらにここでP1aおよびP1bは所望により互いに連結されてスピロ環式環またはスピロ複素環式環を形成してもよく、スピロ環式環またはスピロ複素環式環は0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、さらに所望によりR”で置換されてもよく;
R”はヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノまたはニトロ部分であり、ここでアルキル、アルコキシおよびアリールはさらに所望によりR”から独立して選択される部分で置換されてもよく;
ZはO、NHまたはNR’”であり;
R’”はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル部分であり、ここでR’”はさらに所望によりR”で置換されてもよく;
ArおよびArは独立して以下から選択され:フェニル;2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルもしくはその対応するN−オキシド;2−チオフェニル;3−チオフェニル;2−フラニル;3−フラニル;2−ピロリル;3−ピロリル;2−イミダゾリル;3(4)−イミダゾリル;3−(1,2,4−トリアゾリル);5−テトラゾリル;2−チアゾリル;4−チアゾリル;2−オキサゾリル;または4−オキサゾリル;そのいずれかまたは両方は所望によりRで置換されてもよく;
はH,ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、Si(アルキル)、直鎖もしくは分枝鎖低級アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、(アルキルアミノ)カルボニルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、ヘテロシクリルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルウレイドまたはアリールウレイドであり;
はH、直鎖もしくは分枝鎖アルキル、アリールアルキルまたはアリールであり;
2’はH、シアノ、CF、直鎖もしくは分枝鎖低級アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルまたはアリールアミノカルボニルであり;
UはO、NH、CHまたはCHR”であり;そして
【化64】
Figure 0004368581
部分IVは環式環構造を示し、ここで環式環構造は環式環の部分としてカルボニル基を含まない]。
【0053】
好ましい部分IVは5員環または6員環である。
【0054】
有利には、部分IVは以下からなる群より選択される構造単位を形成する:
【化65】
Figure 0004368581
[式中、n=0、1、2または3であり;
=R=H;R=C〜C直鎖アルキルまたはシクロアルキル;R=H
=COアルキル(直鎖または環式、C〜C);COアリール;COOアルキル;COOアリール
=H;R=アルキル(C〜C);R=H;R=アルキル(C〜C
=H;R=アルキル(C〜C)、CHOH;R=H;R=アルキル(C〜C)、CHOH;
=R10=アルキル(C〜C);R=H、R10=アルキル(C〜C)、COOMe、COOH、CHOH;
10=H,R=アルキル(C〜C)、COOMe、COOH、CHOH;
11=アルキル(C〜C直鎖、分枝鎖または環式)、CHアリール(置換されてもよい)
=H、アルキル(C〜C、分枝または直鎖);CHアリール(置換または非置換)
=Z=S、O;Z=S、Z=O;Z=O、Z=S;Z=CH、Z=O;Z=O、Z=CH;Z=S,Z=CH;Z=CH、Z=S
=CH、S、SO、NH、NR
=Z=S,O]。
【0055】
有利には、環式環部分は以下である:
【化66】
Figure 0004368581
[式中、ZおよびZはSであり、RおよびRはHであり、n=1または2である]。
【0056】
式IIIで示される化合物について適切には、R2’はH、アルキル、アルケニル、アルコキシカルボニルまたは(アリルアミノ)カルボニルからなる群より選択され、ArおよびArはフェニル、2−チオフェニル、2−フラニル、3−フラニル、3(4)−イミダゾリル、3−(1,2,4−トリアゾリル)、5−テトラゾリルまたは2−チアゾリルからなる群より独立して選択される。
【0057】
有利には、ArはフェニルでありArは3−(1,2,4−トリアゾリル)、5−テトラゾリルまたは2−チアゾリルからなる群より選択される。
【0058】
式IIIで示される化合物であって、部分IVにおいて、RはH、CF、CH、アルキルまたはアルケニルであり、P1’はH、FまたはCHからなる群より選択される。別の実施態様において、P1’はHであり、P1’ならびに隣接する窒素およびカルボニル部分はグリシン単位の残余に対応する。
【0059】
式IIIで示される化合物であって、P1aおよびP1bは以下の部分からなる群より選択され:
【化67】
Figure 0004368581
は以下からなる群より選択される:
【化68】
Figure 0004368581
[式中、R31=OHまたはO−アルキルである]。
【0060】
式IIIで示される化合物であって、部分IVにおいて、Rは以下の部分からなる群より選択される:
【化69】
Figure 0004368581
【0061】
式IIIで示される化合物であって、部分UはOまたはCHである。
【0062】
式IIIで示される化合物であって、部分IVにおいて、UはNHまたはOであり、Pはアルキルまたはアリールアルキルである。
【0063】
有利には、式IIIの部分IVは以下の部分から選択されるPを含む:
【化70】
Figure 0004368581
【化71】
Figure 0004368581
【化72】
Figure 0004368581
【0064】
部分IVにおいて有利には、UはCHであり、Pはフェニルであるか、またはUはOであり、Pはメチル、第3ブチル、イソブチルおよび2,3−ジメチルプロピルからなる群より選択される。
【0065】
部分IVにおいて適切には、PおよびPは独立してH、直鎖アルキル、分枝鎖アルキルまたはアリールアルキルからなる群より選択され、PまたはPならびにそれに隣接する窒素およびカルボニル部分はαアミノ酸の残余に対応する。
【0066】
有利には、Pは以下の部分から選択される:
【化73】
Figure 0004368581
【0067】
好ましくは、Pはイソプロピル、第3ブチル、イソブチルおよびシクロヘキシル置換基からなる群より選択される。
【0068】
式IIIで示される化合物であって、該化合物は以下からなる群より選択される:
【化74】
Figure 0004368581
【化75】
Figure 0004368581
【化76】
Figure 0004368581
【化77】
Figure 0004368581
【化78】
Figure 0004368581
【化79】
Figure 0004368581
【化80】
Figure 0004368581
【0069】
以下の適切な部分の記載は式I、IIおよびIIIで示される化合物に適用される。
【0070】
以下の部分は適切なP部分である:
【化81】
Figure 0004368581
【0071】
また、以下の部分は適切なP部分である:
【化82】
Figure 0004368581
【0072】
以下の部分は適切なY部分である:
【化83】
Figure 0004368581
【0073】
以下の部分は適切なV−P部分である:
【化84】
Figure 0004368581
【0074】
構造に依存して、本発明の化合物は、有機もしくは無機酸、または有機もしくは無機塩基と医薬上許容される塩を形成し得る。そのような塩の形成に適切な酸の例としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸ならびに当業者に周知の他の鉱酸およびカルボン酸が挙げられる。塩基との塩の形成については、適切な塩基は、例えば、NaOH、KOH、NHOH、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドなどである。
【0075】
別の実施態様において、本発明は、本発明のペプチドを有効成分として含有する医薬組成物を提供する。医薬組成物は、一般にさらに医薬上許容される担体希釈剤、賦形剤または担体(本明細書において担体物質と総称する)を含む。それらのHCV阻害活性のために、そのような医薬組成物は、C型肝炎および関連障害の処置において有用性を有する。
【0076】
さらに別の実施態様において、本発明は、有効成分として本発明の化合物を含む医薬組成物の製造方法を開示する。本発明の医薬組成物および方法において、有効成分は、代表的には意図される投与形態、すなわち経口錠剤、カプセル(固体充填、半固体充填または液体充填)、構成用散剤、経口ゲル、エリキシル、分散性顆粒、シロップ、懸濁液などに関連して適切に選択され、通常の薬学の慣例に合致した適切な担体物質と混合して投与される。例えば、錠剤またはカプセル形態での経口投与については、活性薬物成分を、いずれかの経口用の非毒性の医薬上許容される不活性担体、例えばラクトース、デンプン、スクロース、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、滑石、マンニトール、エチルアルコール(液体形態)などと組み合わせてもよい。さらに、所望または要求される場合、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤を混合物に組み入れてもよい。散剤および錠剤は、本発明の組成物を約5〜約95%含み得る。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖、コーン甘味料、天然および合成ゴム、例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールおよびロウが挙げられる。滑沢剤の中で、これらの投与形態に用いられるものとしては、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどに言及し得る。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、グアーガムなどが挙げられる。甘味料および着香料ならびに保存剤もまた、適切であれば含めてもよい。上記の用語のいくつか、すなわち崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、結合剤などについては以下でより詳細に記載する。
【0077】
さらに、本発明の組成物を、いずれかの構成成分または有効成分の1種以上の速度制御放出を提供して、治療効果、すなわちHCV阻害活性などを最適化するように、持続放出形態で製剤化してもよい。持続放出に適切な投与形態としては、種々の崩壊速度の層または有効成分を含浸させた制御放出ポリマーマトリックスを含有し錠剤形態に成形された層状錠剤、またはそのような含浸または被包された多孔質ポリマーマトリックスを含有するカプセルが挙げられる。
【0078】
液体形態調製物としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。例として、非経口注射用の、または経口溶液、懸濁液およびエマルジョンの甘味料および鎮静物の添加用の水または水−プロピレングリコール溶液に言及し得る。液体形態調製物はまた、鼻腔内投与用溶液を包含し得る。
【0079】
吸入に適切なエーロゾル調製物は、溶液および粉末形態の固体を包含し得、これを不活性圧縮気体(例えば、窒素)のような医薬上許容される担体と組合せてもよい。
【0080】
坐剤の製造については、まず低融点ロウ、例えば脂肪酸グリセリドの混合物(例えば、ココアバター)を溶解し、そして攪拌または同様な混合によりそこに有効成分を均一に分散させる。次いで、融解した均一の混合物を好適な大きさの鋳型中に注ぎ、放冷することにより固化させる。
【0081】
また、使用直前に経口または非経口投与用液体形態調製物に変換することを意図した固体形態調製物も含まれる。そのような液体形態としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。
【0082】
本発明の化合物はまた、経皮送達可能であり得る。経皮組成物は、クリーム、ローション、エーロゾルおよび/またはエマルジョンの形態を取り得、この目的で当該分野において慣習的であるように、マトリックスまたはレザーバー型の経皮パッチに含めることができる。
【0083】
好ましくは、化合物は経口投与される。
【0084】
好ましくは、医薬調製物は単位投与形態をとる。そのような形態では、調製物は、適量、例えば所望の目的を達成するのに有効な量の有効成分を含有する適切なサイズの単位用量に小分けされる。
【0085】
単位用量の調製物中の本発明の活性組成物の量は、特定の適用に従い、一般的には約1.0ミリグラムから約1000ミリグラム、好ましくは約1.0から約950ミリグラム、より好ましくは約1.0〜約500ミリグラム、そして代表的には約1〜約250ミリグラムの範囲で変動または調整し得る。用いられる実際の投与量は、患者の年齢、性別、体重および処置される病状の重篤さに依存して変動し得る。そのような技術は当業者に周知である。
【0086】
一般的に、有効成分を含有するヒト経口投与形態を、1日当たり1または2回投与し得る。投与の量および頻度は、主治医の判断に従って調節される。経口投与用に一般的に推奨される一日投与養生法は、単回または分割用量で、一日当たり約1.0ミリグラムから約1000ミリグラムの範囲であり得る。
【0087】
いくつかの有用な用語を以下に記載する。
【0088】
カプセル − 有効成分を含む組成物を保持または含有させるためのメチルセルロース、ポリビニルアルコール、または変性ゼラチンもしくはデンプンで作製された特殊な容器または封入物をいう。代表的には、硬カプセルは比較的高いゲル強度の骨およびブタ皮膚ゼラチンの混合物から作製される。カプセルそれ自体は小量の色素、不透明化剤、可塑剤および保存剤を含んでもよい。
【0089】
錠剤 − 適切な希釈剤と共に有効成分を含有する圧縮または成形された固体投与形態をいう。錠剤は、湿式造粒、乾式造粒または圧縮により得られた混合物または造粒物の圧縮により製造することができる。
【0090】
経口ゲル − 親水性半固体マトリックス中に分散または可溶化された有効成分をいう。
【0091】
構成用散剤は、水またはジュース中に懸濁し得る有効成分および適切な希釈剤を含有する粉末混合物をいう。
【0092】
希釈剤 − 組成物または投与形態の主な部分を通常構成する物質をいう。適切な希釈剤としては、糖類(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトール);コムギ、トウモロコシ、イネおよびジャガイモ由来のデンプン;ならびにセルロース(例えば、微晶性セルロース)が挙げられる。組成物中の希釈剤の量は、全組成物重量に対し約10〜約90重量%、好ましくは約25〜約75重量%、より好ましくは約30〜約60重量%、よりさらに好ましくは約12〜約60重量%の範囲であり得る。
【0093】
崩壊剤 − 組成物に添加して、その分解(崩壊)を補助し、医薬を放出させる物質をいう。適切な崩壊剤としては、デンプン;「冷水可溶性」修飾デンプン(例えば、カルボキシメチルデンプンナトリウム);天然および合成ゴム(例えば、イナゴマメ、カラヤ、グアー、トラガカントおよび寒天);セルロース誘導体(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム);微晶性セルロースおよび架橋微晶性セルロース(例えば、クロスカルメロースナトリウム(sodium croscarmellose));アルギネート(例えば、アルギン酸およびアルギン酸ナトリウム);粘土(例えば、ベントナイト);ならびに発泡性混合物が挙げられる。組成物中の崩壊剤の量は、組成物重量に対し約2〜約15重量%、より好ましくは約4〜約10重量%の範囲であり得る。
【0094】
結合剤 − 粉末を一緒に結合または「接着」させ、処方物中で顆粒を形成させ、従って「接着剤」として作用することによりそれらを粘着性にする物質をいう。結合剤は、既に希釈剤または増量剤において得られる粘着強度を追加する。適切な結合剤としては、糖類(例えば、スクロース);コムギ、トウモロコシ、イネおよびジャガイモ由来のデンプン;天然ゴム(例えば、アカシア、ゼラチンおよびトラガカント);海藻誘導体(例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸カルシウムアンモニウム);セルロース物質(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース);ポリビニルピロリドン;ならびに無機物(例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)が挙げられる。組成物中の結合剤の量は、組成物重量に対して約2〜約20重量%、より好ましくは約3〜約10重量%、さらに好ましくは約3〜約6重量%の範囲であり得る。
【0095】
滑沢剤 − 投与形態に添加して、圧縮後に、摩擦または摩損を低下させることにより、錠剤、顆粒などの鋳型またはダイからの放出を可能にする物質をいう。適切な滑沢剤としては、金属ステアレート(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸カリウム);ステアリン酸;高融点ロウ;ならびに水溶性滑沢剤(例えば、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびd'l−ロイシン)が挙げられる。滑沢剤は、顆粒の表面およびそれらの中間ならびにタブレット成形機のパーツに存在しなければならないので、通常は圧縮前の最終工程で加えられる。組成物中の滑沢剤の量は、組成物重量に対して約0.2〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%、より好ましくは約0.3〜約1.5重量%の範囲であり得る。
【0096】
滑剤 − 流れが円滑かつ一様になるように、ケーキングを防止し、造粒物の流動特性を改善する物質。適切な滑剤としては、二酸化珪素および滑石が挙げられる。組成物中の滑剤の量は、全組成物重量に対して約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲であり得る。
【0097】
着色剤 − 組成物または投与形態に彩色を施す賦形剤。そのような賦形剤は、食品用色素、および適切な吸着剤(例えば、粘土または酸化アルミニウム)に吸着させた食品用色素を包含し得る。着色剤の量は、組成物重量に対して約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.1〜約1重量%の範囲で変動し得る。
【0098】
生物学的利用能 − 標準または対照と比較した場合の、活性薬物成分または治療的部分が投与された投与形態から全身的循環に吸収される速度および程度をいう。
【0099】
慣習的な錠剤の製造方法は公知である。そのような方法としては、乾式方法(例えば、直接圧縮および圧縮により生成された造粒物の圧縮)、または湿式方法もしくは他の特殊な手順が挙げられる。例えばカプセル、坐剤などの他の投与形態の慣習的な製造方法もまた周知である。
【0100】
本発明の別の実施態様は、例えばC型肝炎などの疾患の処置のための、上記医薬組成物の使用を開示する。この方法は、そのような疾患を有するかまたはそのような処置を必要とする患者に治療有効量の本発明の医薬組成物を投与する工程を包含する。
【0101】
上記のように、本発明はまた、化合物の互変異性体、回転異性体、鏡像異性体および他の立体異性体を包含する。すなわち、当業者には理解されるように、本発明の化合物のいくつかは適切な異性体形態で存在し得る。そのような変形が本発明の範囲内にあることが意図される。
【0102】
本発明の別の実施態様は、本明細書に開示される化合物の製造方法を開示する。これらの化合物は、当該分野において公知のいくつかの技術により製造され得る。代表的な例示的な手順を下記反応スキームで概説する。下記の例示的なスキームには、いくつかの代表的な本発明の化合物の製造が記載されているが、天然および非天然の両方のアミノ酸のいずれかの適切な置換により、そのような置換に基いた所望の化合物が形成されることを理解すべきである。そのような変形が本発明の範囲内にあることが意図される。
【0103】
下記のスキーム、製造および実施例の記載で使用される略語は以下の通りである:
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
HOOBt:3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン
EDCl:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド
NMM:N−メチルモルホリン
ADDP:1,1'−(アゾジカルボニル)ジピペリジン
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
EtO:ジエチルエーテル
PyBrOP:ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Bn:Bzl:ベンジル
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Ts:p−トルエンスルホニル
Me:メチル
Bs:p−ブロモベンゼンスルホニル
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
SEM:(トリメチルシリル)エトキシメチル
TEMPO:2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ フリーラジカル
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム
【0104】
一般的製造スキーム
以下のスキームは中間体および本発明のジアリール化合物の合成方法を一般に記載する:
【0105】
スキーム1
【化85】
Figure 0004368581
【0106】
スキーム2
【化86】
Figure 0004368581
【0107】
スキーム3
【化87】
Figure 0004368581
【0108】
スキーム4
【化88】
Figure 0004368581
【0109】
スキーム5
【化89】
Figure 0004368581
【0110】
スキーム6
【化90】
Figure 0004368581
【0111】
スキーム7
【化91】
Figure 0004368581
【0112】
スキーム8
工程A
【化92】
Figure 0004368581
工程B
【化93】
Figure 0004368581
工程C
【化94】
Figure 0004368581
工程D
【化95】
Figure 0004368581
工程E
【化96】
Figure 0004368581
工程F
【化97】
Figure 0004368581
工程G
【化98】
Figure 0004368581
工程H
【化99】
Figure 0004368581
工程I
【化100】
Figure 0004368581
【0113】
スキーム9
化合物9aをスキーム8、工程A〜Fと同様に製造した。
工程A
【化101】
Figure 0004368581
工程B
【化102】
Figure 0004368581
工程C
【化103】
Figure 0004368581
工程D
【化104】
Figure 0004368581
【0114】
スキーム10
【化105】
Figure 0004368581
【0115】
中間体の製造:
アミノ酸をN−Boc、N−Cbz、COOBzl、COOBu、Obzl、Obu、COOMeで修飾(種々の組み合わせで互いの存在下での取り付け、取り外しの両方)する手順は一般に当業者に周知である。公知の手順からのいずれもの改変も本明細書中に示される。
【0116】
市販の中間体
種々の本発明の化合物の製造においてアミノ酸単位として使用される以下のアミノ酸は市販されており、公知の手順を使用してジ−tert−ブチルジカーボネートを用いてそのN−Boc誘導体に変換した。
【化106】
Figure 0004368581
【0117】
P2単位として使用される以下のN−Bocアミノ酸は市販されている。
【化107】
Figure 0004368581
【0118】
P2単位として使用される以下のN−Bocアミノ酸は市販されている。カルボン酸をカップリングした後、次のカップリングの前にFmocをピペリジンでの公知の処理によって除去する。
【化108】
Figure 0004368581
【0119】
実施例A
市販されていない特定の中間体を、必要に応じて下記の手順に従って合成した:
I.
【化109】
Figure 0004368581
【0120】
II.メシラート:
トリフェニルホスフィン(8.7g)、トルエン(200mL)およびメタンスルホン酸(2.07mL)の混合物を15℃で撹拌し、その間、ジエチルアジドジカルボキシレート(7.18g)を添加して、温度を35℃より低く維持した。混合物を20℃に冷却し、N−Bocアミノ酸(7.4g、Bachem Biosciences, Inc.)およびEtN(1.45mL)を添加し、次いで混合物を70℃で5時間撹拌した。混合物を5℃に冷却し、有機上清をデカントし、溶媒を真空下でそこから除去した。残渣をEtO(200mL)とともに沈殿が生じるまで撹拌し、混合物を濾過し、エーテル溶液をシリカゲルのクロマトグラフィー(5:95〜20:80 EtOAc−EtO)に供して、生成物(9.3g)を得これを次工程に用いた。
【0121】
III.アジド
アジ化ナトリウム(1.98g)をDMF(100mL)中の上記工程の生成物(9.3g)の溶液に添加し、混合物を70℃で8時間撹拌した。混合物を冷却し、5%NaHCO水溶液中に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させた。混合物を濾過し、濾液を真空下で蒸発させて、生成物(6.2g)を得、これを次工程に用いた。
【0122】
IV.N−Cbz(4−N−Boc)−OMe
ジオキサン(40mL)中の上記工程の生成物(0.6g)の溶液を、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.8g)、10%Pd−C(0.03g)および1気圧の水素で18時間処理した。混合物を濾過し、濾液を真空下で蒸発させ、残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(1:1〜2:1 EtO−ヘキサン)に供して、生成物を得た。
【0123】
V.N−Cbz(4−N−Boc)−OHを、LiOHを使用する公知のエステル加水分解を使用して製造した。
【0124】
VI.酸化によるスルホン:
【化110】
Figure 0004368581
【0125】
これらを、U. Larsson, et al., Acta Chem. Scan., (1994), 48(6), 517-525の手順に従って製造した。水(110mL)中のオキソン(oxone(R))(20.2g、Aldrich Chemical Co.)の溶液をMeOH(100mL)中のスルフィド(7.2g、Bachem Biosciences, Inc.)の0℃の溶液に徐々に添加した。冷浴をはずし、混合物を4時間撹拌した。混合物をロータリーエバポレーターで1/2容量に濃縮し、冷水(100mL)を添加し、EtOAcで抽出し、抽出物をブラインで洗浄し、次いで無水MgSOで乾燥させた。混合物を濾過し、濾液を真空下で蒸発させて、生成物を白色固体として得た(7.7g)。一部を(i−Pr)Oから結晶化させて、分析試料を得た、[α] +8.6(c 0.8、CHCl)。同じ手順を使用して、示す他のスルフィドをスルホンに酸化して目的物に誘導した。
【0126】
実施例1
工程A
【化111】
Figure 0004368581
1A
【0127】
−20℃で撹拌中のCHCl(150mL)中の化合物(4.01)(12g、S.L. Harbeson et al., J.Med.Chem.; 37 (18), 2918-2929 (1994)に従って製造)の溶液に、HOOBt(7.5g)、N−メチルモルホリン(6.0mL)およびEDCl(10g)を添加した。反応混合物を10分間撹拌し、次いでHCl・HN−Gly−OMe(6.8g)を添加した。得られた溶液を−20℃で2時間撹拌し、次いで一晩8℃で維持した。溶液を濃縮乾固し、次いでEtOAc(150mL)で希釈した。次いで、このEtOAc溶液を2回飽和NaHCO、HO、5%HPO、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固して、生成物を得た、C1426(318.37)LRMS m/z MH=319.3。
【0128】
実施例1
工程B
【化112】
Figure 0004368581
1B
【0129】
上記工程Aの生成物(5.7g)、ジクロロメタン(200mL)、メチルスルホキシド(12mL)および2,2−ジクロロ酢酸(3.2mL)の混合物を5℃で撹拌した。これにCHCl(23mL)中の1Mジシクロヘキシルカルボジイミドの溶液を添加し、得られた混合物を冷却して5分間、室温で3時間撹拌した。メタノール(6mL)中のシュウ酸(0.6g)の溶液を添加して過剰の酸化剤を破壊し、15分間撹拌し、次いで濾過して沈殿した尿素を除去した。濾液を真空下で濃縮し、残留物を過剰の酢酸エチルで希釈し、冷0.1N NaOH、次いで冷0.2N HPO、次いでブラインで洗浄した。有機溶液を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し、EtOAc−CHCl(5:96〜1:1)の勾配を用いて溶出して、表題化合物を油状物として得た。これは放置すると徐々にロウに固化する(5g、88%収率)C1424(316.35)。
【0130】
実施例1
工程C
【化113】
Figure 0004368581
1C
【0131】
上記工程の生成物をジオキサン中のHClの4N溶液(Aldrich Chemical Co.)で0.5時間処理し、濾液を真空下で30℃の水浴中で濃縮し、残渣をEtOとともに粉砕する。混合物を濾過して、生成物の化合物を白色粉末として得る、C16・HCl(252.70)。これをさらに精製せずに以下で使用した。
【0132】
実施例1
工程D
【化114】
Figure 0004368581
【0133】
上記工程Cの手順を使用して、上記工程Aの生成物を処理して、生成物を白色粉末として得る、C18・HCl(254.71)。
【0134】
実施例1
工程E
【化115】
Figure 0004368581
1E
【0135】
20℃のジオキサン(150mL)中の上記工程Aの生成物(8.3g)の溶液を1N LiOH水溶液(26mL)で処理し、2時間撹拌する。混合物を10%KHPO水溶液(500mL)、HPO(2mL)および飽和ブライン(300mL)中に注ぎ;次いでEtOAcで抽出する。抽出物をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、混合物を濾過し、濾液を真空下で蒸発させて、生成物を白色粉末として得る、C1324(304.34)、LRMS(FAB)M+1=305.3。
【0136】
実施例2
工程A
【化116】
Figure 0004368581
【0137】
ジクロロメタン(CHCl、20mL)中のN−Boc−フェニルグリシンN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(1.66g;Bachem Biosciences, Inc.)の溶液を5℃の0.5M NH/ジオキサン(Aldrich Chemical Co.)の溶液(18.5mL)で処理し、次いで加温し、室温で4時間撹拌する。混合物を吸引濾過し、濾液を5%KHPO水溶液(150mL)に添加し、次いで酢酸エチル(EtOAc、200mL)で抽出する。抽出物を2回5%KHPO水溶液、次いで飽和ブラインで洗浄する。抽出物を無水MgSOで乾燥させ、混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、粗表題化合物(1.15g)を得、これを直ちに次工程に使用した。
【0138】
実施例2
工程B
【化117】
Figure 0004368581
【0139】
5℃のピリジン(10mL)中の上記工程の生成物(1.15g)の溶液をPOCl(0.6mL)で処理し、加温し、室温で3時間撹拌する。混合物を氷(100g)上に注ぎ、次いで酢酸エチルで抽出する(2×100mL)。抽出物を氷冷0.1N HPO、次いで飽和ブラインで洗浄する。抽出物を無水MgSOで抽出し、混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。残渣をヘキサンから結晶化させて、表題化合物を得る(0.66g、60%全体収率)。
【0140】
実施例3
工程A
【化118】
Figure 0004368581
【0141】
DMF(2mL)中の上記工程の生成物(0.18g)の溶液をNaN(0.055g)およびNHCl(0.045g)で処理し、次いで90℃で6時間撹拌する。反応混合物を冷却し、10%KHPO水溶液を用いてクエンチングし、次いで酢酸エチルで抽出する(2×35mL)。抽出物を10%KHPO水溶液、次いで飽和ブラインで洗浄する。抽出物を無水MgSOで乾燥させ、混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、粗表題化合物を得、これをさらに精製せずに次工程に使用した;C1317(275.31);LRMS(FAB)M+1=276.2。
【0142】
実施例3
工程B
【化119】
Figure 0004368581
【0143】
上記実施例1工程Cの手順を使用して上記工程の生成物を処理して、生成物を白色粉末として得、これをさらに精製せずに以下に使用する。
【0144】
実施例4
工程A
【化120】
Figure 0004368581
4A
【0145】
5℃の実施例2aの生成物(0.055g)およびTHF(1.5mL)の溶液を過剰のEtO中のジアゾメタンの溶液で処理する。溶液を2時間にわたって室温に加温し、ヘキサンを用いてクエンチングし、濾液を真空下で濃縮して、粗表題化合物(0.056g)を得、これをさらに精製せずに使用した;C1419(分子量:289.33)、LRMS(FAB)M+1=290.0。
【0146】
実施例4
工程B
上記実施例1工程Cの手順を使用して上記工程の生成物(0.055g)を処理して、生成物を白色粉末(0.027g)として位置異性体の3:1混合物として得る、C11・HCl(225.68) H1NMR(DMSO−d6)d9.3(br s,3H),7.45(m,5H),6.22(s,0.3H)および6.03(s,0.7H),4.39(s,2.1H)および3.94(s,0.9H)。
【0147】
実施例5
【化121】
Figure 0004368581
【0148】
上記実施例1工程Cの手順に従い、上記工程の生成物を対応する生成物に変換し、これをさらに精製せずに以下に使用する。
【0149】
実施例6
工程A
【化122】
Figure 0004368581
【0150】
4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(7.1g)を0℃のエチルアルコールの溶液に添加し(N. Fugina et al., Heterocycles,. 1992, 34(2), 303-314)、次いでEtN(3.9mL)およびDMAP(3.4g)を添加し、混合物を18時間雰囲気温度で撹拌した。反応混合物を10%KHPO水溶液、次いでブラインで洗浄し、溶液を無水MgSOで乾燥させる。混合物を濾過し、溶媒を真空下で蒸発させ、残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(15:85 EtOAc−CHCl)に供して、生成物(3.6g)を得る C2126BrNSSi(524.51)LRMS(FAB)M+H=524.2。
【0151】
実施例6
工程B
【化123】
Figure 0004368581
【0152】
上記工程の生成物(3.6g)、アジ化ナトリウム(0.56g)およびDMF(50mL)の混合物を100℃で4時間撹拌する。冷却した反応混合物を冷水中に注ぎ、EtOAcで抽出し、抽出物をブラインで洗浄し、これを無水MgSOで乾燥させる。混合物を濾過し、溶媒を真空下で蒸発させ、残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(3:97 EtOAc−CHCl)に供して、生成物(2.8g)を得る C1522OSi(330.47)LRMS(FAB)M+H=331.2。
【0153】
実施例6
工程C
【化124】
Figure 0004368581
【0154】
EtOH(50mL)中の上記工程の生成物(1.3g)の溶液を10%Pd−C(0.15g)および1気圧の水素で18時間処理する。混合物を濾過し、溶媒を真空下で蒸発させて、生成物(1.2g)を得る C1524OSi(304.47)LRMS(FAB)M+H=305.3。
【0155】
実施例7
工程A
【化125】
Figure 0004368581
【0156】
EtOH:HO(50:5mL)中の2−ベンゾイルチアゾール(1.9g、G. Jones, et al., Tetrahedron, 1991, 47(16), 2851-2860)の撹拌中の溶液を塩酸ヒドロキシルアミン(1.4g)で処理し、還流温度で24時間加熱した。冷却した混合物をEtOAc中に注ぎ、連続的に10%KHPO水溶液、次いでブラインで洗浄した。抽出物を無水MgSOで乾燥させ、混合物を濾過し、溶媒を真空下で蒸発させて、生成物を幾何異性体の混合物として得た C10OS(204.25)LRMS(FAB)M+1=205.2。
【0157】
実施例7
工程B
【化126】
Figure 0004368581
【0158】
上記工程の生成物をMeOH(30mL)、ギ酸(15mL)および水(15mL)と混合し、0℃に冷却した。撹拌中の混合物に0.5時間にわたって亜鉛末を小分けにして添加し、混合物をさらに18時間0℃で撹拌した。次いで、混合物をcelite padを通して吸引濾過し、濾液を真空下で蒸発させた。ゴム状残渣をEtOAc(0.5L)および1N NaOH(0.1L)に取り、混合物を再度吸引濾過し、濾液の水層を捨てた。有機抽出物ブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させた。混合物を濾過し、溶媒を真空下で蒸発させ、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、1:1 EtOAc:CHCl)に供して、生成物を得た、C1010S(190.27)LRMS(FAB)M+1=191.1。
【0159】
実施例8
工程A
【化127】
Figure 0004368581
上記実施例6工程Aの手順に従って、2−ベンゾイルチオフェン(C. Malanga, et al., Tetrahedron Lett., 1995, 36(50), 9185-9188)を対応する生成物に変換した、C11NOS(203.26)、LRMS(FAB)M+1=204.2。
【0160】
実施例8
工程B
【化128】
Figure 0004368581
【0161】
上記実施例6工程Bの手順に従って、上記工程の生成物を対応する生成物に変換した、C1111NS(189.28)、LRMS(FAB)M+1=190.2。
【0162】
実施例9
工程A
【化129】
Figure 0004368581
【0163】
上記実施例6工程Aの手順に従って、2−ベンゾイルフラン(M.J. Aurell, et al., J. Org. Chem., 1995, 60(1), 8-9)を対応する生成物に変換した、C11NO(187.19)、188.1。
【0164】
実施例9
工程B
【化130】
Figure 0004368581
【0165】
上記実施例6工程Bの手順に従って、上記工程の生成物を対応する生成物に変換した、C1111NO(173.21)、LRMS(FAB)M+1=174.2。
【0166】
実施例10
工程A
【化131】
Figure 0004368581
【0167】
N−Cbz−ヒドロキシプロリンメチルエステル(Bachem Biosciences, Incorporated, King of Prussia, Pennsylvaniaから入手可能)、化合物(2.1)(3.0g)、トルエン(30mL)および酢酸エチル(30mL)を合する。混合物を激しく撹拌し、次いで、NaBr/水(1.28g/5mL)の溶液を添加した。これに、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ フリーラジカル(TEMPO、17mg、Aldrich Chemicals, Milwaukee, Wisconsin)を添加した。撹拌中の混合物を5℃に冷却し、次いで酸化剤の調製溶液[市販の漂白剤、Clorox(18mL)、NaHCO(2.75g)および水で40mLにした]を0.5時間にわたって滴下した。これに、2−プロパノール(0.2mL)を添加した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を合し、2%チオ硫酸ナトリウム、次いで飽和ブラインで洗浄した。有機溶液を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空下で蒸発させて、次の反応に適切な淡黄色ゴムを得た(2.9g、97%収率)。C1415NO(277.28)、質量スペクトル(FAB)M+1=278.1。
【0168】
実施例10
工程B
【化132】
Figure 0004368581
【0169】
上記工程Aの化合物(2.2)(7.8g)をジクロロメタン(100mL)中に溶解し、15℃に冷却した。この混合物に、まず1,3−プロパンジチオール(3.1mL)、次いで新たに蒸留した三フッ化ホウ素エーテル錯化合物(3.7mL)を添加した。混合物を室温で18時間撹拌した。激しく撹拌しながら、KCO/水(2g/30mL)の溶液を慎重に添加し、次いで飽和NaHCO(10mL)を添加した。有機層を水層(pH約7.4)から分離し、水(10mL)、次いでブラインで洗浄した。有機溶液を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し、トルエン、次いでヘキサン−EtOのグラジエント(2:3〜0:1)で溶出して、褐色油状物を得た(7.0g、68%収率)。C1721NO(367.48)、質量スペクトル(FAB)M+1=368.1。
【0170】
実施例10
工程C
【化133】
Figure 0004368581
【0171】
20℃のアセトニトリル(800mL)中の上記工程Bの化合物(2.3)(45g)の溶液を、新たに蒸留したヨードトリメチルシラン(53mL)ですぐに処理した。反応物を30分間撹拌し、次いで新たに調製したジ−t−ブチルジカーボネート(107g)、エチルエーテル(150mL)およびジイソプロピルエチルアミン(66.5mL)の溶液中に注いだ。混合物をさらに30分間撹拌し、次いでヘキサンで洗浄した(2×500mL)。酢酸エチル(1000mL)をアセトニトリル下層に添加し、次いで層を10%KHPO水溶液(2×700mL)およびブラインで洗浄した。濾液を25℃水浴中真空下で蒸発させ、新鮮な酢酸エチル(1000mL)中に取り出し、連続的に0.1N HCl、0.1N NaOH、10%KHPO水溶液およびブラインで洗浄した。有機溶液を無水MgSOで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させた。残渣(66g)をシリカゲル(2kg)のクロマトグラフィーに供し、ヘキサン(2L)、次いでEtO/ヘキサン(55:45、2L)、次いでEtO(2L)で溶出して、橙色ゴムを得、これを放置して徐々に結晶化させた(28g、69%収率)。C1423NO(333.46)、質量スペクトル(FAB)M+1=334.1。
【0172】
実施例10
工程D
【化134】
Figure 0004368581
【0173】
ジオキサン(5mL)中の上記工程Cの化合物(2.4)(1g)の溶液に、4N HCl−ジオキサン溶液(50mL)を添加した。混合物を激しく1時間撹拌した。混合物を25℃水浴中真空下で蒸発させた。残渣をEtOとともに粉砕し、濾過して、表題化合物を得た(0.76g、93%収率)、C15NO・HCl(269.81)、質量スペクトル(FAB)M+1=320.1。
【0174】
【化135】
Figure 0004368581
実施例10
工程E
10E
【0175】
上記工程Eの化合物(2.6)(1.12g)、N−Boc−シクロヘキシルグリシン(Boc−Chg−OH、1.0g、Sigma Chemicals, St. Louis, Missouri)、ジメチルホルムアミド(20mL)およびPyBrOPカップリング試薬(2.1g)の混合物を5℃に冷却した。これに、ジイソプロピルエチルアミン(DIEAまたはDIPEA、2.8mL)を添加した。混合物を冷却して1分間撹拌し、次いで室温で6時間撹拌した。反応混合物を冷5%HPO水溶液(150mL)中に注ぎ、酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合した有機層を冷5%KCO水溶液、次いで5%KHPO水溶液、次いでブラインで洗浄した。有機溶液を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し、EtOAc−CHClを用いて溶出して、白色固体を得た(0.8g、50%収率)、C2236(472.66)、質量スペクトル(FAB)M+1=473.2。
【0176】
実施例10
工程F
【化136】
Figure 0004368581
【0177】
20℃のジオキサン(10mL)中の上記工程の化合物(0.8g)の溶液を1N LiOH(3.4mL)水溶液で処理し、4時間撹拌した。混合物を30℃の水浴中真空下で半分の容量まで濃縮した。残留物を水(25mL)で希釈し、EtOで抽出した(2×20mL)。水層を6N HClを用いてpH約4まで酸性にし、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄した。有機溶液を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させて、表題化合物(2.8)を得た(0.7g)、C2134(458.64)、質量スペクトル(FAB)M+1=459.2。
【0178】
実施例12
工程A
【化137】
Figure 0004368581
【0179】
上記実施例10工程Eの手順に従って、N−Boc−Tle−OH(Bachem Biosciences, Inc.)および実施例9工程Dの生成物を反応させて、対応する生成物を得た、C2034(446.63)、LRMS(FAB)M+1=447.3。
【0180】
実施例12
工程B
【化138】
Figure 0004368581
【0181】
上記実施例10工程Eの手順に従って、上記工程の生成物を対応する生成物に変換した、C1932(432.60)、LRMS(FAB)M+1=433.3。
【0182】
実施例12
工程A
【化139】
Figure 0004368581
【0183】
上記工程の生成物(0.11g)、上記実施例1工程Eの生成物[Boc−Nva(OH)−Gly−OH](0.205g)、ジメチルホルムアミド(7mL)およびPyBrOPカップリング試薬(0.385g)の撹拌中の混合物を5℃に冷却し、次いでジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、0.252mL)を添加する。混合物を冷却して1分間撹拌し、次いで室温で6時間撹拌する。反応混合物を冷1%HPO水溶液(150mL)中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。合した有機物を冷5%KCO水溶液、次いで5%KHPO水溶液、次いでブラインで洗浄する。有機溶液を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空下で蒸発させて、粗表題化合物(0.15g)を得、これをさらに精製せずに次工程に使用した。
【0184】
実施例12
工程B
【化140】
Figure 0004368581
【0185】
上記工程の生成物をジオキサン中4N HCl溶液で0.5時間処理し、濾液を30℃の水浴中真空下で濃縮し、残渣をEtOとともに粉砕した。混合物を濾過して、表題化合物を白色粉末(90.13g)として得、これをさらに精製せずに次工程に使用した;C1623(361.40)、LRMS(FAB)M+1=362.4。
【0186】
実施例12
工程C
【化141】
Figure 0004368581
【0187】
実施例5工程Bの生成物(0.06g)、実施例8工程Gの生成物(0.85g)、ジメチルホルムアミド(8mL)およびPyBrOPカップリング試薬(0.088g)の撹拌中の混合物を5℃に冷却し、次いでジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、0.89mL)を添加する。混合物を冷却して1分間撹拌し、次いで室温で48時間撹拌する。反応混合物を冷1%HPO水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。合した有機物を5%KHPO水溶液、次いでブラインで洗浄する。有機溶液を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空下で蒸発させて、粗表題化合物(0.13g)を得た。残渣をMeOH−CHCl(1:99〜10:90の勾配)を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーに供して、表題化合物を得た(0.092g);C3755(802.02)、LRMS(FAB)M+1=802.6。
【0188】
実施例12
工程D
【化142】
Figure 0004368581
【0189】
塩化オキサリル(25μL)およびCHClの溶液を−70℃に冷却する。−60℃より低温のメチルスルホキシド(DMSO、50μL)およびCHCl(1mL)の溶液を徐々に添加する。−70℃に冷却し、−60℃より低温の上記工程の生成物(0.0.09g)およびCHCl(1mL)の溶液を滴下する。さらに0.5時間撹拌し、−50℃より低温のトリエチルアミン(EtN、0.13mL)を徐々に添加し、次いで10℃に加温する。反応物を過剰の酢酸エチルで希釈し、溶液を冷0.1N HCl、次いでブラインで洗浄する。有機溶液を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空下で蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し、MeOH−CHCl(1:99〜25:75の勾配)を用いて溶出して、表題化合物を得る(0.011g、12%収率)、C3753(800.01)、LRMS(FAB)M+1=800.3。
【0190】
実施例13
工程A
【化143】
Figure 0004368581
乾燥DMF(2.5mL)中の実施例1工程Eの生成物(100mg、0.22mmol)の溶液をHOOBt(45mg、0.33mmol)およびHuenigs塩基(141mg、1.1mmol、5.0当量)で処理した。反応混合物を−20℃に冷却し、EDCl(63mg、0.33mmol、1.5当量)で処理し、20分間撹拌した。反応混合物をアミンヒドロクロリド(118mg、0.27mmol、1.22当量)で処理し、室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、HO(30mL)で希釈した。水層をCHCl(3×50mL)およびEtOAc(3×50mL)で抽出した。合した有機層をHCl水溶液(2M)、NaHCO水溶液(飽和)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空下で濃縮して、無色固体1k(79mg)を得、これを酸化に使用した;LRMS[電子スプレイ、m/z(rel int)]:M+1=826(100)。
【0191】
実施例13
工程B
【化144】
Figure 0004368581
【0192】
実施例12工程Bの手順に従って、上記工程の生成物を対応する生成物に変換し、これをそのまま次の反応に使用した。MS(電子スプレイ):[835(2M+1)、40]、418[M+1)、100)]。
【0193】
実施例14
工程A
【化145】
Figure 0004368581
【0194】
上記実施例12工程Aの手順に従って、実施例1工程Eの生成物をベンズヒドリルアミンと反応させて、対応する生成物を得る、C2635(469.57)、LRMS(FAB)M+1=470.4。
【0195】
実施例14
工程B
【化146】
Figure 0004368581
【0196】
実施例12工程Bの手順に従って、上記工程の生成物を対応する生成物に変換した、C2127・HCl(405.92)、LRMS(FAB)M+1=370.4。
【0197】
実施例14
工程C
【化147】
Figure 0004368581
【0198】
実施例12工程Cの手順に従って、上記工程の生成物を実施例10工程Bの生成物と反応させて、対応する生成物を得た、C4057(784.04)、LRMS(FAB)M+1=784.5。
【0199】
実施例14
工程D
【化148】
Figure 0004368581
【0200】
実施例12工程Dの手順に従って、上記工程の生成物を対応する生成物に変換した、C4055(782.03)、LRMS(FAB)M+1=782.4。
【0201】
実施例15
工程A
【化149】
Figure 0004368581
【0202】
上記実施例12工程Aの手順に従って、実施例1工程Eの生成物を実施例5工程Cの生成物と反応させて、対応する生成物を得る、C2846Si(590.79)、LRMS(FAB)M+1=591.4。
【0203】
実施例15
工程B
【化150】
Figure 0004368581
【0204】
実施例12工程Bの手順に従って、上記工程の生成物を対応する生成物に変換した、C1724・HCl(396.87)、LRMS(FAB)M+1=361.3。
【0205】
実施例15
工程C
【化151】
Figure 0004368581
【0206】
実施例12工程Cの手順に従って、上記工程の生成物を対応する生成物に変換した、C3856(801.03)、LRMS(FAB)M+1=801.5。
【0207】
実施例15
工程D
【化152】
Figure 0004368581
【0208】
実施例12工程Dの手順に従って、上記工程の生成物を対応する生成物に変換した、C3854(809.02)、LRMS(FAB)M+1=799.4。
【0209】
実施例16
工程A
【化153】
Figure 0004368581
【0210】
上記実施例工程10Bの酸および実施例工程1Cのアミンの使用以外実施例1Aの手順に従って化合物を得る、C2846(630.82)、LRMS(FAB)M+1=631.4。
【0211】
実施例16
工程B
【化154】
Figure 0004368581
【0212】
上記工程のエステルの使用以外実施例1工程Eの手順に従って化合物を得る、C2744(616.79)、LRMS(FAB)M+H=617.4。
【0213】
実施例16
工程C
【化155】
Figure 0004368581
【0214】
0℃で撹拌中の上記工程の生成物(62mg)、実施例7工程Dの生成物(29mg)、HATU(57mg、O−(7−アザベンゾチアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、Aldrich Chemical Co.)およびCHCl(5mL)の混合物をジイソプロピルエチルアミン(.023mL)で処理し、混合物をさらに3時間室温で撹拌した。混合物を氷冷EtOAc(50mL)中に注ぎ、連続的に冷5%KCO水溶液、冷0.1N HClおよびブラインで洗浄した。抽出物を無水MgSOで乾燥させ、混合物を濾過し、濾液を真空下で蒸発させ、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、1:1 EtOAc:CHCl)に供した。粗生成物を(i−Pr)20下で粉砕し、濾過して、生成物を白色粉末として得た(81mg)、C3752(789.04)、LRMS(FAB)M+1=789.4。
【0215】
実施例17
【化156】
Figure 0004368581
【0216】
実施例16工程Cの手順に従って、実施例16工程Bの生成物を実施例9工程Bの生成物と反応させて、対応する生成物を得た、C3853(788.05)、LRMS(FAB)M+1=788.4。
【0217】
実施例18
【化157】
Figure 0004368581
【0218】
実施例16工程Cの手順に従って、実施例16工程Bの生成物を実施例9工程Bの生成物と反応させて、対応する生成物を得た、C3853(771.99)、LRMS(FAB)M+1=772.4。
【0219】
実施例19
工程A
【化158】
Figure 0004368581
室温の無水DMF(400mL)中のBoc−Hyp−OH(7.0g、30.3mmol)およびベンジル3−ブロモプロピルエーテル(7.8g、34.0mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(3.5g、鉱油中60%分散物、87.5mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.5g、3.33mmol)を撹拌しながら添加した。得られた懸濁物を激しく室温で一晩(18時間)撹拌した。反応を水(50mL)を徐々に添加して慎重にクエンチングし、6N HCl溶液(20mL)を用いて酸性にした。酢酸エチル(800mL)、ブライン(150mL)およびより多くの水(150mL)を添加した後、形成された2層を分離し、有機層を5%HPOで洗浄した(3×200mL)。次いで、これをMgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、19bを油状物として得、これをさらに精製せずに工程Bにおいて使用した。
【0220】
工程B
【化159】
Figure 0004368581
【0221】
工程Aの酸19bをベンゼン(25mL)およびメタノール(28mL)中に溶解した。室温のこの溶液にトリメチルシリルジアゾメタンの溶液(27mL、シクロヘキサン中2.0M)を注意して添加した。室温で1時間撹拌した後、これを真空下で濃縮して、メチルエステルを得た。フラッシュクロマトグラフィー(8〜20%EtOAc−CHCl)によって1c(5.15g;13.1mmol、43%、2工程)を油状物として得た。
【0222】
工程C
【化160】
Figure 0004368581
【0223】
Boc−アミノメチルエステル19c(5.83g、14.8mmol)をジオキサン中4N HCl(80mL、320mmol)中に溶解し、得られた溶液を室温で撹拌した。反応の進行をTLCによってモニターした。5時間後に、溶液を真空下で濃縮し、残渣を真空下に一晩維持して白色固体を得、これをさらに精製せずに次のカップリング反応に使用した。
【0224】
工程D
【化161】
Figure 0004368581
【0225】
−20℃の無水DMF(150mL)およびCHCl中のアミンエステル19d(工程19B)、カップリングパートナーとしてのN−Boc−tertブチルグリシン(14.9mmol)、HOOBt(2.60g、15.9mmol)およびEDCl(3.41g、17.8mmol)の溶液にNMM(6.50mL、59.1mmol)を添加した。この温度で30分間撹拌した後、反応混合物を冷凍庫中に一晩(18時間)維持した。次いで、これを空気中で撹拌し、1時間で室温に加温した。EtOAc(450mL)、ブライン(100mL)および5%HPO(100mL)を添加した。分離した有機溶液を5%HPO(100mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×150mL)、水(150mL)およびブライン(150mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。
【0226】
19eの材料を90/10 ジクロロメタン/酢酸エチルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、12aを73%収率で得た。13C NMR(回転異性体の混合物、CDCl) 26.20,28.31,29.07,30.06,34.94,35.86,37.06,51.21,52.16,52.84,57.78,58.33,65.95,66.92,72.97,75.48,79.45,127.55,127.66,128.35,138.45,155.62,165.06,171.13,172.54;HRMS(FAB)C2743についての計算値:507.3070(M+H)。実測値:507.3077。
【0227】
工程E
【化162】
Figure 0004368581
【0228】
所望の化合物19fを以下のように製造した。
Boc−アミノメチルエステル19e(6.53g、12.3mmol)を4N HCl(60mL、240mmol)中に溶解し、得られた溶液を室温で撹拌した。反応の進行をTLCによってモニターした。4時間後、溶液を真空下で濃縮し、残渣を真空下に一晩維持して、白色固体を得た。これをさらに精製せずに次のカップリング反応に使用した。この材料を次工程に用いた。
【0229】
工程F
【化163】
Figure 0004368581
【0230】
所望の生成物19gを以下のように製造した。
−20℃の無水DMF(250mL)およびCHCl(100mL)中のアミン19f(工程1D)、3−ヒドロキシフェニル酢酸(1.90g、12.5mmol)、HOOBt(2.10g、12.9mmol)およびEDCl(2.85g、14.9mmol)の溶液にNMM(4.20mL、38.2mmol)を添加した。この温度で30分間撹拌した後、反応混合物を冷凍庫中に一晩(18時間)維持した。次いで、これを空気中で撹拌し、1時間で室温に加温した。EtOAc(500mL)、ブライン(100mL)および5%HPO(100mL)を添加した。分離した有機溶液を5%HPO(100mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×150mL)、水(150mL)およびブライン(150mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。
【0231】
この材料を99/1 ジクロロメタン/メタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、19gを91%収率で得た。13C NMR(CDCl)δ 26.24,29.93,34.95,35.96,43.48,52.18,53.09,57.06,58.06,66.10,66.92,72.93,77.43,114.59,116.14,120.87,127.58,127.64,127.74,128.37,130.02,135.95,138.39,156.90,170.65,171.06,172.38;HRMS(FAB)C3041についての計算値:541.2914(M+H)。実測値:541.2921。
【0232】
工程G
【化164】
Figure 0004368581
【0233】
所望の生成物19hを以下のように製造した。
室温、窒素下のエタノール(200mL)中のベンジルエーテル19g(6.23g、11.0mmol)の溶液に、10%Pd−C(1.5g)を慎重に添加した。得られた懸濁物を激しく室温、水素下で23時間撹拌した。
【0234】
触媒を濾過した後に得られた生成物19hは次の操作のために十分に純粋であった。13C NMR(CDCl)δ 26.27,32.09,35.44,35.67,43.19,52.21,52.74,57.60,58.21,58.75,65.78,77.74,114.74,116.02,120.68,130.07,135.66,157.11,170.59,172.05,172.51;HRMS(FAB)C2335についての計算値:451.2444(M+H)。実測値:451.2436。
【0235】
工程H
【化165】
Figure 0004368581
【0236】
所望の生成物19iを以下のように製造した。
無水CHCl中のフェノールアルコール(9.43mmol)およびADDP(6.60g、26.2mmol)の溶液に20分間フリットガラスバブラーを通してアルゴンを吹き込んだ。0℃のこの溶液にトリフェニルホスフィン(4.10g、16.3mmol)を添加した。0℃で20分間撹拌した後、2回目のトリフェニルホスフィン(3.40g、13.5mmol)を添加した。次いで、溶液を室温に加温し、一晩(24時間)窒素下でTLCが出発材料の完全な消費を示すまで撹拌した。
【0237】
粗材料を酢酸エチル/ヘキサン(約1/1)中に懸濁し、未溶解の固体材料を濾過した。このプロセスをもう一度反復し、濾液を濃縮し、ジクロロメタン溶液としてカラムにかけた。カラムを75/25 ヘキサン/アセトンを用いて溶出して、29%の19iを得た。HRMS(FAB)C2333についての計算値:433.2339(M+H)。実測値:433.2339。
【0238】
工程I
【化166】
Figure 0004368581
【0239】
所望の化合物19jを以下のように定量的収率で製造した。
水酸化リチウム水溶液(30mL HO中0.45g)を0℃のTHF(30mL)およびメタノール(30mL)中のメチルエステル19jの溶液に添加した。混合物を氷浴中で撹拌し、それとともに4時間で室温に加温した。反応の進行をTLCによってモニターした。揮発性物質を真空下で除去した後、EtOAc(150mL)および水(30mL)を添加し、2層を分離した。水溶液を再度CHCl(150mL)で抽出し、その後pH=1まで酸性にした。次いで、EtOAc(200mL)を添加し、水溶液を固体の塩化ナトリウムで飽和させた。層を分離した後、水層をEtOAc(2×150mL)で抽出した。有機溶液を合し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、化合物19jを得た。
【0240】
H NMR(DMSO−d)δ 0.96(s,9H),1.66−1.70(m,1H),1.75−1.82(m,2H),2.43(dd,1H),3.32−3.36(m,2H),3.48−3.52(m,1H),3.55(dd,1H),3.84(app.d,1H),3.99(app.d,1H),4.06−4.10(m,3H),4.16(dd,1H),4.69(d,1H),6.70−6.72(m,3H),7.15(app.t,1H),8.42(d,1H),12.43(br.s,1H);13C NMR(DMSO−d)δ 26.25,28.54,33.31,34.97,41.22,53.96,56.11,56.97,63.36,64.96,76.84,111.94,115.25,121.73,129.13,138.36,158.27,169.85,170.15,173.04;HRMS(FAB)C2231についての計算値:419.2182(M+H)。実測値:419.2180。
【0241】
実施例20
工程A
【化167】
Figure 0004368581
【0242】
化合物20aをスキーム8を参照し、スキーム9に記載のように製造した。
所望の生成物20bを以下のように製造した。
【0243】
−20℃の無水DMF(250mL)およびCHCl(100mL)中のアミン20a、3−ヒドロキシフェニル酢酸(1.90g、12.5mmol)、HOOBt(2.10g、12.9mmol)およびEDCl(2.85g、14.9mmol)の溶液にNMM(4.20mL、38.2mmol)を添加した。この温度で30分間撹拌した後、反応混合物を冷凍庫中に一晩(18時間)維持した。次いで、これを空気中で撹拌し、1時間で室温に加温した。EtOAc(500mL)、ブライン(100mL)および5%HPO(100mL)を添加した。分離した有機溶液を5%HPO(100mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×150mL)、水(150mL)およびブライン(150mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。
【0244】
材料をEtOAc/Hex(7:3)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、64aを80%収率で得た。H NMR(CDCl,δ):7.35−7.29(m,5H),7.02(d,2H,J=8.4 Hz),6.72(d,2H,J=6.9 Hz),6.01(d,1H),4.60(t,1H),4.52(s,1H),3.8−3.61(m,2H),3.72(s,3H),3.54−3.51(m,4H),2.83(t,2H,J=7.5 Hz),2.39(t,2H,J=8.1 Hz),2.41−2.20(m,1H),2.05−1.83(m,1H),1.85−1.58(m,8H),1.26−1.24(m,5H);13C NMR(CDCl,δ) 172.2,171.9,171.0,154.4,138.3,132.2,129.4,128.4,127.7,127.6,115.4,73.0,66.9,66.2,57.9,54.9,52.5,52.3,41.0,38.5,34.7,30.8,30.0,29.4,27.9,26.1,26.0,25.9。
【0245】
工程B
【化168】
Figure 0004368581
【0246】
所望の生成物20cを以下のように得た。
室温、窒素下のエタノール(200ml)中の20c(11.0mmol)の溶液に慎重に10%Pd/C(1.5g)を添加した。得られた懸濁物を激しく室温、水素下で23時間撹拌した。
【0247】
工程C
【化169】
Figure 0004368581
【0248】
所望の生成物20dを以下のように得た。
無水CHCl中の20d(9.43mmol)およびADDP(6.60g、26.2mmol)の溶液に20分間フリットガラスバブラーを通してアルゴンを吹き込んだ。0℃のこの溶液にトリフェニルホスフィン(4.10g、16.3mmol)を添加した。0℃で20分間撹拌した後、2回目のトリフェニルホスフィン(3.40g、13.5mmol)を添加した。次いで、溶液を室温に加温し、一晩(24時間)窒素下でTLCが出発材料の完全な消費を示すまで撹拌した。
【0249】
粗反応混合物をSiOゲルクロマトグラフィー(アセトン/ヘキサン 3:7)により精製して、64c(64mg、16%)を無色固体として得た。13C NMR(CDCl)δ 172.1,171.1,171.0,157.7,131.0,129.9,114.3,78.1,64.7,63.3,58.7,55.3,52.2,52.0,42.1,37.9,36.1,30.8,30.7,29.7,28.7,28.5,26.2,26.0;MS(FAB)473(M+H)、(100)、327(20)。
【0250】
工程D
【化170】
Figure 0004368581
【0251】
酸20eを以下のように合成した。
水酸化ナトリウム水溶液(30mL HO中0.45g)を0℃のTHF(30mL)およびメタノール(30mL)中の化合物20eの溶液に添加した。この混合物を氷浴中で撹拌し、それとともに4時間で室温に加温した。反応の進行をTLCによってモニターした。揮発性物質を真空下で除去した後、EtOAc(150mL)および水(30mL)を添加し、2層を分離した。水溶液を固体の塩化ナトリウムで飽和させた。層を分離した後、水層をEtOAc(2×150mL)で抽出した。有機溶液を合し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、化合物20eを得た。
【0252】
実施例21
工程A
【化171】
Figure 0004368581
【0253】
乾燥DMF(2.5mL)中の実施例19の生成物(62mg、0.148mmol)の溶液をHOOBt(37mg、0.22mmol)およびNMM(58mg、0.592mmol)で処理した。反応混合物を0℃に冷却し、EDCl(63mg、0.33mmol、1.5当量)で処理し、20分間撹拌した。反応混合物を実施例[11Q2]工程Bの生成物(74mg、0.0.16mmol)で処理し、室温で48時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、HO(30mL)で希釈した。水層をCHCl(3×50mL)およびEtOAc(3×50mL)で抽出した。合した有機層をHCl水溶液(2M)、NaOH水溶液(2M)で抽出し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮して、無色固体(120mg)を得、これを酸化に使用した;MS:(電子スプレイ、m/z rel int):818[(M+1,100]。
【0254】
工程B
【化172】
Figure 0004368581
【0255】
CHCl(2.0mL)中の上記工程の生成物(130mg、0.16mmol)の溶液をDess−Martin試薬( mg、0.32mmol、2.0当量)で処理した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、混合物を真空下で濃縮した。残渣を調製用TLC(SiO、CHOH/CHCl 1:49)によって精製して、酸化生成物(55mg、42%)を無色固体として得た。MS:(電子スプレイ、m/z rel int):816[(M+1),100]。
【0256】
実施例22
工程A
【化173】
Figure 0004368581
【0257】
実施例21工程Aの手順に従って、実施例20の生成物、標識した20eを実施例13工程Bの生成物と反応させて、対応する化合物を無色固体生成物として得、これを酸化に使用した;MS[電子スプレイ、m/z(rel int)]858[(M+1)+,100],604(10),446(10)。
【0258】
実施例23
工程B
【化174】
Figure 0004368581
【0259】
実施例21工程Bの手順に従い、前記工程の生成物を無色固体としての対応する生成物に変換した。MS[電子スプレイ、m/z(rel int)]856[(M+1)+,100]。
【0260】
HCVプロテアーゼ阻害活性のアッセイ:
分光光度アッセイ:HCVセリンプロテアーゼの分光光度アッセイを、R. Zhang et al, Analytical Biochemistry, 270 (1999) 268-275(出典明示で援用する)に記載の手順に従うことにより本発明の化合物に対して実施した。この色素原性エステル基質のタンパク質分解に基いたアッセイは、HCV NS3プロテアーゼ活性の連続的モニターに適切である。基質をNS5A−NS5B連結配列(Ac−DTEDVVX(Nva)、式中、X=AまたはP)のP側から誘導し、そのC末端カルボキシル基を4種の異なる発色団アルコール(3−もしくは4−ニトロフェノール、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリンまたは4−フェニルアゾフェノール)のうちの1種によりエステル化した。これらの新規分光光度エステル基質の合成、特徴付けおよび高スループットスクリーニングへの適用ならびにHCV NS3プロテアーゼ阻害剤の詳細な反応速度評価を以下に示す。
【0261】
材料および方法:
材料:アッセイ関連バッファー用化学試薬を、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)(セントルイス、ミズーリ)から入手した。ペプチド合成用試薬を、アドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ノヴァバイオケム(Novabiochem)(サンディエゴ、カリフォルニア)、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)(フォスター・シティー、カリフォルニア)およびパーセプティブ・バイオシステムズ(Perseptive Biosystems)(フラミンガム、マサチューセッツ)から入手した。ペプチドを、手動でまたは自動ABIモデル431A合成装置(アプライド・バイオシステムズ)で合成した。UV/VIS分光光度計モデルLAMBDA12を、パーキン・エルマー(Perkin Elmer)(ノーウォーク、コネティカット)から入手し、96ウェルUVプレートを、コーニング(Corning)(コーニング、ニューヨーク)から入手した。予加温ブロックを、USAサイエンティフィック(USA Scientific)(オカラ、フロリダ)から入手し、96ウェルプレートボルテクサーを、ラブリン・インスツルメンツ(Labline Instruments)(メルローズ・パーク、イリノイ)から入手した。モノクロメータを備えたスペクトラマックスプラス(Spectramax Plus)マイクロタイタープレートリーダーを、モレキュラー・デヴァイス(Molecular Devices)(サニーヴェイル、カリフォルニア)から入手した。
【0262】
酵素の調製:組換えヘテロ二量体HCV NS3/NS4Aプロテアーゼ(1a株)を、以前に公開された手順(D. L. Sali et al, Biochemistry, 37 (1998) 3392-3401)を用いることにより調製した。タンパク質濃度を、アミノ酸分析により事前に定量された組換えHCVプロテアーゼ標準品を用いてバイオラド(Biorad)色素法により測定した。アッセイ開始前に、酵素貯蔵バッファー(50mMリン酸ナトリウム、pH8.0、300mM NaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシドおよび10mM DTT)を、バイオラドバイオ−スピンP−6プレパックカラム(Biorad Bio-Spin P-6 prepacked column)を利用して、アッセイバッファー(25mM MOPS pH6.5、300mM NaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシド、5μM EDTAおよび5μM DTT)に交換した。
【0263】
基質の合成および精製:基質の合成を、R.Zhangら(前出)により報告されたように行い、標準プロトコル(K. Barlos et al, Int. J. Pept. Protein Res., 37 (1991), 513-520)を用いたFmoc−Nva−OHの2−クロロトリチルクロリド樹脂への固定により開始した。次いで、ペプチドをFmoc化学反応を用いて手動でまたは自動ABIモデル431ペプチド合成装置で組立てた。N−アセチル化し完全に保護したペプチドフラグメントを、30分間ジクロロメタン(DCM)中の10%酢酸(HOAc)および10%トリフルオロエタノール(TFE)により、または10分間DCM中の2%トリフルオロ酢酸(TFA)により樹脂から切断した。濾液およびDCM洗浄液を合し、共沸蒸発(またはNaCO水溶液により反復抽出)して、切断に使用した酸を除去した。DCM相をNaSOで乾燥させ、蒸発させた。
【0264】
標準的な酸−アルコールカップリング手順(K. Holmber et al, Acta Chem. Scand., B33 (1979) 410-412)を用いてエステル基質を組立てた。ペプチドフラグメントを無水ピリジン(30〜60mg/ml)に溶解し、そこに10モル当量の発色団および触媒量(0.1当量)のパラ−トルエンスルホン酸(pTSA)を添加した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、3当量)を添加して、カップリング反応を開始した。生成物の形成をHPLCによりモニターし、室温で12〜72時間反応した後に完了することが見出された。ピリジン溶媒を真空下で蒸発させ、さらにトルエンとの共沸蒸発により除去した。ペプチドエステルを2時間DCM中の95%TFAにより脱保護し、無水エチルエーテルで3回抽出して、過剰の発色団を除去した。30%〜60%のアセトニトリル勾配(6カラム容量を使用)を用いるC3またはC8カラムでの逆相HPLCにより脱保護した基質を精製した。HPLC精製後の全体収率は約20〜30%であった。電子スプレイイオン化質量分光法により分子量を確認した。基質を乾燥下乾燥粉末形態で貯蔵した。
【0265】
基質および生成物のスペクトル:基質および対応する発色団生成物のスペクトルを、pH6.5アッセイバッファー中に得た。複数の希釈液を用いて1cmキュベット中での最適オフピーク波長(3−NpおよびHMCについては340nm、PAPについては370nm、および4−Npについては400nm)における吸光係数を決定した。最適オフピーク波長を、基質と生成物との間の吸光度差の分数の最大値(生成物OD−基質OD)/基質OD)を生じる波長として定義した。
【0266】
プロテアーゼアッセイ:HCVプロテアーゼアッセイを、96ウェルマイクロタイタープレート中で200μlの反応混合物を用いて30℃で実施した。アッセイバッファー条件(25mM MOPS pH6.5、300mM NaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシド、5μM EDTAおよび5μM DTT)を、NS3/NS4Aヘテロ二量体用に最適化した(D.L.Sali et al.、前出)。代表的には、バッファー、基質および阻害剤の混合物150μlをウェルに入れ(DMSOの終濃度 4%(v/v))、約3分間30℃でプレインキュベートした。次いで、予加温したアッセイバッファー中のプロテアーゼ(12nM、30℃)50μlを使用して、反応を開始した(最終容量200μl)。モノクロメータを備えたスペクトロマックスプラスマイクロタイタープレートリーダーを用いて(カットオフフィルターを利用するプレートリーダーを用いて許容される結果を得ることができる)、適切な波長(3−NpおよびHMCについては340nm、PAPについては370nm、および4−Npについては400nm)における吸光度の変化についてアッセイ期間(60分間)にわたってプレートをモニターした。Nvaと発色団との間のエステル結合のタンパク質分解切断を、非酵素的加水分解についてのコントロールとしての無酵素ブランクに対し適切な波長でモニターした。基質反応速度パラメーターの評価を、30倍の基質濃度範囲(約6〜200μM)にわたって実施した。線形回帰を用いて初速度を測定し、非線形回帰分析(Mac Curve Fit 1.1、K.Raner)を用いてミカエリス−メンテンの式にデータを適合させることにより反応速度定数を得た。酵素が完全に活性であると想定して代謝回転数(kcat)を計算した。
【0267】
阻害剤および不活化剤の評価:表Aの競合阻害剤についての阻害定数(K)を、競合阻害反応速度用に再調整したミカエリス−メンテンの式:v/v=1+[I]/(K(1+[S]/K))(式中、vは非阻害初速度であり、vはいずれかの所定の阻害剤濃度([I])における阻害剤の存在下における初速度であり、[S]は使用した基質濃度である)に従ってv/v対阻害剤濃度([I])をプロットすることにより、酵素および基質の固定濃度において実験的に決定した。得られたデータを線形回帰を用いて適合させ、得られた傾き、1/(K(1+[S]/K)を用いてK値を計算した。
【0268】
本発明の種々の化合物について得られたK値を上記の表に示す。表中、化合物はK値の範囲の順に配列されている。これらの試験結果から、当業者にとって、本発明の化合物がNS3−セリンプロテアーゼ阻害剤として優れた有用性を有することは明らかである。
【0269】
本発明を上記の特定の実施態様に関して記載したが、その多くの改変、変形およびその他の変更は当業者にとって明白である。そのような全ての改変、変形および変更は、本発明の精神および範囲内に含まれるものとする。
【0270】
表A − セリンプロテアーゼ阻害活性
【表1】
Figure 0004368581
表A − セリンプロテアーゼ阻害活性
【表2】
Figure 0004368581
表A − セリンプロテアーゼ阻害活性
【表3】
Figure 0004368581
表A − セリンプロテアーゼ阻害活性
【表4】
Figure 0004368581

Claims (1)

  1. 式I:
    Figure 0004368581
    式I
    [式中、
    XおよびYは以下の部分から独立して選択され:アルキル、アルキル−アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アリール−ヘテロアリール、アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルエーテル、アルキル−アリールエーテル、アリールエーテル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキル−アリールアミノ、アルキルチオ、アルキル−アリールチオ、アリールチオ、アルキルスルホン、アルキル−アリールスルホン、アリールスルホン、アルキル−アルキルスルホキシド、アルキル−アリールスルホキシド、アルキルアミド、アルキル−アリールアミド、アリールアミド、アルキルスルホンアミド、アルキル−アリールスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルキルウレア、アルキル−アリールウレア、アリールウレア、アルキルカルバメート、アルキル−アリールカルバメート、アリールカルバメート、アルキル−ヒドラジド、アルキル−アリールヒドラジド、アルキルヒドロキシアミド、アルキル−アリールヒドロキシアミド、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニルまたはその組み合わせ、ここでXおよびYは所望によりさらにX11またはX12で置換されてもよく;
    11はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルへテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、ここでX11はさらに所望によりX12で置換されてもよく;
    12はヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノまたはニトロであり、ここでアルキル、アルコキシおよびアリールはさらに所望によりX12から独立して選択される部分で置換されてもよく;
    Wは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Wが存在する場合、WはC=O、C=SまたはSOから選択され;
    Qは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Qが存在する場合、QはCH、N、P、(CH、(CHR)、(CRR’)、O、RNR、SまたはSOであり;Qが存在しない場合、Mもまた存在せず、AはXに直接結合しており;
    AはO、CH、(CHR)、(CHR−CHR’)、(CRR’)、NR、S、SOまたは結合であり;
    UはO、NまたはCHから選択され;
    EはCH、NもしくはCR、またはA、LもしくはGへの二重結合であり;
    Gは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Gが存在する場合、Gは(CH、(CHR)または(CRR’)であり;Gが存在しない場合、Jは存在し、EはGが連結された炭素原子に直接連結されており;
    Jは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Jが存在する場合、Jは(CH、(CHR)、(CRR’)、SO、NH、NRまたはOであり;Jが存在しない場合、Gは存在し、Lは窒素に直接結合しており;
    Lは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Lが存在する場合、LはCH、CR、O、SまたはNRであり;Lが存在しない場合、Mは存在しなくてもよくまたは存在してもよく、Mが存在し、Lが存在しない場合、Mは直接的および間接的にEに結合しており、Jは直接的および間接的にEに結合しており;
    Mは存在してもよくまたは存在しなくてもよく、Mが存在する場合、MはO、NR、S、SO、(CH、(CHR)、(CHR−CHR’)または(CRR’)であり;
    pは0〜6の数字であり;
    RおよびR’は独立して以下からなる群より選択され:H;C1−C10アルキル;C2−C10アルケニル;C3−C8シクロアルキル;C3−C8ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ;(シクロアルキル)アルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)アルキル、ここでシクロアルキルは3〜8個の炭素原子、および0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、アルキルは1〜6個の炭素原子を有する;アリール;ヘテロアリール;アルキル−アリール;およびアルキル−ヘテロアリール;ここで アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル部分は所望により置換され得、この「置換」の語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、スルホンアミドからなる群より選択される1個以上の部分での所望による適切な置換をいい;
    1a、P1b、P1’およびPは独立して以下から選択され:H、C1−C10直鎖もしくは分枝鎖アルキル、C2−C10直鎖もしくは分枝鎖アルケニル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8複素環;(シクロアルキル)アルキルまたは(ヘテロシクリル)アルキル、ここでシクロアルキルは3〜8個の炭素原子、および0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、アルキルは1〜6個の炭素原子を有する;アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル、ここでアルキルは1〜6個の炭素原子を有する;ここでアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル;(シクロアルキル)アルキルおよび(ヘテロシクリル)アルキル部分は所望によりR”で置換されてもよく、さらにここでP1aおよびP1bは所望により互いに連結されてスピロ環式環またはスピロ複素環式環を形成してもよく、スピロ環式環またはスピロ複素環式環は0〜6個の酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含み、さらに所望によりR”で置換されてもよく;
    R”はヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノまたはニトロ部分であり、ここでアルキル、アルコキシおよびアリールはさらに所望によりR”から独立して選択される部分で置換されてもよく;
    ZはO、NHまたはNR’”であり;
    R’”はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル部分であり、ここでR’”はさらに所望によりR”で置換されてもよく;
    ArおよびArは独立して以下から選択され:フェニル;2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルもしくはその対応するN−オキシド;2−チオフェニル;3−チオフェニル;2−フラニル;3−フラニル;2−ピロリル;3−ピロリル;2−イミダゾリル;3(4)−イミダゾリル;3−(1,2,4−トリアゾリル);5−テトラゾリル;2−チアゾリル;4−チアゾリル;2−オキサゾリル;または4−オキサゾリル;そのいずれかまたは両方は所望によりRで置換されてもよく;
    はH,ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、Si(アルキル)、直鎖もしくは分枝鎖低級アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、(アルキルアミノ)カルボニルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、ヘテロシクリルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルウレイドまたはアリールウレイドであり;
    はH、直鎖もしくは分枝鎖アルキル、アリールアルキルまたはアリールであり;そして
    2’はH、シアノ、CF、直鎖もしくは分枝鎖低級アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、(アリルアミノ)カルボニルまたはアリールアミノカルボニルである]
    で示される一般構造を有する化合物であって、該化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体および互変異性体、ならびにその医薬上許容される塩、溶媒和物または誘導体を含む、化合物、ここで当該化合物は下記に列挙した構造を有する化合物から選択される:
    Figure 0004368581
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