JP2009109905A - 振動ミラー、光走査装置、光書込装置、画像形成装置 - Google Patents

振動ミラー、光走査装置、光書込装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】共振周波数を調整する機能を安定して維持できる振動ミラー及びこれを用いた光走査装置、光書込装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】ねじり梁102、103を回転軸として往復振動して光源からの光ビームを偏向するミラー基板101と、ミラー基板101と単一の基板を貫通してミラー基板101と一体形成され、ねじり梁102、103に結合してミラー基板101を支持する上部枠体104とを有し、ねじり梁102にその弾性係数を調整する調整構造118、119が配置された。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロマシニング技術を応用した振動ミラー及びこれを用いた光走査装置、光書込装置、画像形成装置に関する。
非特許文献1に掲載されている振動ミラーでは、同一直線上に設けられた2本の梁で支持されたミラー基板を、ミラー基板に対向する位置に設けた電極との間の振動ミラーで、2本の梁をねじり回転軸として往復振動させている。マイクロマシニング技術で形成される振動ミラーは、従来のモータを使ったポリゴンミラーの回転による光走査装置と比較して、構造が簡単で半導体プロセスでの一括形成が可能なため、小型化が容易で製造コストも低く、また、単一の反射面であるため、複数面に精度のばらつきがなく、さらに、往復走査であるため高速化にも対応できる。
また、非特許文献2に記載されている振動ミラーは、ミラー基板の振れ角を大きくするために、その振動領域に電極が重ならないようにミラー基板の端面に対向電極を設ける静電駆動のねじり振動型振動ミラーが提案されている。
これらの振動ミラーは、シリコンからなる可動電極としてのミラー基板と、ミラー基板端面に微小なギャップを隔てて対向する固定電極との間の静電引力で駆動するもので、両電極は同一部位に形成されている。これらの振動ミラーでは、ミラー基板を起動させるためのねじり回転軸に対する初期モーメントを与えるのに、前者では形成プロセスで生じる構造体の微小の非対称性を利用しており、後者では駆動電極に直交する面上に起動のための金属電極薄膜を設けている。
これらの振動ミラーは、一般に振れ角を大きくするための駆動周波数を構造体の共振周波数に合わせている。ミラーの共振周波数fは、梁のねじり弾性係数をk、ミラーの慣性モーメントをIとすると次式で表される。
f=1/2π√(k・I)
ここで、ねじり弾性係数kは、梁幅をc、梁長さをLとすると次式で表される。なお、βは断面形状係数、Eはヤング率、νはポアソン比である。
k=βt c3E/L(1+ν)
このように、共振周波数はミラー基板とねじり梁の材質、形状によって決まってくるため、加工精度によってばらつきが出てしまう。この共振周波数を微細に調整する方法として特許文献1にはねじり梁部にヤング率可変素子を設ける方法が開示されている。
特許第2981600号公報 IBM J.Res.Develop Vol.24 (1980) The 13th Annual International Workshop on MEMS2000 (2000) 473-478, MEMS1999 333-338
特許文献1に開示されているねじり梁部にヤング率可変素子を設けることにより共振周波数を微細に調整する方法では、ヤング率可変素子としてねじり梁表面に形成された電気抵抗素子や圧電素子を用いており、その通電による発熱によってねじり梁を加熱したり、又は圧電素子の変形によってねじり梁に内部応力を加えることで、ヤング率を変化させている。
これらの電気抵抗素子、圧電素子としてはAlやPtなどの金属薄膜、又はBaTi3やPZTなどのセラミックスが用いられるが、いずれも多結晶体であり結晶粒界が「存在する。ねじり梁は高速で長時間ねじり変形することで支持しているミラー基板を振動させるが、両者は単結晶のシリコンで一体成形されているため、この変形に対しても十分な耐久性を有している。一方、ねじり梁の表面に形成された金属薄膜やセラミックスは多結晶体であるため、結晶粒界から欠陥が発生して疲労破壊により断線してしまう。
すなわち、ねじり梁に形成されたヤング率可変素子による共振周波数の調整精度が落ちたり、調整不能になるという不具合があった。
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、共振周波数を調整する機能を安定して維持できる振動ミラー及びこれを用いた光走査装置、光書込装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、ねじり梁を回転軸として往復振動して光源からの光ビームを偏向するミラー基板と、ミラー基板と単一の基板を貫通して該ミラー基板と一体形成され、ねじり梁に結合してミラー基板を支持する枠体とを有し、ねじり梁にその弾性係数を調整する剛性調整構造が配置されたことを特徴とする振動ミラーを提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、上記本発明の第1の態様に係る振動ミラーと、振動ミラーを駆動させるための駆動手段と、ミラー基板で偏向した光ビームを透過させる手段と、駆動手段に電力を供給するための端子部とが減圧容器内に収容されたことを特徴とする光走査装置を提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、上記本発明の第1の態様に係る振動ミラーと、振動ミラーの振幅に対応して、光源を変調する光源駆動手段と、ミラー基板で反射された光ビームを被走査面に結像される結像手段とを有する光書込装置を提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第4の態様として、上記本発明の第1の態様に係る振動ミラーと、記録信号によって変調された光ビームを振動ミラーのミラー面へ入射させるための入射光学系と、ミラー面で反射された光ビームを結像させるため結像光学系と、光ビームによって記録信号にしたがった静電潜像が形成される像担持体と、静電潜像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置を提供するものである。
本発明によれば、共振周波数を調整する機能を安定して維持できる振動ミラー及びこれを用いた光走査装置、光書込装置、画像形成装置を提供できる。
〔第1の実施形態〕
本発明を好適に実施した第1の実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る振動ミラーの構成を示す。図1(a)は振動ミラーの平面図、図1(b)は振動ミラーの梁が無い側の中央断面図である。
ミラー基板101と2本のねじり梁102、103とねじり梁内部に配置された調整構造118、119とそれらを外側から固定している枠体104とは、高精度の微細加工が可能で適度な剛性をもち、かつ、そのまま電極として用いることができるように低抵抗の単結晶シリコン基板で一体成形されている。ミラー基板101は、同軸上に設けられた2本のねじり梁102、103でその一辺の中央部分が支持されており、ミラー基板101上には使用する光に対して十分な反射率を持つ金属薄膜130が形成されている。
ミラー基板101と2本のねじり梁102、103の寸法は、必要とする共振周波数が得られるように設計されている。上部枠体104は絶縁膜105を介してミラー基板101が振動する領域を除去された下部枠体106に接合されている。下部枠体106の厚さについては、ミラー基板101の振動範囲がフレーム厚外に出ないことと、振動ミラーを取り扱うさいに支障をきたさないこととを考慮して設定されている。
ミラー基板101のねじり梁102、103に支持されていない側の櫛歯形状をなす両側面107、108は、微小ギャップを隔てて同一部位の上部枠体104に設けられた同じく櫛歯形状の駆動用の固定電極109、110に噛み合う形で対向している。固定電極109、110が形成されている上部枠体104の一部は、スリット111〜114によってねじり梁102、103が結合されている上部フレーム領域から分離絶縁されている。
上部枠体104の表面には酸化膜が形成されており、固定電極109、110が形成されて絶縁分離されている上部枠体104の一部は、酸化膜がエッチングによって除去され、低抵抗シリコン基板が露出しており、この部分にスパッタ法でマスク成膜したAl薄膜による電極パッド115、116が形成されている。
また、ねじり梁102、103が結合されている上部枠体104の一部も同様にエッチングによって酸化膜が除去されて低抵抗シリコン基板が露出しており、この部分にもスパッタ法でマスク成膜したAl薄膜による電極パッド117が形成されている。なお、ここでは電極パッドとしてAl薄膜をスパッタ法で形成しているが、十分な密着性とシリコン基板との導通とが得られるのであれば、Ptなどの他の材料を用いても良く、また、成膜方法についても真空蒸着法、イオンプレーティング法などの他の方法を適用しても良い。
ここでは振動ミラーの駆動方法として静電引力を用いる場合の構成を例として説明したが、電磁力や圧電素子を用いた構成とすることも可能である。
振動ミラーの調整方法について図2を用いて説明する。
ねじり梁201のねじり中心軸上にスリット203が図2(a)のミラー反射面側から裏面側へ向けて貫通形成されている。スリット203の幅はねじり梁201の幅に対して十分に小さく、その長さはねじり梁201のミラー205側と枠体202側に結合する部分よりも外側に出ない範囲で設定されている。スリットの長さをこのように設定することで、変形時の応力が集中するねじり梁結合部の破損を防止できる。また、ず2(b)に示すように、スリット203の端部204は曲線状に加工されており、変形時の応力集中を避けることによりスリット203の端部204からの破損を防止している。また、枠体202の一部からは酸化膜が除去され、その部分には電極パッド206が枠体202を構成するシリコン上に直接形成されている。
振動ミラーの動作について図2を用いて説明する。
ねじり梁201で支持されたミラー基板のねじり梁201で支持されていない側の両端を可動電極として接地するため、ねじり梁201に続く部分の上部枠体202に形成された電極パッド206を接地しておく。この部分の上部筐体202とねじり梁201、及びミラー基板は、低抵抗のシリコン基板によって一体形成されているため同電位となる。
上部枠体202に形成された電極パッド(図1の115、116に相当)から固定電極212、213に同時に電圧を印加すると、微小ギャップを介して向かい合った固定電極212、213と可動電極214、215との間に静電引力が働き、両電極間の基板厚さ方向には微少量の初期位置からずれがあるため、両者が最短距離となるように可動電極214、215すなわちミラー基板にトルクが働く。このようにして起動した後は、共振振動により振れ角が増大していく。
なお、ここではミラー基板を共振振動させるための駆動力として静電引力を用いる場合を例として説明したが、電磁力や圧電素子による内部応力を駆動力として用いても良い。
この時の共振周波数は上記のようにミラー基板の慣性モーメントとねじり梁201の剛性、すなわちそれぞれの材料及び形状によって定まる。したがって、加工精度によっては目標とする共振周波数が得られない場合がある。そのときねじり梁部分にエッチングやレーザ加工などの手法でスリット203を上記寸法で形成することにより、ねじり梁201全体の剛性を変化させることができ、共振周波数を変化させられる。
本実施形態に係る振動ミラーの製造方法について図3を用いて具体例をあげて説明する。
板厚525μmの2枚のシリコン基板301、302を厚さ5000Å(500nm)の熱酸化膜303を介して直接接合し、一方のシリコン基板301を板厚300μmまで、他方のシリコン基板302を板厚100μmまで研削・研磨する。シリコン基板301は下部枠体として用い、シリコン基板302は上部枠体、ねじり梁、ミラー基板を形成するデバイス基板として用いる。ここで、シリコン基板302は基板自体を電極として用いることから抵抗率0.1Ωcm以下の低抵抗基板を用いる。直接接合は、一方の基板を熱酸化したあと、2枚のシリコン基板のミラー面研磨された接合面を十分に洗浄し、清浄かつ減圧雰囲気中で接触させ500℃の温度で仮接合し、その後1100℃の熱処理をすることによって本接合した。仮接合を減圧下で行うのは、接合面でのボイドの発生を抑えるためである(a)。
次に、接合された2枚のシリコンウエハの両面にLP−CVD法によって厚さ3000ÅのSiN膜304を形成し、シリコン基板301側のSiN膜をレジストマスクでエッチング除去し、下部枠体形成のためのSiN膜マスクパターンを形成する(b)。
次に、パターニングされたSiN膜304をエッチングマスクとして30wt%のKOH溶液を用いて、シリコン基板301を接合面の熱酸化膜303に到達するところまで異方性エッチングし、下部枠体を形成した。シリコン基板としては(100)基板を使用しているため、下部枠体の内側は54.7°の(111)面からなる傾斜面で形成される。傾斜面の底辺の位置は、後に形成する上部枠体の櫛歯電極にかからないようにその外側に形成される(c)。
次に、SiN膜エッチングマスク304を熱リン酸によって全面エッチング除去し、続いて厚さ1μmの熱酸化膜305をシリコン基板表面に形成する(d)。
次に、デバイス基板としてのシリコン基板側に形成された酸化膜305をレジストマスクとしてCF4エッチングガスでドライエッチングし、ミラー基板、ねじり梁、固定部材、上部枠体、及びスリット形状にパターニングした。レジストマスク形成時にはデバイスの位置が下部枠体の位置に整合するように両面アライメント装置を用いた(e)。
パターニングされた酸化膜305をマスクとしてデバイス基板であるシリコン基板302を接合面の酸化膜303に達するまでSF6エッチングガスによる高密度プラズマエッチングで貫通した。この際、ミラー基板のねじり梁が結合されていない側面には、静電引力による駆動のための可動電極が櫛歯型に加工形成される。界面の酸化膜303はシリコンに対して大きなエッチング選択比を持っているため、酸化膜303に達したときにエッチングは停止する。このエッチングによって貫通分離されたミラー基板は、ねじり梁と接合部の酸化膜303とによって支持された状態となっている(f)。
次に、基板全体をBHFウエットエッチング液に漬けることでミラー基板を支持していた酸化膜303が除去され、ミラー基板はねじり梁のみで支持された状態となる(g)。
次に、動作時のショート防止のため、櫛歯電極部、固定部材を含む基板全面に厚さ1μmで熱酸化膜306を形成する(h)。
次に、上部枠体の電極パッドを形成する位置の酸化膜をマスクエッチングによって除去する(i)。
次に、上部枠体の酸化膜が除去されシリコン基板表面が露出した部分に、枠体上の櫛歯型固定電極とねじり梁の固定部材への電圧印加のための電極パッド307、308をメタルマスクを用いてスパッタ成膜し、続いてミラー基板の反射面となる金属薄膜309を同じくメタルマスクを用いてスパッタ成膜する(j)。
本実施形態に係る振動ミラーは、振動ミラーの共振周波数を広範囲にわたり精度良く調整できる。また、スリットを用いてねじり梁の剛性を対称かつ連続的に調整するため、振動ミラーの共振周波数を安定して広範囲にわたって精度良く調整できる。
〔第2の実施形態〕
図4に、本発明を好適に実施した第2の実施形態に係る振動ミラーを示す。
ねじり梁401のねじり中心軸上に複数のスリット403が図のミラー反射面側から裏面側に向けて貫通形成されている。スリット403の幅はねじり梁401の幅に対して十分に小さく、その長さはねじり梁401のミラー404側と枠体402側に結合する部分よりも外側に出ない範囲で設定されている。スリットの長さをこのように設定することで、変形時の応力が集中するねじり梁結合部の破損を防止できる。また複数のスリット403の設置によりねじり梁401の剛性を小さくできる。さらに個々のスリットが短い長さで分離独立しているため、ねじり梁の変形によりスリット部の幅が変化することを防止できる。これにより、振動ミラーの動作時のねじり梁の変形によりスリット部の幅が変化して共振周波数が変化することを防止できる。それぞれのスリット403の端部は、曲線状に加工されており、変形時の応力集中を避けることによりスリット403の端部からの破損を防止できる。
〔第3の実施形態〕
図5に、本発明を好適に実施した第3の実施形態に係る振動ミラーを示す。
ねじり梁501のねじり中心軸に平行方向に複数のスリット503が図のミラー反射面側から裏面側に向けて貫通形成されている。スリット503の幅はねじり梁501の幅に対して十分に小さく、その長さはねじり梁501のミラー504側と枠体502側に結合する部分よりも外側に出ない範囲で設定されている。スリットの長さをこのように設定することで、変形時の応力が集中するねじり梁結合部の破損を防止できる。また複数のスリット503の設置によりねじり梁501の剛性を小さくできる。さらに個々のスリット幅をねじり梁幅に対して十分に小さく設定することができるため、ねじり梁の変形によりスリット幅が変化するのを防止することができる。それぞれのスリット503の端部は曲線状に加工されており、変形時の応力集中を避けることによりスリット503の端部からの破損を防止できる。
〔第4の実施形態〕
図6に、本発明を好適に実施した第4の実施形態に係る振動ミラーを示す。
ねじり梁601のねじり中心軸上に複数のスリット603が図のミラー反射面側から裏面側に向けて貫通形成されている。スリット603の幅はねじり梁601の幅に対して十分に小さく、その長さはねじり梁601のミラー604側と枠体602側とに結合する部分よりも外側に出ない範囲で設定されている。スリットの長さをこのように設定することで、変形時の応力が集中するねじり梁結合部の破損を防止できる。また、複数のスリット603の設置によりねじり梁601の剛性を小さくできる。さらに個々のスリットが短い長さで分離独立しているため、ねじり梁の変形によりスリット部の幅が変化することを防止できる。それぞれのスリット603の端部は曲線状に加工されており、変形時の応力集中を避けることによりスリット603の端部からの破損を防止できる。さらに本実施形態においては複数のスリット603のうち何カ所かに多結晶シリコンが充填されている。この多結晶シリコンはスリット603以外の部分をマスクして熱CVDすることによって充填できる。ここでは多結晶シリコンを充填する場合を例としたが、充填する材料は金属に変えることもできる。ねじり梁と熱膨張係数が同じ材料を充填することにより、外部の温度環境が変化しても共振周波数の変動を小さく抑えられる。ねじり梁と異なる異材料を充填する場合には、共振周波数を調整できる範囲を広範囲とできる。このように任意の充填材料で任意の数のスリットを充填することにより、ねじり梁601全体の剛性を段階的に変化させることができ、広い帯域にわたって共振周波数を調整できる。なお、ここでは複数スリットへの個別充填を例としたが、連続したスリットに連続的に充填することで、ねじり梁の剛性を連続的に変化させることも可能である。
〔第5の実施形態〕
図7に、本発明を好適に実施した第5の実施形態に係る振動ミラーを示す。
ねじり梁701のねじり中心軸上に複数のドット703が図のミラー面側から裏面側に向けて貫通形成されている。ドット703の直径はねじり梁701の幅に対して十分に小さく、その形成範囲はねじり梁701のミラー704側と枠体702側とに結合する部分よりも外側に出ない範囲で設定されている。ドット形成範囲をこのように設定することで、変形時の応力が集中するねじり梁結合部の破損を防止できる。また複数ドット703の設置によりねじり梁701の剛性を小さくできる。さらに、個々のドットが分離独立しているため、ねじり梁の変形によってドット径が変化することを防止でき、共振周波数を安定して調整できる。それぞれのドット703の周囲は曲線状に加工されており、変形時の応力集中を避けることでドット703からの破損を防止できる。なお、ドット703をねじり梁の中心軸に平行に複数列形成することも可能である。
〔第6の実施形態〕
図8に、本発明を好適に実施した第6の実施形態に係る振動ミラーを示す。
ねじり梁801のねじり中心軸上に複数のドット803がミラー反射面から裏面側に向けて貫通形成されている。ドット803の直径はねじり梁801の幅に対して十分に小さく、その形成範囲はねじり梁801のミラー804側と枠体802側とに結合する部分よりも外側に出ない範囲で設定されている。ドット形成範囲をこのように設定することで、変形時の応力が集中するねじり梁結合部の破損を防止することができる。また、複数のドット803の設置によりねじり梁801の剛性を小さくできる。さらに、個々のドットが分離独立しているため、ねじり梁801の変形によりドット径が変化するのを防止できる。それぞれのドット803の周囲は曲面状に加工されており、変形時の応力集中を避けることでドット803からの破損を防止できる。さらに本実施形態においては複数のドット803のうちの何カ所かに多結晶シリコンが充填されている。この多結晶シリコンは、ドット803以外の部分をマスクして熱CVDすることによって充填できる。ここでは多結晶シリコンを充填する場合を例としたが、充填する材料を金属などに変えることもできる。ねじり梁と熱膨張係数が同じ材料を充填することにより、外部の温度環境が変化しても共振周波数の変動を小さく抑えられる。ねじり梁と異なる異材料を充填する場合には、共振周波数を調整できる範囲を広範囲とできる。このように任意の充填材料を任意の数のスリットに充填していくことにより、ねじり梁801全体の剛性を段階的に変えることができ、広い帯域にわたって共振周波数を調整できる。
〔第7の実施形態〕
図9に、本発明を好適に実施した第7の実施形態に係る光走査装置を示す。
減圧容器はミラー基板901で偏向した光ビームの透過部902が設けられたカバー903と、ミラー駆動手段に結線する端子部904が設けられたベース905とで構成され、カバー903とベース905とは内部が減圧された状態で封止されている。この中には、振動ミラー906、光源となるLDチップ907、光源からの光ビームを光走査装置のミラー基板901に向けて折り返すためのミラー908が設置されている。
このように減圧容器内に振動ミラーを配置することにより、空気の粘性抵抗が無くなるため、大きな振れ角を得られる。
図10に、本実施形態に係る光走査装置を適用した画像形成装置の構成を示す。この画像形成装置は、光書込装置1001と、光書込装置1001の被走査面を提供する感光体ドラム1002とを有する。光書込装置1001は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームで感光体ドラム1002の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査する。感光体ドラム1002は、矢印1003方向に回転駆動され、帯電部1004で帯電された表面に光書込装置1001で光走査されることによって静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像部1005でトナー像に顕像化され、トナー像は転写部1006で記録紙1007に転写される。転写されたトナー像は、定着部1008によって記録紙1007に定着させられる。感光体ドラム1002の転写部1006を通過した表面部分は、クリーニング部1009で残留トナーが除去される。なお、感光体ドラム1002に代えてベルト状の感光体を用いる構成としても良いことは言うまでもない。また、トナー像を転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像を記録紙に転写して定着させる構成とすることも可能である。
光書込装置1001は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームを発する光源部1020と、振動ミラー1021と、振動ミラー1021のミラー基板のミラー面に光源部1020からのレーザビームを結像させるための結像光学系1022と、ミラー面で反射された1本又は複数本のレーザビームを感光体ドラム1002の表面(被走査面)に結像させるための走査光学系1023とを有する。振動ミラー1021は、その駆動のための集積回路1024とともに回路基板1025に実装された形で光書込装置1001に組み込まれる。
上記構成の光書込装置1001は、次のような利点を有する。
・振動ミラー1021は、共振周波数の安定性の面で有利であるほか、回転多面鏡に比べて駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の省電力化に有利である。
・振動ミラー1021のミラー基板の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べて小さいため、画像形成装置の静粛性の向上に有利である。
・振動ミラー1021は、回転多面鏡と比べて設置スペースが圧倒的に小さくて済み、また、振動ミラー1021の発熱量も僅かであるため、光書込装置1001の小型化が容易であり、画像形成装置の小型化に有利である。
本実施形態に係る光書込装置は、振動ミラーの共振周波数が安定して維持されているので、安定した書き込みが可能となる。よって、これを用いた画像形成装置は、高品質な画像形成が可能である。
なお、上記実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることなく様々な変形が可能である。
本発明を好適に実施した第1の実施形態に係る振動ミラーの構成を示す図である。 ねじり梁及びそれに形成されるスリットの端部の形状を示す図である。 振動ミラーの製造手順を示す図である。 本発明を好適に実施した第2の実施形態に係る振動ミラーの構成を示す図である。 本発明を好適に実施した第3の実施形態に係る振動ミラーの構成を示す図である。 本発明を好適に実施した第4の実施形態に係る振動ミラーの構成を示す図である。 本発明を好適に実施した第5の実施形態に係る振動ミラーの構成を示す図である。 本発明を好適に実施した第6の実施形態に係る振動ミラーの構成を示す図である。 本発明を好適に実施した第7の実施形態に係る光走査装置の構成を示す図である。 第7の実施形態に係る光走査装置を用いた画像形成装置の構成を示す図である。
符号の説明
101、901 ミラー基板
102、102、201、401、501、601、701、801 ねじり梁
104、402、502、602、702、802 枠体
105 絶縁膜
106 下部枠体
107、108 側面
109、110、212、213 固定電極
111、112、113、114、203、403、503、603 スリット
115、116、117、206、307、308 電極パッド
202 上部枠体
204 スリット端部
205、404、504、604、704、804、908 ミラー
214、215 可動電極
301、302 シリコン基板
303、305、306 酸化膜(熱酸化膜)
304 SiNエッチングマスク
309 金属薄膜
703、803 ドット
902 透過部
903 カバー
904 端子部
905 ベース
906、1021 振動ミラー
907 LDチップ
1001 光書込装置
1002 感光体ドラム
1004 帯電部
1005 現像部
1006 転写部
1007 記録紙
1008 定着部
1009 クリーニング部
1020 光源部
1022 結像光学系
1023 走査光学系
1024 集積回路

Claims (13)

  1. ねじり梁を回転軸として往復振動して光源からの光ビームを偏向するミラー基板と、
    前記ミラー基板と単一の基板を貫通して該ミラー基板と一体形成され、前記ねじり梁に結合して前記ミラー基板を支持する枠体とを有し、
    前記ねじり梁にその弾性係数を調整する剛性調整構造が配置されたことを特徴とする振動ミラー。
  2. 前記剛性調整構造は、前記ねじり梁の中心軸上に設けられたスリットであることを特徴とする請求項1記載の振動ミラー。
  3. 前記剛性調整構造は、前記ねじり梁の中心軸上に設けられた複数のスリットであることを特徴とする請求項1記載の振動ミラー。
  4. 前記剛性調整構造は、前記ねじり梁の軸方向と平行に設けられた複数の貫通スリットであることを特徴とする請求項1記載の振動ミラー。
  5. 前記スリットの端部が曲線状となっていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載の振動ミラー。
  6. 前記スリットの少なくとも一部に、剛性調整材料が充填されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の振動ミラー。
  7. 前記剛性調整構造は、前記ねじり梁の中心軸上に設けられた複数の貫通穴であることを特徴とする請求項1記載の振動ミラー。
  8. 前記貫通ドットの一部に剛性調整材料が充填されていることを特徴とする請求項7記載の振動ミラー。
  9. 前記剛性調整材料が多結晶シリコンであることを特徴とする請求項6又は8記載の振動ミラー。
  10. 前記剛性調整材料が金属材料であることを特徴とする請求項6又は8記載の振動ミラー。
  11. 請求項1から10のいずれか1項記載の振動ミラーと、前記振動ミラーを駆動させるための駆動手段と、前記ミラー基板で偏向した光ビームを透過させる手段と、前記駆動手段に電力を供給するための端子部とが減圧容器内に収容されたことを特徴とする光走査装置。
  12. 請求項1から10のいずれか1項記載の振動ミラーと、前記振動ミラーの振幅に対応して、前記光源を変調する光源駆動手段と、前記ミラー基板で反射された光ビームを被走査面に結像される結像手段とを有する光書込装置。
  13. 請求項1から10のいずれか1項記載の振動ミラーと、記録信号によって変調された光ビームを前記振動ミラーのミラー面へ入射させるための入射光学系と、前記ミラー面で反射された光ビームを結像させるため結像光学系と、前記前記光ビームによって前記記録信号にしたがった静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置。
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