JP4881073B2 - 光偏向器、及びそれを用いた光学機器 - Google Patents

光偏向器、及びそれを用いた光学機器 Download PDF

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Description

本発明は、光偏向器、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置、ディスプレイなどの光学機器に関する。この光偏向器は、例えば、光の偏向走査によって画像を投影するプロジェクションディスプレイや、電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタ、デジタル複写機等の画像形成装置に好適に利用されるものである。
従来から、光偏向器として、反射面を持つ可動子を正弦振動させて光を偏向する光走査系ないし光走査装置が種々提案されている。ここにおいて、共振現象を利用して正弦振動を行う光偏向器を使用した光走査系は、ポリゴンミラー等の回転多面鏡を使用した光走査光学系に比べて、次の様な特徴がある。すなわち、光偏向器を大幅に小型化することが可能であること、消費電力が少ないこと、特に半導体プロセスによって製造されるSi単結晶からなる光偏向器は理論上金属疲労が無く耐久性にも優れていること、等の特徴がある。
この様な光偏向器は、所望の駆動周波数に対して、目標とする固有振動モードの周波数が決められており、これを良好に製造する方法がいくつか提案されている。例えば、ねじり軸に揺動可能に弾性支持され反射面とコイルを有する可動板の両端に質量負荷部を形成したプレーナ型ガルバノミラーにレーザを照射し、質量を除去して慣性モーメントを調整し周波数を所望の値にする技術がある(特許文献1参照)。
また、樹脂で代表される質量片を可動板に塗布して、上記と同様の原理で、周波数を調整する技術もある(特許文献2参照)。
一方、共振現象を利用した光偏向器の中で、2つ以上のねじり振動方向の固有振動モードを同時に励起させて、正弦波状の光走査以外の光走査を行う技術がある。これは、同一中心軸回りの2つ以上の固有振動モードを同時に励起させて、三角波様の略等角速度走査を行う光偏向器である(特許文献3参照)。図18は、この文献に示された、2つの固有振動モードを同時に励起させて、三角波様の略等角速度走査を行う光偏向器を説明するブロック図である。
この光偏向器1012は、第1可動子1014、第2可動子1016、それらを連結して弾性支持する第1ねじりバネ1018、第2可動子1016と機械的な接地面1023を弾性支持する第2ねじりバネ1020で構成されている。これら全ての要素は、ねじり軸1026を中心として駆動手段1030によりねじり振動させられる。また、第1可動子1014は、光を偏向するための反射面を有しており、第1可動子1014のねじり振動によって、光源からの光を偏向走査する。光偏向器1012は、ねじり軸1026を中心としたねじり振動について、基準周波数となる1次の固有振動モードと基準周波数の略3倍の周波数となる2次の固有振動モードを有している。駆動手段1030は、この1次の固有振動モードの周波数とこれに対して同位相で3倍の周波数の2つの周波数で光偏向器1012を駆動する。したがって、光偏向器1012は、1次の固有振動モードに加えて、2次の固有振動モードで同時にねじり振動される。そのため、第1可動子1014で反射された光の偏向走査の変位角は、この2つの振動モードの重ね合わせとなり、正弦波ではなく略三角波状に変化する。これにより、偏向走査の角速度は、変位角が正弦波であったときと比べ、略等角速度となる領域が広く存在するため、偏向走査の全域に対する利用可能な領域を大きくすることができる。
他方、第1可動子1014は、偏向走査の反射面の裏面に、変位検出用反射面1015を有している。変位検出手段1032は、光を変位検出用反射面1015に入射し、反射光を検出することによって、第1可動子1014の変位角を検出する。変位角の検出信号は、信号線1034を経て、バンドパスフィルター回路1036により1次の固有振動モードの周波数成分のみ、第1信号線1038、第2信号線1040に送られる。第1信号線1038からの信号は、乗算器1042へ送られ、ここで元の3倍の周波数信号へと変換される。そのために、乗算器1042は、位相調節入力1054と振幅調節入力1055を備える。これら2つの入力によって、変位検出手段1032によって検出された第1可動子1014の偏向走査の変位が適切な略三角波状の変位となる様に、乗算器1042からの出力信号の位相、最大振幅を調節できる。
また、乗算器1042からの信号は、加算器1046へ入力される。加算器1046は、乗算器1042からの信号と、第2信号線1040、自動ゲイン制御回路1060を経た1次の固有振動モードの周波数信号とを加算し、光偏向器1012の駆動信号を生成する。駆動信号は、信号線1048を経て駆動回路1050へ送られ、1次の固有振動モードとその3倍の周波数信号の合成波形で駆動手段1023を駆動する。
更に、自動ゲイン制御回路1060は、ピーク検出回路1056、差分増幅回路1061、プリセット振幅1063、増幅器1062、ゲイン制御回路1064から成る。上記第2信号線1040は2つの信号線1040a、1040bに分岐される。信号線1040aからの信号は、ピーク検出回路1056で検出された最大振幅と予め設定された振幅値であるプリセット振幅1063との差分を差分増幅回路1061により検出するのに用いられる。この差分信号は、ゲイン制御回路1064を制御する増幅器1062に送られ、信号線1040bからの信号をプリセット振幅1063と同ゲインとなる様にゲイン制御回路1064を制御するのに用いられる。
特開2002-40355号公報 特開2004-219889号公報 米国特許第4859846号公報
しかしながら、共振現象を利用して駆動を行う光偏向器では、大きな走査角で高い走査再現性を得ることが困難である。また、複数の揺動部と複数のねじりバネを有する振動系では、加工公差等の要因により複数の周波数のずれが生じやすい。そこで、この様な振動系において高い走査再現性を有し、複数の固有振動モードの周波数を所望の値に調整可能な構造を得る技術が望まれている。
上記課題に鑑み、光を偏向走査する本発明の光偏向器は、振動系と、該振動系を駆動する駆動手段を有する。ここで、前記振動系は、第1揺動部と、第1ねじりバネと、第2揺動部と、第2ねじりバネと、支持体を有する。前記第1揺動部は、光を偏向する光偏向素子が設置された第1可動子で構成され、前記第2揺動部は、質量を調整するための質量調整体が設置された平板状の第2可動子で構成される。前記質量調整体は平板状であり、前記第2可動子の一方の平面上に配置される。前記第1可動子は、前記第2可動子に、前記第1ねじりバネで揺動軸を中心にねじり振動可能に弾性支持され、前記第2可動子は、前記支持体に、前記第2ねじりバネで前記揺動軸を中心にねじり振動可能に弾性支持される。更に、前記振動系は、前記揺動軸回りに、周波数が異なる少なくとも2つの固有振動モードを有する。
また、上記課題に鑑み、本発明の光偏向器の製造方法は、前記質量調整体へレーザ光を照射して前記質量調整体の一部を除去する工程を有することを特徴とする。
また、上記課題に鑑み、画像表示装置、画像形成装置などとして構成される本発明の光学機器は、光源と、上記の光偏向器と、感光体または画像表示体を有する。そして、前記光偏向器は、前記光源からの光を偏向し、該光の少なくとも一部を前記感光体または前記画像表示体上に入射させる。
本発明によれば、複数の固有振動モードを有する光偏向器において、前記第2揺動部に、質量を調整する質量調整体が設置されているので、複数の固有振動モードの周波数を所望の値に比較的容易に調整可能で、且つ、良好な走査再現性を実現可能な構造とできる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、複数の揺動部で形成される振動系において、光偏向素子である反射面を有しない第2揺動部のみに、質量調整体を設け、複数の固有振動モードの周波数を所望の値に作製可能で、且つ、良好な走査再現性を実現可能な構造となっている。典型的には、質量調整体を設ける効果をより高めるために、
駆動手段の一部である磁石と質量調整体を揺動軸を挟んで設けている。磁石と質量調整体は、揺動軸を挟んで、第2揺動部の互いに反対の面に配置されるのが良い。この場合、後述の実施例の如く配置してもよいし、揺動軸を挟んで対角的に配置してもよい。また、前記揺動軸を挟んで、第2揺動部の同一の面に配置することも可能である。
光源からの光を偏向走査する本実施形態の光偏向器は、振動系と、振動系を保持する固定体と、振動系を駆動する駆動手段(後述する実施例で説明する様に、磁石とコイルなどから構成される)を有する。駆動手段として、静電力を用いる構成、ピエゾ素子を用いる構成などを採用することもできる。本実施形態の振動系は、第1揺動部と、第1ねじりバネと、第2揺動部と、第2ねじりバネと、支持体を有する。第1揺動部は、光源からの光を反射する反射面が設置された第1可動子で構成されている。第2揺動部は、当該第2可動子の質量を調整するための質量調整体が設置された第2可動子で構成されている。更に、駆動手段である固定コイルからの磁界を受けてトルクを発生する磁石が設置されてもよい。
第1可動子は、第2可動子に対して、弾性支持部である第1ねじりバネによって揺動軸を中心にねじり振動可能に弾性支持される。第2可動子は、支持体に対して、弾性支持部である第2ねじりバネで上記揺動軸を中心にねじり振動可能に弾性支持される。支持体は、固定体に固定される。また、振動系は、揺動軸回りに、周波数が異なる少なくとも2つの固有振動モードを有し、駆動手段は、振動系を揺動軸回りに複数の固有振動モードの周波数付近で同時にねじり振動させる。
本実施形態では、上記振動系を有する光偏向器において、第2揺動部にのみに質量調整体(典型的には、更に磁石が加わる)が設置されるので、第1揺動部と比べ慣性モーメントを大きくすることができる。これにより、本実施形態において、第1、第2いずれかの揺動部の慣性モーメントを調整する場合、複数の固有振動モードの中で、特定の固有振動モードの周波数のみを良好に調整可能とするものである。第1の揺動部を調整する場合は、これの本体の一部を除去したり、これに質量を付加することになる。特定の固有振動モードの周波数のみを良好に調整可能であることの詳細な理由は後述する。
更に、本実施形態では、上記磁石と質量調整体の効果により、光偏向器の走査再現性が向上する。光偏向器では、走査毎の振幅、位相、光スポット走査速度、光スポット軌跡の再現性が重要となる。走査毎のこれらの値が変動すると、光偏向器を、例えば、画像形成装置に用いる場合、画像の劣化を招いてしまう。
ところで、走査再現性を低下させる第1の要因は、揺動部が振動に伴って受ける雰囲気からの抵抗である。揺動軸に垂直な方向のサイズ(つまり、ねじり振動の揺動軸回りの慣性モーメントアームの方向であり、単に揺動部の幅とも呼ぶ)が大きいと、揺動部は、外周部分で、より高速に雰囲気を攪拌する。このため、流れが乱れ、空気抵抗の大きさが走査毎に変動しやすくなる。この様な抵抗の変動は、揺動部の共振現象を利用する光偏向器において、粘性減衰項の変動であり、走査再現性を低下することとなる。
上記磁石と質量調整体によれば、第2可動子の幅を減じながら、第2揺動部全体の慣性モーメントを第1揺動部より大きく保つことが可能となる。典型的な例で言えば、まず、第2揺動部のみに磁石を設置することにより、トルク発生源として利用しながら、磁石の質量を慣性モーメントとして利用できる。そのため、新たに駆動手段の設置場所を設けることなく、第2揺動部の幅を良好に減ずることが可能となる。
そして、第2揺動部の慣性モーメントを付与する部分を、磁石と質量調整体とに分けることにより、質量調整体の一部を除去すれば、慣性モーメントの調整幅を大きくすることが可能となる。更に、質量調整体の体積、密度を適切に選択すれば、質量調整体の一部を除去する工程によって、調整される固有振動モードの周波数幅を大きくすることができる。
特に、質量調整体として、光を吸収する部材を用いることにより、レーザ光による加工が可能となるため、高精度・高速に質量除去を行うことが可能となる。
走査再現性を低下させる第2の要因は、揺動軸回りの不要振動である。揺動軸回りのねじり振動と共に、並進や他の軸回りの揺動振動が存在すると、光偏向面のねじり振動が不要振動との合成運動となる。これにより、走査毎の振幅、位相、光スポット走査速度や光スポット軌跡の変動が生起する。
同時に、上記不要振動成分は、後述する実施例で示す様に、運動方向によって、駆動周波数と異なった特徴的な周波数の励振力を生じてしまう。本実施形態では、複数の揺動部が複数のねじりバネで弾性支持される振動系であり、揺動軸回りの複数の固有振動モードを利用している。したがって、上記不要振動成分の特徴的な周波数を有する励振力によって、駆動信号の各成分が駆動対象としている固有振動モードとは別の固有振動モードが励起されることとなる。つまり、揺動軸回りの固有振動モードの励起を独立とできなくなり、連成振動が生じてしまう。この様な連成振動が生じると、走査毎の振幅、位相、光スポット走査速度、光スポット軌跡は変動することとなり、走査再現性が低下する。
揺動軸回りにねじり振動する本実施形態の振動系では、ねじり振動方向に大きな変位を生じる場合もあるため、揺動軸からの重心ずれがあると大きな慣性力が生じる。この慣性力が上記不要振動を招いてしまう。これは、利用する走査角が大きくなるほど、大きくなるため、光偏向器を画像形成装置へ用いる際には重要な解決課題となる。
本実施形態では、典型的には、上記磁石と質量調整体は揺動軸を挟んで対向して配置している。つまり、第2揺動部の重心を揺動軸とほぼ一致させている。この様な配置により、不要振動と固有振動モード間での連成振動が抑制され、良好な走査再現性を実現可能な構造となる。更に、加工公差等によって重心ずれが生じている場合でも、質量調整体の一部を除去すれば、揺動軸とほぼ一致する様に重心を調整することが可能となる。
更に、反射面などの光偏向素子が形成される第1可動子は、良好な反射光スポットを得るため、平坦性が重要である。第1可動子は、次の様な要因で変形を生じる。まず、ねじり振動に応じた角加速度により、第1可動子は変形を生じる。また、温度、湿度等の外部環境の変化で部材の伸びが生じても、変形が生じる。本実施形態の典型例では、磁石や質量調整体を第2可動子のみに設置することにより(つまり、第1可動子には設置しない)、この様な第1可動子の変形が避けられ、良好な光走査特性を得ることができる。
以上の様に、本実施形態は、第2可動子のみに設置された質量調整体(更に磁石が加わる場合もある)の上記効果により、複数の固有振動モードの周波数を所望の値に容易に調整可能で、且つ、良好な走査再現性を実現可能としている。
したがって、画像形成や表示を行う際、走査再現性を良好とできるばかりでなく、光偏向器の後にレンズを配置する場合も、光走査の位置と速度の関係が安定となるため、良好な光走査ユニットを構成できる。
以下、本発明の具体的な実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施例)
図1、図2、図6等の図は本発明の光偏向器の第1の実施例を説明する図である。図1は上面図、図2(a)は、揺動軸17を通り紙面に垂直な平面で切った断面形状、図2(b)は、図1のA−A線での断面図である。また、図6は、図1に示した振動系160の構成要素を、裏面から見た上面図である。ここで、振動系160は、反射面22、第1揺動部41、第1ねじりバネ12、第2揺動部42、第2ねじりバネ14、支持体15を含む。
第1揺動部41は、光を偏向するための光偏向素子として反射面22が配置された第1可動子11から構成されている。反射面22の材料はアルミニウムであり、真空蒸着により形成されている。反射面は、別の材質、例えば金、銅等でもよく、最表面に保護膜を形成してもよい。
第2揺動部42は、図1、図2(a)、(b)に示す様に、永久磁石151と質量調整体19が配置された1対の第2揺動可動子13で構成されている。永久磁石151と質量調整体19は、揺動軸17を挟んで互いに反対の面上に配置されているため、永久磁石151、質量調整体19夫々の重心位置が揺動軸17に対して略点対称となっている。そのため、各第2揺動部42の重心位置が揺動軸17の位置とほぼ一致している。質量調整体19は、りん青銅の板材であり、第2可動子13に接着剤で固定されている。質量調整体19としては、後述する加工用のレーザ光を吸収する金属、誘電体、半導体等を用いることができる。永久磁石151の数は、本実施例では、図示の通り2本ずつ計4本であるが、本数は、必要な仕様に応じて、いずれの数を用いてもよい。
次に、本実施例の駆動原理について構成と共に説明する。本実施例では、図1に示した振動系160が、以下に説明する駆動手段により、揺動軸17を中心にねじり振動する。図1の振動系160(第1可動子11、第1ねじりバネ12、第2可動子13、第2ねじりバネ14、支持体15)は、半導体製造方法のフォトリソグラフィとドライエッチングにより単結晶シリコン基板から一体形成されている。したがって、加工精度が高く、小型の振動系を形成することが可能となる。また、単結晶シリコンはヤング率が高く、密度が小さいため、揺動部の自重による変形が少なく、共振時の振幅増幅率が高い振動系を構成することができる。
本実施例では、第1可動子11は、揺動軸17に垂直な方向のサイズが3mm、平行な方向のサイズが1mmであり、振動系160の全長は約20mmである。そして、第1揺動部41は、2本で1対の第1ねじりバネ12により、揺動軸17中心にねじり振動可能に弾性支持される。また、第2揺動部42は、図に示す様に同一の構成が2個で1対となっており、第1揺動部41を挟んで揺動軸17方向に配列されている。そして、第2揺動部42は、支持体15と第2ねじりバネ14によって揺動軸17中心にねじり振動可能に弾性支持されている。以上の様に、第1揺動部41と1対の第2揺動部42は、揺動軸17中心にねじり振動可能に直列に弾性支持されている。
ここで、第1可動子11は、反射面22が形成されるため、駆動時の平坦性が特に重要である。本実施例の第1可動子11は、2本で1対のねじりバネ12で両端支持されることにより、1本の場合と比べ、自重による変形を抑え、平坦性を良好に保つことができる。
更に、図1、図2、図6は、固定体150と駆動手段を示している。図示の様に、本実施例の駆動手段は、永久磁石151と固定体150に固定された固定コイル152で構成される。図2、図6に示す様に、第2可動子13が有する永久磁石151は、長さ約2mm、断面250μm×250μmの角柱の金属磁石である。永久磁石151は、着磁方向が長手方向であり、接着剤により第2可動子13に固定されている。
図2(a)、(b)の様に固定体150は、振動系160・永久磁石151と固定コイル152の位置を適切に保持している。そして、固定コイル152は、駆動用の交流電流の通電により、図2(b)に示した矢印Hの方向に交流磁場を発生する。永久磁石151の磁束密度方向は矢印Bであるため、固定コイル152がつくる磁場により、揺動軸17回りのトルクが発生し、振動系160を駆動することができる。また、図2(a)に示す様に、支持体15は、固定体150に両端を支持され固定されている。また、図示の通り、本実施例の光偏向器は、2本の第2ねじりバネ14が夫々接続されている支持体15を固定する様に、2個の固定個所を有している。
次に、本実施例の光偏向器の鋸波状の振動の駆動原理を更に詳細に説明する。本実施例の振動系160は、ねじり軸17を中心としたねじり振動について、周波数f1の1次の固有振動モードと基準周波数の略2倍の周波数となるf2の2次の固有振動モードを有している。この振動系160は、ねじり振動についての2自由度振動系として扱うことができる。
一方、応用の仕様から決定される目標駆動周波数である基準周波数f0とその2倍の周波数2f0との合成駆動信号によって、固定コイル152は振動系160を駆動する。基準周波数f0と固有モード周波数f1、f2は以下に示す関係を有しており、本実施例の光偏向器は固有振動モードの高い動倍率(振幅増幅率)を利用して、合成波駆動を低消費電力で行う。
特に、固有モード周波数f1は、基準周波数f0の付近に設計される。ここで、1次と2次の固有振動モードのモード減衰比(動倍率の周波数特性曲線における固有モード周波数でのピークのシャープさを表し、ほぼ1/2Qに等しい)をγ1、γ2とすると、その範囲は以下の様になっている。
Figure 0004881073
更に、本明細書では、周波数f1、f2の周波数比について離調度Δを次の様に定義し、略整数倍と称する範囲を設定する。離調度Δは、振動系の周波数f1、f2がN倍であることの指標としてΔ=N(f1/f2)と定義する。例えば、本明細書で“略2倍”とは次の式2の範囲を称する。
Figure 0004881073
加えて、本実施例では、周波数比は以下の範囲となっている。
Figure 0004881073
本実施例の振動系160は、γ1が0.0007、γ2が0.00025程度である。そして、本実施例では、固定コイル152により、f0、2f0の振動が2つの固有振動モードのピーク付近で励起され振動系160が駆動される。特に、式1の範囲の場合、正弦波合成駆動の消費電力の主成分となる周波数f0の振動について、1次の固有振動モードの動倍率(振幅増幅率)が高い範囲を利用できるため、光偏向器を低消費電力とできる。
更に、駆動の様子を詳しく説明する。図3は、横軸を時間tとして、第1揺動可動子11の周波数f0のねじり振動の変位角を説明する図である(本明細書においては、可動子の往復振動の変位角と、光偏向器によって偏向走査される光の変位角とは定数分が異なるのみであるので、等価的に扱う)。図は、特に第1揺動可動子11のねじり振動の1周期T0に相当する部分を示している(−T0/2<X<T0/2)。
曲線61は、固定コイル152を駆動する駆動信号のうち、基準周波数f0の成分を示しており、最大振幅±φ1の範囲で往復振動し、時間t、角周波数w0=2πf0として、次の式4で表される正弦振動である。
θ1=φ1sin[w0t] (式4)
一方、曲線62は、基準周波数f0の2倍の周波数成分を示しており、最大振幅±φ2の範囲で振動し、次の式5で表される正弦振動である。
θ2=φ2sin[2w0t] (式5)
曲線63は、この様な駆動の結果生じる第1揺動可動子11のねじり振動の変位角を示している。光偏向器は、前述の様に基準周波数f0とその2倍の2f0付近に調整された周波数f1の固有振動モードと周波数f2の2次の固有振動モードをねじり軸17中心のねじり振動について有している。そのため、光偏向器には、上記θ1、θ2の駆動信号に励起された共振が夫々生じる。つまり、曲線63の第1揺動可動子11の変位角は、2つの正弦振動の重ね合わせの振動となり、次の式6で表される鋸波状の振動となる。
θ=θ1+θ2=φ1sin[w0t]+φ2sin[2w0t] (式6)
図4は、図3の曲線61、63、直線64を微分した曲線61a、63a、直線64aを示しており、これらの曲線の角速度を説明している。基準周波数f0の正弦振動の角速度である曲線61aと比べ、第1揺動可動子11の鋸波状の往復振動の角速度を示す曲線63aは、区間N−N’において、極大点の角速度V1、極小点の角速度V2を最大・最小とする範囲に角速度が収まっている。したがって、光偏向器による光の偏向走査を利用する応用において、等角速度走査である直線64aからの角速度の許容誤差以内にV1、V2が存在するならば、区間N−N’は実質的な等角度走査とみなすことができる。
この様に、鋸波状の往復振動によって、偏向走査の角速度は、変位角が正弦波であったときと比べ、実質的な等角速度となる領域を広く設定できるため、偏向走査の全域に対する利用可能な領域を大きくできる。更に、この鋸波状の駆動により、毎回の走査線が等間隔となるため、プリンタなどの応用において好適となる。
以上では、f1とf2の固有振動モードの周波数が略2倍の関係を有すると説明したが、略3倍とすることもできる。その場合、上記2つの周波数の関係が2倍であった場合と同様に正弦波の重ね合わせの振動により、三角波状の振動となる。これによれば、光走査の往復利用が可能になるため、利用できる或る周波数における走査線の数を2倍とできる。
また、本実施例では、第2揺動部42にのみ永久磁石151と質量調整体19を設置し、第1揺動部41の慣性モーメントより第2揺動部42の慣性モーメントを大きくできる。本実施例では、その関係は約5倍となっている。この慣性モーメントの関係によって、振動系160が加工公差等の誤差要因により、周波数f1、f2が目標駆動周波数である基準周波数f0とその2倍の周波数2f0からずれている場合でも、良好に2つの周波数f1、f2が調整可能となる。この理由を以下に説明する。
本実施例の振動系160は、揺動軸17回りの1次と2次の固有振動モードの周波数f1、f2が式7の関係で近似できる。ここで、第1可動子11の慣性モーメントをI1、2個で1対の第2可動子13の慣性モーメントをI2、2本で1対の第1ねじりバネ12、第2ねじりバネ14のねじりバネ定数を夫々K1、K2とする。
Figure 0004881073
式7によれば、I1とI2の差があまり存在しない場合、I1、I2の増減に応じて周波数f1、f2のいずれもが変化する様になる。したがって、周波数f1、f2を夫々所望の周波数f0、2f0へ調整するために、I1、I2の増減量を大きくしなければならなくなるか、または、周波数を所望の値へ調整することが不可能となる。
一方、式7において、I1<<I2の場合、2つの揺動部の慣性モーメントI1、I2を夫々調整した場合の周波数f1、f2の変化は、I1の増減には周波数f 2 が変化し、I2の増減には周波数f 1 が変化する性質を有している。そして、I1の増減による周波数f 1 の変化、I2の増減による周波数f 2 の変化はあまり生じない。
本実施例の振動系160は、上記の様な振動系160に特有の性質を鑑みて、第2揺動部42のみに永久磁石151と質量調整体19を設置することにより、後述する走査再現性を向上させながら、I1<<I2の関係とすることを可能としている。特に、第2揺動部42のみに磁石151を設置することにより、トルク発生源として利用しながら、磁石の質量をI1<<I2とするための慣性モーメントとして利用できる。
本実施例の振動系160では、レーザ光を照射することにより、第1可動子11、質量調整体19の一部を除去することにより、I1、I2の適切な量を減ずることで周波数f1、f2を式1や式3に示す関係へ調整している。駆動周波数を掃引して振動系160の振幅を測定すれば、固有振動モードの周波数f1、f2の目標値からのずれを測定することができる。この値から、必要な調整量δI1、δI2を式7の関係式から算出し、レーザ光により第1可動子11、質量調整体19の一部を除去することで周波数f1、f2を調整することができる。
特に、調整量δI2については、第2揺動部42へ慣性モーメントを付与する部分を磁石と質量調整体とに分けることにより、第2可動子13自体の一部を除去する場合と比べ、レーザ加工で除去する体積あたりの調整量δI2を大きくすることができる。したがって、レーザ加工による固有振動モードの周波数調整を高速に行うことができ、安価に製造可能となる。また、除去体積あたりの調整量δI2が大きいため、第2揺動部42の幅が小さくても周波数調整の範囲を大きくすることが可能となる。この特性により、後述する走査再現性が良好となるばかりでなく、振動系160を小型とできるため、単結晶シリコン基板から半導体製造方法で作製する場合、更に安価に製造可能となる。
ここで、光偏向器が光源からの光を走査する際に生じる走査再現性の課題について、図5(a)、(b)を用いて説明する。図5(a)は、理想的な光偏向器を用いて光を走査した様子を示す概念図である。図中、矢印方向は設計上の主走査線を示している。光スポット70の走査軌跡と設計上の主走査線は完全に一致している。光スポット70は、理想的な状態として、図の様に等間隔であることをここでは想定する。すなわち、光偏向器が完全な等速走査を行う場合は、光スポット70を作るために発光する光源のタイミングは一定間隔となる。また、本実施例の光偏向器の様に略等角速度走査を行う場合は、光学レンズを用いて図4に示すN−N’間の速度分布を光学補正することにより、光源の発光タイミングが一定で、図5(a)の様な等間隔の光スポット70を形成することが可能である。したがって、各走査において、図3、図4に示した正弦波合成駆動が完全に行われた場合、走査再現性は理想的となる。
一方、図5(b)は、光偏向器の走査再現性に問題がある場合を示している。図5(b)に示す場合、走査軌跡71は、設計上の主走査方向と一致しておらず、主走査線と垂直な方向(以下、副走査方向と呼ぶ)にずれを生じている。この様な走査により、図5(b)の光スポット72で示す如く、理想的な主走査線から距離J1だけ外れた光スポットが形成される。図5(b)に典型的に示す様に、光スポット毎に副走査方向へのずれが変動するため、走査線に渡って、この方向の光スポット位置の再現性が低下している(以下、副走査位置変動と呼ぶ)。
また、図5(b)では、光スポット73で示す様に、理想位置から主走査方向に距離J2だけ変動が生じる(以下、主走査位置変動と呼ぶ)。例えば、これは、式6に示した正弦波合成駆動のφ1、φ2、夫々の周波数成分の駆動信号からの位相遅れ量、各周波数成分の角速度、角加速度、または、他周波数成分の混在のいずれかの変動が生じた場合に発生する。この様に、走査再現性が得られず、上記副走査位置変動や主走査位置変動が生じると、例えば、光偏向器を画像形成装置に用いた場合、スポットの位置が定まらないため、画像の劣化を生じてしまう。
上記の様な走査位置変動が生じる第1の要因は、ねじり振動に伴って振動系160が受ける雰囲気からの抵抗である。
第1揺動部41、第2揺動部42は、ねじり振動によって雰囲気から空気抵抗を受ける。振動系160は、前述の通り、駆動信号の周波数f0、2f0付近に固有振動モードが設定されているため、共振点でねじり振動しているとみなすことができる。この様な振動状態では、駆動手段から投入するエネルギーと空気抵抗によって雰囲気へ消散されるエネルギーは釣り合っている。
しかし、第1揺動部41、第2揺動部42がねじり振動すると、揺動軸17中心に夫々の揺動部の表面が雰囲気を攪拌する。この攪拌により夫々の揺動部回りの雰囲気は乱れを生じ、この結果、夫々の揺動部が受ける空気抵抗は時間と共に変動する。この空気抵抗の変動は、振動系160の共振点での振動状態を変動させる。そして、走査の正弦波合成駆動のφ1、φ2、駆動信号からの位相遅れ量、各周波数成分の角速度、角加速度等が変動する。
この様な変動は、振動系160を雰囲気からの空気抵抗を受け難い形状とすることにより、効果的に減ずることが可能となる。振動系160において、第2揺動部42の幅のみを小さくすることにより、光走査性能を損なわず、且つ、振動系160の揺動軸17方向の寸法を大型化しないで、雰囲気からの空気抵抗を減ずることができる。
これに対して、第1揺動部11の幅を減じることは、反射面22の主走査方向への有効反射寸法を小さくしてしまう。そのため、例えば、光偏向器を画像形成装置に用いる時に、走査毎の光スポット分解能(一走査中に有効に分離される光スポット数)を等しくしようとすれば、より大きな走査角で光走査を行う必要がある。そのため、所望の画像形成に必要な第1ねじりバネ12、第2ねじりバネ14のねじり角が大きくなるため、破断を防ぐために夫々のねじりバネの長さが大型化してしまう。更に、所望の画像形成を行うために、大きな走査角で第1揺動部41、第2揺動部42を駆動することは、前述の雰囲気の攪拌を大きくする作用を有する。このため、第1可揺動部41の幅を小さくして振動系160の空気抵抗の変動を効果的に減ずるのは困難である。
本実施例の振動系160は、第2揺動部42に質量調整体19と永久磁石151を有しており、第2揺動部42の幅を、その慣性モーメントを保ちながら、小さくすることが可能となる。したがって、振動系160は、光走査性能を損なうことなく、空気抵抗の変動を減じ、前述した通り固有振動モードの周波数を良好に調整可能な構成となる。
更に、共振点で振動しているため、振動エネルギーが大きな振動において、相対的な空気抵抗の効果は小さくなる。したがって、第2揺動部42の質量調整体19と永久磁石151により、その慣性モーメントを大きく保つことで、駆動時の振動エネルギーを大きく保ち、空気抵抗の変動の走査再現性への影響を減ずることができる。特に、第2揺動部42の慣性モーメントのみを大きく保つことは、第1揺動部41への重量付加を伴わないので、第1可動子11の自重による駆動時の反射面11の変形を大きくすることなく、走査再現性を良好とできる。
また、本実施例では、特に、第1揺動部41の幅と第2揺動部42の幅を比べると、第2可動子の幅が小さく形成されている。複数の揺動部を有する振動系では、揺動部1つ1つが上記の様な空気抵抗の変動を受ける。そのため、揺動部の数が増えるほど、複数の固有振動モードを利用して前述の様な特徴的な光走査を低消費電力で実現できる反面、変動要因が増えてしまう。しかしながら、本実施例の如く、第2揺動部42の幅を第1揺動部41より小さく形成し、永久磁石151と質量調整体19を付与して第2揺動部42の慣性モーメントを大きくすることにより、次の様な効果が得られる。すなわち、揺動部の数を増やしても、空気抵抗の変動要因が増えるのに比して、より効果的に振動エネルギーを増やすことができる。そのため、より良好に走査再現性を向上することが可能となる。
本実施例では、特に、図1に示す様に、第2揺動部42は同一の構成の揺動部が2個で1対となっている。これにより、振動系160は、駆動手段である固定コイル152とトルク発生を行う永久磁石151も2組設置できるため、低消費電力で駆動することが可能である。そして、図2(a)に示す様に、振動系160は、固定体150に両端支持構造で支持されている。これにより、振動系160の駆動中の不要振動を抑えることができる。また、振動系160が外部からの衝撃を受けた場合でも、破損し難い構造となる。
一方、走査位置変動が生じる第2の要因は、振動系160の不要振動とそれに伴う慣性力である。
揺動軸17回りにねじり振動する以外の方向の振動は、全て不要振動となる。不要振動が生じると、第1揺動部41の運動は、揺動軸17回りにねじり振動する成分と意図しない不要振動との合成振動になる。そのため、この振動によって、前述した走査位置変動が生じてしまう。また、後述する様に、不要振動が、光走査に用いる揺動軸17回りの2つの固有振動モードの連成振動を生じさせてしまい、更に走査位置変動を生起してしまう。
特に、本実施例では、図1に示す振動系160に対し、紙面の法線方向と、紙面内で揺動軸17に垂直な方向への剛性が比較的低い。これは、同一の揺動軸回りに複数の揺動部と複数のねじりバネを直列に弾性支持する振動系では、顕著な性質である。そして、これら2方向への不要振動は、第1揺動部41、第2揺動部42夫々の重心が揺動軸17からずれていると生じることとなる。
図7は、この様な重心ずれと不要振動の関係を示す概念図である。図7(a)、(b)、(c)は、共に、走査中心位置(13a)から4分の1周期矢印67方向へ振動した位置(13b)までの第2可動子13の振動の様子を、図1のA−A線での断面で示している。特に、図7(a)は重心ずれがない理想的な状態を示す。図7(b)は、第2可動子13aと重心66aで示す様に、第2可動子13aの厚み方向へずれが生じている場合の状態を示す。図7(c)は、第2可動子13aの幅方向へずれが生じている場合の状態を示す。尚、ここでは、重心ずれと不要振動の関係を説明するため、第2揺動部を構成する第2可動子13に永久磁石151と質量調整体19が配置されないものとする。
図7(a)に示す様に、重心ずれのない理想状態では、周波数f0、2f0の駆動信号によって、揺動軸17回りにねじり振動している。
一方、図7(b)では、重心66aが揺動軸17からずれているため、ねじり振動によって第2可動子13aには、揺動軸17から重心66aの方向への慣性力が生じる。その慣性力によって、第2可動子13aは、図7(b)に示す曲線65に沿って揺動軸17の位置が変化する様に、13bの位置へねじり振動する。13aから13bへの振動は4分の1周期を表しているので、図7(b)の矢印P方向の振動はねじり振動と同じ周波数となり、矢印Q方向の振動はねじり振動の2倍の周波数となる。
同様に、図7(c)の様に、重心66aが揺動部13aの幅方向へずれている場合でも、曲線65で示す様に不要振動を伴ったねじり振動が生じることとなる。この場合も、図7(b)の場合とは方向が異なるが、揺動軸17回りのねじり振動と同じ周波数の矢印P方向の振動と2倍の周波数の矢印Q方向の振動が生じることとなる。
この様に、重心ずれによって、矢印PやQの方向の不要振動が生じる。ここでは、特に図7に示した断面内の不要振動について論じたが、同様のメカニズムによって、他の方向への重心ずれがあっても、特徴的な周波数の不要振動を引き起こすこととなる。そのため、走査位置再現性が低下してしまう。
特に、Q方向の振動は、ねじり振動の周波数の2倍の周波数を有している。本実施例の振動系160は、固有振動モードの周波数f1とf2が略2倍の関係を有している。そのため、駆動信号の基準周波数f0で励起された振動方向67により、2倍の周波数を持った矢印Q方向の不要振動が生じてしまう。この不要振動に対して、振動系160のいずれかの部分の重心ずれにより、揺動軸17回りのトルク成分を有する慣性力が生じることとなる。例えば、第2揺動部42が図7(b)の重心ずれと図7(c)の重心ずれを同時に有している場合が挙げられる。この様にして、振幅増幅率の高い周波数f2の固有振動モードが意図しないで励起されてしまう。上記の様な、揺動軸17回りの固有振動モードの連成振動現象が生じると、走査位置は、周期的な変動を示すか、振幅や位相がランダムな変動を示しながら特徴的な周波数成分を有しているほぼ周期的な変動を示すこととなる。
本実施例では、永久磁石151と質量調整体19が揺動軸17を挟んで対向して配置されている。これにより、第2揺動部42の重心位置を揺動軸17が通過する構成とすることが容易にできる。こうして、上記の様な振動系160の不要振動を減じ、また、それに伴って生じる慣性力も減じることができる。そのため、固有振動モードの連成振動も抑制することが可能である。したがって、走査位置変動を抑え、良好な走査再現性を実現することが容易となる。
また、重心ずれがある場合は、質量調整体19に対して前述の様にレーザ加工を行ってその質量の一部を除去することで、重心を揺動軸17上へ調整することが可能となる。
以上の様に、本実施例では、第2揺動部42のみに設置された永久磁石151と質量調整体19の効果により、複数の固有振動モードの周波数を所望の値に容易に調整可能で、且つ、走査再現性が良好になっている。
(第2の実施例)
図8、図9は本発明の光偏向器の第2の実施例を示す図である。図8は上面図、図9は、図8のA−A線での断面図である。これらの図面では、第1の実施例の要素と同じ機能を有する個所には同じ符号を付してある。以下、第1の実施例と同じ機能を有する個所の詳しい説明は省略し、特に異なる箇所について詳細に説明する。図8、図9に示す様に、本実施例の光偏向器では、第1可動子11、第1ねじりバネ12、第2ねじりバネ14、支持体15、質量調整体19、反射面22、支持体150、永久磁石151は第1の実施例と同様の材質・構造・機能を有している。
本実施例の第2可動子13は、図8、図9に示す様に、揺動軸17とほぼ平行に伸びる空隙30を有している。したがって、図8の破線部分と図9に示す様に、空隙30により、質量調整体19の一部は第2可動子13と接着されていない領域が存在する。空隙30は、振動系160を単結晶シリコン基板からドライエッチングで形成するときに同時に形成される。
空隙30の存在により、第1の実施例で述べた質量調整体19の一部をレーザ光で除去する工程での固有振動モードの周波数調整幅を増大し、更に高速に行うことが可能となる。また、振動系160の重心位置の調整範囲を増大し、更に高速に行うことも可能となる。
図10は、本実施例の質量調整体19を除去する工程例を説明する概念図である。図10(a)は、レーザ加工初期の加工部分の上面図、図10(b)は、レーザ加工工程(a)から更に加工が進んだ工程の状態を示す上面図、図10(c)は、図10(b)のC−C線で切断した断面図である。図10(c)に示す様に、本実施例の質量調整体19は、空隙30の存在により、接着されていない部分の一部である質量除去部分85が、レーザ光の照射を受けていなくても、除去される。
まず、図10(a)に示す様に、加工レーザスポット80が、加工軌跡82に沿って、回転方向83の様に円弧を描く閉曲線状に、走査される。加工レーザスポット80は、質量調整体19の加工に適した出力とパルス周波数で発光している。図示の様に、加工レーザスポット80により、加工軌跡82に沿った加工部分81が形成される。
図10(b)では、加工レーザスポット80が、加工軌跡82に沿って、適切な回数周回した後の状態を示している。図示の様に、加工軌跡82に沿って貫通部分84が形成されている。図10(c)では、この部分の断面を示している。加工レーザスポット80は、更に加工軌跡82を周回して、質量除去部分85の周囲を円弧状閉曲線的に除去する。質量除去部分85は、図10(c)に示す様に、空隙30の存在により第2可動子13と接着していないため、上記の工程によって、第2可動子13から切り離されることとなる。
上記の工程では、質量調整体19の一部の除去量を大きくする場合、加工軌跡82の直径を大きくすることで、高速に大きな質量を除去することが可能となる。勿論、加工軌跡82の形状は、上記の円弧状閉曲線に限るものではない。
以上の様に本実施例では、空隙30の効果により、質量調整体19の除去量を大きく、高速に除去することができる。そのため、固有振動モードの周波数調整幅や振動系160の重心位置の調整範囲を増大し、更に高速に調整を行うことが可能となる。
また、本実施例の様に第2可動子13に空隙30を設けることにより、質量調整体19を平板状とすることができるため、接着のための組み立てが容易となる。
本実施例の第2可動子13、質量調整体19は、図11に示す様な形態にすることもできる。図11は、図8のA−A線での断面図である。前述の図9の場合と異なり、図11に示す構成では、質量調整体19に空隙30が設けられている。この場合でも、レーザ光照射による質量除去について同様の効果を得ることができる。
(第3の実施例)
図12、図13、図14は本発明の光偏向器の第3の実施例を示す図である。図12(a)は反射面22が形成される側からの上面図、図12(b)は、図12(a)の裏面側からの振動系160の上面図である。また、図13は、図12(a)のB−B線での断面図である。そして、図14は、図12(a)のD−D線での断面図である。これらの図面でも、第1の実施例の要素と同じ機能を有する個所には同じ符号を付してある。以下、第1の実施例と同じ機能を有する個所の詳しい説明は省略し、特に異なる箇所について詳細に説明する。図12に示す様に、本実施例の光偏向器でも、第1可動子11、支持体15、反射面22、支持体150、永久磁石151は第1の実施例と同様の材質・構造・機能を有している。
本実施例の振動系160は、後述するアルカリ水溶液を用いた単結晶シリコンの異方性エッチングを用いて一体的に形成されている。本実施例では、振動系160は、図13、図14に示す様に、単結晶シリコンの結晶等価面に囲まれた特徴的な形状を有している。
図13に示す様に、本実施例の第2可動子13は、揺動軸17と平行に伸びる凹部31を有している。凹部31は、第2の実施例における空隙30と、質量調整体19をレーザ光で除去する工程について、同様の効果を有している。そして、空隙として凹部31を形成することにより、第2の実施例の空隙30と比べ、第2可動子13の慣性モーメントを大きく保ったまま、レーザ加工により質量調整体19から大きな質量を除去することが可能となる。また、質量調整体19に平板を用いるだけで、空隙を形成できるので、接着のための組み立てが容易となる。更に、凹部31が形成される側の反対側の裏面には空隙が形成されないため、裏面を永久磁石151の接着に使用することができる。
一方、図14に示す様に、第1ねじりバネ12は、単結晶シリコンの(100)等価面と(111)等価面で囲まれたX字状の断面形状を有している。また、第2ねじりバネ13も同様のX字状の断面形状を有している。
本実施例の振動系160は、第1ねじりバネ12、第2ねじりバネ13のX字状の断面形状により、図14の矢印L、矢印M方向への剛性が高く、矢印N方向の揺動軸17回りのねじり剛性が比較的柔らかくなっている。つまり、ねじりバネとして揺動軸中心にねじり易く、他方向へたわみ難い構造となる。したがって、矢印L、矢印M方向の不要振動を効果的に抑制することができる。こうして、走査位置変動を更に効果的に減ずることができるため、良好な走査再現性を実現することができる。
また、本実施例の第2ねじりバネ14は1本のみとなっており、振動系160が固定体150に対して片端支持された構成となっている。このため、温度変化や外力によって固定体150に変形が生じても、振動系160に応力が殆ど伝達されず変形も殆ど生じない。したがって、製造時に揺動軸17へ一致する様に調整された重心位置が、温度変化や外力によって変化しないため、温度変化や外力の有無によらず良好な走査再現性を実現することができる。更に、温度変化による揺動軸17方向の応力も殆ど伝達されない構造である。そのため、揺動軸17回りの固有振動モードの周波数f1、f2の変化の割合を同程度とし、正弦波合成駆動の2つの周波数成分の位相差を安定とすることができる。
次に、本実施例の振動系160のアルカリ水溶液エッチング工程を説明する。図15、図16は、図13、図14の断面に夫々対応したアルカリ水溶液エッチング中の形状を示す。図15、図16中の(a)乃至(f)は、同じタイミングの夫々の断面形状を示している。まず、(a)では、保護膜101が成膜された(100)等価面100を図の向きに有するシリコン基板99を用い、保護膜101をパターニングする。本実施例では、保護膜101は窒化シリコン膜である。窒化シリコン膜は化学気相合成法を用いて成膜できる。また、フォトリソグラフィとドライエッチングにより、(a)に示す様に保護膜102のパターンを形成する。
ここで、図15に示す様に、幅Wkの開口を形成する。また、図16に示す様に、幅Wb、Wgの開口を形成する。これらの幅は後の工程で現れる(111)等価面と(100)等価面の成す角とシリコン基板99の厚さから決定することができる。これらの幅を適切に設定することで、振動系160の仕様に基づいて、必要なねじりバネ定数や凹部のサイズを達成することが可能となる。
次に、(b)において、アルカリ水溶液に漬けることでエッチングを開始する。本実施例では、水酸化カリウム水溶液を用いている。水酸化カリウム水溶液の様なアルカリ水溶液は、単結晶シリコンの(111)等価面のエッチング速度が他の面に比べて遅いため、(111)等価面に囲まれた形状を形成することができる。エッチングが進行するにつれて、(b)乃至(f)の様にエッチングされる。最終的には、(f)において(100)等価面100と(111)等価面102に囲まれた第2可動子13、凹部31、第1ねじりバネ12、第2ねじりバネ13が形成される。その後、両面の保護膜101をドライエッチングにより除去し、反射膜22を真空蒸着により形成して、振動系160が形成される。
以上の様に、本実施例では、1回のアルカリ水溶液エッチングにより、第2可動子13、凹部31、第1ねじりバネ12、第2ねじりバネ13が同時に形成される。そのため、製造工程が簡略化できるため、振動系160を安価に作製することができる。
特に、単結晶シリコンの(111)等価面はエッチング速度が遅く、凹部31、第1ねじりバネ12、第2ねじりバネ13の形状を精密に加工することができる。凹部31を精密に加工することにより、第2揺動部42の慣性モーメントや重心位置を精密に決定できる。また、第1ねじりバネ12、第2ねじりバネ13を精密に加工できることにより、ねじりバネ定数を精密に決定できる。つまり、振動系160の固有振動モードの周波数と重心位置を精密に決定できることとなる。そのため、固有振動モードの周波数や重心位置の調整のために質量調整体19の一部を除去する工程を省略することができるか、または、除去量を減じて調整に要する時間を短縮することができる。したがって、更に安価に振動系160を製造可能となる。
本実施例の質量調整体19は、硬磁性体であるコバルトを含む金属磁石から形成することができる。この場合、図12(a)、図13に示す様な構成で、質量調整体19を第2可動子13へ接着後、着磁前の永久磁石151を接着する。その後、着磁装置によって着磁を行う。したがって、質量調整体19も、永久磁石151と同じ向きに磁極を有する永久磁石として作用することとなる。
これにより、振動系160が有する永久磁石の量が増え、振動系160の駆動を低消費電力とすることができる。また、固定コイル152へ通電される電流を減ずることができるため、発熱も減ずることができる。したがって、振動系160の固有振動モードの周波数変化を低減することが可能となる。
また、本実施例の質量調整体19は、図12に示す様に、第2可動子12の両端付近は太く、中央付近は細い形状を有している。これにより、長方形の平板と比べ、揺動軸17回りの慣性モーメントあたりの質量を軽くすることができる。したがって、振動系160の揺動軸17回りの固有振動モードの周波数を一定としながら、その他の固有振動モードの周波数を変えた構成とすることができる。そして、揺動軸17回りの固有振動モードの周波数f1、f2や、外乱から流入する特徴的な振動がある場合はその振動の周波数から振動系160の固有振動モードの周波数を、離間することが可能となる。したがって、より不要振動を抑え、良好な走査再現性を有する光偏向器とすることができる
この様に、本実施例の質量調整体19によれば、振動系160の揺動軸17回りの固有振動モードの周波数f1、f2以外の固有振動モードの周波数を所望の設定とする自由度を増すことができる。
(第4の実施例)
図17は、本発明の光偏向器を用いた光学機器の実施例を示す概略斜視図である。ここでは、光学機器として画像形成装置を示している。図17において、3003は本発明の光偏向器であり、本実施例では入射光を1次元に走査する。3001はレーザ光源である。3002はレンズ或いはレンズ群であり、3004は書き込みレンズ或いはレンズ群、3005はドラム状の感光体である。
レーザ光源3001から射出されたレーザ光は、光の偏向走査のタイミングと関係した所定の強度変調を受けている。この強度変調光は、レンズ或いはレンズ群3002を通って、光走査系(光偏向器)3003により1次元的に走査される。この走査されたレーザ光は、書き込みレンズ或いはレンズ群3004により、感光体3005上に画像を形成する。
走査方向と直角な方向に回転軸の回りに回転される感光体3005は、図示しない帯電器により一様に帯電されており、この上に光を走査することによりその走査部分に静電潜像が形成される。次に、図示しない現像器により静電潜像の画像部分にトナー像が形成され、これを、例えば、図示しない用紙に転写・定着することで用紙上に画像が形成される。
本発明の光偏向器3003を用いることにより、光の偏向走査の角速度を感光体3005上の仕様範囲内で略等角速度とできる。更に、本発明の光偏向器を用いることにより、走査位置変動が少なくなり、鮮明な画像を生成できる画像形成装置とできる。
本発明の第1の実施例の光偏向器を示す上面図である。 (a)は本発明の第1の実施例の光偏向器を示す断面図であり、(b)は本発明の第1の実施例の光偏向器を示す他の断面図である。 本発明の第1の実施例の光偏向器によって偏向走査された光の変位角を示す図である。 本発明の第1の実施例の光偏向器によって偏向走査された光の角速度を示す図である。 (a)は理想的な走査再現性を説明する概念図であり、(b)は走査位置変動により走査再現性が低下した状態を説明する概念図である。 本発明の第1の実施例の振動系の反射面が形成されない側の構成を示す上面図である。 (a)は重心ずれが無い理想状態のねじり振動を説明する概念図であり、(b)は重心ずれが生じた場合のねじり振動を説明する概念図であり、(c)は他の重心ずれが生じた場合のねじり振動を説明する概念図である。 本発明の第2の実施例の光偏向器を示す上面図である。 本発明の第2の実施例の光偏向器を示す断面図である。 (a)は本発明の第2の実施例のレーザ加工の一工程を説明する上面図であり、(b)は本発明の第2の実施例のレーザ加工の他の工程を説明する上面図であり、(c)は本発明の第2の実施例のレーザ加工の(b)に対応する工程を説明する断面図である。 本発明の第2の実施例の変形例の光偏向器を示す断面図である。 (a)は本発明の第3の実施例の光偏向器を示す上面図であり、(b)は本発明の第3の実施例の振動系の反射面が形成されない側の構成を示す上面図である。 本発明の第3の実施例の光偏向器を示す断面図である。 本発明の第3の実施例のねじりバネの断面図である。 本発明の第3の実施例の揺動部の製造工程を示す断面図である。 本発明の第3の実施例のねじりバネの製造工程を示す断面図である。 本発明の光偏向器を用いた光学機器の実施例を示す斜視図である。 従来例の光偏向器を示すブロック図である。
符号の説明
11 第1可動子
12 第1ねじりバネ
13 第2可動子
14 第2ねじりバネ
15 支持体
17 揺動軸
19 質量調整体
22 光偏向素子(反射面)
30 空隙
31 凹部
41 第1揺動部
42 第2揺動部
150 固定体
151 駆動手段(永久磁石)
152 駆動手段(固定コイル)
160 振動系
3001 光源(レーザ光源)
3003 光偏向器(光走査系)
3005 感光体

Claims (7)

  1. 光を偏向走査する光偏向器であって、
    振動系と、該振動系を駆動する駆動手段を有し、
    前記振動系は、第1揺動部と、第1ねじりバネと、第2揺動部と、第2ねじりバネと、支持体を有し、
    前記第1揺動部は、光を偏向する光偏向素子が設置された第1可動子で構成され、
    前記第2揺動部は、質量を調整するための質量調整体が設置された平板状の第2可動子で構成され、
    前記質量調整体は平板状であり、前記第2可動子の一方の平面上に配置され、
    前記第1可動子は、前記第2可動子に、前記第1ねじりバネで揺動軸を中心にねじり振動可能に弾性支持され、
    前記第2可動子は、前記支持体に、前記第2ねじりバネで前記揺動軸を中心にねじり振動可能に弾性支持され、
    前記振動系は、前記揺動軸回りに、周波数が異なる少なくとも2つの固有振動モードを有する、
    ことを特徴とする光偏向器。
  2. 前記揺動軸に対する前記第2揺動部の慣性モーメントが、前記揺動軸に対する前記第1揺動部の慣性モーメントより大きいことを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 前記駆動手段は、コイルと磁石を有し、
    前記第2揺動部は、前記質量調整体と前記磁石が設置された第2可動子で構成されて、前記磁石と前記質量調整体は、前記第2揺動部の重心位置が前記揺動軸に近づくように、前記揺動軸と垂直な方向に前記揺動軸を挟んで配置される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光偏向器。
  4. 前記振動系は2つの異なる周波数の前記固有振動モードを有し、一方の周波数が他方の周波数の略2倍、または略3倍である、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光偏向器。
  5. 前記第2可動子側の前記質量調整体の平面において、前記質量調整体の一部が前記第2可動子と接着されないようにする空隙が存在する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光偏向器。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の光偏向器の製造方法であって、
    前記質量調整体へレーザ光を照射して前記質量調整体の一部を除去する工程を有する、
    ことを特徴とする光偏向器の製造方法。
  7. 光源と、請求項1から5のいずれか1項に記載の光偏向器と、感光体または画像表示体を有し、前記光偏向器は、前記光源からの光を偏向し、該光の少なくとも一部を前記感光体または前記画像表示体上に入射させる、
    ことを特徴とする光学機器。
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