JP4340728B2 - 可変形ミラー装置 - Google Patents

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Description

本発明は可変形ミラー装置に関し、特にレーザー装置、光軸調整装置、光計測装置、レーザ加工装置など制御された精密な波面を必要とされる光学装置に好適な、簡単に波面の補正と制御を行うことができる可変形ミラー装置に関するものである。
従来、マイクロマシン技術を利用して静電気力で薄膜ミラーの形状を制御する技術が提案されている。下記特許文献1にはこのような可変形ミラーが開示されている。この可変形ミラーの構造は、半導体基板の表面に多数の金属電極を配置し、その上に金属で裏打ちされた薄膜ミラーを近接して貼り付け、半導体基板上の電極に電圧を加えることにより静電気力を発生し、その引力によるミラーの変形を利用して、光の波面の制御を行うものである。
前記方式の可変形ミラーについては、形状の制御性に乏しいことから、薄膜ミラーの製造方法と構成を改良したものも提案されている。下記特許文献2には改良された従来の可変形ミラー装置が開示されている。図9は、従来の可変形ミラーの構成を示す断面図である。アルミ製のミラー50とそれを支える薄い支持母材51から成る、厚さが5〜20μmの薄膜が下部の複数の電極52と間隔をおいて正対して設置されている。可変電圧源53によって下部電極52に電圧を印加することにより、下部電極52とアルミミラー50の間に静電気力が発生し、その結果、ミラー50が変形する。
特開平5−157903号公報 特開2001−201622号公報
前記した従来の可変形ミラーにおいては、下記のような問題点があった。
(1)静電引力を利用することから、凹の形状しか実現できず、凹凸のある形状を実現できない。
(2)下部の一つの電極に電圧を印加すると、その周辺部のミラーの形状にも変化を与える。従って、下部の電極間には相互に関係があり、しかも相互の関係は線形要素だけでなく非線形要素も考慮することが必要となる。この場合、ミラー形状の制御変数の数は、下部電極の数ではなく、下部電極の組み合わせで決まる。従って、下部電極の数が増大するに従って制御する変数が指数関数的に増大し、最適なミラー形状の探索が困難となる。
(3)ミラーの周囲が縁止めされている。従って、ミラーの周辺部は電圧を印加しても変位量が小さい。即ち、入力である下部電極に対する電圧と出力であるミラー形状の変化の関係が、電極の位置に依存することになり、面内均一性が無い。
(4)薄膜ミラーであることから、ミラーの初期形状がミラーの初期設置状態により異なる。ミラーの表面にマイクロメートルレベルの凹凸があるため、ミラーの初期形状を平面状態とすることが出来ない。
(5)薄膜ミラーであるために機械的な安定性に欠ける。外部からの振動に弱く、膜の固有振動が存在する。そして、固有振動に起因する雑音がミラーの光出力に付加される。
(6)薄膜ミラーであることからミラーの放熱特性が悪い。従って、使用時のミラー形状の経時変化が存在する。特に、ミラーがアルミなどの金属から構成される場合、入射光の数パーセントの吸収が存在し、ミラーが加熱される。下地51の材料がシリコンナイトライドの場合、熱伝導特性が悪いことから、熱による影響を非常に受け易い構造となっている。また、熱膨張係数の違いから、薄膜ミラーの破損に至ることもある。
(7)静電引力を用いた形式の場合、外部制御電気信号を記憶する機能がないことから、全ての電極に電圧を常時印加することが必要になる。従って、制御電圧の数と同じ数の可変電源が必要となる。
(8)ミラーの可変量が小さい。ミラーの変位量を大きくするためにはミラーの直径を大きくすることが必要である。しかし、ミラーの直径を大きくすると、薄膜ミラー面の形状保持と制御が困難になることから現実的ではない。
本発明の目的は、前記のような従来技術の問題点を解決し、機械的に安定で熱負荷に強く、かつ形状の制御が簡単な可変形ミラー装置を提供することにある。
本発明者は、従来の薄膜ミラーを静電引力で制御する方式の可変形ミラーの耐熱性を向上させるために、既に、新しい構造の可変形ミラーを発明した。(特願2003-092986、特願2003-092987)このミラーの特徴は、ミラーが耐熱性ポリマーを介して、複数のロッド(柱状部材)により支持されており、このロッドの伸長によりミラーの形状を制御する点にある。ロッドの伸長は、ロッド下面に設けられたpn接合ダイオードに電流を流すことによる発熱により制御される。
耐熱性ポリマーの存在により、ロッド部の熱歪みがミラーの下面では緩和される。また、ミラーの下地のポリマーは、図9のミラー下地のシリコンナイトライドよりも柔らかく、容易に弾性変形することにより内部応力の低減が可能となる。従って、可変形ミラーにレーザ光が入射して、その光吸収による熱負荷がかかった場合でも、耐熱性ポリマーの弾性変形によりミラーにかかる応力を小さくすることが可能となり、ミラーの破壊を防ぐ役割を果たす。
また、この耐熱性ポリマーは、入力光のミラーに対する熱負荷を熱伝導により逃がす役割を有しており、機械的に安定に保持する役割も果たす。更には、ロッドの変位量がミラー面の変位量に対応し、隣のロッド上のミラー面の変位をもたらさない。従って、各ロッドへの電流値により、各ロッドの伸長量を知ることが出来、ミラーの形状を推定することが可能になる。従って、ミラー形状の最適化制御に関しては、既存技術に比較して、非常に簡単なものとなる。
上記した新しい可変形ミラーにおいては、これまでロッドの部分としてシリコン基板をエッチングすることで対応していた。しかし、この場合、ロッドの変位量を大きくするためには、シリコン基板のエッチング量を大きくする必要があった。シリコンの線膨張率は0.0415x10-4 (/K)(理化学辞典より)であり、アルミニウム0.237x10-4 (/K)と比較すると5分の1以下である。従って、4μmの変位量を実現するには、10mmのシリコンロッドを100度加熱することが必要となる。しかし、10mmのシリコンの垂直エッチングは時間とコストの観点から困難である。
そこで、本発明者は新たな構造の可変形ミラーを発明した。本発明の可変形ミラー装置は、変形可能な板状のミラーと、前記ミラーの裏面に固着され、温度によって長さが変わる複数の柱状部材と、前記柱状部材と対応して柱の底部に固着された発熱手段とを備えたことを主要な特徴とする。
この可変形ミラー装置は、加熱手段にそれぞれ所望の電力を加えて発熱させ、柱状部材を所望の温度に加熱することによって柱状部材が所望の量だけ伸張し、ミラーが所望の形状に変形する。
近年発達の著しい電子実装技術により、mm以下の金属部品を大量に再現性良く製造することが可能となっている。柱状部材として長さ4mmのアルミニウムロッドを使用し、100度加熱すると約10μmの変位量が実現される。ロッドの大きさは実装技術では標準的な値であり、過熱温度についてはミラー裏面に塗布するポリイミド等の耐熱性ポリマーやシリコン加熱素子(ダイオード)において問題の無い温度であり、変位量は市販の可変形ミラーの変位量よりも大きな値である。また、アルミロッドの長さを長くすることにより、変位量をより大きくすることが出来るという特徴がある。
本発明は、半導体プロセスで製造される加熱部は共通に使用でき、ユーザからの要望による変位量の設定については、アルミなどの金属ロッドの長さの調節のみで対応が可能である。従って、ユーザからの多様な要望については、半導体プロセスではなく、電子実装プロセスのみの変更で対応が可能となる。
本発明の可変形ミラーには以下のような効果がある。
(1)周囲のロッドとの伸張に関する関係が無く、ロッドの長さの制御が簡単である。
(2)凹凸のある形状を実現でき、ミラーの周囲が縁止めされていないので面内均一性がある。
(3)ミラーの裏面全体を支持しているので、機械的に安定であり、初期形状を平面状態とすることが出来、放熱特性が良い。
(4)膜の固有振動が存在せず、固有振動に起因する雑音がミラーの光出力に付加されない。
(5)ロッドの材質および長さを選定することにより変位量の設定が可能である。
(6)加熱部は既存の半導体プロセスで製造可能であり、ミラー装置の製造が容易である。
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の可変形ミラー装置の構造を示す断面図である。この可変形ミラー装置は、ミラー10が耐熱性ポリマー11を介して、複数のロッド12により支持されており、各可変電流源14を図示しないコンピュータによって制御することによって、加熱手段である各ダイオード13にそれぞれ所望の電力を加えて発熱させ、ロッド12を所望の温度に加熱することによってロッドが所望の量だけ伸張し、ミラー10が所望の形状に変形する。なお、外部から制御可能な可変の電流源やコンピュータは周知であるので詳細な説明は省略する。
ミラー10は、金属ミラーでも誘電体ミラーのどちらでも良い。ミラーの光吸収によるダメージを防止するには、反射率の高い誘電体ミラーの方が良い。ミラーの下面には有機耐熱性ポリマー11としてポリイミドを用いた。このポリイミドは、産業技術総合研究所で開発された感光性ポリイミドである。透明性に優れたポリイミドであり、型番はAIST01である。熱分解温度は350度以上である。ポリイミドは、耐熱性の最も高いポリマーであり、機械的強度に優れ、熱膨張率が小さいという特徴を有する。200度の温度変化においても寸法変化を2%以下に留めることが可能である。
図2は、ロッド12の熱膨張によりミラー10の形状が変化した状態を示す断面図である。耐熱性ポリマー11の存在により、ロッド部の熱歪みがミラー10の下面では緩和される。また、ミラー10の下地のポリマー11は、図9のミラー下地のシリコンナイトライド51よりも柔らかく、容易に弾性変形することにより内部応力の低減が可能となる。従って、可変形ミラーにレーザ光が入射して、その光吸収による熱負荷がかかった場合でも、耐熱性ポリマーの弾性変形により、ミラーにかかる応力を小さくすることが可能となり、ミラーの破壊を防ぐ役割を果たす。
また、この耐熱性ポリマー11は、ミラーの熱を熱伝導により逃がす役割を果たすと同時に機械的に安定に保持する役割も果たす。更には、ロッドの変位量がミラー面の変位量に対応し、隣のロッド上のミラー面の変位をもたらさない。従って、各ロッドへの電流値により、各ロッドの伸長量を知ることが出来、ミラーの形状を知ることが出来るようになる。従って、ミラー形状の最適化制御に関しては、既存技術に比較して非常に簡単なものとなる。
次に実施例に即して、本発明の可変形ミラー装置を説明する。本発明の可変形ミラー装置は、半導体プロセスと実装プロセスを利用して製造される。まず、半導体素子製造プロセスを使用して加熱手段を備えた基板を作成し、その基板上に実装プロセスを使用してロッドおよびミラーを装着する。
図3は、加熱手段を備えた基板(30)の製造プロセスを示す断面図および1素子分の平面図(右側)である。加熱手段の材料として用いる半導体基板は、p型のシリコン基板21を用いる。素子の作成プロセスでは、例えば20×20mmの角型のものを使用可能である。
(a)イオン注入プロセス
シリコン基板の表面にpn接合を形成する。これは、半導体表面での電子とホールの再結合により熱を発生させるためのものである。2価の砒素イオンを350kVで加速して、p型シリコン基板21に注入してn型シリコン領域20を形成する。イオン注入により発生した欠陥を低減するとともに、注入された砒素イオンの活性化のためにアニール処理を行う。
なお、pn接合から成る発熱部が、不純物濃度の制御により抵抗値の制御された(抵抗値がある程度大きな)半導体によって構成されるようにしても良い。このような半導体はイオン注入法、熱拡散法により作製可能である。
(b)メサエッチングプロセス
pn接合の必要な部分を残すためにドライエッチングを行う。ドライエッチングには平行平板型の反応性イオンエッチング装置を使用可能である。用いるガスはSF6であり、高周波マイクロ波をガスに照射することによりプラズマを形成し、そのプラズマガスの反応性を利用して半導体基板のエッチングを行う。入射マイクロ波の電力は例えば100Wで、エッチング時間は20分程度である。
(c)グランド電極蒸着プロセス
p型シリコン21側の電極であるグランド電極22を電子線加熱方式による真空蒸着法により形成する。電極には金とアルミを用い、厚さはそれぞれれ1500 / 200Åである。グランド電極22の形状形成を行うに当たり、リソグラフィープロセスによりフォトレジストによるパターン形成を行い、リフトオフプロセスによりグランド電極のパターン形成を行う。
(d)絶縁膜形成プロセス
グランド電極22上に絶縁膜23の形成を行う。絶縁膜23としては、感光性ポリイミドを用いた。フォトレジストと同じく、スピンコート処理、プリベーク処理、露光処理、現像処理、キュアリング処理を行うことにより、ポリイミド絶縁膜23のパターン形成を行う。
(e)n電極形成プロセス
可変形ミラーの取り出し電極24、25の形成を行う。電極材料は、金とアルミであり、それぞれの厚さは、2500 / 200Åである。
図4は、完成した基板30の構成を示す平面図である。この実施例においては各ダイオードは格子状に配列されており、取り出し電極24が表面に露出している。基板30の周囲には、取り出し電極24の接続端子25およびグランド電極接続端子31が配置されている。
次に、ロッドおよびミラーの装着について説明する。図5は、基板30にロッド33を装着した状態を示す断面図である。取り出し電極24の表面にアルミ製のロッド33を装着する。アルミロッド33の配置には、半導体素子実装で用いられるダイボンダ装置を用いることが可能である。アルミロッドの固定には銀ペーストを用いる。アルミロッドの寸法は、例えば0.5×0.5×2.0(mm)である。なお、ロッドの断面形状は正方形の他、円形であってもよい。
ロッドを装着した後、シリコン基板30と基板が実装される図示しないチップキャリアの間を、ワイヤボンディングと呼ばれる手法により接続を行う。接続にはボールボンダを用いる。接続には直径20μmの金線を用いる。金線の切断に火花放電を用いることにより、金線の先端にボールを形成する。このボールを電極に圧着することにより信頼性のある接点を形成する。
図6は、ミラー10およびミラー装置全体の製造プロセスを示す断面図である。
(a)ミラー形成プロセス
耐熱性可変形ミラーの形成を行う。電子線加熱方式による真空蒸着法によりミラー用シリコン基板40上に金属ミラー41の形成を行う。蒸着は、チタン・金・チタンと順に行う。チタンは金ミラーとシリコン基板またはポリイミドとの密着性を向上させる働きを果たす。金属蒸着時のシリコン基板40の厚さは400μmである。
(b)基板研磨プロセス
このシリコン基板40を研磨により、厚さ150μmにまで薄くする。最初の200μmはラッピング盤による高速な粗研磨を行い、その後にCMP法による鏡面研磨を行う。
(c)ポリマー塗布プロセス
研磨された基板を洗浄し、洗浄後の基板に対してポリイミド42を塗布してキュアリングを行い、固化させる。ポリイミドは溶媒可溶であり、かつ、スピンコート法により、厚さを回転数と時間により制御可能である。なお、ポリイミド42は、透明性の優れたフッ素添加ポリイミド、または脂肪族ポリイミドであってもよい。
(d)接着プロセス
製作したミラー基板(40、41、42)を裏返し、ポリイミド42の面をアルミロッド33と接着して可変形ミラーを形成する。接着にはポリイミドを用いる。ロッドの材料は発熱部に対して熱伝導性に優れ、かつ熱膨張係数の大きい材料であることが好ましい。従って、ロッドの材料としては金属、特にアルミニウムを含む合金が好適である。
(e)基板エッチングプロセス
ミラーを接合後に不要なシリコン基板40を除去するためにドライエッチングを行う。ドライエッチングには平行平板型の反応性イオンエッチング装置を使用可能である。用いるガスはSF6である。入射マイクロ波の電力は、最初は200Wで高速なエッチングを行い、金ミラー面に近い所から100Wに下げる。入射マイクロ波パワーが高い場合は、プラズマ温度が高いことから、金ミラーがスパッタリング現象によりエッチングされる。100Wにおいては、金ミラーはエッチングされずに、光沢のある清浄な金ミラーを形成することが可能となる。エッチング時には、チップキャリアのフッ素ガスに対する保護として、テフロン(登録商標)製の保護カバーを用いる。以上のようなプロセスによって本発明の可変形ミラーが完成する。
本発明者は試作した可変形ミラーの動作試験を行った。具体的には、ダイオードに電圧を印加したときの変位量をレーザ変位計を用いて測定した。一つのアルミロッドについて変位量をレーザ変位計にて測定し、最大10μmまでの所定の変位量が得られるまで電圧を印加し続け、その時の電流-電圧特性を測定した。また、変位を確認後に電圧をオフにし、電圧オフからミラーが元の状態に戻る(変位量が0になる)までの時間を測定した。なお、測定は変位量が0となってから10分放置し、素子が完全に冷えるのを待ってから行った。
図7は、試作装置の変位量、電圧、電流の関係を示すグラフである。変位量のグラフが階段状であるのは、変位計の測定精度が1μmであるからである。いずれの場合も、電圧と電流が比例している。変位量に関しては、発熱量が電圧または電流の2乗に比例することから、変位量が電圧に対して2乗で増大している。図7から、5.0Vで10μmの変位量が実現されている。最大の変位量としては、13μmが実現されている。
次に、可変形ミラーの変位量と応答時間の関係の評価を行った。図8は、変位量と応答時間の関係を示すグラフである。変位量が2μmの場合の応答時間は約10秒であり、変位量が4μmの場合の応答時間は約30秒であり、変位量が6μmの場合の応答時間は約40秒であり、変位量が8μmの場合の応答時間は約60秒であり、変位量が10μmの場合の応答時間は約80秒であった。アルミロッドの熱膨張を利用した形式であるが、アルミロッドをmm以下に小さく加工したことと、アルミ自身が比熱の小さい材料であることから、数10秒の応答時間が実現されている。
以上、本発明の実施例を開示したが、本発明には下記のような変形例も考えられる。実施例においては、シリコン基板上にpn接合を形成する例を開示したが、化合物半導体を使用してもよく、半導体の種類やダイオードの構造としては、公知の任意のものを採用可能である。
発熱部の伸張部と接続されていない反対側の面に対して、熱伝導性が悪く体積膨張係数の小さい断熱材料が配置されていてもよく、断熱材料は、熱酸化法あるいはスパッタ法によって形成された二酸化シリコン等の酸化物、あるいはセラミックであってもよい。
図4に示した実施例の基板は各ダイオードのカソード側を共通に接続し、アノード側を個別に外部に接続する構成を開示したが、例えばカソード側を行毎に共通接続して外部に接続し、アノード側を行と直交する列毎に共通接続して外部に接続することにより、各ダイオードをダイナミックドライブすることも可能である。また、発熱部をダイナミックドライブせず、個別にドライブする場合には、発熱部はダイオードである必要はなく、抵抗であってもよい。
実施例においては、ダイオード、ロッドを格子状に配置する構成を開示したが、例えばミラーの変位量が光軸を中心とする線対称である場合には、ロッドの配置も光軸を中心とする同心円上に配置するようにしても良い。このように配置した場合には同心円上のロッドは同じ変位量となるように駆動すればよい。
本発明は、いうまでもなく、可変形ミラーを用いる光学装置の全体、一部、あるいは複数の部分の何れにも適応可能であり、可変形ミラーの規模を問わない。なお、実施例においては、可変形ミラーに本発明を適用する例を開示したが、本発明は対象物の表面形状を制御する必要のある任意の装置に適用可能である。
本発明の可変形ミラー装置の構造を示す断面図である。 ミラー10の形状が変化した状態を示す断面図である。 基板の製造プロセスを示す断面図および1素子分の平面図である。 完成した基板30の構成を示す平面図である。 基板30にロッド33を装着した状態を示す断面図である。 ミラーおよびミラー装置全体の製造プロセスを示す断面図である。 試作装置の変位量、電圧、電流の関係を示すグラフである。 変位量と応答時間の関係を示すグラフである。 従来の可変形ミラーの構成を示す断面図である。
符号の説明
10…ミラー、11…耐熱性ポリマー、12…ロッド(柱)、13…ダイオード、14…電流源、20…シリコン基板(n領域)、21…シリコン基板(p領域)、22…グランド電極、23…絶縁膜、24…取り出し電極

Claims (6)

  1. 変形可能な板状のミラーと、
    それぞれが前記ミラーの裏面に固着され、温度によって長さが変わる複数の柱状部材と、
    前記複数の柱状部材と対応して柱の底部にそれぞれ固着された複数のダイオードを備えた半導体基板からなり、前記複数のダイオードにそれぞれ所望の電流を流すことによって前記複数のダイオードそれぞれが発熱する発熱手段と
    を備え、表面形状を制御可能なことを特徴とする可変形ミラー装置。
  2. 前記ミラーの裏面が耐熱性高分子材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の可変形ミラー装置。
  3. 前記耐熱性高分子材料が、ポリイミドあるいは脂肪族ポリイミドのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の可変形ミラー装置。
  4. 前記柱状部材の材料が金属であることを特徴とする請求項1に記載の可変形ミラー。
  5. 前記柱がミラー平面に対してマトリクス状に配置されていることを特徴とする請求項に記載の可変形ミラー装置。
  6. 更に、前記発熱手段のそれぞれに所望の電圧あるいは電流を供給する駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の可変形ミラー装置。
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