JP4663550B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロマシニング技術を応用した微小光学系を有する光走査装置に関し、例えば、デジタル複写機、及びレーザプリンタ等の書込系に用いられる光走査装置、あるいはバーコードリーダー等の読み取り装置などに好適な技術に関する。
従来の振動ミラーでは、同一直線上に設けられた2本の梁で支持されたミラー基板を、ミラー基板に対向する位置に設けた電極との間の静電引力で、2本の梁をねじり回転軸として往復振動させている(例えば、非特許文献1参照)。マイクロマシニング技術で形成されるこの光走査装置は、従来のモーターを使ったポリゴンミラーの回転による光走査装置と比較して、構造が簡単で半導体プロセスでの一括形成が可能なため、小型化が容易で製造コストも低く、また単一の反斜面であるため複数面による精度のばらつきがなく、さらに往復走査であるため高速化にも対応できる等の効果が期待できる。
このような静電駆動の振動ミラーとしては、梁をS字型として剛性を下げ、小さな駆動力で大きな振れ角が得られるようにしたもの(例えば、特許文献1参照)、梁の厚さをミラー基板、フレーム基板よりも薄くしたもの(例えば、特許文献2参照)、固定電極をミラー部の振動方向に重ならない位置に配置したもの(例えば、特許文献3、非特許文献2参照)、また、対向電極をミラーの振れの中心位置から傾斜させて設置することで、ミラーの振れ角を変えずに駆動電圧を下げたものがある(例えば、非特許文献3参照)。
IBM J.Res.Develop Vol.24 (1980) The 13th Annual International Workshop on MEMS2000 (2000)p.473−478 The 13th Annual International Workshop on MEMS2000 (2000)p.645−650 特許第2924200号公報 特開平7−92409号公報 特許第3011144号公報 特開平9−197334号公報
図17を参照して、従来の問題点を説明する。図17(a)に示される光偏向素子において、環境温度が変化したとき光偏向素子の共振周波数が変化し、そのために光偏向素子の振れ角が減少するという問題がある。
図17(a)、(b)に示す、同一直線上に設けた2本の梁を回転軸として支持されたミラー基板(可動部)44と、ミラー基板44に設けた可動電極46と、可動電極46に対向して設けた固定電極20を有し、可動電極46と固定電極20との間の静電引力で、2本の梁45をねじり回転軸としてミラー基板44を往復振動させる光偏向素子において、共振周波数は、近似的に以下の式で与えられる。
f=(1/2π)v(Kθ/I) (1)
但しKθ=捻りバネ定数、
Kθ=β・t・c^3・E/L(1+v)
t;バネ厚さ、L;長さ、c;幅 v;ポアッソン比
I=ミラー慣性モーメント
Siの温度係数をΔhtとするとき、温度Tにおけるヤング率は、以下の式で与えられる。
ヤング率E=E0(1−Δht*T) (2)
但しE0=1.9e+12(dyne/cm2)、
Δht=75e−6/°c
式(2)より、温度Tが高くなれば、ヤング率Eが小さくなることが分かる。これにより、(1)において、温度Tが大きくなれば共振周波数は、小さくなることが分かる。
図17(c)は、温度と共振周波数の関係の実測結果を示す。同図において、温度変化に応じて共振周波数が変化しているのが分かる。
そこで、図18(a)、(b)に示すように、このような共振周波数のばらつきを抑えるため、弾性変形部13に電気抵抗素子6を設けて、電気抵抗素子6に通電することにより電気抵抗素子6が発熱し、弾性変形部13の温度が変化し、これにより弾性変形部13のバネ定数が変化し、振動の共振周波数を変化させる方法が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。
弾性変形部13に電気抵抗素子6を設けることにより、環境温度の変動による共振周波数の変動を抑えることも可能となる。しかし、弾性変形部13に電気抵抗素子6を設けるためのプロセスが複雑でありコストアップの原因となる。また電気抵抗素子6の温度制御回路30が必要となり、同じくコストアップの要因となる。
また、共振周波数のばらつきによる振れ角のばらつきという問題もある。上記したように、共振周波数は近似的に(1)式で与えられる。ミラー形状のばらつきにより慣性モーメントIがばらつく。また、ねじり梁形状のばらつきによりバネ定数Kθがばらつく。これにより、(1)式より共振周波数のばらつきが発生する。
このような共振周波数のばらつき特性をもった光走査装置を、レーザープリンタ等の光書き込み装置に用いた場合の問題点について検討する。
図16(a)に示されるレーザープリンタの書き込み装置は、複数個の光走査装置から構成され、主走査方向に配置されている。書き込み幅に対して、複数個の光走査装置により書き込みを行う。この光走査装置の共振周波数のばらつきを測定した結果を図19(a)に示す。また、光走査装置の振れ角周波数特性の測定結果を図19(b)に示す。このようなレーザープリンタの場合、光書き込み装置は、同一周波数の駆動信号Fdにより駆動される。この駆動信号Fdにおける各光走査装置の振れ角周波数特性を図19(c)に示す。図19(c)において、各走査装置の振れ角は、駆動信号と各周波数特性との交点で与えられ、振れ角のばらつきは図19(c)に示される範囲で与えられる。
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、従来例のような電気抵抗素子などによる温度制御を行うことなく、環境温度が変化しても振れ角の変動が少ない光偏向素子構造を提供し、また、共振周波数のばらつきによる振れ角のばらつきの少ない光走査装置および画像形成装置を提供することにある。
本発明は、ミラーの両端面に設けた可動電極と、それと対向して各々設けた第1の固定電極と、前記第1の固定電極の揺動方向同一面に重ねて設けた第2の固定電極とから構成されて、第1の固定電極、ミラーは一直線上に配置されており、ミラー側面に同一直線上に設けた梁を捻り回転軸として往復振動し、光源からのビームを偏向走査する光走査装置において、ミラーの両端面可動電極と第1の固定電極間に作用する静電気力と、ミラーの両端面可動電極と第2の固定電極間に作用する静電気力のどちらか一方の静電気力によりミラーを振動させ、前記静電気力の駆動周波数を、ミラーの慣性と梁の捻りバネ定数で定まる共振周波数と比較して、駆動周波数が共振周波数より大きい場合、第1の固定電極に駆動信号を印加し、駆動周波数が共振周波数より小さい場合、第2の固定電極に駆動信号を印加することを最も主要な特徴とする。
本発明(請求項1)によると、振れ角の周波数特性が、従来構成の周波数特性よりブロードな特性になり、また、振れ角のばらつきが低減する。また、定格振れ角θmを満足する周波数帯域を大きくとることができる。
本発明(請求項2)によると、従来のポリゴンスキャナーに比較して部品数が非常に少ないので、ローコスト化が期待できる。
本発明(請求項2)によると、周波数変化に対して、振れ角変化の大きい領域を除外できるので、光走査装置が安定に動作する。
本発明(請求項3)によると、定格振れ角θmを満足する周波数帯域を大きくとることができる。
本発明(請求項4)によると、第二の固定電極とミラー電極間に作用する静電気力の作用角度を広げることができ、これにより振れ角周波数特性の帯域を拡大することができる。
本発明(請求項5)によると、ミラー基板がベース基板とカバーガラスとの空間に減圧封止されているので、粘性抵抗係数が小さくなり、振れ角を大きくできる。
本発明(請求項6)によると、ミラーの振れ角を大きくできる。
本発明(請求項7)によると、第一の固定電極と第二の固定電極が櫛歯形状をしているので、電極間の対向面積を大きくすることができる。その結果、対向面積に比例する静電気力が大きくなり、これより振動振幅を大きくできる。
本発明(請求項8)によると、従来のポリゴンスキャナーに比較して部品数が非常に少ないので、ローコスト化が期待できる。
以下、発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。
実施例1:
図1は、本発明の実施例1の構成を示す。図1(b)は、図1(a)の断面図である。図1(a)において、42は第一の基板、43は第二の基板である。第一の基板42には、エッチングによる加工により可動部44の両側面に、捻りバネ45,45’が設けられている。また、可動部44の両端面に可動電極46,46’が設けられ、それと対向して第一の固定電極51、52を形成している。第一の基板42は、分離溝49により、ミラー面を有する可動部44と第一固定電極51と第一固定電極52に分割される。
第二の基板43が、第一の基板42と絶縁層48を介して接合され、可動部44の揺動空間59が形成されている。第二の基板43は、分離溝49により、2つの第二固定電極53、54に分割される。
本実施例では、第一の固定電極と可動電極間に電圧を印加し、二つの電極間に作用する静電気力を駆動力とする場合と、第二の固定電極と可動電極間に電圧を印加し、二つの電極間に作用する静電気力を駆動力とする場合がある。
光走査装置の力学的モデルとして、一自由度振動系を取り上げて、光走査装置の動作を説明する。
一自由度系振動系で、バネが非線形性を有するモデルにより解析を行う(duffingの方程式)。
図2において、
・ねじりバネ/静電気トルクを、線形バネ定数k、非線形バネ常数βのバネでモデル化し、
・ミラーの慣性を、質点(I)でモデル化し、
・空気粘性を、ダシュポット(c)でモデル化し、
・外力を、振幅q、角速度ω0の正弦波でモデル化とすると、
I・X”+c・X’+(k・X+β・X^3)=q・cosωt (3)
となる(Xは変位、X’は1階微分、X”は2階微分、X^3は3階微分)。
この一自由度振動系に正弦波外力が作用するモデルにより、振動特性解析を行う。
(A)第一の固定電極と可動電極間に電圧を印加し、二つの電極間に作用する静電気力を駆動力とする場合:
図3(a)は、第一の固定電極51,52と可動電極間46の間に作用するトルクを示している。(3)式における戻りバネ力は、捻りバネ力と静電気トルクTrqの和で与えられる。
図3(b)は、図3(a)に示される第一の固定電極と可動電極間の静電気力を求めた結果を示す。計算は有限要素法により求めた。この静電トルクとねじりバネ力を加え合わせた力が、ミラーの戻り力として作用する。
図3(c)は、静電トルクとねじりバネ力を加え合わせた力、戻り力(k・X+βX^3)を示す。この戻り力は、原点に対して対称であり、振れ角θ>0において、上に凸、振れ角θ<0において、下に凸である。よって、3次の多項式(k・X+βX^3、但しβ<0)で近似できる。
方程式(3)から、定常状態での周波数応答特性を求めた結果を、図5(b)に示す。
図5(b)において、斜線部は(3)式の定常状態の解が存在しない範囲を示す。この解の存在範囲により、非線形振動系に特有な跳躍減少とヒステリシス減少が発生する。斜線部に定常解が存在し得ないため、駆動周波数の上昇及び下降に応じて、周波数応答が不連続に変化する。駆動周波数を上昇させていくとき、A’−>B’の跳躍が生じる。また、駆動周波数を減少させていくとき、C’−>D’の跳躍が生じる。
図5(b)は、上記結果から得られる周波数を下降させた場合の応答曲線を示し、いわゆるソフトスプリング効果(駆動周波数が低くなるに従って共振点C’が低くなる現象)が現れていることがわかる。
(B)第二の固定電極と可動電極間に電圧を印加し、二つの電極間に作用する静電気力を駆動力とする場合:
図4(a)は、第二の固定電極53,54と可動電極間46の間に作用するトルクを示している。(3)式における戻りバネ力は、捻りバネ力と静電トルクの和で与えられる。
図4(b)は、図4(a)に示される第二の固定電極と可動電極間の静電気力を求めた結果を示す。計算は有限要素法により求めた。この静電トルクとねじりバネ力を加え合わせた力が、ミラーの戻りバネ力として作用する。
図4(c)は、静電トルクとねじりバネ力を加え合わせた力、戻り力を示す。この戻り力は、原点に対して対称であり、振れ角θ>0において、下に凸、振れ角θ<0において、上に凸である。よって、3次の多項式(k・X+βX^3、但しβ>0)で近似できる。これは、上記(A)の場合と全く逆になる。
方程式(3)から、定常状態での周波数応答特性を求めた結果を、図5(a)に示す。
図5(a)において、斜線部は式(3)の定常状態の解が存在する範囲を示す。この解の存在範囲により、非線形振動系に特有な跳躍減少とヒステリシス減少が発生する。斜線部に定常解が存在し得ないため、駆動周波数の上昇及び下降に応じて周波数応答が不連続に変化する。駆動周波数を上昇させていくとき、A−>Bの跳躍が生じる。また、駆動周波数を減少させていくとき、C−>Dの跳躍が生じる。
図5(a)は、上記結果から得られる周波数を上昇させた場合の応答曲線を示し、ハードスプリング効果(駆動周波数が高くなるに従って共振点Aが高くなる現象)が現れていることがわかる。
図5(c)は、上記した(A)、(B)の場合の解析結果を基に両方の場合の振れ角周波数応答を、同一グラフに示した図である。(A)、(B)の両方の応答曲線は、ミラーの慣性と捻り梁の捻りバネ定数で定まる共振周波数でピーク値をもつ。そして、図5(c)に示すように、振れ角周波数特性において、従来構成の周波数特性より、ブロードな特性になっていることがわかる。図6は、本発明の光走査装置を複数個、同時に使用した場合の振れ角のばらつきを示す。単一の駆動信号周波数(Fd)に対する振れ角を、各光走査装置の振れ角応答特性から求める。周波数Fdと各走査装置の振れ角応答特性との交点が、周波数(Fd)での振れ角を与える。これにより、振れ角ばらつきを求めると、図6に示すように、従来例に比較して振れ角のばらつきが低減しているのがわかる。
光偏向素子として必要とされる振れ角をθmとする。図7は、この振れ角θmを振れ角周波数特性に追加した図である。図7において、以下の方法により振れ角θ以上の帯域を求めると、f1〜f2、f3〜f4となる。
(1)共振周波数近傍は、周波数変化に対する振れ角の変化が著しいこと、更に周波数帯域として、非常に狭い帯域であるので除外しても実用上差し支えない。
(2)振れ角は静電気力に比例し、静電気力は印加電圧に比例する。振れ角θmより振れ角が大きい領域では、印加電圧を低下させることにより、振れ角θmに調整一致させることが出来る。よって、共振周波数近傍を除いた領域を駆動領域として設定する。
(第1の駆動方法)
図1(b)において、光走査装置55には駆動回路60、比較回路61が追加されている。可動部44はGNDに接続されていて、第一の固定電極51、52、第二の固定電極53、54はそれぞれ駆動回路60に接続されている。
画像信号生成装置(図示せず)からの画像信号に応じた光偏向素子駆動信号62は、最初に比較回路61に入力される。比較回路61では、駆動信号周波数62と、図1(a)に示すミラー可動部の慣性と捻りバネによって決定される共振周波数を比較する。駆動信号周波数62が共振周波数より高い場合、比較回路61は第一の固定電極51、52を選択し、駆動回路60は可動部の可動電極46と第一の固定電極51、52間に電圧を印加する。
駆動信号周波数62が共振周波数より低い場合、比較回路61は第二の固定電極53、54を選択し、駆動回路60は可動部の可動電極46と第二の固定電極53、54間に電圧を印加する。
上記したように、光走査装置の駆動信号と共振周波数を比較した結果を基に、第1の固定電極に駆動信号を印加するか、第2の固定電極に駆動信号を印加するかを判定しているので、図7に示すように、定格振れ角θmを満足する周波数帯域を大きくとれる。
図8に示すように、第二の固定電極53、54の厚さを、第一の固定電極51,52の厚さよりも厚くする。典型的には、第二の固定電極53,54の厚さは、第一の固定電極51,52の2倍程度に設定される。
このような構成を採る、第二の固定電極53,54と可動電極間46に電圧を印加し、二つの電極間に作用する静電気力を求めた結果を図9(b)に示す。電極の厚さを厚くすることにより、静電気力がほぼ作用しなくなる角度θ0‘が、厚くしない場合の角度θ0より広くなっていることがわかる。なお、図9(a)は第二の固定電極と可動電極間に作用するトルクを示し、図9(c)は戻り力を示す。図10は、求めた定常状態での振れ角の周波数特性を示す。これにより、静電トルクの作用範囲が増加し、振れ角の帯域幅が増加していることがわかる。
図11は、光走査装置を組み立てる図を示す。(b)はアッセンブリーされた状態の断面図である。図11(a)において、31はガラス等の透明部材からなるカバー基板、42は捻り回転軸45と可動部44を有する第一基板、35は第一基板42に電気的に接続するための貫通電極36を有し、封止するためのベース基板である。第一基板42は、分離溝49により、可動電極46とミラー33を有する可動部44と、固定電極51、52を有する固定部58に分割されている。ベース基板35には、固定電極51〜54と可動電極46にそれぞれ接続される貫通電極36が設けられている。図11(b)において、貫通電極36は固定部47に接触し、電気的に接続されている。同様に、可動部は貫通電極36に接触し、電気的な接続がとられている。
(第2の駆動方法)
本発明の光走査装置の共振点付近での振れ角θresは以下の式(4)で与えられる。
θres=(Trq/I)*K(f0,C) (4)
但し、K(f0、C)は、共振周波数f0、粘性抵抗Cの関数であり、f0、Cに反比例する。
Kθ:捻りバネ定数
Trq:電極間静電トルク
I:ミラー慣性モーメント
C:粘性抵抗係数
K(f0,c)は、共振周波数f0=constとした場合、粘性抵抗係数cに反比例する。
図12に示すように、粘性抵抗は、圧力とほぼ比例関係にある。圧力が低くなると、粘性抵抗係数を小さくできる。そのため、K(f0,c)は大きくなり、振れ角θresは大きくなる。
駆動回路60は、第一の固定電極51,52に対しては、駆動信号62の2倍の周波数の駆動パルスを生成する。駆動回路60は、第二の固定電極53,54に対しては、駆動信号62と同じ周波数の駆動パルスを生成する。これらの駆動パルスにより、可動部44は、第一、第二の固定電極とミラー可動電極46間に発生する静電気力により振動を開始する。振動開始時は、固有振動数で振動を開始し、定常状態になると、駆動信号62の周波数と同じ周波数で振動する。
図13、14を参照して動作を説明する。可動電極46と第一の固定電極間51,52に発生する静電気力により加振される場合について説明する(図13(a))。可動電極46と第一の固定電極間に発生する静電気力は、可動部44を振動中心63に引き戻す方向の力が作用する。そのため、可動部44が中心に向かって回転するタイミングで印加することが出来る。可動部の振動は、中心に向かって動いている状態であるので、可動部の回転方向と一致し加速する。したがって、図14に示すように、駆動周波数の2倍の周波数の駆動信号で加振することが出来る。
次に、可動電極46と第二の固定電極間に発生する静電気力により加振される場合について説明する(図13(b))。可動電極46と第二の固定電極間に発生する静電気力は、可動電極44を振動中心に引き戻す方向の力を利用する。第二の固定電極53,54の場合、振動中心に対して電極配置が非対称である。可動部が中心に向かって運動するタイミングで印加する場合、可動部の振動一サイクルに対して一回の加振が出来る。これにより、ミラー33の振れ角を大きくできる。
実施例2:
図15は、本発明の実施例2の構成を示す。図15において、42は第一の基板、43は第二の基板である。第一の基板42は、エッチングによる加工により、可動部44の両側面に捻りバネ45,45’が設けられている。また可動部44の両端面に可動電極46,46’が設けられ、それと対向して第一の固定電極(A),(B)を形成している。可動電極46、46’は櫛歯状に形成されている。第一の基板42は、分離溝49により、ミラーを有する可動部44と第一固定電極(A)51と第一固定電極(B)52に分割される。同じく第一固定電極(A),(B)は櫛歯状に形成されている。第二の基板43が、第一の基板42と絶縁層48を介して接合され、可動部44の揺動空間59が形成されている。第二の基板43は、分離溝49により、2つの第二固定電極(A)、(B)に分割される。第二固定電極(A),(B)は櫛歯状に形成され、第一、第二固定電極と可動電極は狭いギャップで、入れ子状態で対向している。
可動部の両端面に設けられた可動電極とそれに対向して各々設けられた第一の固定電極と、上記第一の固定電極と揺動方向に重ねて設けられた第二の固定電極は、それぞれ櫛歯形状をしているので、電極間の対向面積を大きくでき、また、静電気力は対向面積に比例するので、振動振幅を大きくできる。
実施例3:
図16は、本発明の実施例3の構成を示す。図16(a)は本発明の光走査装置を備えた光書き込み手段を示し、(b)は本発明の光走査装置を備えた画像形成装置を示す。図16において、本発明の光走査装置からなる光書き込み装置は、複数個の光走査装置40を主走査方向に配置されている。書き込み幅に対して、複数個の光走査装置40により書き込みを行う。85は半導体レーザーであり、画像信号生成装置(図示せず)による画像信号に基づき発光する。レーザー光86は光走査装置40に入射し、光走査装置のミラーにより偏向された反射レーザー光は感光体87に静電潜像を形成する。現像定着手段88により、感光体に形成された静電潜像は、被記録体搬送手段89により給送される記録紙にトナー像を生成する。
本発明の光走査装置からなる光書き込み手段は、複数個の光走査装置を主走査方向に配置されている。レーザープリンタにおいて、一般的に用いられている光走査装置はポリゴンスキャナーである。本発明の光走査装置からなる光書き込み手段は、ポリゴンスキャナーに比較して、部品数が非常に少ないので、ローコスト化が期待できる。
本発明の実施例1の構成を示す。 振動特性解析を行うモデル例を示す。 第一の固定電極と可動電極間に電圧を印加した場合の静電トルクと戻り力を示す。 第二の固定電極と可動電極間に電圧を印加した場合の静電トルクと戻り力を示す。 駆動周波数に対する振れ角の特性を示す。 本発明の光走査装置を複数個、同時に使用した場合の振れ角のばらつきを示す。 振れ角θmを振れ角周波数特性に追加した図である。 第二の固定電極の厚さを第一の固定電極よりも厚く構成した例を示す。 第二の固定電極の厚さを第一の固定電極よりも厚く構成した場合の静電トルクなどの特性を示す。 図8の構成における振れ角の周波数特性を示す。 光走査装置を組み立てる図を示す。 粘性抵抗と圧力の関係を示す。 第2の駆動方法を説明する図である。 第2の駆動方法を説明する図である。 本発明の実施例2の構成を示す。 本発明の実施例3の構成を示す。 第1の従来技術を説明する図である。 第2の従来技術を説明する図である。 従来技術の問題点を説明する図である。
符号の説明
42 第1の基板
43 第2の基板
44 可動部
45 梁
46 可動電極
51、52 第1の固定電極
53、54 第2の固定電極

Claims (2)

  1. ミラーの両端面に設けた可動電極と、それと対向して各々設けた第1の固定電極と、前記第1の固定電極に重ねて設けた第2の固定電極から構成され、前記ミラーの側面に同一直線上に設けた梁を捻り回転軸として前記ミラーを往復振動し、光源からのビームを偏向走査する光走査装置において、前記可動電極と前記第1の固定電極間に作用する静電気力と、前記可動電極と前記第2の固定電極間に作用する静電気力の何れか一方の静電気力により前記ミラーを振動させ、前記静電気力の駆動周波数を、ミラーの慣性と梁の捻りバネ定数で定まる共振周波数と比較して、駆動周波数が共振周波数より大きい場合、第1の固定電極に駆動信号を印加し、駆動周波数が共振周波数より小さい場合、第2の固定電極に駆動信号を印加することを特徴とする光走査装置。
  2. 電子写真プロセスで光書き込みを行って画像を形成する画像形成装置において、回動可能に保持されて形成画像を担持する画像担持体と、前記画像担持体上を光書き込みを行って潜像を形成する請求項1に記載の光走査装置からなる潜像形成手段と、前記潜像形成手段の前記光走査装置によって形成された潜像を顕在化してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像手段で形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、被転写体に転写されたトナー像を定着する定着手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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