JP4342185B2 - 実装ラインにおける基板搬入方法および基板生産システム - Google Patents

実装ラインにおける基板搬入方法および基板生産システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に部品を実装する実装ラインが複数並設された基板生産システムに関する。
【0002】
【従来技術】
この種の基板生産システムとしては、並列に設けられて搬送する基板の幅に対応してコンベヤ幅を変更できる複数のコンベヤと、これらコンベヤ上に基板をそれぞれ位置決め支持するバックアップ装置と、基板に実装する部品を供給する部品供給装置と、該部品供給装置により供給された部品を採取してコンベヤ上にバックアップ装置によって位置決め支持された基板上に実装する部品移載装置とを備えたものが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−163677号公報(第14−17頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した基板生産システムにおいては、複数のコンベヤが同じ品種の基板を搬送するものであるため、生産する基板品種を切り換える度に複数のコンベヤのそれぞれについてコンベヤ幅の変更等の段取り替え作業を行う必要があった。また、多品種少量生産に対処するためには、この段取り替えの回数をできるだけ少なく抑えたいという要望があった。
【0005】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、段取り替え性のよい基板生産システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、搬送する基板の幅に対応してコンベヤ幅を変更可能に並設された複数のコンベヤ、各コンベヤ上に基板をそれぞれ位置決め支持するバックアップ装置、および部品供給装置により供給された部品を採取してバックアップ装置によって位置決め支持された基板上に実装する部品移載装置を備えた電子部品実装機をコンベヤの延在する方向に沿って複数台直列に連結することで構成された実装ラインと、この実装ラインに基板を供給する供給ラインと、この供給ラインから供給された基板を複数のコンベヤのいずれかに振り分ける第1振り分け装置とを設け、第1振り分け装置には、基板に設けられたIDを読み取るID認識ユニットが設けられ、複数のコンベヤ数よりも多い異なる複数種類の基板品種を、複数のコンベヤ数と同数にグループ化し、グループとそのグループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係付けを行い、ID認識ユニットにて読み取ったIDにて各基板が基板品種の属するグループに割り当てられたコンベヤに搬入されるように第1振り分け装置およびその後工程である電子部品実装機を制御することである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、対応関係付けは、異なる複数種類の基板品種を連続して生産するときに、基板の基板幅、バックアップ装置、および部品供給装置の共通性の少なくとも何れかに基づいて、異なる基板品種が同じグループに所属するようにグループ化し、各グループと該各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係付けすることにより行うことである。
【0007】
また、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、搬送する基板の幅に対応してコンベヤ幅を変更可能に並設された複数のコンベヤ、各コンベヤ上に基板をそれぞれ位置決め支持するバックアップ装置、および部品供給装置により供給された部品を採取してバックアップ装置によって位置決め支持された基板上に実装する部品移載装置を備えた電子部品実装機をコンベヤの延在する方向に沿って複数台直列に連結することで構成された実装ラインと、この実装ラインに基板を供給する供給ラインと、この供給ラインから供給された基板を複数のコンベヤのいずれかに振り分けるとともに、基板に設けられたIDを読み取るID認識ユニットが設けられた第1振り分け装置と、複数のコンベヤ数よりも多い異なる複数種類の基板品種を、複数のコンベヤ数と同数にグループ化し、各グループと各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係を記憶する記憶手段と、ID認識ユニットにて読み取ったIDにて各基板が基板品種の属するグループに割り当てられたコンベヤに搬入されるように第1振り分け装置およびその後工程である電子部品実装機を制御する制御手段とを備えたことである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、対応関係は、異なる複数種類の基板品種を連続して生産するときに、基板の基板幅、バックアップ装置、および部品供給装置の共通性の少なくとも何れかに基づいて、異なる基板品種が同じグループに所属するようにグループ化し、各グループと該各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係であることである。
【0008】
また、請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項3または請求項4において、生産数が多い基板品種については、複数のコンベヤに搬入されるような対応関係として記憶手段に記憶することである。
【0009】
また、請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項3乃至請求項5のいずれか一項において、複数のコンベヤから搬出された基板を1以上の下流ラインのいずれかに振り分ける第2振り分け装置をさらに備えたことである。
【0010】
さらに発明の構成上の特徴として、請求項3乃至請求項6のいずれか一項において、搬送する基板の幅に対応してコンベヤ幅を変更可能に並設された複数のコンベヤと、各コンベヤ上に基板をそれぞれ位置決め支持するバックアップ装置と、基板に実装する部品を供給する部品供給装置と、この部品供給装置により供給された部品を採取してコンベヤ上にバックアップ装置によって位置決め支持された基板上に実装する部品移載装置とを備えた電子部品実装機を複数台直列に配置して実装ラインを構成したことである。
【0012】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、互いに異なる複数種類の基板を連続して生産する場合、複数のコンベヤ数よりも多い異なる複数種類の基板品種を、複数のコンベヤ数と同数にグループ化し、各グループと該各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係付けを行い、ID認識ユニットにて読み取ったIDにて各基板が基板品種の属するグループに割り当てられたコンベヤに搬入されるように第1振り分け装置を制御するので、同じ基板幅の基板を連続して生産したり、同じバックアップ装置を使用して連続して生産したり、同じ部品供給装置を使用して連続して生産したりすることができる。したがって、実装ラインのコンベヤ幅の変更、バックアップ装置の基板を支持する支持部の配置の変更などの段取り替えの回数を極力少なくして異なる種類の基板を生産することができるので、基板生産システムの生産性を向上することができる。
さらに、搬送する基板の幅に対応してコンベヤ幅を変更可能に並設された複数のコンベヤと、各コンベヤ上に基板をそれぞれ位置決め支持するバックアップ装置と、基板に実装する部品を供給する部品供給装置と、この部品供給装置により供給された部品を採取してコンベヤ上にバックアップ装置によって位置決め支持された基板上に実装する部品移載装置とを備えた電子部品実装機を複数台直列に連結して実装ラインを構成したので、複数の基板を実装ライン上の所望の停止位置にそれぞれ別々に停止させて部品を実装することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、対応関係付けは、異なる複数種類の基板品種を連続して生産するときに、基板の基板幅、バックアップ装置、および部品供給装置の共通性の少なくとも何れかに基づいて、異なる基板品種が同じグループに所属するようにグループ化し、各グループと該各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係付けすることにより行う。これにより、異なる複数種類の基板品種のうち、連続して生産したときに段取り替え作業が不要かまたは少なくて済む異なる基板品種が同じグループに所属するようにグループ化することができる。
【0013】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、互いに異なる複数種類の基板を連続して生産する場合、複数のコンベヤ数よりも多い異なる複数種類の基板品種を、複数のコンベヤ数と同数にグループ化し、各グループと各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係を記憶し、制御手段によって、ID認識ユニットにて読み取ったIDにて各基板が基板品種の属するグループに割り当てられたコンベヤに搬入されるように第1振り分け装置を制御するので、同じ基板幅の基板を連続して生産したり、同じバックアップ装置を使用して連続して生産したり、同じ部品供給装置を使用して連続して生産したりすることができる。したがって、実装ラインのコンベヤ幅の変更、バックアップ装置の基板を支持する支持部の配置の変更、部品供給装置の部品設定の変更などの段取り替えの回数を極力少なくして異なる種類の基板を生産することができるので、基板生産システムの生産性を向上することができる。
さらに、搬送する基板の幅に対応してコンベヤ幅を変更可能に並設された複数のコンベヤと、各コンベヤ上に基板をそれぞれ位置決め支持するバックアップ装置と、基板に実装する部品を供給する部品供給装置と、この部品供給装置により供給された部品を採取してコンベヤ上にバックアップ装置によって位置決め支持された基板上に実装する部品移載装置とを備えた電子部品実装機を複数台直列に連結して実装ラインを構成したので、複数の基板を実装ライン上の所望の停止位置にそれぞれ別々に停止させて部品を実装することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、対応関係は、異なる複数種類の基板品種を連続して生産するときに、基板の基板幅、バックアップ装置、および部品供給装置の共通性の少なくとも何れかに基づいて、異なる基板品種が同じグループに所属するようにグループ化し、各グループと該各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係である。これにより、異なる複数種類の基板品種のうち、連続して生産したときに段取り替え作業が不要かまたは少なくて済む異なる基板品種が同じグループに所属するようにグループ化することができる。
【0014】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、生産数の多い基板品種については複数のコンベヤに搬入されるような対応関係として記憶手段に記憶するので、生産枚数が多いときには、1つのコンベヤだけでなく複数のコンベヤを使用するようにして基板を生産することができる。これにより、基板生産システムの生産性を向上することができる。
【0015】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、複数のコンベヤから搬出された基板を1以上の下流ラインのいずれかに振り分ける第2振り分け装置をさらに備えているので、この第2振り分け装置によって所望の下流ラインに実装された基板を搬出することができる。
【0016】
上記のように構成した段落0010による発明においては、搬送する基板の幅に対応してコンベヤ幅を変更可能に並設された複数のコンベヤと、各コンベヤ上に基板をそれぞれ位置決め支持するバックアップ装置と、基板に実装する部品を供給する部品供給装置と、この部品供給装置により供給された部品を採取してコンベヤ上にバックアップ装置によって位置決め支持された基板上に実装する部品移載装置とを備えた電子部品実装機を複数台直列に配置して実装ラインを構成したので、複数の基板を実装ライン上の所望の停止位置にそれぞれ別々に停止させて部品を実装することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による基板生産システムの一実施の形態について説明する。図1はこの基板生産システムAの概要を示す平面図である。基板生産システムAは、供給装置11、印刷装置12、第1および第2シフト装置13,14、第1および第2電子部品実装機15,16、リフロー装置17、収納装置18およびホストコンピュータ19から構成されている。
【0019】
供給装置11は、多数の基板Sが上下方向に並べて収納されており、1枚ずつ印刷装置12に供給するものである。印刷装置12は、供給装置11から搬入された基板の部品実装部位にクリームはんだを印刷して第1振り分け装置である第1シフト装置13に搬出するものである。第1シフト装置13は、基板に設けられたID(基板品種などの情報が掲載されている)を読み取るID認識ユニット13aを備えており、読み取った基板IDと予め設定された生産スケジュールに基づいて印刷装置12から搬入された基板を電子部品実装機15,16の第1または第2ラインL1,L2に振り分けて払い出すものである。第1および第2シフト装置13,14は制御装置13b,14aを備えていて、制御装置13b,14aはそれぞれ第1および第2シフト装置13,14を運転制御している。
【0020】
第1シフト装置13の制御装置13bには、異なる複数種類の基板品種のうち、連続して生産したときに段取り替え作業が不要かまたは少なくて済む異なる基板品種が同じグループに所属するようにグループ化し、各グループと各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係を示すテーブル(下記表2参照)が記憶されている。なお、基板品種とは、基板に部品を実装した結果として生産された生産物の種類を意味するものであり、形状と大きさが同じ基板であっても実装される部品の種類、数、位置のいずれか一つでも異なればそれらは品種の異なる基板とされる。また、生産する基板品種を変更する際に行われる段取り替え作業は、基板の大きさに対応して搬送するコンベヤの幅を変更したり、後述するバックアップ装置のバックアップピンの位置を変更する等の作業のことである。例えば、基板の外形が同じで実装する部品が異なる2つの品種については、その2品種間の段取り替え作業がコンベヤ幅を変更する必要のないものであるため、基板の外形と実装する部品がともに異なる2つの品種間の段取り替え作業に比べて作業量が少なくて済む場合が多い。
【0021】
また、制御装置13bは、図3のフローチャートに対応したプログラムを実行して、各基板が基板品種の属するグループに割り当てられたコンベヤに搬入されるように第1シフト装置13を制御する。
【0022】
第1および第2電子部品実装機15,16は、図2に示すように、いわゆるダブルトラックコンベヤ方式の電子部品実装機20であり、これら第1および第2電子部品実装機15,16を直列に配置して実装ラインを構成している。電子部品実装機20の基台21上には、基板SをY方向に搬送する基板搬送装置30が設けられている。基板搬送装置30は、基板Sを所定方向(図1において右方向)に搬送するものであり、基台21上に互いに並列に組み付けられた第1および第2コンベヤ31,32を備えている。第1および第2コンベヤ31,32がそれぞれ連続したものが第1および第2ラインL1,L2である。
【0023】
第1および第2コンベヤ31,32は、搬送方向に延在しかつ互いに平行に対向して配置された第1ガイドレール31a,32aおよび第2ガイドレール31b,32bをそれぞれ備えており、各第1および第2ガイドレール31a,31bおよび32a,32bは、基板Sを搬送方向にそれぞれ案内する。また、基板搬送装置30には、各第1および第2ガイドレール31a,32aおよび31b,32bの直下に互いに平行に設けられた一対のコンベアベルトが並設されている。これらコンベアベルトは基板Sを支持して搬送方向に搬送する。
【0024】
第1ガイドレール31a,32aおよび第2ガイドレール31b,32bは、これらガイドレール31a,32a,31b,32bの直下の各コンベヤベルトとともに搬送方向と直交する方向(X方向)に移動して位置決め固定されるようになっている。これにより、各コンベヤ31,32は搬送する基板Sの基板幅に対応してコンベヤ幅を変更できる。
【0025】
また、基板搬送装置30には所定の実装位置まで搬送された基板Sを押し上げてクランプ(位置決め支持)するバックアップ装置が備えられている。図2には、第1コンベヤL1にバックアップ装置33が設置され、第2コンベヤL2にバックアップ装置が設置されてない状態を示している。バックアップ装置は、その上面に立設されて基板Sを下から押し上げて支持するバックアップピンを複数有しており、これらバックアップピンは基板を効果的に支持する位置に配置されている。この配置は基板の品種によって異なっている。なお、バックアップ装置はバックアップピン以外のものによって基板Sを支持するものもある。
【0026】
基板搬送装置30の上方(図1において紙面垂直上方向)には、Y方向に細長い移動台41が、Y方向と直交するX方向に延びる固定レール(フレーム)42にX方向とY方向に移動可能に支持されている。なお、移動台41のXおよびY方向への移動はボールねじを介してサーボモータにより制御されている。移動台41には部品移載装置43が取り付けられている。部品移載装置43は、移動台41に着脱可能に取り付けられる支持ベース45と、この支持ベース45にX方向およびY方向と直角なZ方向に昇降可能に支持されてボールねじを介してサーボモータにより昇降が制御される部品実装ヘッド46と、この部品実装ヘッド46から下方に突出して設けられて下端に電子部品Pを吸着保持する円筒状の吸着ノズル47よりなるものである。
【0027】
電子部品実装機20の両側には、基板搬送装置30を挟んで電子部品供給装置50が配置されていて、この電子部品供給装置50は着脱可能な多数のカセット式フィーダ(部品供給カセット)51を並設してなるものである。カセット式フィーダ51は、本体51aと、本体51aの後部に設けた供給リール51bと、本体51aの先端に設けた部品取出部51cを備えている。供給リール51bには電子部品が所定ピッチで封入された細長いテープ(図示省略)が巻回保持され、このテープがスプロケット(図示省略)により所定ピッチで引き出され、電子部品が封入状態を解除されて部品取出部51cに順次送り込まれるようになっている。なお電子部品供給装置50は、カセット式のものだけでなくトレイ上に電子部品が並べられているトレイ式のものもある。
【0028】
第1および第2電子部品実装機15,16は制御装置15a,16aを備えていて、制御装置15a,16aはそれぞれ第1および第2電子部品実装機15,16の基板の搬入、搬出、位置決め支持、部品の実装を運転制御している。
【0029】
第2振り分け装置である第2シフト装置14は、電子部品実装機15,16の第1または第2ラインL1,L2から搬入された基板をリフロー装置17に搬出するものであり、リフロー装置17は、電子部品Pが実装された基板Sにはんだ付けするものであり、収納装置18は、電子部品Pがはんだ付けされた基板Sを上下方向に並べて収納するものである。
【0030】
上述した第1および第2シフト装置13,14、第1および第2電子部品実装機15,16はホストコンピュータ19に接続されている。ホストコンピュータ19は、第1および第2シフト装置13,14、第1および第2電子部品実装機15,16に生産スケジュールなど生産に必要な情報を提供したり、第1および第2シフト装置13,14、第1および第2電子部品実装機15,16から生産に付随する情報を受け取ったりするものである。
【0031】
次に、上記のように構成した基板生産システムによって、下記表1に示す品種S1,S2,S3,S4を連続して生産する場合について説明する。
【0032】
【表1】
Figure 0004342185
【0033】
生産を開始する前に、生産スケジュールを予め設定する。すなわち、基板の基板幅、バックアップ装置の基板を支持する支持部の配置等が共通であり、段取り替えが少ない基板品種をグループ化し、各グループと各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係付けを行う。具体的には、品種S1、品種S4は基板幅が同じでありかつ同じバックアップ装置を使用するのでコンベヤ幅およびバックアップ装置の変更が不要であるため、品種S1と品種S4をグループ化する。また、品種S2、品種S3は基板幅は異なっておりコンベヤ幅の変更は必要であるもののバックアップ装置の変更が不要であるため、品種S2と品種S3をグループ化する。そして、品種S1と品種S4のグループと電子部品実装機15,16の第1ラインL1とを対応関係付けし、品種S2と品種S3のグループと電子部品実装機15,16の第2ラインL2とを対応関係付けして、下記表2に示すようなこれら対応関係を示すテーブルを作成し第1シフト装置13の制御装置13bに記憶させる。なお、生産数の多い基板品種については複数のコンベヤに搬入されるような対応関係付けすればよい。
【0034】
【表2】
Figure 0004342185
【0035】
第1シフト装置13の制御装置13bは、第1シフト装置13に基板Sが搬入されると、図3に示すプログラムを実行する。基板SのIDを読み取って基板品種を認識し(ステップ102)、認識した基板品種と、上記表2に示す基板品種とコンベヤとの対応関係を示すテーブルとに基づいて基板に割り当てられたコンベヤを選択し(ステップ104)、基板が基板品種の属するグループに割り当てられたコンベヤに搬入されるように第1振り分け装置13を制御する(ステップ106)。
【0036】
実際には、電子部品実装機15,16の第1ラインL1を品種S1の基板幅に合わせてコンベヤ幅を200mmに設定するとともに、タイプ1のバックアップ装置を設置した後、生産を開始する。基板生産システムは品種S1を第1ラインL1に払い出すように制御する。そして、電子部品を基板上に実装して後工程に搬出する。かかる生産中、電子部品実装機15,16の第2ラインL2を品種S2の基板幅に合わせてコンベヤ幅を150mmに設定する。
【0037】
品種S1の生産が終了すると、基板生産システムは品種S2を第2ラインL2に払い出すように制御して品種S2の生産を開始する。そして、品種S2の生産が終了すると、電子部品実装機15,16の第2ラインL2を品種S3の基板幅に合わせてコンベヤ幅を100mmに設定した後、生産を開始する。基板生産システムは品種S2に続けて品種S3を第2ラインL2に払い出すように制御する。そして、電子部品を基板上に実装して後工程に搬出する。
【0038】
品種S3の生産が終了すると、基板生産システムは、コンベヤ幅が200mmでありかつタイプ1のバックアップ装置を設置したままの第1ラインL1に品種S4を払い出すように制御する。一方、第2ラインL2のコンベヤ幅を品種S4の基板幅に合わせて200mmに設定した後、第2ラインL2にも品種S4を払い出すように制御して、第1および第2ラインL1,L2の両ラインにて品種S4を生産するようにする。そして、電子部品を基板上に実装して後工程に搬出する。
【0039】
上述した説明から理解できるように、この実施の形態においては、互いに異なる複数種類の品種S1,S2,S3,S4を連続して生産する場合、異なる複数種類の基板品種のうち、連続して生産したときに段取り替え作業が不要かまたは少なくて済む異なる基板品種が同じグループに所属するようにグループ化し、各グループと該各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係付けを行い、各基板が基板品種の属するグループに割り当てられたコンベヤに搬入されるように第1振り分け装置を制御するので、同じ基板幅の基板を連続して生産したり、同じバックアップ装置を使用して連続して生産したり、同じ部品供給装置を使用して連続して生産したりすることができる。したがって、実装ラインのコンベヤ幅の変更、バックアップ装置の基板を支持する支持部の配置の変更などの段取り替えの回数を極力少なくして異なる種類の基板を生産することができるので、基板生産システムの生産性を向上することができる。
【0040】
また、上記した実施の形態においては、電子部品実装機20を複数台直列に配置して実装ラインを構成したので、複数の基板を実装ライン上の所望の停止位置にそれぞれ別々に停止させて部品を実装することができる。
【0041】
さらに、比較的生産枚数の少ない基板品種S1〜S3については、これらが連続して第1ラインL1又は第2ラインL2で生産されるように設定したので、第1および第2ラインL1,L2がともに品種S1〜S3を一種類ずつ生産していく場合のように段取り替えによって第1および第2ラインL1,L2の両方での生産が完全にストップすることはなく、各品種の基板の予定枚数の生産時間が比較的短い(段取り替えに要する時間と大差ない場合)のであれば、前者の場合よりも効率よく生産計画を遂行することが可能になる。また、品種S1〜S3の生産が全て終了した後に、比較的生産枚数の多い基板品種S4を第1および第2ラインL1,L2の両方において生産するようにしたため、品種S1〜S3の生産途中にS4を生産する場合と比べて、段取り替えにより生産をストップさせる時間を短くでき、効率のよい生産が行える。
【0042】
また、以上の事由を考慮して、生産計画における品種S1〜S4の順番を自動的に決定したり最適化すべく変更することも可能である。この場合、例えば、当初はホストコンピュータ19には生産すべき基板の品種とその枚数の情報だけが供給され品種の生産順番に関する情報が供給されない場合、又は、当初はホストコンピュータ19に供給された(若しくはホストコンピュータ19において作成された)生産計画が上記表1とは異なりS1→S2→S4→S3の順に生産するものである場合であったとしても、上記表2に示したように各基板品種とそれを搬送するコンベヤとの対応付けを行った結果、S1〜S3は一方のコンベヤによって搬送され、S4は両方のコンベヤによって搬送されることを考慮すれば、S1〜S3の生産が全て終了した後にS4を生産するようにした順番が望ましいと判断できるとの理由により、順番をS1→S2→S3→S4に変更することが生産効率上望ましいとの判断がなされれば、このように生産計画を設定または修正するのである。
【0043】
このような生産順番を決定する判断に関する処理は、図4に示すようにプログラムをホストコンピュータ19によって行うようにすればよい。ホストコンピュータ19は、対応関係付け工程(ステップ202)により品種の異なる基板のそれぞれに対して、複数のコンベヤのうち少なくとも一つを選択して対応関係付けを行うことにより基板品種と選択された搬送コンベヤとの対応関係を示す対応情報である上述した表2に示すテーブルを生成し、生産順番決定工程(ステップ204)により対応関係付け工程において生成された基板品種と選択された搬送コンベヤとの対応関係を示す対応情報に基づいて、基板の各種類の生産順番を決定し、基板搬入工程(ステップ206)により対応情報および生産順番決定工程において生産された生産順番情報である上述した表1に示すテーブルに基づいて基板が基板品種の属するグループに割り当てられたコンベヤに搬入されるように第1振り分け装置13を制御する。したがって、段取り替えの回数を少なくするように生産計画を設定又は変更することができるので、時間的にも作業コスト的にも効率よく生産することができる。
【0044】
なお、上述した実施の形態においては、いわゆるダブルトラックコンベヤ方式の電子部品実装機20を直列に並べて複数の実装ラインを構成するようにしたが、シングルトラックコンベヤ方式の電子部品実装機を直列に並べて構成した実装ラインを2列以上に並設するようにしてもよい。
【0045】
また、上述した実施の形態においては、実装ラインを複数の電子部品実装機20を並べて構成したものに本発明を適用したが、実装ラインを1つの電子部品実装機によって構成したものに適用するようにしてもよい。
【0046】
また、上述した実施の形態においては、第2振り分け装置である第2シフト装置14は、実装ラインから搬入された基板をリフロー装置17と収納装置18からなる1つの搬出ラインに搬出するようにしたが、例えばリフロー装置17と収納装置18からなる複数の搬出ラインのいずれかに搬出するようにしてもよい。これによれば、この第2シフト装置によって所望の搬出ラインに実装された基板を搬出することができる。
【0047】
また、上述した実施の形態においては、基板の基板幅、バックアップ装置の基板を支持する支持部の配置が共通であり、段取り替えが少ない基板品種をグループ化し、各グループと各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係付けを行うようにしたが、部品供給装置の部品構成が共通であり、段取り替えが少ない基板品種をグループ化し、各グループと各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係付けを行うようにしてもよい。
【0048】
また、上述した実施の形態においては、第1シフト装置13の制御装置13bが上記テーブルを記憶し、図3に示すフローチャートに対応したプログラムを実行するようにしたが、第1シフト装置13の制御装置13bの代わりにホストコンピュータ19を使用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による基板生産システムの一実施の形態の概要を示す平面図である。
【図2】 図1に示す電子部品実装機を示す平面図である。
【図3】 図1に示す第1シフト装置にて実行されるプログラムを表すフローチャートである。
【図4】 図1に示すホストコンピュータにて実行されるプログラムを表すフローチャートである。
【符号の説明】
11…供給装置、12…印刷装置、13,14…第1および第2シフト装置、15,16…第1および第2電子部品実装機、17…リフロー装置、18…収納装置、20…電子部品実装機、30…基板搬送装置、31,32…第1および第2コンベヤ、41…移動台、43…部品移載装置、45…支持ベース、46…部品実装ヘッド、47…吸着ノズル、50…電子部品供給装置、L1,L2…第1および第2ライン。

Claims (6)

  1. 搬送する基板の幅に対応してコンベヤ幅を変更可能に並設された複数のコンベヤ、各コンベヤ上に前記基板をそれぞれ位置決め支持するバックアップ装置、および部品供給装置により供給された部品を採取して前記バックアップ装置によって位置決め支持された前記基板上に実装する部品移載装置を備えた電子部品実装機を前記コンベヤの延在する方向に沿って複数台直列に連結することで構成された実装ラインと、
    該実装ラインに前記基板を供給する供給ラインと、
    該供給ラインから供給された基板を前記複数のコンベヤのいずれかに振り分ける第1振り分け装置とを設け、
    前記第1振り分け装置には、前記基板に設けられたIDを読み取るID認識ユニットが設けられ、
    前記複数のコンベヤ数よりも多い異なる複数種類の基板品種を、前記複数のコンベヤ数と同数にグループ化し、前記グループとそのグループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係付けを行い、
    前記ID認識ユニットにて読み取ったIDにて各基板が基板品種の属するグループに割り当てられたコンベヤに搬入されるように前記第1振り分け装置およびその後工程である前記電子部品実装機を制御することを特徴とする実装ラインにおける基板搬入方法。
  2. 請求項1において、前記対応関係付けは、異なる複数種類の基板品種を連続して生産するときに、前記基板の基板幅、前記バックアップ装置、および前記部品供給装置の共通性の少なくとも何れかに基づいて、前記異なる基板品種が同じグループに所属するようにグループ化し、各グループと該各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係付けすることにより行うことを特徴とする実装ラインにおける基板搬入方法。
  3. 搬送する基板の幅に対応してコンベヤ幅を変更可能に並設された複数のコンベヤ、各コンベヤ上に前記基板をそれぞれ位置決め支持するバックアップ装置、および部品供給装置により供給された部品を採取して前記バックアップ装置によって位置決め支持された前記基板上に実装する部品移載装置を備えた電子部品実装機を前記コンベヤの延在する方向に沿って複数台直列に連結することで構成された実装ラインと、
    該実装ラインに前記基板を供給する供給ラインと、
    該供給ラインから供給された基板を前記複数のコンベヤのいずれかに振り分けるとともに、前記基板に設けられたIDを読み取るID認識ユニットが設けられた第1振り分け装置と、
    前記複数のコンベヤ数よりも多い異なる複数種類の基板品種を、前記複数のコンベヤ数と同数にグループ化し、前記グループとそのグループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係を記憶する記憶手段と、
    前記ID認識ユニットにて読み取ったIDにて各基板が基板品種の属するグループに割り当てられたコンベヤに搬入されるように前記第1振り分け装置およびその後工程である前記電子部品実装機を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする基板生産システム。
  4. 請求項3において、前記対応関係は、異なる複数種類の基板品種を連続して生産するときに、前記基板の基板幅、前記バックアップ装置、および前記部品供給装置の共通性の少なくとも何れかに基づいて、前記異なる基板品種が同じグループに所属するようにグループ化し、各グループと該各グループに属する基板品種が搬入される各コンベヤとの対応関係であることを特徴とする基板生産システム。
  5. 請求項3または請求項4において、生産数が多い基板品種については、複数のコンベヤに搬入されるような対応関係として前記記憶手段に記憶することを特徴とする基板生産システム。
  6. 請求項3乃至請求項5のいずれか一項において、前記複数のコンベヤから搬出された基板を1以上の下流ラインのいずれかに振り分ける第2振り分け装置をさらに備えたことを特徴とする基板生産システム。
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