JP4337862B2 - 光学デバイス、光スキャナ、および画像形成装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1にかかる光学デバイスは、シリコンで構成された板状の可動部上に、アルミニウムで構成された光反射部を直接設けたものを、その両側で1対のねじりバネによって回動可能に支持してなる。そして、1対のねじりバネをねじれ変形させながら、可動部を回動(振動)させることにより、光走査を行う。その際、光反射部では、照射された光のほとんどが反射する。
そのため、かかる光学デバイスを長時間使用すると、可動部の形状や光反射部の材質等によっては、熱により可動部に反りなどの変形が生じて、光反射部の平面性が損なわれるおそれがある。また、可動部からの熱によりねじりバネの材料物性が変化して、ねじりバネのバネ定数が変化してしまうおそれがある。
光反射部の平面性が損なわれたり、ねじりバネのバネ定数が変化したりすると、安定した駆動(描画)を行うことが難しい。
本発明の光学デバイスは、光反射部を有し、回動可能に設けられた可動部と、
前記可動部を支持するための支持部と、
前記支持部に対し前記可動部を回動可能とするように前記可動部と前記支持部とを連結する弾性連結部と、
前記可動部を駆動する駆動手段とを有し、
前記駆動手段が前記弾性連結部を捩れ変形させながら前記可動部を回動させることにより、前記光反射部で反射した光を対象物に走査する光学デバイスであって、
前記可動部を冷却する冷却手段を有し、
前記冷却手段は、前記可動部の本体上と前記支持部上とこれらの間とに連続して設けられ、前記光反射部を兼ねるとともに、前記可動部の本体を構成する材料よりも熱伝導率の高い材料で構成された高熱伝導膜と、前記支持部上にて前記高熱伝導膜に接続され、前記高熱伝導膜に伝達された熱を放熱するヒートシンクとを有することを特徴とする。
これにより、可動部の昇温を防止することができる。その結果、本発明の光学デバイスは、安定した駆動を行うことができる。
特に、可動部の熱を高熱伝導膜を通じて可動部の外部へ積極的に放熱して、可動部を冷却することができる。そのため、比較的簡単な構成で、可動部の昇温を防止することができる。
また、高熱伝導膜に伝達された熱をヒートシンクからより積極的に放熱することができる。そのため、可動部の昇温をより確実に防止することができる。
前記可動部を支持するための支持部と、
前記可動部を駆動するための駆動部と、
前記支持部に対し前記駆動部を回動可能とするように前記支持部と前記駆動部とを連結する第1の弾性連結部と、
前記駆動部に対し前記可動部を回動可能とするように前記駆動部と前記可動部とを連結する第2の弾性連結部と、
前記可動部を駆動する駆動手段とを有し、
前記駆動手段が、前記第1の弾性連結部を捩れ変形させながら、前記駆動部を回動させ、これに伴い、前記第2の弾性連結部を捩れ変形させながら、前記可動部を回動させることにより、前記光反射部で反射した光を対象物に走査する光学デバイスであって、
前記可動部を冷却する冷却手段を有し、
前記冷却手段は、前記可動部の本体上と前記支持部上または前記駆動部上とこれらの間とに連続して設けられ、前記光反射部を兼ねるとともに、前記可動部の本体を構成する材料よりも熱伝導率の高い材料で構成された高熱伝導膜と、前記支持部上または前記駆動部上にて前記高熱伝導膜に接続され、前記高熱伝導膜に伝達された熱を放熱するヒートシンクとを有することを特徴とする。
これにより、可動部の昇温を防止することができる。その結果、本発明の光学デバイスは、安定した駆動を行うことができる。
特に、可動部の熱を高熱伝導膜を通じて可動部の外部へ積極的に放熱して、可動部を冷却することができる。そのため、比較的簡単な構成で、可動部の昇温を防止することができる。
また、高熱伝導膜に伝達された熱をヒートシンクからより積極的に放熱することができる。そのため、可動部の昇温をより確実に防止することができる。
これにより、光反射部で生じた熱を高熱伝導膜を通じて可動部の外部へ放出するとともに、高熱伝導膜で放出しきれなかった熱を低熱伝導膜に一時的に蓄積することができる。そして、低熱伝導膜に蓄積された熱は、高熱伝導膜を通じて可動部の外部へ放出される。そのため、光反射部で生じた熱が可動部へ伝達されるのをより確実に防止しつつ、可動部の冷却を行うことができる。
これにより、可動部の面のほぼ全域において可動部の熱を高熱伝導膜を通じて可動部の外部へ積極的に放熱することができる。そのため、可動部の昇温をより確実に防止することができる。
これにより、可動部と一体的に形成された部分の熱を下げて、可動部の昇温をより確実に防止することができる。
これにより、ヒートシンクとその周囲との気体との接触抵抗を低減しつつ、可動部の冷却効果を高めることができる。
本発明の光学デバイスでは、前記ヒートシンクは、前記駆動部の回動軸線に対し直角な方向において端部側の高さが中央部側の高さよりも低いことが好ましい。
これにより、駆動部の回動軸線に直角な方向での端部の駆動時における慣性力を低減し、駆動部の設計を容易なものとすることができる。
これにより、可動部の昇温を防止することができる。その結果、本発明の光スキャナは、安定した駆動を行うことができる。
これにより、可動部の昇温を防止することができる。その結果、本発明の画像形成装置は、安定した駆動を行うことができる。
<第1実施形態>
まず、本発明の光学デバイスの第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の光学デバイスの第1実施形態を示す平面図(内部透視図)、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示す光学デバイスの電極の配置を示す平面図、図4は、図1に示す光学デバイスの駆動電圧の一例(交流電圧)を示す図、図5は、印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の振幅との関係を示すグラフである。なお、以下では、説明の便宜上、図1および図3中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
基体2は、一対の第1の質量部(駆動部)21、22と、上面(後述する対向基板3とは反対側の面)に光反射部231が設けられた第2の質量部(可動部)23と、これらを支持するための支持部24とを備えている。
また、本実施形態では、第1の質量部21、22は、互いにほぼ同一形状かつほぼ同一寸法をなし、第2の質量部23を介して、ほぼ対称に設けられている。
さらに、基体2は、図1および図2に示すように、第1の質量部21、22と支持部24とを連結する一対の第1の弾性連結部25、25と、第1の質量部21、22と第2の質量部23とを連結する一対の第2の弾性連結部26、26とを備えている。
各第1の弾性連結部25、25および各第2の弾性連結部26、26は、同軸的に設けられており、これらを回動中心軸(回転軸)27として、第1の質量部21、22が支持部24に対して、また、第2の質量部23が第1の質量部21、22に対して回動可能となっている。
本実施形態では、このような2自由度振動系は、基体2の全体の厚さよりも薄く形成されているとともに、図2にて上下方向で基体2の上部に位置している。換言すれば、基体2には、基体2の全体の厚さよりも薄い部分(以下、薄肉部という)が形成されており、この薄肉部に異形孔が形成されることにより、第1の質量部21、22と第2の質量部23と第1の弾性連結部25、25と第2の弾性連結部26、26とが形成されている。
このような基体2は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、第1の質量部21、22と、第2の質量部23と、支持部24と、第1の弾性連結部25、25と、第2の弾性連結部26、26とが一体的に形成されている。
なお、基体2は、SOI基板等の積層構造の基板から、第1の質量部21、22と、第2の質量部23と、支持部24と、第1の弾性連結部25、25と、第2の弾性連結部26、26を形成したものであってもよい。
対向基板3の上面には、図2および図3に示すように、第2の質量部23に対応する部分に開口部31が形成されている。
この開口部31は、第2の質量部23が回動(振動)する際に、対向基板3に接触するのを防止する逃げ部を構成する。開口部(逃げ部)31を設けることにより、光学デバイス1全体の大型化を防止しつつ、第2の質量部23の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。光学デバイス1において、対向基板3がシリコンを主材料として構成されている場合、ガラス材料などで対向基板が構成されている場合に比し、前述のような開口部などの逃げ部を簡単にそして高精度(高アスペクト比)に形成することができる。
なお、第1の質量部21、22は、各電極32と対向する面に、それぞれ、絶縁膜(図示せず)が設けられている。これにより、第1の質量部21、22と各電極32との間での短絡が発生するのが好適に防止される。
また、本実施形態では、接合層4の上面に上述の電極32が設けられている。これにより、電極32と第1の質量部21、22との間のギャップを調整することができる。また、接合層4を絶縁性を有する材料で構成することにより、電極32と対向基板3との間の絶縁性を確保することができる。
冷却手段10は、可動部である第2の質量部23を冷却する機能を有する。これにより、第2の質量部23の昇温を防止することができる。その結果、昇温による第2の質量部23の変形や第2の弾性連結部26のバネ定数の変化を防止して、光学デバイス1の駆動を安定化することができる。
高熱伝導膜11は、可動部である第2の質量部23の本体上に設けられている。
そして、高熱伝導膜11は、第2の質量部23(第2の質量部23の本体)の構成材料(すなわち基体2の構成材料)の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料(以下、高熱伝導材料という)で構成されている。したがって、この高熱伝導膜11を介して第2の質量部23を放熱することができる。これにより、第2の質量部23の熱を高熱伝導膜11を通じて第2の質量部23の外部へ積極的に放熱して、第2の質量部23を冷却することができる。そのため、比較的簡単な構成で、第2の質量部23の昇温を防止することができる。
これらの中でも、高熱伝導性材料としては、アルミニウム、銅、チタン、ステンレス鋼のような金属材料、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等のセラミックス材料が好ましい。
このように冷却手段10が高熱伝導膜11に接続されたヒートシンク12を有しているので、高熱伝導膜11に伝達された熱をヒートシンク12からより積極的に放熱することができる。そのため、第2の質量部23の昇温をより確実に防止することができる。
このようなヒートシンク12は、第2の質量部23の構成材料(すなわち基体2の構成材料)の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料(以下、高熱伝導材料という)で構成されている。したがって、ヒートシンク12の構成材料としては、前述した高熱伝導材料と同様のものを用いることができる。
なお、本実施形態ではヒートシンク12は高熱伝導膜11と別体として形成されているが、ヒートシンク12と高熱伝導膜11とが一体となっていてもよい。
すなわち、第1の質量部21、22と各電極32との間に、例えば、正弦波(交流電圧)等を印加する。具体的には、例えば、第1の質量部21、22をアースしておき、図3中上側の2つの電極32に、図4(a)に示すような波形の電圧を印加し、図3中下側の2つの電極32に、図4(b)に示すような波形の電圧を印加する。すると、第1の質量部21、22と各電極32との間に静電気力(クーロン力)が生じる。
そして、この第1の質量部21、22の振動(駆動)に伴って、第2の弾性連結部26を介して連結されている第2の質量部23も、回動中心軸27(第2の弾性連結部26)を軸に、基体2の板面(図1における紙面)に対して傾斜するように振動(回動)する。
その際、光反射部231に照射された光の一部は、光反射部231で反射せずに熱となる。この熱は、高熱伝導膜11を通じて、ヒートシンク12へ伝導し、外部へ放出される。これにより、光反射部231で生じた熱により第2の質量部23が昇温するのを防止することができる。そのため、光学デバイス1は、第2の質量部23が昇温により反りなどの変形を生じることなく、安定に駆動して、高精度な描画や光走査を行うことができる。
このような構成により、第2の質量部23が振動し得るスペース、および、第1の質量部21、22が振動し得るスペースとして、大きなスペースが確保されている。したがって、第1の質量部21、22の質量を比較的小さく設定すること等により、第1の質量部21、22を大きな振れ角で振動させた場合や、さらに第2の質量部23が共振によって大きな振れ角で振動した場合でも、各質量部21、22、23(2自由度振動系)が対向基板3に接触することを好適に防止することができる。
ここで、第1の質量部21、22および第2の質量部23の寸法は、それぞれ、L1<L3かつL2<L3なる関係を満足するよう設定されている。これにより、L1およびL2をより小さくすることができ、第1の質量部21、22の回転角度をより大きくすることができ、第2の質量部23の回転角度をさらに大きくすることができる。
また、このように、L1およびL2を小さくすることにより、第1の質量部21、22と各電極32との間の距離をより小さくすることができ、第1の質量部21、22と各電極32に印加する交流電圧をさらに小さくすることができる。
このため、このような光学デバイス1を、例えばレーザープリンタや、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の装置に用いられる光スキャナに適用した場合には、より容易に装置の小型化を図ることができる。
ところで、このような質量部21、22、23よりなる振動系(2自由度振動系)では、第1の質量部21、22および第2の質量部23の振幅(振れ角)と、印加する交流電圧の周波数との間に、図5に示すような周波数特性が存在している。
この振動系では、第1の質量部21、22と電極32との間に印加する交流電圧の周波数Fが、2つの共振周波数のうち低いもの、すなわち、fm1とほぼ等しくなるように設定するのが好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振幅を抑制しつつ、第2の質量部23の振れ角(回転角度)を大きくすることができる。
なお、本明細書中では、F[kHz]とfm1[kHz]とがほぼ等しいとは、(fm1−1)≦F≦(fm1+1)の条件を満足することを意味する。
第2の質量部23の平均厚さは、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第1の弾性連結部25のばね定数k1は、1×10−4〜1×104Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×103Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×102Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、第2の質量部23の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
さらに、第1の質量部21、22の慣性モーメントをJ1とし、第2の質量部23の慣性モーメントをJ2としたとき、J1とJ2とは、J1≦J2なる関係を満足することが好ましく、J1<J2なる関係を満足することがより好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部23の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
なお、本実施形態の振動系は、一対の第1の弾性連結部25および一対の第2の弾性連結部26のうち少なくとも1つの内部にピエゾ抵抗素子を設けることにより、例えば、回転角度および回転周波数を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第2の質量部23の姿勢の制御に利用することができる。
図6、図7は、それぞれ、第1実施形態の光学デバイスの製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図6、図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
次に、シリコン基板5の一方の面に、図6(b)に示すように、支持部24と各質量部21、22、23との形状に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク6を形成する。
そして、図6(c)に示すように、シリコン基板5の他方の面に、フォトレジストを塗布し、露光、現像を行う。これにより、図6(c)に示すように、支持部24の形状に対応するように、レジストマスク7を形成する。なお、レジストマスク7の形成は、金属マスク6の形成よりも先に行ってもよい。
次に、このレジストマスク7を介して、シリコン基板5の前記他方の面をエッチングした後、レジストマスク7を除去する。これにより、図6(d)に示すように、支持部24に対応する部分以外の領域に凹部51が形成される。
そして、金属マスク6を除去した後、図6(e)に示すように、第2の質量部23上に高熱伝導膜11を形成し、次いで、ヒートシンク12を設けるとともに光反射部231を形成する。
なお、ここで、シリコン基板5をエッチングを行った後、金属マスク6を除去せずに残存させ、高熱伝導膜11の一部として用いることができる。
以上の工程により、図6(e)に示すように、各質量部21、22、23および支持部24が一体的に形成された基体2上に冷却手段10が形成された構造体が得られる。
そして、シリコン基板9の一方の面に、開口部31を形成する領域を除いた部分に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスクを形成する。
次に、この金属マスクを介して、シリコン基板9の一方の面側をエッチングした後、金属マスクを除去する。これにより、開口部31が形成された対向基板3が得られる。
次に、接合層4上に、図7(c)に示すように、電極32を形成する。これにより、接合層4の厚さを調整することで、電極32と第1の質量部21、22との間のギャップを調整することができる。
次に、図7(d)に示すように、前記工程[A1]で得られた構造体と、前記工程[A2]で接合層4が成膜された対向基板3とを、例えば陽極接合により接合して光学デバイス1を得る。
以上のようにして、第1実施形態の光学デバイス1が製造される。
次に、本発明の光学デバイスの第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の光学デバイスの第2実施形態を示す平面図(内部透視図)、図9は、図8中のA−A線断面図である。
本実施形態にかかる光学デバイス1Aは、冷却手段の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる光学デバイス1と同様である。
特に、ヒートシンク12Aには、第1の質量部21、22の回動軸線に対し直角な方向に延びるフィン12A1が前記回動軸線方向に間隔を隔てて設けられている。これにより、ヒートシンク12Aとその周囲との気体との接触抵抗を低減しつつ、第2の質量部23の冷却効果を高めることができる。
特に、ヒートシンク12Aは、第1の質量部21、22の回動軸線に対し直角な方向での中央部、すなわち端部を除く領域に設けられているので、第1の質量部21、22の回動軸線に直角な方向での端部の駆動時における慣性力をより低減することができる。
まず、電子写真方式を採用するプリンタに本発明を適用した例を説明する。
図10は、本発明の光スキャナを備える画像形成装置(プリンタ)の一例を示す全体構成の模式的断面図である。
帯電ユニット112は、コロナ帯電などにより感光体111の表面を一様に帯電するための装置である。
露光ユニット113は、図示しないパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータから画像情報を受けこれに応じて、一様に帯電された感光体111上に、レーザーを選択的に照射することによって、静電的な潜像を形成する装置である。
このような露光ユニット113にあっては、レーザー光源131からコリメータレンズ132を介して光学デバイス1(光反射部251)にレーザー光Lが照射される。そして、光反射部251で反射したレーザー光Lがfθレンズを介して感光体111上に照射される。
このようにして露光ユニット113は、感光体111上を選択的に露光して画像形成(描画)を行う。
中間転写ベルト151は、駆動ローラ154の回転により、一次転写ローラ152および従動ローラ153を従動回転させながら、図10に示す矢印方向に、感光体111とほぼ同じ周速度にて回転駆動されるようになっている。
二次転写ローラ155は、中間転写ベルト151上に形成された単色やフルカラーなどのトナー像を、紙、フィルム、布等の記録媒体Pに転写するための装置である。
定着装置118は、前記トナー像の転写を受けた記録媒体Pを加熱および加圧することにより、前記トナー像を記録媒体Pに融着させて永久像として定着させるための装置である。
感光体111の帯電された領域は、感光体111の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット113によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が前記領域に形成される。
感光体111上に形成されたイエロートナー像は、感光体111の回転に伴って一次転写位置(すなわち、感光体111と一次転写ローラ152との対向部)に至り、一次転写ローラ152によって、中間転写ベルト151に転写(一次転写)される。このとき、一次転写ローラ152には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。なお、この間、二次転写ローラ155は、中間転写ベルト151から離間している。
前述の処理と同様の処理が、第2色目、第3色目および第4色目について繰り返して実行されることにより、各画像信号に対応した各色のトナー像が、中間転写ベルト151に重なり合って転写される。これにより、中間転写ベルト151上にはフルカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト151上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写ベルト151の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ローラ155によって記録媒体Pに転写(二次転写)される。このとき、二次転写ローラ155は中間転写ベルト151に押圧されるとともに二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。
一方、感光体11は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット116のクリーニングブレード161によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット116内の残存トナー回収部に回収される。
図12は、本発明の画像形成装置(イメージングディスプレイ)の一例を示す概略図である。
図12に示す画像形成装置119は、光スキャナである光学デバイス1と、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の光源191、192、193と、クロスダイクロイックプリズム(Xプリズム)194と、ガルバノミラー195と、固定ミラー196と、スクリーン197とを備えている。
そして、光反射部251で反射した光(3色の合成光)は、ガルバノミラー195で反射した後に、固定ミラー196で反射し、スクリーン197上に照射される。
なお、本発明は2自由度振動系以外の振動系の光学デバイスにも適用することができる。例えば、前述した第1、2実施形態において、第1の質量部および第1の弾性連結部を省略し、第2の弾性連結部により第2の質量部と支持部とを連結したような形態としてもよい。すなわち、本発明は、1自由度振動系を有するねじり振動子を用いた光学デバイスにも適用することができる。このようなねじり振動子を用いた光学デバイスにあっても、マイクロマシン技術を用いて製造することができるので、小型化を図ることができる。
また、例えば、本発明の光学デバイスは、第1実施形態の任意の構成と第2実施形態のの任意の構成とを組み合わせるようにしてもよい。
また、本発明の光学デバイスでは、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、可動部(第2の質量部)を冷却する冷却手段としては、可動部を冷却または放熱することができるものであれば、前述した実施形態のものに限定されない。
Claims (9)
- 光反射部を有し、回動可能に設けられた可動部と、
前記可動部を支持するための支持部と、
前記支持部に対し前記可動部を回動可能とするように前記可動部と前記支持部とを連結する弾性連結部と、
前記可動部を駆動する駆動手段とを有し、
前記駆動手段が前記弾性連結部を捩れ変形させながら前記可動部を回動させることにより、前記光反射部で反射した光を対象物に走査する光学デバイスであって、
前記可動部を冷却する冷却手段を有し、
前記冷却手段は、前記可動部の本体上と前記支持部上とこれらの間とに連続して設けられ、前記光反射部を兼ねるとともに、前記可動部の本体を構成する材料よりも熱伝導率の高い材料で構成された高熱伝導膜と、前記支持部上にて前記高熱伝導膜に接続され、前記高熱伝導膜に伝達された熱を放熱するヒートシンクとを有することを特徴とする光学デバイス。 - 光反射部を有し、回動可能に設けられた可動部と、
前記可動部を支持するための支持部と、
前記可動部を駆動するための駆動部と、
前記支持部に対し前記駆動部を回動可能とするように前記支持部と前記駆動部とを連結する第1の弾性連結部と、
前記駆動部に対し前記可動部を回動可能とするように前記駆動部と前記可動部とを連結する第2の弾性連結部と、
前記可動部を駆動する駆動手段とを有し、
前記駆動手段が、前記第1の弾性連結部を捩れ変形させながら、前記駆動部を回動させ、これに伴い、前記第2の弾性連結部を捩れ変形させながら、前記可動部を回動させることにより、前記光反射部で反射した光を対象物に走査する光学デバイスであって、
前記可動部を冷却する冷却手段を有し、
前記冷却手段は、前記可動部の本体上と前記支持部上または前記駆動部上とこれらの間とに連続して設けられ、前記光反射部を兼ねるとともに、前記可動部の本体を構成する材料よりも熱伝導率の高い材料で構成された高熱伝導膜と、前記支持部上または前記駆動部上にて前記高熱伝導膜に接続され、前記高熱伝導膜に伝達された熱を放熱するヒートシンクとを有することを特徴とする光学デバイス。 - 前記可動部の本体と前記高熱伝導膜との間に、前記高熱伝導膜の構成材料よりも熱伝導率の低い低熱伝導膜が介在している請求項1または2に記載の光学デバイス。
- 前記可動部は、板状をなしており、前記高熱伝導膜は、前記可動部の少なくとも一方の面のほぼ全域を覆うように設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の光学デバイス。
- 前記ヒートシンクは、前記可動部と一体的に形成された部分の上に設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の光学デバイス。
- 前記ヒートシンクは、前記駆動部上に設けられており、前記ヒートシンクには、前記駆動部の回動軸線に対し直角な方向に延びるフィンが前記回動軸線方向に間隔を隔てて設けられている請求項2に記載の光学デバイス。
- 前記ヒートシンクは、前記駆動部の回動軸線に対し直角な方向において端部側の高さが中央部側の高さよりも低い請求項6に記載の光学デバイス。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の光学デバイスを備えることを特徴とする光スキャナ。
- 請求項8に記載の光スキャナを備えることを特徴とする画像形成装置。
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