JP4348824B2 - 冷却ファン移動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却ファンの移動装置に係わり、特にシャシーダイナモメータ等の動力計測システムに使用されるエンジン冷却ファンの移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車や特殊車輛などの駆動輪を路上の代わりに、シャシーローラ上に乗せて試験するシャシーダイナモメータにおいては、車輛の前面位置にエンジン冷却ファンを配設し、試験中はこのファンより車輛に送風してエンジンを冷却することが行われている。
図4は従来のエンジン冷却装置を示したもので、台車1には冷却ファン2が載置されており、台車1に取り付けられた前後進用の車輪3(3A,3B)を介して前後進が可能となっている。また、台車1には、同図(b)で示すように左右移動用の車輪4(4A,4B)が図示省略されたリフト装置を介して取り付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエンジン冷却装置は、各車輪3,4にはそれぞれ駆動用のモータが連結されており、前進,後進のときには、(a)図で示すように横行用車輪4A,4Bは縮小された状態となって、車輪3A,3Bの駆動用モータの正回転によって前進し、逆回転によって後進する。エンジン冷却装置の横行時には、(b)図で示すようにリフト装置を介して車輪4A,4Bを伸長させて台車1、車輪3を浮かせ、横行車輪4A,4B用の駆動モータを正回転あるいは逆回転することによってエンジン冷却装置を横行させている。したがって、この種装置には、各車輪の駆動用のモータと横行車輪の上下用モータを要しており、構造が複雑となっていて据え付け作業に多くの時間を要している。また、その機器も大きくなっているために必然的に冷却装置自体が大形となり、装置の設置スペース増大や実験室へ搬入するときの搬入口の制約等の問題を有している。
【0004】
本発明が目的とするところは、小形なエンジン冷却装置を提供することにある。
【0005】
本発明は、冷却ファンを有する台車の下部に、駆動モータによって駆動される車輪を取り付けた動力計測装置の冷却ファン移動装置において、
前記車輪を連結した駆動モータと、旋回用レバーを有して駆動モータに固定された回動部、この回動部と対向した位置に配置され、前記台車下部に固定された固定部を有する旋回部とで駆動部を構成し、且つこの駆動部は、通常は固定部材を介して前記固定部と回動部間の回動は防止され、固定部材による固定解除時に前記旋回用レバーを介して旋回可能に構成すると共に、
この駆動部を2個前記台車の対角位置に配置し、台車の他の対角位置にはそれぞれ玉受けを配置して構成したものである。
【0006】
さらに本発明は、前記駆動部の旋回角度は、前記車輪位置が90゜旋回可能に構成されたことを特徴としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示す第1の実施形態で、台車1の上部カバー内には冷却ファン2が配置されている。5は玉受け、10は駆動部で、この駆動部10は図2で示すように構成されて、同図(c)のように4個の車輪のうち対角の2個にこの駆動部10が用いられ、他の対角の2個の車輪はフリーの玉受け5が車輪の代わりに用いられる。駆動部10は、車輪12を直結した駆動モータ11と、旋回部13および旋回用レバー14より構成されている。旋回部13は、90度の旋回が可能なように構成されるが、そのために台車側に固定される固定部13Aと、モータ11に固定される回動部13Bとを有し、両者間は図示省略されているが回動時に軸心がずれないように一方側に軸が固定され、他方側にはこの軸が挿入される穴が穿設されて回動自在に嵌合されると共に、ボールを介して回動し易いように構成されている。14は回動部13Bに固定された旋回用レバー、15は固定手段で、固定部13Aと回動部13Bとを固定するためのものでピン等が用いられる。
【0008】
以上のように構成されたものを被試験機の前面に据え付ける時には、実験室の設置近辺までは、従来と同様に他の運搬機器によって移動されるが、当該位置に設置するための移動は、対角に取り付けられた駆動モータ11によって行われる。
【0009】
すなわち、前後進は2個の駆動モータ11を電源に接続することによって、このモータに直結された2個の車輪に駆動力が生じ、前進または後進する。この時、他の対角に配設された玉受け5は、フリーな状態となっているので、車輪12の駆動方向に回動する。
【0010】
次に、横行する場合には、旋回部13を固定している固定手段15を解除し、旋回用レバー14を持って動かすことによって、図2(b)で示すように旋回部13を介して駆動モータ11,車輪12は90度の位置にまで旋回ができ、任意の角度で2個の車輪を固定することによって横行が可能となる。
したがって、この実施形態によれば、リフト装置などが省かれ、2個の駆動モータによって前後進及び横行が可能となるため、装置が小型化され、前後進移動と左右方向移動の切り替え作業が容易となるものである。
【0011】
図3は他の実施形態を示したものである。同図において、20,21は駆動モータで、(b)図で示すように台車1の下部に取り付けられている。22,23はネジで、その一端はそれぞれ駆動モータ20,21の回転軸と直結されている。各ネジ22,23の他端は、それぞれ台車1の下部に固定された軸受け24,25によって軸支されている。なお、ネジ22,23は、(a)図で示すようにネジ切り方向が逆向きになるよう配設されて、このネジ部が直接地表に接触している。
【0012】
以上のように構成されたものにおいてその動作を説明する。(c)図は、動作説明図で、駆動モータ20,21の回転方向に応じてネジ22,23も正回転(時計方向)或いは逆回転(反時計方向)する。今、ネジ22を正回転、ネジ23を逆回転すべく各駆動モータを起動すると、(c)図イのようにネジは共に内側方向に回転して冷却ファンは後進する。ネジ22を反時計方向に、ネジ23を時計方向に回転させると冷却ファンは同図ロで示すように前進する。また、同図ハで示すように各ネジを時計または反時計方向に回転させると、冷却ファンは左または右方向に移動する。
【0013】
この実施形態の場合も、装置は小型化され、かつ、2個の駆動モータの回転方向の選択、制御を行うのみで前進,後進および左右の移動が容易に可能となり、しかも、2個の駆動モータの回転数に差をつけることによって斜め移動が可能となるものである。
【0014】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、冷却ファンの移動装置の構成が簡素化され、小型化されて、前後進移動と横行移動との切り替えが簡単で短時間に設置作業ができるなどの効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す外形図。
【図2】本発明の実施形態を示すもので、(a)は駆動部の構成図、(b)は旋回状態の説明図、(c)は駆動部の取り付け位置説明図。
【図3】本発明の他の実施形態を示すもので、(a)は底面図、(b)は外形図、(c)は移動説明図。
【図4】従来の冷却ファンを示したもので、(a)は冷却ファンの側面図、(b)は冷却ファンの背面図。
【符号の説明】
1…台車
2…冷却ファン
3…前後進用車輪
4…左右移動用車輪
5…玉受け
10…駆動部
11,20,21…駆動モータ
12…車輪
13…旋回部
22,23…ネジ
24,25…軸受け

Claims (2)

  1. 冷却ファンを有する台車の下部に、駆動モータによって駆動される車輪を取り付けた動力計測装置の冷却ファン移動装置において、
    前記車輪を連結した駆動モータと、旋回用レバーを有して駆動モータに固定された回動部、この回動部と対向した位置に配置され、前記台車下部に固定された固定部を有する旋回部とで駆動部を構成し、且つこの駆動部は、通常は固定部材を介して前記固定部と回動部間の回動は防止され、固定部材による固定解除時に前記旋回用レバーを介して旋回可能に構成すると共に、
    この駆動部を2個前記台車の対角位置に配置し、台車の他の対角位置にはそれぞれ玉受けを配置して構成しことを特徴とした冷却ファン移動装置。
  2. 前記駆動部の旋回角度は、前記車輪位置が90゜旋回可能に構成されたことを特徴とした請求項1記載の冷却ファン移動装置。
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