JP2009088558A - 静電チャック装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェハーのチャック解除プロセスを容易にし、ウェハー裏面におけるパーティクル発生を最少化する。
【解決手段】ウェハー13を固定するための静電チャック装置であって、その表面の縦断面において複数のエンボスを有する金属電極18と、前記複数のエンボス上に形成された誘電体層と、を有し、前記金属電極18は、整合回路31を介してrf電力源30を接続するための第一端部と、rfカットオフフィルタ32を介してDC電圧供給器6を接続するための第二端部と、を備える。
【選択図】図7
【解決手段】ウェハー13を固定するための静電チャック装置であって、その表面の縦断面において複数のエンボスを有する金属電極18と、前記複数のエンボス上に形成された誘電体層と、を有し、前記金属電極18は、整合回路31を介してrf電力源30を接続するための第一端部と、rfカットオフフィルタ32を介してDC電圧供給器6を接続するための第二端部と、を備える。
【選択図】図7
Description
本発明は静電チャック(ESC)装置に関し、特に、半導体産業における半導体装置の製造においてプラズマに支援されまたは支援を受けずに化学的または物理的にウェハーを処理するために電極上に半導体ウェハーを静電的に固定するための静電チャック装置に関する。
プラズマを用いてまたはプラズマを用いることなく半導体ウェハーを処理することは集積回路製造における必須の工程である。この技術は、しばしば、ウェハーが電極の上に緩い状態で置かれるときウェハーにダメージを与える熱によって制限を受ける。この熱ダメージは、電極がうまく冷却されているとき、そのときでさえ起こり得る。この現象は、ウェハー表面上における高エネルギイオン線束衝撃による異方性エッチングにおいてしばしば観察される。たとえ高エネルギイオン衝撃がない場合であっても、重大なウェハー加熱が、他の理由によって、例えば、プロセスチャンバ内のより高いガス温度や、加熱された反応容器の壁部等からの放射熱等によって、観察される。加熱されたウェハーは化学的なプロセスの大部分を変化させかつそれによって欠点のあるデバイスを生じさせる原因となるので、ウェハーの温度制御は本質的なことである。これは、通常では、温度制御されかつ普通では電極と呼ばれるサセプタの上にウェハーを固定(クランプ)することによって達成される。ウェハーの固定は2つの異なる方法によって行われる。ウェハーが電極上のOリングに対して上面から機械的に押さえられる機械的な固定、および、電極上にウェハーを固定するために静電力を用いる静電的な固定である。現在、機械的な固定は、ウェハーの上面におけるパーティクル汚染が原因で普通には用いられていない。こうして静電的な固定がウェハーを固定することについてより良く最も人気のある方法である。しかしながら、この方法は、同様にまた、現在、改善を必要とするいくつかの技術的な困難性を有している。特に、チャッキング(把持)解除の容易性とウェハー裏面でのパーティクル発生とについては、さらに技術的な発展が必要とされる。これらの問題を図9A,9B,9C,10,11を参照して説明する。
静電チャック(ESC)は、ユニポーラ型ESCとバイポーラ型ESCと呼ばれる2つのタイプがある。ユニポーラ型ESCの動作はウェハー表面の全面に渡りプラズマを必要とする。当該プラズマは静電力を発生させるため必要な電気的接続を作る。しかしながら、バイポーラ型ESCは、たとえプラズマがなくても動作する。それ故に、ESCは、プラズマ処理および非プラズマ処理の両方において用いることができる。説明を容易にするために、前述の問題を説明することにおいてバイポーラ型ESCの上に配置されたSi(シリコン)ウェハーが考察される。
従来のESCの概略的な図が図9A,9B,9Cに示される。図9Aは従来のESCの縦断面図を示す。図9Bは、図9Aに示されたESCの上面図を示す。図9Cは、図9Aにおける文字「A」によって記された箇所における拡大された断面図を示す。
図9A,9B,9Cにおいて示された静電チャックは、2つの金属電極51,52と、金属電極51,52上の誘電体層53と、から構成される。両方の金属電極51,52は絶縁材料54に配置することによって電気的に互いに絶縁されている。金属電極51,52の厚みは重要なことではなく、数マイクロメータから数センチメータの範囲にある。これらの2つの金属電極51,52はそれぞれ2つの異なるDC(直流)電圧供給器55,56に接続されている。金属電極51,52には多くの異なる構成がある。図9Aに示された金属電極の形状は図9Bに示されるように円形形状である。
通常、AL2O3、AlN、ポリイミド等が上記の誘電体層53の材料として用いられる。誘電体層53の厚みはウェハーの固定および固定解除の効率にとって重要なことである。通常、誘電体層53の厚みはおよそ100μmである。誘電体層53の上面には複数のエンボス57が形成され、その結果、ウェハー58がESCの上に配置されるとき、ウェハーの裏面はエンボス57のみに接触する。エンボス57の高さは5μmから25μmの範囲の中にある。これらのエンボス57はウェハー58と誘電体層53の間にスペース59を形成する。当該スペース59は、通常、ウェハー58とESCの間のより良い熱伝達のため不活性ガスが充満されている。
当該ESCが固定動作を行っている間、反対の極性を有する2つのDC電圧が金属電極51,52にそれぞれ与えらる。このことは、図9A,9Cに示されるように、金属電極51,52の上に電荷を蓄積させる。金属電極(51,52)の各々とシリコンウェハー58との間には誘電体層53があるので、反対極性の電荷が図9A,9Cに示されるようにウェハー58の裏面上に誘導される。もし金属電極51,52に印加される電圧がV1とV2であるならば、ウェハー58の上における静電的な圧力(Pi)は次のように与えることができる。
ここで、従来技術として特許文献1と非特許文献1を引用する。
ウェハーチャック解除の問題:
上で説明された構成および静電圧力方程式に基づいてチャック解除問題を説明する。ウェハー58を緩めるまたはチャック解除するために、電極51,52は、スイッチング部55A,56Aを用いて、両方とも最初にDC電圧供給器55,56からの接続関係が解消され、そして接地に接続される。
上で説明された構成および静電圧力方程式に基づいてチャック解除問題を説明する。ウェハー58を緩めるまたはチャック解除するために、電極51,52は、スイッチング部55A,56Aを用いて、両方とも最初にDC電圧供給器55,56からの接続関係が解消され、そして接地に接続される。
電極51,52にDC電圧が与えられるとき、最初に電荷は電極51,52の上に蓄積する。これらの電荷はウェハー58と電極51,52の各々との間の強い電界(E1)の存在によって誘電体層53の上面に向かってゆっくりと移動する。このことは図10において概略的に示されている。絶縁層53の上面への電荷移動(電荷マイグレーション)は、同様にまた、誘電体層53は通常では完全な絶縁体ではないという事実によって支持されている。さらに、誘電体層53は電気的な抵抗を減じるために不純物がわざとドープされている。最終的な結果として電荷は図10に示されるように誘電体層53の上面に蓄積される。
微視的なスケールにおいてSi(シリコン)ウェハー58の下面および誘電体層53の上面は粗い表面を有している。それ故に、ウェハー58と誘電体層53の間の実際の接触は図11に示されるように数カ所においてのみ生じる。誘電体層53の上面の上にチャージの蓄積が行われることによりウェハー58と金属電極(51,52)の間の電界(E1)は減じられることになる。その代わりに、誘電体層53の上面とシリコンウェハー58の間の電界(E2)は強くなる。こうして、誘電体層53の上面の上に形成された電荷は時間の経過に伴い低下する。このことは、静電力を用いたウェハー固定については何も問題を起こさないとしても、ウェハーの固定解除の動作では問題を生じることになる。何故ならば、金属電極51,52がウェハーの固定解除のため接地(アース)に接続されたとき、誘電体層53の上面の電荷は金属電極51,52に即座に流れ戻ることはない。金属電極51,52の電荷の再流(re−flow)は、誘電体層53の電気的抵抗性に依存して変化する。金属電極51,52への電荷の再流を容易化するため、誘電体層53はその電気的抵抗を小さくするように不純物がドープされている。しかしながら、金属電極への電荷の再流で、誘電体層53内の電界は弱められ、こうして電荷の再流は同様にまた時間の経過と共に次第にゆっくりとなる。こうして電荷の再流プロセスによる誘電体53の完全な中性化はかなりの時間を必要とする。それ故に、ウェハーの迅速なチャック解除は容易に達成することはできない。
パーティクル発生の問題:
先にも説明され、かつ図11にも示されるように、Siウェハー58と誘電体層53はいくつかの点を介してのみ接触する。これらの接触点はSiウェハー58と誘電体層53との間に真空(または不活性ガス)のポケット61を形成する。こうして静電力を計算することにおいて、図11において“L”によって示されたウェハーと電極との間の距離は、空気ポケットの平均的な深さである“x”によって置き換えられなければならない。当該距離xはLよりもおよそ三桁の大きさでより小さいものである。新しい距離“x”を方程式(1)に適用すると、新しい静電力を計算する。この力はおよそ金属電極(51,52)の各々とSiウェハー58の間で生成される力よりもおよそ105−106のオーダでより大きな力である。
先にも説明され、かつ図11にも示されるように、Siウェハー58と誘電体層53はいくつかの点を介してのみ接触する。これらの接触点はSiウェハー58と誘電体層53との間に真空(または不活性ガス)のポケット61を形成する。こうして静電力を計算することにおいて、図11において“L”によって示されたウェハーと電極との間の距離は、空気ポケットの平均的な深さである“x”によって置き換えられなければならない。当該距離xはLよりもおよそ三桁の大きさでより小さいものである。新しい距離“x”を方程式(1)に適用すると、新しい静電力を計算する。この力はおよそ金属電極(51,52)の各々とSiウェハー58の間で生成される力よりもおよそ105−106のオーダでより大きな力である。
このことは、ウェハーは基本的にエンボス上で生成された力によってESCの上に固定されるということを指摘している。すなわち、ウェハー58のより小さい表面領域の上に非常に大きな圧力が存在する。結果としてSiウェハー58および/または誘電体層53は摩擦によって擦れ、マイクロスケールのパーティクル63の生成という結果をもたらす。これらのパーティクルのいくつかは直接にウェハーの裏面に付着し、他方、残りはエンボス57を介してくぼみ62に落ち、堆積する。このことは図12に示されている。Siウェハーについての繰り返しの処理で、くぼみ62における蓄積されたパーティクルの数が増大し、ウェハーの裏面に付着し始める。ウェハーの裏面へのパーティクルの付着は2つの理由によって起きる。第1の理由はウェハーとパーティクルの間に生成される静電的力のためである。第2の理由はウェハー51と誘電体層53の間のスペースを通しての不活性ガスの急速な流れが原因でパーティクルが浮遊し始めるということである。これらの浮遊するパーティクルはウェハーの裏面に付着し得る。
本発明の目的は、容易にウェハーのチャック解除プロセスを作ることができかつウェハーの裏面上でのパーティクル発生を最少化できる静電チャック装置を提供することにある。
本発明による静電チャック装置は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
本発明の第1の静電チャック装置は、ウェハーを固定するのに用いられるユニポーラ型の装置である。当該装置は、複数のエンボスを上面に有する金属電極と、複数のエンボスの各々の表面の上に形成された誘電体層と、金属電極の上面を除いて金属電極を覆う絶縁材料と、絶縁物の側部と底部の各表面を覆う金属ケースと、そして金属電極に接続されたDC電力供給器とから構成されている。
本発明の第2の静電チャック装置は、ウェハーを固定するのに用いられるバイポーラ型の装置である。当該装置は、電気的に絶縁されかつ上面に複数のエンボスを有する2つの金属電極と、複数のエンボスの各々の表面の上に形成された誘電体層と、金属電極の上面を除いて金属電極を覆う絶縁物質と、絶縁物の側部と底部の各表面を覆う金属ケースと、そして分かれた状態で2つの金属電極に続される2つのDC電源とから構成されている。
上記の静電チャック装置において、誘電体層はエンボスを備えた金属電極または複数の電極の上面全体を覆っている。
上記の静電チャック装置において、エンボスの高さは10μmよりも大きくかつ誘電体層の厚みは1μmよりも小さい。
上記の静電チャック装置において、金属電極は金属電極の上で所望の温度を維持するため冷却または加熱の機構を有している。
上記の静電チャック装置において、金属電極は100kHzから100MHzの範囲の周波数で動作するrf電流を供給される。
また上記の絶縁体層は約100nmの厚みを有する。
本発明に係る半導体装置製造方法は上記の各静電チャック装置を使用する工程を含む。
また上記の絶縁体層は約100nmの厚みを有する。
本発明に係る半導体装置製造方法は上記の各静電チャック装置を使用する工程を含む。
上記の静電チャック装置において、前記の2つの金属電極は100kHzから100MHzの範囲の周波数で動作する単一のrf電源に接続されている。
上で述べたように、電極上に半導体ウェハーを固定するための本発明による静電チャック装置は、従来のESCのそれよりもかなり背の高い金属電極上のエンボスを作ること、そしてエンボスの上面上に従来のESCのそれよりも非常に薄い誘電体薄膜を適用することにより特徴づけられる。この構成は、パーティクルの発生を減じ、ウェハーの裏面におけるパーティクルの付着を減じ、そしてウェハーのチャック解除プロセスを容易化する。
本発明による、金属電極上に半導体ウェハーを固定するためのユニポーラ型またはバイポーラ型の静電チャック装置は、チャック解除の効率を改善することができ、かつウェハー裏面でのパーティクルの発生を最少化することができる。
以下に、添付された図面に従って好ましい発明の実施形態が説明される。実施形態の説明を通して本発明の詳細が明らかにされる。
本発明の第1実施形態は図1A,1Bを参照にして説明される。説明を容易にするために、図1A,1Bではバイポーラ型のESCの構成が考慮され、示されている。図1Aは第1実施形態のESCの側面図を示し、他方、図1Bは図1Aにおいて“B”として符号が付された箇所の拡大された断面図を示す。ESCは金属電極1,2、薄い誘電体層3、および厚い絶縁ケース4とによって構成される。金属電極1,2の上面上には複数のエンボス5がある。通常、エンボス5の断面形状は円形状であり、しかし本発明にとって当該形状は重要な要素ではないので、異なる形状を選択できる。仮にエンボス5の断面形状が円形形状であるときには、その直径は1mmから5mmの範囲にある。たとえ当該直径が重要なことではないとしても、パーティクルの発生を制御することによって、より小さい直径がより良い。エンボス5の高さ(h)は10μmよりもより大きくとられる。この高さは当該発明の望ましい効果を得るために数ミリメータまで増大させても良い。各エンボス5の上面は薄い誘電体層3によってコーティングされている。誘電体層3の厚みは好ましくは1μmよりもより小さく保たれる。当該厚みの減少はチャック解除効率を高める。誘電体層3の電気的抵抗は重要なことではないが、しかしながら、少し不純物をドープする誘電体物質がより利点があるであろう。
金属電極1,2の厚みは重要な事項ではなく、それは数ミリメータから数センチメーターの範囲にあり得る。金属電極1,2の各々は冷却または加熱の機構を備えてもいいし、備えなくてもよい。例えば、図1Aに示された金属電極1,2の両方は冷却機構(8,9,10,11)を有している。この冷却機構は冷却媒体入口部(8,10)、冷却媒体出口部(9,11)、そして冷却媒体を流すための通路12から構成されている。
金属電極1,2の表面は上側表面を除いてすべて絶縁材料4によって覆われている。この目的は、金属電極1,2をハードウェアの残り部分から電気的に絶縁するためである。さらに絶縁材料4の側面と底部の表面は金属ケース15によって覆われている。金属電極1,2は、それぞれ、2つの異なるDC電圧供給器6,7に電気的に接続されている。
次に前述したバイポーラ型のESCの動作が説明される。ウェハークランプ機構については従来技術の箇所で先に詳細に説明されている。このESCにおいても同じ静電力がウェハー13を固定するのに用いられる。金属電極1,2に2つの異なるバイアス電圧を与えられるとき、図2に示されるごとく、電荷が金属電極1,2上とウェハー13の表面上に生成される。2つの静電力(F1,F2)はこの電荷の分布に基づいて発生する。このF1の力は、ウェハー13と、このテキスト(明細書)でくぼち16と呼ばれる金属電極表面との間に発生する。F2の力はウェハー13と金属エンボス5の上面との間に発生する。エンボス5の高さ(h)は10μmよりも大きく、かつ誘電体層3の厚み(t)は1μmよりも小さい。それ故に、前に指摘したように、力F1はF2よりもおよそ4桁より小さい。従ってウェハー13は本来的にF2の力でESC上に固定される。
チャック解除の容易さはこの実施形態のESCによって達成される。従来のESCと同様に、電荷の蓄積は金属電極にバイアス電圧が与えられるとき、誘電体層3の上面に起きる。この状態は図3に示される。しかしながら、誘電体層3の厚みは従来のESCのそれに比較しておよそ3桁より小さい。それ故に、金属電極1,2はウェハーのチャック解除のために接地されるとき、蓄積された電荷は電荷再流(re−flow)プロセスによってやがて中性化する。さらに、不純物ドープが行われた誘電体層を用いることによって、チャック解除プロセスはさらに加速される。
発生するパーティクルの減少は、同様にまた、この実施形態のESCによって達成される。このESCにおいて、金属エンボス5上における誘電体層3の厚みは非常に薄い。例えば、当該厚みはおよそ100nmである。それ故に、この薄い誘電体層3を通しての電荷移動に起因する時間経過に伴う静電力の増大は重要な変化を作らない。さらに、誘電体層3が非常に薄いので、薄い誘電体層3の上面への電荷移動は非常に短い時間的周期の範囲内で完結する。それ故に、要求される静電力を生成するために印加が必要な電圧を、より正確に計算することできることになった。さらに、この力はほとんど一定のものであるとして考えることができ、時間経過と共に顕著に増大しない。このことはあまりに強い静電力の発生を防止し、こうしてパーティクルの発生を減少させる。
第1の実施形態のESCにおいてパーティクル汚染を減少させる他の特徴がある。金属電極1,2上に作られたエンボス5は従来のESCのそれらよりもかなり高いものである。もしパーティクルが発生したとすると、パーティクルのより大きな割合のものが金属電極1,2のくぼみ16に堆積する。この条件は図4に示されている。ウェハー裏面へのパーティクル付着の減少は2つの理由によって説明される。第1の理由は、エンボス5の高さはより大きく、例えばおよそ1mmであるので、不活性ガスの乱流によるパーティクルの再付着が減じられるということである。第2の理由は、エンボスの高さに等しい、ウェハー裏面とパーティクルの間のより大きな距離が原因となって、パーティクルとウェハーの裏面の間の静電力が減じられるということである。このことは、静電力によるウェハー裏面へのパーティクル付着を最少化する。これらの両方のプロセスがウェハーの裏面におけるパーティクルの数を最少化するのを助ける。
次に、図5A,5Bを参照にして第2の実施形態が説明される。第2の実施形態によれば、たった1つの金属電極18がESCに用いられる。それ故に、このESCの構成はユニポーラ型ESCと呼ばれる。第2実施形態の断面図は図5Aに示され、図5Aにおいて円の部分Cの拡大図が図5Bに示される。単一の金属電極18を用いるということを除いて、第2実施形態におけるすべての他のハードウェアの構成要素は第1実施形態で説明されたそれらと同じである。第1実施形態で説明されたそれらと同じであるコンポーネントの各々は、同じ参照符号が付されている。
金属電極18の上面に作られた複数のエンボス5が存在する。各エンボス5の高さは100μmよりも大きい。各エンボス5の頂部の上には非常に薄い誘電体層3が被覆されている。誘電体層3の厚みは1μmよりもより小さい。金属電極18の厚みは重要なことではなく、数ミリメータから数センチメータの範囲にある。金属電極18は冷却または加熱の機構を含んでいてもいいし、含んでいなくてもよい。図5では、例えば、冷却機構(8,9,12)が示されている。金属電極18は、電気的に絶縁ブロック4の上に配置されることにより絶縁されており、かつ電圧供給器6に接続されている。
第2実施形態の動作原理は、第1実施形態において説明されたそれと同じである。しかしながら、このESCを動作させるために、ウェハー13の上側にプラズマがなければならない。このプラズマはウェハー13を通してDC電流を流すための必要な電気的接続を作る。それ故に、この実施形態はプラズマが存在することおいてのみ動作することができる。第1実施形態で得られたすべての利点、特に、チャック解除の容易性と減少されたパーティクルは第2実施形態でも得ることができる。
次に、図6を参照して第3実施形態が説明される。第3実施形態は、2つの金属電極(21,22)があるバイポーラ型ESCとして、あるいは、1つのみの金属電極があるユニポーラ型ESCとして構成される。説明を容易にするために、この実施形態はバイポーラ型ESCの構成を用いることで説明される。この構成は図6に示される。ここで金属電極21,22は薄い金属板で作られている。金属電極21,22の厚みは重要ではなく、0.5mmから10mmの範囲に存在する。これらの金属電極21,22は電気的に絶縁材料23によって互いに絶縁されており、かつ他の金属ベース19の上に配置されている。金属ベース19は、金属ベース19を一定の温度に維持するための冷却または加熱の機構を備える。金属電極21,22は、スイッチング部6A,7Aによって、分かれた状態でDC電圧供給器6,7にそれぞれ接続されている。前述の修正を除いてすべての他のハードウェア構成は第1実施形態で説明されたそれと同じである。
第3実施形態の動作原理と利点は、第1実施形態で説明されたそれらと同じである。ここで、唯一の相違は、金属電極21,22のそれら自身が冷却または加熱の機構を有していないことである。その代わりに、金属ベース19は冷却または加熱の機構を含んでいる。こうして金属電極21,22から金属ベース19への熱の伝達が絶縁材料23を通して起こる。
次に、図7を参照して第4実施形態が説明される。この実施形態は前述した実施形態の拡張である。図7は第4実施形態の断面図を示す。説明の容易化のため、第2実施形態で説明された構成が用いられる。それ故に、第4実施形態のハードウェアの構成は実質的に第2実施形態で説明されたそれと同じである。唯一の違いは、金属電極18が、DC電圧供給器6に加えて、整合回路31を通してrf電力源30に接続されているということである。この場合においてrfカットオフフィルタ32がDC電気接続に加えられている。
この実施形態におけるESCの動作原理は、第2実施形態で説明されたそれと同じである。しかしながら、ここで金属電極18は、プラズマを生成するためのrf電極として、あるいはウェハー13の表面の全面に渡りプラズマとrf結合することによって自己バイアス電圧を生成するrf電極として、振舞う。rf電流の周波数は、重要なことではなく、100kHzから100MHzの範囲にある。
次に、図8を参照して第5の実施形態が説明される。図8は第5実施形態の部分的な断面図を示す。第5実施形態のハードウエアの構成は、ESCの上面の部分を除いて、選択された実施形態のいずれかと同じである。
第5実施形態における金属電極41の上面の構造は図8に示されている。第5実施形態のESCの上面は、この構成に大いに関係があるので、図8にはESCの上面の拡大された図のみが示されている。金属電極41の構成は、実質的に先の実施形態において説明されたそれらのいずれかと同じである。しかしながら、薄い誘電体層42は金属電極41の全体にわたって適用されている。この変化を除いて、すべての他のハードウェアは上記の実施形態のいずれかにおいて説明されたそれと同じである。特にエンボス5の上面上の誘電体層42の厚みは、第1実施形態で説明されたそれとして選択されている。
第5実施形態の利点は上記の実施形態において説明されたそれと同じである。加えて、この構成は金属電極(1,2,または18)に適用されるより高い電圧に耐える。
1,2 金属電極
3 誘電体層
4 絶縁材料
5 エンボス
12 冷却媒体のための通路
13 ウェハー
16 エンボスの間の谷間
18 金属電極
20 rf発生器
3 誘電体層
4 絶縁材料
5 エンボス
12 冷却媒体のための通路
13 ウェハー
16 エンボスの間の谷間
18 金属電極
20 rf発生器
Claims (4)
- ウェハーを固定するための静電チャック装置であって、
その表面の縦断面において複数のエンボスを有する金属電極と、
前記複数のエンボス上に形成された誘電体層と、を有し、
前記金属電極は、
整合回路を介してrf電力源を接続するための第一端部と、
rfカットオフフィルタを介してDC電圧供給器を接続するための第二端部と、
を備えることを特徴とする静電チャック装置。 - 前記エンボスの高さは10μmよりも大きくかつ前記誘電体層の厚みは1μmよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック装置。
- 前記金属電極は、前記金属電極上で所望の温度を維持するための冷却または加熱の機構を有するようにされたことを特徴とする請求項1又は2に記載の静電チャック装置。
- 前記金属電極のエンボスを有する表面、前記第1端部及び前記第2端部を除いて前記金属電極を覆う絶縁物をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電チャック装置。
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