JP2006215258A - 振動ミラー、振動ミラーの製造方法、光書込装置および画像形成装置 - Google Patents

振動ミラー、振動ミラーの製造方法、光書込装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】連結部に支えられたミラー基板端面から延長された櫛歯電極が大きな振れ角で高速動作させたときでも変形が発生しない。
【解決手段】ねじり梁102、103が結合されている側のミラー基板101側面の一部を分岐して、ミラー基板端面から延長された櫛歯型電極105との間を連結部121、122で連結する。この連結部121、122とミラー基板側面が補強部123、124によって結合される。連結部121、122が補強されることにより、振動時の櫛歯電極延長部の変形を抑える。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロマシニング技術を応用した微小光学系、光走査装置に関し、例えばデジタル複写機、及びレーザプリンタ等の書込系に用いられる光走査装置、あるいは、バーコードリーダー、スキャナー等の読み取り装置に好適な技術に関する。
従来の光走査装置は、同一直線上に設けられた2本の梁で支持されたミラー基板を、ミラー基板に対向する位置に設けた電極との間の静電引力で、2本の梁をねじり回転軸として往復振動させている(例えば、非特許文献1を参照)。マイクロマシニング技術で形成されるこの光走査装置は、従来のモーターを使ったポリゴンミラーの回転による光走査装置と比較して、構造が簡単で半導体プロセスでの一括形成が可能なため、小型化が容易で製造コストも低く、また単一の反射面であるため複数面による精度のばらつきがなく、さらに往復走査であるため高速化にも対応できる等の効果が期待できる。
また、他の光走査装置として、ミラー基板の振れ角を大きくするため、その振動領域に電極が重ならないようミラー基板の端面に対向電極を設ける静電駆動のねじり振動型光走査装置が提案されている(例えば、非特許文献2を参照)。これらの光走査装置は、板厚20umのシリコンからなる可動電極としてのミラー基板とミラー基板端面に微小なギャップを隔てて対向する固定電極の間の静電引力で駆動するもので、両電極は同一部位に形成されている。これらの光走査装置ではミラー基板を起動させるためのねじり回転軸に対する初期モーメントを与えるのに、前者では形成プロセスで生じる構造体の微小な非対称性を利用しており、後者では駆動電極に直交する面上に起動のための金属電極薄膜を配備している。
IBM J.Res.Develop Vol.24(1980) The 13th Annual International Workshop on MEMS2000(2000)473-478,MEMS1999 333-338
マイクロマシン技術で作製される振動ミラーは小型、高速動作、低消費電力、低コスト等の特徴を備えていることからプリンター、ディスプレー、バーコードリーダなどへの応用が期待されている。
振動ミラーはその駆動方式から静電駆動、電磁駆動、圧電駆動等が考案されているが、なかでも静電駆動型の振動ミラーは構造が簡単なことから小型で低コストで信頼性が高いといった特徴をもっている。
しかしながら、静電駆動方式は電極間の静電引力を利用するため他の方式と比較して駆動トルクが小さく、大きな振れ角を得ようとする場合には、電極面積を拡大したり、電極間距離を狭くしたり、あるいは駆動電圧を高くしたりして対応することになる。このうち電極面積を拡大する方法のひとつとしてミラー基板端面に形成された櫛歯電極を拡張することが考えられ、櫛歯長を長く伸ばしたり、櫛歯電極の数を増やしたりする方法がある。ここで、櫛歯電極数を増やすためミラー基板の端面を延長して櫛歯電極を形成する構造では、振動時に延長された端面部分が慣性モーメントにより変形してしまい、微小なギャップを介して対向する電極どうしが接触してしまうといった不具合が発生する。
本発明はこのような問題点を解決するものであり、
本発明の目的は、連結部に支えられたミラー基板端面から延長された櫛歯電極が大きな振れ角で高速動作させたときでも変形が発生しないような構造を有する振動ミラー、振動ミラーの製造方法、光書込装置および画像形成装置を提供することにある。
請求項1に記載の振動ミラーは、ねじり梁を回転軸として往復振動され光源からの光ビームを偏向するミラー基板を有し、ミラー基板のねじり梁が結合されていない側の端面には櫛歯型電極がミラー基板端面から延長されて形成され、ミラー基板側面の一部を分岐しミラー基板端面から延長された櫛歯型電極との連結部とを有する振動ミラーであって、上記連結部とミラー基板側面を結合する補強部を有することを特徴としている。
請求項2に記載の振動ミラーは、請求項1に記載の振動ミラーにおいて補強部は補強梁からなる。
請求項3に記載の振動ミラーは、請求項1に記載の振動ミラーにおいて補強部がねじりバネ部と平行方向に設けられた少なくとも複数の補強梁からなる。
請求項4に記載の振動ミラーは、請求項3に記載の振動ミラーにおいて複数の補強梁どうしがたがいに連結されている。
請求項5に記載の振動ミラーは、請求項4に記載の振動ミラーにおいて複数の補強梁がたがいに格子状に連結されている。
請求項6に記載の振動ミラーは、請求項3に記載の振動ミラーにおいて複数の補強梁が連結されている部位の角が曲線状である。
請求項7に記載の振動ミラーは、請求項1に記載の振動ミラーにおいて連結枝部を結合する補強部が薄板状に設けられている。
請求項8に記載の振動ミラーは、請求項1に記載の振動ミラーにおいて連結部と補強梁が単結晶シリコンからなる。
請求項9に記載の振動ミラーの製造方法は、請求項1に記載の振動ミラーをねじりバネ部と連結部と補強梁を同一材料基板の微細加工により一体成形する。
請求項10に記載の振動ミラーは、請求項1に記載の振動ミラーにおいて上記振動ミラーと、ミラー駆動手段と、ミラー基板で偏向した光ビームの透過部と、ミラー駆動手段に結線する端子部とを具備する減圧容器内に収容している。
請求項11に記載の光書込装置は、請求項1から8のいずれか1項記載の振動ミラーと、前記振動ミラーの振幅に対応して、前記光源を変調する光源駆動手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを被走査面に結像させるための手段とを有している。
請求項12に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の振動ミラーにおいて請求項1から8のいずれか1項記載の振動ミラーと、記録信号によって変調された光ビームを前記振動ミラーのミラー基板のミラー面へ入射させるための手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを結像させるための手段と、前記記録信号にしたがった静電潜像が結像される像担持体と、静電像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段を有している。
請求項1に記載の振動ミラーは、ねじり梁を回転軸として往復振動され光源からの光ビームを偏向するミラー基板を有し、ミラー基板のねじり梁が結合されていない側の端面には櫛歯型電極がミラー基板端面から延長されて形成され、ミラー基板側面の一部を分岐しミラー基板端面から延長された櫛歯型電極との連結部とを有する振動ミラーであって、上記連結部とミラー基板側面を結合する補強部を有しているので、振動時に補強部が連結部の捻れ変形を抑制するように作用し、大きな振れ角で高速動作させたときでも連結部に支えられたミラー端面から延長された櫛歯電極の変形が発生しないため、ショートなどの不具合のない安定した駆動トルクが得られる。
請求項2、3に記載の振動ミラーは、請求項1に記載の振動ミラーにおいて補強部がねじりバネ部と平行方向に設けられた少なくとも複数の補強梁からなるので、1本のときより連結部の長さ全体にわたって振動時に補強部が連結部の捻れ変形を抑制するような作用がはたらき、大きな振れ角で高速動作させたときでも連結部に支えられたミラー端面から延長された櫛歯電極の変形が発生しないため、ショートなどの不具合のない安定した駆動トルクが得られる。
請求項4に記載の振動ミラーは、請求項2に記載の振動ミラーにおいて複数の補強梁どうしがたがいに連結されているので、補強梁自体の変形が低減されるとともに連結部の長さ全体にわたって振動時に補強部が連結部の捻れ変形を抑制するような作用がはたらき、大きな振れ角で高速動作させたときでも連結部に支えられたミラー端面から延長された櫛歯電極の変形が発生しないため、ショートなどの不具合のない安定した駆動トルクが得られる。
請求項5に記載の振動ミラーは、請求項3に記載の振動ミラーにおいて複数の補強梁がたがいに格子状に連結されているので、補強梁全体が軽量化を維持しつつ平面的に一体化されるようになるため、連結部の変形をより抑制する効果が大きく、より振れ角が大きいときにも連結部に支持されたミラー端面から延長された櫛歯電極の変形が発生しない。
請求項6に記載の振動ミラーは、請求項2に記載の振動ミラーにおいて複数の補強梁が連結されている部位の角が曲線状であるため、振動時のミラー基板の変形による交差位置の応力集中が緩和され、そこからの亀裂の発生を低減することができ、振動ミラーの耐久性を向上させることができる。
請求項7に記載の振動ミラーは、請求項1に記載の振動ミラーにおいて連結枝部を結合する補強部が薄板状に設けられているので、補強部全体の変形を強固に抑制することができ、より振れ角が大きいときにも連結枝部に支持されたミラー基板の変形が発生しない。
請求項8に記載の振動ミラーは、請求項1に記載の振動ミラーにおいて連結部と補強梁が単結晶シリコンからなるので、構造材料に欠陥が無いため信頼性が高く、耐久性もよいばかりでなく、加工が容易でコストが安い。
請求項9に記載の振動ミラーの製造方法は、請求項1に記載の振動ミラーをねじりバネ部と連結部と補強梁を同一材料基板の微細加工により一体成形するので、加工工程が簡単で低コストで作製でき、かつ強度が高く耐久性に優れる。
請求項10に記載の振動ミラーは、請求項1に記載の振動ミラーにおいて上記振動ミラーと、ミラー駆動手段と、ミラー基板で偏向した光ビームの透過部と、ミラー駆動手段に結線する端子部とを具備する減圧容器内に収容しているので、気体の粘性抵抗が小さくなるため、小さな駆動トルクで大きな振れ角を得ることができる。
以下、発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。
実施例1:
図1は、本発明の第1の実施例における光走査装置の構成を示す。図1(a)は光走査装置中央の断面図、(b)は光走査装置全体の裏面からの正面図である。
ミラー基板101は同一直線上に設けられた2本のねじり梁102、103で支持されている。ミラー基板101は側面の一部が分岐してミラー基板端面から延長された櫛歯型電極との間の連結部121、122となっており、この連結部とミラー基板側面は補強部123、124によって結合されている。このように連結部121、122が結合、補強されることで振動時の櫛歯電極延長部の変形を抑えることができる。
2本のねじり梁102、103は、光走査装置として必要な共振周波数が得られるようなねじり剛性の寸法に設定され、ミラー部の外側に設けられた共通の内側枠体104に固定されている。内側枠体104はそれより板厚の厚い外側枠体120で周囲を固定されている。
ミラー基板101のねじり梁102、103に支持されていない両側面105、106は櫛歯形状をなしており、微小ギャップをへだてて同一部位の内側枠体上に設けられた同じく櫛歯形状の駆動用の固定電極107、108に噛み合うかたちで対向している。また、ミラー基板のねじり梁に支持されている両側面109、110は直線形状をなしており、微小ギャップをへだてて基板の厚さ方向にずらして重ならない部位の外側枠体に設けられた、同じく直線形状の起動用の固定電極111、112に重ならない部位をもって対向している。
内側枠体104と外側枠体120はミラー基板101と一体構造からなる導電性材料からなり、その表面には絶縁材料113が形成されている。ミラー基板の両側面109、110に近接対向した位置にある外側枠体内側端面の絶縁材料上には、それぞれ第2の固定電極111、112が形成されている。この部位において外側枠体はミラー基板よりも厚くなっており、その厚さ方向にミラー基板側面とは重ならない位置に、ミラー基板の両側面に近接対向して電極が設けられている。
また、外側枠体の一部には導電性材料が露出した部分が設けられ、そこには電極引き出し用のパット114が形成されている。ミラー基板101上には使用する光に対して十分な反射率をもつ金属薄膜115が形成されている。内側枠体端面に形成された第1の固定電極107、108と外側枠体端面に形成された第2の固定電極111、112はそれぞれ外側枠体表面、裏面に形成された電極パット116、117、118、119まで引き出されている。
本発明の第1の実施例における光走査装置の製造方法を図2を用いて説明する。
ミラー基板、ねじり梁、側枠体には高精度の微細加工が容易なシリコン基板を用いた。両面研磨された厚さ200umのシリコン基板201の片面に、シリコンを深くエッチングするためのマスクとして高粘度耐熱レジスト202を100umの厚さで塗布した(a)。ここで使用するマスク材としては、シリコンとの密着性がよく、エッチング時の選択比として100umのシリコンエッチング時にもマスクとして残る程度に大きく、かつエッチング後には容易に除去できるような材料であればよく、Niメッキ膜等を利用してもよい。
次に、このレジストを露光、現像することで内側枠体形状にパターニングした(b)。このレジストをマスクとして、シリコン基板をエッチング速度が大きく異方性の高いドライエッチング装置(ICP−RIE)を用いて、内側枠体形状に100umの深さまでエッチング除去した(c)。ここで形成されるエッチング端面の段差部分に、後の工程で起動用の固定電極を形成する。
レジスト202を溶解、除去した後、段差の形成された基板に再び高粘度耐熱レジスト203を100umの厚さで塗布し、露光、現像することで補強部形状にパターニングした(d)。そして、レジストマスクを除去した(e)。
次に、シリコンを内フレーム形状にエッチングした面と反対側の面に、高粘度耐熱レジスト204を100umの厚さで塗布し、裏面をミラー基板及び梁形状にパターニングした(f)。このレジストをマスクとして、シリコン基板をエッチング速度が大きく異方性の高いドライエッチング装置(ICP−RIE)を用いて、貫通するまでドライエッチングすることでミラー基板とねじり梁を形成した(g)。
レジストを溶解、除去した後、基板全体を熱酸化し、基板との絶縁材料として表面に厚さ1umのSiO2膜205を形成した(h)。
次に、フレーム内側の端面のSiO2膜上には、それぞれ起動用の固定電極206、駆動用の固定電極207として、Ti薄膜300Åをスパッタ法で成膜したあと、Pt薄膜1200Åをでスパッタ法で成膜した。さらに、ミラー基板表面にはAl薄膜208を形成した(i)。なお成膜の際、電極以外の領域には金属薄膜が形成されないように、金属性のステンシルマスクで遮蔽し、また、同一部位で近接した駆動用の固定電極は、振動子をジグを用いて傾斜させた状態で斜め方向から成膜した。ここで、Ti薄膜はSiO2膜上でのPt薄膜の密着性を向上させるためのものである。なお、ここではPt薄膜を電極材料として用いているが、他に導電性が高く、SiO2との密着性が確保できれば、Au,Ti,等他の材料を使用してもよい。また、ここでは成膜方法としてスパッタ法を用いたが、真空蒸着、イオンプレーティング法等の他の方法で成膜してもよい。
次に、枠体裏面の一部のSiO2膜をメタルマスクを使ってエッチング除去し、コンタクトホール209を形成した(j)。このシリコンが露出したコンタクトホールに、ミラー基板に電圧を印加するための電極210をメタルマスクを使って成膜し、電極と基板との抵抗を下げるための400℃の熱処理を行った(k)。ここでは金属薄膜としてAlを成膜したが、使用するレーザー光に対し必要十分な反射率が得られる金属薄膜ならばAu等の他の材料も選択可能である。また、成膜方法としては真空蒸着法を用いたが、スパッタ法、イオンプレーティング法等の他の方法で成膜してもよい。
本発明の第1の実施例における光走査装置の動作を図3を用いて説明する。2本のねじり梁で支持されたミラー基板301を共通の可動電極として、外側枠体上に形成された電極引き出しパット302から接地しておく。外側枠体内側側面にミラー基板と重ならない部位に近接して形成された起動用の固定電極303に50Vの電圧を印加すると、5umのギャップを隔てて互いに重ならないように基板の厚さ方向にずらして設けられている起動用の固定電極303とミラー基板301の梁が結合されている側面の間には、ミラー基板301が電極303方向に梁を軸として回転する方向に静電引力が働き、ミラー基板の端部Aは電極303と一部が重なる位置に達する(a)。ここで得られるミラー基板の変位は、梁が結合されていないミラー基板の側面と、それに対向して設けられた駆動用の固定電極304、305との間に振動開始に必要な段差、すなわち重ならない部分ができる程度必要となる。この際、起動用の固定電極303の表面を段差方向に広く形成することができるので、ねじり剛性の大きい振動子にまで対応することができる。
次に、起動用の固定電極303への電圧印加を切ると同時に、ミラー基板の両側にギャップを隔てて配置された駆動用の固定電極304、305に50Vの電圧印加を開始すると、電極間の静電引力と梁のねじり剛性により、振動子は水平位置にまで到達する(b)。
この位置で駆動用の固定電極304、305への電圧印加を停止すると、ミラー基板は慣性モーメントに応じて水平位置を通過してさらに振れ、慣性モーメントと梁のねじり剛性がつりあった位置に達したところで回転は停止する(c)。
その後再び駆動用の固定電極304、305に電圧印加を開始すると、電極間の静電引力と梁のねじり剛性により、振動子は逆方向に振れ、再び水平位置にまで到達する(d)。この駆動用の固定電極の駆動周波数を振動子の共振周波数に設定することにより、起動用の固定電極による起動時の変位よりも大きな振れ角を得ることができた。
このように、ミラー基板が共振状態で振動しているとき、ミラー基板には慣性モーメントがはたらき、回転軸からはなれた位置ほどその値は大きい。静電駆動型の場合、ミラー基板端面に櫛歯電極を形成する場合が多いが、静電トルクをできるだけ大きくするために、端面の櫛歯電極を延長した構造も考えられる。この位置は慣性モーメントが大きく働くため櫛歯電極の延長部分は往復振動で大きな応力を受けることになるが、本発明の連結部と補強部により支持されているためその変形を小さく抑えることができる。
図9は、ミラー走査角に対する駆動パルスの印加タイミングを示す。走査角が最大となる時間からのパルス印加開始の遅れをδとして、走査角が0となる画像中央にむけてミラーが移動する時間Tだけ駆動パルスを印加する。したがって1周期の間に2回のパルス駆動することになる。
実施例2:
図4は、本発明の第2の実施例における光走査装置のミラー基板の構成を示す。光走査装置としての全体構成は第1の実施例と同じであるため図は省略するが、ミラー基板、2本のねじり梁、内、外側枠体、櫛歯型可動電極、櫛歯型固定電極、絶縁層、電極パットからなっている。ここでは第2の実施例の特徴であるところの連結部についてのみ図4を用いて説明する。
4mm□の大きさのミラー基板401は同一直線上に設けられた2本のねじり梁402、403で支持されている。ミラー基板401は側面の一部が分岐してミラー基板端面から延長された櫛歯型電極との間の連結部404、405となっており、連結部404、405とミラー基板側面はそれぞれが2本の補強部406、407と408、409で結合されている。このように連結枝部が複数の位置で結合、補強されることで振動時の連結枝部の変形をより抑えることができる。また、ねじり梁が結合していない側のミラー基板外周には、ねじり梁と平行に可動電極410、411が、それと対向した位置の内側枠体(図示せず)には固定電極が、それぞれ狭ギャップを隔てて櫛歯状に形成されている。また、リブの形成されていないミラー基板表面側には金属薄膜からなるミラー面412が形成されている。
実施例3:
図5は、本発明の第3の実施例における光走査装置のミラー基板の構成を示す。光走査装置としての全体構成は第1の実施例と同じであるため図は省略するが、ミラー基板、2本のねじり梁、内、外側枠体、櫛歯型可動電極、櫛歯型固定電極、絶縁層、電極パットからなっている。ここでは第2の実施例の特徴であるところの連結部についてのみ図5を用いて説明する。
4mm□の大きさのミラー基板501は同一直線上に設けられた2本のねじり梁502、503で支持されている。ミラー基板501は側面の一部が分岐してミラー基板端面から延長された櫛歯型電極との間の連結部504、505となっており、連結部504、505とミラー基板側面はそれぞれが補強部506、507で結合されている。さらに補強部と端面電極の延長はそれと直交する方向にさらに補強部508、509によって結合されている。このように連結枝部が複数の位置で結合、補強されることで振動時の連結枝部の変形をより抑えることができる。また、ねじり梁が結合していない側のミラー基板外周には、ねじり梁と平行に可動電極510、511が、それと対向した位置の内側枠体(図示せず)には固定電極が、それぞれ狭ギャップを隔てて櫛歯状に形成されている。また、リブの形成されていないミラー基板表面側には金属薄膜からなるミラー面512が形成されている。
実施例4:
図6は、本発明の第4の実施例における光走査装置のミラー基板の構成を示す。光走査装置としての全体構成は第1の実施例と同じであるため図は省略するが、ミラー基板、2本のねじり梁、内、外側枠体、櫛歯型可動電極、櫛歯型固定電極、絶縁層、電極パットからなっている。ここでは第2の実施例の特徴であるところの連結部についてのみ図6を用いて説明する。
4mm□の大きさのミラー基板601は同一直線上に設けられた2本のねじり梁602、603で支持されている。ミラー基板601は側面の一部が分岐してミラー基板端面から延長された櫛歯型電極との間の連結部604、605となっており、連結部604、605とミラー基板側面はそれぞれが補強部606、607で結合されている。さらに補強部と端面電極の延長はそれと直交する方向に格子状に配列された補強部608、609によって結合されている。このように連結枝部が複数の位置で格子状に結合、補強されることで振動時の連結枝部の変形をより効果的に抑えることができる。また、ねじり梁が結合していない側のミラー基板外周には、ねじり梁と平行に可動電極610、611が、それと対向した位置の内側枠体(図示せず)には固定電極が、それぞれ狭ギャップを隔てて櫛歯状に形成されている。また、リブの形成されていないミラー基板表面側には金属薄膜からなるミラー面612が形成されている。
実施例5:
図7は、本発明の第5の実施例における光走査装置のミラー基板の構成を示す。光走査装置としての全体構成は第1の実施例と同じであるため図は省略するが、ミラー基板、2本のねじり梁、内、外側枠体、櫛歯型可動電極、櫛歯型固定電極、絶縁層、電極パットからなっている。ここでは第5の実施例の特徴であるところの連結部についてのみ図7を用いて説明する。
4mm□の大きさのミラー基板701は同一直線上に設けられた2本のねじり梁702、703で支持されている。ミラー基板701は側面の一部が分岐してミラー基板端面から延長された櫛歯型電極との間の連結部704、705となっており、この連結部とミラー基板側面は補強部706、707によって結合されている。このように連結部704、705が結合、補強されることで振動時の櫛歯電極延長部の変形を抑えることができる。さらにそれぞれのリブが交差する位置には図中拡大して示したように曲率をつけてある。このような曲率が形成されていることにより、振動時のミラー基板の変形による交差位置の応力集中が緩和され、そこからの亀裂の発生を低減することができる。また、ねじり梁が結合していない側のミラー基板外周には、ねじり梁と平行に可動電極710、711が、それと対向した位置の内側枠体(図示せず)には固定電極が、それぞれ狭ギャップを隔てて櫛歯状に形成されている。また、リブの形成されていないミラー基板表面側には金属薄膜からなるミラー面712が形成されている。
実施例6:
図8は、本発明の第6の実施例における光走査装置のミラー基板の構成を示す。光走査装置としての全体構成は第1の実施例と同じであるため図は省略するが、ミラー基板、2本のねじり梁、内、外側枠体、櫛歯型可動電極、櫛歯型固定電極、絶縁層、電極パットからなっている。ここでは第2の実施例の特徴であるところの連結部についてのみ図8を用いて説明する。
4mm□の大きさのミラー基板801は同一直線上に設けられた2本のねじり梁802、803で支持されている。ミラー基板801は側面の一部が分岐してミラー基板端面から延長された櫛歯型電極との間の連結部804、805となっており、この連結部とミラー基板側面は平板状の補強部806、807によって結合されている。このように連結枝部が平面で結合、補強されることで振動時の連結枝部の変形をより抑えることができる。また、ねじり梁が結合していない側のミラー基板外周には、ねじり梁と平行に可動電極810、811が、それと対向した位置の内側枠体(図示せず)には固定電極が、それぞれ狭ギャップを隔てて櫛歯状に形成されている。また、リブの形成されていないミラー基板表面側には金属薄膜からなるミラー面812が形成されている。
なお、上記した各実施例の振動ミラーは、振動ミラーと、ミラー駆動手段と、ミラー基板で偏向した光ビームの透過部と、ミラー駆動手段に結線する端子部とを具備する減圧容器内に収容される。
以上に説明した本発明の光走査装置は、写真印刷方式のプリンタや複写機などの画像形成装置のための光走査装置として最適である。次に、そのような画像形成装置の一例について図10を参照して説明する。
図10において、301は光書込装置、302は光書込装置301の被走査面を提供する感光体ドラムである。光書込装置301は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームで感光体ドラム302の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査するものである。感光体ドラム302は、矢印303方向に回転駆動され、帯電部304で帯電された表面に光書込装置301により光走査されることによって静電潜像を形成される。この静電潜像は現像部305でトナー像に顕像化され、このトナー像は転写部306で記録紙307に転写される。転写されたトナー像は定着部307によって記録紙307に定着される。感光体ドラム302の転写部306を通過した表面部分はクリーニング部309で残留トナーを除去される。なお、感光体ドラム302に代えてベルト状の感光体を用いる構成も可能であることは明らかである。また、トナー像を転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像を記録紙に転写して定着させる構成とすることも可能である。
光書込装置301は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームを発する光源部320と、本発明の光走査装置321と、この光走査装置321のミラー基板のミラー面に光源部320からのレーザビームを結像させるための結像光学系322と、ミラー面で反射された1本又は複数本のレーザビームを感光体ドラム302の表面(被走査面)に結像させるための走査光学系323から構成される。光走査装置321は、その駆動のための集積回路324とともに回路基板325に実装された形で光書込装置301に組み込まれる。
このような構成の光書込装置301は、次のような利点を有する。本発明による光走査装置321は、前述のようにレーザビーム形状の安定性、駆動電圧の低電圧化の面で有利であるほか、回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の省電力化に有利である。光走査装置321のミラー基板の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置の静粛性の改善に有利である。光走査装置321は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、光装置装置321の発熱量もわずかであるため、光書込装置301の小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
なお、記録紙307の搬送機構、感光体ドラム302の駆動機構、現像部305、転写部306などの制御手段、光源部320の駆動系などは、従来の画像形成装置と同様でよいため図中省略されている。
本発明の第1の実施例における光走査装置の構成を示す。 第1の実施例における光走査装置の製造方法を説明する図である。 第1の実施例における光走査装置の動作を説明する図である。 本発明の第2の実施例における光走査装置のミラー基板の構成を示す。 本発明の第3の実施例における光走査装置のミラー基板の構成を示す。 本発明の第4の実施例における光走査装置のミラー基板の構成を示す。 本発明の第5の実施例における光走査装置のミラー基板の構成を示す。 本発明の第6の実施例における光走査装置のミラー基板の構成を示す。 ミラー走査角に対する駆動パルスの印加タイミングを示す。 本発明が適用される画像形成装置の一例を示す。
符号の説明
101 ミラー基板
102、103 ねじり梁
104 内側枠体
107、108、111、112 固定電極
113 絶縁材料
115 金属薄膜
116、117、118、119 電極パット
120 外側枠体
121、122 連結部
123、124 補強部

Claims (12)

  1. ねじり梁を回転軸として静電引力により往復振動され、光源からの光ビームを偏向するミラー基板を有し、ミラー基板のねじり梁が結合されていない側の端面には静電引力を作用させるための櫛歯型電極がミラー基板端面から延長されて形成され、ねじり梁が結合されている側のミラー基板側面の一部を分岐しミラー基板端面から延長された櫛歯型電極との連結部とを有する振動ミラーであって、前記連結部とミラー基板側面を結合する補強部を有することを特徴とする振動ミラー。
  2. 前記補強部は、補強梁からなることを特徴とする請求項1記載の振動ミラー。
  3. 前記補強部は、ねじり梁部と平行方向に設けられた少なくとも複数の補強梁からなることを特徴とする請求項1記載の振動ミラー。
  4. 前記複数の補強梁どうしが互いに連結されていることを特徴とする請求項3記載の振動ミラー。
  5. 前記複数の補強梁は互いに格子状に連結されていることを特徴とする請求項3記載の振動ミラー。
  6. 前記複数の補強梁が連結されている部位の角又は補強部と連結部の連結されている部位の角又は補強部とミラー基板側面の連結されている部位の角が曲線状であることを特徴とする請求項3記載の振動ミラー。
  7. 連結枝部を結合する補強部が薄板状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の振動ミラー。
  8. 前記連結部と補強梁が単結晶シリコンからなることを特徴とする請求項1または2記載の振動ミラー。
  9. 請求項1記載の振動ミラーの製造方法であって、ねじり梁部と連結枝部と補強梁を同一材料基板の微細加工により一体成形することを特徴とする振動ミラーの製造方法。
  10. 請求項1記載の振動ミラーと、ミラー駆動手段と、ミラー基板で偏向した光ビームの透過部と、ミラー駆動手段に結線する端子部とを具備する減圧容器内に収容したことを特徴とする振動ミラー。
  11. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動ミラーと、前記振動ミラーの振幅に対応して、前記光源を変調する光源駆動手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを被走査面に結像させるための手段とを有することを特徴とする光書込装置。
  12. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動ミラーと、記録信号によって変調された光ビームを前記振動ミラーのミラー基板のミラー面へ入射させるための手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを結像させるための手段と、前記記録信号にしたがった静電潜像が結像される像担持体と、静電像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011039227A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Nippon Signal Co Ltd:The プレーナ型アクチュエータ
JP2014021186A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Kyushu Univ ねじり振動子及びねじり振動子の制御方法

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