JP2004341364A - 振動ミラーとその製造方法、光走査モジュール、光書込装置、画像形成装置 - Google Patents

振動ミラーとその製造方法、光走査モジュール、光書込装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ミラー基板の振動時の変形が小さく、かつ、ミラー基板の振動が安定した、実装の自由度の高い構成のねじり梁支持型振動ミラーを実現する。
【解決手段】ねじり梁503,504が結合されたミラー基板502の対向した縁部に沿って壁部511,512が立設される。この壁部は、ミラー基板502の振動時の変形を効果的に抑えて光ビーム形状を安定化し、またミラー基板の振動を安定化する。壁部511,512の側面に近接対向する電極領域513,514,515,516が配設される。これら電極領域と壁部の間に電圧を印加し、壁部に静電引力を作用させることにより、ミラー基板の振動を助勢するとともに、ミラー基板の横振れを抑えてその振動を安定化する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマシンニング技術を応用した微小光学デバイスに係り、より詳細には、2本のねじり梁で支持された微小なミラーを、そのねじり梁を回転軸として往復振動させるタイプの振動ミラーと、それを用いた光走査モジュール、光書込装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の振動ミラーは、デジタル複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置の光書込系や、バーコードリーダー、スキャナー等の読取系への応用が有望視されている。
【0003】
非特許文献1に記載されているこの種の振動ミラー(光走査装置)では、同一直線上に設けられた2本の梁で支持されたミラー基板を、ミラー基板に対向する位置に設けた電極との間の静電引力で、2本の梁をねじり回転軸として往復振動させる。この振動ミラーは、モーターによりポリゴンミラーを回転させる構成の光走査装置と比較し、構造が簡単であり、半導体プロセスでの一括形成が可能であるため、小型化が容易で製造コストも低い。また、ポリゴンミラーは複数のミラー面を利用するためミラー面毎の精度のばらつきの問題があるが、ミラー面が1つの振動ミラーには、そのような問題はない。さらに振動ミラーは、往復走査による高速走査に容易に対応できる。
【0004】
また、非特許文献2及び非特許文献3には、ミラー基板の振れ角を大きくするため、その振動領域に電極が重ならないよう、ミラー基板の端面に対向電極を設ける振動ミラーが記載されている。これらの振動ミラーは、板厚20μmのシリコンからなる可動電極としてのミラー基板と、ミラー基板端面に微小なギャップを隔てて対向する固定電極との間の静電引力によっとてミラー基板を駆動するもので、両電極は同一部位に形成されている。ミラー基板の振動の起動に必要な、ねじり回転軸に対する初期モーメントを得るために、非特許文献2の振動ミラーでは、形成プロセスで生じる構造体の微小な非対称性を利用し、非特許文献3の振動ミラーでは、駆動電極に直交する面上に起動のための金属電極薄膜を配備している。
【0005】
また、ミラー基板の振れ角を大きくとりつつミラー基板の剛性を維持するために、ミラー基板の裏面を肉抜きし凹部を形成した振動ミラーが特許文献1に、ミラー基板の裏面をリブ構造にした振動ミラーが本出願人の特許出願に係る特許文献2に、それぞれ記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−249300号公報
【特許文献2】
米国特許出願公開第2003/0053156A1号明細書
【非特許文献1】
K.E.Petersen, ”Silicon Tortional Scanning Mirror”,
IBM Journal of Research and Development 24, 1980,pp.631−637
【非特許文献2】
Harald Schenk,”An Electrostatically Excited 2D−Micro− Scanning−Mirror with an In−Plane configuration of the Driving Electrodes”, The 13th Annual International Workshop on MEMS 2000,2000, pp.473−478
【非特許文献3】
Harald Schenk,”A New Driving Principle for Micromechanical Torsional Actuators”, The 1999 ASME International Mechanical Engineering Congress and Exposition,1999, pp.333−338
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図17に、静電引力で駆動される、ねじり梁支持型の振動ミラーの基本構造の一例を示す。ここに示す基本構造は、後述の本発明の実施の形態に係る振動ミラーの典型的な基本構造でもある。
【0008】
図17において、(a)は振動ミラーの概略平面図、(b)はF−F’線概略断面図、(c)は電極部分の拡大図である。
【0009】
図17において、ミラー基板101は、それを取り囲むフレーム108に、2本のねじり梁102により支持され、ねじり梁102をねじり回転軸としてミラー基板101は往復振動が可能である。ミラー基板101の一面にはミラー面103が反射率の高い金属膜により形成されている。ミラー基板101のねじり梁102から最もはなれた側の端部104,105に対抗するフレーム108の部位に、ミラー基板101を駆動するための駆動電極(固定電極)106,107が形成されている。ここに示す例では、ミラー基板101の端部104,105と駆動電極106,107は、図17(c)に示すように櫛歯形状とされ、互いに微小なギャップを隔てて噛み合うごとく対向している。フレーム108は、絶縁スリット109によって、ミラー基板101と同電位の領域と駆動電極106,107と同電位の領域とに絶縁分離されている。絶縁分離されたそれぞれの領域には、ミラー基板101と駆動電極106,107に電圧を印加するための、金属薄膜からなる電極パッド110,111が形成されている。フレーム108は、その下面側に絶縁膜を介して接合された支持基板112によって支持されている。
【0010】
かかる構成において、ミラー基板101とねじり梁102の材質、形状、寸法で決まってくる構造体の共振周波数と同じ周波数のパルス電圧を電極パッド110,111間に印加することにより、低いエネルギーで、ミラー基板101をねじり梁102を回転軸として大きな振れ角で往復振動させることができる。
【0011】
さて、このような振動ミラーの共振周波数fは、ねじり梁102のねじり弾性係数をk、ミラー基板101の慣性モーメントをIとすると次式で示される。
f=1/2π√(k/I) (1)
ここで、ねじり梁102のねじり弾性係数kは、ねじり梁102の幅をc、高さをt、長さをLとすると次式で示される。なお、βは断面形状係数、Eはヤング率、νはポアソン比である。
k=βt cE/L (1+ν) (2)
また、ミラー基板101の慣性モーメントIは、ミラー基板101の重量をM、密度をρ、幅、長さ、厚さをそれぞれb、a、tとすると次式で示される。
I=M (a+b)/12
=ρtab(a+b)/12 (3)
これらの関係式からわかるように、ねじり梁102とミラー基板101の寸法ばらつきや温度によるヤング率(E)変化は、振動ミラーの共振周波数に直接影響する。また、慣性モーメントIの値が大きいと、振動時にミラー基板101に大きな慣性力が働くことになり、ミラー基板101の変形量が増大することになる。
【0012】
一方、次式で示される、ねじり梁方向のミラー基板断面の断面2次モーメントIzは次式で示されるが、その値が大きいほど振動時の振動方向のミラー基板の変形が小さい。
Iz = bt/12 (4)
この式から、振動時の変形に対してはミラー基板厚(t)が大きく影響を与えることがわかる。
以上の式から、ミラー基板101を厚くすると、断面2次モーメントIzが大きくなり剛性が上がるという意味では振動時に変形しにくくなるが、同時に、慣性モーメントIが大きくなるためミラー基板101を変形させる慣性力が大きくなることがわかる。したがって、ミラー基板101を単に厚くしただけでは効果的に変形を低減させることはできない。
【0013】
振動ミラーは、安定したビーム形状を得るために振動時におけるミラー基板101の平坦性を確保することが必要となる。振動時のミラー基板101のある振れ角における変形量は、ミラー基板101の剛性と慣性モーメントによって決まってくる。したがって、振動時の変形量を小さくするためには、ミラー基板101の慣性モーメントを小さくしつつ剛性を向上させる必要があり、これを実現するため、前述のように、ミラー基板101の裏面(ミラー面が形成されない側の面)を肉抜きしたり、同裏面をリブ構造として補強したりする方法が提案されている。
【0014】
しかしながら、ミラー基板の一面を肉抜きしたり、リブ構造にしたりする構成には、以下に述べるような難点がある。
【0015】
ミラー基板の肉抜きされた面又はリブ構造とされた面には、ミラー面を形成することができず、仮にミラー面を形成できるとしても、ミラー面の面積が大幅に制限される。このことは、振動ミラーの実装の自由度の観点から好ましくない。例えば、駆動のための配線の関係から、ミラー面と電極パッドとが図17の例のように同じ面側にあることが望ましい場合もあれば、逆の面側にあることが望ましい場合もあるが、その両方に対応することは困難である。振動ミラーの実装の自由度の観点からは、ミラー基板の両面にミラー面を形成可能な構成であるか、少なくとも、振動ミラーの製造プロセスの大幅な変更を要することなく、ミラー基板のどちらの面にもミラー面を容易に形成可能な構成であることが望ましい。また、ミラー基板のどちらの面にミラー面が形成されるにしても、その略全面にわたってミラー面が形成されるほうが、一般に安定な光走査のために有利であり、振動ミラーの使い勝手も良くなる。
【0016】
また、肉抜きやリブ構造によりミラー基板の厚さが局所的に異なるものとなるため、ミラー基板が薄くなると、内部応力の関係から、その局所的な厚さの違いがミラー面に影響を及ぼし、ミラー面の平坦性が損なわれ、その結果、安定したビーム形状を得られないおそれがある。ミラー面の平坦性の観点からは、ミラー基板は全面的に厚さが均一であることが一般に望ましい。
【0017】
本発明は、上に述べたような検討に基づいて、新規な構成のねじり梁支持型振動ミラーを提供することを目的とする。より具体的には、本発明の目的は、ねじり梁支持型振動ミラーにおいて、ミラー基板の変形を効果的に抑制してビーム形状を安定化すること、ミラー基板の振動を安定化すること、実装上の自由度を向上させること、ミラー基板の振れ角を増大すること、ミラー基板の振れ角の制御性を向上すること等である。本発明の他の目的は、そのような振動ミラーを高い加工精度で、かつ、低コストで製造する方法を提供すること、そのような振動ミラーを用い、低い駆動電圧で広範囲の安定した光走査が可能な光走査モジュールを提供すること、そのような振動ミラー又は光走査モジュールを用いた、高品質の画像形成のための光書込装置及び画像形成装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ミラー面を有するミラー基板と、前記ミラー基板の対向する2つの縁部の中央に結合した、一直線上に配置された2本のねじり梁とを有し、前記ミラー基板が前記ねじり梁をねじり回転軸として往復振動する振動ミラーであって、前記ミラー基板は、表面及び裏面が平坦であるとともに、前記2つの縁部に沿って立設された壁部を有することを特徴とする振動ミラーである。
【0019】
請求項2の発明は、ミラー面を有するミラー基板と、前記ミラー基板の対向する2つの縁部の中央に結合した、一直線上に配置された2本のねじり梁とを有し、前記ミラー基板が前記ねじり梁をねじり回転軸として往復振動する振動ミラーであって、前記ミラー基板の前記2つの縁部に沿って立設された壁部と、前記壁部の側面に対向した電極を有することを特徴とする振動ミラーである。
【0020】
請求項3の発明は、請求項2の発明の振動ミラーにおいて、前記ミラー基板が表面及び裏面が平坦であることを特徴とするものである。
【0021】
請求項4の発明は、請求項2又は3の発明の振動ミラーにおいて、前記壁部の側面に対向する前記電極が前記ねじり回転軸からの距離が異なる複数の部分に絶縁分離されていることを特徴とするものである。
【0022】
請求項5の発明は、請求項2,3又は4の発明の振動ミラーにおいて、前記壁部が前記ミラー基板と電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0023】
請求項6の発明は、請求項2,3又は4の発明の振動ミラーにおいて、前記壁部が前記ミラー基板と絶縁されていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項7の発明は、請求項6の発明の振動ミラーにおいて、前記壁部の配線部が前記ねじり梁に沿って引き出されることを特徴とするものである。
【0025】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項の発明の振動ミラーにおいて、前記ミラー基板の表面側及び裏面側に前記壁部が立設されたことを特徴とするものである。
【0026】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項の発明の振動ミラーにおいて、前記壁部の高さが前記ねじり梁から離れるにしたがって小さくなることを特徴とするものである。
【0027】
請求項10の発明は、請求項1の発明の振動ミラーにおいて、前記壁部が、前記ミラー基板を形成するシリコン基板と絶縁膜を介して接合されたシリコン基板を加工することにより形成されたことを特徴とするものである。
【0028】
請求項11の発明は、請求項2の発明の振動ミラーにおいて、前記壁部及び前記電極が、前記ミラー基板を形成するシリコン基板と絶縁膜を介して接続されたシリコン基板を加工することにより形成されたことを特徴とするものである。
【0029】
請求項12の発明は、請求項1又は2に記載の振動ミラーの製造方法であって、絶縁層を介して接合された2枚のシリコン基板の一方のシリコン基板に、ドライエッチングによって少なくともミラー基板を形成する工程と、もう一方の前記シリコン基板に、ドライエッチングによって少なくとも壁部を形成する工程と、前記絶縁層を溶融する工程を含むことを特徴とする振動ミラー製造方法である。
【0030】
請求項13の発明は、容器と、この容器内に収容された請求項1乃至11のいずれか1項の発明の振動ミラーとからなり、前記容器内が減圧状態に封止されたことを特徴とする光走査モジュールである。
【0031】
請求項14の発明は、請求項13の発明の光走査モジュールの前記容器内に、前記振動ミラーのミラー面で光ビームを多重反射させるための反射素子を具備せしめることを特徴とするものである。
【0032】
請求項15の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項の発明の振動ミラーと、光ビームを前記振動ミラーのミラー面に入射させる手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを被走査面に結像させる手段とを有することを特徴とする光書込装置である。
【0033】
請求項16の発明は、光ビームを発生する手段と、前記光ビームを偏向させる請求項13又は14の発明の光走査モジュールと、前記光走査モジュールにより偏向された光ビームを被走査面に結像させる手段とを有することを特徴とする光書込装置である。
【0034】
請求項17の発明は、像担持体と、この像担持体を被走査面として記録信号により変調された光ビームで走査することにより前記像担持体に静電潜像を形成する請求項15又は16の発明の光書込装置と、前記像担持体に形成された静電潜像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[振動ミラーの実施例1]
本発明の振動ミラーの実施例1の構成を図1に示す。図1の(a)は振動ミラーの概略平面図、(b)は振動ミラーのA−A’線概略断面図、(c)は振動ミラーの電極部分の拡大図である。
【0036】
図1において、201は第1の基板(デバイス基板)であり、これはミラー基板202、2本のねじり梁203,204、枠部205からなる。枠部205は絶縁膜209を介して第2の基板210(支持基板)に接合され、支持されている。第1の基板201と第2の基板210はいずれも高精度の微細加工が可能で、ねじり変形しながら往復振動する弾性体として適度な剛性を持ち、かつ、基板自体を電極として用いることができる、低抵抗の単結晶シリコン基板から形成されている。そして、ねじり梁203,204、ミラー基板202、枠部205(後記固定電極を含む)は同一のシリコン基板を貫通することによって一体成形されている。
【0037】
ミラー基板202は、平面形状が長方形であり、その表面及び裏面は平坦である。ミラー基板202のいずれの面も、肉抜きされず、リブ構造ともされないので、その平坦性は高い。このようなミラー基板202の表面側には、当該振動ミラーに使用される光に対して十分な反射率をもつ金属薄膜からなるミラー面206が形成されている。この金属薄膜の表面に、酸化による反射率の低下を防止するためのパッシベーション膜として適当な絶縁膜を形成してもよい。
【0038】
ミラー基板202の長辺側の2つの縁部の中央に、一直線上に配置された、ミラー基板202と同じ厚さのねじり梁203,204の一方の端が結合され、ねじり梁203,204の他方の端は枠部205の内縁部に結合されている。ミラー基板202は、ねじり梁203,204をねじり回転軸として振動可能である。なお、ねじり梁203,204の幅は、その厚さとほぼ同じであることが一般に望ましいが、幅を多少変えることで当該振動ミラーの共振周波数を調整することが可能である。また、ねじり梁203,204の長さについても、振動が不安定にならない範囲で所望の共振周波数となるように設定することができる。
【0039】
ミラー基板202の短辺側の2つの縁部207,208は、当該ミラー基板202を駆動するための可動電極として作用する部分であり、図1(c)に拡大して示すように櫛歯状に加工されている。ミラー基板202の可動電極として作用する縁部207,208に対向する枠部205の部位に、櫛歯状の固定電極213,214が形成されている。この固定電極213,214と、ミラー基板202の櫛歯状縁部207,208(可動電極)とは、図1(c)に拡大して示すように、微小のギャップを隔てて噛み合う位置関係にある。
【0040】
枠部205は、そこに形成された絶縁スリット215,216により、固定電極213、214が含まれる領域と、ねじり梁203,204が結合した領域とに絶縁分離されている。このように絶縁分離された枠部205の各領域に、固定電極213,214への電圧印加のための金属薄膜からなる電極パッド217と、ねじり梁203を介しミラー基板202に(その可動電極に)電圧を印加するための、同じく金属薄膜からなる電極パッド218がそれぞれ形成されている。
【0041】
ミラー基板202の裏面側には、その長辺側の縁部に、ミラー基板202と垂直方向に延びる壁211,212が絶縁膜209を介して立設されている。この実施例においては、壁部211,212の高さは、第2の基板210の厚さ相当とされている。この実施例においては、壁部211、212は、第2の基板210と同じ低抵抗の単結晶シリコンからなる。この壁部211,212は、ミラー基板202の慣性モーメントをできるだけ増加させることなく、ミラー基板202の振動時に慣性モーメントによる変形が最も大きい方向、すなわち、ねじり梁203,204と直交する方向の、ミラー基板202の変形を効果的に低減させるために設けられたものである。
【0042】
なお、ミラー基板202の裏面は、その長辺側の縁部に沿って壁部211,212があるのみで、その表裏面ともに略全面が平坦である。したがって、ミラー基板202の裏面にミラー面を形成することも、ミラー基板202の表面及び裏面の両方にミラー面を形成することも可能である。図示しないが、ミラー基板202の裏面にミラー面を形成した振動ミラー、ミラー基板202の表裏両面にミラー面を形成した振動ミラーも本発明に包含される。
【0043】
当該振動ミラーの駆動方法を次に説明する。
例えば、電極パッド218は接地される。枠部205、ねじり梁203,204、ミラー基板部202は低抵抗のシリコン結晶によって一体形成されているため、ミラー基板202の可動電極(207,208)はグランド電位となる。
【0044】
電極パッド217に電圧を印加すると、それと同電位になる固定電極213,214とミラー基板202の可動電極(207,208)の間に静電引力が働く。この時、加工精度や振動ミラーの傾きなどで両電極間に厚さ方向に微少な位置ずれがあるため、両電極が最短距離となる方向の回転のモーメントが発生し、ミラー基板202がねじり梁203,204を回転軸として、ねじり梁202,204のねじり剛性に抗して振れ始める。両電極間が最接近する時点で電圧印加を断つと、ミラー基板202は慣性モーメントによりさらに振れる。ねじり梁203,204のねじり剛性と慣性モーメントがつりあう角度までミラー基板202が振れた時点で電極パッド217に電圧を印加すると、静電引力による回転モーメントと、ねじり梁203,204の剛性によりミラー基板202は逆向きに振れる。固定電極213,214と可動電極(207,208)が最接近する時点で電圧印加を断つ。最初はミラー基板202の振れ角は小さいが、ミラー基板202の振動が開始した後に、電極パッド217に印加するパルス電圧の周波数を前記(1)で計算される共振周波数に合わせると、ミラー基板202の振れ角は徐々に増大し、ミラー基板202はある振れ角で往復振動するようになる。ミラー基板202の往復振動が安定した状態におけるミラー基板202の振れ角と、電極パッド217に印加されるパルス電圧(駆動パルス)との位相関係を図2に示す。
【0045】
このように往復振動しているミラー基板202は、その慣性モーメントにより、特にねじり梁203,204と直交する方向に変形しやすい。この実施例の振動ミラーにおいては、ミラー基板202は、壁部211,212により、ねじり梁203,204の直交方向の剛性が増加し、ミラー基板202の変形、したがってミラー面206の変形が効果的に抑えられる。また、壁部211,212がミラー基板202の長辺側の最も離れた位置に配置されることは、ミラー基板202の横ぶれを減らし振動の安定化にも寄与する。
【0046】
この振動ミラーを使用する場合、ミラー面206に光ビームが入射し、その反射光ビームがミラー基板202の振動によって偏向(スキャン)されることになるが、ミラー面202の形成されたミラー基板202の平坦性がもともと高いうえに、振動時の変形が効果的に抑えられるため、良好な反射光ビーム形状を得られる。
【0047】
この実施例のような振動ミラーを利用する場合、電極パッド217,218に対する配線や光学系の配置などの制約から、ミラー面206が本実施例のようにミラー基板202の表面側に形成されていると都合がよいことも、ミラー基板202の裏面側にミラー面が形成されていると好都合がよいこともある。前述のように、この実施例の振動ミラーは、ミラー基板202の表裏両面とも平坦であり、どちらの面にも、あるいは表裏両面にも、ミラー面を全面的に形成可能であるため、実装上の自由度が大きい。
【0048】
なお、この実施例では、壁部211,212の高さは全長に亘って均一であるが、例えば図3に略示するように、中央部から両端に向かって、すなわちミラー基板202の回転軸位置から離れるに従って、高さが減少するような形状とすることも可能であり、そのような態様の振動ミラーも本発明に包含される。このような壁部211,212の形状は、ミラー基板202の慣性モーメントへの影響を減少させる効果がある。
【0049】
本発明の振動ミラー製造方法は、絶縁層を介して接合された2枚のシリコン基板の一方のシリコン基板に、ドライエッチングによって少なくともミラー基板を形成する工程と、もう一方の前記シリコン基板に、ドライエッチングによって少なくとも壁部を形成する工程と、前記絶縁層を溶融する工程を含むことを特徴とするが、その一実施例を、図1の振動ミラーの製造を例として説明する。図4は工程説明用の簡略化した断面図である。
【0050】
工程a: 板厚525μmの2枚のシリコン基板301,302を厚さ5000Åの熱酸化膜303を介して直接接合し、一方のシリコン基板301を板厚200μmまで、他方のシリコン基板302を板厚60μまで研削、研磨したシリコンウェハを用意した。シリコン基板301は支持基板(図1の第2の基板210)として用いられ、シリコン基板302は振動ミラー本体を形成するデバイス基板(図1の第1の基板201)として用いられる。ここで、2枚のシリコン基板201,302はいずれもそれ自体が電極として用いられことから、0.1Ω・cm以下の低抵抗の基板である。なお、直接接合の方法であるが、シリコン基板301,302のミラー面研磨された接合面を、十分に洗浄した後、清浄かつ減圧雰囲気中で接触させ500℃の温度で仮接合し、その後1100℃の熱処理をすることにより本接合した。ここで、仮接合を減圧中で行なうのは、接合面のボイドの発生を抑えるためである。
【0051】
工程b: シリコンウェハを熱酸化し、その全面に厚さ1μmの酸化膜304を形成した。
【0052】
工程c: デバイス基板として用いられるシリコン基板302側に形成された酸化膜304を、ドライエッチングにより、図1に示したようなミラー基板202、ねじり梁203,204、枠部205、枠部の領域絶縁分離用のスリット215,216の形状にパターニングし、酸化膜マスク305を形成した。この際のエッチングマスクとしてはレジストマスクを用いた。
【0053】
工程d: このパターニングされた酸化膜マスク305をマスクとして、デバイス基板であるシリコン基板302を、接合面の酸化膜303に達するまで高密度プラズマエッチングで貫通した。このとき、界面の酸化膜303はシリコンに対して大きなエッチング選択比を持っているため、酸化膜303に達したときにエッチングは停止した。
【0054】
工程e: 支持基板としてのシリコン基板301上の酸化膜304を、同じくレジストマスクを用いたドライエッチングによりパターンニングすることにより、図1に示すような形状に加工するための酸化膜マスク306を形成した。このとき、両面アライナを用いて、デバイス基板側のシリコン基板302に形成されたパターンに合わせてレジストマスクを形成した。
【0055】
工程f: パターンニングされた酸化膜マスク306をマスクとして、支持基板であるシリコン基板301を接合面の酸化膜303に達するまで高密度プラズマエッチングで貫通した。ここでも界面の酸化膜303がシリコンに対して大きなエッチング選択比を持っているため、酸化膜303に達したときにエッチングが停止した。このエッチングにより、接合部の酸化膜303が残っていることと、電極パッド217,218が未形成であることを除けば、振動ミラーはほぼ完成した状態となった。
【0056】
工程g: 基板全体をBHFウエットエッチング液にいれることで、酸化膜303と、電極パッド形成部位の酸化膜305をエッチング除去した。
【0057】
工程h: 図1の電極パッド217,218としての金属薄膜307と、ミラー面206としての金属薄膜308を、メタルマスクを用いてスパッタ成膜した。これで、図1に示した振動ミラーが完成した。この例では金属薄膜307,308としてAlをスパッタ法で成膜したが、シリコン基板との十分な密着性と導通が得られれば、Au等の他の材料も選択可能である。また、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の他の成膜方法を用いてもよい。
【0058】
図1に関連して説明したように、ミラー面208をミラー基板202の裏面又は表裏両面に形成したい場合は、工程hの後で、ミラー面としての金属薄膜を成膜すればよい。なお、壁部211,212をミラー基板202と電気的に接続したい場合には、例えば、工程hの後で、壁部211,212とミラー基板202又はねじり梁203,204にまたがる金属薄膜の成膜を行えばよい。
【0059】
このような本発明の振動ミラー製造方法によれば、図1に示したような本発明の振動ミラーを低コストで製造することができ、また、ミラー基板や梁などの振動ミラーの基本部分や本発明の特徴である壁部の高精度加工が可能である。
【0060】
[振動ミラーの実施例2]
本発明の振動ミラーの実施例2の構成を図5に示す。図5の(a)は振動ミラーの概略平面図、(b)は振動ミラーのB−B’線概略断面図、(c)は振動ミラーの電極部分の拡大図である。
【0061】
図5において、401は第1の基板であり、これはミラー基板402、2本のねじり梁403,404、枠部405からなる。枠部405は絶縁膜409を介して第2の基板410に接合され、支持されている。第1の基板401と第2の基板410は、いずれも高精度の微細加工が可能で、ねじり変形しながら往復振動する弾性体として適度な剛性を持ち、かつ、基板自体を電極として用いることができる、低抵抗の単結晶シリコン基板から形成されている。そして、ねじり梁403,404、ミラー基板402、枠部405(後記固定電極を含む)は同一のシリコン基板を貫通することによって一体成形されている。
【0062】
ミラー基板402は、平面形状が長方形であり、その表面及び裏面は平坦である。ミラー基板402の表面側には、当該振動ミラーに使用される光に対して十分な反射率をもつ金属薄膜からなるミラー面406が形成されている。この金属薄膜の表面には、酸化による反射率の低下を防止するためのパッシベーション膜として適当な絶縁膜を形成してもよい。
【0063】
ミラー基板402の長辺側の2つの縁部の中央に、一直線上に配置された、ミラー基板402と同じ厚さのねじり梁403,404の一方の端が結合され、ねじり梁403,404の他方の端は枠部405に結合されている。ミラー基板402は、ねじり梁403,404をねじり回転軸として振動可能である。なお、ねじり梁403,404の幅は、その厚さとほぼ同じであることが一般に望ましいが、幅を多少変えることで当該振動ミラーの共振周波数を調整することが可能である。また、ねじり梁403,404の長さについても、振動が不安定にならない範囲で所望の共振周波数となるように設定することができる。
【0064】
ミラー基板402の短辺側の2つの縁部407,408は、当該ミラー基板402を駆動するための可動電極として作用する部分であり、図5(c)に拡大して示すように櫛歯状に加工されている。ミラー基板402の可動電極として作用する縁部407,408に対向する枠部405の部位に、櫛歯状の固定電極417,418が形成されている。この固定電極417,418と、ミラー基板402の櫛歯状縁部407,408(可動電極)とは、図5(c)に拡大して示すように、微小のギャップを隔てて噛み合う位置関係にある。
【0065】
枠部405は、そこに形成された絶縁スリット419,420により、固定電極417,418が含まれる領域と、ねじり梁403,404が結合した領域とに絶縁分離されている。このように絶縁分離された枠部405の各領域に、固定電極417,418への電圧印加のための金属薄膜からなる電極パッド421と、ねじり梁403,404を介しミラー基板402に(その可動電極に)電圧を印加するための、同じく金属薄膜からなる電極パッド422がそれぞれ形成されている。
【0066】
ミラー基板202の裏面側には、その長辺側の縁部に、ミラー基板202と垂直方向に延びる壁411,412が絶縁膜409を介して立設されている。この実施例においては、壁部411,412の高さは、第2の基板410の厚さ相当とされている。この実施例においては、壁部211、212は、第2の基板210と同じ低抵抗の単結晶シリコンからなる。
【0067】
第1の基板401は、絶縁膜413を介して第3の基板414にも接合、支持されている。この実施例においては、この第3の基板414も低抵抗の単結晶シリコン基板から形成されている。第3の基板414は枠部405と略同一の平面形状を有するが、電極パッド421,422が設けられる部位と固定電極417,417が形成される部位には、第3の基板414及び絶縁膜413は存在しない。
【0068】
この実施例においては、ミラー基板402の表面側にも、その長辺側の縁部に、ミラー基板402に対し垂直方向に延びる壁415,416が絶縁膜413を介して立設されている。この実施例においては、壁部415,416の高さは、第3の基板414の厚さ相当であり、裏面側の壁部411,412と同一高さである。この実施例においては、壁部415,416は、第3の基板414と同じ低抵抗の単結晶シリコンからなる。
【0069】
なお、ミラー基板402の裏面は、その長辺側の縁部に沿って壁部411,412があるのみで、その略全面が平坦である。したがって、ミラー基板402の裏面にミラー面を形成することも、ミラー基板402の表面及び裏面の両方にミラー面を形成することも可能である。図示しないが、ミラー基板402の裏面にミラー面を形成した振動ミラー、ミラー基板402の表裏両面にミラー面を形成した振動ミラーも本発明に包含される。
【0070】
この実施例の振動ミラーの駆動原理は前記実施例1のものと同様であり、例えば電極パッド422を接地し、電極パッド421に共振周波数に合わせた周波数のパルス電圧を印加することにより、ミラー基板402をねじり梁403,404をねじり回転軸として、ある振れ角で往復振動させることができる。この往復振動の際に、慣性モーメントによるミラー基板402の変形が大きな方向、すなわち、ねじり梁403,404と直交する方向の変形は、ミラー基板402の表裏両面に立設された壁部411,412,415,416によって、より効果的に抑えられる。壁部411,412,415,416がミラー基板402の長辺側の最も離れた位置に配置されることは、ミラー基板402の横振れを減らし、振動の安定化にも寄与する。さらに、この実施例においては、ミラー基板402の表裏両面側に壁部211,212と壁部415,416が対称的に設けられるため、壁部を含むミラー基板402の重心と、その回転中心軸とのずれを十分に小さくすることができ、このこともミラー基板402の振動の安定化に大きく寄与する。
【0071】
この振動ミラーを使用する場合、ミラー面406に光ビームが入射し、その反射光ビームがミラー基板402の振動によって偏向(スキャン)されることになるが、ミラー基板402は肉抜きされず、リブ構造でもないため、その平坦性が高く、従ってミラー面406の平坦性も高く、しかも振動時の変形が効果的に抑えられるため、良好な反射光ビーム形状を得られる。
【0072】
前記実施例1で言及したごとく、この実施例のような振動ミラーを利用する場合、ミラー面406がミラー基板402の表面側に形成されていると都合がよいことも、ミラー基板402の裏面側に形成されていると好都合がよいこともある。この実施例の振動ミラーは、前述のように、ミラー基板402の表裏どちらの面にも、表裏両面にもミラー面を全面的に形成可能であるため実装上の自由度が大きい。
【0073】
なお、この実施例では、壁部411,412,415,416の高さは全長に亘って均一であるが、例えば図3に略示したような、中央部から両端に向かって、すなわちミラー基板402の回転軸位置から離れるに従って、高さが減少するような形状とすることも可能であり、そのような態様の振動ミラーも本発明に包含される。このような壁部411,412,415,416の形状は、ミラー基板402への慣性モーメントの影響を減少させる効果がある。
【0074】
この実施例の振動ミラーの製造方法の一例を簡単に説明する。これは本発明の振動ミラー製造方法の一実施例でもある。
【0075】
第1の基板401、第2の基板410、第3の基板414に対応する3枚のシリコン基板を、絶縁膜409,413に対応する熱酸化膜を介して直接接合し、表面を研削研磨したシリコンウェハを用意し、これを熱酸化して全面に酸化膜を形成する。なお、少なくとも第2の基板410に対応するシリコン基板としては、例えば0.1Ω・cm以下の低抵抗の基板が用いられる。
【0076】
図4の工程e,f,gと同様の工程によって、第3の基板414に対応するシリコン基板を加工し、図5に示すような形状の第3の基板414及び壁部415,416を形成し、また、絶縁膜413に対応する酸化膜の露出した部位を除去する。このような工程によれば、壁部415,416の高精度の加工が可能である。
【0077】
次に、図4の工程b,c,dと同様の工程によって、第1の基板401に対応するシリコン基板を加工し、図5に示すような形状のミラー基板402(櫛歯状可動電極を含む)、ねじり梁403,404、枠部405(固定電極417,418及びスリット419,420を含む)を形成する。
【0078】
次に、図4の工程e,f,gと同様の工程によって、第2の基板410に対応するシリコン基板を加工し、図5に示すような形状の第2の基板410及び壁部411,412を形成し、絶縁膜409に対応する酸化膜の露出部を除去する。このような工程によれば、壁部411,412を高精度に加工可能である。
【0079】
最後に、図4の工程hと同様の工程によって、電極パッド421,422及びミラー面406としての金属薄膜の成膜を行い、振動ミラーを完成する。
【0080】
[振動ミラーの実施例3]
本発明の振動ミラーの実施例3の構成を図6に示す。図6の(a)は振動ミラーの概略平面図、(b)は振動ミラーのC−C’線概略断面図である。
【0081】
図6において、501は第1の基板であり、その裏面側に絶縁膜509を介して第2の基板510と接合され支持されている。これら基板501,510の材料としては、例えば0.1Ω・cm以下の低抵抗の単結晶シリコンが用いられる。
【0082】
第1の基板501は、前記実施例1の第1の基板201と同様なミラー基板502、2本のねじり梁503,504、枠部505からなる。ミラー基板502の長辺側の2つの縁部の中央に、一直線上に配置された、ミラー基板502と同じ厚さのねじり梁503,504の一方の端が結合され、ねじり梁503,504の他方の端は枠部505に結合されている。ミラー基板502は、ねじり梁503,504をねじり回転軸として振動可能である。ねじり梁503,504の幅は、その厚さとほぼ同じであることが一般に望ましいが、幅を多少変えることで当該振動ミラーの共振周波数を調整することが可能である。また、ねじり梁503,504の長さについても、振動が不安定にならない範囲で所望の共振周波数となるように設定することができる。ミラー基板502は、その表面及び裏面は平坦である。ミラー基板502の裏面側には、当該振動ミラーに使用される光に対して十分な反射率をもつ金属薄膜からなるミラー面506が形成されている。
【0083】
ミラー基板502の短辺側の2つの縁部507,508は、当該ミラー基板502を駆動するための可動電極として作用する部分であり、櫛歯形状とされている。ミラー基板502の可動電極として作用する縁部507,508に対向する枠部505の部位に、櫛歯状の固定電極521,522が形成されている。この固定電極521,522と、ミラー基板502の櫛歯状縁部507,508(可動電極)とは、前記実施例1の場合と同様に、微小ギャップを隔てて噛み合う位置関係にある。
【0084】
枠部505は、固定電極521,522が含まれる領域と、ねじり梁503,504が結合した領域とに絶縁スリットにより絶縁分離されているが、この絶縁スリットは図面簡略化のために図6中に示されていない。このように絶縁分離された枠部505の各領域には、固定電極521,522への電圧印加のための金属薄膜からなる電極パッド523,524と、ねじり梁503,504を通じミラー基板502に(その可動電極に)電圧を印加するための金属薄膜からなる電極パッド525,26がそれぞれ形成されている。これら電極パッドの部位の絶縁膜509は除去されていることは当然である。
【0085】
また、ミラー基板502の裏面側には、その長辺側の縁部に、ミラー基板502に対し垂直方向に延びる壁部511,512が絶縁膜509を介して立設されている。この実施例においては、壁部511,512の高さは、第2の基板510の厚さ相当とされている。この実施例においては、壁部511,512は、第2の基板510と同じ低抵抗の単結晶シリコンからなる。この壁部511,512は、ミラー基板502の慣性モーメントをできるだけ増加させることなく、ミラー基板502の振動時に慣性モーメントによる変形が最も大きな、ねじり梁203,204と直交する方向の、ミラー基板202の変形を効果的に低減させるために設けられたものである。なお、この実施例においては、壁部511,512はミラー基板502と電気的に接続される。この電気的接続のために、図6には図示されていないが、壁部511,512とミラー基板502の両方に接触した金属薄膜が形成される。ミラー面502としての金属薄膜は、通常、ミラー基板502上に直に形成されるため、ミラー面502としての金属薄膜と上記電気的接続のための金属薄膜は同時に形成可能である。
【0086】
なお、ミラー基板502の表面側にミラー面を形成することも、ミラー基板502の表面及び裏面の両方にミラー面を形成することも可能であり、このことは前述のように振動ミラーの実装の自由度を向上させる効果がある。図示しないが、ミラー基板502の表面にミラー面を形成した振動ミラー、ミラー基板502の表裏両面にミラー面を形成した振動ミラーも本発明に包含される。
【0087】
第2の基板510は、ねじり梁503,504及びミラー基板502を境界に、絶縁分離された4つの領域513,514,515,516に分割されている。これら領域513,514,515,516は壁部511,512に対する電極として働くもので、それぞれの内側面は壁部511,512の側面に近接対向している。各領域513,514,515,516上に、それに電圧を印加するための金属薄膜からなる電極パッド517,518,519,520が形成されている。壁部511,512はミラー基板502に電気的に接続されているため、ミラー基板502用の電極パッド525,526を壁部511,512用の電極パッドと兼用できるので、壁部511,512のために独立した配線及び電極パッドを設ける必要がない。
【0088】
このように、壁部511,512に対向させて電極が配設されたことは、前記実施例1,2には無い特徴的な構成である。この特徴的な構成は、ミラー基板502を振動させるための静電トルクを増大させるとともに、ミラー基板502に両側から静電引力を作用させることによりミラー基板502の横振れを抑え、その振動の安定化にも寄与する。
【0089】
この実施例の振動ミラーの駆動方法は次の通りである。例えば、ミラー基板側の電極パッド525,526を接地し、固定電極側の電極パッド523,524に共振周波数に一致する周波数のパルス電圧に印加することにより、ミラー基板502を往復振動させることは前記各実施例と同様である。この実施例の振動ミラーでは、さらに、壁部511,512と、それに対向した電極としての第2基板領域513,514,515,516によって、ミラー基板502の振動を助勢する静電トルクを発生させるために、電極パッド517,518,519,520にもパルス電圧が印加される。
【0090】
ミラー基板502の往復振動が安定した状態におけるミラー基板502の振れ角と、各電極パッドに印加されるパルス電圧(駆動パルス)との位相関係を図7に示す。図7において、(a)はミラー基板502の振れ角を示し、(b)は固定電極用の電極パッド523,524に印加されるパルス電圧を示す。(c)は電極パッド517,519に印加されるパルス電圧を示し、(d)は電極パッド518,520に印加されるパルス電圧を示す。壁部511,512はミラー基板502の一方の面側に立設されているため、ミラー基板502の振れる方向によって、壁部511,512と電極としての領域513,514,515,516との間の静電引力がミラー基板502の振動を助勢するように作用する振れ角度範囲に差があるため、それらの電極パッド517,518,519,520に印加されるパルス電圧の立ち下がりタイミングは、図7の(c)又は(d)のようにミラー基板502の振れ方向によって異なったものとなる。
【0091】
このように、この実施例においては、壁部511,512は、ミラー基板602の振動時の変形を効果的に抑える働きをするほか、ミラー基板502を振動させるための静電トルクを増大させる働きをする。さらに、壁部511,512は、ミラー基板502にその両側から静電引力を作用させることにより、ミラー基板502の横振れを抑え、その振動の安定化にも寄与する。
【0092】
この振動ミラーを使用する場合、ミラー面506に光ビームが入射し、その反射光ビームがミラー基板502の振動によって偏向(スキャン)されることになるが、ミラー基板502は肉抜きされず、リブ構造でもないため、その平坦性が高く、従ってミラー面506の平坦性も高く、しかも振動時の変形が効果的に抑えられるため、良好な反射光ビーム形状を得られる。
【0093】
前記実施例1で言及したごとく、この実施例のような振動ミラーを利用する場合、ミラー面506がミラー基板502の表面側に形成されていると都合がよいことも、ミラー基板502の裏面側に形成されていると好都合がよいこともある。この実施例の振動ミラーは、前述のように、ミラー基板502の表裏どちらの面にも、表裏両面にもミラー面を全面的に形成可能であるため実装上の自由度が大きい。なお、ミラー基板502の一方の面に肉抜きし、又はリブ構造とした構成の振動ミラーも本発明に包含されるが、実装の自由度の観点からはミラー基板502の表裏両面が平坦であるほうが実装上の自由度の観点から好ましいことは前述の通りである。
【0094】
また、この実施例では、壁部511,512の高さは全長に亘って均一であるが、例えば図3に略示したような、ミラー基板402の回転軸位置から離れるに従って高さが減少するような形状とすることも可能であり、そのような態様の振動ミラーも本発明に包含される。このような壁部511,512の形状は、ミラー基板502の慣性モーメントへの影響を少なくする効果がある。ただし、壁部511,512の形状に応じて、壁部511,512により発生する静電トルクの強さが若干変化し、また、電極パッド517,518,519,520に印加するパルス電圧とミラー基板502の振動との位相関係が図7に示したものとは若干異なったものになる。
【0095】
この実施例の振動ミラーは、図4に関連して説明した前記実施例1の振動ミラーと同様の工程によって製造可能であることは、以上の説明から明らかであるので説明しないが、壁部511,512とそれに対する電極(領域513,514,515,516)は同じシリコン基板の加工により形成できるため、その加工精度を十分に高くすることができる。
【0096】
[振動ミラーの実施例4]
本発明の振動ミラーの実施例4の構成を図8に示す。図8の(a)は振動ミラーの概略平面図、(b)は振動ミラーのD−D’線概略断面図である。
【0097】
この実施例の振動ミラーは、前記実施例3のものと一部構成が相違するのみである。その構成上の相違とは、第2の基板510が、ねじり梁503,504に近い側の4つの領域613,614,615,616と、ねじり梁503,504から離れた側の4つの領域617,618,619,620とに絶縁分離されており、これら各領域に電圧を印加するための電極パッド621,622,623,624,625,626,627,628が形成されていることである。630,631,632,634は絶縁分離のための絶縁スリットである。絶縁分離された8つの領域613,614,615,616,617,618,619,620は、壁部511,512を静電的に駆動するための電極として作用するもので、それぞれの内側面は壁部511,512の側面に近接対向している。
【0098】
このような特徴的な構成は、ミラー基板502を振動させるための静電トルクを増大させるとともに、ミラー基板502に両側から静電引力を作用させることによりミラー基板502の横振れを抑え、その振動の安定化にも寄与する。
【0099】
この実施例の振動ミラーの駆動方法は次の通りである。例えば、ミラー基板側の電極パッド525,526を接地し、固定電極側の電極パッド523,524に共振周波数に一致する周波数のパルス電圧に印加することにより、ミラー基板502を往復振動させることは前記各実施例と同様である。この実施例の振動ミラーでは、さらに、壁部511,512と、それに対向した電極としての第2基板領域613,614,615,616,617,618,619,620によって、ミラー基板502の振動を助勢する静電トルクを発生させるために、電極パッド621,622,623,624,625,626,627,628にもパルス電圧が印加される。
【0100】
ミラー基板502の往復振動が安定した状態におけるミラー基板502の振れ角と、各電極パッドに印加されるパルス電圧(駆動パルス)との位相関係を図9に示す。図9において、(a)はミラー基板502の振れ角を示し、(b)は固定電極用の電極パッド523,524に印加されるパルス電圧を示す。(c)は電極パッド625,627に印加されるパルス電圧を示し、(d)は電極パッド621,623に印加されるパルス電圧を示す。(e)は電極パッド626,628に印加されるパルス電圧を示し、(f)は電極パッド622,624に印加されるパルス電圧を示す。壁部511,512のねじり梁503,504から遠い部分と近い部分とでは、対向した電極(領域613〜620)との間の静電引力がミラー基板502の振動を助勢するように作用する振れ角度範囲に差があるため、(c)と(d)に示すパルス電圧、(e)と(f)のパルス電圧は、その立ち下がりのタイミングが異なったものとなる。
【0101】
このように、この実施例においては、壁部511,512に近接対向させた第2基板領域にパルス電圧を印加することにより、前記実施例3と同様にミラー基板602を振動させるための静電トルクを増大させる働きをするとともに、ミラー基板502にその両側から静電引力を作用させることにより、ミラー基板502の横振れを効果的に抑え、その振動の安定化に寄与する。さらに、この実施例では、第2の基板510が前述のように8つの領域に分割され、それらに独立に電圧パルスが印加される構成であるので、壁部511,512のねじり梁503,504に近い部分と遠い部分とに作用させる静電引力を独立に制御できるため、ミラー基板502の振れ角の制御性がよい。
【0102】
前記実施例3と同様、この実施例の振動ミラーは、ミラー面506の平坦性も高く、振動時の変形が効果的に抑えられるため、良好な反射光ビーム形状を得られる。また、ミラー面506をミラー基板502の逆の面に形成することも、両面に形成することも可能であり、実装上の自由度も高い。また、壁部511,512を例えば図3に略示したような、ミラー基板402の回転軸位置から離れるに従って高さが減少するような形状とすることも可能であり、そのような態様の振動ミラーも本発明に包含される。なお、ミラー基板502の一方の面に肉抜きし、又はリブ構造とした構成の振動ミラーも本発明に包含されるが、実装の自由度の観点からはミラー基板502の表裏両面が平坦であるほうが実装上の自由度の観点から好ましいことは前述の通りである。
【0103】
この実施例の振動ミラーは、図4に関連して説明した前記実施例1の振動ミラーと同様の工程によって製造可能であることは、以上の説明から明らかであるので、その説明を省略する。
【0104】
[振動ミラーの実施例5]
本発明の振動ミラーの実施例5の構成を図10に示す。図10の(a)は振動ミラーの概略平面図、(b)は振動ミラーのE−E’線概略断面図である。
【0105】
この実施例の振動ミラーは、前記実施例3のものと一部構成が相違するのみである。その構成上の相違とは、壁部511,512の底面と連続した同一材料の配線部701,702が、ねじり梁503,504に沿って枠部505まで引き出され、枠部505上で電極パッド713,714が形成されていることである。壁部511,522と配線部701,702は、絶縁膜509によって、ねじり梁503,504及びミラー基板502から絶縁されている。なお、ミラー基板502への電圧印加用の電極パッド525,526は、電極パッド713,714の横位置に移動されている。
【0106】
この実施例の振動ミラーの駆動方法は前記実施例3と同様であるが、壁部511,512はミラー基板502から絶縁され、その電極パッド713,714が設けられているので、壁部511,512の電位を任意に制御することができる。したがって、例えば、壁部とその電極との間の静電引力がミラー基板の振動を助勢するように作用する期間には壁部を接地電位とし、壁部とその電極との間の静電斥力がミラー基板の振動を助勢するように作用する期間には壁部をプラス電位に切り替えるなどの方法により、壁部とその電極の間の静電力を、より広い振れ角範囲においてミラー基板の振動に利用することができる。このような静電引力と静電斥力の両方を利用する場合においても、それら静電力はミラー基板に対し両側から均等に作用するため、より広い振れ角範囲でミラー基板の横振れを効果的に抑制することができる。なお、電極パッド713,714を電極パッド525,526と接続することにより、壁511,512をミラー基板502と同電位にすることも可能である。
【0107】
また、壁部511,512の配線部701,702がねじり梁部503,504に沿って壁部505に引き出されているため、振動ミラーの全体構造及び製造プロセスを複雑化することなく、壁部511,512用の電極パッド713,714を他の電極パッドと同じ面側に容易に設けることができる。
【0108】
なお、この実施例においても、ミラー面506をミラー基板502の逆の面に形成することも、両面に形成することも可能であり、そのような態様も本発明に包含される。また、壁部511,512を、例えば図3に略示したような、ミラー基板402の回転軸位置から離れるに従って高さが減少するような形状とすることも可能であり、そのような態様の振動ミラーも本発明に包含される。ただし、ミラー基板502の一方の面に肉抜きし、又はリブ構造とした構成の振動ミラーも本発明に包含されるが、実装の自由度の観点からはミラー基板502の表裏両面が平坦であるほうが実装上の自由度の観点から好ましいことは前述の通りである。
【0109】
この実施例の振動ミラーは、図4に関連して説明した前記実施例1の振動ミラーと同様の工程によって製造可能であることは、以上の説明から明らかである。なお、図4の工程eで作成される酸化マスクを、配線部701,702を残すようにパターンニングする必要がある。
【0110】
[振動ミラーの他の実施例]
前記実施例3,4,5の振動ミラーにおいては、ミラー基板の片面側にのみ壁部が形成されているが、ミラー基板の表裏両面側に壁部を対象に立設し、それら壁部に対する電極としての領域をミラー基板の両面側に設けた構成とすることも可能であり、そのような振動ミラーも本発明に包含される。
【0111】
図11は、そのような振動ミラーの一例を示す模式的な斜視図である。この例は、前記実施例4の振動ミラーの第1の基板501に絶縁膜を介して接合された第3の基板510Aを加工することにより、壁部511,512に対応する壁部511A,512Aと、それらに対する電極として、領域613,614,615,616,617,618,619,620に対応する絶縁分離された8つの領域613A,614A,615A,616A,617A,618A,619A,620Aを形成し、それら領域に電極パッドを設けた如き構成である。枠部505とミラー基板用の電極パッド525,526に相当する部分は図示されていない。なお、この振動ミラーの駆動方法は、前記実施例4の場合と同様でよいことは明らかである。
【0112】
前記実施例3又は5についても同様の変形構成が可能であり、そのような構成の振動ミラーも本発明に包含される。
【0113】
この例のように、壁部と、それに対する電極部をミラー基板の両面側に対称的に設けると、ミラー基板の変形をより効果的に抑えることができるとともに、ミラー基板の重心とその振動軸とのずれを極めて小さくし振動を安定化することができる。また、壁部とその電極により生じる静電トルクが増大し、さらに、ミラー基板に両側より静電引力を作用させることによるミラー基板の横揺れ防止効果も向上する。
【0114】
なお、このような振動ミラーは、前記実施例2と同様の方法で製造可能であることは明らかであるので、その説明は省略する。
【0115】
以上に説明したような本発明の振動ミラーは、写真印刷方式のプリンタや複写機などの画像形成装置のための光走査手段として最適である。次に、そのような画像形成装置について説明する。
[画像形成装置と光書込装置の実施例]
図12は本発明による画像形成装置と光書込装置の実施例の模式的構成図である。
【0116】
図12において、801は光書込装置、802は光書込装置801の被走査面(像担持体)を提供する感光体ドラムである。光書込装置801は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームで感光体ドラム802の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査するものである。感光体ドラム802は、矢印803方向に回転駆動され、帯電部804で帯電された表面に光書込装置801により光走査されることによって静電潜像を形成される。この静電潜像は現像部805でトナー像に顕像化され、このトナー像は転写部806で記録紙808に転写される。転写されたトナー像は定着部807によって記録紙808に定着される。感光体ドラム802の転写部806を通過した表面部分はクリーニング部809で残留トナーを除去される。なお、感光体ドラム802に代えてベルト状の感光体を用いる構成も可能であることは明らかである。また、トナー像を転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像を記録紙に転写して定着させる構成とすることも可能である。
【0117】
光書込装置801は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームを発する光源部820と、前述したような本発明の振動ミラー821と、この振動ミラー821のミラー基板のミラー面に光源部820からのレーザビームを結像させるための結像光学系822と、ミラー面で反射された1本又は複数本のレーザビームを感光体ドラム802の表面(被走査面)に結像させるための走査光学系823から構成される。振動ミラー821は、その駆動のための集積回路824とともに回路基板825に実装された形で光書込装置801に組み込まれる。なお、振動ミラー821として、ミラー基板に設けられた壁部に対向する電極を有する構成のものが用いられる場合には、その電極も集積回路824により駆動される。
【0118】
本発明による振動ミラー821は、前述のように振動の安定性及びビーム形状の安定性が優れるため、光書込装置801は感光体ドラム802に高品質の光書込みが可能であり、したがってこの画像形成装置は高品質の画像形成が可能である。また、本発明の振動ミラー821は、回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の省電力化に有利である。振動ミラー821のミラー基板の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置の静粛性の改善に有利である。振動ミラー821は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、振動ミラー821の発熱量もわずかであるため、光書込装置801の小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
【0119】
なお、記録紙808の搬送機構、感光体ドラム802の駆動機構、現像部805、転写部806などの制御手段、光源部820の駆動系などは、従来の画像形成装置と同様でよいため図中省略されている。
【0120】
[光走査モジュールの実施例]
図13は、本発明の光走査モジュールの一実施例を説明するための概略分解斜視図である。この光走査モジュールは、前述したような本発明の振動ミラー900を容器に収容し、容器内を減圧状態に封止したものである。振動ミラー900のミラー基板の振動空間を減圧状態とすることで、ミラー基板900の振動負荷が減るため、低い駆動電圧でミラー基板を大きな振れ角で振動させることができ、またその振動を安定化することができる。
【0121】
容器はカバー901と支持基体903とからなる。カバー901は、光ビームを透過させるための透明ガラス等からなる窓902を有する。
【0122】
この実施例では、光ビームの偏向角度を増大させるために、振動ミラー900のミラー面900aに光ビームを多重反射させる手段として2つの反射素子904,905が組み込まれ、これが光ビームの通過間隙を挟んで互いに対向した状態で振動ミラー900の枠部900bに接合される。この実施例では、反射素子904は振動ミラー900の枠部900bとの接合面に対し約26°傾いた反射面904aを有し、振動ミラー905は振動ミラー900の枠部との接合面に対し約9゜傾いた反射面905aを有する。なお、多重反射のための反射素子904,905が含まれない構成の光走査モジュールも本発明に包含される。
【0123】
支持基体903は、底板部906と中央に有底の穴部907を有する台座部908とを例えばFe等の焼結金属等で一体成形してなるものである。この支持基体903には、その上下に貫通する端子909が、不図示の絶縁材料を介して固定されている。
【0124】
振動ミラー900は、その枠部900bが台座部903に接合されて保持されるが、この状態で穴部907は振動ミラー900のミラー基板の振動のための空間を提供する。振動ミラー900の枠部900bに形成された電極パッドは、ワイヤーボンディングにより対応した端子907と結線される。カバー901が支持基体903の台座部908の外周部に装着され、減圧状態で気密に封止されることにより、この光走査モジュールの組立が完了する。
【0125】
この光走査モジュールを回路基板に実装する場合には、支持基体903の底板部906の底面を回路基板に突き当て、端子909の下端を回路基板のスルーホールに挿入し、それを回路基板のパターンに半田づけすることによって、電気的接続及び機械的固定を行う。
【0126】
図14は、振動ミラー900のミラー面900aと反射素子904,905の反射面904a,905aによる光ビームの多重反射の様子を示す模式図である。光ビームは、ミラー基板の回転軸を含み実装面と垂直な面内(垂直走査断面内)を、実装面の法線に対して例えば約20°の入射角度で、窓902を透過し振動ミラー900のミラー面900aに入射する。ミラー面900aで反射された光ビームは反射面904aによってミラー面900aへ反射され、その反射光ビームは反射面905aによってミラー面900aへ反射される。ミラー面900aと反射面905aとの間で垂直走査断面内の位置を移動しながら反射を繰り返し(この例では3回の繰り返し)、最終的に、入射光線と約40°の角度、すなわち実装面の法線に対して入射光線と反対側に20°の角度で反射光ビームが窓902より射出する。
【0127】
このような光ビームの多重反射を行わせる構成によれば、振動ミラー900のミラー基板の振れ角より遙かに大きな光ビームの偏向角度(走査角度)が得られるため、広範囲の光走査が可能となる。より具体的に述べれば、ミラー面900aが振動によって傾くと、光ビームは回転軸と垂直方向に多重反射され、光ビームの反射角度は反射される度に増加していく。ここで、ミラー基板のミラー面900aでの総反射回数をN、ミラー基板の振れ角をαとすると、射出される光ビームの角度である走査角θは、2Nαであり、反射する回数が多いほど大きくなる。この例の場合、N=5であるので、α=±5°ならばθ=50°となる。本発明の振動ミラー900はミラー基板の振動時の変形が少ないため、射出される光ビームの径も安定である。
【0128】
[画像形成装置及び光書込装置の他の実施例]
前述したような本発明の光走査モジュールを用いた光書込装置と、それが用いられた画像形成装置の実施例を説明する。図15は画像形成装置の概略構成図である。図16は光書込装置を示し、(a)は概略分解斜視図、(b)は概略断面図である。
【0129】
図15において、3041は像担持体(被走査面)としての感光体ドラムである。感光体ドラム3041の周囲には、その表面を高圧に帯電する帯電チャージャー3042、光書込装置3040、この光書込装置3040により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ3043、現像ローラ3043にトナーを供給するトナーカートリッジ3044、感光体ドラム3041に残ったトナーを掻き取り回収するクリーニングケース3045が配置される。記録紙は給紙トレイ3046から給紙コロ3047により供給され、レジストローラ対3048により副走査方向の記録開始のタイミングに合わせて送り出され、感光体ドラム3041を通過する際に転写チャージャ3049によってトナー像を転写され、定着ローラ3050で定着されてから排紙ローラ3051により排紙トレイ3052に排出される。
【0130】
図16において、3031は図13及び図14に示した本発明の光走査モジュールである。この実施例の光書込装置3040においては、半導体レーザの駆動回路と振動ミラーの駆動回路とが実装された回路基板3032上に、レーザ光の走査方向に合わせて3個の光走査モジュール3031が配列されている。本発明の光走査モジュール3031は、ミラー面に光ビームを多重反射させるため光ビームの偏向角度(走査角)が広いため、比較的少ない個数の光走査モジュール3031を用いて、走査幅の大きな光書込装置3040を実現可能である。また、本発明の光走査モジュール3031のビーム形状は安定であるため、光書込装置3040によれば高品質の光書込み、すなわち静電潜像の形成が可能であり、したがって当該画像形成装置によれば高品質な画像形成が可能である。
【0131】
各光走査モジュール3031の光ビームの走査開始側には、不図示のセンサーが回路基板3032上に配置されている。各光走査モジュール3031に対応して、半導体レーザ3033と、カップリングレンズ3034、第1レンズ3035及び第2レンズ3036からなる光学系を具備する。第1レンズ3035及び第2レンズ3036は、光走査モジュール3031内の振動ミラーのミラー基板の回転軸を含む垂直走査断面内で各々光軸が一致し、かつレーザ光が走査する面に対して各レンズの側面が平行になるように、ハウジング内に配置され固定される。
【0132】
半導体レーザ3033は、発光源とモニタ用フォトダイオードが組み込まれている汎用の素子であり、そのリード端子は不図示のフレキシブルケーブルにより回路基板3032に結線されている。半導体レーザ3033から射出したレーザ光は、第1面が軸対称の非球面、第2面が垂直走査方向に曲率を有するシリンダ面であるカップリングレンズ3034によって、レーザ光の走査方向には略平行光束に、レーザ光の走査方向と垂直な方向には振動ミラーのミラー面で集束するような集束光束になる。レーザ光は、入射ミラーを介して光走査モジュールに入射し、振動ミラーによって偏向、走査されて射出される。射出されたレーザ光は、上述の走査光学系により感光体ドラム3041の表面に結像され、静電潜像が記録される。第2レンズ3036の直前には同期ミラーが配備され、走査開始側の光ビームを前記センサーへ反射し、この前記センサーにおいて振動ミラーのミラー面の角度変位を検出して同期信号を発生する。この同期信号に基づき、時間とともに周波数が一回の走査内で変化するパルス列に画素データを乗せた変調信号が半導体レーザ駆動回路により各半導体レーザ3033に与えられる。
【0133】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はそれら実施例の構成のみに限定されるものではなく、様々な変形が許されるものである。
【0134】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば以下のような効果を得られる。
(1)請求項1の発明によれば、ねじり梁支持型振動ミラーにおいて、その実装上の自由度を制限することなく、壁部によって、ミラー基板の振動時の変形を効果的に抑えて光ビーム形状を安定化することができ、また、ミラー基板の横ぶれを減らし振動を安定化することができる。
(2)請求項2の発明によれば、壁部によって、ミラー基板の振動時の変形を効果的に抑えて光ビーム形状を安定化することができ、また、ミラー基板の横ぶれを減らし振動を安定化することができる。さらに、壁部をミラー基板の駆動に利用し、ミラー基板の振れ角を増大させることができるとともに、ミラー基板にその両側から静電引力を作用させることによりミラー基板の横振れを抑え、その振動をさらに安定化することができる。
(3)請求項3の発明によれば、振動ミラーの実装上の自由度を向上させることができる。
(4)請求項4の発明によれば、壁部のねじり梁に近い部分と遠い部分とに作用させる静電引力を独立して制御できるため、ミラー基板の振れ角の制御性が向上する。
(5)請求項5の発明によれば、壁部のための配線部や電極パッドを別に設ける必要がなくなる。
(6)請求項6の発明によれば、壁部の電位を任意に制御することができる。したがって、例えばミラー基板の振動中に壁部の電位を適宜変化させることにより、壁部とその電極との間の静電力をより広い振れ角範囲でミラー基板の振動及び横振れ抑制に利用することができる。
(7)請求項7の発明によれば、振動ミラーの全体構造及び製造プロセスを複雑化することなく、壁部のための電極パッドを容易に設けることができる。
(8)請求項8の発明によれば、ミラー基板の振動時の変形をより効果的に減らすことができるとともに、壁部を含むミラー基板の重心とその回転軸とのずれを小さくしミラー基板の振動をさらに安定化することができる。
(9)請求項9の発明によれば、壁部を設けることによるミラー基板の慣性モーメントへの影響を減らすことができる。
(10)請求項10の発明によれば、低コストで壁部の加工精度を高めることができる。
(11)請求項11の発明によれば、低コストで壁部及びその電極の加工精度を高めることができる。
(12)請求項12の発明によれば、上に述べたような長所を持つ振動ミラーを低コストで製造することができ、また、ミラー基板や梁などの振動ミラーの基本部分や壁部の加工精度を高めることができる。
(13)請求項13及び14の発明によれば、低い駆動電圧で振動ミラーのミラー基板を大きな振れ角で振動させることができ、また、その振動を安定化することができる。請求項14の発明によれば、振動ミラーのミラー基板の振れ角より遙かに大きな光ビームの偏向角度(走査角度)を得られる。したがって、ミラー基板の駆動電圧の一層の低電圧化も可能になる。
(14)請求項15及び16の発明によれば、高品質な光書込みが可能で、消費電力及び発熱量が少なく、静粛性に優れ、かつ小型軽量の光書込装置を実現できる。
(15)請求項17の発明によれば、高品質の画像形成が可能な画像形成装置を実現できるとともに、画像形成装置の消費電力、発熱量を減らし、静粛性を改善し、また画像形成装置を小型化、軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動ミラーの実施例1の構成を示す概略平面図、概略断面図及び部分拡大図である。
【図2】実施例1の振動ミラーの駆動電極に印加されるパルス電圧とミラー基板の往復振動とのタイミング関係を示す図である。
【図3】ミラー基板に設けられる壁部の形状を説明するための図である。
【図4】実施例1の振動ミラーの製造工程を説明するための概略断面図である。
【図5】本発明の振動ミラーの実施例2の構成を示す概略平面図、概略断面図及び部分拡大図である。
【図6】本発明の振動ミラーの実施例3の構成を示す概略平面図及び概略断面図である。
【図7】実施例3の振動ミラーの駆動電極に印加されるパルス電圧及び壁部の電極に印加されるパルス電圧とミラー基板の往復振動とのタイミング関係を示す図である。
【図8】本発明の振動ミラーの実施例4の構成を示す概略平面図及び概略断面図である。
【図9】実施例4の振動ミラーの駆動電極に印加されるパルス電圧及び壁部の電極に印加されるパルス電圧とミラー基板の往復振動とのタイミング関係を示す図である。
【図10】本発明の振動ミラーの実施例5の構成を示す概略平面図及び概略断面図である。
【図11】本発明の振動ミラーの他の実施例を説明するための模式的斜視図である。
【図12】本発明の画像形成装置及び光書込装置の一実施例の概略構成図である。
【図13】本発明の光走査モジュールの一実施例を説明するための概略分解斜視図である。
【図14】ミラー面での光ビームの多重反射を説明するための模式図である。
【図15】本発明の画像形成装置の他の実施例の概略構成図である。
【図16】本発明の光書込装置の他の実施例を説明するための概略斜視図及び概略断面図である。
【図17】ねじり梁支持型振動ミラーの基本構造の一例を示す概略平面図、概略断面図及び部分拡大図である。
【符号の説明】
202 ミラー基板
203,204 ねじり梁
205 枠部
206 ミラー面
211,212 壁部
213,214 ミラー基板駆動電極(固定電極)
402 ミラー基板
403,404 ねじり梁
405 枠部
406 ミラー面
411,412,415,416 壁部
417,418 ミラー基板駆動電極(固定電極)
502 ミラー基板
503,504 ねじり梁
505 枠部
506 ミラー面
511,512 壁部
513,514,515,516 壁部に対向した電極領域
521,522 ミラー基板駆動電極(固定電極)
613,614,615,616,617,618,619,620 壁部に対向した電極領域
701,702 壁部の配線部
801 光書込装置
821 振動ミラー
802 感光体ドラム
805 現像部
806 転写部
901 カバー
903 支持基体
900 振動ミラー
900a ミラー面
904,905 反射素子
3040 光書込装置
3041 感光体ドラム
3043 現像ローラ
3049 転写チャージャ
3031 光走査モジュール
3033 半導体レーザ

Claims (17)

  1. ミラー面を有するミラー基板と、前記ミラー基板の対向する2つの縁部の中央に結合した、一直線上に配置された2本のねじり梁とを有し、前記ミラー基板が前記ねじり梁をねじり回転軸として往復振動する振動ミラーであって、
    前記ミラー基板は、表面及び裏面が平坦であるとともに、前記2つの縁部に沿って立設された壁部を有することを特徴とする振動ミラー。
  2. ミラー面を有するミラー基板と、前記ミラー基板の対向する2つの縁部の中央に結合した、一直線上に配置された2本のねじり梁とを有し、前記ミラー基板が前記ねじり梁をねじり回転軸として往復振動する振動ミラーであって、
    前記ミラー基板の前記2つの縁部に沿って立設された壁部と、前記壁部の側面に対向した電極を有することを特徴とする振動ミラー。
  3. 前記ミラー基板は表面及び裏面が平坦であることを特徴とする請求項2に記載の振動ミラー。
  4. 前記壁部の側面に対向する前記電極は前記ねじり回転軸からの距離が異なる複数の部分に絶縁分離されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の振動ミラー。
  5. 前記壁部は前記ミラー基板と電気的に接続されていることを特徴とする請求項2,3又は4に記載の振動ミラー。
  6. 前記壁部は前記ミラー基板と絶縁されていることを特徴とする請求項2,3又は4に記載の振動ミラー。
  7. 前記壁部の配線部が前記ねじり梁に沿って引き出されることを特徴とする請求項6に記載の振動ミラー。
  8. 前記ミラー基板の表面側及び裏面側に前記壁部が立設されたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動ミラー。
  9. 前記壁部はその高さが前記ねじり梁から離れるにしたがって小さくなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動ミラー。
  10. 前記壁部は、前記ミラー基板を形成するシリコン基板と絶縁膜を介して接合されたシリコン基板を加工することにより形成されたことを特徴とする請求項1に記載の振動ミラー。
  11. 前記壁部及び前記電極は、前記ミラー基板を形成するシリコン基板と絶縁膜を介して接続されたシリコン基板を加工することにより形成されたことを特徴とする請求項2に記載の振動ミラー。
  12. 請求項1又は2に記載の振動ミラーの製造方法であって、絶縁層を介して接合された2枚のシリコン基板の一方のシリコン基板に、ドライエッチングによって少なくともミラー基板を形成する工程と、もう一方の前記シリコン基板に、ドライエッチングによって少なくとも壁部を形成する工程と、前記絶縁層を溶融する工程を含むことを特徴とする振動ミラー製造方法。
  13. 容器と、この容器内に収容された請求項1乃至11のいずれか1項に記載の振動ミラーとからなり、前記容器内が減圧状態に封止されたことを特徴とする光走査モジュール。
  14. 前記振動ミラーのミラー面で光ビームを多重反射させるための反射素子を前記容器内に有することを特徴とする請求項13に記載の光走査モジュール。
  15. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の振動ミラーと、光ビームを前記振動ミラーのミラー面に入射させる手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを被走査面に結像させる手段とを有することを特徴とする光書込装置。
  16. 光ビームを発生する手段と、前記光ビームを偏向させる請求項13又は14に記載の光走査モジュールと、前記光走査モジュールにより偏向された光ビームを被走査面に結像させる手段とを有することを特徴とする光書込装置。
  17. 像担持体と、この像担持体を被走査面として記録信号により変調された光ビームで走査することにより前記像担持体に静電潜像を形成する請求項15又は16に記載の光書込装置と、前記像担持体に形成された静電潜像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
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