JP7158769B2 - 基板生産システム - Google Patents

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Description

本発明は、基板生産システムに関する。
多数の部品が実装された基板を生産する設備として、はんだ印刷機、部品実装機、リフロー機、基板検査機などがある。これらの設備を連結して基板生産ラインを構成することが一般的になっている。このうち部品実装機は、基板搬送装置、部品供給装置、部品移載装置、および制御装置を備える。部品供給装置の代表例として、複数の部品収納部にそれぞれ部品を収納した部品収納テープを繰り出す方式のフィーダ装置がある。このフィーダ装置と組み合わせて、部品収納テープが巻回された部品供給リールを回転可能かつ交換可能に保持するリール保持装置が使用される。
複数のフィーダ装置およびリール保持装置は、部品実装機に列設された複数の配設位置に配設される。そして、基板に実装する部品の複数の部品種は、列設された複数の配設位置に配置される。このとき、複数の部品種の並び順に依存して、基板の生産効率が変化する。そのため、部品移載装置の装着ヘッドの移動距離などを勘案して、部品種配置をシミュレーションする技術が開発されており、一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の機器の配置決定方法において、管理装置は、1枚の基板を生産するのに要する装着サイクルタイム(タクトタイム)が短縮されるように、複数のフィーダ装置の配置を決定する。このとき、複数のフィーダ装置の種類の差異、および供給可能な部品種の条件などが考慮される(特許文献1の段落0026、0027など参照)。
特開2009-130337号公報
ところで、基板を生産している途中で、従来の手動フィーダ装置において部品収納テープに収納された部品がなくなると、新しい部品収納テープを補充して接続するスプライシング作業が必要になる。スプライシング作業は、手間が掛かるため作業者にとって煩わしく、かつ生産効率を低下させる一因となっていた。この対策として、部品収納テープを自動的に装填する自動装填機能を有してスプライシング作業を大幅に軽減した自動フィーダ装置(いわゆるオートローディングフィーダ)が開発されている。
上述したフィーダ装置の最近の開発動向に対し、特許文献1の技術では、自動フィーダ装置および手動フィーダ装置の作業性の違いが考慮されていない。つまり、特許文献1の技術では、基板の生産を実行する直接的な装着サイクルタイムは短縮できても、スプライシング作業を軽減できず、また、スプライシング作業時間を含んだ総合的な生産効率の向上が難しい。別の見方をすれば、部品収納テープを補充するときの作業性が良好で利便性に富む自動フィーダ装置を有効活用できるように、自動フィーダ装置および手動フィーダ装置に部品種を割り振る方法を確立することが必要である。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、自動フィーダ装置を有効活用してスプライシング作業を軽減する基板生産システムを提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の基板生産システムは、部品収納テープを自動的に装填する自動装填機能を有する自動フィーダ装置と、作業者によるスプライシング作業を必要とする手動フィーダ装置と、前記自動フィーダ装置および前記手動フィーダ装置が配設される部品実装機と、1枚の基板あたりに装着される複数の部品種の各々の装着点数に基づいて前記複数の部品種を割り振る装着点数優先モードに基づいて前記自動フィーダ装置に部品種を割り振る制御装置と、を有する。
本発明の基板生産システムでは、基板の生産効率の向上に寄与できる。
部品実装機の全体構成を簡略化して模式的に示す平面図である。 自動フィーダ装置およびリール保持装置を共通パレットに装着した使用状態の構成例を示す側面図である。 実施形態の部品種割り振りの演算処理フローを示した図である。 演算処理フローの演算処理内容を例示説明する図である。
(1.部品実装機1の全体構成)
まず、本発明の実施形態の部品種割り振り方法を行う部品実装機1の全体構成について、図1を参考にして説明する。図1は、部品実装機1の全体構成を簡略化して模式的に示す平面図である。図1の紙面右側から左側に向かう方向が基板Kを搬入出するX軸方向、紙面下側の後方から紙面上側の前方に向かう方向がY軸方向である。部品実装機1は、基板搬送装置12、着脱可能な手動フィーダ装置7および自動フィーダ装置9、部品移載装置14、部品カメラ15、および制御装置16などが機台19に組み付けられて構成されている。基板搬送装置12、各フィーダ装置7、9、部品移載装置14、および部品カメラ15は、制御装置16から制御され、それぞれが所定の作業を行うようになっている。
基板搬送装置12は、基板Kを装着実施位置に搬入し位置決めし搬出する。基板搬送装置12は、一対の第1および第2ガイドレール121、122、一対のコンベアベルト、およびクランプ装置などで構成されている。第1および第2ガイドレール121、122は、機台19の上面中央を横断して搬送方向(X軸方向)に延在し、かつ互いに平行して機台19に組み付けられている。第1および第2ガイドレール121、122の向かい合う内側に、図略の無端環状の一対のコンベアベルトが並設されている。一対のコンベアベルトは、コンベア搬送面に基板Kの両縁をそれぞれ戴置した状態で輪転して、基板Kを機台19の中央部に設定された装着実施位置に搬入および搬出する。装着実施位置のコンベアベルトの下方には、図略のクランプ装置が設けられている。クランプ装置は、基板Kを押し上げて水平姿勢でクランプし、装着実施位置に位置決めする。これにより、部品移載装置14が装着実施位置で装着動作を行えるようになる。
手動フィーダ装置7および自動フィーダ装置9は、それぞれ部品を順次供給する。各フィーダ装置7、9は、幅方向寸法が小さな扁平形状であり、機台19上に装備された共通パレット5の第1~第9スロットSL1~SL9に列設される(詳細後述)。図1において、第4および第5スロットSL4、SL5に自動フィーダ装置9が配設され、その他のスロットSL1~SL3、SL6~SL9に手動フィーダ装置7が配設されている。自動フィーダ装置9の後方には、共通パレット5に着脱可能とされたリール保持装置6が配置される。一方、手動フィーダ装置7は、リール保持装置が一体的に設けられている。実際の部品実装機では、さらに多数のフィーダ装置7、9が列設される場合が多い。
部品移載装置14は、複数のフィーダ装置7、9の各供給位置94から部品を吸着採取し、位置決めされた基板Kまで搬送して装着する。部品移載装置14は、X軸方向およびY軸方向に水平移動可能なXYロボットタイプの装置である。部品移載装置14は、一対のY軸レール141、142、Y軸スライダ143、装着ヘッド144、ノズルツール145、および基板カメラ146などで構成されている。一対のY軸レール141、142は、機台19の両方の側面寄りに配置されて、前後方向(Y軸方向)に延在している。Y軸レール141、142上に、Y軸スライダ143がY軸方向に移動可能に装架されている。Y軸スライダ143は、図略のY軸ボールねじ機構によりY軸方向に駆動される。
装着ヘッド144は、Y軸スライダ143にX軸方向に移動可能に装架されている。装着ヘッド144は、図略のX軸ボールねじ機構によりX軸方向に駆動される。ノズルツール145は、装着ヘッド144に交換可能に保持される。ノズルツール145は、部品を吸着して基板Kに装着する吸着ノズルを1本または複数本有する。基板カメラ146は、装着ヘッド144にノズルツール145と並んで設けられている。基板カメラ146は、基板Kに付設されたフィデューシャルマークを撮像して、基板Kの正確な位置を検出する。
部品カメラ15は、基板搬送装置12とフィーダ装置7、9との間の機台19の上面の幅方向の中央位置に、上向きに設けられている。部品カメラ15は、装着ヘッド144がフィーダ装置7、9から基板K上に移動する途中で、吸着ノズルに吸着されている部品の状態を撮像する。部品カメラ15の撮像データによって部品の吸着姿勢の誤差や回転角のずれなどが判明すると、制御装置16は、必要に応じて部品装着動作を微調整し、装着が困難な場合には当該の部品を廃棄する制御を行う。
制御装置16は、基板Kに装着する部品の部品種、装着位置、および装着順序、適合ノズルなどを指定した装着シーケンスデータを保持している。制御装置16は、基板カメラ146および部品カメラ15の撮像データ、ならびに図略のセンサの検出データなどに基づき、装着シーケンスデータにしたがって部品装着動作を制御する。また、制御装置16は、生産完了した基板Kの生産数や、部品の装着に要した装着時間、部品の吸着エラーの発生回数などの稼動状況データを逐次収集して更新する。
(2.自動フィーダ装置9、リール保持装置6、手動フィーダ装置7の構成例)
次に、自動フィーダ装置9およびリール保持装置6の構成例について説明する。図2は、自動フィーダ装置9およびリール保持装置6を共通パレット5に装着した使用状態の構成例を示す側面図である。
共通パレット5は、機台19の上側に着脱可能に装備される。これに限定されず、共通パレット5は、機台19の上側に固定的に装備されていてもよい。共通パレット5は、フィーダ装着部51およびリール装着部55を有する。フィーダ装着部51は、略矩形の平面部52の前側に直立部53が設けられて形成されており、側面視で略L形状である。平面部52には、前後方向に延びる9条の第1~第9スロットSL1~SL9が幅方向に並んで刻設されている。図1には、第1、第5、および第9スロットSL1、SL5、SL9の幅方向の位置が示されている。自動フィーダ装置9は、スロットSL1~SL9の後方から前方の直立部53に向かって挿入され、装着される。第1~第9スロットSL1~SL9は、フィーダ装置7、9を配設する配設位置に相当する。
自動フィーダ装置9は、後端の中間高さ付近にテープ挿入口91を有し、後端の上部寄りに挿入レバー92を有している。挿入レバー92を持ち上げることで、テープ挿入口91に第1および第2部品収納テープ85、86を順番に挿入できるようになっている。自動フィーダ装置9のテープ挿入口91から前端上部に向けて繰り出しレール93が配設されている。繰り出しレール93の前端付近の上面に、供給位置94が設定されている。繰り出しレール93のテープ挿入口91に近い後部寄りの上面に、待機位置96が設定されている。挿入された第1および第2部品収納テープ85、86は、待機位置96まで進んで一旦停止する。
待機位置96の上方に、テープ制御部95が設けられている。テープ制御部95は、第1部品収納テープ85の待機位置96からの繰り出しを許容し、第2部品収納テープ86を待機させる。かつ、テープ制御部95は、第1部品収納テープ85が無くなると、自動的に第2部品収納テープ86の待機位置96からの繰り出しを許容する。したがって、第1および第2部品収納テープ85、86を接続するスプライシング作業は不要である。テープ制御部95の具体的な構成は、例えば、特開2014-82454号に開示されている。
さらに、自動フィーダ装置9は、サーボモータやスプロケットなどで構成される図略のテープ繰り出し機構を備える。自動フィーダ装置9は、待機位置96まで第1部品収納テープ85が挿入されると、サーボモータを正転駆動する。これにより、自動フィーダ装置9は、第1部品収納テープ85を自動的に繰り出して装填し、基板Kの生産準備が整う。つまり、自動フィーダ装置9は、自動装填機能を有する。第2部品収納テープ86の挿入時期は、第1部品収納テープ85を挿入した直後でもよいし、第1部品収納テープ85による生産が行われている途中でもよい。
また、自動フィーダ装置9は、排出指令を受け取ると、サーボモータを逆転駆動する。これにより、自動フィーダ装置9は、装填されている第1または第2部品収納テープ85、86の切断された先端を供給位置94からテープ挿入口91の方向へ排出する。つまり、自動フィーダ装置9は、自動排出機能を有する。排出指令は、制御装置16から指令され、あるいは、自動フィーダ装置9に付設された図略の排出ボタンが作業者に押下されて指令される。自動フィーダ装置9は、テープ制御部95を備えるとともに自動装填機能を有することで、新しい部品収納テープの補充作業の手間を大幅に軽減している。なお、本願の出願人は、自動フィーダ装置9の詳細な構成例を国際出願JP2014/064443号、および国際出願JP2014/083619号などに出願済みである。
共通パレット5のリール装着部55は、2本のアーム部材56、前渡し板57、および後渡し板58などで構成されている。リール装着部55は、1個または複数のリール保持装置6を装着できるようになっている。以下に詳述すると、2本のアーム部材56は、フィーダ装着部51の幅方向の両側の後部に、それぞれ固定されている。アーム部材56は、初めは水平後方に延び、続いて後下方向へと傾斜して延び、終わりは水平後方に延びるように形成されている。2本のアーム部材56の傾斜部分を連結するように、前渡し板57が渡されている。2本のアーム部材56の後方の水平部分を連結するように、後渡し板58が渡されている。前渡し板57および後渡し板58の上側に、リール保持装置6が着脱可能に装着される。
リール保持装置6は、前後方向に第1および第2部品供給リール81、82を並べつつ回転可能に保持している。リール保持装置6は、幅方向(リール軸線の方向)の大きさが限定されず、幅方向に1個または複数個の第1および第2部品供給リール81、82を並べて保持する。したがって、リール保持装置6は、1台または複数台の自動フィーダ装置9に対応して、その後方に装着される。
自動フィーダ装置9に装填されている第2部品収納テープ86に収納された部品がなくなるときに、作業者は、当該の自動フィーダ装置9の後方に配置されたリール保持装置6を交換し、あるいは第1および第2部品供給リール81、82のみを交換する。続いて、作業者は、第1および第2部品供給リール81、82から第1および第2部品収納テープ85、86を引き出し、自動フィーダ装置9のテープ挿入口91から待機位置96まで挿入する。この挿入作業は、2本の部品収納テープ85、86を接続するスプライシング作業と比較して軽微である。これにより、自動フィーダ装置9の自動装填機能が働き、第1および第2部品収納テープ85、86の供給位置94への繰り出しが順次行われる。
一方、手動フィーダ装置7は、リール保持装置が一体的に設けられ、部品供給リールを直接的に保持している。手動フィーダ装置7に装填されている部品収納テープに収納された部品がなくなるときに、作業者は、新しい部品供給リールを補充して、2本の部品収納テープを接続するスプライシング作業を行う必要がある。スプライシング作業は、作業者にとって煩わしい作業となっている。手動フィーダ装置7は、各種の公知技術に基づいて構成できるので、詳細な説明は省略する。
(3.実施形態の部品種割り振り方法)
次に、実施形態の部品種割り振り方法について、図3および図4を参考にして説明する。実施形態の部品種割り振り方法は、部品実装機1を含んで構成される基板生産ラインを管理する図略の制御装置(ホストコンピュータ)の演算処理機能によって実現されている。これに限定されず、部品種割り振り方法は、部品実装機1の制御装置16や、装着シーケンスデータなどの各種データを共有する別置のコンピュータ装置によって実現されてもよい。図3は、実施形態の部品種割り振り方法の演算処理フローを示した図である。また、図4は、演算処理フローの演算処理内容を例示説明する図である。
前提条件として、生産する基板Kに4種類の部品種PA、PB、PC、PDの部品が装着される簡易な例を想定する。このうち3種類の部品種PA、PB、PCの部品は、自動フィーダ装置9および手動フィーダ装置7のどちらからでも供給できる。部品種PDの部品は、後述する除外部品種に該当しており、手動フィーダ装置7のみから供給できる。また、自動フィーダ装置9が2台用意され、他に手動フィーダ装置7も用意されているものとする。実際には、基板Kにさらに多種類の部品が装着され、自動フィーダ装置9も3台以上である場合が多い。
図3のステップS1で、制御装置は、作業者の入力設定操作などに基づいて、割り振りモードを設定する。割り振りモードとして、作業性評価モードM1および装着点数優先モードM2のどちらかが択一的に設定される。作業性評価モードM1は、スプライシング作業の手間の大小に基づいて部品種を割り振るモードである。一方、装着点数優先モードM2は、1枚の基板Kあたりに装着される部品の装着点数Nに基づいて部品種を割り振るモードである。
ステップS2で、制御装置は、除外部品種の有無を確認する。除外部品種とは、特殊形状などの事由により自動フィーダ装置9から供給できない、あるいは、手動フィーダ装置7から供給したほうが好ましい部品種である。制御装置は、後述する作業性評価ステップS4からステップS6までの間およびステップS14からステップS16までの間、除外部品種である部品種Dを演算処理の対象から除外する。
ステップS3で、制御装置は、設定されたモードに基づいて、演算処理フローの分岐を制御する。すなわち、制御装置は、作業性評価モードM1が設定されていれば演算処理フローの実行を作業性評価ステップS4に進め、装着点数優先モードM2が設定されていれば演算処理フローの実行をステップS14に進める。
作業性評価ステップS4で、制御装置は、スプライシング作業の手間の大小を評価する。詳述すると、制御装置は、手動フィーダ装置7において装填されている部品収納テープに収納された部品がなくなるときに、新しい部品収納テープを補充して接続するスプライシング作業の手間の大小を、部品の部品種ごとに評価する。本実施形態では、スプライシング作業の手間の大小を表す指標として、スプライシング作業の実施頻度Sを用いる。実施頻度Sが大きいとスプライシング作業の回数が増加して手間が掛かるからである。
制御装置は、スプライシング作業の実施頻度Sを評価するために、作業性評価データを作成する。図4に示されるように、作業性評価データは、装着シーケンスデータおよび部品データに基づいて作成される。装着シーケンスデータは、基板Kに装着する部品の部品種、装着位置、および装着順序などをまとめたデータである。装着シーケンスデータには、1枚の基板Kあたりに装着される各部品種PA、PB、PCの装着点数Nが示されている。部品種PAの装着点数NA=100、部品種PBの装着点数NB=50、部品種PCの装着点数NC=100である。
一方、部品データは、部品実装機1で使用される各部品に関する情報をまとめたデータである。部品データには、各部品種PA、PB、PCのリール名、部品収納テープに収納された部品の全個数を意味する収納点数Q、部品の形状情報などが含まれる。部品種PAの収納点数QA=10000、部品種PBの収納点数QB=3000、部品種PCの収納点数QC=20000である。
制御装置は、各部品種PA、PB、PCについて、装着点数Nを収納点数Qで除算してスプライシング作業の実施頻度Sを演算する。実施頻度Sの単位は、(回/枚)である。部品種PAに関わる実施頻度SA=(NA/QA)=(100/10000)=(1/100)と演算される。これは、基板を100枚生産するごとに部品種PAに関するスプライシング作業を1回実施することを意味する。同様に、部品種PBに関わる実施頻度SB=(50/3000)=(1/60)と演算され、部品種PCに関わる実施頻度SC=(100/20000)=(1/200)と演算される。
さらに、制御装置は、実施頻度Sが大きい順番に優先度Yの順位付け行う。すなわち、実施頻度SBが最大である部品種PBの優先度YB=1位とし、以下、実施頻度SAが中間である部品種PAの優先度YA=2位とし、実施頻度SCが最小である部品種PCの優先度YC=3位とする。これにより、図4に示された作業性評価データが完成する。
次のステップS5で、制御装置は、優先度Yの高い部品種から順番に自動フィーダ装置9に優先的に割り振る。1回目のステップS5で、制御装置は、優先度YB=1位の部品種PBを第1の自動フィーダ装置9に割り振る。次のステップS6で、制御装置は、部品種が割り振られていない自動フィーダ装置9の残数が有れば演算処理フローの実行をステップS5に戻し、残数が無ければ演算処理フローの実行をステップS7に進める。1回目のステップS6で、第2の自動フィーダ装置9に部品種が割り振られていないので、制御装置は、演算処理フローの実行をステップS5に戻す。
2回目のステップS5で、制御装置は、優先度YA=2位の部品種PAを第2の自動フィーダ装置9に割り振る。2回目のステップS6で、自動フィーダ装置9の残数が無くなっているので、制御装置は、演算処理フローの実行をステップS7に進める。ステップS5およびステップS6からなるループ演算処理は、本発明の自動側割り振りステップに相当する。
ループ演算処理から抜け出たステップS7で、制御装置は、未だ割り振られていない優先度YC=3位の部品種PC、および除外部品種である部品種Dを手動フィーダ装置7に割り振る。
また、ステップS3で装着点数優先モードM2が設定されていたときに進むステップS14で、制御装置は、装着点数Nの多い順番に優先度Zの順位付け行う。すなわち、装着点数NA=装着点数NC=100と多く、部品種PAの優先度ZA=同率1位、部品種PCの優先度ZC=同率1位となる。また、装着点数NB=50と少なく、部品種PBの優先度ZB=3位となる。
次のステップS15およびステップS16で、作業性評価モードM1と同様に、制御装置は、優先度Zの高い部品種から順番に自動フィーダ装置9に優先的に割り振る。具体的に、制御装置は、優先度ZA=優先度ZC=同率1位である部品種PAおよび部品種PCを2台の自動フィーダ装置9に割り振る。これにより、自動フィーダ装置9の残数が無くなるので、制御装置は、演算処理フローの実行をステップS7に進める。ステップS7で、制御装置は、未だ割り振られていない優先度ZB=3位の部品種PB、および除外部品種である部品種Dを手動フィーダ装置7に割り振る。
上述したように、割り振りモードの設定に依存して、割り振り結果の異なる場合が生じ得る。仮に、装着点数優先モードM2を設定すると、スプライシング作業の実施頻度SBが最大である部品種PBを手動フィーダ装置7に割り振ることになる。これにより、スプライシング作業の回数が増加し、作業による生産停止時間が増加する。これに対して、作業性評価モードM1を設定すると、スプライシング作業の実施頻度SCが最小である部品種PCを手動フィーダ装置7に割り振ることになり、スプライシング作業の回数が少なくなる。したがって、通常は、装着点数優先モードM2よりも作業性評価モードM1の方が優れている。
その後のステップS8で、制御装置は、割り振り調整処理を行う。割り振り調整処理では、各部品種A~Dの装着順序や、手動フィーダ装置7および自動フィーダ装置9を第1~第9スロットSL1~SL9へ配置する並び順などが調整されて、装着シーケンスデータが更新される。一般的な傾向として、スプライシング作業の軽減に有利な自動フィーダ装置9は、迅速に消費される部品種に適用される場合が多い。このため、自動フィーダ装置9は、部品カメラ15および基板Kに近い幅方向の中央付近に配置される場合が多くなるが、一概には定まらない。割り振り調整処理に関しては、各種の技法が公知化されているので、詳細な説明は省略する。
(4.実施形態の態様および効果)
実施形態の部品種割り振り方法は、複数の部品収納部にそれぞれ部品を収納した部品収納テープ85、86が挿入されると部品収納テープ85、86を自動的に装填する自動装填機能を有する自動フィーダ装置9および自動装填機能を有さない手動フィーダ装置7に複数の部品種PA~PDを割り振る部品種割り振り方法であって、手動フィーダ装置7において装填されている部品収納テープに収納された部品がなくなるときに、新しい部品収納テープを補充して接続するスプライシング作業の手間の大小を、部品の部品種PA、PB、PCごとに評価する作業性評価ステップS4と、スプライシング作業の手間が大きな部品種PB、PAを自動フィーダ装置9に優先的に割り振る自動側割り振りステップ(ステップS5、S6)を有する。
これによれば、手動フィーダ装置9におけるスプライシング作業の手間の大小を評価し、スプライシング作業の手間が大きな部品種を自動フィーダ装置9に優先的に割り振る。したがって、手動フィーダ装置7に対して自動フィーダ装置9を優先的に用い、自動フィーダ装置9を有効活用してスプライシング作業を軽減できる。また、手動フィーダ装置7におけるスプライシング作業の手間が大きな順番から軽減されるので、基板Kの生産効率の向上に寄与できる。
さらに、作業性評価ステップS4において、手動フィーダ装置7におけるスプライシング作業の実施頻度S、部品収納テープ85、86の性状の差異に依存するスプライシング作業の難易度、およびスプライシング作業の所要時間の少なくとも一項目に基づいて、スプライシング作業の手間の大小を評価することができる。
スプライシング作業の手間の大小を表す指標として、実施頻度S以外にも難易度や所要時間を採用できる。例えば、スプライシング作業の難易度は、部品収納テープ85、86の材質や硬度などの差異に依存する。また、部品収納部が凸状に形成されたエンボステープと、表面が平らなフラットテープとの違いも影響する。したがって、スプライシング作業の難易度が高い部品種を自動フィーダ装置9に優先的に割り振ることにより、作業軽減効果が顕著になる。
さらに、スプライシング作業の手間の大小を表す指標を2つ以上組み合わせることもできる。例えば、部品収納テープの性状に依存してスプライシング作業の所要時間が変化する場合、実施頻度Sと所要時間の積を用いることが好ましい。この積が大きい部品種を自動フィーダ装置9に優先的に割り振ることで、生産停止時間を短縮できる。
さらに、作業性評価ステップS4において、1枚の基板Kあたりに装着される各部品の装着点数Nを、部品収納テープ85、86に収納される各部品の収納点数Qで除算してスプライシング作業の実施頻度Sをそれぞれ演算し、実施頻度Sが大きいほどスプライシング作業の手間が大きいと評価している。これによれば、基板Kの生産用に予め作成されている装着シーケンスデータおよび部品データを用いて容易に実施頻度Sを演算でき、スプライシング作業の手間を簡易に評価できる。
なお、実施形態の部品種割り振り方法は、部品種割り振り装置として実施することもできる。この部品種割り振り装置は、部品実装機1を含んで構成される基板生産ラインを管理する図略の制御装置(ホストコンピュータ)の演算処理機能によって実現されてもよく、これに限定されず、部品実装機1の制御装置16や、装着シーケンスデータなどの各種データを共有する別置のコンピュータ装置によって実現されてもよい。すなわち、実施形態の部品割り振り装置は、複数の部品収納部にそれぞれ部品を収納した部品収納テープ85、86が挿入されると部品収納テープ85、86を自動的に装填する自動装填機能を有する自動フィーダ装置9および自動装填機能を有さない手動フィーダ装置7に複数の部品種PA~PDを割り振る部品種割り振り装置であって、手動フィーダ装置7において装填されている部品収納テープに収納された部品がなくなるときに、新しい部品収納テープを補充して接続するスプライシング作業の手間の大小を、部品の部品種PA、PB、PCごとに評価する作業性評価部と、スプライシング作業の手間が大きな部品種を自動フィーダ装置9に優先的に割り振る自動側割り振り部を有する構成にできる。
この実施形態の部品種割り振り装置の作用および効果は、実施形態の部品種割り振り方法と同じである。
(5.実施形態の応用および変形)
なお、部品種の数よりも自動フィーダ装置9の台数が多く、かつ除外部品種が無い場合には、手動フィーダ装置7は必要でなくなる。また、実施形態の例示説明は簡略化されたものであり、実際には、さらに多数の部品種をさらに多数の自動フィーダ装置9および手動フィーダ装置7に割り振ることが多い。また、装着点数優先モードM2を使用せず、図3に示される演算処理フローのステップS1、S3、S14~S16を省略してもよい。本発明は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
1:部品実装機、5:共通パレット、51:フィーダ装着部、55:リール装着部、6:リール保持装置、7:手動フィーダ装置、81,82:第1,第2部品供給リール、85,86:第1,第2部品収納テープ、9:自動フィーダ装置、SL1~SL9:第1~第9スロット(配設位置)、PA,PB,PC:部品種

Claims (7)

  1. 部品収納テープを自動的に装填する自動装填機能を有する自動フィーダ装置と、
    作業者によるスプライシング作業を必要とする手動フィーダ装置と、
    前記自動フィーダ装置および前記手動フィーダ装置が配設される部品実装機と、
    1枚の基板あたりに装着される複数の部品種の各々の装着点数に基づいて前記複数の部品種を割り振る装着点数優先モードに基づいて前記自動フィーダ装置に部品種を割り振る制御装置と、
    を備えた基板生産システム。
  2. 前記部品実装機は、前記自動フィーダ装置および前記手動フィーダ装置から部品を採取し基板まで搬送して装着する装着ヘッドと、前記装着ヘッドが前記自動フィーダ装置および前記手動フィーダ装置から前記基板に移動する途中で前記装着ヘッドが採取した前記部品を撮像する部品カメラとを備え、
    前記制御装置は、前記自動フィーダ装置および前記手動フィーダ装置を前記部品実装機に配設する並び順を調整する際に、前記自動フィーダ装置を、前記手動フィーダ装置よりも前記部品カメラに近い位置に定める請求項1に記載の基板生産システム。
  3. 前記制御装置は、前記自動フィーダ装置および前記手動フィーダ装置に複数の部品種を割り振るモードとして、新しい部品収納テープを補充して接続する前記スプライシング作業の手間の大小に基づいて前記複数の部品種を割り振る作業性評価モードおよび、前記装着点数優先モードのどちらかが択一的に設定され、設定されたモードに基づいて前記自動フ ィーダ装置および前記手動フィーダ装置に複数の部品種を割り振る請求項1または2に記載の基板生産システム。
  4. 部品収納テープを自動的に装填する自動装填機能を有する自動フィーダ装置と、作業者によるスプライシング作業を必要とする手動フィーダ装置と、前記自動フィーダ装置および前記手動フィーダ装置が配設される部品実装機と、を備えた基板生産ラインを管理し、前記自動フィーダ装置および前記手動フィーダ装置のどちらからでも供給できる部品種に対する前記自動フィーダ装置への割り振りをする制御装置であって、
    新しい部品収納テープを補充して接続する前記スプライシング作業の実施頻度に基づいて、前記実施頻度が大きい順番に前記自動フィーダ装置への割り振りを実施する制御装置 。
  5. 複数の部品種を、部品収納テープを自動的に装填する自動装填機能を有する自動フィーダ装置および作業者によるスプライシング作業を必要とする手動フィーダ装置に割り振る工程と、
    前記自動フィーダ装置および前記手動フィーダ装置を部品実装機へ配置する並び順を調整する工程と、
    を備えた基板生産方法。
  6. 部品収納テープを自動的に装填する自動装填機能を有する自動フィーダ装置および作業者によるスプライシング作業を必要とする手動フィーダ装置のどちらからでも供給できる部品種に対する前記自動フィーダ装置への割り振り方法であって、
    前記部品種について、新しい部品収納テープを補充して接続する前記スプライシング作業の実施頻度を演算する工程と、
    演算された前記実施頻度に基づいて、前記実施頻度が大きい順番に前記自動フィーダ装置 への割り振りを実施する工程と
    を備えた基板生産方法。
  7. 部品収納テープを自動的に装填する自動装填機能を有する自動フィーダ装置と、
    作業者によるスプライシング作業を必要とする手動フィーダ装置と、
    前記自動フィーダ装置および前記手動フィーダ装置が配設される部品実装機と、
    新しい部品収納テープを補充して接続する前記スプライシング作業の実施頻度と、前記スプライシング作業の所要時間とを演算し、前記自動フィーダ装置に部品種を割り振る制御装置と、
    を備えた基板生産システム。
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