JP2008070863A - 振動ミラー、光書込装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】共振周波数を調整する機能を安定して維持できる振動ミラー、光書込装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】より小さな力で構造体の内部応力を変化調整することができ、共振周波数を調整する機能を低エネルギーで実現することができる。さらに、本発明によれば、ミラー基板に対称に応力が作用するため、ミラー基板の光軸ずれがなく、広く調整範囲を設定し高精度の光走査が実現できる。
【選択図】図1
【解決手段】より小さな力で構造体の内部応力を変化調整することができ、共振周波数を調整する機能を低エネルギーで実現することができる。さらに、本発明によれば、ミラー基板に対称に応力が作用するため、ミラー基板の光軸ずれがなく、広く調整範囲を設定し高精度の光走査が実現できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、マイクロマシニング技術を適用した微小光学系の振動ミラー、光書込装置(光走査装置)および画像形成装置に関し、特にデジタル複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置、バーコードリーダーやスキャナー等の光書込装置、およびこれらに用いられる振動ミラーに関する。
マイクロマシニング技術を適用した微小光学系の振動ミラーは、ミラー基板を同一直線上に設けられた2本の梁の間に設けると共に、ミラー基板に対向する位置に電極を設け、その梁をねじり回転軸として往復振動させている(例えば非特許文献1参照)。
マイクロマシニング技術で形成されたこの振動ミラーは、従来のモーターを使ったポリゴンミラーの回転による光走査装置と比較して、構造が簡単で半導体プロセスによる一括形成が可能なため、容易に小型化可能であり製造コストも低く、また単一の反射面であるためポリゴンミラーのように複数面による精度のばらつきがなく、さらに往復走査であるため高速化に対応できる等の効果が期待できると期待されている。
また、ミラー基板の振れ角を大きくするため、その振動領域に電極が重ならないようにミラー基板の端面に対向電極を設ける静電駆動のねじり振動型振動ミラーが開示されている。この振動ミラーは、シリコンからなる可動電極としてのミラー基板とミラー基板端面に微小なギャップを隔てて対向する固定電極の間の静電引力で駆動するものであり、両電極は同一部位に形成されている発明が開示されている(例えば、非特許文献2参照)。
これらの振動ミラーは、ミラー基板を起動させるためのねじり回転軸に対する初期モーメントを与えるのに、非特許文献1では形成プロセスで生じる構造体の微小な非対称性を利用しており、非特許文献2では駆動電極に直交する面上に起動のための金属電極薄膜を設けている。これらの振動ミラーは振れ角を大きくするため駆動周波数を構造体の共振周波数に合わせている。
ミラーの共振周波数fは、梁のねじり弾性係数をkとし、ミラーの慣性モーメントをIとすると次式(1)で表すことができる。
f=1/2π(k/I)1/2 …(1)
ここで、ねじり弾性係数kは、梁幅をc、梁高さをt、梁長さをLとし、βは断面形状係数、Eはヤング率、σはポアソン比であるとすると、次式(2)で表される。
k=βtc3E/L(1+σ) …(2)
このように共振周波数はミラー基板、ねじり梁の材質、及び形状によって決まるため、加工精度によってばらつきができてしまう。
f=1/2π(k/I)1/2 …(1)
ここで、ねじり弾性係数kは、梁幅をc、梁高さをt、梁長さをLとし、βは断面形状係数、Eはヤング率、σはポアソン比であるとすると、次式(2)で表される。
k=βtc3E/L(1+σ) …(2)
このように共振周波数はミラー基板、ねじり梁の材質、及び形状によって決まるため、加工精度によってばらつきができてしまう。
この共振周波数を微細に調整するのに、特許文献1に、ねじり梁部にヤング率可変素子を設けることが開示されている。
また、特許文献2には、同一直線上に設けられた2本の梁で支持されたミラー基板と、上記梁をねじり回転軸としてミラー基板を往復振動させるミラー駆動手段を有する光走査装置において、ミラー基板の一部を切除して共振周波数を調節する光走査装置が開示されている。尚、特許文献2に記載の発明は本願発明の発明者が発明したものである。
特許第2981600号公報
特開2003−84226号公報
IBM J.Res.Develop Vol.24 (1980)
The 13th Annual International Workshop on MEMS2000 (2000) 473-478 、MEMS1999 (1999) 333-338
しかしながら、特許文献1に開示されているねじり梁部にヤング率可変素子を設けて共振周波数を微細に調整する発明では、ヤング率可変素子としてねじり梁表面に形成された電気抵抗素子や圧電素子を用い、その通電による発熱によるねじり梁の加熱、あるいは圧電素子の変形によるねじり梁への内部応力の印加によってヤング率を変化させている。
これらの電気抵抗素子、圧電素子として、AlやPt等の金属薄膜、あるいはBaTiO3やPZT等のセラミックスが用いられるが、いずれも多結晶体であり結晶粒界が存在する。ねじり梁は高速で長時間ねじり変形することで支持しているミラー基板を振動させるが、両者は単結晶のシリコンで一体成形されているため、この変形においても十分な耐久性を有している。
一方、ねじり梁の表面に形成された金属薄膜やセラミックスは多結晶体であるため結晶粒界から欠陥が発生して疲労破壊により断線してしまう。すなわち、ねじり梁に形成されたヤング率可変素子の劣化によって共振周波数の調整精度が悪化したり、調整不能になったりしたりするといった不具合が生じるという問題もある。
そこで、本発明は、上述した実情を考慮してなされたものであり、本発明はこのような問題点を解決し、共振周波数を調整する機能を安定して維持できる振動ミラー、光書込装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ねじり梁に支持され、前記ねじり梁を中心軸として回転振動可能に枠体内にミラー基板が張架された振動ミラーであって、前記枠体、前記ねじり梁、及び前記ミラー基板は一体形成され、前記枠体に前記ねじり梁の弾性係数を調整する調整手段を配置したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ねじり梁の弾性係数を調整する調整手段は、前記ねじり梁を支持すると共にスリットを介して一体形成された枠体の内部応力を変化させることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記弾性係数を調整する調整手段が前記ミラー基板に対し対称位置に形成されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、前記弾性係数を調整する調整手段が前記ねじり梁に対し対称位置に複数形成されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、上記弾性係数を調整する調整手段が前記ミラー基板の厚さ方向に対し対称位置の少なくとも2ヶ所以上に形成されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明において、前記ミラー基板、前記ねじり梁、前記枠体、及び前記ねじり梁の前記弾性係数を調整する調整手段がシリコンによる一体成形からなることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の発明において、共振周波数検出手段を更に備え、共振周波数が一定となるよう前記調整手段を制御する手段を有することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の発明において、前記ミラー基板を駆動するミラー駆動手段と、前記ミラー基板に入出射する光ビームの通過部と、前記ミラー駆動手段に結線する端子部とを減圧容器内に収容したことを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の発明において、前記調整手段は、前記梁部材と前記枠体との間に設けられた調整構造体からなり、前記調整構造体Y字形状、口字形状、日字形状、もしくはアンテナ記号形状を有することを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9記載の振動ミラーと、前記振動ミラーの振幅に対応して光源を変調する光源駆動手段と、前記振動ミラーのミラー面で反射された光ビームを被走査面に結像させるための手段とを有する光書込装置であることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項9記載の振動ミラーと、記録信号によって変調された光ビームを前記振動ミラーのミラー面へ入射させるための入射手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを結像させるための結像手段と、前記記録信号にしたがって静電潜像が結像される像担持体と、前記静電潜像をトナーにより顕像化する現像手段と、前記顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段とを有する画像形成装置であることを特徴とする。
本発明によれば、ねじり梁に両側から支持され、ねじり梁を中心軸として回転振動可能にミラー基板が枠体に懸垂(張架)された振動ミラーであって、枠体とねじり梁及び振動ミラー基板は一体化形成されており、枠体にねじり梁の弾性係数を調整する構造体を減圧容器内に配置したことを特徴とする振動ミラーにより、弾性係数を調整する構造体がねじり梁の外部に形成されているため、ねじり梁のねじり振動の影響を受けず、共振周波数を調整する機能を安定して維持することができる。
また、本発明によれば、より小さな力で構造体の内部応力を変化調整することができ、共振周波数を調整する機能を低エネルギーで実現することができる。
さらに、本発明によれば、ミラー基板に対称に応力が作用するため、ミラー基板の光軸ずれがなく、広く調整範囲を設定し高精度の光走査が実現できる。
以下、図面を参照して、本発明に係る光書込装置および画像形成装置に用いられる振動ミラー等について、実施形態により詳細に説明する。
本発明に係る振動ミラーは、図1(a)〜(c)に示すようにねじり梁2,3を軸として、たとえば往復振動され光源からの光ビームをこの振動ミラーにより偏向するミラー基板1を有し、このミラー基板1を上記ねじり梁2,3に結合して支持する枠体22と、ねじり梁2,3と、ミラー基板1とを単一の基板を貫通して一体形成した振動ミラーであって、上記ねじり梁2,3を支持する枠体22に、ねじり梁2,3の弾性係数を調整する構造体を配置している。枠体22は上部枠体4と下部枠体6とが貼り合わされたものである。
本発明に係る振動ミラーは、図1(a)〜(c)に示すようにねじり梁2,3を軸として、たとえば往復振動され光源からの光ビームをこの振動ミラーにより偏向するミラー基板1を有し、このミラー基板1を上記ねじり梁2,3に結合して支持する枠体22と、ねじり梁2,3と、ミラー基板1とを単一の基板を貫通して一体形成した振動ミラーであって、上記ねじり梁2,3を支持する枠体22に、ねじり梁2,3の弾性係数を調整する構造体を配置している。枠体22は上部枠体4と下部枠体6とが貼り合わされたものである。
本発明に係る振動ミラーは、ねじり梁2,3の弾性係数を調整する構造体が、ねじり梁2,3を支持している部分の上部枠体4にスリット11〜14を介して一体になった構造をなし、その一部に上部枠体4の内部応力を変化させるための調整素子が形成され、この調整素子はミラー基板1に対し対称的に配置され(好ましくは対称位置の少なくとも2ヶ所以上に形成され)ている。
また振動ミラーの調整素子は、ねじり梁2,3に対し対称的に配置され(好ましくは対称位置の少なくとも2ヶ所以上に形成され)ている。
振動ミラーの調整素子は、ねじり梁2,3の弾性係数を調整する構造体から上部枠体4にかけて連続して形成され、ミラー基板1と、ねじり梁2,3と、枠体22と、ねじり梁2,3の弾性係数を調整する構造体とが、シリコンの一体形成体からなる。
振動ミラーは、振動ミラーの共振周波数が一定となるように調整素子を制御する共振周波数検出手段を備え、振動ミラーと、ミラー駆動手段は、ミラー基板1で偏向した光ビームの透過部と、ミラー駆動手段に結線する端子部とを具備する、図1(a)〜(c)には示されていない減圧容器内に収容している。
振動ミラーの調整素子は、ねじり梁2,3の弾性係数を調整する構造体から上部枠体4にかけて連続して形成され、ミラー基板1と、ねじり梁2,3と、枠体22と、ねじり梁2,3の弾性係数を調整する構造体とが、シリコンの一体形成体からなる。
振動ミラーは、振動ミラーの共振周波数が一定となるように調整素子を制御する共振周波数検出手段を備え、振動ミラーと、ミラー駆動手段は、ミラー基板1で偏向した光ビームの透過部と、ミラー駆動手段に結線する端子部とを具備する、図1(a)〜(c)には示されていない減圧容器内に収容している。
上記振動ミラーと、記録信号によって変調された光ビームを前記振動ミラーのミラー面へ入射させるための手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを結像させるための手段と、前記記録信号にしたがった静電潜像が結像される像担持体と、静電像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段を有する画像形成装置を得ることができる。
〔第1実施形態〕
本発明に係る振動ミラーの第1の実施形態における振動ミラーの構成について述べる。
図1(a)は、本発明に係る振動ミラーの平面図であり、図1(b)は、図1(a)のIa−Ia線断面図であり、図1(c)はミラーの駆動に圧電素子を用いた場合の構造を示す平面図である。
本発明に係る振動ミラーの第1の実施形態における振動ミラーの構成について述べる。
図1(a)は、本発明に係る振動ミラーの平面図であり、図1(b)は、図1(a)のIa−Ia線断面図であり、図1(c)はミラーの駆動に圧電素子を用いた場合の構造を示す平面図である。
ミラー基板1と、2本のねじり梁2、3とねじり梁支持部(枠体22とねじり梁2,3の結合の部分)に、このねじり梁2、3と直交するように配置された調整構造体18と、その外側から固定している上部枠体4とは、高精度の微細加工が可能で適度な剛性をもち、かつ、そのまま電極として用いることができるように低抵抗の単結晶シリコン基板で一体形成されている。
ミラー基板1は、同軸上に設けられた2本のねじり梁2,3によってその一辺の中央部分が支持されており、このミラー基板1上には、使用する光に対して十分な反射率をもつ金属薄膜30が形成されている。
ミラー基板1と2本のねじり梁2,3の寸法は、必要とする共振周波数が得られるように設計されている。上部枠体4と下部枠体6とからなる枠体22は、上部枠体4は絶縁膜5を介して下部枠体6に接合されている。
ミラー基板1と2本のねじり梁2,3の寸法は、必要とする共振周波数が得られるように設計されている。上部枠体4と下部枠体6とからなる枠体22は、上部枠体4は絶縁膜5を介して下部枠体6に接合されている。
下部枠体6の厚さは、ミラー基板1の振動範囲がフレーム枠外に出ずに、また振動ミラーを取り扱う際に支障をきたさないことを考慮して設定されている。
ミラー基板のねじり梁2,3に支持されていない辺側の櫛歯状側面7,8は、微小ギャップを隔てて同一部位の上部枠体4に設けられた同じく櫛歯形状の駆動用の固定電極9,10に交互に噛み合うようにして対向している。上部枠体4において、これらの固定電極9,10が形成されている部分は、上部枠体4に形成されたスリット11〜14によってねじり梁2,3が結合されている部分から電気的に絶縁分離されている。
ミラー基板のねじり梁2,3に支持されていない辺側の櫛歯状側面7,8は、微小ギャップを隔てて同一部位の上部枠体4に設けられた同じく櫛歯形状の駆動用の固定電極9,10に交互に噛み合うようにして対向している。上部枠体4において、これらの固定電極9,10が形成されている部分は、上部枠体4に形成されたスリット11〜14によってねじり梁2,3が結合されている部分から電気的に絶縁分離されている。
上部枠体4の表面には図1(b)に示すように酸化膜420が形成されており、その酸化膜420の一部に固定電極9,10が形成されている。絶縁分離されている上部枠体4の一部は酸化膜がエッチングによって除去され、低抵抗シリコン基板が露出しており、この部分にスパッタ法でマスク成膜したAl薄膜による電極パット15,16が形成されている。
また、ねじり梁2,3が結合されている上部枠体4の一部も同様にエッチングによって酸化膜が除去され低抵抗シリコン基板が露出しており、この部分にもスパッタ法でマスク成膜したAl薄膜による電極パット17が形成されている。
また、ねじり梁2,3が結合されている上部枠体4の一部も同様にエッチングによって酸化膜が除去され低抵抗シリコン基板が露出しており、この部分にもスパッタ法でマスク成膜したAl薄膜による電極パット17が形成されている。
なお、本実施形態では電極パット15〜17としてAl薄膜をスパッタ法で形成しているが、十分な密着性とシリコン基板との導通が得られればよいのであって、Pt等のAl以外の材料も選択可能であり、また、成膜方法についても真空蒸着法、イオンプレーティング法等の他の方法で電極パットを成膜してもよい。
さらに、本実施形態では振動ミラーの駆動に静電引力を採用した場合の構成例によって説明したが、電磁力(すなわち磁界中に電流が流れたときに発生する力)や圧電素子を用いた場合の構成にすることも可能である。
さらに、本実施形態では振動ミラーの駆動に静電引力を採用した場合の構成例によって説明したが、電磁力(すなわち磁界中に電流が流れたときに発生する力)や圧電素子を用いた場合の構成にすることも可能である。
図1(c)を参照してミラーの構造について説明する。
調整構造体18については図1(a)と同じである。ミラー基板1を支持しているねじり梁2、3の一部に、ねじり梁2,3と直交方向に上部枠体4に向けて駆動梁51、52、53、54が連結配置されており、それぞれの駆動梁51〜54上には表裏を電極で挟み込まれた圧電素子41、42、43、44が形成されている。圧電素子41〜44の裏面からの電極は上部枠体4上の電極パット45、46に引き出され、表面からの電極は上部枠体4上の電極パット47、48に引き出されており、電極パット45、47と電極パット46、48の間にそれぞれ交互に電圧を印加することで、ねじり梁2,3に駆動トルクを与え、ミラー基板1を往復振動させることができる。
調整構造体18については図1(a)と同じである。ミラー基板1を支持しているねじり梁2、3の一部に、ねじり梁2,3と直交方向に上部枠体4に向けて駆動梁51、52、53、54が連結配置されており、それぞれの駆動梁51〜54上には表裏を電極で挟み込まれた圧電素子41、42、43、44が形成されている。圧電素子41〜44の裏面からの電極は上部枠体4上の電極パット45、46に引き出され、表面からの電極は上部枠体4上の電極パット47、48に引き出されており、電極パット45、47と電極パット46、48の間にそれぞれ交互に電圧を印加することで、ねじり梁2,3に駆動トルクを与え、ミラー基板1を往復振動させることができる。
次に本発明に係る振動ミラーに使用される調整手段としての調整構造体18について、その詳細を図2(a)、(b)を用いて説明する。
図2(a)は、本発明に係る振動ミラーに使用される調整手段周辺の部分平面図であり、図2(b)は、図2(a)のIIa−IIa線断面の模式図である。
ねじり梁2の支持部として上部枠体4(図1(a))の一部411に調整構造体23が同様の貫通エッチング(後述する図3(f)、(g)参照)により一体形成されている。調整構造体23は上部枠体4(図1(a))の一部411においてスリット11,14を設けることで形成されているが、ここでのスリット11,14の幅は調整構造体で必要とする幅が確保できる範囲での任意の寸法での設定が可能である。また、スリット11,14の角部の形状は応力集中を避けるため曲線状となっている。
図2(a)は、本発明に係る振動ミラーに使用される調整手段周辺の部分平面図であり、図2(b)は、図2(a)のIIa−IIa線断面の模式図である。
ねじり梁2の支持部として上部枠体4(図1(a))の一部411に調整構造体23が同様の貫通エッチング(後述する図3(f)、(g)参照)により一体形成されている。調整構造体23は上部枠体4(図1(a))の一部411においてスリット11,14を設けることで形成されているが、ここでのスリット11,14の幅は調整構造体で必要とする幅が確保できる範囲での任意の寸法での設定が可能である。また、スリット11,14の角部の形状は応力集中を避けるため曲線状となっている。
調整構造体23は、ねじり梁2の振動時の変形に影響を受けないような幅と厚さを有して形成されている。また、調整構造体23とねじり梁2の表面には酸化膜が形成され、酸化膜を介して絶縁分離された調整構造体23の表面には調整構造体23の長さ方向(図面横方向)に圧電素子25が形成されている。この圧電素子25の図面横方向の長さはスリット11,14の長さよりも長いことが望ましい。
調整構造体23に続く部分の枠体上にも酸化膜が形成されその表面には圧電素子25の表面側と裏面側から酸化膜により絶縁分離されて引き出された電極パット27と電極パット29とが形成されている。また、上部枠体4の一部から酸化膜が除去された部分には電極パット31が上部枠体4を構成するシリコン上に直接形成されている。
調整構造体23に続く部分の枠体上にも酸化膜が形成されその表面には圧電素子25の表面側と裏面側から酸化膜により絶縁分離されて引き出された電極パット27と電極パット29とが形成されている。また、上部枠体4の一部から酸化膜が除去された部分には電極パット31が上部枠体4を構成するシリコン上に直接形成されている。
ここで、それぞれの電極パット31の構成について、図2(b)に示す断面図を用いて説明する。
調整構造体23上に酸化膜26が形成され、その酸化膜26の一部が除去された部分に調整構造体23、ねじり梁2を経てミラー基板1に電圧を印加するための電極パット31が形成されている。酸化膜26上には圧電素子25の裏面側から引き出された電極パット27が形成されており、さらに電極パット31への引き出し部上には酸化膜28が形成され、酸化膜26上には圧電素子25の表面側から引き出された電極パット29が形成されている。
圧電素子25の表面、裏面から引き出された電極パット27,29間に電圧を印加すると、圧電素子25は調整構造体23と平行方向にその長さが変化する。
調整構造体23上に酸化膜26が形成され、その酸化膜26の一部が除去された部分に調整構造体23、ねじり梁2を経てミラー基板1に電圧を印加するための電極パット31が形成されている。酸化膜26上には圧電素子25の裏面側から引き出された電極パット27が形成されており、さらに電極パット31への引き出し部上には酸化膜28が形成され、酸化膜26上には圧電素子25の表面側から引き出された電極パット29が形成されている。
圧電素子25の表面、裏面から引き出された電極パット27,29間に電圧を印加すると、圧電素子25は調整構造体23と平行方向にその長さが変化する。
本発明に係る振動ミラーの第1の実施形態における振動ミラーの動作例を、図2(a)、(b)を用いて説明する。
ねじり梁2,3で支持されたミラー基板1のねじり梁2を用いて、支持されていない辺の側の両端を、可動電極7,8を接地するため、ねじり梁2に続く上部枠体4の一部411に形成された電極パット31を設置しておく。この部分の枠体41、ねじり梁2,3、およびミラー基板1は、低抵抗のシリコン基板によって一体形成されているため同電位となる。
上部枠体4の一部411に形成された電極パット(図1の15,16)から固定電極9,10に同時に電圧を印加すると、微小ギャップを介して向かい合った固定電極9,10と可動電極7、8との間に静電引力が働き、両電極9,10間の基板厚さ方向には微少量の初期位置ずれがあるため、両者が最短距離となるように可動電極と連結されたミラー基板1に回転のモーメントが働く。
ねじり梁2,3で支持されたミラー基板1のねじり梁2を用いて、支持されていない辺の側の両端を、可動電極7,8を接地するため、ねじり梁2に続く上部枠体4の一部411に形成された電極パット31を設置しておく。この部分の枠体41、ねじり梁2,3、およびミラー基板1は、低抵抗のシリコン基板によって一体形成されているため同電位となる。
上部枠体4の一部411に形成された電極パット(図1の15,16)から固定電極9,10に同時に電圧を印加すると、微小ギャップを介して向かい合った固定電極9,10と可動電極7、8との間に静電引力が働き、両電極9,10間の基板厚さ方向には微少量の初期位置ずれがあるため、両者が最短距離となるように可動電極と連結されたミラー基板1に回転のモーメントが働く。
このようにして起動した後は、共振振動により振れ角を増大していくことができる。なお、本実施形態ではミラー基板1を共振振動させるための駆動力として静電引力を用いた場合について動作の説明をしたが、本発明では磁力による励振、圧電素子を駆動させた励振等を用いてもよい。このときの共振周波数は前述したようにミラー基板1の慣性モーメントIとねじり梁2の剛性、すなわちそれぞれの材料、形状が決められることによって決まる。したがって加工精度によっては目標とする共振周波数fが得られない場合がある。そのとき圧電素子から引き出された電極パット27,29に電圧を印加すると、圧電素子25が変形しようとするため、それに伴い調整構造体23の内部応力が変化する。調整構造体に圧縮応力が作用する場合には、そこに連結されたねじり梁2にも圧縮応力が作用し、また調整構造体に引張応力が作用する場合にはねじり梁2に引張応力が作用する。
ねじり梁2に外部から応力が作用するとねじり梁2の弾性係数が変化し、共振周波数fを変化させることができる。寸法1mm×4.5mmのミラー基板1を幅0.08mm、長さ3.5mmのねじり梁2で支持して共振振動させる場合、外部からの応力でねじり梁2の見かけ上の弾性係数を0.1%増大させることで、共振周波数を1.6Hzシフトさせることが可能であり、通常の使用温度環境での共振周波数シフトを補正することができる。駆動周波数を設定しておいて、振れ角を振動ミラーからの走査ビームを検出する光検出素子、あるいはねじり梁2の歪みを検出する歪み検出素子等によって検出しながらそれが最大となるように圧電素子25を制御することにより、共振周波数fが駆動周波数に一致するように制御することができる。
さらに、環境温度の変動による振れ角の低下にも対応することができ、そのためには振れ角が一定値を維持するように圧電素子25の変位をフィードバック制御すればよい。
さらに、環境温度の変動による振れ角の低下にも対応することができ、そのためには振れ角が一定値を維持するように圧電素子25の変位をフィードバック制御すればよい。
次に第1の実施形態に示す構成について、本発明に係る振動ミラーの製造方法を、図3(a)〜(j)を用いて説明する。
図3(a)〜(j)は、本発明に係る振動ミラーの製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
板厚525μmの2枚のシリコン基板301、302を、厚さ5000Åの熱酸化膜303を介して直接接合し、一方のシリコン基板301を板厚300μmまで研削、研磨する。また他方のシリコン基板302を板厚100μmまで研削、研磨する。シリコン基板301は下部枠体として用い、シリコン基板302は上部枠体4の一部(図1(c))、ねじり梁2、ミラー基板1を形成するデバイス基板として用いる。
図3(a)〜(j)は、本発明に係る振動ミラーの製造方法の一実施の形態を示す工程図である。
板厚525μmの2枚のシリコン基板301、302を、厚さ5000Åの熱酸化膜303を介して直接接合し、一方のシリコン基板301を板厚300μmまで研削、研磨する。また他方のシリコン基板302を板厚100μmまで研削、研磨する。シリコン基板301は下部枠体として用い、シリコン基板302は上部枠体4の一部(図1(c))、ねじり梁2、ミラー基板1を形成するデバイス基板として用いる。
ここで、シリコン基板302は基板自体を電極として用いることから抵抗率0.1Ωcm以下の低抵抗基板を用いた。直接接合は一方の基板を熱酸化した後、2枚のシリコン基板301,302のミラー面の研磨された接合面を十分に洗浄し、清浄かつ減圧雰囲気中で接触させ500℃の温度で仮接合し、その後1100℃の熱処理をすることにより本接合する。仮接合を減圧中で行なうのは、接合面のボイドの発生を抑えるためである(図3(a))。
次に接合された2枚のシリコン基板301,302の両面にLP-CVD(窒化膜炉)法により厚さ3000Å(300nm)のSiN膜304を形成し、シリコン基板301側のSiN膜304をレジストマスクでエッチング除去し、下部枠体形成のためのSiN膜マスクパターンを形成する(図3(b))。
次にパターニングされたSiN膜304をエッチングマスクとして30wt%のKOH溶液を用いて、シリコン基板301を接合面の熱酸化膜303に到達するところまで異方性エッチングを施し、下部枠体を形成する。シリコン基板301,302としては(100)基板を使用しているため、下部枠体の内側は54.7度の(111)面からなる傾斜面で形成される。傾斜面の底辺の位置は、後に形成する上部枠体の櫛歯電極にかからないようにその外側に形成される(図3(c))。
次に、SiN膜エッチングマスク304を熱りん酸により全面エッチング除去し、続いて厚さ1μmの熱酸化膜305をシリコン基板表面に形成する(図3(d))。
次にデバイス基板としてのシリコン基板側に形成された熱酸化膜305をレジストマスクを用いCF4を用いたエッチングガスでドライエッチングし、図1(a)に示すようなミラー基板1、ねじり梁2,3、固定部材、上部枠体4の形状になるようにパターニングする。レジストマスク形成時にはデバイスの位置が下部枠体6の位置に整合するように両面アライメント装置を用いる(図3(e))。
このパターニングされた熱酸化膜305をマスクとしてデバイス基板であるシリコン基板302を接合面の酸化膜303に達するまでSF6エッチングガスによる高密度プラズマエッチングで貫通する。この際、ミラー基板1のねじり梁2,3(共に図1(a))が結合されていない側面には、静電引力による駆動のための可動電極が櫛歯型に加工形成される。界面の酸化膜303はシリコンに対して大きなエッチング選択比を持っているため、酸化膜303に達したときにエッチングが停止する。このエッチングにより貫通分離されたミラー基板1は、ねじり梁2,3と接合部の酸化膜303により支持された状態になっている(図3(f))。
次に基板全体をBHFウエットエッチング液にいれてミラー基板1を支持していた酸化膜303を除去すると、ミラー基板1は、ねじり梁2,3のみで支持されるように形成される(図3(g))。
次に動作時のショートを防止するため、図1(a)に示す櫛歯電極部7,8、9,10、固定部材を含む基板全面に厚さ1μmの熱酸化膜306を形成する(図3(h))。
次に動作時のショートを防止するため、図1(a)に示す櫛歯電極部7,8、9,10、固定部材を含む基板全面に厚さ1μmの熱酸化膜306を形成する(図3(h))。
次に上部枠体4の電極パット31を形成する位置の酸化膜を、マスクエッチングにより除去する(図3(i))。
次に、上部枠体4の酸化膜が除去されシリコン基板表面が露出された部分に、上部枠体4上の櫛歯型固定電極7,8および9,10と、ねじり梁2,3の固定部材への電圧印加のための電極パット31を、メタル製のマスク(メタルマスク)を用いてスパッタ成膜し、続いてミラー基板1の反射面となる金属薄膜30を同じくメタルマスクを用いてスパッタ成膜する(図3(j))。
次に、上部枠体4の酸化膜が除去されシリコン基板表面が露出された部分に、上部枠体4上の櫛歯型固定電極7,8および9,10と、ねじり梁2,3の固定部材への電圧印加のための電極パット31を、メタル製のマスク(メタルマスク)を用いてスパッタ成膜し、続いてミラー基板1の反射面となる金属薄膜30を同じくメタルマスクを用いてスパッタ成膜する(図3(j))。
次に本発明に係る振動ミラーの調整構造体と調整素子の形成方法を、図4(a)〜(e)を用いて説明する。
図4(a)〜(e)は、本発明に係る振動ミラーの調整構造体と調整素子の形成方法の一実施の形態を示す工程図である。
ねじり梁2に接続された調整構造体302は、単結晶シリコンであり、ねじり梁2と、上部枠体4と一体形成され、上部枠体4上の一部の表面に形成された熱酸化膜306を除去した後に、露出したシリコン表面に電極パット308を前記同様にスパッタリング等を用いて形成する(図4(a))。
図4(a)〜(e)は、本発明に係る振動ミラーの調整構造体と調整素子の形成方法の一実施の形態を示す工程図である。
ねじり梁2に接続された調整構造体302は、単結晶シリコンであり、ねじり梁2と、上部枠体4と一体形成され、上部枠体4上の一部の表面に形成された熱酸化膜306を除去した後に、露出したシリコン表面に電極パット308を前記同様にスパッタリング等を用いて形成する(図4(a))。
また熱酸化膜306上に調整素子となる圧電素子の一方の面側である裏面側に電極となる金属薄膜310をスパッタ法等によりマスク成膜する(図4(b))。
次に圧電素子25をイオンビームスパッタ法等の成膜方法を用いて成分調整しながら成膜し(図4(c))、その表面側に電極間の絶縁層として酸化膜312をスパッタ法等によりマスク成膜する(図4(d))。
そして圧電素子25の表面側から酸化膜312上にかけて金属薄膜29をスパッタ法等によりマスク成膜して、図2(a)、(b)に示すような調製素子の形成を完成する(図4(e))。
〔第2実施形態〕
次に本発明に係る振動ミラー素子の第2の実施形態の構成例について説明する。
本第2実施形態において使用される調整構造体を中心にしてその詳細を図5を用いて以下に説明する。
図5は、本発明に係る振動ミラーの他の実施の形態を示す部分平面図である。
ねじり梁2の支持部として上部枠体の一部に調整構造体23が同様の貫通エッチングにより一体形成されている。調整構造体23は、ねじり梁2の振動時の変形に影響を受けないような幅と厚さを有して形成されている。
次に本発明に係る振動ミラー素子の第2の実施形態の構成例について説明する。
本第2実施形態において使用される調整構造体を中心にしてその詳細を図5を用いて以下に説明する。
図5は、本発明に係る振動ミラーの他の実施の形態を示す部分平面図である。
ねじり梁2の支持部として上部枠体の一部に調整構造体23が同様の貫通エッチングにより一体形成されている。調整構造体23は、ねじり梁2の振動時の変形に影響を受けないような幅と厚さを有して形成されている。
また、調整構造体23とねじり梁2の表面には酸化膜が形成され、酸化膜を介して絶縁分離された調整構造体23の表面には梁の長さ方向に圧電素子25が、ねじり梁2に対して図示しない対称の位置を含めて一対、形成されている。調整構造体23に続く部分の上部枠体4の一部412上にも酸化膜が形成され、その表面には圧電素子の表面側と裏面側から酸化膜によって絶縁分離されて引き出されたそれぞれ一対の電極パット27と29とが形成されている。また、上部枠体4の一部412の一部から酸化膜が除去され、その部分に電極パット31が酸化膜が除去されたシリコン上に直接形成されている。なお、それぞれの電極パットの構成等については図2(b)の断面図と同様であるのでここでは説明を省略する。
一対の圧電素子25の表面、裏面から引き出されたそれぞれ一対の電極パット27、29間に電圧を印加すると、圧電素子25が変形しようとするため、それに伴い調整構造体23の内部応力が変化する。調整構造体23に圧縮応力が作用する場合には、そこに連結されたねじり梁2にも圧縮応力が作用し、また調整構造体23に引張応力が作用する場合にはねじり梁2に引張応力が作用する。このとき調整構造体23に同様の動作をする一対の圧電素子25が形成されているので、ねじり梁2の振動時のねじり変形に対して、それぞれの圧電素子25を独立に制御でき調整構造体としての制御の自由度が大きい。
〔第3実施形態〕
次に本発明に係る振動ミラーの第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、本実施形態で使用される調整構造体を中心にしてその詳細を図6の断面図を用いて説明する。
図6は、本発明に係る振動ミラーの他の実施の形態を示す横断面図である。
調整構造体の表面側と裏面側の両方に酸化膜26が形成され、その表面側の酸化膜26の一部が除去された部分にねじり梁を経てミラー基板1(図1)に電圧を印加するための電極パット31が形成されている。調整構造体の両面に形成された酸化膜26上に圧電素子25の裏面側から引き出された電極パット27が調整構造体の両面に形成されており、さらにそれぞれの電極パット27,31の引き出し部上には調整構造体の両面に酸化膜28が形成され、酸化膜28上に圧電素子25の表面側から引き出された電極パット29が調整構造体の両面に形成されている。
次に本発明に係る振動ミラーの第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、本実施形態で使用される調整構造体を中心にしてその詳細を図6の断面図を用いて説明する。
図6は、本発明に係る振動ミラーの他の実施の形態を示す横断面図である。
調整構造体の表面側と裏面側の両方に酸化膜26が形成され、その表面側の酸化膜26の一部が除去された部分にねじり梁を経てミラー基板1(図1)に電圧を印加するための電極パット31が形成されている。調整構造体の両面に形成された酸化膜26上に圧電素子25の裏面側から引き出された電極パット27が調整構造体の両面に形成されており、さらにそれぞれの電極パット27,31の引き出し部上には調整構造体の両面に酸化膜28が形成され、酸化膜28上に圧電素子25の表面側から引き出された電極パット29が調整構造体の両面に形成されている。
調整構造体の両面に形成された圧電素子25の表面と裏面から引き出された調整構造体の両面に形成された電極パット27及び電極パット29の組との間で電圧を印加すると、圧電素子25が変位しようとするため、それに伴い調整構造体の内部応力が変化する。調整構造体に圧縮応力が作用する場合には、そこに連結されたねじり梁2(図1)にも圧縮応力が作用し、また調整構造体に引張応力が作用する場合にはねじり梁2(図1)に引張応力が作用する。このように、本実施形態では、ねじり梁に応力を印加するための圧電素子をねじり梁の厚さ方向に対称配置することができるため、ミラーの共振周波数の調整を安定して精度よく実現することができる。
〔第4実施形態〕
本実施形態の特徴であるところの調整構造体ついての第4実施形態の詳細を図7を用いて説明する。
図7は本発明に係る振動ミラーに用いられる調整構造体の一例を示す平面図である。
ねじり梁701と上部枠体702の一部としてねじり梁を支持するY字型に分岐した2本の調整構造体703、704が同様の貫通エッチングにより一体形成されている。調整構造体703、704は、上部枠体の一部としてねじり梁の振動時の変形に影響を受けないような幅、厚さで形成されている。
本実施形態の特徴であるところの調整構造体ついての第4実施形態の詳細を図7を用いて説明する。
図7は本発明に係る振動ミラーに用いられる調整構造体の一例を示す平面図である。
ねじり梁701と上部枠体702の一部としてねじり梁を支持するY字型に分岐した2本の調整構造体703、704が同様の貫通エッチングにより一体形成されている。調整構造体703、704は、上部枠体の一部としてねじり梁の振動時の変形に影響を受けないような幅、厚さで形成されている。
なお、ここで枠体とはねじり梁を支持する部分であり、ねじり梁の動作によってその形状が変化することのない構造体をいう。
また、調整構造体703、704とねじり梁701の表面には酸化膜が形成され、酸化膜を介して絶縁分離された調整構造体703、704の表面には梁の長さ方向に枠体702上まで延長した長さで圧電素子705、706が形成されている。調整構造体703、704に続く部分の枠体上にも酸化膜が形成されその表面には圧電素子の表面側と裏面側から酸化膜によって絶縁分離されて引き出された電極パット707、708と709、710が形成されている。
また、枠体の一部から酸化膜が除去されその部分には電極パット711が枠体を構成するシリコン上に直接形成されている。圧電素子705,706の表面、裏面から引き出された電極パット709、707および710、708、間に電圧を印加すると、圧電素子705、706が変形しようとするため、それに伴い調整構造体703、704の内部応力が変化する。調整構造体に圧縮応力が作用する場合には、そこに連結されたねじり梁701には圧縮応力が作用し、また調整構造体に引張応力が作用する場合にはねじり梁701には引張応力が作用する。尚、712,713は櫛歯状の固定電極である。
また、調整構造体703、704とねじり梁701の表面には酸化膜が形成され、酸化膜を介して絶縁分離された調整構造体703、704の表面には梁の長さ方向に枠体702上まで延長した長さで圧電素子705、706が形成されている。調整構造体703、704に続く部分の枠体上にも酸化膜が形成されその表面には圧電素子の表面側と裏面側から酸化膜によって絶縁分離されて引き出された電極パット707、708と709、710が形成されている。
また、枠体の一部から酸化膜が除去されその部分には電極パット711が枠体を構成するシリコン上に直接形成されている。圧電素子705,706の表面、裏面から引き出された電極パット709、707および710、708、間に電圧を印加すると、圧電素子705、706が変形しようとするため、それに伴い調整構造体703、704の内部応力が変化する。調整構造体に圧縮応力が作用する場合には、そこに連結されたねじり梁701には圧縮応力が作用し、また調整構造体に引張応力が作用する場合にはねじり梁701には引張応力が作用する。尚、712,713は櫛歯状の固定電極である。
〔第5実施形態〕
次に本発明に係る振動ミラーの例について説明する。
本第5実施形態においては、第1〜第3実施形態のいずれかの構成を有するミラー素子を減圧容器内に収容した振動ミラーについて説明し、その例を図8(a)、(b)に示す。
図8(a)は、本発明に係る振動ミラーの拡散分解斜視図であり、図8(b)は、本発明に係る振動ミラーの透視図である。
次に本発明に係る振動ミラーの例について説明する。
本第5実施形態においては、第1〜第3実施形態のいずれかの構成を有するミラー素子を減圧容器内に収容した振動ミラーについて説明し、その例を図8(a)、(b)に示す。
図8(a)は、本発明に係る振動ミラーの拡散分解斜視図であり、図8(b)は、本発明に係る振動ミラーの透視図である。
減圧容器は少なくともカバー903を有し、このカバー903には、ミラー基板901により偏向した光ビームの透過部(光ビーム透過窓)902が設けられ、また振動ミラーはミラー素子を有し、このミラー素子とミラー駆動手段に結線する端子部904が設けられたベース905とで構成され、カバー903とベース905とで、光走査装置の内部を減圧にした状態にするために封止されている。この中には本発明の振動ミラー906、光源となるLDチップ907、光源からの光ビームを光走査装置のミラー基板901に向けて折り返すためのミラー部908が設置されている。
この振動ミラーは図8(b)に示すように、光源LDチップ907から出射された光ビームは、ミラー部908の入射口9081に入射した後にミラー部908のミラー9082により反射後ミラー基板901の振動ミラー面により規定の振動したミラー9082により偏向光がカバー903の光ビームの透過部902から出射される。
以上、上記各実施形態で説明した本発明に係る振動ミラーは、電子写真方式のプリンタや複写機などの画像形成装置の光走査装置として最適に利用できる。
以上、上記各実施形態で説明した本発明に係る振動ミラーは、電子写真方式のプリンタや複写機などの画像形成装置の光走査装置として最適に利用できる。
次に、そのような画像形成装置の一例について、図9を参照して説明する。
図9は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概念図である。
図9に示すように、141は光書込装置であり、142は光書込装置の被走査面を提供する感光体ドラムである。光書込装置141は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームで感光体ドラム142の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査するものである。感光体ドラム142は、矢印143方向に回転駆動され、帯電部144で帯電された表面に光書込装置141により光走査されることによって静電潜像を形成される。この静電潜像は現像部145でトナー像に顕像化され、このトナー像は転写部146で記録紙147に転写される。転写されたトナー像は定着部148によって記録紙147に定着される。感光体ドラム141の転写部146を通過した表面部分はクリーニング部149で残留トナーを除去される。
図9は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概念図である。
図9に示すように、141は光書込装置であり、142は光書込装置の被走査面を提供する感光体ドラムである。光書込装置141は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームで感光体ドラム142の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査するものである。感光体ドラム142は、矢印143方向に回転駆動され、帯電部144で帯電された表面に光書込装置141により光走査されることによって静電潜像を形成される。この静電潜像は現像部145でトナー像に顕像化され、このトナー像は転写部146で記録紙147に転写される。転写されたトナー像は定着部148によって記録紙147に定着される。感光体ドラム141の転写部146を通過した表面部分はクリーニング部149で残留トナーを除去される。
なお、感光体ドラム142に代えてベルト状の感光体を用いる構成も可能である。また、トナー像を転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像を記録紙147に転写して定着させる構成とすることも可能である。光書込装置は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームを発する光源部150と、本発明の振動ミラー151と、この振動ミラー151のミラー基板のミラー面に光源部からのレーザビームを結像させるための結像光学系152と、ミラー面で反射された1本又は複数本のレーザビームを感光体ドラムの表面(被走査面)に結像させるための走査光学系153から構成される。振動ミラー151は、その駆動のための集積回路154とともに回路基板155に実装された形で光書込装置に組み込まれる。
このような構成の振動ミラーは、次のような利点を有する。
本発明による振動ミラーは、前述のように共振周波数の安定性の面で有利であるほか、回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の省電力化に有利である。振動ミラーのミラー基板の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置の静粛性の改善に有利である。このような振動ミラーを有する光走査装置は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、振動ミラーの発熱量もわずかであるため、光書込装置の小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
本発明による振動ミラーは、前述のように共振周波数の安定性の面で有利であるほか、回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の省電力化に有利である。振動ミラーのミラー基板の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置の静粛性の改善に有利である。このような振動ミラーを有する光走査装置は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、振動ミラーの発熱量もわずかであるため、光書込装置の小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
なお、記録紙の搬送機構、感光体ドラムの駆動機構、現像部、転写部などの制御手段、光源部の駆動系などは、従来の画像形成装置と同様でよいため図中省略されている。また本発明の振動ミラーでは、枠体と振動ミラーとの近似させた櫛型部分では、製造時に数μmの段差が生じるため、これに電位を印加すれば振動を発生させることができる。
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
〔第6実施形態〕
本実施形態の特徴であるところの調整構造体ついての第6の実施の形態の詳細を図10を用いて説明する。
図10は本発明に係る振動ミラーに用いられる調整構造体の一例を示す平面図である。
ねじり梁1001と上部枠体1002の一部としてねじり梁を支持するY字型に分岐した3本の調整構造体1003、1004、1014が同様の貫通エッチングにより一体形成されている。調整構造体1003、1004、1014は、上部枠体の一部としてねじり梁の振動時の変形に影響を受けないような幅、厚さで形成されている。
本実施形態の特徴であるところの調整構造体ついての第6の実施の形態の詳細を図10を用いて説明する。
図10は本発明に係る振動ミラーに用いられる調整構造体の一例を示す平面図である。
ねじり梁1001と上部枠体1002の一部としてねじり梁を支持するY字型に分岐した3本の調整構造体1003、1004、1014が同様の貫通エッチングにより一体形成されている。調整構造体1003、1004、1014は、上部枠体の一部としてねじり梁の振動時の変形に影響を受けないような幅、厚さで形成されている。
また、調整構造体1003、1004、1014とねじり梁1001の表面には酸化膜が形成され、酸化膜を介して絶縁分離された調整構造体1003、1004、1014の表面には梁の長さ方向に枠体1002上まで延長した長さで圧電素子1005、1006、1015が形成されている。
調整構造体1003、1004、1014に続く部分の枠体上にも酸化膜が形成されその表面には圧電素子の表面側と裏面側とから酸化膜によって絶縁分離されて引き出された電極パット1007、1008と、電極パット1009、1010と電極パット1016、1017とが形成されている。また、枠体1002の一部から酸化膜が除去されその部分には電極パット1011が枠体を構成するシリコン上に直接形成されている。尚、1012,1013は櫛歯状の固定電極である。
調整構造体1003、1004、1014に続く部分の枠体上にも酸化膜が形成されその表面には圧電素子の表面側と裏面側とから酸化膜によって絶縁分離されて引き出された電極パット1007、1008と、電極パット1009、1010と電極パット1016、1017とが形成されている。また、枠体1002の一部から酸化膜が除去されその部分には電極パット1011が枠体を構成するシリコン上に直接形成されている。尚、1012,1013は櫛歯状の固定電極である。
圧電素子1005,1006、1015の表面、裏面から引き出された電極パット1009、1007および電極パット1010、1008および電極パット1016、1017間に電圧を印加すると、圧電素子1005、1006、1015が変形しようとするため、それに伴い調整構造体1003、1004、1014の内部応力が変化する。調整構造体に圧縮応力が作用する場合には、そこに連結されたねじり梁1001には圧縮応力が作用し、また調整構造体に引張応力が作用する場合にはねじり梁1001には引張応力が作用する。
〔第7実施形態〕
本実施形態の特徴であるところの調整構造体ついての第7の実施例の詳細を図11を用いて説明する。
図11は本発明に係る振動ミラーに用いられる調整構造体の一例を示す平面図である。
ねじり梁1101と上部枠体1102の一部としてねじり梁1101を支持する口字形状に分岐した2本の調整構造体1103、1104が同様の貫通エッチングにより一体形成されている。調整構造体1103,1104は、上部枠体1102の一部としてねじり梁1101の振動時の変形に影響を受けないような幅、厚さで形成されている。また、調整構造体1103、1104とねじり梁1101の表面には酸化膜が形成され、酸化膜を介して絶縁分離された調整構造体1103、1104の表面には梁の長さ方向に上部枠体1102上まで延長した長さで圧電素子1105、1106が形成されている。
本実施形態の特徴であるところの調整構造体ついての第7の実施例の詳細を図11を用いて説明する。
図11は本発明に係る振動ミラーに用いられる調整構造体の一例を示す平面図である。
ねじり梁1101と上部枠体1102の一部としてねじり梁1101を支持する口字形状に分岐した2本の調整構造体1103、1104が同様の貫通エッチングにより一体形成されている。調整構造体1103,1104は、上部枠体1102の一部としてねじり梁1101の振動時の変形に影響を受けないような幅、厚さで形成されている。また、調整構造体1103、1104とねじり梁1101の表面には酸化膜が形成され、酸化膜を介して絶縁分離された調整構造体1103、1104の表面には梁の長さ方向に上部枠体1102上まで延長した長さで圧電素子1105、1106が形成されている。
調整構造体1103、1104に続く部分の枠体上にも酸化膜が形成されその表面には圧電素子の表面側と裏面側から酸化膜によって絶縁分離されて引き出された電極パット1107、1108と1109、1110が形成されている。また、上部枠体1102の一部から酸化膜が除去されその部分には電極パット1111が枠体を構成するシリコン上に直接形成されている。圧電素子1105,1106の表面、裏面から引き出された電極パット1109、1107および1110、1108、間に電圧を印加すると、圧電素子1105、1106が変形しようとするため、それに伴い調整構造体1113、1104の内部応力が変化する。調整構造体に圧縮応力が作用する場合には、そこに連結されたねじり梁1101には圧縮応力が作用し、また調整構造体に引張応力が作用する場合にはねじり梁1101には引張応力が作用する。
〔第8実施形態〕
本実施例の特徴であるところの調整構造体ついての第8の実施例の詳細を図12を用いて説明する。
図12は本発明に係る振動ミラーに用いられる調整構造体の一例を示す平面図である。
ねじり梁1201と上部枠体1202の一部としてねじり梁を支持する日字形状に分岐した3本の調整構造体1203、1204、1214が同様の貫通エッチングにより一体形成されている。調整構造体1203、1204、1214は、上部枠体1202の一部としてねじり梁1201の振動時の変形に影響を受けないような幅、厚さで形成されている。また、調整構造体1203、1204、1214とねじり梁1201の表面には酸化膜が形成され、酸化膜を介して絶縁分離された調整構造体1203、1004、1014の表面には梁の長さ方向に枠体1202上まで延長した長さで圧電素子1205、1206、1215が形成されている。
本実施例の特徴であるところの調整構造体ついての第8の実施例の詳細を図12を用いて説明する。
図12は本発明に係る振動ミラーに用いられる調整構造体の一例を示す平面図である。
ねじり梁1201と上部枠体1202の一部としてねじり梁を支持する日字形状に分岐した3本の調整構造体1203、1204、1214が同様の貫通エッチングにより一体形成されている。調整構造体1203、1204、1214は、上部枠体1202の一部としてねじり梁1201の振動時の変形に影響を受けないような幅、厚さで形成されている。また、調整構造体1203、1204、1214とねじり梁1201の表面には酸化膜が形成され、酸化膜を介して絶縁分離された調整構造体1203、1004、1014の表面には梁の長さ方向に枠体1202上まで延長した長さで圧電素子1205、1206、1215が形成されている。
調整構造体1203、1204、1214に続く部分の枠体上にも酸化膜が形成されその表面には圧電素子の表面側と裏面側から酸化膜によって絶縁分離されて引き出された電極パット1207、1208と、電極パット1209、1210と、電極パット1216、1217とが形成されている。また、上部枠体1202の一部から酸化膜が除去されその部分には電極パット1211が上部枠体1202を構成するシリコン上に直接形成されている。圧電素子1205,1206、1215の表面、裏面から引き出された電極パット1209、1207および電極パット1210、1208および電極パット1216、1217間に電圧を印加すると、圧電素子1205、1206、1215が変形しようとするため、それに伴い調整構造体1203、1204、1214の内部応力が変化する。調整構造体に圧縮応力が作用する場合には、そこに連結されたねじり梁1201には圧縮応力が作用し、また調整構造体に引張応力が作用する場合にはねじり梁1201には引張応力が作用する。図中、1212,1213は櫛歯状の固定電極である。
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
1 ミラー基板
2、3 ねじり梁
4 上部枠体
5 絶縁膜
6 下部枠体
7、8 櫛歯状側面
9、10 固定電極
11〜14 スリット
15〜17 電極パット
18 調整構造体
30 金属薄膜
2、3 ねじり梁
4 上部枠体
5 絶縁膜
6 下部枠体
7、8 櫛歯状側面
9、10 固定電極
11〜14 スリット
15〜17 電極パット
18 調整構造体
30 金属薄膜
Claims (11)
- ねじり梁に支持され、前記ねじり梁を中心軸として回転振動可能に枠体内にミラー基板が張架された振動ミラーであって、前記枠体、前記ねじり梁、及び前記ミラー基板は一体形成され、前記枠体に前記ねじり梁の弾性係数を調整する調整手段を配置したことを特徴とする振動ミラー。
- 前記ねじり梁の弾性係数を調整する調整手段は、前記ねじり梁を支持すると共にスリットを介して一体形成された枠体の内部応力を変化させることを特徴とする請求項1に記載の振動ミラー。
- 前記弾性係数を調整する調整手段が前記ミラー基板に対し対称位置に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の振動ミラー。
- 前記弾性係数を調整する調整手段が前記ねじり梁に対し対称位置に複数形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の振動ミラー。
- 上記弾性係数を調整する調整手段が前記ミラー基板の厚さ方向に対し対称位置の少なくとも2ヶ所以上に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の振動ミラー。
- 前記ミラー基板、前記ねじり梁、前記枠体、及び前記ねじり梁の前記弾性係数を調整する調整手段がシリコンによる一体成形からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の振動ミラー。
- 共振周波数検出手段を更に備え、共振周波数が一定となるよう前記調整手段を制御する手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の振動ミラー。
- 前記ミラー基板を駆動するミラー駆動手段と、前記ミラー基板に入出射する光ビームの通過部と、前記ミラー駆動手段に結線する端子部とを減圧容器内に収容したことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の振動ミラー。
- 前記調整手段は、前記梁部材と前記枠体との間に設けられた調整構造体からなり、前記調整構造体Y字形状、口字形状、日字形状、もしくはアンテナ記号形状を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の振動ミラー。
- 請求項8記載の振動ミラーと、前記振動ミラーの振幅に対応して光源を変調する光源駆動手段と、前記振動ミラーのミラー面で反射された光ビームを被走査面に結像させるための手段とを有することを特徴とする光書込装置。
- 請求項8記載の振動ミラーと、記録信号によって変調された光ビームを前記振動ミラーのミラー面へ入射させるための入射手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを結像させるための結像手段と、前記記録信号にしたがって静電潜像が結像される像担持体と、前記静電潜像をトナーにより顕像化する現像手段と、前記顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
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